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JP2011162154A - 高揚力発生装置、翼、スラット - Google Patents

高揚力発生装置、翼、スラット Download PDF

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JP2011162154A
JP2011162154A JP2010030075A JP2010030075A JP2011162154A JP 2011162154 A JP2011162154 A JP 2011162154A JP 2010030075 A JP2010030075 A JP 2010030075A JP 2010030075 A JP2010030075 A JP 2010030075A JP 2011162154 A JP2011162154 A JP 2011162154A
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slat
main wing
front edge
plate body
wing
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JP2010030075A
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Kensuke Hayashi
賢亮 林
Kenya Ishihara
賢哉 石原
Yusaku Yahata
勇作 八幡
Makoto Hirai
誠 平井
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Mitsubishi Aircraft Corp
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Mitsubishi Aircraft Corp
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Abstract

【課題】機体重量の増加を抑制しつつ、空力騒音の発生を抑制することができる高揚力発生装置、翼を提供することを目的とする。
【解決手段】スラット3の下面において後方に延びる下面板7に、凹凸部20を有し、スラット3の表面に沿って流れる気流が下面板7から剥離して渦を生成する位置が、気流の方向において不均一になるようにした。これにより、凹部20Aで生じた渦と、凸部20Bで生じた渦とで、互いの相関が短く、渦同士が繋がりにくく独立した渦となるので、生成された渦の強さが弱く、物体表面での圧力変動も軽減され、空力音の発生を抑える。
【選択図】図2

Description

航空機における空力騒音の発生を抑制するのに適した高揚力発生装置、翼、スラットに関する。
航空機が離着陸時に発生する騒音は、空港周辺環境にとって大きな問題となっている。このような騒音としては、エンジンから発生するエンジン騒音や、高揚力装置(例えばスラットやフラップ等)や脚などから発生する空力騒音などが挙げられる。
上記騒音の発生源の一つである高揚力装置に関しては、航空機の離着陸時に必要な空力特性を得るための装置であるため、空力特性を重視した設計がなされている一方で、騒音低減を考慮した設計はなされていなかった。
しかし、上述のように騒音が大きな問題となっていることから、高揚力装置に関しても騒音低減の取り組みがなされている。例えば、高揚力装置であるスラットから発生する騒音の低減を図る技術などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、スラットにおける母翼と対向する凹部に、膨張および収縮の可能な風船を配置する技術が記載されている。このようにすることで、スラットが母翼から展開された(離間した)際に、風船を膨張させて凹部を埋めることにより、凹部に起因する流れの乱れによる空力騒音の発生を抑制する。なお、上述の凹部は、スラットが母翼に収納された(母翼と接触した)際に、母翼の先端との干渉を避ける空間を形成するためのものである。
米国特許第6394396号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、母翼に対してスラットを接近離間させる機構の他に、上述の風船を膨張および収縮させる機構をスラット又は母翼などの内部に配置する必要があった。スラット又は母翼などの内部には空間的な余裕が少なく、このような機構を配置するには、構造的(空間的)に問題があった。
特に、上述の風船を膨らませるためには、高圧空気を風船に送り込む必要がある。この高圧空気を確保するためには、専用の圧縮機を備えるか、エンジンから高圧空気を導く配管等を備える必要があった。このような機構を配置するには、構造的(空間的)に問題があった。
さらに、これらの機構を追加することにより、航空機の機体重量が増大するというという問題があった。
また、スラットを格納した状態において、風船を母翼とスラットとの間に収容するための空間が必要であるが、特に小型機や中型機においては、そのような空間の確保が困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、小型機や中型機であっても、機体重量の増加を抑制しつつ、空力騒音の発生を抑制することができる高揚力発生装置、翼を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の高揚力発生装置は、母翼の前縁部に沿って配置され、母翼の前縁部に近接した位置と、前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットと、スラットの下面板に連続して一体に設けられ、後方に向けて延びるとともに、スラットが母翼の前縁部に近接した状態では、スラットと母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、板体の後端部に形成され、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、空力音抑制部は、母翼の前縁部が連続する翼幅方向において、板体の後端部からの渦の剥離位置を不均一化して相関の短い渦とするため、スラット下面に設けられた板体から後方に突出する凸部と、凸部に対して前方に凹となる凹部とが、翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とする。
