JP2011187346A - リチウムイオン二次電池用基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、複合化した際の表面のバラつきが小さく、複合化物の脱落が少なく、かつシワの発生が少ないリチウムイオン二次電池用基材を提供することにある。
【解決手段】合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるリチウムイオン二次電池用基材。
【選択図】なし
【解決手段】合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるリチウムイオン二次電池用基材。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等のリチウムイオン二次電池に好適に使用できるリチウムイオン二次電池用基材に関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液(非水電解液)を使用するリチウムイオン二次電池が注目されてきた。このリチウムイオン二次電池は、平均電圧として従来の二次電池であるアルカリ二次電池の約3倍である3.7V程度が得られることから高エネルギー密度となるが、アルカリ二次電池のように水系の電解液を用いることができないため、十分な耐酸化還元性を有する非水電解液を用いている。非水電解液は可燃性であるため発火等の危険性があり、その使用において安全性には細心の注意が払われている。発火等の危険に曝されるケースとしていくつか考えられるが、特に過充電が危険である。
過充電を防止するために、現状の非水系二次電池では定電圧・定電流充電が行われ、電池に精密なIC(保護回路)が装備されている。この保護回路にかかるコストは大きく、非水系二次電池をコスト高にしている要因にもなっている。
保護回路で過充電を防止する場合、当然保護回路がうまく作動しないことも想定され、本質的に安全であるとは言い難い。現状の非水系二次電池には、過充電時に保護回路が壊れ、過充電された時に安全に電池を破壊する目的で、安全弁・PTC素子の装備、セパレータには熱ヒューズ機能を有する工夫がなされている。しかし、上記のような手段を装備していても、過充電される条件によっては、確実に過充電時の安全性が保証されているわけではなく、実際には非水系二次電池の発火事故は現在でも起こっている。
セパレータとしては、ポリエチレン等のポリオレフィンからなるフィルム状の多孔質フィルムが多く使用されており、電池内部の温度が130℃近傍になった場合、溶融して微多孔を塞ぐことで、リチウムイオンの移動を防ぎ、電流を遮断させる熱ヒューズ機能(シャットダウン機能)があるが、何らかの状況により、さらに温度が上昇した場合、ポリオレフィン自体が溶融してショートし、熱暴走する可能性が示唆されている。そこで、現在、200℃近くの温度でも溶融及び収縮しない耐熱性セパレータが開発されている。
耐熱性セパレータとしては、ポリエステル系繊維で構成した不織布、ポリエステル系繊維に耐熱性繊維であるアラミド繊維を配合した不織布があるが、孔径が大きく内部短絡が起きるため、実用的ではない(例えば、特許文献1〜3参照)。一方、ポリオレフィンからなるフィルム状の多孔質フィルムに、ポリエステル系繊維で構成した不織布を積層させて複合化する例や、不織布や織布にフィラー粒子の含有や、樹脂の表面塗工による複合化にて耐熱性を持たせる例が報告されている(例えば、特許文献4〜6参照)。しかしながら、基材として用いられている不織布については、孔が大きいためにフィラー粒子や樹脂等の表面塗工により複合化した際にピンホールが発生したり、表面の平滑性が低いため、表面塗工により複合化した際の表面のバラつきが大きくなったり、フィラー粒子や樹脂等の複合化物の脱落を招きやすい等の品質的な問題があった。
本発明の課題は、複合化した際の表面のバラつきが小さく、複合化物の脱落が少なく、かつシワの発生が少ないリチウムイオン二次電池用基材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるリチウムイオン二次電池用基材、
(2)フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が不織布の10〜80質量%である上記(1)記載のリチウムイオン二次電池用基材、
(3)合成樹脂短繊維を構成する樹脂が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載のリチウムイオン二次電池用基材、
を見出した。
(1)合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるリチウムイオン二次電池用基材、
(2)フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が不織布の10〜80質量%である上記(1)記載のリチウムイオン二次電池用基材、
(3)合成樹脂短繊維を構成する樹脂が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載のリチウムイオン二次電池用基材、
を見出した。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材(1)は、合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下である。フィブリル化したリヨセル繊維が合成樹脂短繊維と絡み合うことで、表面の平滑性が高く、緻密性に優れ、表面塗工によって、複合化した際の表面のバラつきが小さくなると共に、複合化物の脱落が起こりにくくなる。また、基材の表面に存在するフィブリル化したリヨセル繊維が複合化物と強固に結びつくことによって、複合化物の脱落をより抑制することができる。さらに、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)を3.0以下にすることで、フィラー粒子や樹脂等の表面塗工等により複合化した際のシワの発生やそれに伴う複合化物の脱落を抑制することができる。
フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が不織布の10〜80質量%であるリチウムイオン二次電池用基材(2)は、基材として必要な緻密性及び均一性がより優れている。
合成樹脂短繊維を構成する樹脂が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であるリチウムイオン二次電池用基材(3)では、より基材の破損抑制やシワ抑制効果が高く、緻密性に優れたリチウムイオン二次電池用基材を得ることができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用基材について詳説する。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材は、合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下である。フィラー粒子や樹脂等の表面塗工等により複合化する際に発生するシワの抑制の点において、(MDs/CDs)の値が2.5以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以下である。さらに好ましくは、1.5以下である。
なお、本発明に係わる引張り強度は、JIS P 8113に規定された方法に基づいて測定し、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)は、その測定結果より算出される。
