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JP2011164052A - ぜんまい装置および時計 - Google Patents

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JP2011164052A
JP2011164052A JP2010030012A JP2010030012A JP2011164052A JP 2011164052 A JP2011164052 A JP 2011164052A JP 2010030012 A JP2010030012 A JP 2010030012A JP 2010030012 A JP2010030012 A JP 2010030012A JP 2011164052 A JP2011164052 A JP 2011164052A
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wheel
winding
mainspring
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rotation
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JP2010030012A
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Eiichi Hiratani
栄一 平谷
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】停止状態からぜんまいを巻き上げた際に、輪列の回転を迅速に再開でき、かつ、容易に製造できるぜんまい装置を提供すること。
【解決手段】ぜんまい装置は、ぜんまいの巻き上げ量と巻き戻し量とを加減算した量に応じて回転する加減算用車41を有する加減算用輪列30と、加減算用車41に連動して作動され、輪列13に回転力を与える起動機構60とを備える。起動機構60は、加減算用車41が所定の巻き戻しロック位置に達した際に、輪列13の回転対象歯車10Aに係合して回転を規制し、加減算用車41が巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際に、回転を規制する位置から移動して輪列13の回転規制を解除する巻き戻しロック部材61、および、その際に歯車10Aに機械的に回転力を与えて輪列13を回転させる起動ばね部材63を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ぜんまい装置および時計に係り、例えば手巻き式や自動巻式で巻き上げられるぜんまいおよびテンプを有する機械式時計や、そのようなぜんまいが解ける時に出力される機械エネルギーを発電機で電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーで回転制御手段を作動させて発電機の回転周期を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に運針させる電子制御式機械時計に利用できる。
機械式時計や電子制御式機械時計では、ぜんまいの機械エネルギーで指針を駆動するため、ぜんまいが巻解けて機械エネルギーが低下すると、運針が遅れて正しい時刻を表示できなくなる。
このため、ぜんまいが巻解けて所定の巻き戻し量となった際には、ぜんまいによって駆動される輪列を止めて運針を停止するロック機構を備えているものが知られている(特許文献1)。
特開2000−2773号公報
ところで、このような運針停止状態から運針を再開するには、ぜんまいを巻き上げる必要がある。
しかしながら、従来の機械式時計や電子制御式機械時計などのぜんまい駆動時計において、運針停止状態からぜんまいを巻き上げた際に、運針が再開するタイミングは、時計毎の固体ばらつきが大きい。すなわち、輪列の各歯車の噛み合い状態等で、輪列が回転し始める際に必要なトルクがばらつくため、時計によっては、ぜんまいを巻き上げた直後に運針を開始するものもあれば、ぜんまいをフルに巻き上げても運針しないものもあった。
一般的な機械式時計では、ぜんまいを巻き上げた際には、できるだけ早く運針を開始すること、つまり自起動が早いことが、良い機械体(ムーブメント)の目安とされており、自起動の早い機械体を作り込むことは、特に高級機械時計では重要視されている。
このため、自起動の早い機械式時計が求められていたが、前記各歯車の噛み合い状態などを調整しなければならず、製造作業などに非常に手間がかかるという問題があった。
また、電子制御式機械時計では、輪列によって発電機のローターを回転しているため、運針を再開する際には、ローターに設けられた永久磁石の引きトルク(コギングトルク)よりも大きなトルクを加えなければならない。このため、電子制御式機械時計において自起動を早くするためには、各歯車の噛み合い調整に加えて、磁気回路の位置調整により永久磁石の引きトルク(コギングトルク)調整を行う必要がある。
しかしながら、磁気回路の位置調整も、手間が掛かる作業であるという問題があった。
本発明の目的は、停止状態からぜんまいを巻き上げた際に、輪列の回転を迅速に再開でき、かつ、容易に製造できるぜんまい装置および時計を提供することにある。
本発明は、ぜんまいに蓄積された機械エネルギーで輪列を駆動するように構成されたぜんまい装置において、前記ぜんまいの巻き上げ量と巻き戻し量とを加減算し、その加減算した量に応じて回転する加減算用車を有する加減算用輪列と、前記加減算用車の回転に連動して作動され、前記輪列に回転力を与える起動機構とを備え、前記起動機構は、前記加減算用車が巻き戻し側に回転して所定の巻き戻しロック位置に達した際には、前記輪列の歯車に係合してその回転を規制し、前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際には、前記歯車の回転を規制する位置から移動して前記輪列の回転規制を解除する巻き戻しロック部材と、前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際に、前記輪列の回転対象歯車に機械的に回転力を与えて前記輪列を回転させる起動部材とを備えることを特徴とする。
本発明においては、ぜんまいの巻き上げ量および巻き戻し量が加減算される加減算用車を設け、この加減算用車が巻き戻しロック位置に達した際に、巻き戻しロック部材で輪列の回転を規制している。このため、ぜんまいの出力トルクが低下し、輪列が正確に回転できなくなる前に輪列を停止できる。
従って、このぜんまい装置を指針の駆動に用いた時計においては、ぜんまいの出力トルクが低下しても運針を継続した場合のように、指針の指示が遅れることがなく、指針が運針している間は、正しい時刻を指示することができる。
さらに、ぜんまいが巻き戻された際に輪列を停止しているので、利用者はその状態を容易に確認でき、利用者によるぜんまいの巻き上げ操作を期待できる。
その上、ぜんまいが巻き上げられて加減算用車が巻き上げ側に回転すると、起動部材によって輪列の回転対象歯車に機械的な回転力が与えられるため、確実に輪列の回転つまり自起動を行うことができる。
また、起動部材を用いて自起動を実現しているので、従来のように、各歯車の噛み合いの調整など、ぜんまい装置の組み立て時の自起動調整作業を不要にでき、組立コストを低減できる。
