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JP2011176439A - Memsデバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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JP2011176439A
JP2011176439A JP2010037421A JP2010037421A JP2011176439A JP 2011176439 A JP2011176439 A JP 2011176439A JP 2010037421 A JP2010037421 A JP 2010037421A JP 2010037421 A JP2010037421 A JP 2010037421A JP 2011176439 A JP2011176439 A JP 2011176439A
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健一郎 鈴木
Akimasa Tamano
晃正 玉野
Mitsuhiro Okada
光広 岡田
Masaya Kyo
昌也 競
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】MEMSデバイスの製造方法において、陽極接合の際の空気の逃げ道を確保しつつ、陽極接合に必要な電圧を小さく抑える。
【解決手段】MEMSデバイスの製造方法は、SOI基板を用意する工程S1と、第1シリコン層を、複数の基本パターンに分割されつつ全てがブリッジ部によって接続されて全体が一体物となった形状にパターニングする工程S2と、中間絶縁層をエッチング除去することによって上記ブリッジ部の各両側の空間を連通させる工程S3と、基材と上記SOI基板とを貼り合わせる工程S4と、電圧を印加することによって陽極接合させる工程S5と、第2シリコン層をパターニングして高架シリコン層を形成するとともに上記ブリッジ部を露出させる工程S6と、上記高架シリコン層をマスクとして上記第1シリコン層から基礎シリコン層を形成しつつ上記ブリッジ部を除去する工程S7とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMSデバイスおよびその製造方法に関するものである。
近年、半導体分野における微細加工技術を利用して、微細な機械構造を電子回路と一体化して形成するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術が開発されており、フィルタや共振器への応用が検討されている。
なかでもこのようなMEMS技術で作成されたマイクロメカニカル共振器は、リモートキーレスエントリシステム、スペクトラム拡散通信等のRF無線に好適に使用される。このようなMEMS技術で作成されたマイクロメカニカル共振器を利用したMEMSフィルタの一例が特開2006−41911号公報(特許文献1)に開示されている。この文献に記載されたMEMSフィルタ装置は、共振器を備える。この共振器に含まれる振動子は、正方形の板状のものであって、基板表面と平行で、なおかつ基板から離隔するように配置され、基板表面に連結された円柱で支持されている。共振器の各辺に対して所定間隔を隔てて対向するように形成された固定電極に交流電圧を印加することによって、この振動子と固定電極との間に静電気力が発生し、共振器が振動する仕組みとなっている。この場合、振動子の各辺の中心と角とが水平振動する。共振器同士が連結体で連結されている場合は、連結体は縦振動を伝えることとなる。
また、半導体プロセスと親和性が高いシリコンプロセスを用いたRF−MEMSフィルタが、橋村 昭範ら、「ねじり振動を用いたRF−MEMSフィルタの開発」,信学技報,社団法人電子情報通信学会発行,IEICE Technical Report MW2005-185(2006-3)(非特許文献1)で提案されている。この文献では、小型化と高Q値化の両立にねじり振動モードを利用した共振器が有効であることが紹介されている。
ここで例に挙げた共振器のように、MEMS技術を用いて作られる装置を「MEMSデバイス」と呼ぶ。MEMSデバイスを製造するために、シリコン層をパターニングすることで形成した何らかの構造体と、絶縁性の表面を有する基材とを重ね合わせて接合する場合がある。そのような接合には、陽極接合が用いられる場合がある。MEMSデバイスを製造するために従来技術に基づいて陽極接合が行なわれる例について説明する。図24に示すように、Si層503、SiO2層502、Si層501が順に積層された構造のSOI基板500を用意する。Si層501はのちに基材と接合されて複数のMEMSデバイスを構成するための層である。