フィブリル化したリヨセル繊維の「リヨセル」とは、ISO規格及び日本のJIS規格に定める用語で「セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維」のことである。
リヨセル繊維は、通常のパルプ繊維と同様に、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料等の分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル等の叩解・分散設備でフィブリル化が可能である。これらの分散設備を用いて、最適にフィブリル化したリヨセル繊維を用いることが望ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材において、合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維との含有質量比率は、90/10〜20/80が好ましく、80/20〜30/70がより好ましく、70/30〜40/60がさらに好ましい。フィブリル化したリヨセル繊維の含有比率が10質量%未満の場合、緻密性や均一性が向上せず、(MDs/CDs)の値を達成することができない場合がある。また、フィブリル化したリヨセル繊維の含有比率が80質量%を超えると、複合化の際に基材が破損することがある。
本発明において、合成樹脂短繊維を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、フラン系樹脂、尿素系樹脂、アニリン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を使用すると、基材の破損抑制効果が高く、緻密性に優れたリチウムイオン二次電池用基材を得ることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリトリメチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系、ポリブチレンナフタレート系、ポリエチレンイソフタレート系等が挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン二次電池用基材に使用する場合には、耐熱性に優れているポリエチレンテレフタレート系が好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル等を共重合させたもの等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等が挙げられる。耐熱性の観点から、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等を挙げることができる。
合成樹脂短繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる繊維(複合繊維)であっても良い。また、本発明のリチウムイオン二次電池用基材に含まれる合成樹脂短繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材においては、合成樹脂短繊維の少なくとも1種としてバインダーとして機能する熱融着性短繊維を使用することができる。熱融着性短繊維としては、芯鞘型、偏芯型、分割型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型の複合繊維、あるいは単一成分からなる繊維(単繊維)などが挙げられるが、特に未延伸ポリエステル系短繊維や芯部に非熱接着成分、鞘部に熱接着成分を配した芯鞘型熱融着性短繊維を含有することが好ましい。未延伸ポリエステル系短繊維は均一性を向上させる点において好適であり、芯鞘型熱融着性短繊維は、芯部の繊維形状を維持しつつ、鞘部のみを軟化、溶融又は湿熱溶解させて繊維同士を熱接着させるため、基材の緻密な構造を損なわずに繊維同士を接着させるのに好適である。熱融着性短繊維を、加熱又は湿熱加熱により、軟化、溶融又は湿熱溶解させて、繊維同士を熱接着させることによって、高い機械的強度が得られるため、(MDs/CDs)の値を3.0以下にすることができ、表面塗工によって複合化した際のシワの発生を小さくすることができる。
本発明のリチウム二次電池用基材において、熱融着性短繊維の含有率は、不織布に対して、5〜40質量%であることが好ましく、8〜35質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。含有率が5質量%未満だと基材の機械的強度が低下するおそれがあり、40質量%を超えると熱寸法安定性が低下するおそれがある。
合成樹脂短繊維の繊度は、0.007〜1.3dtexが好ましく、0.02〜1.1dtexがより好ましく、0.04〜0.8dtexがさらに好ましい。合成樹脂短繊維の繊度が1.3dtexを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、必要とされる緻密性が確保できなくなる場合がある。また、凹凸が大きくなって、表面塗工により複合化した際の表面に大きなバラつきができる場合がある。合成樹脂短繊維の繊度が0.007dtex未満の場合、繊維の安定製造が困難になる。
合成樹脂短繊維の繊維長としては、1mm以上7mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下がさらに好ましい。繊維長が7mmを超えた場合、地合不良となったり、(MDs/CDs)の値が3.0より大きくなることがある。一方、繊維長が1mm未満の場合には、基材の機械的強度が低くなって、複合化の際に基材が破損する場合がある。
本発明において、添加剤として紙力増強剤を使用することができる。使用できる紙力増強剤としては、合成高分子、半合成高分子、植物性ガム、澱粉から選択された1種又は複数種使用することができるが、両性もしくはカチオン性ポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。特に、アニオンとカチオンの両方の官能基を有する両性ポリアクリルアミド系樹脂は、カチオン部はリヨセル繊維と自己吸着し、アニオン部はポリアクリルアミド同士で結合し、より強固に結合する。また、アニオン部とカチオン部を両方持つことから、系内のpH変化の影響も受け難く、安定的に繊維間結合を補強することができるため、両性ポリアクリルアミド樹脂が好ましい。紙力増強剤を用いることで、流れ方向の引張り強度を向上させるだけでなく、幅方向の引張り強度を大幅に向上させることができ、(MDs/CDs)の値を3.0以下にすることが可能となる。
本発明におけるリチウムイオン二次電池用基材への紙力増強剤の付加方法は、不織布抄造時に内添する方法、含浸又は塗工する方法等が挙げられる。