その上、前記巻き戻しロック部材や、起動部材は、ぜんまいの巻き上げ、巻き戻し量に応じて回転する加減算用車に連動して作動するため、別途、特別な操作を行う必要がない。このため、ぜんまい装置を利用する場合に、操作性が低下することなどを防止できる。
本発明のぜんまい装置において、前記起動部材は、前記回転対象歯車に係合可能な起動ばね部材により構成され、前記巻き戻しロック部材は、前記加減算用車が巻き戻しロック位置にある際に、前記回転対象歯車に係合してその歯車の回転を停止可能な係止部と、この係止部が前記回転対象歯車に係合している際に、前記起動ばね部材を付勢して撓ませた状態で前記回転対象歯車に係合させる起動ばね付勢部とを備え、前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際には、前記巻き戻しロック部材は、前記係止部が回転対象歯車から離れてその歯車の回転規制を解除するとともに、前記起動ばね部材の付勢を解除し、前記起動ばね部材は、前記起動ばね付勢部による付勢が解除された際には、前記起動ばね付勢部により撓まされていた起動ばね部材が元の状態に戻る際のばね力で前記回転対象歯車に回転力を与えることが好ましい。
本発明によれば、自起動時に輪列13に加わる回転力は、起動ばね部材のばね力のみで設定でき、回転力の設定を簡単にかつ精度良く行うことができる。このため、回転対象歯車に適切な回転力を常に与えることができる。
また、起動ばね部材は、巻き戻しロック部材の起動ばね付勢部で付勢され、かつ、この巻き戻しロック部材の係止部が回転対象歯車に係合するため、起動ばね部材の付勢量を常に一定にすることができる。これにより、起動ばね部材の弾性力つまり回転対象歯車に加える力を常に一定にすることができ、輪列を安定してかつ確実に起動することができる。
ここで、前記起動機構は、前記加減算用車に連動して回動する連動車と、前記連動車の回動に伴い揺動する前記巻き戻しロック部材と、前記巻き戻しロック部材の揺動位置を2箇所に規制する起動ジャンパーと、前記起動ばね部材とを備えて構成され、前記連動車は、前記加減算用車が巻き上げ方向に回転した場合には第1方向に回動し、巻き戻し方向に回転した場合には第1方向とは逆方向の第2方向に回動するレバー部を備え、前記レバー部には開口が形成され、前記巻き戻しロック部材は、回動軸が設けられた基部と、前記基部から前記連動車側に延長されて前記連動車のレバー部の開口内に配置される係合軸を有する駆動ばね部と、前記基部から前記回転対象歯車側に延長されて、前記係止部および起動ばね付勢部を有するリセットばね部と、前記基部から前記起動ジャンパー側に延長され、前記起動ジャンパーに係合可能な第1係合凹部および第2係合凹部が形成された位置規制部とを備え、前記駆動ばね部およびリセットばね部は、弾性変形可能に構成されてばね性を備えており、前記巻き戻しロック部材は、前記位置規制部の第1係合凹部が起動ジャンパーに係合するロック解除状態の位置と、前記第2係合凹部が起動ジャンパーに係合する巻き戻しロック状態の位置とに前記回動軸を中心に揺動可能に設けられ、前記駆動ばね部のばね力は、起動ジャンパーのばね力よりも大きく設定され、起動ジャンパーのばね力はリセットばね部のばね力よりも大きく設定されていることが好ましい。
本発明によれば、起動機構を、連動車、巻き戻しロック部材、起動ジャンパー、起動ばね部材で構成しており、部品点数を少なくできるため、組立作業性を向上できる。
特に、巻き戻しロック部材は、駆動ばね部、リセットばね部、位置規制部が一体化されており、かつ、駆動ばね部、リセットばね部、起動ジャンパーのばね力の大きさを前述のとおり設定することで、巻き戻しロック時および起動時に、前記巻き戻しロック部材を瞬間的に移動できる。このため、ぜんまいの巻き上げ、巻き戻し量と、輪列のロックや起動のタイミングとを精度良く設定でき、動作時のバラツキを低減できる。
本発明のぜんまい装置において、前記連動車は、前記加減算用車と噛み合う歯車部と、前記加減算用車とは異なる位置に配置された巻印車と噛み合う歯車部とを備え、前記巻印車には、ぜんまいの巻き上げ量を指示する指示針が取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、起動機構に用いられる連動車を、ぜんまいの巻き上げ量(残量)を指示する指示針(パワーリザーブ針)が取り付けられる巻印車の駆動に兼用できるので、部品点数を少なくできる。また、連動車を備えているので、加減算用車に対する巻印車つまり指示針の配置場所の自由度が高まるため、時計のデザイン性を容易に向上できる。
本発明のぜんまい装置において、前記加減算用車が巻き上げ側に回転して所定の巻き上げ量に対応する巻き上げロック位置に達した際に、前記巻き上げ輪列の回転を規制してぜんまいの巻き上げ動作を停止させる巻き上げロック機構を備えることが好ましい。
本発明によれば、ぜんまいの巻き上げを規制することができるので、ぜんまいを巻き上げすぎて蓄積トルクが非常に大きくなり、ぜんまいから出力されるトルク変動が大きくなってしまうことや、ぜんまいを巻き上げすぎてぜんまいが切断されてしまうことなどの問題発生を防止できる。
本発明のぜんまい装置において、前記巻き上げロック機構は、前記加減算用車に取り付けられたレバーと、前記加減算用車が巻き上げロック位置に達した際に、前記レバーが当接されて加減算用車がそれ以上巻き上げ側に回転することを規制するロックピンとを備えることが好ましい。
本発明によれば、加減算用車のレバーを、ロックピンに当接させるという簡単な構成で巻き上げロック機構を実現できるので、部品点数を減少できる。
本発明の時計は、前記ぜんまい装置と、前記ぜんまい装置の前記輪列に結合された指針と、を有することを特徴とする。
このような本発明の時計によれば、前記ぜんまい装置を備えているので、運針が停止している状態からぜんまいを巻き上げた際に、輪列の回転つまり自起動を迅速に再開できるとともに、時計の製造も容易に行うことができる。
さらに、加減算用車を備えているので、ぜんまいの巻き上げ量(残量)を指示する指示針(パワーリザーブ針)も容易に設置することができる。
第1実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す概略平面図である。 第1実施形態の要部を示す断面図である。 第1実施形態の要部を示す断面図である。 第1実施形態の要部を示す断面図である。 第1実施形態の要部を示す断面図である。 第1実施形態の要部を示す断面図である。 第1実施形態の起動機構を示す平面図である。 第1実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第1実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第1実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第1実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第1実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第2実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す概略平面図である。 第2実施形態の要部を示す断面図である。 第2実施形態の起動機構を示す平面図である。 第2実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第2実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第2実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。 第2実施形態の起動機構の動作を説明するための平面図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係るぜんまい装置としての電子制御式機械時計1の概略を示す平面図、図2〜図6は、その要部の断面図である。
