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JP2011174511A - 軸受キャップとその製造方法及び車輪支持用軸受ユニット - Google Patents

軸受キャップとその製造方法及び車輪支持用軸受ユニット Download PDF

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JP2011174511A JP2010038058A JP2010038058A JP2011174511A JP 2011174511 A JP2011174511 A JP 2011174511A JP 2010038058 A JP2010038058 A JP 2010038058A JP 2010038058 A JP2010038058 A JP 2010038058A JP 2011174511 A JP2011174511 A JP 2011174511A
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徹 竹原
Shunichi Yabe
俊一 矢部
Hachidai Takahashi
八大 高橋
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Abstract

【課題】軸受キャップを構成する合成樹脂製の主体と金属板製のスリーブとの結合部分のシール性を十分に確保できる構造を実現する。
【解決手段】前記結合部分で互いに対向する、前記主体8とスリーブ9との面同士を、接着剤層33により隙間なく接着する。この接着剤層33は、前記主体8の射出成形前に、前記スリーブ9の表面の一部に半硬化状態で設けておく。そして、このスリーブ9の一部でこの半硬化状態の接着剤層33を設けた部分を、射出成形用金型のキャビティ内にセットした状態で、このキャビティ内に溶融樹脂を送り込む事により、前記主体8の射出成形を行う。これと同時に、前記溶融樹脂からの熱によって前記接着剤層33を完全に硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受ユニットを構成する外輪の軸方向端部開口を塞ぐ為に使用する軸受キャップとその製造方法、及び、この軸受キャップを備えた車輪支持用軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用軸受ユニットと、ABS等の制御に必要な車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置とを互いに組み合わせて成る、回転速度検出装置付車輪支持用軸受ユニットが、従来から広く使用されている。図6は、この様な回転速度検出装置付車輪支持用軸受ユニットの従来構造の第1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造は、使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持した状態でこの車輪と共に回転するハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。又、前記外輪1の内周面と前記ハブ2の外周面との間で前記各転動体3、3を設置した空間の軸方向外端開口(軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、各図の左側。反対に、車両の幅方向中央側となる、各図の右側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)は、シールリング4により塞いでいる。又、前記外輪1の軸方向内端部には、軸受キャップ5を装着して、この外輪1の軸方向内端開口を塞いでいる。又、前記ハブ2の軸方向内端部には、回転速度検出装置を構成する円環状のエンコーダ6を、このハブ2と同心に支持固定している。又、前記軸受キャップ5には、回転速度検出装置を構成する円環状のセンサ7を保持固定しており、検出部である、このセンサ7の外周面を、被検出面である、前記エンコーダ6の軸方向内端部内周面に全周に亙り対向させている。
前記軸受キャップ5は、主体8(合成樹脂製部材)と、スリーブ9(金属板製部材)と、Oリング14とを備える。このうちの主体8は、合成樹脂の射出成形により、全体を略円板状に造られている。前記センサ7は、この主体8を射出成形するのと同時に(インサート成形によって)、この主体8の外周寄りの軸方向外側部分に包埋支持されている。又、この主体8の軸方向内側面の一部には、前記センサ7の検出信号を取り出す為のコネクタ10を、この主体8と一体に形成している。一方、前記スリーブ9は、ステンレス鋼板等の金属板により、断面L字形で全体を円環状に造られており、円筒部11と、この円筒部11の軸方向内端縁から径方向外方に折れ曲がった円輪部12とを有する。そして、このうちの円筒部11の軸方向内端部及び円輪部12を、前記主体8を射出成形するのと同時に(インサート成形によって)、この主体8の外周縁部分に包埋支持している。又、この主体8の軸方向外側面のうち、前記円筒部11の外周面と隣接する部分に係止溝13を、全周に亙って設けている。そして、この係止溝13に前記Oリング14を装着している。