Si層501に対してパターニングを行なう。Si層501に対するパターニングを行なった後のSOI基板500を上から見たところを図25に示す。Si層501は複数の基本パターン510に分割され、マトリクス状に配列されている。1つの基本パターン510は外形はほぼ正方形であるが、内部には、MEMSデバイスの一部を構成するための何らかのパターンが形成されている。ここでは、基本パターン510の詳細を省略して単なる正方形として表示している。基本パターン510同士の間は間隙511によって隔てられている。間隙511によって全ての基本パターン510はそれぞれ隔離されており、間隙511はSOI基板500の外周にまで連通している。
このSOI基板500は図26に示すように、基材としてのガラス基板504と貼り合わせられる。基本パターン510の各々の上面がガラス基板504の表面と当接している。貼り合せられる際には、間隙511が空気の逃げ道として働く。
陽極接合を行なう場合、SOI基板500およびガラス基板504は貼り合わせられた状態で、加熱されつつ、図26に示すように、Si層501とガラス基板504との間に電圧が印加される。電圧が印加されると当接する接合面に挟まれていた空気が外部に出ようとするため、この段階においても間隙511が空気の逃げ道として機能する。
特開2006−41911号公報
橋村 昭範ら、「ねじり振動を用いたRF−MEMSフィルタの開発」,信学技報,社団法人電子情報通信学会発行,IEICE Technical Report MW2005-185(2006-3)
1つの面から複数のMEMSデバイスを製造するために陽極接合を行なおうとする場合には、貼合せの際およびその後の電圧印加の際に外部に逃げようとする空気の逃げ道を確保しておく必要があったため、個々のMEMSデバイスに対応する基本パターン同士の間の間隙を外周にまで連通したものとしておかなければならなかった。
各基本パターン510が間隙511によって完全にそれぞれ隔離されることによって、個々の基本パターン510は電気的に別々の存在となっていたので、これらの複数の基本パターン510に対して均等に電圧が印加されるようにするためには、図26に示すようにSi層503とガラス基板504との間で電圧を印加する必要があった。複数の基本パターン510の間に高さのばらつきがある場合には、Si層501とガラス基板504との当接具合に不均一が生じることとなって、その結果、電流が一部の基本パターンに集中して流れる場合もあった。そのような場合には結果的に必要な電圧が大きくなってしまっていた。Si層501へはSi層503とSiO2層502とを介して間接的に電圧を印加することとなるので、この点からも必要な電圧が大きなものとなってしまっていた。
そこで、本発明は、陽極接合の際の空気の逃げ道を確保しつつ、陽極接合に必要な電圧を小さく抑えることができるMEMSデバイスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づくMEMSデバイスの製造方法は、主表面を有する基材上に、各々が電気的に独立した複数の基本パターンが配列され、上記基本パターンの各々においては、平面的に見て上記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層が配置され、平面的に見て上記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層が上記基礎シリコン層の上記基材から遠い側に中間絶縁層を介して配置された構造を備えるMEMSデバイスを製造するための方法であって、第1シリコン層と第2シリコン層とで中間絶縁層を挟み込むように積層されたSOI基板を用意する工程と、上記第1シリコン層を、平面的に見て上記複数の基本パターンに分割されつつ上記複数の基本パターンに対応する部分の全てがブリッジ部によって接続されることによって全体が一体物となった形状にパターニングする工程と、上記中間絶縁層のうち上記ブリッジ部の下方に位置する部分をエッチング除去することによって上記ブリッジ部の各々において上記ブリッジ部の両側の空間を連通させる工程と、上記主表面が上記第1シリコン層と当接するように、上記基材と上記SOI基板とを貼り合わせる工程と、上記基材と上記第1シリコン層との間に電圧を印加することによって上記基材と上記SOI基板とを陽極接合させる工程と、上記第2シリコン層をパターニングして上記高架シリコン層を形成するとともに上記ブリッジ部を露出させる工程と、上記高架シリコン層をマスクとして上記第1シリコン層をパターニングすることによって、上記基礎シリコン層を形成すると同時に上記ブリッジ部を除去する工程とを含む。
本発明によれば、陽極接合の際の空気の逃げ道を確保しつつ、陽極接合に必要な電圧を小さく抑えることができる。
