JP2011183382A - 吸着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ガス状物質や液体状物質の吸着能に優れ、特に二酸化炭素、酢酸などの酸性ガス、アルデヒド類の吸着/脱着能に優れるとともに、粒子状又は繊維状の担体に担持されており、フィルタとしても加工が容易な吸着剤に関する。
大気中の二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化の問題は、ますます深刻化しており、その対策が至急に求められている中で、二酸化炭素の化学的なトラップ法の開発にも大きな期待が寄せられている。このような、トラップ法に利用可能な化合物として、アミジン骨格を有する複素環化合物である、N−メチルテトラヒドロピリミジン(以下、MTHPと略することがある)が、二酸化炭素を吸着/脱着できる有機化合物であることが知られている。しかし、MTHPは液体であるため、エアフィルタなどと併用して大気中の二酸化炭素を吸収させることが困難であり、実用上安定な固体形状を有するか、あるいは粒子状や繊維状の担体に容易に担持可能な二酸化炭素吸着剤が求められていた。
そこで、本発明者らの一部は、このMTHPをスチレンに導入した化合物である、4−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミド−1−イル)メチルスチレン(以下、THPStと略することがある)や、THPStをモノマーとする下記一般式(91):
で表される重合体、並びに、THPStとN−アクリルアミドとを共重合した下記一般式(92):
で表される固体形状の共重合体を合成した結果、これらの化合物が25℃で二酸化炭素を接触させると吸着すること、そして、昇温すると、その吸着した二酸化炭素が脱着することを、非特許文献1に報告している。
しかし、THPStモノマーやその共重合体の合成方法は、工程が煩雑であるため、製造コストが高くなるという問題があった。また、大気中の二酸化炭素の吸着剤として利用する場合、加工方法や用途が限られるという問題があった。
T. Endo et al., Macromolecules 2004, 37, 2007-2009
本願出願人は、上記問題を解決して、上記化合物以外にも、二酸化炭素の吸着/脱着能に優れるとともに、安定な固体形状を有するか、あるいは粒子状や繊維状の担体に容易に担持可能であり、フィルタとして加工が容易な二酸化炭素吸着剤、及びそれに用いることのできる新規化合物を提供することを目的として、特願2009−67382号を出願している。
本願出願人は、更に優れた脱吸着能を有する吸着剤を提供することを目的として鋭意検討したところ、金属酸化物を主成分とする表面を有する粒子又は繊維が特定の比表面積において優れた脱吸着効果を示すことを新たに見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明の課題は、ガス状物質や液体状物質の吸着能に優れ、特に二酸化炭素、酢酸などの酸性ガス、アルデヒド類の吸着/脱着能に優れるとともに、粒子状又は繊維状の担体に担持されており、フィルタとしても加工が容易な新規な吸着剤を提供することにある。
従って、本発明の課題は、ガス状物質や液体状物質の吸着能に優れ、特に二酸化炭素、酢酸などの酸性ガス、アルデヒド類の吸着/脱着能に優れるとともに、粒子状又は繊維状の担体に担持されており、フィルタとしても加工が容易な新規な吸着剤を提供することにある。
本発明は、
[1]一般式(1):
[式中、R1は、水素原子または炭素数1〜27のアルキル基であり、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜30のアルキル基であり、n1は1〜3の整数である]
で表される有機ケイ素化合物が、金属酸化物を主成分とする表面を有する比表面積が1m2/g以上である粒子又は繊維に結合してなることを特徴とする吸着剤、
[2]前記金属酸化物が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩である、[1]に記載の吸着剤、
[3]前記二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩を主成分とする表面を有する粒子又は繊維が、多孔質体である、[2]に記載の吸着剤、
[4]前記多孔質体の平均孔径が3nm以上であることを特徴とする、[3]に記載の吸着剤、
[5]前記有機ケイ素化合物が、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン、又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の吸着剤、
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法、
[7][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法、
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法、
[9][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法、
[10][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法、
[11][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法
に関する。
[1]一般式(1):
で表される有機ケイ素化合物が、金属酸化物を主成分とする表面を有する比表面積が1m2/g以上である粒子又は繊維に結合してなることを特徴とする吸着剤、
[2]前記金属酸化物が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩である、[1]に記載の吸着剤、
[3]前記二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩を主成分とする表面を有する粒子又は繊維が、多孔質体である、[2]に記載の吸着剤、
[4]前記多孔質体の平均孔径が3nm以上であることを特徴とする、[3]に記載の吸着剤、
[5]前記有機ケイ素化合物が、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン、又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の吸着剤、
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法、
