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JP2011215535A - 波長変換素子、光源装置およびプロジェクター - Google Patents

波長変換素子、光源装置およびプロジェクター Download PDF

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JP2011215535A
JP2011215535A JP2010085867A JP2010085867A JP2011215535A JP 2011215535 A JP2011215535 A JP 2011215535A JP 2010085867 A JP2010085867 A JP 2010085867A JP 2010085867 A JP2010085867 A JP 2010085867A JP 2011215535 A JP2011215535 A JP 2011215535A
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JP2010085867A
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Junichi Okamoto
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】スペックルが少なく、出力が大きいレーザー光を射出する波長変換素子を得る。
【解決手段】波長変換素子は、非線形光学基板上に周期状の分極反転構造を備え、分極の方向が異なる領域ごとに異なる電界が印加されるように構成された電極とを有する。電極に電圧を印加すると、電界により分極反転構造部分の屈折率が変化し、位相整合波長が変化する。高速で変化する電圧を電極に印加することで、位相整合波長に合致した第2高調波の波長も高速で変化し、高いデスペックル効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換素子、及びそれを用いた光源装置およびプロジェクターに関する。
現在主流であるUHPランプを用いたプロジェクターはランプ寿命が数千時間程度と短く、色域が狭いなどの課題がある。そこで、上記課題を解決するために光源としてレーザーを用いたプロジェクターの開発が精力的に行われている。ただし、緑色レーザーは半導体で直接発光することが困難である。そのため、赤外レーザーを非線形光学素子である波長変換素子にて可視光に変換することにより発生させる方式が用いられている。レーザーを用いた表示装置ではレーザー光の高いコヒーレンスにより干渉が起こりスペックルという干渉模様が発生する。そのため、表示品質を低下させるという課題があった。スペックルを低減するには、レーザーの発振波長幅を広げることや、位相をずらすことが有効である。特許文献1には発振波長幅を拡大させてスペックルを低減させる技術が開示されている。
特開2009−58646号公報
しかしながら、波長変換で出力できる波長幅と出力される光の強さにはトレードオフの関係がある。そのため、デスペックル効果を有した高出力なレーザーを実現するには、出力の小さな波長幅の広いレーザーを多数用いるか、波長幅が狭いが互いに異なる波長を有した多くのレーザーを用い波長幅を稼ぐことが必要であるという課題がある。そのため、波長幅が広くてスペックルが少なく、出力が大きい波長変換のレーザーが切望されている。
上記課題の少なくとも一つを解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]周期状の分極反転構造を備えた非線形光学基板と、
前記非線形光学基板の位相整合波長が変化するように、分極の方向が異なる領域ごとに異なる電界が印加されるように構成された電極と、
を有することを特徴とする波長変換素子。
この波長変換素子では、分極の方向が異なる領域ごとに異なる電界が印加されるように構成された電極を有するため、通過する光が変換された第2高調波の波長を変動させることが可能となる。
よって、デスペックル効果を実現できる。
[適用例2]上記適用例に記載の波長変換素子において、
前記非線形光学基板の温度を変化させるように構成された温度調整部を、
さらに有することを特徴とする。
この波長変換素子では、非線形光学基板の温度を変化させることができるため、第2高調波の波長を所定の値に保つことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の波長変換素子と、
射出した光が前記波長変換素子に入射するように配置された発光部と、
前記発光部から射出され、前記波長変換素子を通過した光を前記発光部に向けて反射させ、前記発光部とともに共振器構造を形成する共振ミラーと、