ここで、凸部および凹部は、半円形、矩形、三角形状のいずれかとすることができる。もちろん、これ以外の形状とすることもできる。
また、板体の後端部に、後方に向けて延びる短冊状の短冊部が、翼幅方向に互いに間隔を隔てて配列されることで、凹部と凸部とを形成しても良い。
このように、スラット下面に設けられた板体から後方に突出する凸部と、凸部に対して前方に凹となる凹部とを、翼幅方向に交互に形成することで、母翼の前縁部が連続する翼幅方向において板体の後端部からの渦の剥離位置を凸部と凹部とで不均一化して相関の短い渦とすることができる。その結果、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦の強さが弱まり、板体表面の圧力変動が軽減される。このような効果により、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって発生する空力音を抑制することができる。
また、本発明は、母翼の前縁部に沿って配置され、母翼の前縁部に近接した位置と、前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットと、スラットの下面板に一体に設けられ、後方に向けて延びるとともに、スラットが母翼の前縁部に近接した状態では、スラットと母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、板体の後端部に形成され、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、空力音抑制部は、板体の上下を貫通し、スラットおよび板体の下面に沿って流れる気流の一部を、板体の上方に通過させる気流通過部を有していることを特徴とする高揚力発生装置とすることもできる。
気流通過部は、板体に複数形成された孔、またはスリットとすることができる。
このような構成によれば、スラットおよび板体の下面に沿って流れる気流の一部が、気流通過部を通過して板体の上方に流れる。これにより、境界層の剪断力が低下し、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦の強さが弱まり、板体表面の圧力変動が軽減される。このような効果により、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって発生する空力音を抑制することができる。
また、本発明は、母翼と、請求項1から6のいずれか一項に記載の高揚力発生装置と、を備えることを特徴とする翼とすることもできる。
本発明は、航空機の母翼の前縁部に沿って配置され、母翼の前縁部に近接した位置と、前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットであって、スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、スラットが母翼の前縁部に近接した状態では、スラットと母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、板体の後端部に形成され、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、空力音抑制部は、母翼の前縁部が連続する翼幅方向において、板体の後端部からの渦の剥離位置を不均一化して相関の短い渦とするため、スラットから後方に突出する凸部と、凸部に対して前方に凹となる凹部とが、翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明は、航空機の母翼の前縁部に沿って配置され、母翼の前縁部に近接した位置と、前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットに装着される空力音抑制部材であって、スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、スラットが母翼の前縁部に近接した状態では、スラットと母翼との間を塞ぐように設けられる板体の後端部に形成され、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流に生成される渦による空力音を抑制するため、母翼の前縁部が連続する翼幅方向において、スラットから後方に突出し、板体の後端部からの渦の剥離位置を互いに異ならせる凸部と、凸部に対して前方に凹となる凹部とが、翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とする空力音抑制部材とすることもできる。
本発明によれば、板体の後端部に形成された空力音抑制部により、スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流によって生成される渦の強さが弱くなり、物体表面での圧力変動も軽減され、空力音の発生が抑えられる。
このような空力音抑制部は、スラットに新たな付加物を設けることなく、既存の下面板の一部を構成する板体に空力音抑制部を形成するのみで実現できることから、スラットの機能や強度、整備性、信頼性等に影響を与えることがなく、しかも低コストである。
