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JP2011159878A - 異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料 - Google Patents

異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料 Download PDF

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JP2011159878A JP2010021517A JP2010021517A JP2011159878A JP 2011159878 A JP2011159878 A JP 2011159878A JP 2010021517 A JP2010021517 A JP 2010021517A JP 2010021517 A JP2010021517 A JP 2010021517A JP 2011159878 A JP2011159878 A JP 2011159878A
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Abstract

【課題】金属として地球上の可採レベルの高い元素(クラーク数の大きい元素)を使用して又は少なくともクラーク数の小さい金属元素の使用量を低下させて材料自体は耐摩耗性が低いと考えられていた材料であっても特定の処理によって耐摩耗性を向上し得る摺動材料の製造方法を提供する。
【解決手段】反反応により磁性体に変態する弱磁性材料を出発材料として用意する工程と、該材料に外場を付与し固化成形することで構成材料の配向した成形体を得る工程と、該配向状態にある材料を反応により磁性体へ変態させる反応工程とを含み、得られた配向成形体の摺動特性の異方性に応じた摺動方向で使用し得る異方性摺動部材の製造方法、および前記の製造方法によって得られる異方性摺動部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料に関し、さらに詳しくは反応により磁性体に変態する弱磁性材料を出発材料とする異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料に関する。
なお、弱磁性とは磁性を担う電子スピン間の相互作用が弱く、スピンの自発的配向がない場合の弱い磁性をいい、強磁性に対する語である。具体的には常磁性または反磁性をいう。
情報産業等で用いられる高記録密度の磁気記録媒体の代表的な例である薄膜型磁気記録媒体は、通常、磁気金属又はその合金をメッキ、蒸着又はスパッタリング法等によって非磁性基板上に積層して製造される。実際の使用時においては磁気ヘッドと磁気記録媒体とが高速で接触摺動するので、摩耗損傷を受けたり、磁気特性の劣化を起こしたりする。
この磁気ヘッドと磁気記録媒体との高速での接触摺動に起因する摩耗損傷や磁気特性の劣化の問題を解決する手段として、磁気抵抗素子と磁気抵抗素子が埋め込まれたガード部材とを有する磁気ヘッドを用いる技術が知られている。この場合、磁気抵抗素子の表面とガード部材の表面とによって、磁気テープが摺動する平滑な摺動面が形成される。ガード部材の役割は、磁気テープを傷付けることなく再生信号や記録信号のS/N比の劣化を防止することである。
このため、ガード部材としては、硬度と耐摩耗性の高い材料が用いられている。具体的には、例えば複合材料であるアルミナ・チタンカーバイド(Al-TiC)が用いられることが多い。しかしながら、Al-TiCはアルミナ部分がチタンカーバイド部分よりも多く摩耗するため、Al/TiC間に段差が生じ摺動面に凹凸が発生する。このため、磁気テープが傷つき、記録信号が欠落したりS/N比が劣化したりすることがあり、ガード部材の耐摩耗性を均一化する提案がされている。
例えば、特許文献1には、ガード部材としてNi−Znフェライト又はαヘマタイト(α−Fe)を用いた磁気ヘッドが記載されている。そして、このNi−Znフェライト又はαヘマタイトは単結晶材料若しくは多結晶材料であることが記載されているが、異方性の材料については記載されていない。