前記電極に印加する電界を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする光源装置。
この光源装置では、波長変換素子に電界を印加することにより、通過する光の波長を変換する際の第2高調波の波長を変動させることが可能となる。
よって、デスペックル効果を有する光を射出することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に記載の光源装置において、
前記制御部は、前記発光部から射出される基本波の波長の半値幅が、前記電界の印加による前記位相整合波長の変化幅よりも大きくなるように前記電界を印加することを特徴とする。
この光源装置では、基本波の発振波長領域の一部を波長変換することになるので、電界印加による変換波長の変化によっても、高い出力の第2高調波の光を得ることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の光源装置において、
前記基本波の発振波長を変化させる発振波長調整部をさらに有することを特徴とする。
この光源装置では、電界印加による変換波長が変化しても、基本波の発振波長を変動させることができるので、高い出力の第2高調波の光を得ることができる。
[適用例6]上記適用例5に記載の光源装置において、
前記制御部は前記発振波長調整部に対して前記発振波長を変動させる制御を行い、
前記発振波長の変動と前記電極への電界の印加とを同期させて、同一の周波数で行なうことを特徴とする。
ここで、同期とは、前記基本波の発振波長と波長変換素子が変換する波長帯域が常に同じ波長帯となるように、基本波の発振波長の調整と電界印加のタイミングを合わせることである。
この光源装置では、電界印加による変換波長の変化に合わせて基本波の発振波長を変動させることができるので、高い出力の第2高調波の光を得ることができる。
[適用例7]上記適用例に記載の光源装置において、
複数の前記発光部がアレイ状に形成され、前記複数の発光部に対応した前記波長変換素子を備え、前記複数の発光部に対応する複数の発振波長領域の少なくとも一つが他と異なること特徴とする。
この光源装置では、射出する光の波長帯域を広げることができるので、デスペックル性について高い効果を持つ光源装置が実現できる。
[適用例8]上記適用例に記載の光源装置において、
前記制御部は前記電極に印加する電界を16ms以下の周期で変動させること特徴とする。
この光源装置では、射出する光の波長変動が人間に知覚出来ない程度の速さになるので、高いデスペックル効果が得られる。
[適用例9]上記適用例に記載の光源装置の光源装置と、
前記光源装置から射出される光を変調する変調装置と、
を備えること特徴とするプロジェクター。
このプロジェクターでは、デスペックル効果を有する光源装置を使用するので、高いデスペックル効果が得られる。
本発明の第1実施形態のレーザー光源の概略構成図である。 本発明の第1実施形態の波長変換素子の構成斜視図である。 本発明の第1実施形態の導波路型波長変換素子の構成斜視図である。 波長変換素子への電圧印加による第2高調波の波長と発振波長との強度特性を表す図である。 基本波の発振波長と、波長変換素子による第2高調波の波長との強度特性図である。 基本波の発振波長と、波長変換素子への電圧印加による基本波領域での波長変換可能領域と、第2高調波の波長領域の変化と強度の特性図である。 時間積分時における基本波の発振波長と、波長変換素子による第2高調波の波長と強度の特性図である。 基本波の発振波長と、波長変換素子への電圧印加による基本波領域での波長変換可能領域と、第2高調波の波長領域の変化による第2高調波の波長と強度の特性図である。 基本波の発振波長変化と、波長変換素子への電圧印加による基本波領域での波長変換可能領域と、第2高調波の波長領域の変化を同期させた第2高調波の波長と強度の特性図である。 本発明の第2実施形態のアレイ状レーザー光源の概略構成図である。 アレイ状のレーザー光源の第2高調波の波長と強度の特性を表す図である。 本発明の第3実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 本発明の第4実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 本発明の第5実施形態のモニター装置の概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1を用いて説明する。
図1に本実施形態の光源装置としてのレーザー光源11の構造を示す。レーザー光源11は、発光部としてのレーザーダイオード(LD)2と、波長変換素子1と、温度調整部としてのヒーター7と、共振ミラーとしてのVolumed Holographic Grating(VHG)4と、ダイクロイックミラー5と、折り曲げミラー6と、制御部20を備えている。