本実施の形態における翼の構成を示す断面図である。 スラットの斜視図である。 スラットに備えた凹凸部の複数の例を示す図である。 凹凸部の無いスラットにおける渦の発生状況を示す図であり、(a)は断面図、(b)はスラットを下方から見た状態の図である。 第一の実施形態におけるスラットにおける渦の発生状況を示す図であり、(a)は断面図、(b)はスラットを下方から見た状態の図である。 第二の実施形態におけるスラットに備えた気流通過部の複数の例を示す図である。 第二の実施形態のスラットにおける渦の発生状況を示す図であり、(a)は断面図、(b)はスラットを下方から見た状態の図である。 下面板にシール部材を備えた翼の構成を示す断面図である。 スラットの防氷機構を備えた翼の構成を示す断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1に示すように、航空機の翼1には、母翼2と、スラット(高揚力発生装置)3と、が設けられている。なお、図1において左方が航空機の飛行方向(進行方向)であり、左方を前方、右方を後方として説明を行う。
スラット3は、母翼2の前縁部2aに沿って配置されている。母翼2の内部にはスラット3を収納および展開する駆動機構(図示せず)が設けられている。
なお、上述の母翼2およびスラット3のみから翼1を構成してもよいし、母翼2の後縁にフラップ等の他の高揚力発生装置を配置してもよく、特に限定するものではない。
翼1を備えた航空機が巡航状態にある場合には、図1(a)に示すように、スラット3は母翼2に収納される。スラット3が収納された状態では、スラット3が母翼2の前縁部2aに近接し、母翼2とスラット3とがほぼ一体となって翼1を構成する。
翼1を備えた航空機が着陸態勢に入ると、着陸時に必要となる空力特性を実現するため、母翼2からスラット3が、図1(b)に示すように展開される。具体的には、スラット3は、翼1が失速を起こす迎角を増大させる、つまり大きな迎角まで失速させないように展開される。スラット3が展開された場合には、スラット3は母翼2の前縁部2aから斜め前方に下がり、母翼2とスラット3との間に間隔が形成される。なお、離陸時と着陸時とではスラット3を展開する程度が異なり、離陸時と比較して着陸時の方がスラット3はより大きく展開されることもある。
このようなスラット3は、外皮4と、COVE(凹部)5とから形成されている。
外皮4は、気流の上流側端部である前縁4aに連続して、気流が沿って流れる上面4bおよび下面4cが形成されている。上面4bは、前縁4aから滑らかに繋がる面であり、下面4cよりも母翼2側に突出して延びるように形成されている。下面4cは前縁4aから滑らかに繋がる面を形成し、下流側の端部には下流側に向けて突出する下面板(板体)7が一体に形成されている。
COVE5は、スラット3における母翼2と対向する領域に形成された凹部であって、スラット3が収納された際に母翼2の前縁部2aが収納される部分であり、中心軸線CLに対して直交する面5aと、母翼2の上面に対向し、外皮4の上面4bに漸次近づく対向面5bとから構成されている。なお、COVE5は、上述の構成に限られることなく、一つの曲面から構成されたものであってもよく、特に限定するものではない。
下面板7は、下面4cとCOVE5とが交わる稜線部13から母翼2に向かって延びる板状の部材であり、下面4cに連続して外皮4と一体に固定状態で形成されている。この下面板7は、例えば、アルミニウム合金、CFRP、GFRP、ステンレス鋼等によって形成することができる。
さて、図2に示すように。下面板7の後縁側には、母翼2の前縁部2aが連続する方向において連続する凹凸部(空力音抑制部、空力音抑制部材)20が形成されている。例えば図3(a)に示すように、母翼2の前縁部2aが連続する方向に沿って、半円状の凹部20Aと半円状の凸部20Bとが交互に連続して形成されることで、凹凸部20が構成されている。
このような凹凸部20においては、以下のような作用効果を奏する。
すなわち、図4(a)に示すように、凹凸部20のない従来からのスラット100の場合、スラット展開時には、スラット100の表面に沿って気流が流れると、下面において境界層が形成される。そして、下面板7の下流端で剥離した気流は、境界層の厚さ相当の渦を生成する。このとき、図4(b)に示すように、生成される渦は、スラット100のスパン方向(母翼2が連続する方向)の全域で相関の長い二次元的なものとなる。このような相関の長い渦は渦が強く、物体表面に大きな圧力変動を誘起し、空力音(騒音)を発生させる。
また、スラット100の下面で生成された渦は、スラット100の後端と母翼2との間からスラット100と母翼2との間に入り込み、スラット100のCOVE5に衝突する際に、渦が変形したり崩壊して、COVE5の特に対向面5bに圧力変動を誘起し、空力音を発生させる。
一方、図5に示すように、凹凸部20を有する場合、スラット展開時には、スラット3の表面に沿って流れる気流は、下面板7の下流端で剥離し、境界層の厚さ相当の渦を生成するが、凹凸部20により、下面板7から剥離して渦を生成する位置が、気流の方向において不均一となる。凹部20Aの下流端で生じた渦Aと、凸部20Bの下流端で生じた渦Bのように、渦の発生位置が異なるため、互いの相関は短く、渦同士が繋がりにくい独立した渦となる。その結果、渦の強さが弱く、物体表面での圧力変動も軽減され、空力音の発生が抑えられる。また、このように下面板7の下流側における渦の発生が抑制できるため、スラット3の後端と母翼2との間からスラット3と母翼2との間に渦が入り込むのを抑制し、スラット3のCOVE5に衝突する際に生じる空力音も発生を抑制できる。
このように、空力音低減に対して非常に効果的な凹凸部20は、スラット3に新たな付加物を設けることなく、既存の下面板7に凹凸部20を形成するのみで実現できることから、スラット3の機能や強度、整備性、信頼性等に影響を与えることがなく、しかも低コストである。また、スラット3の格納時にも、凹凸部20が母翼2に衝突することなく、スラット3の動作構造も何ら変更する必要がない。