図7に詳細を示す様に、上述の様な構成を有する軸受キャップ5は、前記スリーブ9を構成する円筒部11のうち前記主体8の外周縁部分から軸方向外側に突出した部分を、前記外輪1の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌する事により、この外輪1に固定している。又、この状態で、前記主体8の外周縁部分の軸方向外側面を、前記外輪1の軸方向内端面に突き当てる事により、前記軸受キャップ5の軸方向の位置決めを図っている。これと共に、前記Oリング14を前記係止溝13の底面と前記外輪1の軸方向内端面との間で弾性的に圧縮する事により、この外輪1の軸方向内端面と前記主体8の外周縁部分の軸方向外側面との間をシールしている。
上述した様な従来構造に組み込まれる軸受キャップ5を造る場合には、主体8を射出成形する際に、スリーブ9の一部を射出成形用金型のキャビティ内にセットしておく事により、このスリーブ9の一部を前記主体8中に包埋する。しかしながら、この様にして軸受キャップ5を造る場合には、図8の(A)→(B)の順に示す様に、前記主体8の材料である合成樹脂が凝固する事に伴い、この主体8と前記スリーブ9との間(破線Pで示す範囲)に隙間が生じる。この理由は、前記合成樹脂の凝固(冷却による収縮を含む)に伴って、前記主体8の体積が減少する為である。この状態では、図8の(B)に誇張して示す様に、α部分(前記スリーブ9の円筒部11の内径側部分)に生じる隙間が比較的大きくなる。この為、このα部分のシール性は悪化する。又、β部分(前記スリーブ9の円筒部11の外径側部分)では、前記合成樹脂の凝固によって、前記主体8と前記スリーブ9との密着性は向上するが、両者が接着されていない為、シール性は低い状態になる。又、γ部分(前記スリーブ9の円輪部12の外径側部分)では、この円輪部12の外周端面の形状が粗く、前記合成樹脂の凝固によっても密着性が十分には得られない為、シール性は不十分な状態になる。その他の部分に関しても、接着されていない為、シール性は不十分な状態になる。
又、前記主体8と前記スリーブ9との間(破線Pで示す範囲)に存在する隙間の大きさは、前記軸受キャップ5を組み付けた車輪支持用軸受ユニットの使用時の温度変化に伴って変化する。この理由は、前記主体8(合成樹脂)と前記スリーブ9(金属)との間の線膨張係数の差(合成樹脂>金属)に基づいて、これら主体8とスリーブ9との間に熱膨張量の差(主体8>スリーブ9)が生じる為である。例えば、高温時には、図9に誇張して示す様に、前記スリーブ9の外径側部分に、比較的大きい隙間が生じる場合がある。この場合には、この外径側部分のシール性が悪化し、その他の部分のシール性も不十分になる。尚、運転時の温度によっては、図8、図9と異なる部分に隙間が生じる場合もあるが、何れの部分に隙間が生じた状態でも、前記主体8と前記スリーブ9との間のシール性は、全体として低い状態になる。
この為、前記Oリング14を設けないと、前記主体8と前記スリーブ9との間(破線Pで示す範囲)に存在する隙間を通じて、外部空間に存在する雨水、泥水、洗車水等の水分が、前記外輪1及び前記軸受キャップ5の内側に侵入する可能性を生じる。そして、侵入した場合には、車輪支持用軸受ユニットの転がり疲れ寿命が低下したり、回転速度検出装置の検出に関する信頼性が悪化したりする。尚、前記Oリング14は、前記主体8と前記スリーブ9との間に存在する隙間だけでなく、前記外輪1と前記スリーブ9との嵌合部に存在する隙間を通じて、前記水分が前記内側に侵入する事を防止する役割も果たしている。但し、前記嵌合部に存在する隙間は、前記主体8と前記スリーブ9との間に存在する隙間に比べて小さく、前記嵌合部のシール性は、前記主体8と前記スリーブ9との間のシール性に比べて高い。この為、前記Oリング14は、主として、前記主体8と前記スリーブ9との間のシール性を確保(補完)する為に設けている。
従って、前記主体8と前記スリーブ9との間のシール性を十分に確保する事ができれば、前記Oリング14の設置を省略する事ができる。或いは、前記外輪1と前記スリーブ9との嵌合部のシール性を確保する為に、前記Oリング14を設置する場合でも、この嵌合部のシール性は元々高い為、このOリング14として比較的シール性の低いもの(断面寸法が小さいもの)を使用する事ができる。この結果、製造コストの低減や設計の自由度の向上を図れる。この様な理由から、前記主体8と前記スリーブ9との間のシール性を十分に確保できる構造を実現する事が望まれる。