[7][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法、
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法、
[9][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法、
[10][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤を用いて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法、
[11][1]〜[5]のいずれかに記載の吸着剤をフィルタに担持させて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法
に関する。
本発明によれば、ガス状物質や液体状物質の吸着能に優れ、特に二酸化炭素、酢酸などの酸性ガス、アルデヒド類の吸着/脱着能に優れるとともに、粒子状又は繊維状の担体に担持されており、フィルタとしても加工が容易な新規な吸着剤を提供することが可能となった。
本発明の吸着剤で用いる有機ケイ素化合物は、一般式(1):
[式中、R1は、水素原子または炭素数1〜27のアルキル基(好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基)であり、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜30のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基)であり、n1は1〜3の整数(好ましくは1又は2)である]
で表される化合物であり、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン、又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンが特に好ましい。
で表される化合物であり、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン、又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンが特に好ましい。
前記一般式(1)において、n1が1であり、R1が水素原子であり、R4、R5、及びR6がエチル基である化合物(1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン)は、それ自体、公知化合物である。例えば、この化合物の公知用途としては、シリカ担持後、触媒又は金属分離に利用されており、二酸化炭素吸着に利用可能であることは知られていない。
前記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、例えば、下記反応工程式(I):
に基づいて合成することができる。
上記反応工程式(I)はアミン化合物とアセタール化合物の縮合環化反応であり、バルク(無溶媒)又は溶媒中で行うことができる。この溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、又はヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの非プロトン性非極性溶媒、又はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのプロトン性極性溶媒が挙げられる。
上記の工程(I)の反応は、上記溶媒の中でも、例えばトルエン中、0℃〜120℃、好ましくは50℃〜80℃の範囲の温度で攪拌下に行うことができる。
上記反応工程式(I)はアミン化合物とアセタール化合物の縮合環化反応であり、バルク(無溶媒)又は溶媒中で行うことができる。この溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、又はヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの非プロトン性非極性溶媒、又はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのプロトン性極性溶媒が挙げられる。
上記の工程(I)の反応は、上記溶媒の中でも、例えばトルエン中、0℃〜120℃、好ましくは50℃〜80℃の範囲の温度で攪拌下に行うことができる。
例えば、前記一般式(1)の好適化合物である1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン[化合物1−2]及び1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン[化合物2−2]は、下記反応工程式(II)及び(III)に基づいて、それぞれ、合成することができる。
本発明の吸着剤は、以下の機構に限定されるものではないが、本発明者は、二酸化炭素の吸脱着反応は、以下の機構に基づくものと推測している。
背景技術欄で先に言及した非特許文献1には、N−メチルテトラヒドロピリミジン(MTHP)における二酸化炭素の吸着/脱着に関して、以下の反応式:
が記載されている。本発明の吸着剤においても、同様の機構に基づくものと推測している。
背景技術欄で先に言及した非特許文献1には、N−メチルテトラヒドロピリミジン(MTHP)における二酸化炭素の吸着/脱着に関して、以下の反応式:
金属酸化物を主成分とする表面を有する粒子又は繊維としては、粒子又は繊維全体が金属酸化物を主成分とする形態であることも、また粒子又は繊維の表面のみが金属酸化物を主成分とする形態であることも可能である。
このような金属酸化物を主成分とする表面を有する粒子又は繊維は、金属酸化物表面に存在するOH基によって、前記一般式(1)で表される化合物と化学的に結合することができる。金属酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミノケイ酸塩などが入手しやすく好ましい。具体的には、シリカゲルやクロマト用シリカ多孔体、鱗片状シリカ、メソポーラスシリカ、天然ゼオライトや合成ゼオライト、酸化アルミニウム、酸化チタンの粒子や、ガラス繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、及びこれらの繊維からなる織物、編物、不織布などを挙げることができる。また、前記金属酸化物により表面が被覆された粒子又は繊維、当該被覆された粒子が繊維の表面に担持された繊維、及びこれらの繊維からなる織物、編物、不織布などを挙げることができる。