図1〜図6において、電子制御式機械時計1は、香箱車2を備えている。香箱車2は、ぜんまい2A、香箱歯車2B、香箱真2Cおよび香箱蓋2Dからなる。ぜんまい2Aは、外端が香箱歯車2B、内端が香箱真2Cに固定されている。
香箱真2Cは、図示しない回転錘によって回転され、ぜんまい2Aを巻き上げるように構成されている。すなわち、本実施形態の電子制御式機械時計1は、利用者の腕に装着されて姿勢が変化することなどで、回転錘が回転して前記ぜんまい2Aを巻き上げる自動巻きの腕時計である。従って、本実施形態では、回転錘から香箱真2Cまでに設けられる公知の自動巻き機構によってぜんまい2Aに機械エネルギーを蓄積する巻き上げ部3が構成されている。
香箱歯車2Bの回転は、図1,7にも示すように、二番車6へ伝達された後、増速されて三番車7へ、三番車7から四番車8へ、さらに四番車8から順次増速されて五番車9、六番車10、ローター11へと伝達される。そして、二番車6には図示しない筒かなを介して分針が固定され、四番車8には図示しない秒かなを介して秒針が固定されている。また、図示を略すが、筒かなには日の裏車を介して筒車が接続され、この筒車に時針が固定されている。
なお、各車6〜10およびローター11は、地板4および一番受5等で支持されている。なお、地板4の時計表面側には筒車押さえ4Aが配置され、筒車押さえ4Aの時計表面側には図示しない文字板が配置される。
また、各車6〜10によって、ぜんまい2Aの機械エネルギーを指針(時針、分針、秒針)に伝達する輪列13が構成されている。
この電子制御式機械時計1は、図1に示すように、発電機20を備えている。発電機20は、ローター11およびコイルブロック21,22から構成される。ローター11は、ローター磁石11A、ローターかな11B、ローター慣性円板11Cを備えている。このうち、ローター慣性円板11Cは、香箱車2からの駆動トルク変動に対しローター11の回転数変動を少なくするためのものである。
コイルブロック21,22は、各コア23にコイル24をそれぞれ巻線して構成されたものである。
以上の電子制御式機械時計1では、発電機20からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスター整流等からなる整流回路を通して昇圧、整流されて平滑用コンデンサーに充電され、このコンデンサーからの電力で発電機20の回転を制御する図示しない回転制御回路(回転制御手段)を作動させている。なお、回転制御回路としては、発振回路、分周回路、回転検出回路、回転数比較回路、電磁ブレーキ制御手段等を含む集積回路(IC)によって構成され、発振回路には水晶振動子が用いられる。
[加減算用輪列]
この電子制御式機械時計1には、ぜんまい2Aの巻き上げ量および巻き戻し量を加減算する加減算用輪列30が設けられている。
加減算用輪列30は、ぜんまい2Aの巻き上げ時に回転する巻き上げ輪列31と、巻き戻し時に回転する巻き戻し輪列35とを備えている。
巻き上げ輪列31は、香箱真2Cの歯車から順次噛み合う第一遊星伝え車32、第二遊星伝え車33、第三遊星伝え車34、遊星歯車機構40とを備えている。
巻き戻し輪列35は、香箱歯車2Bから順次噛み合う第四遊星伝え車36、第五遊星伝え車37、遊星歯車機構40とを備えている。
[遊星歯車機構]
遊星歯車機構40は、図2に示すように、第1太陽車41と、第2太陽車42と、遊星中間車43と、遊星車44とを備えている。
第1太陽車41は、地板4および一番受5に回転自在に軸支された第1太陽真411と、この第1太陽真411に固定された第1太陽歯車412と、第1太陽真411の筒車押さえ4A側の端部に固定された第1太陽かな413とを備えている。さらに、第1太陽真411には、第1太陽真411と一体に回転する太陽車レバー414が固定されている。
第2太陽車42は、第1太陽車41と同軸に設けられ、第1太陽真411に対して回転自在に取り付けられている。この第2太陽車42は、第2太陽歯車421と、第2太陽かな422とを備えている。
遊星中間車43は、第1太陽車41と同軸に設けられ、第1太陽真411に対して回転自在に取り付けられている。
遊星車44は、遊星中間車43に対して、遊星中間車43の回転中心から偏心した位置に回転自在に取り付けられている。この遊星車44は、遊星中間車43に固定された遊星真441と、この遊星真441に対して回転自在に取り付けられた第1遊星歯車442と、第1遊星歯車442と同軸にかつ一体化された第2遊星歯車443とを備えている。
遊星車44の第1遊星歯車442は第1太陽歯車412と噛み合っており、第2遊星歯車443は第2太陽かな422と噛み合っている。
第2太陽車42の第2太陽歯車421は、図2に示すように、巻き上げ輪列31の第三遊星伝え車34のかな341と噛み合っている。
遊星中間車43は、図3に示すように、巻き戻し輪列35の第五遊星伝え車37のかな371と噛み合っている。
従って、ぜんまい2Aの巻き上げ操作で香箱真2Cが回転すると、その回転トルクは、巻き上げ輪列31の第一遊星伝え車32、第二遊星伝え車33、第三遊星伝え車34を介して第2太陽車42に伝達される。
この際、ぜんまい2Aの巻き上げ時には、香箱歯車2Bは回転が遅くほぼ停止状態の為、巻き戻し輪列35は固定状態とされ、遊星中間車43も固定状態とされる。このため、第2太陽車42が回転すると、遊星車44はその位置から動くことなく回転(自転)する。従って、第1遊星歯車442に第1太陽歯車412が噛み合っている第1太陽車41は、図7に示す巻き上げ時の回転方向Aに回転する。
そして、太陽車レバー414がロックピン415に当接する位置まで第1太陽車41が回転すると、第1太陽車41はそれ以上回転することができなくなる。このため、連動して遊星車44、第2太陽車42、巻き上げ輪列31も回転できず、巻き上げ動作が規制される。従って、前記太陽車レバー414がロックピン415に当接する位置が、巻き上げロック位置となる。
一方、ぜんまい2Aの巻き戻し時には、香箱真2Cが停止しているために、巻き上げ輪列31および第2太陽車42は停止している。
そして、香箱歯車2Bが回転されると、そのトルクは、巻き戻し輪列35を介して遊星中間車43に伝達され、遊星中間車43が回転する。この際、第2遊星歯車443が噛み合っている第2太陽かな422が停止しているため、遊星車44は第2太陽かな422の回りを自転しながら公転する。これにより、第1遊星歯車442に噛み合っている第1太陽歯車412も前記ぜんまい2Aの巻き上げ操作時とは逆方向に回転し、第1太陽車41および太陽車レバー414も逆方向(図7の巻き戻し時の回転方向B)に回転する。
以上のように、遊星歯車機構40において、第1太陽車41は、ぜんまい2Aの巻き上げ時と巻き戻し時とで逆方向に回転する。すなわち、第1太陽車41は、ぜんまい2Aが巻き上げられた場合には、その巻き上げ量に応じて巻き上げ方向Aの回転として加算され、ぜんまい2Aが巻き戻された場合には、その巻き戻し量に応じて反対方向(巻き戻し方向B)の回転とされ、前記巻き上げ方向Aの回転に対して減算される。