レーザーダイオード(LD)2は、チップ上面から基本波長のレーザー光(FH)を射出する形態の面発光型レーザーダイオードであり、図示しないエミッターが形成されている。LD2のエミッターの光射出側と反対側には図示しない反射ミラーが設けられている。反射ミラーはたとえば誘電率の異なる積層構造を作製したグレーティング構造で形成される。この反射ミラーが光共振器の一端の反射器として機能する。レーザーダイオード(LD)2は、光学結晶を別のレーザー光などでポンピングするものでもよい。
波長変換素子1はLD2からのレーザー光の光路上に配置されており、入射する基本波長のレーザー光の一部を基本波長の半分の波長の光である第2高調波(SH)に変換する。そのため、波長変換素子1は第2高調波発生素子(SHG:Second Harmonic Generator)ともいう。波長変換素子1はヒーター7によって波長変換効率が向上するように温度が調整される。波長変換素子1の詳細は後述する。
Volumed Holographic Grating(VHG)4は、波長変換素子1から射出されるレーザー光が入射し、基本波長のレーザー光を反射して第2高調波のレーザー光を透過させる素子である。これにより、VHG4は、基本波長のレーザー光に対しては共振ミラーとして機能を有するとともに、第2高調波のレーザー光を分離して外部に取り出す機能を有する。また、VHG4は反射する光の波長帯域を狭くできるので、発振波長のロックをする素子としても機能する。なお、VHG4の代わりに、発振波長のロック機構として、バンドパスフィルターや誘電体多層膜を使用して、基本波長の光の共振と第2高調波の光の取り出しのためにダイクロイックミラーを使用してもよい。
ダイクロイックミラー5は、LD2と波長変換素子1との間に配置される。VHG4で反射された基本波長のレーザー光は再び波長変換素子1を通り、一部のレーザー光が第2高調波のレーザー光に変換される。この変換されたレーザー光を、基本波長の光を透過し第2高調波のレーザー光を反射するダイクロイックミラー5で分離する。分離された第2高調波のレーザー光は、折り曲げミラー6で光路を変換されて外部に取り出される。
例えば緑色レーザーでは、基本波長は1064nmであり、第2高調波の波長は532nmである。
制御部20は、CPUなどで構成されており、ヒーター7を制御し、波長変換素子1の温度を制御する。また、波長変換素子1に形成された電極(詳細は後述する)に電圧を印加する制御も行なう。
以下、波長変換素子1について説明する。
波長変換素子1は非線形光学材料の単結晶基板(非線形光学基板)に、周期状の分極反転構造を作りこんだ擬似位相整合方式のものである。擬似位相整合の波長変換素子に用いられる材料としては、ニオブ酸リチウム(LN)やタンタル酸リチウム(LT)などが用いられている。擬似位相整合方式の波長変換素子は、導波路といわれる表面数ミクロン程度に分極反転領域を形成したものと、バルクと呼ばれる厚み(Z方向)方向に分極構造が深く貫通されたものがあるが、用いる波長変換素子はそのいずれであっても良い。
バルクタイプの波長変換素子1の拡大図を図2に示す。波長変換素子1は、C板のニオブ酸リチウム基板(結晶のC軸に垂直な面の+側)を用いており、C軸をZ軸とする。波長変換素子は、周期Λ/2でZ軸方向の分極方向が交互に変わっている。この素子の横方向(X軸方向)に基本波を入射し、素子の位相整合条件(位相整合波長)を基本波長と合わせることにより第2高調波を発生することが可能である。第2高調波を発生させる位相整合条件は、Λ=λF/(nSH−nF)で与えられる。F、SHの添え字はそれぞれ基本波と第2高調波を示し、λは波長を、nは屈折率を示す。基本波の波長と、Λは既知であり、nを変化させることで位相整合条件を合わせることが行われる。屈折率nは温度や、電界依存性があり、これらを制御することで位相整合条件を変化させることができる。
本実施形態における波長変換素子1では、厚み500μmでZ面カットのニオブ酸リチウム基板単結晶を用いる。分極方向を反転したい箇所の+Z面にフォトリソグラフィーを用いて周期Λの櫛歯状の金属電極を形成し、裏面には金属薄膜を形成する。金属薄膜を形成する手法は、スパッタリングや真空蒸着などが用いられる。電極には、+Z面に+、−Z面に−の電圧を印加して単結晶の分極方向と逆方向の電界をくわえて、金属電極下の分極方向のみを反転させることで周期的に分極方向が異なる構造を作製することができる。Λは、λF=1064nmで約3.8μm程度となる。
