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JP2011207823A - ポリエステルからテレフタル酸ジメチルを製造する方法 - Google Patents

ポリエステルからテレフタル酸ジメチルを製造する方法 Download PDF

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泰三 森
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Abstract

【課題】本発明の課題は、平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するポリエステルから安定して純度の高いテレフタル酸ジメチルを高い収率で製造する方法を提供することである。
【解決手段】本発明の課題は、平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するポリエステルからテレフタル酸ジメチルを製造するに際し、下記工程(a)〜(c):
工程(a):前記ポリエステルを、エチレングリコールと170〜280℃の温度にて解重合反応させる工程
工程(b):工程(a)にて得られた解重合反応物から20.0〜60.0kPaの圧力下においてエチレングリコールを留去する工程であって、
工程(a)で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコールを主とする成分重量を引いた差が、工程(a)で添加したポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを留去する工程
工程(c):工程(b)でのエチレングリコール留去後の成分とメタノールとをエステル交換反応させる工程
に順次供することを含み、
前記工程(b)におけるエチレングリコールを留去する量が、工程(a)にて得られた解重合反応物に対して5.0wt%以上であることを特徴とするテレフタル酸ジメチルの製造方法によって解決することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は,工業的に回収されたポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルから高純度のテレフタル酸ジメチルを高い収率で安定して製造する方法に関するものである。
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートはその重合工程、あるいは糸状、フィルム状に成形する過程において不良品、屑等が発生しやすいことなどから、これらの不良品や屑、さらには使用後の製品(これらを総称して、単にポリエステル廃棄物と略称することもある。)を回収し、再利用することが経済的に好ましく、さらには地球環境対策上の観点から必要である。これら回収したポリエステル廃棄物の中には染料、難燃剤、一般ゴミおよび他のプラスチックが混入しており、そのまま溶融成形し再利用することは困難なことが多い。このため、これら回収したポリエステル廃棄物から該ポリエステルの原料である、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートなどの原料モノマーを分別回収することが好ましい。ポリエステル廃棄物から、その原料を製造する方法としては、例えば、ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)で解重合し、次いでメタノールでエステル交換反応させて、ポリエステル原料であるテレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記することがある。)を得る方法(例えば、特許文献1参照。)や、ポリアルキレンテレフタレートの解重合物を精製して再びポリエステルとする方法(例えば、特許文献2参照。)、ポリエステルを加水分解する方法などが知られているが、これらの検討で用いられたポリエステル廃棄物は、実験用途として管理されたものである。しかしながら、実際に回収されるポリエステル廃棄物は残念なことにリサイクル原料というよりも廃棄物・屑という意識があるため取り扱いに留意されない場合も多く、野積みなどにより風雨にさらされ水分を多量に含むものが存在する。さらに、泥や埃などが付着しており水洗が必要となることも多い。これらポリエステル廃棄物に付着した水は解重合反応に異素材を持ち込まないという観点からは、乾燥処理を解重合反応以前の段階で実施することが好ましいが、乾燥には多大な設備投資やランニングコストが必要となるため、現実的にはポリエステル廃棄物に付着した水分の一部または全部が解重合反応工程に混入することになる。これら水分を多量に含むポリエステル廃棄物から公知の方法によりテレフタル酸ジメチルを回収すると、製品純度が低い、収率が低いといった課題があった。
特許第4067306号公報 特許第3684348号公報
本発明は上記の背景技術を鑑みなされたもので、その目的は、平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%の比較的高い含水率のポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するポリエステルから安定して純度の高いテレフタル酸ジメチルを高い収率で製造する方法を提供することである。
本発明者らの研究によれば、「平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するポリエステルからテレフタル酸ジメチルを製造するに際し、下記工程(a)〜(c):
工程(a):前記ポリエステルを、エチレングリコールと170〜280℃の温度にて解重合反応させる工程
工程(b):工程(a)にて得られた解重合反応物から20.0〜60.0kPaの圧力下においてエチレングリコールを留去する工程であって、