尚、軸受キャップを構成する金属板製部材と合成樹脂製部材との間のシール性を十分に確保できる構造として従来から、例えば図10〜11に示す様な構造が知られている。このうちの図10に示した従来構造の第2例の軸受キャップ15は、スリーブ16(金属板製部材)と、主体17(合成樹脂製部材)と、Oリング18とを備える。このうちのスリーブ16は、ステンレス鋼板等の金属板により、断面L字形で全体を円環状に造られており、円筒部19と、この円筒部19の軸方向内端縁から径方向内方に折れ曲がった円輪部20とを有する。又、前記主体17は、合成樹脂の射出成形により、全体を略円板状に造られており、外周面の軸方向中間部に全周に亙る係止溝21を有している。この様な主体17は、この係止溝21に前記Oリング18を装着した状態で、前記スリーブ16を構成する円筒部19の軸方向内半部に内嵌する事により、このスリーブ16に組み付けられている。この状態で、前記Oリング18は、前記係止溝21の底面と前記円筒部19の内周面との間で圧縮される事により、この円筒部19の内周面と前記主体17の外周面との間をシールしている。この様な構成を有する軸受キャップ15は、前記スリーブ16を構成する円筒部19の軸方向外半部を外輪1aの軸方向内端部に締り嵌めで外嵌する事により、この外輪1aに固定されている。又、この状態で、前記主体17の外周縁部分の軸方向外側面を、前記外輪1aの軸方向内端面に突き当てる事により、前記軸受キャップ15の軸方向の位置決めを図っている。
又、図11に示した従来構造の第3例の軸受キャップ22は、キャップ本体23(金属板製部材)と、センサホルダ24(合成樹脂製部材)と、Oリング25とを備える。このうちのキャップ本体23は、ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の金属板により、全体を有底円筒状に造られており、円筒部26と、この円筒部26の軸方向内端開口を塞ぐ底板部27と、前記円筒部26の軸方向中間部に設けられた外向フランジ状の鍔部28と、前記底板部27の一部分にバーリング加工を施す事により、当該部分から軸方向内方に突出する状態で形成された、円筒状のコネクタ用筒部29とを有する。又、前記センサホルダ24は、合成樹脂の射出成形によって造られており、図示しないセンサを包埋した円板状の主部30と、この主部30の軸方向内側面の一部で前記コネクタ用筒部29と整合する部分に突設した、前記センサの検出信号を取り出す為の円柱状のコネクタ部31と、このコネクタ部31の外周面の軸方向中間部に全周に亙り形成された係止溝32とを有する。この様なセンサホルダ24は、この係止溝30に前記Oリング25を装着した状態で、前記コネクタ部31を前記コネクタ用筒部29の内側に挿通すると共に、前記主部30を前記円筒部26の軸方向内半部に内嵌した状態で、前記キャップ本体23に組み付けられている。この状態で、前記Oリング25は、前記係止溝32の底面と前記コネクタ用筒部29の内周面との間で圧縮される事により、このコネクタ用筒部29の内周面と前記コネクタ部31の外周面との間をシールしている。この様な構成を有する軸受キャップ22は、前記キャップ本体23を構成する円筒部26の軸方向外半部を外輪1bの軸方向内端部に締り嵌めで内嵌する事により、この外輪1bに固定している。又、この状態で、前記鍔部28の側面を、この外輪1bの軸方向内端面に突き当てる事により、前記軸受キャップ22の軸方向の位置決めを図っている。
上述した従来構造の第2〜3例の場合には、軸受キャップ(15、22)を構成する金属板製部材(スリーブ16、キャップ本体23)と合成樹脂製部材(主体17、センサホルダ24)との間に存在する隙間を、Oリング(18、25)によって塞いでいる。この為、前記金属板製部材と前記合成樹脂製部材との間のシール性を十分に確保する事ができる。しかしながら、これら金属板製部材と合成樹脂製部材との間に前記Oリングを設置する都合上、この合成樹脂製部材の射出成形と、この合成樹脂製部材と前記金属板製部材との結合とを、同時に行う(インサート成形する)事ができず、別々に行う必要がある。従って、その分だけ製造工程が増え、製造コストが嵩む。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、金属板製部材と合成樹脂製部材との結合を、この合成樹脂製部材の射出成形と同時に(インサート成形によって)行える軸受キャップに関して、これら金属板製部材と合成樹脂製部材との間のシール性を十分に確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となる軸受キャップは、円筒部を有する金属板製部材と、射出成形により造られた合成樹脂製部材とを、この射出成形と同時に(インサート成形によって)互いに結合して成り、転がり軸受ユニットを構成する静止輪である外輪の軸方向端部開口を塞ぐべく、この外輪の軸方向端部に前記円筒部を嵌合させた状態で使用する。
特に、請求項1に記載した軸受キャップに於いては、前記金属板製部材と前記合成樹脂製部材との結合部分で互いに対向するこれら両部材の面同士が、接着剤層により隙間なく接着されている。