従って、第1太陽車41により加減算用車が構成されている。
[巻印中間車(連動車)]
この第1太陽車41の第1太陽かな413には、図7に示すように、巻印中間車50が噛み合っている。
巻印中間車50は、図4に示すように、地板4に固定された回動軸51およびネジ52によって、回動自在に取り付けられている。
巻印中間車50は、図7に示すように、回動軸51に軸支された中央部から3方向に延長された第1歯車部501と、第2歯車部502と、レバー部503とを備え、平面視で略Y字状に形成されている。
第1歯車部501は、前記加減算用車である第1太陽車41側に延長され、先端に第1太陽かな413に噛み合う歯が形成されている。また、巻印中間車50の軸支位置と、第1太陽かな413の時計厚さ方向の位置が異なるため、第1歯車部501の先端側は時計表面側に折曲されている。
第2歯車部502は、図5にも示すように、第1太陽車41とは異なる平面位置に設けられた巻印車55側に延長され、先端に巻印車55に噛み合う歯が形成されている。
巻印車55は、地板4および一番受5に回転自在に支持され、図示略のパワーリザーブ針が取り付けられている。従って、第1太陽車41が巻き上げ方向Aに回転すると、巻印中間車50が巻き上げ時の回転方向(図7における方向C)に回動し、巻印車55は図7において時計回り方向に回動する。第1太陽車41が巻き戻し方向Bに回転すると、巻印中間車50は図7における方向Dに回動し、巻印車55は反時計回り方向に回動する。
これにより、ぜんまい2Aの巻き上げ量に応じて巻印車55およびパワーリザーブ針が回動する。
従って、巻印中間車50によって、加減算用車である第1太陽車41に連動して回動する連動車が構成されている。
レバー部503は、第1歯車部501および第2歯車部502とは異なる方向に延長され、先端側に開口503Aが形成されている。
[起動機構]
電子制御式機械時計1は、第1太陽車41の回転に連動して作動され、輪列13の回転対象歯車である六番車10の六番かな10Aに回転力を与える起動機構60を備えている。
起動機構60は、前記巻印中間車50と、巻き戻しロック部材61と、起動ジャンパー62と、起動部材としての起動ばね部材63とを備える。
[巻き戻しロック部材]
巻き戻しロック部材61は、基部611と、駆動ばね部612と、リセットばね部613と、位置規制部614とを備えている。
基部611は、図4に示す時計部品(おしどり押さえ)64に形成された回動軸641に対して回動自在に取り付けられている。
前記駆動ばね部612、リセットばね部613、位置規制部614は、基部611から3方向に分かれて延長されている。
駆動ばね部612は、基部611から巻印中間車50側に延長されている。その先端には係合軸612Aが形成され、前記レバー部503の開口503A内に配置されている。
この駆動ばね部612は、幅寸法が小さくされて弾性変形可能に構成されている。このため、駆動ばね部612はばね性を備え、力が加わって湾曲された場合には、弾性エネルギーが蓄積され、元の状態に復元しようとする力が発生する。
また、前記係合軸612Aは、開口503Aよりも断面積が小さいため、開口503A内で移動可能に設けられている。
リセットばね部613は、基部611から回転対象歯車である六番車10のかな10A側に延長されている。その先端部には、係止部613Aと、起動ばね付勢部613Bとを備えている。
係止部613Aは、六番かな10Aに係合可能に形成され、六番かな10Aに係合した際には、六番車10の回転不能に係止するものである。
起動ばね付勢部613Bは、リセットばね部613から時計の裏面側に折り曲げられて構成され、係止部613Aが六番かな10Aに係合している際に、起動ばね部材63を所定量付勢してその先端を、六番かな10Aに係合させるものである。
この駆動ばね部612も、幅寸法が小さくされて弾性変形可能に構成されており、ばね性を備えている。このため、駆動ばね部612も、力が加わって湾曲された場合には、弾性エネルギーが蓄積され、元の状態に復元しようとする力が発生する。
位置規制部614は、その先端に第1係合凹部614Aと、第2係合凹部614Bとを備えている。
また、位置規制部614は、幅寸法が大きくされており、幅方向に力が加わっても変形しないように構成されている。すなわち、駆動ばね部612やリセットばね部613とは異なり、位置規制部614はばね性を備えていない。
そして、位置規制部614は、第1係合凹部614Aが起動ジャンパー62に係合する位置と、第2係合凹部614Bが起動ジャンパー62に係合する位置との2箇所の位置に位置決めされる。
[起動ジャンパー]
起動ジャンパー62は、平面略U字状に折曲され、その折曲部分で地板4に軸支されている。起動ジャンパー62の一端側には、前記各凹部614A,614Bの一方に係合する係合部621が形成されている。この係合部621は、前記各凹部614A,614Bに向かって突出する山形に形成され、巻き戻しロック部材61が回動する際には、前記各凹部614A,614B間の突起部614Cが、係合部621の傾斜した側面に当接し、起動ジャンパー62の付勢力に抗して係合部621を押し込むように構成されている。
起動ジャンパー62の他端側は、図6にも示すように、地板4に軸支された固定ピン65に当接されている。固定ピン65の軸は、固定ピン65の平面中心位置から偏心しており、固定ピン65を回すことで、起動ジャンパー62の係合部621の付勢力を調整できる。
そして、一方の凹部614A,614Bに係合部621が係合している状態で、巻き戻しロック部材61を回動する力が働くと、前述の突起部614Cによって係合部621が固定ピン65側に押し込まれる。そして、前述の突起部614Cが係合部621の先端を超えると、前記突起部614Cが係合部621の側面に沿って移動し、他方の凹部614A,614Bに係合部621が係合することになる。
[起動ばね部材]
起動ばね部材63は、板ばねで形成され、その基端部は固定ピン631にかしめにより固定されている。この固定ピン631は、図4にも示すように、地板4に固定されている。
[動作説明]
次に、本実施形態の電子制御式機械時計1におけるぜんまい巻き戻し時および巻き上げ時の動作について、図7〜12に基づいて説明する。
図7は、太陽車レバー414がロックピン415に当接しているため、ぜんまい2Aの巻き上げ停止状態つまりフル巻き状態である。この際、巻き戻しロック部材61は、第1係合凹部614Aが起動ジャンパー62に係合されたロック解除状態の位置に配置されている。このロック解除状態では、前記リセットばね部613の係止部613Aおよび起動ばね部材63は、六番かな10Aから離れており、輪列13の回転を規制していない。
[ぜんまい巻き戻し時の動作]
この状態で運針が進み、ぜんまい2Aが巻き解けていくと、巻き戻し輪列35が回転し、第1太陽車41は、図8に示すように、巻き戻し方向Bに回転する。また、第1太陽車41の第1太陽かな413に噛み合う巻印中間車50は、方向Dに回転する。
この際、巻印中間車50が方向Dに回転しても、レバー部503の開口503Aは係合軸612Aよりも大きいため、図8に示すように、巻き戻しロック部材61はロック解除位置に配置されたままである。
図8の状態からさらにぜんまい2Aが巻き解けていくと、第1太陽車41および巻印中間車50はそれぞれ方向Bおよび方向Dにさらに回転する。