本発明では、金属酸化物を主成分とする表面を有する粒子又は繊維の表面は、比表面積が1m2/g以上であり、30m2/g以上であることが好ましく、60m2/g以上であることがより好ましく、比表面積が大きくなるほど前記有機ケイ素化合物の担持量を大きくすることができる。
なお、比表面積は、BET法により得られる比表面積とする。本発明では比表面積の測定には、自動比表面積/細孔分布測定装置(BELSORP mini;日本ベル株式会社製)を用い、吸着ガスとして窒素ガスを使用した。
このような比表面積が1m2/g以上である粒子又は繊維としては、粒子又は繊維自体がミクロレベルやナノレベルの大きさを有している形態や、粒子又は繊維が多孔質である形態がある。このうち粒子又は繊維が多孔質である場合は、比表面積が大きくても粒子又は繊維が比較的大きな寸法を有することが可能であり、気体中や液体中の物質を吸着させる上で実用的であり、好ましい形態といえる。粒子又は繊維自体がミクロレベルやナノレベルの大きさを有している場合は、均一な分散状態で繊維などに担持させる技術を要するという困難さが伴う場合がある。
粒子自体がミクロレベルの大きさを有している例としては、例えば鱗片状シリカ粒子があり、具体的には、例えば薄片1次粒子の粒子径が厚さ0.05μm以下の鱗片形状粒子であり、葉状シリカ2次粒子の厚さが0.05〜0.5μm(平均粒子径が0.1〜1.5μm)である鱗片状シリカ粒子を挙げることができ、市販されているものを適用することができる。例えば、市販のSiO2一次粒子が三次凝集した白色粉体である、サンラブリーC(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒径:4〜6μm、比表面積67m2/g、シラノール基:55μmol/m2)を適用することができる。
また、繊維がナノレベルの径を有する例としては、例えば前記金属酸化物を含む溶液をシリンジからエア又は静電気の作用により吐出させてナノ繊維を形成し、このナノ繊維をコンベアー上に形成させた溶液紡糸法による不織布を適用することができる。
前記粒子が多孔質である形態としては、例えば多孔質のシリカ粒子があり、具体的には、実施例で示すように、富士シリシア化学社製のフジシリカゲルシリーズA形、B形、ID形、富士シリシア化学社製のCARiACTシリーズ、Q−3、Q−6、Q−10、Q−30、Q−50、東海化学社製のA形、B形、及びAldrich社製のメソポーラスシリカHMS、MSU−Fを挙げることができる。また、例えばユニオン昭和(株)製のゼオライトHiSiv1000を挙げることができる。
前述のように、前記金属酸化物を主成分とする表面を有する粒子又は繊維が多孔質体である場合、多孔質体の比表面積が大きくなるほど前記有機ケイ素化合物の担持量を大きくすることができるが、比表面積が大きくなるほど孔径が小さくなる傾向がある。そのため、本発明では、比表面積が大きくなり孔径が小さくなりすぎると、前記有機ケイ素化合物の担持量を大きくすることができなくなる場合がある。このため、本発明では前記多孔質体の平均孔径は3nm以上であることが好ましく、3.5nm以上であることがより好ましく、4nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましい。3nm未満の場合、孔径が小さくなりすぎて、孔の中に有機ケイ素化合物を十分に浸透させることができず、吸着効果が十分に発揮できない場合がある。
なお、平均孔径dp(平均細孔直径)は、前述の比表面積の測定により得られた比表面積as及び下記式(2p)で算出される全細孔容積Vpより、下記の式(1p)を用いて算出した値を用いることができる。
dp=(4×Vp/as)×103・・・(1p)
Vp=V/22414×Mg/ρg・・・(2p)
平均孔径:dp(nm)
比表面積:as(m2/g)
全細孔容積:Vp(cm3/g)
相対圧p/poが0.990のときの吸着量:V(mL/g)
(但し、p:平衡吸着圧、po:飽和蒸気圧)
(相対圧が0.990より低い場合は、吸着最終点の吸着量を用いる。)
吸着質の分子量:Mg(=28)
吸着質の密度:ρg(g/cm3)(=0.808)
dp=(4×Vp/as)×103・・・(1p)
Vp=V/22414×Mg/ρg・・・(2p)
平均孔径:dp(nm)
比表面積:as(m2/g)
全細孔容積:Vp(cm3/g)
相対圧p/poが0.990のときの吸着量:V(mL/g)
(但し、p:平衡吸着圧、po:飽和蒸気圧)
(相対圧が0.990より低い場合は、吸着最終点の吸着量を用いる。)
吸着質の分子量:Mg(=28)
吸着質の密度:ρg(g/cm3)(=0.808)
前記一般式(1)で表される化合物のシリカ担体への担持(結合)は、例えば担持対象化合物を適当な溶媒(例えば、メタノール)で希釈し、シリカ担体と混合し、加熱下にて攪拌することにより、所望の吸着剤を得ることができる。
また、前記一般式(1)で表される化合物をより確実に、シリカ担体へ担持(結合)させる場合は、例えば後述の実施例に記載の方法により実施することができる。すなわち、担持対象化合物を適当な溶媒(例えば、トルエン又はメタノール)で希釈し、シリカ担体と混合し、加熱下にて攪拌するとともに気化した溶媒を冷却管で冷却して一定の時間還流させることにより、所望の吸着剤を得ることができる。このような還流の方法を採用することで、確実に結合反応を行うことができ、液体等で溶出しないような耐久性に富む吸着剤を得ることができる。なお、高い温度で結合反応を行うためには、溶媒としてメタノールよりもトルエンを採用することが好ましい。
また、前記一般式(1)で表される化合物をより確実に、シリカ担体へ担持(結合)させる場合は、例えば後述の実施例に記載の方法により実施することができる。すなわち、担持対象化合物を適当な溶媒(例えば、トルエン又はメタノール)で希釈し、シリカ担体と混合し、加熱下にて攪拌するとともに気化した溶媒を冷却管で冷却して一定の時間還流させることにより、所望の吸着剤を得ることができる。このような還流の方法を採用することで、確実に結合反応を行うことができ、液体等で溶出しないような耐久性に富む吸着剤を得ることができる。なお、高い温度で結合反応を行うためには、溶媒としてメタノールよりもトルエンを採用することが好ましい。
本発明では、有機ケイ素化合物をこのようなシリカ担体へ担持させて構成した吸着粒子を更に通気性のシート状物に担持させること、あるいは、吸着繊維を用いてシート状物を形成することなどにより、吸着シートを構成することができる。吸着シートが通気性を持つ場合はシートの厚さ方向に通風することで、通気性を持たない場合はハニカムやコルゲートなどの形状に加工しシート面と平行に通風することで、フィルタとして用いることができる。これらのフィルタを空調設備に配置して、大気中の二酸化炭素を吸着させ、必要に応じて脱着させることで、室内空気中の二酸化炭素濃度を調整することができる。