又、請求項2に記載した製造方法は、上述の請求項1に記載した軸受キャップの製造方法であって、先ず、金属板製部材の表面の一部で完成時に合成樹脂製部材により覆われる部分に、前記接着剤層を半硬化状態(接着剤が完全に硬化する温度に達しない程度の温度にまで加熱され、接着性を残しつつも或る程度の化学変化が進行して半ば硬化しており、インサート成形時の高温・高圧の溶融樹脂によって流失されない程度の状態)で設ける。その後、前記金属板製部材の一部でこの半硬化状態の接着剤層を設けた部分を射出成形用金型のキャビティ内にセットした状態で、このキャビティ内に溶融樹脂を送り込む事により前記合成樹脂製部材の射出成形(インサート成形)を行う。更に、前記溶融樹脂からの熱により、又は、この溶融樹脂からの熱及び射出成形後の2次加熱により、前記接着剤層を硬化させる事によって、前記両部材の面同士を、前記接着剤層により隙間なく接着する。
又、請求項3に記載した車輪支持用軸受ユニットは、使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない外輪と、この外輪の内径側に複数個の転動体を介して回転自在に支持され、使用時に車輪を支持した状態でこの車輪と共に回転するハブと、前記外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着した軸受キャップとを備える。
特に、請求項3に記載した車輪支持用軸受ユニットに於いては、この軸受キャップが、請求項1に記載した軸受キャップである。
上述の様に、本発明の軸受キャップ及び車輪支持用軸受ユニットの場合には、軸受キャップを構成する金属板製部材と合成樹脂製部材との結合部分で互いに対向するこれら両部材の面同士が、接着剤層により隙間なく接着されている。この為、これら両部材の、互いに対向する面同士の間のシール性を十分に確保できる。即ち、これら両部材の面同士の間を通じて、外部空間に存在する雨水、泥水、洗車水等の水分が、外輪及び軸受キャップの内側に侵入する事を防止できる。従って、前記両部材の面同士の間のシール性を確保する事を目的として、別途Oリング等の密封手段を設ける必要がなくなる。この結果、低コスト化及び設計の自由度の向上を図れる。
又、本発明の軸受キャップの製造方法によれば、本発明の軸受キャップを、十分な歩留りを確保して造る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図6のX部に相当する拡大断面図。 軸受キャップの製造工程を工程順に示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 この第2例を実施する場合に採用可能な、スリーブの円輪部の端部形状の2例を示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 車輪支持用軸受ユニットの従来構造の第1例を示す断面図。 一部を省略して示す、図6のX部拡大断面図。 主体の材料である合成樹脂の凝固前の状態(A)及び凝固後の状態(B)を示す、軸受キャップの部分断面図。 運転に伴う温度上昇後の状態で示す、軸受キャップの部分断面図。 従来構造の第2例を示す、図7と同様の図。 従来構造の第3例を示す、図7と同様の図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、軸受キャップ5aを構成する主体8(合成樹脂製部材)とスリーブ9(金属板製部材)との結合部分の構造、及び、この様な結合部分の構造を備えた軸受キャップ5aの製造方法にある。この軸受キャップ5a、及び、この軸受キャップ5aを備えた車輪支持用軸受ユニットに関する、その他の部分の構造及び作用は、前述の図6〜7に示した従来構造の第1例の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、前記従来構造の第1例と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合、前記軸受キャップ5aは、係止溝13及びOリング14(図6〜7参照)を有していない。その代わりに、前記主体8と前記スリーブ9との結合部分で互いに対向する、これら主体8とスリーブ9との面同士を、接着剤層33により隙間なく接着している。これにより、これら主体8とスリーブ9との互いに対向する面同士の間のシール性を十分に確保している。尚、図1〜2では、図示の便宜上(明りょう化の為)、前記接着剤層33を太線で示すが、この太線の太さは、実際の接着剤層33の厚さを表すものではない。実際の接着剤層33の厚さは、遥かに小さい。後述する第2例(図3〜4)及び第3例(図5)に就いても同じである。
この様な構成を有する軸受キャップ5aを製造する場合には、先ず、図2の(A)に示す様に、前記スリーブ9の表面の一部で、完成時に前記主体8によって覆われる部分に、接着剤層33を半硬化状態で設ける。尚、半硬化状態とは、接着剤が完全に硬化する温度に達しない程度の温度にまで加熱され、接着性を残しつつも或る程度の化学変化が進行して半ば硬化しており、インサート成形時の高温・高圧の溶融樹脂(前記主体8を構成する合成樹脂が溶融したもの)によって流失されない程度の状態を言う。