工程(a)で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコールを主とする成分重量を引いた差が、工程(a)で添加したポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを留去する工程
工程(c):工程(b)でのエチレングリコール留去後の成分とメタノールとをエステル交換反応させる工程
に順次供することを含み、前記工程(b)におけるエチレングリコールを留去する量が、工程(a)にて得られた解重合反応物に対して5.0wt%以上であることを特徴とするテレフタル酸ジメチルの製造方法」により、高純度のテレフタル酸ジメチルを高い収率で安定して回収することができ、上記目的が達成できることが見出された。
本発明のポリエチレンテレフタレートを原料としたテレフタル酸ジメチルの製造方法によれば、風雨にさらされたりして水分を多量に含むポリエステル廃棄物や、泥や埃などが付着して水洗が必要なポリエステル廃棄物から、大規模な乾燥設備や乾燥のために高いランニングコストを必要せずに、高純度のテレフタル酸ジメチルを高い収率で安定して製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について1例を用いて説明するが、本発明は、この例に限定されるものではない。本発明に従う方法を実行するためには、まず、平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分として含有するポリエステルをエチレングリコールと170〜280℃の温度にて解重合反応させる。ここで、平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエステルとは、例えば、風雨にさらされたり、水洗を実施したなどによって水分と接触したポリエステルのことであり、かつ水分と接触した以降の乾燥が不十分であるために常温におけるPETの平衡含水率を超えて水分を含有しているポリエステル廃棄物のことであることが好ましい。また一方で特段にポリエステル廃棄物に限定されなくても本発明の製造方法を適用することができる。
ある。これらのポリエステルの平均含水率を常時0.5wt%未満に維持するためには、高温および/または長時間の乾燥処理が必要となり、多大な設備投資や加工費のコストアップにつながるので工業的には好ましくない。一方、ポリエステル廃棄物に含まれる水分は解重合工程投入以前の段階で可能な限り削減しておくことが好ましく、遠心分離や振動篩、乾燥空気中へ投入といった簡単な水分除去操作を実施して、PET表面に付着している水分の1部または全部を除去して平均含水率を3.0wt%以下にしておくことが好ましく、特に好ましくは2.0wt%以下である。ここで、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するとは、ポリエステル全重量に対するポリエチレンテレフタレートの重量の比率が80%以上ということである。他の20重量%以下の範囲内でポリエステル以外のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどその他のプラスチックや、綿・麻・絹といった成分が混入していても良い。またポリエチレンテレフタレートはイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノールなど、その他のジカルボン酸成分やジオール成分を含んでいても良い。
ポリエステルの解重合反応の条件としては、ポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールとが反応し、反応温度における平衡組成まで反応が進行すれば、公知の条件のいずれを採用してもかまわないが、第一に解重合反応温度としては反応時間を短縮する観点から170〜280℃の温度範囲で行うことが好ましい。第二に解重合の際に解重合触媒を用いても良い。その解重合反応触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酢酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質を解重合反応させる工程(a)に添加することが好ましい。すなわち、常圧の反応条件でも活性を持つような触媒種を選択することが設備投資削減ならびに操作性向上の観点から好ましい。また解重合反応の際に、後述するエチレングリコールの留去や、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの生成・精製に支障が生じない限りにおいて、他の溶媒を用いても良い。主にポリエチレンテレフタレートと上記の温度範囲において化学反応を起こさない溶媒、また留去が容易なようにエチレングリコールよりも沸点が低い溶媒を選択するのが好ましいと思われる。
次に、上述の操作により得られた解重合反応物を20.0〜60.0kPa(150mmHg〜450mmHg)の圧力下、好ましくはその圧力での解重合反応物の沸点にて、解重合反応の際に解重合槽に添加したエチレングリコールや解重合反応により生成したエチレングリコールを留去する。その際には、解重合工程で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコール重量を引いた差が、解重合工程で添加したポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを留去して、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物を調製する。エチレングリコールを留去する際に上述したような他の低沸点の溶媒が含まれている際にはこの工程においてエチレングリコールより先の時点または同時に留去される。ここで、解重合工程で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコール重量を引いた差が、解重合工程で添加したポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを主とする成分を留去するとは、例えば、解重合工程においてポリエステル100重量部に対して、エチレングリコールを400重量部仕込んだ場合、エチレングリコールを主とする成分を370重量部〜200重量部留去するということである。