本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法のフローチャートである。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法によって製造しようとするMEMSデバイスの斜視図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法によって製造しようとするMEMSデバイスの平面図である。 図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。 本発明に基づく実施の形態1における第1領域の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における第2領域の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法で用いられるSOI基板の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法で用いられるSOI基板の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における第1シリコン層のパターニング目標形状の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における個々の基本パターンの拡大平面図である。 図10におけるXI−XI線に関する矢視断面図である。 図10におけるXII−XII線に関する矢視断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、中間絶縁層のうち梁状部の下方に位置する部分をエッチング除去した後の構造の第1の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、中間絶縁層のうち梁状部の下方に位置する部分をエッチング除去した後の構造の第2の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、基板と第1シリコン層とを貼り合わせた様子の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、基板と第1シリコン層との間に電圧を印加する様子の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、基板と第1シリコン層との間に電圧を印加する様子の変形例の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、第2シリコン層を研磨した後の状態の側面図である。 図18における各基本パターンに対応する領域を第2シリコン層の側から見たところの平面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法において、第2シリコン層をパターニングした後の状態の平面図である。 1枚の基材を利用して複数のMEMSデバイスが配列された構造の斜視図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるMEMSデバイスの斜視図である。 図22におけるXXIII−XXIII線に関する矢視断面図である。 従来技術に基づくMEMSデバイスの製造方法で用いられるSOI基板の断面図である。 従来技術に基づくMEMSデバイスの製造方法でパターニングを行なった後のSOI基板の平面図である。 従来技術に基づくMEMSデバイスの製造方法で陽極接合を行なう様子の説明図である。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図21を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるMEMSデバイスの製造方法について説明する。このMEMSデバイスの製造方法のフローチャートを図1に示す。本実施の形態におけるMEMSデバイスの製造方法は、主表面を有する基材上に、各々が電気的に独立した複数の基本パターンが配列され、前記基本パターンの各々においては、平面的に見て前記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層が配置され、平面的に見て前記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層が前記基礎シリコン層の前記基材から遠い側に中間絶縁層を介して配置された構造を備えるMEMSデバイスを製造するための方法であって、第1シリコン層と第2シリコン層とで中間絶縁層を挟み込むように積層されたSOI基板を用意する工程S1と、前記第1シリコン層を、平面的に見て前記複数の基本パターンに分割されつつ前記複数の基本パターンに対応する部分の全てがブリッジ部によって接続されることによって全体が一体物となった形状にパターニングする工程S2と、前記中間絶縁層のうち前記ブリッジ部の下方に位置する部分をエッチング除去することによって前記ブリッジ部の各々において前記ブリッジ部の両側の空間を連通させる工程S3と、前記主表面が前記第1シリコン層と当接するように、前記基材と前記SOI基板とを貼り合わせる工程S4と、前記基材と前記第1シリコン層との間に電圧を印加することによって前記基材と前記SOI基板とを陽極接合させる工程S5と、前記第2シリコン層をパターニングして前記高架シリコン層を形成するとともに前記ブリッジ部を露出させる工程S6と、前記高架シリコン層をマスクとして前記第1シリコン層をパターニングすることによって、前記基礎シリコン層を形成すると同時に前記ブリッジ部を除去する工程S7とを含む。以下に詳しく説明する。
