JP2011238750A - 薄型トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化、小型化、軽量化が可能なトランスを提供する。
【解決手段】Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金の薄板を多層に巻回して、その巻回体の外周全体に絶縁体からなるコアケース13を一体にモールドした平面形状がU字状の磁心半体14a,14bを互いに接合して閉ループの磁路を有する磁心2を構成し、磁心半体14a,14bどうしの一方の接合部15aに、コアケース13を介して断面形状が四角形の1次コイル3を1層整列状態に巻回し、磁心半体14a,14bどうしの他方の接合部15bに、コアケース13を介して断面形状が四角形の2次コイル4を1層整列状態に巻回して、1次コイル3と2次コイル4を離間配置したことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金の薄板を多層に巻回して、その巻回体の外周全体に絶縁体からなるコアケース13を一体にモールドした平面形状がU字状の磁心半体14a,14bを互いに接合して閉ループの磁路を有する磁心2を構成し、磁心半体14a,14bどうしの一方の接合部15aに、コアケース13を介して断面形状が四角形の1次コイル3を1層整列状態に巻回し、磁心半体14a,14bどうしの他方の接合部15bに、コアケース13を介して断面形状が四角形の2次コイル4を1層整列状態に巻回して、1次コイル3と2次コイル4を離間配置したことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えばTV用AC−DCコンバータ電源用薄型スイッチングトランスなどの薄型トランスに係り、特に磁心とその周辺の部品に関するものである。
背景技術として、例えば下記特許文献1や2に記載の提案がある。特許文献1には、磁歪の大きさが−1.2×10-6≦λs≦+1.2×10-6の範囲にあり、硬さがHv320以上のアモルファス磁性材料を巻回またはラミネートし、磁路を構成したのち、硬化時収縮率が0.05%以上の有機系絶縁樹脂を用いてモールドした磁心が記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ系樹脂で含浸し、一部をカットしてギャップを設けたアモルファス巻磁心が記載されている。
従来のTV用AC−DCコンバータ電源用薄型スイッチングトランスに使用する磁心は、酸化第二鉄を主成分とした粉末をプレスして焼成した、形状が比較的自由に加工できるフェライトを使用している。このフェライトの比透磁率は、約2400〜5300の範囲にある。
トランスのインダクタンスはコイルの巻数のおよそ2乗に比例し、巻数が多くなると増加し、少なくなると減少するという関係がある。
漏れインダクタンス(リーケージインダクタンス)も同様に巻数が多くなると増加し、少なくなると減少する関係にあり、また、1次-2次巻線の配置によるコイル間の結合度合によっても変化する。
漏れインダクタンス(リーケージインダクタンス)も同様に巻数が多くなると増加し、少なくなると減少する関係にあり、また、1次-2次巻線の配置によるコイル間の結合度合によっても変化する。
現状のフェライト製の磁心を使用した薄型TV用電源においてスイッチング回路は、大電力でスイッチング損失の少なく効率の高い電流共振回路方式を使用しており、スイッチングトランスに直列に配置された容量Csと、スイッチングトランスの漏れインダクタンス(リーゲージインダクタンス)L2で共振して動作していて、理想的にはトランス内部に105μHのリーゲージインダクタンスが必要となっている。
ところが従来のこの種トランスのリーゲージインダクタンスは35μHと小さいため、トランスを3個直列に接続して、全体として(35×3=)105μHのリーゲージインダクタンスを確保していた。
また、従来のフェライト製磁心のコア損失は0.75W/cm3で、このコア損失が大きいと使用時のトランスの温度上昇が高く、コア損失が小さいと使用時のトランスの温度上昇は低くなる。
トランスの温度衝撃試験時あるいは基板リフロー時の温度差でフェライト製磁心が割れ易くなるため、トランスの総高を余り薄くすることができず、現状ではトランスの総高は約9.3mmが限界であり、それ以上の総高になっている。