なお、エチレングリコール留去する際には、実際にはエチレングリコールのみではなく、当該留去成分にはポリエステルが廃棄物の場合にはポリエステル廃棄物に含まれる水分や微量不純物なども含まれるため、これらを含めた当該操作により抜き出された留去成分のことである。このような場合には得られる成分がビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物となることもある。またここで、留去操作は20.0〜60.0kPa(150mmHg〜450mmHg)の圧力範囲で実施することが本発明の製造方法の特徴の1つである。すなわち、20.0kPa(150mmHg)未満の低圧力下では、その圧力下におけるエチレングリコールの沸点以上に留去時の槽内の温度が上がらないために、解重合反応物に含まれる酸成分がエチレングリコールと反応しにくくなる。その結果少ない量ではあるが、エチレングリコールを主とする成分を留去した後のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物に含まれる酸成分の量が多くなる。このため、留去操作は20.0kPa(150mmHg)以上の圧力で実施することが好ましく、特に好ましくは26.7kPa(200mmHg)以上である。また、設備投資やエネルギーの観点から60.0kPa(450mmHg)以下の圧力で実施することが好ましく、特に好ましくは53.3kPa(400mmHg)以下の圧力である。常圧に近い圧力にて留去を行うことにより、留去中にも未反応の酸成分がエチレングリコールと反応し、酸成分の量が減り酸価を減少させることができる。留去する量としては、工程(a)で得られた解重合反応物に対し5.0wt%以上留去することが好ましい。すなわち、留去する量が5.0wt%未満の場合、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートに残留する水の量が増加し、酸成分の量も多くなるため好ましくない。
さらに留去物の量としては、解重合工程で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコール重量を引いた差が、解重合工程での仕込みポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを留去することが好ましい。すなわち、この重量比が0.3未満になると留去工程中に重合反応が進行するため好ましくない。また、2.0より大きくなるとこのあとの工程として実施するメタノールでエステル交換反応をする際にテレフタル酸ジメチルの純度が悪化するので、2.0以下とすることが好ましい。また、解重合反応後に水分率が1.0wt%以下のEGを得られた解重合反応物に添加して当該留去操作を行なうと、さらに酸成分のエステル交換反応を促進できるので、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの酸価を低減することができる。添加の方法としては、クッションタンクへのEG添加やラインミキサー、ポンプシール液としてEGを用いたポンプによる解重合反応物の送液などが挙げられる。加えて、エチレングリコールを留去した後の解重合反応物(以下、缶出後成分と略記することがある。)の酸価は2.5mg−KOH/g以下とすることが好ましい。ここで、解重合反応の触媒および/またはエステル交換反応の触媒としてアルカリ金属やアルカリ土類金属を含む触媒を使用していても解重合反応物に酸価があることは驚きであるが、本発明者らはエステル交換反応後の母液からメタノールおよび/またはエチレングリコールを蒸留・回収した後の缶出液の一部および/または全部を解重合工程にリサイクルするといった、さらにアルカリ金属やアルカリ土類金属量が顕著に増加する条件においても解重合反応物に酸価が存在し、本発明に記載した方法によって高純度のテレフタル酸ジメチルを高い収率で安定して製造することができることも見出している。
次に、上述の操作により得られた缶出後成分とメタノールとをエステル交換反応させる。エステル交換反応の条件としては、テレフタル酸ジメチルが生成すれば、公知の条件のいずれを採用してもかまわないが、エステル交換反応触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酢酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質をエステル交換反応させる工程(c)に添加することが好ましい。すなわち、常圧の反応条件でも活性を持つような触媒種を選択することが設備投資削減ならびに操作性向上の観点から好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例ならびに比較例中において、下記の測定が行なわれた。
[実施例1]
市町村によって分別収集・回収されたペットボトルベール(ベール寸法:900mm×1000mm×550mmの120kgベール)を逐次解梱包した後に第1次粉砕機に投入し、粉砕機のスクリーン径を75mmに設定して1次粉砕を行い、次いで該粉砕物を第2次粉砕機に投入して粉砕機のスクリーン径を10mmに設定して2次粉砕を行った。その後該粉砕物を風力選別機にかけ、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンを主成分とするボトルに付属したラベルを除去した。その後、水と混合させてからデカンターによって遠心分離を行い、ボトルの内容物を水洗・除去しつつポリプロプレン、ポリエチレンを主成分とするキャップなどとPETを主成分とする回収フレークスとを分離した。回収フレークスを加熱した空気で輸送し、サイロに一時保管した。このフレークスの含水率を測定したところ、0.6〜1.8wt%であった。次に当該PETフレークス10Tonを予め185℃まで加熱しておいたエチレングリコール(以下、EGと略記することがある)16Ton、炭酸ナトリウム200kgの混合物に仕込み、常圧190℃の条件下で溶媒等が留去しないように8時間反応させ、解重合プロダクト(A)を得た。この解重合プロダクト(A)の酸価を測定したところ、4.6mg−KOH/gであった。