レバー部503が方向Dに移動するため、駆動ばね部612の係合軸612Aは、開口503Aの側面に当接し、レバー部503からの力が加わる。この際、位置規制部614の第1係合凹部614Aが起動ジャンパー62に係合しているため、図9に示すように、巻き戻しロック部材61全体は直ちには回転せず、駆動ばね部612のみが湾曲される。
そして、駆動ばね部612が徐々に湾曲すると弾性エネルギーも徐々に蓄積され、駆動ばね部612は元の状態に戻ろうとする。巻き戻しロック部材61は、駆動ばね部612に蓄積される力で回動軸641を中心に、図9における反時計回り方向に回転しようとする。この駆動ばね部612によって巻き戻しロック部材61に加わる力が、前記起動ジャンパー62の付勢力よりも大きくなると、位置規制部614の突起部614Cは、係合部621の山形の斜面に沿って移動する。
そして、凹部614A,614B間の突起部614Cが係合部621の先端を超えた時点で、図10の実線で示すように、巻き戻しロック部材61は、第2係合凹部614Bが係合部621に係合する位置に瞬間的に移動する。
このため、リセットばね部613の係止部613Aは回転対象歯車である六番かな10Aに係合して回転不能に係止し、起動ばね付勢部613Bは起動ばね部材63を付勢する。
これにより、起動ばね部材63は撓んで、その先端が六番かな10Aに係合する。この際、リセットばね部613の係止部613Aが六番かな10Aに係合するので、起動ばね付勢部613Bの位置も一定となり、起動ばね部材63の撓み量も一定に維持される。
六番かな10Aに係止部613Aが係合すると、六番車10を含む輪列13の回転が停止する。従って、二番車6に噛み合っている香箱歯車2Bも停止し、巻き戻し輪列35も停止するため、第1太陽車41の回転も停止する。
輪列13が停止することで、指針の運針も停止し、発電機20の発電も停止する。このため、利用者は、ぜんまい2Aが所定量まで巻き解けて巻き戻しロックが実行された状態であることを容易に把握できる。
[ぜんまい巻き上げ時の動作]
図10に示すように、巻き戻しロックが実行されて運針が停止していることに気がついた利用者は、通常、ぜんまい2Aの巻き上げ操作を行う。本実施形態では、回転錘を用いた自動巻き時計であるため、時計1を装着した腕を動かすことなどで、回転錘を回転し、ぜんまい2Aを巻き上げる。
ぜんまい2Aの巻き上げを行うと、巻き上げ輪列31が回転し、図11に示すように、第1太陽車41は巻き上げ方向Aに回転し、太陽車レバー414も方向Aに移動する。また、第1太陽車41の回転に連動する巻印中間車50は、巻き上げ時の回転方向Cに回転する。
そして、レバー部503も方向Cに移動するため、駆動ばね部612の係合軸612Aに開口503Aの側面(図11の右側の側面)が当接して力が加わる。この際、位置規制部614の第2係合凹部614Bが起動ジャンパー62に係合しているため、巻き戻しロック部材61全体は直ちには回転せず、駆動ばね部612のみが湾曲される。
そして、駆動ばね部612が徐々に湾曲すると弾性エネルギーも徐々に蓄積され、駆動ばね部612は元の状態に戻ろうとする。巻き戻しロック部材61は、駆動ばね部612に蓄積される力で回動軸641を中心に図11における時計回り方向に回転しようとする。この駆動ばね部612によって巻き戻しロック部材61に加わる力が、前記起動ジャンパー62の付勢力よりも大きくなると、位置規制部614の突起部614Cは、係合部621の山形の斜面に沿って移動する。
そして、突起部614Cが係合部621の先端を超えた時点で、図12の実線で示すように、巻き戻しロック部材61は、第1係合凹部614Aが係合部621に係合する位置に移動する。
このため、リセットばね部613の係止部613Aおよび起動ばね付勢部613Bは、回転対象歯車である六番かな10Aおよび起動ばね部材63から瞬間的に離れる。
このため、起動ばね部材63もそれ自身のばね力で元の位置に戻る。この際、起動ばね部材63の先端は、六番かな10Aの接線方向に移動し、その移動に伴い、六番かな10Aには、矢印方向に機械的な回転力が加わる。この六番かな10Aおよび六番車10の回転に伴い、ローター11が回転するとともに、五番車9、四番車8、三番車7、二番車6等の輪列13を介して各指針が動かされる。
従って、巻き上げ操作が行われて第1太陽車41が所定の位置に達すると、起動ばね部材63による回転力が六番かな10Aに加わり、運針が再開される。具体的には、湾曲した駆動ばね部612に蓄積された弾性エネルギーによって巻き戻しロック部材61を回転しようとする際に、起動ジャンパー62に加わる力が、起動ジャンパー62の付勢力よりも大きくなり、起動ジャンパー62の係合位置が第2係合凹部614Bから第1係合凹部614Aに切り替わる位置に達した際に、運針が再開される。
その後、巻き上げ操作が継続すれば、第1太陽車41および巻印中間車50は、共に巻き上げ時に回転する方向A,Cに回転する。この巻き上げ操作は、太陽車レバー414がロックピン415に当接する状態、つまり図7の状態になった時点で停止する。
このような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)ぜんまい2Aの巻き上げ量および巻き戻し量が加減算される第1太陽車41が巻き戻しロック位置に達した際に、巻き戻しロック部材61で輪列13の回転を規制している。このため、ぜんまい2Aの出力トルクが低下し、輪列が正確に回転できなくなる前に輪列を停止でき、指針の指示が遅れることがなく、指針が運針している間は、正しい時刻を指示することができる。
その上、ぜんまい2Aが巻き解けた状態から、巻き上げ操作を行った際に、ある一定量の巻き上げを行い、加減算用車である第1太陽車41が所定の位置に移動すると、連動車である巻印中間車50を介して巻き戻しロック部材61による輪列13の停止状態が解除される。さらに、その際、回転対象歯車である六番かな10Aには、撓んだ状態で係合していた起動ばね部材63によって、機械的な回転力が加えられ、ローター11および輪列13の回転が再開される。
このように、ぜんまい2Aの巻き上げ時に、機械的な回転力を輪列13に加えることができるので、電子制御式機械時計1を確実に自起動させることができる。
(2)また、起動ばね部材63によって機械的に回転力を加えているため、従来のように、時計の組み立て時に、輪列13の各歯車の噛み合い状態などで自起動を調整する作業を不要にできる。このため、電子制御式機械時計1やぜんまい装置の組立コストを削減できる。
その上、巻き戻しロック部材61や起動ばね部材63は、第1太陽車41に連動して自動的に作動するため、別途、特別な操作を行う必要がなく、操作性が低下することを防止できる。
(3)輪列13には、起動ばね部材63により機械的な回転力を加えるが、この回転力は、起動ばね部材63のばね力のみつまり単独のばねの弾性力のみで設定でき、回転力の設定を簡単にかつ精度良く行うことができる。このため、例えば、六番かな10Aに加える回転力が小さすぎてローター11が回転(起動)しないことや、回転力が大きすぎるといった問題を無くすことができ、適切な回転力を常に与えることができる。
(4)起動機構60は、巻印中間車50、巻き戻しロック部材61、起動ジャンパー62、起動ばね部材63で構成でき、部品点数を少なくでき、組立作業性も向上できる。特に、巻印車55の駆動に用いられる巻印中間車50を、起動機構60の部品として兼用しているので、部品点数をより減少できる。
また、巻き戻しロック部材61は、駆動ばね部612、リセットばね部613、位置規制部614が一体化されており、かつ、駆動ばね部612、リセットばね部613、起動ジャンパー62のばね力が前述の通り設定されているので、巻き戻しロック時および起動時に、前記巻き戻しロック部材61を瞬間的に移動できる。このため、ぜんまい2Aの巻き上げ、巻き戻し量と、輪列のロックや起動のタイミングとを精度良く設定でき、動作時のバラツキを低減できる。