波長変換素子1の屈折率を変化させるために、例えば、素子全体をヒーター7で温度を変化させる。こうすれば、温度により屈折率が変化し、ある基本波長λFに対して、位相整合条件が成り立つ。分極反転の周期Λは一度作りこむと変更できないため屈折率nを調節することで位相整合条件を合わせている。温度の調節はペルチェ素子で行なってもよい。温度変化により屈折率を変化させるためには、素子全体の温度をヒーター7で変化させる。これにより屈折率が変化し、位相整合条件が成り立つ波長が変化する。なお、基本波長のレーザー光を吸収することにより波長変換素子1が発熱するため、位相整合温度を発熱による平衡温度よりも高温に設定する。温度により位相整合波長を制御する方法は、Mg5%molドープのLNで0.1[nm/℃]であり、50度ほどの温度変化で約5nmと比較的広い波長範囲で位相整合波長を変化させることができる。しかしながら、熱容量にも依存するが温度変化は緩慢なため整合波長をずらすためには数秒から、数十秒を要する。このため、本実施形態では定温での温度調節を行う。
本実施形態では、波長変換素子1に電界を印加することにより屈折率を変化させている。電界印加により屈折率を変化させるために、電界印加用の電極を波長変換素子1上に形成する。図2に示すように分極の方向が異なる領域ごとに異なる符号の電圧を印加するような電極を形成する。+Z側の面に櫛歯上の電極8を、−Z側の面の全面に金属ベタ膜の電極9をメタルマスクやフォトリソグラフィーなどの半導体微細化工技術を用いて作製する。尚、このパターンは分極反転部を形成するときの電極を用いても良い。屈折率を変化させるためには、Z方向の自発分極とは異なる方向の電界が印加されれば良く、両面とも櫛歯上の電極でもよい。
制御部20は、波長変換素子1に所望の屈折率変化が生ずるように、電極8,9に印加する電圧の値やその変化の量および周波数を制御する。
電極8,9に電圧を印加すると、Z方向の電界により結晶の電気光学定数r33を介して光のZ方向の電界成分に対する屈折率が変化し、電圧印加に応じた屈折率変化が起こる。ここで、電界による屈折率変化は非常に小さいため、位相整合波長の変化幅は1nm程度である。しかし、この変化は、電界変調により起こるため数100MHzでの変調が可能であり位相整合波長をすばやく変化させることができる。この効果を利用することで、電界の印加によれば、人間の知覚以下の10msec(100Hz)程度以下の時間で位相整合波長を素早く周期的に変化させることが可能である。映像は、1秒間に60フレームで描画されていて、1フレームは約16msecとなる。これは、16msec以内の時間では動きや変化を知覚することが出来ないためである。ここから、約16msec以内に発振波長を変化させれば人間の知覚上、ブロードな光源として感じられデスペックル効果を得られる。
なお、波長変換素子1が導波路タイプの場合には、図3に示すように、電極8,9を櫛歯状にそれぞれの分極上に作製する。電極8,9間に電圧を印加すれば、表面から数ミクロン程度の領域にはZ軸方向の電界が形成される。そのため、このような電極形状でも屈折率を変化させる効果を得られる。
電界印加による高速の位相整合波長の変化による、デスペックル効果について図4を用いて説明する。図4(a)は電界を印加しない場合に波長変換素子1から射出される第2高調波の波長幅を示す。図4(b)は電界を印加する場合に波長変換素子1から射出される第2高調波の波長幅を示す。電界を印加しない場合は波長幅がΔλ1で、電界変化による波長幅がΔλ2であり、Δλ2はΔλ1より広い。レーザー光源11は、一瞬一瞬でみると、図4(a)に示すように、位相整合波長に合致した波長のみを第2高調波として射出している。これに対し、電界を印加させることにより位相整合波長を周期的に変化させた場合を考える。電界を変化させる周期以上の期間で第2高調波を観察すると、Δλ2の幅で第2高調波の波長が周期的に振動している様子が観測される。位相整合波長の変化の周期を例えば1/100秒よりも短くすると、人間が知覚できる限界は1/60秒や1/100秒といわれているので、人間の眼にはΔλ1のレーザーが射出されているようには知覚できずに、波長幅Δλ2のレーザーが射出されているように知覚される。このように、上記の知覚時間以内に位相整合波長を高速で周期的に変化させたレーザー光源を使用すれば、高いデスペックル効果が得られる。
一般的に、波長変換素子が第2高調波に変換できる基本波の波長の半値幅Δλは、下式(1)で表される。
Figure 2011215535
ここで、λは波長、nは屈折率、Lは波長変換素子の長さを示し、添え字ω,2ωはそれぞれ基本波,第2高調波を示す。式から分かるように、波長変換の半値幅は波長変換素子1の長さLに反比例する。このため、波長変換の半値幅Δλは素子長Lを短くすることで広げることができる。波長変換の半値幅Δλを広げることにより、射出される第2高調波の波長帯域を広げることができ、デスペックルの効果を高めることができる。一方、変換効率を向上させるためには素子長を長くすることが求められる。具体的には、変換効率は、バルクタイプの波長変換素子ではLに、導波路タイプの波長変換素子ではL2に比例する。そのため、デスペックル効果を持たせるために、素子長を短くして波長変換の半値幅を広くすることは可能であるが、変換効率を考えると実用的ではない。これに対して本実施形態の構成によれば、長い素子長の波長変換素子1を使用できるため、高い変換効率を保ったまま、高いデスペックル効果を持つレーザー光源を実現できる。