本発明において、紙力増強剤の添加量は、フィブリル化したリヨセル繊維に対して固形分換算で0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。0.01質量%未満では、必要強度が得られない場合があり、20質量%より大きい場合は、強度が低下する場合がある。また、不織布抄造時に内添する場合には、粘度が上がることにより、抄造性も損なう可能性や凝集により均一性が失われる場合がある。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材の坪量は、3.0〜30.0g/m2が好ましく、6.0〜20.0g/m2がより好ましく、8.0〜12.0g/m2がさらに好ましい。(MDs/CDs)の値を達成するためには、坪量を多くするためには好ましいが、坪量が30.0g/m2を超えると、基材だけでセパレータの大半を占めることになり、複合化による効果を得られ難くなる。3.0g/m2未満であると、均一性を得ることが難しくなり、複合化後の表面に大きなバラつきが発生する場合がある。なお、坪量は、JIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材の厚みは、4〜45μmが好ましく、6〜40μmがより好ましく、8〜30μmがさらに好ましい。45μmを超えると、基材だけでセパレータの大半を占めることになり、複合化による効果を得られ難くなり、4μm未満であると、基材の強度が低くなりすぎて、複合化の際に基材が破損する場合がある。なお、厚みはJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材において、不織布の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を接着・融着・絡合させる方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま使用しても良いし、複数枚からなる積層体として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等がある。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均一かつ緻密であり、リチウムイオン二次電池用基材として好適に用いることができる。湿式法は、まず主体繊維とバインダー繊維を均一に水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、その後スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%濃度に調整され、抄造される。また、より均一な不織布を得るために、工程中で分散助剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤等の薬品を添加しても良い。繊維ウェブを得るためには、この抄紙スラリーを円網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いることができる。この抄紙工程において、抄紙スラリー濃度、流速、J/W比、傾斜角度やドロー等を調整することにより、(MDs/CDs)の値を3.0以下にすることができる。
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。特に、均一性を重視して湿式法を用いる場合、熱融着性短繊維を含有させて、バインダー接着法によって該熱融着性短繊維を接着させることが好ましい。バインダー接着法により、均一なウェブから均一な不織布が形成される。このようにして製造した湿式不織布に対して、カレンダー等によって圧力を加えて、厚さの調整、均一化することが好ましい。また、カレンダーのテンションの調整により引張り強度の比率をコントロールし、(MDs/CDs)の値を3.0以下にすることも可能となる。ただし、熱融着性短繊維が皮膜化しない温度(熱融着性短繊維の融点よりも20℃以上低い温度)で加圧することが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材の複合化としては、特に限定されるものではないが、多孔質フィルムとの積層、フィラー粒子の含浸又は表面塗工、ポリマー樹脂の含浸又は表面塗工等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
実施例1
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例2
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維10部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維10部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維80部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維10部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維10部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維80部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例3
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維72部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維8部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維72部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維8部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例4
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維5部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維10部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維85部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.8g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維5部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維10部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維85部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.8g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例5
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維50部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維10部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維50部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維10部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度1.1dtex、繊維長5mm、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点253℃)/鞘部がポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、ポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.0g/m2、幅50cmの不織布を作製した後、200℃に加熱した直径1.2mの熱ロールに速度20m/minで接触させて熱処理した。さらにスーパーカレンダー処理を行い、坪量11.0g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度1.1dtex、繊維長5mm、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点253℃)/鞘部がポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、ポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.0g/m2、幅50cmの不織布を作製した後、200℃に加熱した直径1.2mの熱ロールに速度20m/minで接触させて熱処理した。さらにスーパーカレンダー処理を行い、坪量11.0g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例7