一方、異方性材料として、特許文献2に、弱磁性材料を出発材料とし外場を付与して配向させ、磁性体へ変態させる反応工程により得られる異方性磁性材料が記載されている。そして、この磁性材料としてα−Feが記載されているが、この異方性磁性材料の耐摩耗性については記載されていない。
特開2003−59009号公報 特開2009−188044号公報
しかし、一般に、酸化鉄系材料であるNi-Znフェライト、ヘマタイトは、高硬度セラミック材料であるAl-TiCに比べて耐摩耗性が低く、耐摩耗性の向上が必要である。一方、産業界においては、金属として地球上の可採レベルの高い元素(クラーク数の大きい元素)を使用した又は少なくともクラーク数の小さい金属元素の使用量を低下させた材料を提供することが求められている。
従って、本発明の目的は、金属として地球上の可採レベルの高い元素(クラーク数の大きい元素)を使用して又は少なくともクラーク数の小さい金属元素の使用量を低下させて材料自体は耐摩耗性が低いと考えられていた材料であっても特定の処理によって耐摩耗性を向上し得る摺動材料の製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、金属として地球上の可採レベルの高い元素(クラーク数の大きい元素)を使用して又は少なくともクラーク数の小さい金属元素の使用量を低下させて、材料自体は耐摩耗性が低いと考えられていた材料であっても特定の処理によって耐摩耗性を向上し得る摺動材料を提供することである。
本発明は、反応により磁性体に変態する弱磁性材料を出発材料として用意する工程と、該材料に外場を付与し固化成形することで構成材料の配向した成形体を得る工程と、該配向状態にある材料を反応により磁性材料へ変態させる反応工程とを含み、得られた配向成形体の摺動特性の異方性に応じた摺動方向で使用し得る異方性摺動部材の製造方法に関する。
また、本発明は、前記の製造方法によって得られる異方性摺動部材に関する。
本発明における異方性摺動部材における異方性とは、後述の実施例の欄に詳細に説明される方法によって測定される成形体の耐摩耗性を示す摩擦摩耗試験後の摩耗痕断面積跡から求められる異方性度が10以上であることを意味する。
また、本発明においてトポタクチック(変態)反応とは、出発物質の性状(例えば、粒子の配向など)を維持したまま、生成物(得たい物質)に変化させる反応である。このトポタクチック(変態)反応自体は公知の反応であり、セラミックの配向性付与等に利用する例が知られている。
本発明によれば、金属として地球上の可採レベルの高い元素(クラーク数の大きい元素)を使用して又は少なくともクラーク数の小さい金属元素の使用量を低下させて材料自体は耐摩耗性が低いと考えられていた材料であっても耐摩耗性を向上した摺動部材を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、金属成分としてクラーク数の大きい金属を使用して耐摩耗性を向上した摺動材料を得ることができる。
図1は、ヘマタイトの耐摩耗性を比較したグラフである。 図2は、配向ヘマタイトの面方向を示す模式図である。 図3は、材料の配向制御バルク化のモデル図である。 図4は、材料から磁性体に変態させる反応工程の1実施態様のゲーサイト配向体からヘマタイト配向体への変態を示すモデル図である。 図5は、試料のサンプリングプロファイル測定箇所を示す模式図である。 図6は、試料の摩擦係数平均値を比較したグラフである。 図7は、試料の摩擦係数の経時変化を比較したグラフである。 図8は、配向試料のSide面でのS2方向の耐摩耗性測定時の相手ボール材の摩耗痕写真の写しである。 図9は、配向試料のSide面の中央から+0.25mm位置でのS2方向の耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図10は、配向試料のSide面の中央位置でのS2方向の耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。