現状のトランスの特性を確保しつつ、トランスの総高を薄く、例えば6mmにするためには、コイル(電線)部の厚さを考慮すると、磁心の厚さは2mm以下に抑える必要がある。
ところがフェライト製の磁心では、その厚さを2mm以下にすると、温度衝撃試験時あるいは基板リフロー時の温度差で磁心が割れるという問題がある。
また、リーゲージインダクタンス105μHを確保するために、前述のように3個のトランスを使用した場合、電源基板の面積に対するトランスの占有面積が大きくなるという問題がある。
さらに、トランスを3個使用するため、コスト高になるという欠点もある。
さらに、コア損失が大きいとトランスの鉄損が大きくなるため、コア温度が上昇し、トランス全体の温度上昇が高くなる。この温度上昇を低減するには、磁束数を少なくする必要があり、そのためには1次コイルの巻数を多くする必要がある。ところが、1次コイルの巻数を多くすると、トランスの巻線部が高く、大きくなり、そのためにトランス全体が高く、大きくなり、トランスの薄型化、小型化の障害となるなどの欠点を有している。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、薄型化、小型化、軽量化が可能なトランスを提供することにある。
前記目的を達成するため、
本発明の第1の手段は、Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金の薄板を、帯状に切断、巻き回した後、熱処理をすることにより、組成物の大半を微細結晶粒としたFe基軟磁性合金薄帯の巻回体の外周全体に絶縁体からなるコアケースを一体にモールドした平面形状がU字状の磁心半体を互いに接合して閉ループの磁路を有する磁心を構成し、
その磁心半体どうしの一方の接合部に、前記コアケースを介して電線断面形状が四角形の1次コイルを1層整列状態に巻回し、
当該磁心半体どうしの他方の接合部に、前記コアケースを介して電線断面形状が四角形の2次コイルを1層整列状態に巻回して、前記1次コイルと2次コイルを離間して配置したことを特徴とするものである。
本発明の第1の手段は、Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金の薄板を、帯状に切断、巻き回した後、熱処理をすることにより、組成物の大半を微細結晶粒としたFe基軟磁性合金薄帯の巻回体の外周全体に絶縁体からなるコアケースを一体にモールドした平面形状がU字状の磁心半体を互いに接合して閉ループの磁路を有する磁心を構成し、
その磁心半体どうしの一方の接合部に、前記コアケースを介して電線断面形状が四角形の1次コイルを1層整列状態に巻回し、
当該磁心半体どうしの他方の接合部に、前記コアケースを介して電線断面形状が四角形の2次コイルを1層整列状態に巻回して、前記1次コイルと2次コイルを離間して配置したことを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記薄板巻回体の各薄板間に絶縁体の結着層が設けられて各薄板が互いに結着されているとともに、各結着層の端部が前記コアケースと一体になっていることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1または第2の手段において、前記磁心と1次コイルならびに2次コイルの集合体を面実装するプリント配線基板の前記1次コイルならびに2次コイルの下部コイル部と対向する位置にコイル収容用切欠部をそれぞれ形成し、
前記1次コイルならびに2次コイルを前記プリント配線基板に搭載して、前記1次コイルならびに2次コイルの下部コイル部を前記コイル収容用切欠部にそれぞれ落とし込んだことを特徴とするものである。
前記1次コイルならびに2次コイルを前記プリント配線基板に搭載して、前記1次コイルならびに2次コイルの下部コイル部を前記コイル収容用切欠部にそれぞれ落とし込んだことを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、前記プリント配線基板のコイル収容用切欠部の外周に架橋部を形成したことを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1または第2の手段において、前記コアケースの下面と前記プリント配線基板のコアケースと対向する部分に、位置決め穴と、その位置決め穴に挿入する位置決め突部を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5の手段のいずれか1つの手段において、前記1次コイルまたは2次コイルが自己融着線またはワニス等の樹脂含浸により成形されていることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、薄型化、小型化、軽量化ができるトランスを提供することができる。