パルパーの水中に両性ポリアクリルアミド系樹脂の紙力増強剤(荒川化学工業社製、商品名:ポリストロン1250)をフィブリル化したリヨセル繊維に対して、固形分換算で5質量%になるように添加し、撹拌した後、繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.7g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.7g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
パルパーの水中に両性ポリアクリルアミド系樹脂の紙力増強剤(荒川化学工業社製、商品名:ポリストロン1250)をフィブリル化したリヨセル繊維に対して、固形分換算で5質量%になるように添加し、撹拌した後、繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.7g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.7g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例8
パルパーの水中に両性ポリアクリルアミド系樹脂の紙力増強剤(荒川化学工業社製、商品名:ポリストロン1250)をフィブリル化したリヨセル繊維に対して、固形分換算で5質量%になるように添加し、撹拌した後、繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度1.1dtex、繊維長5mm、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点253℃)/鞘部がポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、ポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.7g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.7g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
パルパーの水中に両性ポリアクリルアミド系樹脂の紙力増強剤(荒川化学工業社製、商品名:ポリストロン1250)をフィブリル化したリヨセル繊維に対して、固形分換算で5質量%になるように添加し、撹拌した後、繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30部、繊度1.1dtex、繊維長5mm、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点253℃)/鞘部がポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、ポリエステル系芯鞘型熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.7g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.7g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例9
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリプロピレン系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.5g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.5g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリプロピレン系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.5g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.5g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例10
繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.6g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル系短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.6g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
実施例11
繊度0.1dtex、繊維長3mmのナイロン66短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.8g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのナイロン66短繊維30部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維50部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.8g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例1)
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維40部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を20部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維40部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を20部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例2)