図11は、配向試料のSide面の中央から−0.25mm位置でのS2方向の耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図12は、配向試料のSide面でのS1方向の耐摩耗性測定時の相手ボール材の摩耗痕写真の写しである。 図13は、配向試料のSide面の中央から+0.25mm位置でのS1方向の耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図14は、配向試料のSide面の中央位置でのS1方向の耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図15は、配向試料のSide面の中央から−0.25mm位置でのS1方向耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図16は、配向試料のTop面での耐摩耗性測定時の相手ボール材の摩耗痕写真の写しである。 図17は、配向試料のTop面の中央から+0.25mm位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図18は、配向試料のTop面の中央位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図19は、配向試料のTop面の中央から−0.25mm位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図20は、無配向試料の耐摩耗性を測定時の相手ボール材の摩耗痕写真の写しである。
図21は、無配向試料の面の中央から+0.25mm位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図22は、無配向試料の面の中央位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図23は、無配向試料の面の中央から−0.25mm位置での耐摩耗性測定時のディスク材摩耗痕解析用写真の写しおよび摩耗痕断面積測定結果を示すグラフである。 図24は、配向試料のSide面のS2方向の摩擦係数測定結果を示すグラフである。 図25は、配向試料のSide面のS1方向の摩擦係数測定結果を示すグラフである。 図26は、配向試料のTop面の摩擦係数測定結果を示すグラフである。 図27は、無配向試料の面の摩擦係数測定結果を示すグラフである。 図28は、試料のナノインデンテーション硬度測定結果を比較して示すグラフである。 図29は、試料のビッカース硬度測定結果を比較して示すグラフである。 図30は、試料のヤング率測定結果を比較して示すグラフである。
本発明の実施態様においては、反応により磁性体に変態する弱磁性材料、例えばα−FeOOHを出発材料として用意する工程と、該材料に外場を付与し固化成形することで、構成材料の配向した成形体を得る工程と、該配向状態にある材料を前記反応により磁性体材料、例えばα−Feへ変態させるトポタクチック(変態)反応工程とを含み、得られた配向成形体の摺動特性の異方性に応じた摺動方向で使用し得る異方性摺動部材を得ることができる。
以下、本発明について、図1〜図4を用いて説明する。
図1を参照すると、本発明の実施態様の異方性摺動部材である配向ヘマタイトは、図2に示すS1方向の面、S2方向の面およびT方向の面(Top面)のうち、S1方向の面での摩耗断面積(例えば、9μm)が、S2方向の面での摩耗断面積(例えば、1565μm)およびT方向の面での摩耗断面積(例えば、762μm)と比べて小さく、それぞれ1/174以下、1/85以下であり、S1方向の面での耐摩耗性に関して特異的異方性を有している。このS1方向の面での摩耗断面積(例えば、9μm)は、無配向品の摩耗断面積(例えば、786μm)と比較しても小さく、1/87以下である。
本発明の実施態様によれば、α−FeOOHを出発材料として耐摩耗性が低いと考えられていた材料であっても、図2に示すS1方向の面での特異的に良好な耐摩耗性に着目して摺動部材として用いることによって、容易に耐摩耗性を向上し得る摺動部材として提供することが可能となる。
以下、本発明の各工程について、本発明の1実施態様のナノ材料の配向・配列制御によるバルク化のモデル図である図3を用いて説明する。
図3に示すように、反応により磁性体に変態する弱磁性材料を出発材料として用意する工程である工程Aと、該材料に外場を付与することで材料の構成材料を配向させる配向工程である工程Bよって、配列制御された弱磁性材料のバルク体を得る。