本発明では、Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金が磁心材料として用いられている。
このFe基軟磁性合金は、下記の一般式で表せられる。
一般式
(Fe1−aMa)100−x−y−z−αCuxSiyBzM´α
式中、
MはCoおよび/またはNi、
M´はNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素、
a,x,y,zおよびαは、それぞれ0原子%≦a≦0.5原子%,0.1原子%≦x≦3原子%,0原子%≦y≦30原子%,0原子%≦z≦25原子%,5原子%≦y+z≦30原子%,0.1原子%≦α≦30原子%を満たす数値である。
一般式
(Fe1−aMa)100−x−y−z−αCuxSiyBzM´α
式中、
MはCoおよび/またはNi、
M´はNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素、
a,x,y,zおよびαは、それぞれ0原子%≦a≦0.5原子%,0.1原子%≦x≦3原子%,0原子%≦y≦30原子%,0原子%≦z≦25原子%,5原子%≦y+z≦30原子%,0.1原子%≦α≦30原子%を満たす数値である。
前述のように、Feは0〜0.5原子%の範囲でCoおよび/またはNiで置換してもよく、特に0〜0.1原子%の範囲が好ましい。
Cuの含有率は、0.1〜3原子%で、特に0.5〜2原子%の範囲が好ましい。
Cuの含有率は、0.1〜3原子%で、特に0.5〜2原子%の範囲が好ましい。
Siの含有率は、0〜30原子%で、特に6〜25原子%の範囲が好ましい。
Bの含有率は、0〜25原子%で、特に2〜25原子%の範囲が好ましい。
Bの含有率は、0〜25原子%で、特に2〜25原子%の範囲が好ましい。
Si+Bの含有率は、5〜30原子%で、特に14〜30原子%の範囲が好ましい。
M´(Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti,Mo)の含有率は、0.1〜30原子%で、特に1〜10原子%の範囲が好ましい。
M´(Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti,Mo)の含有率は、0.1〜30原子%で、特に1〜10原子%の範囲が好ましい。
本発明に用いるFe基軟磁性合金として、Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加し、これを一旦、非晶質にした後に、熱処理をすることにより、組成物の大半を微細結晶粒としたFe基軟磁性合金が特に好適である。この軟磁性合金は、組織のうちの少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微細結晶粒からなり、残部が実質的にアモルファス(非晶質)で構成されている。
所定の組成比を有する溶融物から液体急冷法によりリボン状の非晶質合金が得られ、その板厚は5〜100μmである。高周波トランス用として特に板厚が25μm以下のものが好適であり、本実施形態では板厚が20μmのものを使用する。
非晶質合金薄板は熱処理前に、例えば打ち抜きやエッチングなどによって所定の形状に加工される。
その加工後の非晶質合金薄板の熱処理は、真空中または水素、窒素などの不活性ガス中で行なわれる。加熱温度と加熱時間は非晶質合金薄板の組成、形状、サイズなどにより異なるが、500〜650℃で、5分から6時間程度である。熱処理は、磁場中で行なうのが好ましい。
その加工後の非晶質合金薄板の熱処理は、真空中または水素、窒素などの不活性ガス中で行なわれる。加熱温度と加熱時間は非晶質合金薄板の組成、形状、サイズなどにより異なるが、500〜650℃で、5分から6時間程度である。熱処理は、磁場中で行なうのが好ましい。