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維20部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を36部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維4部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維20部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を36部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維40部、フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維4部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例3)
フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維100部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(繊維径15μm、繊維長4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて50回繰り返し処理して得られたフィブリル化したリヨセル繊維100部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.8g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例4)
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリプロピレン系短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリプロピレン系短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例5)
繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル系短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル系短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量11.1g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量11.1g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例6)
繊度0.1dtex、繊維長3mmのナイロン66短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.6g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.1dtex、繊維長3mmのナイロン66短繊維を80部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維20部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.6g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.6g/m2、厚さ17μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
(比較例7)
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維45部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を40部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維15部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維45部、繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたPET系短繊維を40部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維15部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量10.9g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、スーパーカレンダー処理を行い、坪量10.9g/m2、厚さ18μmの不織布を製造し、リチウムイオン二次電池用基材とした。
<基材測定>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用基材について、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)は、引張り強度を、JIS P 8113に規定された方法に基づいて測定、算出した結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用基材について、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)は、引張り強度を、JIS P 8113に規定された方法に基づいて測定、算出した結果を表1に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用基材について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用基材について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[セパレータの作製]
板状ベーマイト(平均粒径:1μm、アスペクト比:10)1000g、N−メチルピロリドン1000g、ポリフッ化ビニリデン375gを容器に入れ、撹拌機(商品名:スリーワンモーター、新東科学(株)製)で1時間撹拌して分散させ、均一なスラリーとした。このスラリー中に、実施例及び比較例の不織布をそれぞれ通し、引き上げ塗布によりスラリーを塗布した後、所定の間隔を有するギャップの間を通し、その後乾燥して、片面あたりの厚さが3μmの多孔質膜を有するセパレータを得た。
板状ベーマイト(平均粒径:1μm、アスペクト比:10)1000g、N−メチルピロリドン1000g、ポリフッ化ビニリデン375gを容器に入れ、撹拌機(商品名:スリーワンモーター、新東科学(株)製)で1時間撹拌して分散させ、均一なスラリーとした。このスラリー中に、実施例及び比較例の不織布をそれぞれ通し、引き上げ塗布によりスラリーを塗布した後、所定の間隔を有するギャップの間を通し、その後乾燥して、片面あたりの厚さが3μmの多孔質膜を有するセパレータを得た。
[基材の塗布性評価]
作製したセパレータについて、任意の10ヶ所の厚さ測定を実施し、その差が0.8μm以下であれば◎、0.8μmを超えて1μm以下であれば○、1μmを超えて2μm以下であれば△、2μmを超えていれば×で表した。なお、厚さはJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
作製したセパレータについて、任意の10ヶ所の厚さ測定を実施し、その差が0.8μm以下であれば◎、0.8μmを超えて1μm以下であれば○、1μmを超えて2μm以下であれば△、2μmを超えていれば×で表した。なお、厚さはJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
[セパレータのシワ評価]
作製したセパレータについて、200mm×3mのシートを直径10mmのポリテトラフルオロエチレン棒に巻き付けた時のセパレータの状態を目視で確認し、次の度合いで評価した。