前記の摺動部材としては、単一金属を含むものであってもよく又は2種類以上の金属を含むものであってもよいが、単一金属を含む場合の物質としてはFe、Feなどの酸化鉄、CoO、CoOなどの酸化コバルト、2種類以上の金属を含む場合の物質として、例えば、Fe にMnO、ZnO、NiO、MgO、CuO、Li O等を組み合わせたフェライト、例えばNiO−MnO−ZnO−Fe 、MnO−ZnO−Fe 、NiO−ZnO−Fe 等のスピネル型フェライト、ガーネット型フェライト、スピネル型(立方晶)のγ−Fe 、γ−Fe 等を挙げることができる。なかでも、好適にはα−Fe、Fe、γ−Feなど、特にα−Feが挙げられる。また、摺動部材は単一形状のものであってもよいが、2種類以上の形状のものであってよい。
前記の出発材料としては、摺動部材が酸化鉄あるいは酸化コバルトである場合にはFeOOH、Fe(OH)や、Co(OH)などが挙げられ、好適にはFeOOHが挙げられる。また摺動部材がフェライトである場合は前記鉄成分以外の金属酸化物を与える出発物質としてはそれら金属の水酸化物、ヒドロキシ炭酸塩などが挙げられる。前記の材料は、外部磁場により配向可能であるために結晶磁気異方性を有することが必要である。形状は任意の形状でよい。
前記の出発原料が鉄系化合物である場合、弱磁性材料のゲーサイト:α−FeOOHを出発物質とし、脱水工程によってヘマタイト:α−Feを得ることができる。
前記の材料から磁性体への変態の例として、特に材料としてのゲーサイト:α−FeOOHから弱い強磁性材料であるヘマタイト:α−Feへの変態を好適に挙げることができる。
前記の工程において、材料に外場を付与することで材料の構成材料を配向させる配向工程と、該配向状態にある材料を前記反応により磁性体に変態させる反応工程とを組み合わせることが必要であり、外部磁場によって材料が容易に回転して配向し得る条件を選択することが必要となる。
前記の条件を満足させるために、材料としてのナノ粒子を分散させた溶媒混合物であるスラリーによって液相中での配向制御工程を用意することができる。
前記の溶媒混合物の溶媒としては、粒子と反応しない溶媒であれば水または非水溶媒で特に制限はなく、通常は安定したスラリーの調製しやすさから水、メタノール、エタノール、水/メタノール混合液、水/エタノール混合液、好適には水を用いる。
また、前記の材料を分散させた溶媒混合物スラリー中には、粒子間の凝集を防止するため界面活性剤を含有させることが好ましい。
前記の界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤の多種にわたるものが適用できる。
前記の材料、溶媒および界面活性剤を含む溶媒混合物によって均一なスラリーを形成することが好ましい。
前記の方法において、前記の材料、好適には前記のスラリー中の材料に、前記図3の工程Bに示すように、外部磁場を付与することで材料の構成材料を配向させる。
この配向工程は、例えば外部磁場の印加方向が重力方向(重力に平行な方向)である磁場中でスリップキャストしてゲーサイト成形体とし得る。
前記の材料は容器中に用意される。容器としては、外部磁場によって影響を受けない物質から形成されているものであれば特に制限はなく、例えば樹脂製、セラミック製又はガラス製の容器が挙げられる。
前記の方法において、材料に外部磁場を付与することで材料の構成材料を配向させることが必要であり、そのため、例えば容器中の材料を含む溶媒混合物に外部磁場を加えて配向させた材料を、堆積、バルク化して配向成形体として取得する必要がある。
前記の材料の構成材料を配向させた配向成形体として取得する方法としては、外場を加えつつ材料の配向と堆積、バルク化を同時に行う方法が好ましく、このような条件を満足できる方法としては、例えば外部磁場を加えつつスリップキャストや電気泳動などによって堆積、バルク化を行う方法を挙げることができる。
また、前記の方法において、外部磁場を加えつつ材料の配向と堆積、バルク化を同時に行う場合、磁場と堆積、バルク化手段としてのスリップキャストとの組合せが簡便であり好適である。
このため、例えば、溶媒を分離可能な容器を使用し、磁場によって配向させた材料を含む溶媒混合物から材料の堆積、バルク化を達成することによって、材料の配向成形体を得ることが好ましい。
前記の材料の配向成形体は、外部から力を加えない限り形状保持性を有するが比較的脆いバルク体であって、ナイフやカッターなどによって切断して容易に所望の形状のバルク成形体に成形することができる。