ここで製造しようとするMEMSデバイスは、図2に示すものである。このMEMSデバイス105は、ほぼ正方形の外形を有し、外側の辺の1ヶ所に切欠き部10を有する。このMEMSデバイス105を上から見たところを図3に示す。このMEMSデバイス105は、外側を取囲むようにして外形を規定する外壁部9とその内側に配置された振動部2とを備える。外壁部9と振動部2とは一体的に形成されている。図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図を図4に示す。振動部2の中央の真下には電極ブロック部5が隠れている。基材20の主表面20aに基礎シリコン層21、中間絶縁層22、高架シリコン層23の順に積層されている。基材20はガラス基板である。基礎シリコン層21、中間絶縁層22、高架シリコン層23はSOI基板から作成されたものである。中間絶縁層22はSiO2層である。基材20の主表面20aには電極パターン4が配置されている。電極パターン4は引出配線7とその一端に配置された外部接続端子8とを含む。引出配線7のもう一方の端は、電極ブロック部5に接続されている。電極ブロック部5は振動部2の振動入力領域2vに対して間隙6を介して下側から対向している。
外壁部9の一部にはトンネル31が設けられていて、トンネル31の中を引出配線7が通っている。トンネル31の外側の端には窒化膜34が形成されることによってトンネル31の開口部が塞がれている。
このMEMSデバイス105は、平面的に見て前記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層21が配置され、平面的に見て前記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層23が基礎シリコン層21の基材20から遠い側に中間絶縁層22を介して配置された構造を備える。「第1領域」とは図5においてハッチングを付して示す領域である。第1領域は外壁部9の領域と対応する。「第2領域」とは図6においてハッチングを付して示す領域である。第2領域は外壁部9と振動部2とを合わせた領域に対応する。図2における基礎シリコン層21は図5に示される第1領域にわたって存在し、図2における高架シリコン層23は図6に示される第2領域にわたって存在する。実際には図3の中央に破線で示される合計3つの長方形のブロックは基礎シリコン層21と同じ層によって形成されているが、概念的にはこれらは基礎シリコン層21には含めない。
まず、最初に、工程S1として、図7に示すように、第1シリコン層101と第2シリコン層103とで中間絶縁層102を挟み込むように積層されたSOI基板100を用意する。図7におけるSOI基板100を第1シリコン層101の側から見たところを図8に示す。
次に、工程S2として、第1シリコン層101を、図9に示すように、平面的に見て前記複数の基本パターンに分割されつつ前記複数の基本パターン510に対応する部分の全てがブリッジ部512によって接続されることによって全体が一体物となった形状にパターニングする。図9では、ブリッジ部512によって複数の基本パターン510が縦横に網目状に接続された例を示したが、接続ルートはこれに限らない。接続ルートは、蛇行状、櫛形、魚骨状などであってもよい。全ての基本パターンが何らかのルートを経由するブリッジ部によって一体物としてつながっていればよい。
図9における個々の基本パターン510を拡大したところを図10に示す。基本パターン510の一辺には切欠き部10が設けられており、ブリッジ部512は切欠き部10を避けた位置に接続されている。基本パターン510の内部には開口部13が2ヶ所設けられている。開口部13同士は梁状部14によって隔てられている。図10におけるXI−XI線に関する矢視断面図を図11に示す。図10におけるXII−XII線に関する矢視断面図を図12に示す。