そして、図2の(B)に示す様に、前記スリーブ9の一部で前記接着剤層33を設けた部分を、射出成形用金型34のキャビティ35内にセットした状態で、このキャビティ35内に溶融樹脂を送り込む事により、前記主体8の射出成形(インサート成形)を行う。更に、前記溶融樹脂からの熱によって、前記接着剤層33を完全に硬化させる。これにより、前記溶融樹脂が凝固する事によって完成する主体8と前記スリーブ9との互いに対向する面同士を、前記完全に硬化させた接着剤層33により隙間なく接着する。
その後、前記射出成形用金型34を分割してから、図2の(C)に示す様に、完成した軸受キャップ5aを前記キャビティ35内から取り出す。
尚、各種の条件(前記溶融樹脂の温度、前記接着剤層33を構成する接着剤の硬化特性)により、前記溶融樹脂からの熱のみによっては、前記接着剤層33が完全に硬化しない場合には、射出成形後の2次加熱によって、この接着剤層33を完全に硬化させる。
上述の様に、本例の軸受キャップ及び車輪支持用軸受ユニットの場合には、前記軸受キャップ5aを構成する前記主体8と前記スリーブ9との結合部分で互いに対向する、これら主体8とスリーブ9との面同士を、前記接着剤層33により隙間なく接着している。この為、これら主体8とスリーブ9との面同士の間を通じて、外部空間に存在する雨水、泥水、洗車水等の水分が、前記外輪1及び前記軸受キャップ5aの内側に侵入する事を防止できる。この様な効果を得られる本例の場合には、前記主体8と前記スリーブ9との結合部分のシール性を確保(補完)する事を目的として、前記外輪1の軸方向内端面と前記主体8の外径側部分の軸方向外側面との間をシールする為のOリング等の密封手段を設ける必要がない。この様な理由で、本例の場合には、この様な密封手段を設けていない。従って、その分だけ、低コスト化及び設計の自由度の向上を図れる。
次に、本例の構造を含め、本発明の軸受キャップ5aを製造する場合に適切な材料等に就いて説明する。
<接着剤層>
接着剤層を構成する接着剤としては、溶剤での希釈が可能で、2段階に近い硬化反応が進む、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。
フェノール樹脂系接着剤は、ゴムの加硫接着剤として用いられているものが好適であり、組成としては特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂と、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤とを、メタノールやメチルエチルケトン等に溶解させたものが使用できる。又、接着性を向上させる為に、これらにノボラック型エポキシ樹脂を混合したものであっても良い。
この様なフェノール樹脂系接着剤は、概ね70〜80℃で半硬化状態となり、概ね130〜160℃で完全硬化状態となる。
エポキシ樹脂系接着剤としては、原液としては一液型エポキシ系接着剤で、溶剤への希釈が可能なものが好適である。この一液型エポキシ系接着剤は、金属板製部材の表面に於いて、溶剤を蒸発させた後、適切な(工業的に実現容易な)温度・時間で、インサート成形時の高温・高圧の溶融樹脂によって流失されない程度の半硬化状態となり、更に、インサート成形時の樹脂からの熱、及び2次加熱によって完全に硬化状態となるものである。
この様な一液型エポキシ系接着剤は、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とから成る。このうちの硬化剤は、室温近辺では殆ど硬化反応が進まず、例えば80〜120℃程度で半硬化状態となり、120〜180℃の高温の熱を加える事によって完全に熱硬化反応が進むものである。この一液型エポキシ系接着剤には、反応性希釈剤として使用されるその他のエポキシ化合物、熱硬化速度を向上させる硬化促進剤、耐熱性や耐硬化歪み性を向上させる効果がある無機充填材、応力が加わった状態で変形する可撓性を向上させる為の、架橋ゴム微粒子等を更に添加しても良い。
<合成樹脂製部材>
合成樹脂製部材を構成するベース樹脂の材質としては、耐熱性と耐疲労性に優れるポリアミド66を主成分とした、耐塩化カルシウム性に優れたポリアミド樹脂の混合物をベース樹脂としたものが最も好ましい。ベース樹脂の分子量としては、射出成形性を考慮すると、数平均分子量で13000〜30000の範囲が好ましく、更に耐疲労性、高成形精度を考慮すると、数平均分子量で18000〜26000の範囲がより好ましい。数平均分子量が13000未満の場合は、分子量が低過ぎて、耐疲労性が低く、実用性がない為、好ましくない。これに対して、数平均分子量が30000を超える場合は、耐疲労性は向上するものの、成形時の溶融粘度が高くなると言った理由で、射出成形によって高精度の成形品を製造する事が難しくなる為、好ましくない。従って、合成樹脂製部材を構成する樹脂材料としては、ポリアミド66を主成分とし、数平均分子量が13000〜30000であり、更に軸受キャップとして必要な衝撃強度等の機械的強度を達成する為に、ガラス繊維の含有率が20〜55質量%となる様に含有させたものが好ましい。