前記の方法の好適な態様において、材料を含む溶媒混合物であるスラリー中の溶媒は、スラリーを設置している溶媒を分離可能な容器によって吸収される。この時の吸収速度は大きすぎては非磁性材料粒子の配向度を低下させ、吸収速度が小さ過ぎては固化成形時間がかかりすぎるので、適した速度となるように容器の細孔径、細孔密度を調整することが好ましい。このため、前記容器としては多孔性容器、例えば、石こうやアルミナ多孔体などの容器を用いることが好ましい。そして、多孔性容器を使用するとともに孔径の決ったフィルターを適宜選定・利用することが好ましい。また、多孔性基板上にフィルターを置き、その上にガラスまたは樹脂製の円筒容器を設置する形態とすることもできる。
また、磁場の磁界強度が強過ぎると材料粒子同士又は粒子と磁場を与えるマグネットとの磁気的相互作用が大きくなり均一な成形体を得ることが困難となり、従ってバルク成形体に成形することが困難になる。また磁界強度が弱すぎては、材料粒子を配向させることができない。磁界強度は磁場を印加する間一定でもよく徐々に増大させてもよい。好適な磁界条件としては、均一な成形体を得ることが可能である、従ってバルク成形体に成形することが可能である条件である。磁界強度の目安としては1T以上10T未満、特に1.5T以上8T以下であることが好ましい。また、磁場を加える場合、磁界の方向については特に制限がなく任意の方向であり得るが、例えば重力の方向に対して反対方向(地面に対して垂直方向)であってもよくあるいは重力の方向に対して直角方向(地面に平行方向)であってよい。
外場として磁場を用いて、前記の材料粒子を回転・配向させる駆動力(磁化エネルギー)は次式で表される。
ΔE=ΔχVB/2μ
但し、Δχ:磁化率の異方性
V:体積
B:磁場強度
μ:真空の透磁率
そして、粒子が配向するための配向条件は、下記の関係にある場合である。
ΔE>kT
kT:熱振動エネルギー
前記の外場として磁場を、堆積、バルク化の方法としてのスリップキャストとを組合せて用い、さらに、前記の材料としてFeOOH粒子を使用することが好ましく、磁場の強さは1T(テスラ)以上7T未満、特に1.5〜6.5T以下であることが好ましい。
次いで、配向状態にある配向成形体の材料を反応により磁性体へ変態させる。
この磁性体へ変態させる反応工程を、材料から磁性体に変態させる反応工程の1実施態様のゲーサイト配向体からヘマタイト配向体への変態を示すモデル図である図4を用いて説明する。
図4の左図において、針状ゲーサイト粒子は横に寝た状態である。一方、図4の右図において、焼成後のヘマタイトは板状となっている。
このゲーサイト配向体から焼成後のヘマタイト配向体への変態によって、図4に示すように粒子の形骸は失われるが、粒子の配向で示される異方性が得られる。
この配向状態にある材料を磁性体に変態させる反応としては、例えば、加熱による脱水反応が挙げられる。
前述のように、このトポタクチック(変態)反応自体は公知の反応であるが、従来公知の技術と異なる点は、予め配向された材料に適用する点と、適用される材料が変態後に磁性体とすることによって摺動特性に異方性を有する部材が得られることである。
前記の材料の磁性体へ変態させる反応、例えば、加熱による脱水反応は、使用する弱磁性材料によって適宜選択することができ、例えば出発原料として材料が反磁性のα−FeOOHの場合には250〜300℃以上の温度、好適には焼結体の得られる900〜1500℃、特に粒成長により配向度が向上する1100〜1200℃で加熱することが好ましい。
前記の脱水反応は配向状態の弱磁性材料からなる配向成形体をそのまま又は切断、積層などの任意の加工法によって板材あるいは立方体などの任意の形状に成形した後、耐熱性容器、例えばアルミナなどの任意の耐熱材料製の容器中で空気の存在下に脱水が完了する温度・時間で反応を行って磁性体へ変態させて、配向制御バルク成形体である異方性摺動部材を得ることができる。あるいは、前記の反応後に、さらに磁性体を任意の加工法によって任意の形状に成形して配向制御バルク成形体として異方性摺動部材を得ることも可能である。
本発明によって得られる異方性摺動部材は新規な材料であり、配向制御した機械的強度の大きいバルク構造体を得ることができる。