次に、工程S3として、中間絶縁層102のうちブリッジ部512の下方に位置する部分をエッチング除去することによってブリッジ部512の各々においてブリッジ部512の両側の空間を連通させる。工程S3は、中間絶縁層102のうち梁状部14の下方に位置する部分をエッチング除去する工程と同時に行なわれる。これは等方性エッチングを行なうことによって可能である。このエッチングによって、図11に示した部分は図13に示す構造となり、図12に示した部分は図14に示す構造となる。梁状部14やブリッジ部512のように細い幅で線状に延在する部分では、アンダカットによって下方の中間絶縁層102が完全に除去されており、幅が広い部分では、中間絶縁層102の一部が除去されるに留まっている。このようにしてブリッジ部512の下方の中間絶縁層102が除去されるので、ブリッジ部512の下側には空気が流通できる間隙が生じ、ブリッジ部512の両側の空間はそれぞれ連通する。
次に、工程S4として、図15に示すように、基材20の主表面20aが第1シリコン層101と当接するように、基材20とSOI基板100とを貼り合わせる。この際に間隙511にあった空気および第1シリコン層10と基材20とに挟み込まれた空気はブリッジ部512の下方の中間絶縁層102が除去されて生じた空間を通じて外部に逃げることができる。基材20の主表面20aには予め必要な電極パターン4を形成しておく。
次に、工程S5として、図16に示すように、基材20と第1シリコン層101との間に電圧を印加することによって基材20とSOI基板100とを陽極接合させる。第1シリコン層101は、ブリッジ部512を通じて全てつながった一体的なものであるので、第1シリコン層101に形成された全ての基本パターン510にわたって均一に電圧を印加することができる。なお、図17に示すように、第1シリコン層101の最外周のいずれかの箇所に配線を接続することとしてもよい。
次に、第2シリコン層103の表面を研磨することによって、第2シリコン層103の厚みを調整する。第2シリコン層103を研磨して適正な厚みになった状態のものを図18に示す。図18では、図16に比べて上下を逆に表示している。図18における各基本パターン510に対応する領域を第2シリコン層103の側から見たところを図19に示す。図19では、全面が第2シリコン層103で覆われている。第2シリコン層103の背後には第1シリコン層101によって形成された構造が存在する。図19では、図10に示したものを裏側から見ているので、図19に破線で示したパターンは図10に示したものに比べて左右反転している。
次に、工程S6として、第2シリコン層103をパターニングして高架シリコン層を形成するとともにブリッジ部512を露出させる。工程S6を行なった後の様子を図20に示す。この状態では、第2シリコン層103が除去された領域において、梁状部14、ブリッジ部512が露出している。梁状部14およびブリッジ部512は第1シリコン層101の一部が残されることによって形成されたものである。第2シリコン層103のうち残った部分は高架シリコン層23となっている。
次に、工程S7として、高架シリコン層23をマスクとして第1シリコン層101をパターニングすることによって、基礎シリコン層を形成すると同時にブリッジ部512を除去する。工程S6,S7は一連のエッチング作業として連続的に行なうことができる。工程S7においては高架シリコン層23がマスクの役割を果たすので、梁状部14のうち高架シリコン層23に覆われていなかった部分は除去される。ブリッジ部512はいずれも高架シリコン層23に覆われていなかったので、同時に除去される。工程S7を終えた後には図3に示す構造が得られる。各基本パターン510に対応する位置にはそれぞれMEMSデバイス105が完成する。ブリッジ部512は工程S7によって全て除去されるので、MEMSデバイス105は、基材20が連続しているものの他の部分においてはそれぞれ分割され、別個独立のデバイスとなる。MEMSデバイス105のうち基材20以外の部分の構造体は、基材20の主表面20a上に配列された状態となる。こうして、図21に示すように1つの基材20を利用してMEMSデバイス105が配列された構造が得られる。
(作用・効果)
本実施の形態におけるMEMSデバイスの製造方法では、SOI基板に含まれる第1シリコン層を、平面的に見て複数の基本パターンに分割されつつ複数の基本パターンに対応する部分の全てがブリッジ部によって接続されることによって全体が一体物となった形状にパターニングしてから陽極接合を行なうので、複数の基本パターンに対して一括して電圧を印加することができる。これにより、陽極接合に必要な電圧を小さく抑えることができる。しかも、貼合せの前にブリッジ部の下方に位置する中間絶縁層を除去してあるので、貼合せおよび陽極接合の際の空気の逃げ道が確保され、問題なく貼合せおよび陽極接合を行なうことができる。
図17に示したように、陽極接合のための電圧を印加する際に第1シリコン層101の最外周のいずれかの箇所に配線を接続して行なうこととすれば、Si層503とSiO2層502とを介することなく直接的に電圧を印加することとなるので、必要な電圧をさらに小さく抑えることができる。