(5)起動ばね部材63による回転力を直径の小さな六番かな10Aに加えているので、起動ばね部材63の長さ方向の係合量を多くでき、起動ばね部材63の先端を六番かな10Aに確実に係合させることができる。さらに、ローター11の1つ手前の六番車10のかな10Aに回転力を加えているので、ローター11を確実に起動することができる。すなわち、起動ばね部材63によってローター11に加わる機械的なトルクは、コギングトルクに比べて十分に大きいため、停止していたローター11を確実に起動(回転)することができる。
また、起動ばね部材63の先端を、六番かな10Aの接線方向つまり回転方向に移動させているので、起動ばね部材63によって六番かな10Aを回転させる際の効率を高くでき、これにより常時安定して起動することができる。
(6)起動ばね部材63はリセットばね部613の起動ばね付勢部613Bで付勢され、かつ、リセットばね部613は係止部613Aが六番かな10Aに係合しているため、起動ばね部材63の付勢量(移動量)を常に一定にすることができる。これにより、起動ばね部材63の弾性力つまり六番かな10Aに加える力を常に一定にすることができ、六番車10やローター11を安定してかつ確実に起動することができる。
(7)ローター11に機械的回転力を加えて起動できるため、コギングトルクがあって起動しにくいコア有りの発電機20を用いることができる。このコア有りの発電機20を用いることができるため、ローター11のローター磁石11Aを小さくでき、かつ耐衝撃性も強くできるため、電子制御式機械時計1を小型にかつ衝撃に強いものにできる。
(8)太陽車レバー414およびロックピン415を用いた巻き上げロック機構を設けているので、ぜんまい2Aを巻き上げすぎてしまうことを防止でき、ぜんまい2Aの出力トルクの変動が大きくなってしまうことや、ぜんまい2Aが切断されてしまうことなどの問題発生を防止できる。その上、前記2つの部品で巻き上げロック機構を実現できるので、部品点数をより減少できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の電子制御式機械時計1Aについて説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
第2実施形態の電子制御式機械時計1Aは、図13に示すように、第1実施形態の電子制御式機械時計1とは、起動機構の構成が相違するだけであり、輪列13、巻き上げ輪列31、巻き戻し輪列35、遊星歯車機構40等の他の構成は同一である。このため、第2実施形態では、起動機構70の構成を中心に説明する。
なお、巻印中間車50Aは、第1実施形態の巻印中間車50に対し、図15に示すように、第1歯車部501、第2歯車部502を備えている点では類似し、レバー部503が無くなった点のみが相違する。従って、第1太陽車41の回転に連動して、巻印車55を回転する機能は、巻印中間車50および巻印中間車50Aで同一である。
ただし、第2実施形態の巻印中間車50Aは、輪列13の自起動や巻き戻しロックには関係していないため、起動機構を構成する部品ではない。
[起動機構]
起動機構70は、図13,14,15に示すように、起動伝えレバー71、起動伝えレバーばね72、起動制御レバー73、起動レバー74、起動ばね部材75を備えて構成されている。
ここで、図14に示すように、一番受5の時計裏面側には回路ブロック81を挟んで回路押さえ板82が設けられている。
一番受5および回路押さえ板82の時計裏面側には、起動伝えレバー71が配置されている。起動伝えレバー71の遊星歯車機構40側の端部には、ピン711が固定されている。このピン711は、太陽車レバー414に当接可能な位置まで延長されている。
なお、第1太陽車41や太陽車レバー414の動作は前記第1実施形態と同じである。そして、第2実施形態では、ぜんまい2Aが所定量巻き戻された際に前記ピン711に当接し、起動伝えレバー71を図15において矢印E側に移動させるように設定されている。
起動伝えレバー71は、遊星歯車機構40の裏面側においては一番受5の裏面に沿って延長され、さらに、時計裏面側に折曲されて回路押さえ板82の裏面側に沿って配置されている。
起動伝えレバー71の中間部には長孔712が形成され、この長孔712には一番受5および回路押さえ板82を通して立設されたガイドピン713が挿通されている。このため、起動伝えレバー71は、長孔712内に配置されたガイドピン713によって、図15における左右方向のみにスライド移動可能に設けられている。
起動伝えレバーばね72は、起動伝えレバー71の裏面側に配置され、前記連結ピン714,715で起動伝えレバー71に一体的に連結されている。起動伝えレバーばね72にも、起動伝えレバー71と同じ長孔722が形成され、前記ガイドピン713が挿通されている。
起動伝えレバーばね72には、U字状に折曲されたばね部721が設けられている。ばね部721の先端は、前記起動ばね部材75を固定する固定ピン751に当接されている。
このばね部721により、起動伝えレバー71および起動伝えレバーばね72は、常時、ピン711が太陽車レバー414に当接する方向、つまり図15において矢印F方向に付勢されている。
起動制御レバー73は、一番受5に立設された軸ピン731に回動自在に取り付けられている。また、起動制御レバー73の一方の端部は、前記連結ピン715により、起動伝えレバー71、起動伝えレバーばね72の端部に回動自在に連結されている。
さらに、起動制御レバー73の他方の端部は、連結ピン732により、起動レバー74に回動自在に連結されている。
起動レバー74は、前記連結ピン732が挿通可能な長孔741と、回路押さえ板82に固定されたガイドピン742が挿通可能な長孔743とを備える。長孔743は、前記長孔741の長手方向にほぼ沿った方向に延長された第1長孔部743Aと、この第1長孔部743Aの長孔741側の端部から斜め方向に延長された第2長孔部743Bとを備え、略L字状に形成されている。
この起動レバー74には、四番車8の歯車に係合可能な爪部745が形成されている。
起動ばね部材75は、前記固定ピン751に基端部が固定され、先端部は起動レバー74の側面に当接されている。起動レバー74において、起動ばね部材75が当接される側面は、前記爪部745に対して長孔743を挟んで配置された側面である。このため、起動ばね部材75は、起動レバー74を、前記爪部745が四番車8側に近づく方向に付勢している。
なお、図14に示すように、起動機構70の時計裏面側には、自動巻き用の回転錘を支持する回転錘受86が配置されている。
[動作説明]
次に、第2実施形態の電子制御式機械時計1Aにおける動作について、図15〜19に基づいて説明する。
図示を略すが、ぜんまい2Aがフル巻き状態で、太陽車レバー414がロックピン415に当接している場合、起動伝えレバー71は、起動伝えレバーばね72のばね力で矢印F側に移動されている。起動伝えレバー71の矢印F側の移動は、ガイドピン713が長孔712に当接する位置で規制されるため、図15に示すように、起動伝えレバー71は、ガイドピン713が長孔712、長孔722の連結ピン715側の端面に当接する位置で静止している。