本発明によれば、構造体についての耐摩耗性試験による摩耗痕断面積で図2に示すSide面の2方向で異方性を示す摺動部材からなる配向制御構造体を得ることができる。
本発明における異方性摺動部材は、後述の実施例の欄に詳細に説明されるように成形体の耐摩耗性を示す耐摩耗性試験による摩耗痕断面積の下記により求められる異方性度が10以上、特に50以上である場合をいう。
異方性度=摩耗痕断面積(S1)/摩耗痕断面積(S2)
摩耗痕断面積(S1):配向試料についての耐摩耗性試験での最も大きい摩耗痕断面積
摩耗痕断面積(S2):配向試料についての耐摩耗性試験での最も小さい摩耗痕断面積
本発明によって得られる配向部材は、配向しているため方向によってトライボロジー特性が異なる。このため、例えば磁気ヘッドのガイド部材の一定方向に摺動する分野に適用すると好適である。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の各例において、材料の物性評価を以下の測定法によって行った。なお、以下に示す方法は例示であって、同等の他の測定法を採用し得ることは当然である。
1.トライボロジー特性評価方法
イ.耐摩耗性
1)試験方法
CSM Instruments社製トライボメーター(製品番号S/N:12−170)を用いて摩擦摩耗試験を行った。測定方法は以下の通りである。図5に試料のプロファイル測定箇所を示す。
スタート⇒ トライボメーターで一定距離摺動させる⇒ 試料の摩耗痕のプロファイルを3箇所測定する⇒ ボール摩耗痕の長さを測定する⇒ 終了
2)試験条件
測定条件
往復距離:2.0mm、速度:5.0cm/sec、荷重:5.0N
往復回数:4000サイクル
相手材
材質:Al、形状:Ball、直径:6.35mm、供給元:ナノテック株式 会社
3)試験環境
温度:22〜24℃、湿度:40〜50%
4)測定内容
i.相手ボール材摩耗痕の光学顕微鏡写真
ii.試料摩耗痕の光学顕微鏡写真と断面解析
試料摩耗痕は、中央部、中央部から±0.25mmの位置の3ラインでの測定結果を示す。
ロ.硬度およびヤング率
ナノインデンテーション法により、硬度(インデンテーション硬度、ビッカース硬度)およびヤング率を評価した。
1)試験方法
CSM Instruments社製 Nano Indentation Testersー(製品番号S/N:02−02877)を用いて硬さ試験を行った。圧子は、ベルコビッチ圧子(B−J81)を用いた。測定条件を以下に示す。
アプローチスピード:1000nm/min
デルタスロープコンタクト:50%
最大荷重:50mN
荷重速度:100mN/min
アンローディング速度:100mN/min
ポーズ:20sec
硬さの算出には、ISO14577規格のインデンテーションハードネス(Oliver & Pharr 計算方法)を用いた。また、ビッカース硬さはインデンテーションハードネスから換算した値である。
2)試験条件
温度:22〜24℃、湿度:40〜50%
ハ.磁性
ゲーサイト成形体およびヘマタイト焼成体の構造について、TOPとは重力に垂直な、従って地面に平行な面を示し、SIDE面とは重力に平行な面を示す。
ヘマタイト焼成体について、成形体のTOP面およびSIDE面についてVSM測定(振動試料型磁力計:Vibrating Sample Magnetometer System)により、装置としてLake Shorc社製のVSM測定装置を用いて磁性体であることの確認を行った。
実施例1
1.弱磁性材料を出発材料として用意する工程
チタン工業株式会社製のゲーサイト(商品名:LEMON、形状:棒状、平均長さ800nm、アスペクト比は1:5〜1:10の範囲内)16g、東亞合成株式会社製の界面活性剤(商品名:アロンA6114)0.2g、イオン交換水36gをそれぞれ秤量し、混合、超音波ホモジナイザーにより分散し、安定なスラリーを調製した。
2.弱磁性材料の構成材料を配向させる配向工程
アルミナ多孔体の上にフィルター(メンブレンシート)を敷き、この上にガラス製円筒を設置し、円筒内に前記のゲーサイト粒子を分散させたスラリーを流し込んだ。これを超伝導マグネットの中に設置し、円筒の下から上方向への磁界(B)方向で磁界強度6Tにて磁場を加えつつ、室温(20〜25℃)で一晩静置し固化させて、ゲートサイト配向成形体を得た。