次に、波長変換素子1が変換する光の波長(変換波長)の変化幅について説明する。
波長変換素子1がある長さのときに、波長変換素子1が変換できる基本波の波長の半値幅をΔλ3とすると、変換された第2高調波の波長の半値幅はΔλ3/2となる。また、このときの基本波の発振波長幅をΔλ5とする。これらの関係をグラフに表すと図5のようになる。
また、波長変換素子1への電圧印加により変化できる基本波の位相整合波長の変化幅をΔλ4とする場合を考える。このとき、波長変換素子1に周期的な電圧印加を加えると、Δλ3の位置がΔλ4の範囲でずれる。波長変換された結果、第2高調波においては、周期的な電圧印加に対応してΔλ3/2の波長幅がΔλ4/2の幅で変動する。これらの関係をグラフに表すと図6のようになる。
そのため、電圧を印加する周期よりも十分に長い時間間隔で見た場合、図7に示すようなレーザー光が射出しているように観察される。変換できる基本波の半値幅はΔλ3+Δλ4にて与えられる。
本実施形態では、Δλ3+Δλ4を基本波の発振幅Δλ5よりも狭くしている。この場合には、基本波の発振波長領域の一部を波長変換することになるので電界印加による変換波長の変化によっても、高い出力の第2高調波のレーザー光を得ることができる。
一方、Δλ3+Δλ4を基本波の発振幅Δλ5よりも広くしてもよい。この場合には、図8に示すように基本波の発振していない領域に変換幅が及ぶことになる。そのため、発振しているレーザー光が全く波長変換されない状態が生じ、変換後の第2高調波のレーザー光の出力として十分な強度が得られない場合がある。
したがって、Δλ3+Δλ4を基本波の発振幅Δλ5よりも広くする場合には、基本波レーザーの発振波長を波長変換素子1の発振波長と合わせて変動させる。図1に示すように、本実施形態のレーザー光源11は、発振波長調整部としてのピエゾ素子30を備えている。ピエゾ素子30はVHG4に接続されており、VHG4の位置を変化させることにより共振器長を変化させて、発振波長を変動させる。ピエゾ素子30の動作は制御部20によって制御される。
基本波の発振波長を変化させる方法としては、回折格子への入射角度を変化させる方法や、LD2内部に回折構造を作製し温度変調により屈折率変化を起こし発振波長を変化させる方法、VHG4のかわりにバンドパスフィルターや回折素子をピエゾ素子30などで回転させて基本波のロック波長を変化させる方式を用いてもよい。
波長変換素子1の位相整合波長を変化させる電圧印加の信号と同期して、基本波の発振波長を変化させれば、常に変換される基本波の発振波長と変換できる変換波長は同一になるため、光強度が強く広い波長幅を持ったレーザー光源11が実現できる。同期による、SHG出力増加の仕組みについて図9を用いて説明する。図9のΔλ3は波長変換素子1の基本波領域での波長変換可能幅を示している。これを波長変換素子1に電界印加することにより、Δλ4の幅で変化させることができる。一方、基本波はΔλ5の発振波長幅を有している。基本波の発振波長幅を共振器長や、回折格子への入射角度、LD2の温度などを変化させることによりΔλ4の幅で変調を行う。
このとき、Δλ3とΔλ5が同じ領域になるように動かせば、第2高調波出力は変動しない。そのため、波長変換素子1の電界印加によるΔλ3のシフトと、共振器長や、回折格子への入射角度、LD2の温度などを変化させることによるΔλ5のシフトが同期するように操作すれば、出力が高く、デスペックル効果の高いレーザー光源が実現できる。
[第2実施形態]
上記のデスペックル性を有したレーザー光源を複数用いたアレイ形態のレーザー光源について説明する。
図10に示すように、異なる発振波長の複数のレーザー光源(a,b,c,dの添え字で示す)をアレイ状に配置してそれぞれの発振波長を重複しないようにずらす。それぞれのレーザーは基本波の発振波長変調手段を有している。
本実施形態では、個々のレーザー光源が第2高調波の半値幅Δλ1で発振していて、波長変換素子1への電圧印加により変換された第2高調波の波長がΔλ2の幅で変動するように構成されている。図11(a)に示すように、波長変換素子1に電圧を印加しない状態では、それぞれ異なる途切れ途切れの波長の第2高調波のレーザー光が射出される。波長変換素子1に電圧を印加し、かつ基本波の発振波長を波長変換素子1の変換波長帯域と合わせて変化させることで、図11(b)のように広い帯域の第2高調波のレーザー光が得られる。