又、ベース樹脂に関しては、吸水性を低下させて、耐塩化カルシウム性を向上させる為に、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂と非晶性芳香族ポリアミド樹脂とを配合するのが好ましい。その配合量は、耐熱性、耐塩化カルシウム性のバランスから、ベース樹脂全量に対して、ポリアミド66樹脂が60〜80質量%、非晶性芳香族ポリアミド樹脂が15〜25質量%、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂が5〜15質量%の範囲となるのが好ましい。ポリアミド66樹脂が60質量%未満(非品性芳香族ポリアミド樹脂と低吸水脂肪族ポリアミド樹脂との合計が40質量%以上)の場合は、耐塩化カルシウム性は向上するものの、耐熱性、耐疲労性が低下する為、好ましくない。これに対して、ポリアミド66樹脂が80質量%を超える(非晶性芳香族ポリアミド樹脂と低吸水脂肪族ポリアミド樹脂との合計が20質量%未満の)場合は、耐塩化カルシウム性が十分でなくなる為、好ましくない。
低吸水脂肪族ポリアミド樹脂は、下記の表1に示す様な、23℃で24時間水中放置後の吸水率が1質量%以下(より好ましくは、0.5質量%以下)の、ポリアミド12樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド612樹脂、ポリアミド610樹脂の中から選ばれた少なくとも1つを使用する事ができる。
Figure 2011174511
ポリアミド66樹脂と低吸水脂肪族ポリアミド樹脂との相溶化剤として機能する、非晶性芳香族ポリアミド樹脂としては、基本となる構造が、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸及びイソフタル酸の重縮合体であるポリアミド6T/6Iで、分子構造中に脂肪族ポリアミド部分を設けた変性ポリアミド6T/6Iを好適に用いる事ができる。分子構造中に設ける脂肪族ポリアミド部分を形成するモノマーとしては、6−アミノカプロン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン等を好適に用いる事ができる。この中で炭素数が6のものと12のものとを組み合わせて用いると、分子構造が類似するポリアミド66樹脂とポリアミド12樹脂との相溶性が向上する為、これら3成分により構成する事が、特に好ましい。
尚、以上に述べたポリアミド樹脂混合物に、耐衝撃性を改善するエチレンプロピレン非共役ジエンゴム(EPDM)等のゴム状物質を組み合わせても良い。
強化材としては、ガラス繊維(ポリアミド樹脂との接着性を考慮して、片末端にエポキシ基やアミノ基等を有するシランカップリング剤で表面処理されたもの)を好適に用いる事ができる。ガラス表面に結合されたシランカップリング剤は、片末端に存在するエポキシ基やアミノ基等の官能基がポリアミド樹脂のアミド結合に作用し、ガラス繊維の補強効果を向上させる。
ガラス繊維の直径は、5〜15μmの範囲が好ましく、6〜8μmの範囲がより好ましい。直径が5μm未満のガラス繊維を用いると、衝撃強度等の機械的強度を十分に向上させられない傾向があると共に、製造コストが高くなって、実用性が低くなる為、好ましくない。これに対して、直径が15μmを超えるガラス繊維を用いると、射出成形の際のガラス繊維の配向性が悪くなって、所謂ヒケが発生し、表面の凹凸が大きくなったり、円筒部の真円度が悪くなったりする為、好ましくない。一方、直径が6〜8μmの範囲のガラス繊維を使用すると、樹脂中での配向性が良くなり、外径部の真円度が小さく、更に、外径部の凹凸も小さくなって良い。
ガラス繊維の繊維長は、100〜900μmの範囲が好ましく、300〜600μmの範囲がより好ましい。
繊維長が100μm未満の場合は、短過ぎて補強効果及び寸法抑制効果が少ない為、好ましくない。これに対して、繊維長が900μmを超える場合は、補強効果及び寸法抑制効果が向上するものの、樹脂部成形工程での繊維の破損や、配向性の低下による成形精度悪化が想定される様になり、外輪への嵌合部位等の肉薄部分の成形が困難になる為、好ましくない。
ガラス繊維の含有量は、全体の20〜55質量%の範囲が好ましく、25〜40質量%の範囲がより好ましい。
ガラス繊維の含有量が20質量%未満の場合は、機械的強度及び耐摩耗性の改善が少ない為、好ましくない。これに対して、ガラス繊維の含有量が55質量%を超える場合は、樹脂成形時の溶融粘度が高くなり、複雑な形状を精度良く成形するのが難しくなる為、好ましくない。
尚、強化材としてガラス繊維の一部を、炭素繊維等の繊維状物、或いは、チタン酸カリウムウィスカ等のウィスカ状物に置き換えても良く、又、着色剤等を加えても良い。
又、上記強化材とは別に、樹脂部の放熱性を向上させる為に、熱伝導率が10W/m・K以上の高熱伝導性充填材、具体的には、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、炭化珪素、ベリリア、グラファイト等を更に添加しても良い。