そして、起動伝えレバー71が図15の位置にあるとき、起動制御レバー73は、連結ピン715が矢印F側に移動しており、連結ピン732は四番車8から最も離れた状態とされている。このため、起動レバー74の爪部745も、四番車8から最も離れた位置とされている。
[ぜんまい巻き戻し時の動作]
運針が進み、ぜんまい2Aが巻き解けていくと、第1太陽車41は、巻き戻し方向Bに回転する。そして、ぜんまい2Aの巻き戻し量が所定量となると、図15に示すように、太陽車レバー414がピン711に当接する。
さらに、第1太陽車41が巻き戻し方向Bに回転すると、太陽車レバー414によってピン711が押され、図16に示すように、起動伝えレバー71は、起動伝えレバーばね72のばね力に抗して矢印E側に移動する。
すると、図16に示すように、起動制御レバー73は軸ピン731を中心に反時計回り方向(図16の矢印Gの方向)に回転する。これに伴い、起動レバー74は、ガイドピン742に案内されて図16において左側に移動する。
さらに、第1太陽車41および太陽車レバー414が巻き戻し方向Bに回転し、起動伝えレバー71が矢印E側に移動すると、図17に示すように、起動制御レバー73がさらに反時計回り方向(図17の矢印Gの方向)に回転し、起動レバー74はガイドピン742が長孔743の折曲部に位置する状態まで移動する。
図17の状態になると、起動ばね部材75によって起動レバー74が付勢されているので、図18に示すように、ガイドピン742が第2長孔部743Bを移動し、起動レバー74は、四番車8側に移動する。
このため、起動レバー74の爪部745は、四番車8の歯に係合する。
起動レバー74の爪部745が四番車8に係合すると、輪列13が停止し、香箱歯車2B、巻き戻し輪列35も停止する。従って、第1太陽車41、巻印中間車50A、巻印車55も停止し、パワーリザーブ針も停止する。
輪列13が停止することで、指針の運針も停止し、発電機20の発電も停止する。このため、利用者は、ぜんまい2Aが所定量まで巻き解けて巻き戻しロックが実行された状態であることを容易に把握できる。
[ぜんまい巻き上げ時の動作]
運針が停止していることに気がつくと、利用者は回転錘を回転し、ぜんまい2Aを巻き上げる。
ぜんまい2Aの巻き上げを行うと、巻き上げ輪列31が回転し、第1太陽車41は巻き上げ方向Aに回転し、図19に示すように、太陽車レバー414も巻き上げ方向Aに移動する。
このため、起動伝えレバー71は、起動伝えレバーばね72のばね力で矢印F側に移動し、起動制御レバー73は軸ピン731を回転軸に時計回り方向に回転する。
この際、起動レバー74は起動ばね部材75で付勢されているので、ガイドピン742は第2長孔部743Bの端部に配置されている。このため、起動レバー74は、ガイドピン742を回転軸として、図19における時計回り方向に回転する。従って、起動レバー74の爪部745は、四番車8の歯に係合したまま、四番車8の接線方向に移動し、四番車8に機械的な回転力が加わる。
この四番車8の回転に伴い、輪列13が駆動してローター11が回転するとともに、各指針が動かされる。
従って、巻き上げ操作が行われて第1太陽車41が所定の位置に達すると、起動伝えレバー71、起動制御レバー73、起動レバー74が移動、回転し、起動レバー74の爪部745による回転力が四番車8に加わり、運針が再開される。
その後、巻き上げ操作が継続すれば、第1太陽車41は、巻き上げ時に回転する方向に回転する。すると、起動制御レバー73がさらに時計回り方向に回転し、起動レバー74を図19において右斜め下方に移動する。このため、爪部745は四番車8の歯から離れる。この際、ガイドピン742は、第2長孔部743Bから第1長孔部743Aに移動し、図15の状態に戻る。
この巻き上げ操作は、第1実施形態と同じく、太陽車レバー414がロックピン415に当接する状態になった時点で停止する。
以上のように、本実施形態では、加減算用車である第1太陽車41の回転に連動する起動伝えレバー71、起動伝えレバーばね72、起動制御レバー73、起動レバー74、起動ばね部材75を備えた起動機構70によって、巻き戻しのロックと、巻き上げ時の起動とが行われる。このため、起動機構70により、本発明の巻き戻しロック部材と、起動部材とが構成されていることになる。
このような第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる上、次のような効果も得られる。
(2−1)すなわち、ぜんまい2Aが巻き解けた状態から、巻き上げ操作を行い、加減算用車である第1太陽車41が所定の位置に移動すると、起動部材である起動伝えレバー71、起動制御レバー73、起動レバー74が連動して作動し、四番車8に係合していた爪部745が移動して四番車8に機械的な回転力が加えられ、ローター11および輪列13の回転が再開される。
このように、ぜんまい2Aの巻き上げ時に、機械的な回転力を輪列13に加えることができるので、電子制御式機械時計1を確実に自起動させることができる。
(2−2)また、起動レバー74の爪部745で四番車8に機械的に回転力を加えているため、従来のように、時計の組み立て時に、輪列13の各歯車の噛み合い状態などで自起動を調整する作業を不要にできる。このため、電子制御式機械時計1やぜんまい装置の組立コストを削減できる。
(2−3)輪列13には、起動レバー74により機械的な回転力を加えるが、この回転力は、起動レバー74の爪部745の移動量のみで設定でき、回転力の設定を簡単にかつ精度良く行うことができる。このため、例えば、四番車8に加える回転力が小さすぎてローター11が回転(起動)しないことや、回転力が大きすぎるといった問題を無くすことができ、適切な回転力を常に与えることができる。
(2−4)起動レバー74の爪部745は、ぜんまい2Aが巻き戻された際の巻き戻しロック時には前記四番車8に係合して輪列13を停止し、ぜんまい2Aが巻き上げられた際の自起動時には四番車8に機械的な回転力を与えて輪列13を回転している。すなわち、本実施形態では、起動機構70の起動レバー74は、巻き上げロック部材と起動部材とを兼用しているので、ロック動作と自起動動作とを確実に連動させることができる。
なお、本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、起動機構60、70の構成は、前記各実施形態のものに限定されず、巻き上げ量および巻き戻し量を加減算する加減算用車に連動し、加減算用車が所定の巻き戻しロック位置に達した際には輪列の回転を規制してロック状態とし、そのロック状態から加減算用車が巻き上げ方向に回転した際には、前記ロックを解除し、かつ、輪列に回転力を加えるものであればよい。
また、加減算用輪列30の具体的構成は、前記実施形態に限らず、遊星機構を組み込むことなどで、巻き上げ輪列からの入力と、巻き戻し輪列からの入力とを加減算して加減算用車に出力できるものであればよい。
また、巻き上げロック機構としては、前記太陽車レバー414およびロックピン415を用いたものに限らず、例えば巻き上げ輪列31に直接係合してロックするような構成でもよい。
さらに、巻き上げ輪列31の回転を規制する巻き上げロック機構は必ずしも設けなくてもよい。この場合は、例えば、回転錘から香箱真2Cに回転力を伝達する巻き上げ機構側に、一定以上のトルクをぜんまい2Aで伝達しないように滑り機構を設けてもよい。
また、前記実施形態では、回転錘でぜんまいを巻き上げていたが、竜頭操作で巻き上げる手巻き機構を用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、巻印車55およびパワーリザーブ針を設けていたが、これらの構成を省略してもよい。