シート状物としては、製法・形状とも特に限定されず、例えば、不織布、織編み物、多孔膜、紙、フィルムなどが適用可能である。
シート状物としては、製法・形状とも特に限定されず、例えば、不織布、織編み物、多孔膜、紙、フィルムなどが適用可能である。
前記不織布としては、例えばバインダ接着不織布、水流絡合不織布、ニードルパンチ不織布、繊維融着不織布、スパンボンド不織布、あるいは紙などを単独で、又は適宜組み合わせた不織布を適用することができる。
また、不織布の材質は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維及び合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、綿及びパルプ繊維などの天然繊維、あるいはガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などを単独で、又は適宜組み合わせて適用することができる。
また、不織布の材質は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維及び合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、綿及びパルプ繊維などの天然繊維、あるいはガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などを単独で、又は適宜組み合わせて適用することができる。
次に、前述の吸着シートをフィルタとして、空気中の二酸化炭素の吸脱着に用いる一例について説明する。
従来から、オフィスや住居などの室内では、室内で発生する高濃度の二酸化炭素を低い濃度に抑える必要があり、このため外気を取り入れ二酸化炭素の濃度を薄めて、所定レベル以下(例えばビル管理法規定の1000ppm以下)に抑えることが行われている。ところが、この室内で発生する二酸化炭素の発生源は人間の呼気によるものが最大の原因となっており、このため、急激に人の出入りが生じた場合など、一時的に二酸化炭素の濃度が増加した場合でも必要以上に換気が行われることがあった。あるいは、換気量を増加することがあった。その結果、暖房や冷房が行われた室内空気を外部に排出することとなり、熱エネルギーの損失につながり、ひいては地球温暖化を加速する原因にもなっていた。
そこで、前記フィルタに二酸化炭素を含む空気を通風させた場合に、空気の温度が少なくとも−10〜50℃の範囲の何れかの温度において、通風された空気中の二酸化炭素の濃度が増加する場合は二酸化炭素を吸着し、減少する場合は二酸化炭素を脱着するように設計することにより、熱エネルギーの損失を防ぐことができる。
従来から、オフィスや住居などの室内では、室内で発生する高濃度の二酸化炭素を低い濃度に抑える必要があり、このため外気を取り入れ二酸化炭素の濃度を薄めて、所定レベル以下(例えばビル管理法規定の1000ppm以下)に抑えることが行われている。ところが、この室内で発生する二酸化炭素の発生源は人間の呼気によるものが最大の原因となっており、このため、急激に人の出入りが生じた場合など、一時的に二酸化炭素の濃度が増加した場合でも必要以上に換気が行われることがあった。あるいは、換気量を増加することがあった。その結果、暖房や冷房が行われた室内空気を外部に排出することとなり、熱エネルギーの損失につながり、ひいては地球温暖化を加速する原因にもなっていた。
そこで、前記フィルタに二酸化炭素を含む空気を通風させた場合に、空気の温度が少なくとも−10〜50℃の範囲の何れかの温度において、通風された空気中の二酸化炭素の濃度が増加する場合は二酸化炭素を吸着し、減少する場合は二酸化炭素を脱着するように設計することにより、熱エネルギーの損失を防ぐことができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン[化合物2−2]の合成》
(1)[3−(3−アミノプロピルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン[化合物2−1]の合成
窒素気流下、室温にて乾燥1,3−プロパンジアミン(74.1g、1mol)中に(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン[化合物2−0](39.8g、200mmol)を加え、次いで、油浴90℃にて1時間加熱攪拌した。1H NMR分析より反応を停止し、エバポレートにて過剰の1,3−プロパンジアミンを留去した。残渣にトルエンを加えた後に副生成物であるプロパンジアミン塩酸塩をろ別し、ろ液をエバポレートすることで標記化合物[化合物2−1]を99%を超える粗収率(>99%)で得た。更に減圧蒸留することで、標記化合物40.7g(収率86%)を無色透明油状物として得た。
(1)[3−(3−アミノプロピルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン[化合物2−1]の合成
窒素気流下、室温にて乾燥1,3−プロパンジアミン(74.1g、1mol)中に(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン[化合物2−0](39.8g、200mmol)を加え、次いで、油浴90℃にて1時間加熱攪拌した。1H NMR分析より反応を停止し、エバポレートにて過剰の1,3−プロパンジアミンを留去した。残渣にトルエンを加えた後に副生成物であるプロパンジアミン塩酸塩をろ別し、ろ液をエバポレートすることで標記化合物[化合物2−1]を99%を超える粗収率(>99%)で得た。更に減圧蒸留することで、標記化合物40.7g(収率86%)を無色透明油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.66(t,J=9.2Hz,2H,CH 2Si),1.12(brs,2H,CH2NH 2),1.12(brs,1H,CH2NHCH2),1.56−1.67(m,2H,CH 2CH2Si),1.56−1.67(m,2H,CH 2CH2NH2),2.61(t,J=7.3Hz,2H,CH 2CH2CH2Si),2.67(t,J=7.3Hz,2H,CH 2CH2CH2NH2),2.76(t,J=6.9Hz,2H,CH 2NH2),3.57(s,9H,OCH 3×3).