又、樹脂外径部の凹凸を更に減少させる、或いは、外径部の耐摩耗性を更に向上させる為に、上記強化材とは別に、粒子状充填材、具体的には、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト等を更に添加しても良い。粒子状充填材としては、上述した高熱伝導性充填材も粒子状であれば、同様の効果を有する。
添加剤として樹脂に、成形時及び使用時の熱による劣化を防止する為に、ヨウ化物系熱安定剤やアミン系酸化防止剤を、それぞれ単独或いは併用して添加する事が好ましい。
以上に説明した樹脂材料の他に、低吸水樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂をベース樹脂としたものを使用する事もできる。
[実施の形態の第2例]
次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例の特徴は、軸受キャップ15aを構成するスリーブ16(金属板製部材)と主体17a(合成樹脂製部材)との結合部分の構造、及び、この様な結合部分の構造を備えた軸受キャップ15aの製造方法にある。この軸受キャップ15a、及び、この軸受キャップ15aを備えた車輪支持用軸受ユニットに関する、その他の部分の構造及び作用は、前述の図10に示した従来構造の第2例の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、前記従来構造の第2例と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合、前記軸受キャップ15aは、係止溝21及びOリング18(図10参照)を有していない。その代わりに、前記スリーブ16を構成する円輪部20の径方向内半部を、前記主体17aの外周縁部分に包埋すると共に、この主体17aと前記スリーブ16との結合部分で互いに対向する、これら主体17aとスリーブ16との面同士を、接着剤層36により隙間なく接着している。これにより、これら主体17aとスリーブ16との面同士の間のシール性を十分に確保している。尚、本例の場合も、前記軸受キャップ15aは、上述した第1例の場合と同様の製造方法(図2参照)によって製造される。
上述の様に、本例の軸受キャップ及び車輪支持用軸受ユニットの場合には、前記軸受キャップ15aを構成する前記主体17aと前記スリーブ16との結合部分で互いに対向する、これら主体17aとスリーブ16との面同士を、前記接着剤層36によって隙間なく接着している。この為、これら主体17aとスリーブ16との面同士の間を通じて、外部空間に存在する雨水、泥水、洗車水等の水分が、外輪1a及び軸受キャップ15aの内側に侵入する事を防止できる。
尚、上述した第2例を実施する場合、前記スリーブ16を構成する前記円輪部20の内周縁部分に、図4の(A)に示す様な、軸方向内側に折れ曲がった第二円筒部37aや、図4の(B)に示す様な、軸方向外側に折れ曲がった第二円筒部37b等のカエリを設ければ、前記スリーブ16と前記主体17との結合力をより高める事ができる。この様なカエリは、前述の図1〜2に示した第1例のスリーブ16を構成する円輪部12の外周縁部分に設ける事もできる。
[実施の形態の第3例]
次に、図5は、本発明の実施の形態の第3例を示している。尚、本例の特徴は、軸受キャップ22aを構成するキャップ本体23(金属板製部材)とセンサホルダ24a(合成樹脂製部材)との結合部分の構造、及び、この様な結合部分の構造を備えた軸受キャップ22aの製造方法にある。この軸受キャップ22a、及び、この軸受キャップ22aを備えた車輪支持用軸受ユニットに関する、その他の部分の構造及び作用は、前述の図11に示した従来構造の第3例の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、前記従来構造の第3例と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合、前記軸受キャップ22aは、係止溝32及びOリング25(図11参照)を有していない。その代わりに、前記キャップ本体23と前記センサホルダ24aとの結合部分で互いに対向する、これらキャップ本体23とセンサホルダ24aとの面同士を、接着剤層38により隙間なく接着している。これにより、これらキャップ本体23とセンサホルダ24aとの面同士の間のシール性を十分に確保している。尚、本例の場合も、前記軸受キャップ22aは、前述した第1例の場合と同様の製造方法(図2参照)により製造される。
上述の様に、本例の軸受キャップ及び車輪支持用軸受ユニットの場合には、前記軸受キャップ22aを構成する前記キャップ本体23と前記センサホルダ24aとの結合部分で互いに対向する、これらキャップ本体23とセンサホルダ24aとの面同士を、前記接着剤層38により隙間なく接着している。この為、これらキャップ本体23とセンサホルダ24aとの面同士の間を通じて、外部空間に存在する雨水、泥水、洗車水等の水分が、外輪1b及び前記軸受キャップ22aの内側に侵入する事を防止できる。