Fe基軟磁性合金の組成としては、例えば次のようなものを挙げることができる。
Fe71.5Cu1Nb5Si13.5B9
Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B9
Fe71Cu1.5Nb5Si13.5B9
Fe71.5Cu1Mo5Si13.5B9
これらFe基軟磁性合金のコア損失は、0.22〜0.25W/cm3である。
Fe71.5Cu1Nb5Si13.5B9
Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B9
Fe71Cu1.5Nb5Si13.5B9
Fe71.5Cu1Mo5Si13.5B9
これらFe基軟磁性合金のコア損失は、0.22〜0.25W/cm3である。
本実施形態においては、前記Fe基軟磁性合金組成を有する20μm厚の薄帯状体を積層状に巻いてコアを構成する。前記薄帯状体の幅は2mm以下まで狭く加工でき、薄帯状体の間に例えばエポキシ系樹脂などの合成樹脂を注形することにより、コア高さ2mmが実現可能である。また、このような構成にすることにより、温度サイクル試験時のコア強度も十分に確保できる。
前記Fe基軟磁性合金の比透磁率は約16000と高く、従来使用していたフェライトの約5倍である。
さらに、1次コイル及び2次コイルを離間して配置することにより、同一巻数の場合は、1個のトランスでリーゲージインダクタンスは175μHとなる。
また、前記Fe基軟磁性合金のコア損失は0.25W/cm3で、従来使用していたフェライトの約1/3であり、鉄損も約1/3となり、使用中におけるコアの温度上昇を低く抑えることができる。
前述の比透磁率が高いこと、ならびにコア損失(鉄損)が低いことから、従来、3個のトランスが必要であったところが1個のトランスで済み、部品点数の削減が図れる。
また、トランスの数の削減で電源基板に対するトランスの占有面積を小さくすることができ、それに加えてリーゲージインダクタンスを仕様の105μHとすることで、巻数を約20%少なくすることができる。このようなことから、トランスの薄型化、小型化、軽量化ができる。
次に本発明の実施形態に係る薄型TV用トランスの構造について図とともに説明する。
図1は実施形態に係る薄型TV用トランスの平面図、図2は図1X−X線上の断面図である。
本発明の実施形態に係る薄型TV用トランスは、図1に示すようにプリント配線基板1と、そのプリント配線基板1上に実装される磁心2と、その磁心2に装着される1次コイル3、2次コイル4ならびにモニタコイル5とから主に構成されている。
図3は、本実施形態に用いるプリント配線基板1の平面図である。同図に示すように、プリント配線基板1の前後両端部には、1次コイル用接続端子6、2次コイル用接続端子7ならびにモニタコイル用接続端子8が設けられ、各接続端子6、7、8はプリント配線基板1上に形成された導電性パターン9に接続されている。
また、プリント配線基板1のほぼ中間位置には、側端部から内側に向って切り込まれた平面形状がほぼ四角形のコイル部収容用切欠部10a,10bが形成されている。
図4は本実施形態に用いる磁心2の平面図、図5は図4Y−Y線上の断面図、図6はその磁心2の一部拡大断面図である。
磁心2は前記鉄基軟磁性合金組成を有する薄帯を幅2mmの細帯に切断、内径10mm、外径40mm、長さ80mmの長円状に巻回し、窒素雰囲気中で例えば500〜650℃で約1時間熱処理を行なう。この熱処理により、組織中の殆どが平均粒径約100Åの微細結晶粒となる。
磁心2は前記鉄基軟磁性合金組成を有する薄帯を幅2mmの細帯に切断、内径10mm、外径40mm、長さ80mmの長円状に巻回し、窒素雰囲気中で例えば500〜650℃で約1時間熱処理を行なう。この熱処理により、組織中の殆どが平均粒径約100Åの微細結晶粒となる。
熱処理後、この巻回しを例えばエポキシ系樹脂などの合成樹脂液中に所定時間浸漬して、図6に示すように多重巻きされた薄帯11と薄帯11の間に前記合成樹脂液を浸透させ、所定時間経過後に取り出して、エポキシ系樹脂などの合成樹脂を硬化させて結着層12を形成する(図6参照)。
積層された各薄帯11は結着層12で結着されているから、後の機械加工などで巻回体が解けることはなく、取り扱いが容易である。