また、このような凹凸部20を備えたスラット3は、既存の航空機の翼1に対しても、スラット3の交換により容易に装着でき、低コストで上記効果を得ることができる。
凹凸部20は、図3(a)に示した以外の他の形状とすることもできる。
例えば、図3(b)に示すように、三角形状の凸部を複数連続して設けることで、三角形状の凹部20Cと凸部20Dとを交互に連続させて凹凸部20を構成することもできる。
また、図3(c)に示すように、矩形状の凹部20Eと凸部20Fとを交互に連続させて凹凸部20を構成することもできる。
図3(d)に示すように、気流方向に沿って伸びる櫛歯板状の突起(短冊部)20Gを、翼幅方向に一定間隔ごとに配列することで、凹凸部20を形成することもできる。
さらに、凸部20B、20D、20F、突起20Gの突出寸法、凹部20A、20C、20Eの深さ寸法は、翼幅方向において統一させることが必須ではなく、互いに異ならせることも可能である。
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態を示す。ここで、以下で説明する第二の実施形態と上記第一の実施形態との相違は、下面板7のみであり、翼1の他の構成については上記第一の実施形態と共通する。したがって、以下においては、本実施形態における下面板7の構成についてのみ説明し、上記第一の実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。
図6に示すように、スラット3の下縁から後方に延びる下面板7の後端には、下面板7の下面に沿って流れる気流の境界層におけるせん断力を抑制するせん断力抑制部(空力音抑制部、空力音抑制部材)30が形成されている。
図6(a)に示すように、せん断力抑制部30としては、下面板7の後端部に、下面板7の上下を貫通する多数の孔を有したメッシュ部(気流通過部)31を形成することができる。このメッシュ部31は、多数の線材を網状に組むことで形成されたメッシュ材を用いることができる。
また、図6(b)に示すように、メッシュ部31に代えて、下面板7の上下を貫通する多数の孔(気流通過部)32aが板材32bに配列形成された、いわゆるパンチングメタル材32をせん断力抑制部30として設けることもできる。
この他、図6(c)に示すように、気流方向に沿って伸びる多数の線材(気流通過部)33を、母翼2の前縁部2aが連続する方向に一定間隔ごとに配列してブラシ状とすることで、せん断力抑制部30を構成することもできる。
図6(d)に示すように、下面板7の後端部に、下面板7の上下を貫通する多数のスリット(気流通過部)34aを有したスリット部34を形成することができる。
図7(a)、(b)に示すように、このようなせん断力抑制部30においては、メッシュ部31、パンチングメタル材32、線材33、スリット部34において、下面板7の下面から上面へと気流の一部が通過するため、これによって、下面板7の下面に沿って流れる気流の境界層におけるせん断力が低下する。
スラット3の展開時には、スラットの表面に沿って流れる気流は、下面板7の下流端で剥離し、境界層の厚さ相当の渦を生成するが、せん断力抑制部30においては、下面板7の下面に沿って流れる気流の境界層におけるせん断力を抑制することができる。その結果、発生した渦の強さが弱く、物体表面での圧力変動も軽減され、空力音の発生が抑えられる。
このように、空力音低減に対して非常に効果的なせん断力抑制部30は、スラット3に新たな付加物を設けることなく、既存の下面板7にせん断力抑制部30を形成するのみで実現できることから、スラット3の機能や強度、整備性、信頼性等に影響を与えることがなく、しかも低コストである。また、スラット3の格納時にも、せん断力抑制部30が母翼2に衝突することなく、スラット3の動作構造も何ら変更する必要がない。
なお、上述した第一および第二実施形態においては、下面板7に凹凸部20、せん断力抑制部30を形成する構成としたが、図8に示すように、下面板7の後端部に下面板7と母翼2との隙間を狭めるシール部材40が設けられている場合、このシール部材40に凹凸部20、せん断力抑制部30を形成することもできる。このシール部材40は、例えばゴム系材料、CFRP、GFRP、ステンレス鋼、アルミニウム合金等により形成することもできる。このような材料から形成されるシール部材40は、既存のスラット3に対し、後付けで装着することも可能である。
また、上記において、凹凸部20、せん断力抑制部30として複数の具体例を示したが、同様の機能を発揮できるのであれば、上記した以外の構成を採用することもできる。
また、スラット3は、スラット3への着氷を防止するための、防氷機構を備えることもできる。防氷機構の一例を図9に示す。図9に示す防氷機構は、スラット3の内部に、暖気を供給するチューブ50を備えている。チューブ50は、熱源により加熱されたエアを、スラット3の翼幅方向に送給し、間隔を隔てて設けられた複数の吹き出し孔51からエアをスラット3の前縁の内側に向けて吹き出すものである。吹き出されたエアは、外部へ流出させる必要があり、図9に示すような防氷機構では、排気口52をスラット3のCOVE5の対向面5bに設け、エアをスラット3と母翼2との間の空間を流し、スラット3の下面板7の後端と母翼2との隙間から外部へ流出させている。
この防氷機構を設けたスラット3に対しては、本発明の上記実施形態の凹凸部20、せん断力抑制部30をエアの流出路の一部として機能させることもできる。すると、別途エア排出口を設ける必要がなくなる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1…翼、2…母翼、2a…前縁部、3…スラット(高揚力発生装置)、4…外皮、4a…前縁、4b…上面、4c…下面、5…COVE(凹部)、7…下面板(板体)、13…稜線部、20…凹凸部(空力音抑制部、空力音抑制部材)、20A、20C、20E…凹部、20B、20D,20F…凸部、20G…突起(短冊部)、30…せん断力抑制部(空力音抑制部、空力音抑制部材)、31…メッシュ部(気流通過部)、32…パンチングメタル材、32a…孔(気流通過部)、33…線材(気流通過部)、34…スリット部、34a…スリット(気流通過部)、100…スラット