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ(ppm):6.5(CH2Si),23.0(CH2CH2Si),33.9(CH2CH2NH2),40.4(CH2NH2),47.6(CH2CH2CH2NH2),50.4(OCH3),52.7(CH2CH2CH2Si).
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ(ppm):6.5(CH2Si),23.0(CH2CH2Si),33.9(CH2CH2NH2),40.4(CH2NH2),47.6(CH2CH2CH2NH2),50.4(OCH3),52.7(CH2CH2CH2Si).
(2)1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン[化合物2−2]の合成
室温にて[3−(3−アミノプロピルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン[化合物2−1](23.6g、100mmol)のトルエン溶液(100mL)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(13.1g、110mmol)を加え、次いで、油浴80℃にて24時間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィー分析により反応を停止し、エバポレートにてトルエン及び過剰のアセタールを留去した。残渣を真空乾燥することで少量残っていたトルエンを留去し、標記化合物[化合物2−2](以下、SiTHPの略称を使用することがある)を99%を超える粗収率(>99%)で得た。更に減圧蒸留することで、標記化合物23.9g(収率97%)を無色透明油状物として得た。
室温にて[3−(3−アミノプロピルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン[化合物2−1](23.6g、100mmol)のトルエン溶液(100mL)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(13.1g、110mmol)を加え、次いで、油浴80℃にて24時間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィー分析により反応を停止し、エバポレートにてトルエン及び過剰のアセタールを留去した。残渣を真空乾燥することで少量残っていたトルエンを留去し、標記化合物[化合物2−2](以下、SiTHPの略称を使用することがある)を99%を超える粗収率(>99%)で得た。更に減圧蒸留することで、標記化合物23.9g(収率97%)を無色透明油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.58(t,J=8.2Hz,2H,CH 2Si),1.56−1.66(m,2H,CH 2CH2Si),1.83(quin,J=6.0Hz,2H,CH=NCH2CH 2CH2N),3.03(t,J=6.9Hz,2H,CH 2CH2CH2Si),3.12(t,J=6.0Hz,2H,CH=NCH2CH2CH 2N),3.29(t,J=6.0Hz,2H,CH=NCH 2CH2CH2N),3.58(s,9H,OCH 3×3),6.97(s,1H,N=CHN).
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ(ppm):5.7(CH2Si),21.1(CH=NCH2 CH2CH2N),21.4(CH2CH2Si),43.0(CH=NCH2CH2 CH2N),43.2(CH=NCH2CH2CH2N),50.5(OCH3),55.2(CH2CH2CH2Si),150.1(N=CHN).
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ(ppm):5.7(CH2Si),21.1(CH=NCH2 CH2CH2N),21.4(CH2CH2Si),43.0(CH=NCH2CH2 CH2N),43.2(CH=NCH2CH2CH2N),50.5(OCH3),55.2(CH2CH2CH2Si),150.1(N=CHN).