このように、アレイ形態のレーザー光源では、さらに高いデスペックル性能を実現できる。これは、互いのレーザーの発振幅をずらして幅広い半値幅のレーザー光源を実現できるためである。
このため、デスペックル性について単体の光源に比べて高い効果を持つレーザー光源が実現できる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について図12を参照して説明する。
本実施形態では、上記第1〜第2実施形態のレーザー光源11を備えるプロジェクターについて説明する。図12は本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
本実施形態のプロジェクター100は、赤色光,緑色光,青色光をそれぞれ射出する赤色のレーザー光源装置11R,緑色のレーザー光源装置11G,青色のレーザー光源装置11Bを備えており、これらレーザー光源装置11R,11G,11Bが上記実施形態のレーザー光源11である。レーザー光源装置11R,11G,11Bは単一のエミッターを備えたものでもよいし、アレイ形態であってもよい。
プロジェクター100は、上記のレーザー光源装置11R,11G,11Bから射出された各色光をそれぞれ変調する透過型の液晶ライトバルブ(変調装置)104R,104G,104Bと、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bから射出された変調光を合成して投射レンズ107に導くクロスダイクロイックプリズム(色合成手段)106と、クロスダイクロイックプリズム106によって合成された像を拡大してスクリーン110に投射する投射レンズ(投射装置)107と、を備えている。
さらに、プロジェクター100は、レーザー光源装置11R,11G,11Bから射出されたレーザー光の照度分布を均一化させるための均一化光学系102R,102G,102Bを備えており、照度分布が均一化された光によって液晶ライトバルブ104R,104G,104Bを照明している。本実施形態では、均一化光学系102R,102G,102Bは、例えばホログラム102aとフィールドレンズ102bによって構成されている。
各液晶ライトバルブ104R,104G,104Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム106に入射する。このクロスダイクロイックプリズム106は4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投射光学系である投射レンズ107によりスクリーン110上に投射され、拡大された画像が表示される。
本実施形態のプロジェクター100においては、赤色のレーザー光源装置11R,緑色のレーザー光源装置11G,青色のレーザー光源装置11Bとして上記実施形態のレーザー光源11が用いられているので、小型、低スペックルで明るい画像表示が可能なプロジェクター100を実現することができる。
なお、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、反射型のライトバルブを用いても良いし、液晶以外の光変調装置を用いても良い。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型液晶ライトバルブやデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更すればよい。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について図13を参照して説明する。
本実施形態では、走査型のプロジェクターについて説明する。図13は本実施形態のプロジェクター画像表示装置の概略構成図である。
本実施形態のプロジェクター200は、図13に示すようにレーザー光源11と、レーザー光源11から射出された光をスクリーン210に向かって走査するMEMSミラー(走査手段)202と、レーザー光源11から射出された光をMEMSミラー202に集光させる集光レンズ203とを備えている。レーザー光源11としては上記実施形態のレーザー光源11が用いられている。レーザー光源11から射出された光は、MEMSミラー202の駆動によってスクリーン210上を水平方向、垂直方向に走査される。カラー画像を表示する場合は、例えばレーザーダイオード2を構成する複数のエミッターを、赤,緑,青のピーク波長を持つエミッターの組み合わせによって構成すれば良い。
本実施形態のプロジェクター200においては、レーザー光源11として上記実施形態のレーザー光源11が用いられているので、小型、低スペックルで明るい画像表示が可能なプロジェクター200を実現することができる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について図14を用いて説明する。