Claims (9)

  1. 母翼の前縁部に沿って配置され、前記母翼の前記前縁部に近接した位置と、前記前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットと、
    前記スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、前記スラットが前記母翼の前記前縁部に近接した状態では、前記スラットと前記母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、
    前記板体の後端部に形成され、前記スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流に生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、
    前記空力音抑制部は、前記母翼の前記前縁部が連続する翼幅方向において、前記板体の後端部からの前記渦の剥離位置を不均一にさせるため、前記スラットから後方に突出する凸部と、前記凸部に対して前方に凹となる凹部とが、前記翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とする高揚力発生装置。
  2. 前記凸部および前記凹部は、半円形、矩形、三角形状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高揚力発生装置。
  3. 前記板体の後端部に、後方に向けて延びる短冊状の短冊部が、前記翼幅方向に互いに間隔を隔てて配列されることで、前記凹部と前記凸部とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高揚力発生装置。
  4. 母翼の前縁部に沿って配置され、前記母翼の前記前縁部に近接した位置と、前記前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットと、
    前記スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、前記スラットが前記母翼の前記前縁部に近接した状態では、前記スラットと前記母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、
    前記板体の後端部に形成され、前記スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流に生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、
    前記空力音抑制部は、前記板体の上下を貫通し、前記スラットおよび前記板体の下面に沿って流れる気流の一部を、前記板体の上方に通過させる気流通過部を有していることを特徴とする高揚力発生装置。
  5. 前記気流通過部は、前記板体に複数形成された孔であることを特徴とする請求項4に記載の高揚力発生装置。
  6. 前記気流通過部は、前記板体に複数形成されたスリットであることを特徴とする請求項4に記載の高揚力発生装置。
  7. 母翼と、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の高揚力発生装置と、
    を備えることを特徴とする翼。
  8. 航空機の母翼の前縁部に沿って配置され、前記母翼の前記前縁部に近接した位置と、前記前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットであって、
    前記スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、前記スラットが前記母翼の前記前縁部に近接した状態では、前記スラットと前記母翼との間を塞ぐように設けられる板体と、
    前記板体の後端部に形成され、前記スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流に生成される渦による空力音を抑制する空力音抑制部と、を備え、
    前記空力音抑制部は、前記母翼の前記前縁部が連続する翼幅方向において、前記板体の後端部からの前記渦の剥離位置を互いに異ならせるため、前記スラットから後方に突出する凸部と、前記凸部に対して前方に凹となる凹部とが、前記翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とするスラット。
  9. 航空機の母翼の前縁部に沿って配置され、前記母翼の前記前縁部に近接した位置と、前記前縁部から前方に離間した位置との間で移動可能に設けられたスラットに装着される空力音抑制部材であって、
    前記スラットの下面板に連続して一体に形成され、後方に向けて延びるとともに、前記スラットが前記母翼の前記前縁部に近接した状態では、前記スラットと前記母翼との間を塞ぐように設けられる板体の後端部に形成され、前記スラットの下面に沿って進行方向前方から後方に流れる気流に生成される渦による空力音を抑制するため、前記母翼の前記前縁部が連続する翼幅方向において、前記スラットから後方に突出し、前記板体の後端部からの前記渦の剥離位置を互いに異ならせる凸部と、前記凸部に対して前方に凹となる凹部とが、前記翼幅方向に交互に形成されていることを特徴とする空力音抑制部材。
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