尚、本発明を実施する場合、金属板製部材の表面と接着剤層との接着強度を向上させる為に、この金属板製部材の表面に、ショットブラスト処理等により、凹凸加工を施しても良い。又、本発明を実施する場合、外輪と軸受キャップを構成する金属板製部材との嵌合部のシール性を確保(補完)する為に、これら外輪と軸受キャップとの間にOリング等のシール手段を設置しても良い。この場合、前記嵌合部は、元々シール性が或る程度確保された部位である事から、当該シール手段のシール性は、余り高くする必要はない(当該シール手段として、断面寸法の小さいもの等を使用すれば足りる)。従って、本発明の場合には、当該シール手段を設置するにしても、前述した各従来構造と比較して、製造コストの低減及び設計の自由度の向上を図れる。
尚、本発明に関連する公知発明として、特許文献2には、回転速度検出装置を構成する円輪状のエンコーダ(合成樹脂製部材)と円環状のスリンガ(金属板製部材)とを互いに結合して成る部品をインサート成形により製造する場合に、このインサート成形に伴って前記エンコーダと前記スリンガとの側面同士を接着剤層により接着する発明が記載されている。但し、この公知発明の場合には、前記接着剤層により互いの側面同士を接着する2つの部品が、本発明の場合と異なるだけでなく、これら2つの部品の側面同士を前記接着剤層により接着する理由も、本発明の場合と異なる。即ち、前記公知発明の場合、前記エンコーダと前記スリンガとの側面同士を接着剤層により接着する理由は、これら両側面同士の間のシール性を確保する為ではなく、前記エンコーダと前記スリンガとの結合を強固にして、このエンコーダがこのスリンガに対してずれ動く(或いはこのスリンガから脱落する)のを防止する為である。従って、この様な公知発明は、本発明をなす上での拠り所となるものではない。
本発明の軸受キャップ及び車輪支持用軸受ユニットは、前述した回転速度検出装置を組み付けて使用するものに限らず、特許文献3等に記載されて従来から知られている、外輪とハブとの間に作用する荷重を測定する為の荷重測定装置を組み付けて使用するものを対象として実施する事もできる。
1、1a、1b 外輪
2 ハブ
3 転動体
4 シールリング
5、5a 軸受キャップ
6 エンコーダ
7 センサ
8 主体
9 スリーブ
10 コネクタ
11 円筒部
12 円輪部
13 係止溝
14 Oリング
15、15a 軸受キャップ
16 スリーブ
17、17a 主体
18 Oリング
19 円筒部
20 円輪部
21 係止溝
22、22a 軸受キャップ
23 キャップ本体
24、24a センサホルダ
25 Oリング
26 円筒部
27 底板部
28 鍔部
29 コネクタ用筒部
30 主部
31 コネクタ部
32 係止溝
33 接着剤層
34 射出成形用金型
35 キャビティ
36 接着剤層
37a、37b 第二円筒部
38 接着剤層
特開2008−105626号公報 特開2006−313117号公報 特開2006−317420号公報

Claims (3)

  1. 円筒部を有する金属板製部材と、射出成形により造られた合成樹脂製部材とを、この射出成形と同時に互いに結合して成り、転がり軸受ユニットを構成する静止輪である外輪の軸方向端部開口を塞ぐべく、この外輪の軸方向端部に前記円筒部を嵌合させた状態で使用する軸受キャップに於いて、前記金属板製部材と前記合成樹脂製部材との結合部分で互いに対向するこれら両部材の面同士が、接着剤層により隙間なく接着されている事を特徴とする軸受キャップ。
  2. 請求項1に記載した軸受キャップの製造方法であって、前記金属板製部材の表面の一部で完成時に前記合成樹脂製部材により覆われる部分に、前記接着剤層を半硬化状態で設けた後、前記金属板製部材の一部でこの半硬化状態の接着剤層を設けた部分を射出成形用金型のキャビティ内にセットした状態で、このキャビティ内に溶融樹脂を送り込む事により前記合成樹脂製部材の射出成形を行うと共に、前記溶融樹脂からの熱により、又は、この溶融樹脂からの熱及び射出成形後の2次加熱により、前記接着剤層を硬化させる事によって、前記両部材の面同士を、前記接着剤層により隙間なく接着する事を特徴とする軸受キャップの製造方法。
  3. 使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない外輪と、この外輪の内径側に複数個の転動体を介して回転自在に支持され、使用時に車輪を支持した状態でこの車輪と共に回転するハブと、前記外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着した軸受キャップとを備えた車輪支持用軸受ユニットに於いて、この軸受キャップが請求項1に記載した軸受キャップである事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
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