《実施例2:SiTHP担持金属酸化物粒子(本発明の吸着剤)の合成及びSiTHP担持金属酸化物粒子の二酸化炭素の吸脱着反応の評価》
(1)金属酸化物(シリカなど)への担持
金属酸化物の粒子(多孔質体)として、シリカの粒子状多孔質体である、下記の表1、表4、表7に記載の富士シリシア化学社製(フジシリカゲルシリーズ及びCARiACTシリーズ)、東海化学社製の粒子状多孔質体、及びAldrich社製のメソポーラスシリカを用いた。
フジシリカゲル:A形、B形、ID形
CARiACT(触媒担体):Q−6、Q−10、Q−30、Q−50
東海:A形、B形
メソポーラスシリカ:HMS、MSU−F
また、金属酸化物の粒子(多孔質体)として、ユニオン昭和(株)製のゼオライトHiSiv1000の粒子状多孔質体を用いた。
なお、比較例として、金属酸化物の粒子(非多孔質体)で比表面積が1m2/g未満であるガラスビーズ(BZ−1、アズワン社製)を用いた。
(1)金属酸化物(シリカなど)への担持
金属酸化物の粒子(多孔質体)として、シリカの粒子状多孔質体である、下記の表1、表4、表7に記載の富士シリシア化学社製(フジシリカゲルシリーズ及びCARiACTシリーズ)、東海化学社製の粒子状多孔質体、及びAldrich社製のメソポーラスシリカを用いた。
フジシリカゲル:A形、B形、ID形
CARiACT(触媒担体):Q−6、Q−10、Q−30、Q−50
東海:A形、B形
メソポーラスシリカ:HMS、MSU−F
また、金属酸化物の粒子(多孔質体)として、ユニオン昭和(株)製のゼオライトHiSiv1000の粒子状多孔質体を用いた。
なお、比較例として、金属酸化物の粒子(非多孔質体)で比表面積が1m2/g未満であるガラスビーズ(BZ−1、アズワン社製)を用いた。
(2)トルエン還流法
SiTHP10gをガラス容器に入れて、トルエンで5倍に希釈し、シリカ粒子5gを混合した。次いで、ガラス容器を130℃に加熱しながら攪拌し、気化したトルエンを冷却管で冷却して還流させた。1時間経過後、ガラス容器からシリカ粒子を回収して、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧乾燥機によりシリカ粒子を乾燥した。
このような操作によって、下記表2、表5、表8に示すように、実施例A〜KのSiTHP担持シリカ粒子を得た。なお、SiTHPの担持量(重量%)は、SiTHP担持操作前後におけるシリカ粒子の重量増加分から求め、その比率は、担持後のシリカ粒子の重量に対する値である。
ゼオライトの粒子状多孔質体及びガラスビーズについても同様の処理を行った(実施例L及び比較例a)。これらの結果を下記表8に示す。また、下記表9に示すシリカ粒子についても、SiTHPをそれぞれ1g、0.5g、0.5gとしたこと以外は同様の処理を行った(実施例M、N、及びO)。これらの結果を下記表10に示す。
SiTHP10gをガラス容器に入れて、トルエンで5倍に希釈し、シリカ粒子5gを混合した。次いで、ガラス容器を130℃に加熱しながら攪拌し、気化したトルエンを冷却管で冷却して還流させた。1時間経過後、ガラス容器からシリカ粒子を回収して、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧乾燥機によりシリカ粒子を乾燥した。
このような操作によって、下記表2、表5、表8に示すように、実施例A〜KのSiTHP担持シリカ粒子を得た。なお、SiTHPの担持量(重量%)は、SiTHP担持操作前後におけるシリカ粒子の重量増加分から求め、その比率は、担持後のシリカ粒子の重量に対する値である。
ゼオライトの粒子状多孔質体及びガラスビーズについても同様の処理を行った(実施例L及び比較例a)。これらの結果を下記表8に示す。また、下記表9に示すシリカ粒子についても、SiTHPをそれぞれ1g、0.5g、0.5gとしたこと以外は同様の処理を行った(実施例M、N、及びO)。これらの結果を下記表10に示す。
(3)メタノール還流法
SiTHP10gをガラス容器に入れて、メタノールで5倍に希釈し、シリカ粒子5gを混合した。次いで、ガラス容器を80℃に加熱しながら攪拌し、気化したメタノールを冷却管で冷却して還流させた。1時間経過後、ガラス容器からシリカ粒子を回収して、新鮮なメタノールで洗浄し、減圧乾燥機によりシリカ粒子を乾燥した。
このような操作によって、下記表3及び表6に示すように、実施例A〜C、F、H、IのSiTHP担持シリカ粒子を得た。なお、SiTHPの担持量(重量%)は、SiTHP担持操作前後におけるシリカ粒子の重量増加分から求め、その比率は、担持後のシリカ粒子の重量に対する値である。
SiTHP10gをガラス容器に入れて、メタノールで5倍に希釈し、シリカ粒子5gを混合した。次いで、ガラス容器を80℃に加熱しながら攪拌し、気化したメタノールを冷却管で冷却して還流させた。1時間経過後、ガラス容器からシリカ粒子を回収して、新鮮なメタノールで洗浄し、減圧乾燥機によりシリカ粒子を乾燥した。
このような操作によって、下記表3及び表6に示すように、実施例A〜C、F、H、IのSiTHP担持シリカ粒子を得た。なお、SiTHPの担持量(重量%)は、SiTHP担持操作前後におけるシリカ粒子の重量増加分から求め、その比率は、担持後のシリカ粒子の重量に対する値である。
(4)SiTHP担持金属酸化物粒子の二酸化炭素に対する吸脱着試験
実施例B〜O、比較例aのSiTHP担持粒子について、通風試験(Dry及びWet条件)による性能評価を行った。
通風試験の概略を図1に示す。また、通風試験(CO2吸脱着試験)の一例(実施例B)を図2(吸着試験、Dry条件)及び図3(脱着試験、Dry条件)に示す。
実施例B〜O、比較例aのSiTHP担持粒子について、通風試験(Dry及びWet条件)による性能評価を行った。
通風試験の概略を図1に示す。また、通風試験(CO2吸脱着試験)の一例(実施例B)を図2(吸着試験、Dry条件)及び図3(脱着試験、Dry条件)に示す。