図14は、本実施形態のモニター装置の概略構成図である。
本実施形態のモニター装置300は、図14に示すように、装置本体310と、光伝送部320と、を備える。装置本体310は、レーザー光源11を備えている。レーザー光源11としては、上述の第1〜第2実施形態のレーザー光源11を用いている。
光伝送部320は、光を送る側と受ける側の2本のライトガイド321、322を備えている。各ライトガイド321,322は、多数本の光ファイバーを束ねたものであり、レーザー光を遠方に送ることができる。光を送る側のライトガイド321の入射側にはレーザー光源11が設置され、その出射側には拡散板323が設置されている。レーザー光源11から射出されたレーザー光は、ライトガイド321を通じて光伝送部320の先端に設けられた拡散板323に送られ、拡散板323により拡散されて被写体を照射する。
光伝送部320の先端には、結像レンズ324が設けられており、被写体からの反射光を結像レンズ324で受けることができる。受けた反射光は、受け側のライトガイド322を通じて装置本体310内に設けられた撮像手段としてのカメラ311に送られる。この結果、レーザー光源11から射出されたレーザー光で被写体を照射して得られた反射光に基づく画像をカメラ311で撮像することができる。
本実施形態のモニター装置300によれば、上記第1〜第2実施形態のレーザー光源11が用いられているので、小型,低スペックルで明るい鮮明な撮像が可能なモニター装置300を実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施形態で例示した各構成要素の形状,寸法,個数,設置位置等に関する具体的な記載は適宜変更が可能である。
1,1a〜1d・・・波長変換素子、2,2a〜2d・・・基本波レーザー、4,4a〜4d・・・VHG、5・・・ダイクロイックミラー、6・・・折り曲げミラー、7・・・ヒーター、8,9・・・電極、11・・・レーザー光源、20・・・制御部、30・・・ピエゾ素子、FH・・・基本波長のレーザー光、SH・・・第2高調波のレーザー光。

Claims (9)

  1. 周期状の分極反転構造を備えた非線形光学基板と、
    前記非線形光学基板の位相整合波長が変化するように、分極の方向が異なる領域ごとに異なる電界が印加されるように構成された電極と、
    を有することを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記非線形光学基板の温度を変化させるように構成された温度調整部を、
    さらに有することを特徴とする請求項1記載の波長変換素子。
  3. 請求項1または2に記載の波長変換素子と、
    射出した光が前記波長変換素子に入射するように配置された発光部と、
    前記発光部から射出され、前記波長変換素子を通過した光を前記発光部に向けて反射させ、前記発光部とともに共振器構造を形成する共振ミラーと、
    前記電極に印加する電界を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする光源装置。
  4. 前記制御部は、前記発光部から射出される基本波の波長の半値幅が、前記電界の印加による前記位相整合波長の変化幅よりも大きくなるように前記電界を印加することを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記基本波の発振波長を変化させる発振波長調整部をさらに有することを特徴とする請求項3または4に記載の光源装置。
  6. 前記制御部は前記発振波長調整部に対して前記発振波長を変動させる制御を行い、
    前記発振波長の変動と前記電極への電界の印加とを同期させて、同一の周波数で行なうことを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
  7. 複数の前記発光部がアレイ状に形成され、前記複数の発光部に対応した前記波長変換素子を備え、前記複数の発光部に対応する複数の発振波長領域の少なくとも一つが他と異なること特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の光源装置。
  8. 前記制御部は前記電極に印加する電界を16ms以下の周期で変動させること特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の光源装置。
  9. 請求項3〜8のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出される光を変調する変調装置と、
    を備えること特徴とするプロジェクター。
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