また、第1実勢形態では、巻き戻しロック部材61を駆動する巻印中間車50で、巻印車55も回転していたが、巻き戻しロック部材61を駆動する連動車と、巻印車55を回転する巻印中間車とを別々に設けてもよい。
本発明は、電子制御式機械時計1,1Aに限らず、ガンギ車、アンクル、テンプ等を備える機械式時計に適用してもよい。
また、本発明のぜんまい装置としては、時計に限定されるものではなく、ぜんまいを駆動源とする玩具、例えばぜんまい駆動のミニカーや、オルゴールなどでもよい。
1,1A…電子制御式機械時計、2A…ぜんまい、2B…香箱歯車、2C…香箱真、11…ローター、13…輪列、20…発電機、30…加減算用輪列、31…巻き上げ輪列、35…巻き戻し輪列、40…遊星歯車機構、41…第1太陽車(加減算用車)、50…巻印中間車(連動車)、55…巻印車、60…起動機構、61…巻き戻しロック部材、62…起動ジャンパー、63…起動ばね部材、70…起動機構、71…起動伝えレバー、72…起動伝えレバーばね、73…起動制御レバー、74…起動レバー、75…起動ばね部材、414…太陽車レバー、415…ロックピン、503…レバー部、503A…開口、612…駆動ばね部、612A…係合軸、613…リセットばね部、613A…係止部、613B…起動ばね付勢部、614…位置規制部、614A…第1係合凹部、614B…第2係合凹部、614C…突起部、621…係合部、711…ピン、743…長孔、742…ガイドピン、743A…第1長孔部、743B…第2長孔部、745…爪部。

Claims (7)

  1. ぜんまいに蓄積された機械エネルギーで輪列を駆動するように構成されたぜんまい装置において、
    前記ぜんまいの巻き上げ量と巻き戻し量とを加減算し、その加減算した量に応じて回転する加減算用車を有する加減算用輪列と、
    前記加減算用車の回転に連動して作動され、前記輪列に回転力を与える起動機構とを備え、
    前記起動機構は、
    前記加減算用車が巻き戻し側に回転して所定の巻き戻しロック位置に達した際には、前記輪列の歯車に係合してその回転を規制し、前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際には、前記歯車の回転を規制する位置から移動して前記輪列の回転規制を解除する巻き戻しロック部材と、
    前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際に、前記輪列の回転対象歯車に機械的に回転力を与えて前記輪列を回転させる起動部材とを備える
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  2. 請求項1に記載のぜんまい装置において、
    前記起動部材は、前記回転対象歯車に係合可能な起動ばね部材により構成され、
    前記巻き戻しロック部材は、前記加減算用車が巻き戻しロック位置にある際に、前記回転対象歯車に係合してその歯車の回転を停止可能な係止部と、この係止部が前記回転対象歯車に係合している際に、前記起動ばね部材を付勢して撓ませた状態で前記回転対象歯車に係合させる起動ばね付勢部とを備え、
    前記加減算用車が前記巻き戻しロック位置から巻き上げ側に回転した際には、前記巻き戻しロック部材は、前記係止部が回転対象歯車から離れてその歯車の回転規制を解除するとともに、前記起動ばね部材の付勢を解除し、
    前記起動ばね部材は、前記起動ばね付勢部による付勢が解除された際には、前記起動ばね付勢部により撓まされていた起動ばね部材が元の状態に戻る際のばね力で前記回転対象歯車に回転力を与える
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  3. 請求項2に記載のぜんまい装置において、
    前記起動機構は、
    前記加減算用車に連動して回動する連動車と、
    前記連動車の回動に伴い揺動する前記巻き戻しロック部材と、
    前記巻き戻しロック部材の揺動位置を2箇所に規制する起動ジャンパーと、
    前記起動ばね部材とを備えて構成され、
    前記連動車は、前記加減算用車が巻き上げ方向に回転した場合には第1方向に回動し、巻き戻し方向に回転した場合には第1方向とは逆方向の第2方向に回動するレバー部を備え、前記レバー部には開口が形成され、
    前記巻き戻しロック部材は、
    回動軸が設けられた基部と、
    前記基部から前記連動車側に延長されて前記連動車のレバー部の開口内に配置される係合軸を有する駆動ばね部と、
    前記基部から前記回転対象歯車側に延長されて、前記係止部および起動ばね付勢部を有するリセットばね部と、
    前記基部から前記起動ジャンパー側に延長され、前記起動ジャンパーに係合可能な第1係合凹部および第2係合凹部が形成された位置規制部とを備え、
    前記駆動ばね部およびリセットばね部は、弾性変形可能に構成されてばね性を備えており、
    前記巻き戻しロック部材は、前記位置規制部の第1係合凹部が起動ジャンパーに係合するロック解除状態の位置と、前記第2係合凹部が起動ジャンパーに係合する巻き戻しロック状態の位置とに前記回動軸を中心に揺動可能に設けられ、
    前記駆動ばね部のばね力は、起動ジャンパーのばね力よりも大きく設定され、起動ジャンパーのばね力はリセットばね部のばね力よりも大きく設定されている
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  4. 請求項3に記載のぜんまい装置において、
    前記連動車は、前記加減算用車と噛み合う歯車部と、前記加減算用車とは異なる位置に配置された巻印車と噛み合う歯車部とを備え、
    前記巻印車には、ぜんまいの巻き上げ量を指示する指示針が取り付けられている
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のぜんまい装置において、
    前記加減算用車が巻き上げ側に回転して所定の巻き上げ量に対応する巻き上げロック位置に達した際に、前記巻き上げ輪列の回転を規制してぜんまいの巻き上げ動作を停止させる巻き上げロック機構を備える
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  6. 請求項5に記載のぜんまい装置において、
    前記巻き上げロック機構は、前記加減算用車に取り付けられたレバーと、前記加減算用車が巻き上げロック位置に達した際に、前記レバーが当接されて加減算用車がそれ以上巻き上げ側に回転することを規制するロックピンとを備える
    ことを特徴とするぜんまい装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のぜんまい装置と、
    前記ぜんまい装置の前記輪列に結合された指針と、を有することを特徴とする時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018096976A (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス パワーリザーブを検出する機械式計時器用ムーブメント
JP2020128952A (ja) * 2019-02-12 2020-08-27 セイコーエプソン株式会社 時計

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