(4−1)吸着試験
CO2吸着試験として、直径10mmのガラス管にSiTHPを担持した金属酸化物粒子1gを入れ、両側から通気性のよい不織布で挟んだ。そのガラス管に湿度、及びCO2濃度を約1600ppmに調整したガスを0.5L/minで通風させ、SiTHP担持金属酸化物粒子通過後のCO2濃度を測定した。
なお、通過させるガスは、Dry条件(湿度2〜5%RH)、及びWet条件(湿度40〜45%RH)で行った。また、通風試験実施前に、SiTHP担持金属酸化物粒子を入れたガラス管にN2ガスを通風させ、吸着しているCO2を除去してから吸着試験に用いた。
CO2吸着試験として、直径10mmのガラス管にSiTHPを担持した金属酸化物粒子1gを入れ、両側から通気性のよい不織布で挟んだ。そのガラス管に湿度、及びCO2濃度を約1600ppmに調整したガスを0.5L/minで通風させ、SiTHP担持金属酸化物粒子通過後のCO2濃度を測定した。
なお、通過させるガスは、Dry条件(湿度2〜5%RH)、及びWet条件(湿度40〜45%RH)で行った。また、通風試験実施前に、SiTHP担持金属酸化物粒子を入れたガラス管にN2ガスを通風させ、吸着しているCO2を除去してから吸着試験に用いた。
SiTHP担持金属酸化物粒子へのガス通過開始後、処理ガス中のCO2濃度が、平均流入CO2濃度1600ppmの95%(1520ppm)にまで上昇するまでの間の、SiTHP担持金属酸化物粒子1gにおける積算吸着量を求めた。この積算吸着量は、図2に示すグラフの吸着曲線のピークの面積に相当する。
(4−2)脱着試験
CO2脱着試験は吸着試験終了直後に行い、湿度、及びCO2濃度を約240ppmに調整したガスを通風させ、SiTHP担持金属酸化物粒子通過後のCO2濃度を測定した。脱着試験においても、Dry条件(湿度2〜5%RH)、及びWet条件(湿度40〜45%RH)にて実施した。Dry条件で吸着試験を行ったものは、脱着試験もDry条件で行い、Wet条件で吸着試験を行ったものは、脱着試験もWet条件で行った。
CO2脱着試験は吸着試験終了直後に行い、湿度、及びCO2濃度を約240ppmに調整したガスを通風させ、SiTHP担持金属酸化物粒子通過後のCO2濃度を測定した。脱着試験においても、Dry条件(湿度2〜5%RH)、及びWet条件(湿度40〜45%RH)にて実施した。Dry条件で吸着試験を行ったものは、脱着試験もDry条件で行い、Wet条件で吸着試験を行ったものは、脱着試験もWet条件で行った。
上記試験でCO2を吸着したSiTHP担持金属酸化物粒子に対して、CO2が240ppmの空気を通風し、SiTHP担持金属酸化物粒子からCO2を脱着させ、排出ガス中のCO2濃度が、250ppmにまで下降するまでの間の、SiTHP担持金属酸化物粒子1gにおける積算脱着量を求めた。この積算脱着量は、図3のグラフの脱着曲線のピークの面積に相当する。
結果を表1〜10に示す。これらの実施例により、下記の結果が得られた。
1.比表面積が1m2/g以上の粒子から得られた実施例A〜Oの吸着剤は、比表面積が1m2/g未満の粒子から得られた比較例aの吸着剤と比較して、SiTHPの担持量が多く、二酸化炭素の吸着及び脱着能に優れていた。
2.平均細孔直径(平均孔径)3nm以上の粒子から得られた実施例B、C、E〜Lの吸着剤は、平均細孔直径(平均孔径)が3nm未満の粒子から得られた実施例A及びDと比較して、SiTHPの担持量が多く、二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
3.SiTHPの担持量が多い吸着剤は、二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
4.比表面積が1m2/g以上の粒子で平均細孔直径(平均孔径)3nm以上の粒子の場合は、SiTHPの投入量を小さくした実施例M、N、Oでも二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
1.比表面積が1m2/g以上の粒子から得られた実施例A〜Oの吸着剤は、比表面積が1m2/g未満の粒子から得られた比較例aの吸着剤と比較して、SiTHPの担持量が多く、二酸化炭素の吸着及び脱着能に優れていた。
2.平均細孔直径(平均孔径)3nm以上の粒子から得られた実施例B、C、E〜Lの吸着剤は、平均細孔直径(平均孔径)が3nm未満の粒子から得られた実施例A及びDと比較して、SiTHPの担持量が多く、二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
3.SiTHPの担持量が多い吸着剤は、二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
4.比表面積が1m2/g以上の粒子で平均細孔直径(平均孔径)3nm以上の粒子の場合は、SiTHPの投入量を小さくした実施例M、N、Oでも二酸化炭素の吸着及び脱着能にも優れていた。
《実施例3:SiTHP担持金属酸化物粒子のアセトアルデヒドガスに対する吸着試験》
実施例FのSiTHP担持粒子(CARiACT;トルエン環流法)、及び実施例FのSiTHP担持前の粒子について、通風試験による性能評価を行った。
通風試験は図1に示すCO2の通風試験の概略と同様の装置を使用した。また、通風試験(アセトアルデヒドガス吸着試験)の結果(除去率)を図4に示す。
実施例FのSiTHP担持粒子(CARiACT;トルエン環流法)、及び実施例FのSiTHP担持前の粒子について、通風試験による性能評価を行った。
通風試験は図1に示すCO2の通風試験の概略と同様の装置を使用した。また、通風試験(アセトアルデヒドガス吸着試験)の結果(除去率)を図4に示す。