◎:巻き付ける時にシワの発生もなく、巻き付けることが可能。
○:巻き付ける時に若干のシワの発生が見られるが、折れ筋は発生しない。
△:巻き付ける時にシワの発生が見られ、折れ筋が発生するが、表面の多孔質膜には剥がれは生じていない。
×:巻き付ける時にシワの発生が見られ、折れ筋が発生し、さらに、表面の多孔質膜に剥がれが見られる。
作製したセパレータについて、200mm×3mのシートを直径10mmのポリテトラフルオロエチレン棒に巻き付けた時のセパレータの状態を目視で確認し、次の度合いで評価した。
◎:巻き付ける時にシワの発生もなく、巻き付けることが可能。
○:巻き付ける時に若干のシワの発生が見られるが、折れ筋は発生しない。
△:巻き付ける時にシワの発生が見られ、折れ筋が発生するが、表面の多孔質膜には剥がれは生じていない。
×:巻き付ける時にシワの発生が見られ、折れ筋が発生し、さらに、表面の多孔質膜に剥がれが見られる。
[基材の強度]
実施例及び比較例の基材を、50mm幅の短冊状に切り揃えた。試験片を卓上型材料試験機(商品名:STA−1150、(株)オリエンテック製)に据え付けた40mmφの固定枠に装着し、先端に丸み(曲率1.6)をつけた直径1.0mmの金属針((株)オリエンテック製)を試料面に対して直角に50mm/分の一定速度で貫通するまで降ろした。この時の最大荷重(g)を計測し、これを突刺強度とした。1試料について5ヶ所以上突刺強度を測定し、全測定値の中で最も小さい突刺強度について、50g以上であれば◎、40g以上50g未満であれば○、30g以上40g未満であれば△、30g未満であれば×で表した。
実施例及び比較例の基材を、50mm幅の短冊状に切り揃えた。試験片を卓上型材料試験機(商品名:STA−1150、(株)オリエンテック製)に据え付けた40mmφの固定枠に装着し、先端に丸み(曲率1.6)をつけた直径1.0mmの金属針((株)オリエンテック製)を試料面に対して直角に50mm/分の一定速度で貫通するまで降ろした。この時の最大荷重(g)を計測し、これを突刺強度とした。1試料について5ヶ所以上突刺強度を測定し、全測定値の中で最も小さい突刺強度について、50g以上であれば◎、40g以上50g未満であれば○、30g以上40g未満であれば△、30g未満であれば×で表した。
[脱落の有無]
作製したセパレータについて、50mm幅×300mmの短冊状に切り揃え、直径10mmのポリテトラフルオロエチレン棒に巻き付けた時の多孔質膜の状態を目視で確認し、次の度合いで評価した。
◎:多孔質膜の状態に変化がない。
○:多孔質膜の表面部分にひび割れが生じるが、剥がれは生じていない。
△:ひび割れが多孔質膜の厚み全体に広がっているが、剥がれは生じていない。
×:剥がれが生じている。
作製したセパレータについて、50mm幅×300mmの短冊状に切り揃え、直径10mmのポリテトラフルオロエチレン棒に巻き付けた時の多孔質膜の状態を目視で確認し、次の度合いで評価した。
◎:多孔質膜の状態に変化がない。
○:多孔質膜の表面部分にひび割れが生じるが、剥がれは生じていない。
△:ひび割れが多孔質膜の厚み全体に広がっているが、剥がれは生じていない。
×:剥がれが生じている。
実施例で得られたリチウムイオン二次電池用基材は、合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを含有する不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるため、緻密な構造を有し、表面塗工により複合化した際の表面のバラつきが小さく、シワの発生が少ないという良好な結果が得られた。
実施例1〜4の比較から、フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が10〜80質量%の場合、表面塗工により複合化した際の表面のバラつきが小さく、強度も高く、また、多孔質膜の脱落も確認されなかった。フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が10質量%未満である実施例3では、表面のバラつきが大きくなる傾向が見られた。フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が80質量%を超えた実施例4では、強度が若干低下する傾向が見られた。
実施例1、9〜11の比較から、合成樹脂短繊維を構成する樹脂がポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂であると、表面塗工により複合化した際の表面のバラつきが小さく、強度も高く、また、多孔質膜の脱落も確認されなかった。
一方、比較例1、4〜6で得られたリチウムイオン二次電池用基材は、フィブリル化したリヨセル繊維を含有せず、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0よりも大きいため、表面のバラつきが発生し、強度も低く、シワの発生や多孔質膜の脱落度合いも、実施例より大きい結果となった。
比較例2で得られたリチウムイオン二次電池用基材は、合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維を含有しているものの、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0よりも大きいため、シワの発生が実施例より大きい結果となった。
また、比較例3で得られたリチウムイオン二次電池用基材は、合成樹脂短繊維を含有していないため、強度が低く、多孔質膜の脱落度合いも、実施例より大きい結果となった。
さらに、比較例7で得られたリチウムイオン二次電池用基材は、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であるものの、フィブリル化したリヨセル繊維を含有しないため、表面のバラつきが発生し、強度も低く、シワの発生や多孔質膜の脱落度合いも、実施例より大きい結果となった。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等のリチウムイオン二次電池に好適に使用できる。
Claims (3)
- 合成樹脂短繊維とフィブリル化したリヨセル繊維とを必須成分として含有した不織布からなり、流れ方向の引張り強度(MDs)と幅方向の引張り強度(CDs)の比(MDs/CDs)が3.0以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用基材。
- フィブリル化したリヨセル繊維の含有量が不織布の10〜80質量%である請求項1記載のリチウムイオン二次電池用基材。
- 合成樹脂短繊維を構成する合成樹脂が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のリチウムイオン二次電池用基材。
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JP2010052502A JP2011187346A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | リチウムイオン二次電池用基材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2010-03-10 JP JP2010052502A patent/JP2011187346A/ja active Pending
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