この成形体自体は切断して任意の形状に加工可能であり、脆く強い力を加えるとボロボロと崩れる。
3.磁性体へ変態させる反応工程
前の工程で得られた固化配向成形体を空気中で焼成した。焼成温度は1200℃、焼成時間は2時間で行った。この熱処理によって、ゲーサイトからヘマタイトへの構造変化が生じた。得られたヘマタイトは銀色をしていた。
4.配向構造体の評価
このヘマタイト配向焼成体から物性測定用試料、例えばVSM測定用には最終形状が2mm×2mm×2mmの立方体を切出した。得られたヘマタイト配向焼成体(配向構造体)の磁気特性をVSMにより評価し、磁性体であることを確認した。
また、成形体について前述の測定法により耐摩耗性試験を行った。結果を図8〜図19に示す。また、比較例1の結果とまとめて図1に示す。
また、得られた成形体について摩擦係数、ナノインデンテーション硬度、ビッカース硬度およびヤング率の測定を行った。結果をまとめて図24〜図26、及び図28〜図30に示す。
図1から、前述の摺動部材の異方性度を以下の式から求めると1/174である。
異方性度=摩耗痕断面積(S1)/摩耗痕断面積(S2)=174
摩耗痕断面積(S1):配向試料についての耐摩耗性試験での最も大きい摩耗痕断面積
摩耗痕断面積(S2):配向試料についての耐摩耗性試験での最も小さい摩耗痕断面積
つまり、S1方向の摩耗量がS2方向の摩耗量の1/174である。
比較例1
磁場を加えなかった(図中では0Tで表示)他は実施例1と同様にして、ゲーサイトの成形体を得た。
このゲーサイトの成形体を用いた他は実施例1と同様にして、1200℃で2時間焼成を行って、ヘマタイト焼成体を得た。
得られたヘマタイト焼成体は、磁場なしで成形しているため、焼成体に配向が見られない。
また、成形体について前述の測定法により耐摩耗性試験を行った。結果を図20〜図24に示す。また、実施例1の結果とまとめて図1に示す。
また、得られた成形体について摩擦係数、ナノインデンテーション硬度、ビッカース硬度およびヤング率の測定を行った。結果をまとめて図27、及び図28〜図30に示す。
以上の結果から、実施例1で得られた部材は、異方性トライボロジー特性を有する配向ヘマタイトであり、Side面(ab面)における摩擦摩耗特性に大きな異方性が認められ、S1方向での耐摩耗性はS2方向の耐摩耗性の174倍であり、また従来公知の摺動部材である無配向ヘマタイトの87倍にも達する耐摩耗性を有して、摩擦係数においてもS1方向の摩擦係数(0.477)がS2方向の摩擦係数(0.598)よりも20%低く、また従来の摺動部材である無配向品の摩擦係数(0.718)よりも34%低減されている。また、配向ヘマタイトは、硬度、ヤング率においても配向ヘマタイトのS面(ab面)はT面(c面)よりも約5%高く、また無配向品よりも約10%高い。このように、配向ヘマタイト(特にS面、その中でもS1方向)は従来の材料に比べて、極めて優れたトライボロジー特性、すなわち硬く、低摩擦で、摩耗しにくいという配向異方性摺動部材としての特性を有している。
本発明によれば、大量に存在する金属材料を用いて従来公知の磁気ヘッドを大幅に凌駕するトライボロジー特性を有しており、磁気ヘッドのガード部材への適用が可能であり、また、一方向とその垂直方向において異方性トライボロジー特性が求められるCVT材料(プーリ/ベルト)などの機械部品やMESなどのあらゆるトライボロジー材料への適用が可能である。

Claims (4)

  1. 反応により磁性体に変態する弱磁性材料を出発材料として用意する工程と、該材料に外場を付与し固化成形することで構成材料の配向した成形体を得る工程と、該配向状態にある材料を反応により磁性体へ変態させる反応工程とを含み、得られた配向成形体の摺動特性の異方性に応じた摺動方向で使用し得る異方性摺動部材の製造方法。
  2. 前記反応が、トポタクチック(変態)反応である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記材料がα−FeOOHであり、前記摺動部材がα−Feを含む請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法によって得られる異方性摺動部材。
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