本実施の形態で示したように、複数の基本パターン510の各々は長方形であり、複数の基本パターン510は、マトリックス状に配列されていることが好ましい。この構成を採用することにより、限られた面積に多数の基本パターンを配列することができ、効率よく多数のMEMSデバイスを作製することができるからである。
本実施の形態では、工程S3としてブリッジ部512の下方に位置する中間絶縁層102を除去することを説明した。この中間絶縁層102はSiO2層であり、ブリッジ部512の両側の空間を連通させる工程S3は、酸を用いたエッチングによって行なわれることが好ましい。この構成を採用することにより、ブリッジ部の下方に隠れた中間絶縁層を効率よく等方的にエッチング除去することができるからである。中間絶縁層102がSiO2層である場合、工程S3におけるこのエッチングには酸の中でも特にフッ酸を用いることが好ましい。フッ酸によれば、SiO2層を良好にエッチング除去することができるからである。
本実施の形態では、工程S6の前に第2シリコン層103を研磨することを説明したが。ブリッジ部512を露出させる工程S6より前に、第2シリコン層103を研磨する工程を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、第2シリコン層103の初期厚みを十分厚くしておくことができる。第2シリコン層103が十分に厚ければ、工程S1〜S5を行なう際のSOI基板100の強度を十分に確保することができる。必要な加工を行なって、SOI基板100を基材20に接合した後で、研磨によって第2シリコン層103を所望の厚みにすることができる。
本実施の形態では、工程S7としてブリッジ部512を除去することを説明した。ブリッジ部を除去する工程S7は、誘導結合プラズマ(Inductive Coupled Plasma:ICP)エッチングによって行なわれることが好ましい。この構成を採用することにより、高架シリコン層23をマスクとして第1シリコン層101をパターニングする作業が円滑に行なえるからである。
本実施の形態では、工程S7においてブリッジ部512(図20参照)を除去することとしたが、基材20の主表面20a上に配列された複数のMEMSデバイス105の各々をダイシングによって基材20ごと分割することが予定されている場合には、工程S7の時点でブリッジ部512を除去しないこととしてもよい。その場合、のちに行なうダイシングによって分割する際にブリッジ部512は自ずと切断される。ただし、その場合であっても、工程S7において梁状部14のうち高架シリコン層23に覆われていなかった部分を除去することは必要である。
(実施の形態2)
(構成)
図22を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるMEMSデバイスについて説明する。このMEMSデバイスは、実施の形態1で説明した製造方法によって作製することができる。図22に示すように、本実施の形態におけるMEMSデバイス105は、主表面20aを有する基材20と、主表面20a上に配列され、各々が電気的に独立した複数の基本パターンとを備え、前記基本パターンの各々は、平面的に見て前記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層21と、基礎シリコン層21の主表面20aから遠い側に接して配置された中間絶縁層22と、中間絶縁層22の主表面20aから遠い側に接して配置され、平面的に見て前記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層23とを備える。主表面20aは、前記基本パターン同士の間の間隙領域に、前記複数の基本パターンの全てを接続するように他の領域よりも高くなった線状のブリッジ痕跡部25を有する。図22におけるXXIII−XXIII線に関する矢視断面図を図23に示す。ブリッジ痕跡部25は、実施の形態1で説明したブリッジ部512によって覆われていた領域に相当する。ブリッジ痕跡部25は他の領域に比べて若干高くなっている。ブリッジ痕跡部25と他の領域との間の段差は、工程S7でブリッジ部512を除去するためにICPエッチング加工する際に、間隙511に露出していた主表面20aのうちブリッジ部512で覆われていない領域において、ICPエッチング加工の作用で基材20の表面近傍が若干除去されることによって生じたものである。ブリッジ痕跡部25の有無は、MEMSデバイス105同士の間の主表面20aの表面形状を測定することによって判別することができる。
(作用・効果)
本実施の形態におけるMEMSデバイスは、実施の形態1で説明した製造方法によって容易に作製することができる。
なお、上記各実施の形態では、MEMSデバイスが共振器である例を示したが、MEMSデバイスは共振器以外の種類であってもよい。MEMSデバイスがたとえば加速度センサであってもよい。