アセトアルデヒドガスに対する吸着試験として、直径10mmのガラス管に実施例FのSiTHPを担持した金属酸化物粒子(CARiACT;トルエン環流法)0.3g、又は比較例bとして実施例FのSiTHP担持前の金属酸化物粒子0.3gを入れ、両側から通気性のよい不織布で挟んだ。そのガラス管にDry条件(湿度2〜5%RH)で、濃度100ppmに調整したアセトアルデヒドガスを2L/minで通風させ、金属酸化物粒子通過後のアセトアルデヒド濃度を測定した。この測定にはガスクロマトグラフを使用し、経過時間ごとの除去率を算出した。また、各経過時間における除去率は下記の式(3p)を用いた。
η=(Co−Ct)/Co×100・・・(3p)
除去率:η(%)
試験開始直前の濃度:Co(ppm)
各経過時間の濃度:Ct(ppm)
η=(Co−Ct)/Co×100・・・(3p)
除去率:η(%)
試験開始直前の濃度:Co(ppm)
各経過時間の濃度:Ct(ppm)
《実施例4:SiTHP担持金属酸化物粒子の酢酸ガスに対する吸着試験》
実施例FのSiTHP担持粒子(CARiACT;トルエン環流法)、及び実施例FのSiTHP担持前の粒子について、通風試験による性能評価を行った。
通風試験は図1に示すCO2の通風試験の概略と同様の装置を使用した。また、通風試験(酢酸ガス吸着試験)の結果(除去率)を図5に示す。
実施例FのSiTHP担持粒子(CARiACT;トルエン環流法)、及び実施例FのSiTHP担持前の粒子について、通風試験による性能評価を行った。
通風試験は図1に示すCO2の通風試験の概略と同様の装置を使用した。また、通風試験(酢酸ガス吸着試験)の結果(除去率)を図5に示す。
酢酸ガスに対する吸着試験として、直径10mmのガラス管に実施例FのSiTHPを担持した金属酸化物粒子(CARiACT;トルエン環流法)0.3g、又は比較例bとして実施例FのSiTHP担持前の金属酸化物粒子0.3gを入れ、両側から通気性のよい不織布で挟んだ。そのガラス管にWet条件(湿度40〜45%RH)で、濃度35ppmに調整した酢酸ガスを2L/minで通風させ、金属酸化物粒子通過後の酢酸濃度を測定した。この測定にはガス検知管を使用し、経過時間ごとの除去率を算出した。また、各経過時間における除去率は前述のアルデヒドガスに対する吸着試験で用いた式(3p)を用いた。
本発明の吸着剤は、例えば、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させる用途に適用することができる。また、アルデヒド類や酢酸などの酸性ガスを含むガスからアルデヒド類や酢酸などの酸性ガスを吸着させる用途にも適用可能である。
Claims (11)
- 前記金属酸化物が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩である、請求項1に記載の吸着剤。
- 前記二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、又はアルミノケイ酸塩を主成分とする表面を有する粒子又は繊維が、多孔質体である、請求項2に記載の吸着剤。
- 前記多孔質体の平均孔径が3nm以上であることを特徴とする、請求項3に記載の吸着剤。
- 前記有機ケイ素化合物が、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−2−イミダゾリン、又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸着剤。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤を用いて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤をフィルタに担持させて、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を吸着させることを特徴とする、二酸化炭素の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤を用いて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤をフィルタに担持させて、アルデヒド類を含むガスからアルデヒド類を吸着させることを特徴とする、アルデヒド類の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤を用いて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸着剤をフィルタに担持させて、酢酸を含むガスから酢酸を吸着させることを特徴とする、酢酸の処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101403483B1 (ko) | 2012-10-25 | 2014-06-11 | 한국화학연구원 | 산성가스 포집용 건식 흡착제 및 이의 제조방법 |
JP6055134B1 (ja) * | 2016-03-14 | 2016-12-27 | 川崎重工業株式会社 | 二酸化炭素吸着剤及びその製造方法、並びに、二酸化炭素分離回収システム |
JP2019147099A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | 株式会社豊田中央研究所 | Co2吸着材 |
CN113405164A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-09-17 | 重庆海尔空调器有限公司 | 用于控制二氧化碳吸附模块的方法、装置和智能空调 |
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-
2011
- 2011-02-15 JP JP2011029317A patent/JP2011183382A/ja not_active Withdrawn
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