この巻回体を再びエポキシ系樹脂などの合成樹脂液中に所定時間浸漬して、その後取り出して合成樹脂を硬化処理して巻回体の外周全体に比較的肉厚の被服層を形成し、この被服層をコアケース13とする。図6に示すように、各結着層12とコアケース13の接合部は一体化される。
しかる後、この巻回体の長手方向の中間部をその長手方向と直交する方向に切断して、図4に示すように平面形状がU字状をした磁心半体14a,14bを得る。前述のように薄帯11と薄帯11は結着層12で結着されており、しかも巻回体の外周全体がコアケース13で覆われているから、積層された薄帯11を切断するときに、薄帯11が剥がれたり、ひびが生じるようなことが無く、カッティングがスムーズに行なわれる。
本実施形態では結着層12とコアケース13の構成材料としてエポキシ系樹脂を使用したが、他の種類の硬化型合成樹脂も使用できる。
少なくとも前記1次コイル3ならびに2次コイル4の断面形状は図2に示すように四角形をしており、しかも多重層に巻回するのではなく、1層巻きとなっている。断面形状が円形のコイルに比較して、断面形状が四角形のコイルは所定のスペース内での面積効率が高いため、1次コイル3ならびに2次コイル4を1層巻きにしてもその機能を十分に発揮することができる。
さらに、使用する電線を自己融着線またはポリエステルフィルム等の薄膜物を巻き芯として巻き回しワニス等により含浸成形した空心状コイルを使用することにより組み立て性が良く、結果としてトランスの薄型化に寄与できる。
本実施形態では、前記モニタコイル5も断面形状が四角形のコイルを使用し2次コイルと熱融着により一体形状となりボビンレスの中空コイルとなっている。
図4に示すように、平面形状がU字状をした磁心半体14aと磁心半体14bを接合して閉ループの磁路を有する磁心2を構成するが、一方の接合部15a側に中空コイル状の1次コイル3を嵌合し、他方の接合部15b側に中空コイル状の2次コイル4とモニタコイル5を並べて嵌合することにより、1次コイル3と2次コイル4を所定の距離Lをもって離間・絶縁することができる(図1参照)。
2つのコアケース13の下面には、所定の間隔をおいて複数個(本実施形態では2個)の位置決め突部17が形成され(図7参照)、一方、プリント配線基板1の前記コアケース13と対向する位置には貫通した位置決め穴18が形成されている(図3参照)。2つの磁心半体14a,14bをプリント配線基板1上に載置して、前記コアケース13の位置決め突部17をプリント配線基板1の位置決め穴18に嵌入することにより(図8参照)、プリント配線基板1上での磁心2(磁心半体14a,14b)の位置決めができる。
またこの磁心2(磁心半体14a,14b)の位置決めにより、図2に示すように1次コイル3の下部コイル部3aがプリント配線基板1に形成されたコイル部収容用切欠部10aに入り込み(落ち込み)、図示していないが2次コイル4ならびにモニタコイル5の下部コイル部がプリント配線基板1に形成されたコイル部収容用切欠部10bに入り込み(落ち込み)、トランスの薄型化に寄与している。
このように磁心2がプリント配線基板1上で位置決めされた後、1次コイル3の両端部は半田層16ならびに導電性パターン9を介して1次コイル用接続端子6に接続され、2次コイル4の両端部は半田層16ならびに導電性パターン9を介して2次コイル用接続端子7に接続され、モニタコイル5の両端部は半田層16ならびに導電性パターン9を介してモニタコイル用接続端子8に接続されることにより、磁心2がプリント配線基板1上に面実装される。
本実施形態によって得られた薄型TV用トランスの総高H(図2参照)は6mmである。
本実施形態によって得られた薄型TV用トランスの総高H(図2参照)は6mmである。
図9は、プリント配線基板1の変形例を示すプリント配線基板1の平面図である。
本本実施形態において前記図3に示すプリント配線基板1と相違する点は、切り込み状のコイル部収容用切欠部10a,10bではなく、コイル部収容用切欠部10a,10bの外周に架橋部19を一体に設けて、プリント配線基板1の周辺部の補強を図った点である。
本本実施形態において前記図3に示すプリント配線基板1と相違する点は、切り込み状のコイル部収容用切欠部10a,10bではなく、コイル部収容用切欠部10a,10bの外周に架橋部19を一体に設けて、プリント配線基板1の周辺部の補強を図った点である。