この解重合プロダクト(A)を200g採取し、理論段数5段のバッチ式蒸留装置にて、還流無し、40.0kPa(300mmHg)の条件下で加熱し、EGを主成分とする成分を46g留去した結果、酸価0.7mg−KOH/gのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物が得られた。この組成物にメタノール135g、炭酸カリウム0.5gを添加し、常圧、リフラックス条件下にて1時間加熱しエステル交換反応を進行させた。反応後、35℃まで冷却してからろ過して、ケーク成分とろ液成分とを分離した。このケークを70gのメタノールにて2回洗浄した後、乾燥させて溶媒成分を蒸発分離した結果、テレフタル酸ジメチルを主成分とする粗結晶67.7g(濃度=99.3重量%、収率=86.5mol%)が得られた。このとき工程(a)での仕込みエチレングリコール重量から留去したエチレングリコールを主とする成分重量を引いた差の、工程(a)での仕込みポリエステル廃棄物に対する重量比[以下EG/廃棄物重量比という。]は1.00であった。
[実施例2]
実施例1と同様の操作にて得られた解重合プロダクト(A)を理論段数5段の連続式蒸留塔に220L/minの流量で送液し、塔底温度210〜218℃、圧力26.7kPa(200mmHg)の条件でEGを主成分とする留去成分を50〜70/minの流量で留去した結果、酸価1.66mg−KOH/gのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物が得られた。この組成物を13.2Tonにメタノール19.3m3、炭酸カリウム50kgを添加し、常圧、リフラックス条件下にて40分間加熱しエステル交換反応を進行させた。反応後、40℃まで冷却してから遠心分離して、ケーク成分とろ液成分とを分離した。このケーク成分を90g採取し、70gのメタノールにて2回洗浄した後、乾燥した結果、テレフタル酸ジメチルを主成分とする粗結晶(濃度=98.8重量%)が得られた。EG/廃棄物重量比は実施例1と同様に1.00であった。
[比較例1]
バッチ式蒸留装置での蒸留時の圧力を13.3kPa(100mmHg)とし、EGを主成分とする成分を留去した量を47gとしたことを除き、その他は実施例1と同様の操作を行い得られたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む組成物の酸価を測定したところ、4.01mg−KOH/gであった。この組成物にメタノール135g、炭酸カリウム0.5gを添加し、常圧、リフラックス条件下にて1時間加熱しエステル交換反応を進行させた。反応後、35℃まで冷却してからろ過して、ケーク成分とろ液成分とを分離した。このケークを70gのメタノールにて2回洗浄した後、乾燥させて溶媒成分を蒸発分離した結果、テレフタル酸ジメチルを主成分とする粗結晶59.6g(濃度=93.2重量%、収率=71.5mol%)が得られた。
本発明のポリエステルから有効成分を回収する方法によれば、現実として多量に発生している水分と接触した経緯のあるポリエステル廃棄物に対して、設備投資費やエネルギーコストの高い乾燥工程を必要とせずに、ポリエステルの原料であるテレフタル酸ジメチルを高収率、かつ安定して回収できる。この点において工業面で非常に有意義である。

Claims (5)

  1. 平均含水率が0.5wt%〜3.0wt%のポリエチレンテレフタレートを主成分として含有するポリエステルからテレフタル酸ジメチルを製造するに際し、下記工程(a)〜(c):
    工程(a):前記ポリエステルを、エチレングリコールと170〜280℃の温度にて解重合反応させる工程
    工程(b):工程(a)にて得られた解重合反応物から20.0〜60.0kPaの圧力下においてエチレングリコールを留去する工程であって、
    工程(a)で添加したエチレングリコール重量から留去したエチレングリコールを主とする成分重量を引いた差が、工程(a)で添加したポリエステルに対する重量比で0.3〜2.0になるまでエチレングリコールを留去する工程
    工程(c):工程(b)でのエチレングリコール留去後の成分とメタノールとをエステル交換反応させる工程
    に順次供することを含み、
    前記工程(b)におけるエチレングリコールを留去する量が、工程(a)にて得られた解重合反応物に対して5.0wt%以上であることを特徴とするテレフタル酸ジメチルの製造方法。
  2. 工程(a)において解重合反応触媒を用い、前記解重合触媒としてアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酢酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質を工程(a)に添加することを特徴とする請求項1に記載のテレフタル酸ジメチルの製造方法。
  3. 工程(a)で調整した解重合反応物に工程(b)以前の段階で、水分率が1.0wt%以下のエチレングリコールを添加することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のテレフタル酸ジメチルの製造方法。
  4. 工程(b)でのエチレングリコール留去後の成分の酸価が2.5mg−KOH/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテレフタル酸ジメチルの製造方法。
  5. 工程(c)においてエステル交換反応触媒を用い、前記エステル交換反応触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酢酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質を工程(c)に添加することを特徴とする請求項1に記載のテレフタル酸ジメチルの製造方法。
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