上記各実施の形態では、SOI基板が長方形であるものとして示したが、SOI基板は他の形状であってもよい。基材の形状についても同様である。
上記各実施の形態では、基材がガラス基板である例を示したが、基材はガラス基板以外の部材であってもよい。基材は、主表面が絶縁性を有するものであり、主表面に所望の電極パターンを設けることができるものであればよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
2 振動部、2v 振動入力領域、4 電極パターン、5 電極ブロック部、6 (振動部と電極ブロック部との間の)間隙、7 引出配線、8 外部接続端子、9 外壁部、10 切欠き部、13 開口部、14 梁状部、20 基材、20a 主表面、21 基礎シリコン層、22 中間絶縁層、23 高架シリコン層、25 ブリッジ痕跡部、31 トンネル、34 窒化膜、100,500 SOI基板、101 第1シリコン層、102 中間絶縁層、103 第2シリコン層、105 MEMSデバイス、501 Si層、502 SiO2層、503 Si層、504 ガラス基板、510 基本パターン、511 間隙、512 ブリッジ部。

Claims (6)

  1. 主表面を有する基材上に、各々が電気的に独立した複数の基本パターンが配列され、前記基本パターンの各々においては、平面的に見て前記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層が配置され、平面的に見て前記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層が前記基礎シリコン層の前記基材から遠い側に中間絶縁層を介して配置された構造を備えるMEMSデバイスを製造するための方法であって、
    第1シリコン層と第2シリコン層とで中間絶縁層を挟み込むように積層されたSOI基板を用意する工程と、
    前記第1シリコン層を、平面的に見て前記複数の基本パターンに分割されつつ前記複数の基本パターンに対応する部分の全てがブリッジ部によって接続されることによって全体が一体物となった形状にパターニングする工程と、
    前記中間絶縁層のうち前記ブリッジ部の下方に位置する部分をエッチング除去することによって前記ブリッジ部の各々において前記ブリッジ部の両側の空間を連通させる工程と、
    前記主表面が前記第1シリコン層と当接するように、前記基材と前記SOI基板とを貼り合わせる工程と、
    前記基材と前記第1シリコン層との間に電圧を印加することによって前記基材と前記SOI基板とを陽極接合させる工程と、
    前記第2シリコン層をパターニングして前記高架シリコン層を形成するとともに前記ブリッジ部を露出させる工程と、
    前記高架シリコン層をマスクとして前記第1シリコン層をパターニングすることによって、前記基礎シリコン層を形成すると同時に前記ブリッジ部を除去する工程とを含む、MEMSデバイスの製造方法。
  2. 前記複数の基本パターンの各々は長方形であり、前記複数の基本パターンは、マトリックス状に配列されている、請求項1に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  3. 前記中間絶縁層はSiO2層であり、前記ブリッジ部の両側の空間を連通させる工程は、酸を用いたエッチングによって行なわれる、請求項1または2に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  4. 前記ブリッジ部を露出させる工程より前に、前記第2シリコン層を研磨する工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載のMEMSデバイスの製造方法。
  5. 前記ブリッジ部を除去する工程は、誘導結合プラズマエッチングによって行なわれる、請求項1から4のいずれかに記載のMEMSデバイスの製造方法。
  6. 主表面を有する基材と、
    前記主表面上に配列され、各々が電気的に独立した複数の基本パターンとを備え、
    前記基本パターンの各々は、平面的に見て前記基本パターンの外形を規定する枠状の第1領域を占める基礎シリコン層と、
    前記基礎シリコン層の前記主表面から遠い側に接して配置された中間絶縁層と、
    前記中間絶縁層の前記主表面から遠い側に接して配置され、平面的に見て前記第1領域から内側にはみ出した領域を含む第2領域を占める高架シリコン層とを備え、
    前記主表面は、前記基本パターン同士の間の間隙領域に、前記複数の基本パターンの全てを接続するように他の領域よりも高くなった線状のブリッジ痕跡部を有する、MEMSデバイス。
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