前記実施形態では、コアケース13側に位置決め突部17を設け、プリント配線基板1側に位置決め穴18を設けたが、反対に、コアケース13側に凹状の位置決め穴を設け、プリント配線基板1側に位置決め突部を設けることも可能である。
前記実施形態では、TV用AC−DCコンバータ電源用薄型スイッチングトランスの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の用途に用いる薄型トランスにも適用可能である。
1・・・プリント配線基板、2・・・磁心、3・・・1次コイル、3a・・・1次コイルの下部コイル部、4・・・2次コイル、5・・・モニタコイル、6・・・1次コイル用接続端子、7・・・2次コイル用接続端子、8・・・モニタコイル用接続端子、9・・・導電性パターン、10a,10b・・・コイル部収容用切欠部、11・・・薄帯、12・・・結着層、13・・・コアケース、14a,14b・・・磁心半体、15a,15b・・・接合部、16・・・半田層、17・・・位置決め突部、18・・・位置決め穴、19・・・架橋部。
Claims (6)
- Feを主成分とし、Si、B、Cu、ならびにNb,W,Ta,Zr,Hf,TiおよびMoからなるグループから選択された少なくとも1種の元素を添加したFe基軟磁性合金の薄板を多層に巻回して、その巻回体の外周全体に絶縁体からなるコアケースを一体にモールドした平面形状がU字状の磁心半体を互いに接合して閉ループの磁路を有する磁心を構成し、
その磁心半体どうしの一方の接合部に、前記コアケースを介して断面形状が四角形の1次コイルを1層整列状態に巻回し、
当該磁心半体どうしの他方の接合部に、前記コアケースを介して断面形状が四角形の2次コイルを1層整列状態に巻回して、前記1次コイルと2次コイルを離間して配置したことを特徴とする薄型トランス。 - 請求項1に記載の薄型トランスにおいて、前記薄板巻回体の各薄板間に絶縁体の結着層が設けられて各薄板が互いに結着されているとともに、各結着層の端部が前記コアケースと一体になっていることを特徴とする薄型トランス。
- 請求項1または2に記載の薄型トランスにおいて、前記磁心と1次コイルならびに2次コイルの集合体を面実装するプリント配線基板の前記1次コイルならびに2次コイルの下部コイル部と対向する位置にコイル収容用切欠部をそれぞれ形成し、
前記1次コイルならびに2次コイルを前記プリント配線基板に搭載して、前記1次コイルならびに2次コイルの下部コイル部を前記コイル収容用切欠部にそれぞれ落とし込んだことを特徴とする薄型トランス。 - 請求項3に記載の薄型トランスにおいて、前記プリント配線基板のコイル収容用切欠部の外周に架橋部を形成したことを特徴とする薄型トランス。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薄型トランスにおいて、前記コアケースの下面と前記プリント配線基板のコアケースと対向する部分に、位置決め穴と、その位置決め穴に挿入する位置決め突部を設けたことを特徴とする薄型トランス。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薄型トランスにおいて、前記1次コイルまたは2次コイルが自己融着線またはワニス等の樹脂含浸により成形されていることを特徴とする薄型トランス。
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2010
- 2010-05-10 JP JP2010108324A patent/JP2011238750A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20190122813A1 (en) * | 2017-10-23 | 2019-04-25 | Schweitzer Engineering Laboratories, Inc. | Current transformer with flexible secondary winding |
US10777349B2 (en) * | 2017-10-23 | 2020-09-15 | Schweitzer Engineering Laboratories, Inc. | Current transformer with flexible secondary winding |
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