JP2011149390A - 過給機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い回転安定性を備える過給機を提供すること。
【解決手段】本発明は、所定の軸方向で延びるタービン軸31を回転自在に支持する軸受62,63を軸受ハウジング3内に有する過給機であって、軸受ハウジング3に設けられ軸受62,63が挿入される孔部71を備えた軸受保持部61と、軸受保持部61の外側で軸受63の一端面82と軸方向で対向する位置に設けられる軸受対向部86を備えた軸受押さえ64とを有する、という構成を採用する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、所定の軸方向で延びるタービン軸31を回転自在に支持する軸受62,63を軸受ハウジング3内に有する過給機であって、軸受ハウジング3に設けられ軸受62,63が挿入される孔部71を備えた軸受保持部61と、軸受保持部61の外側で軸受63の一端面82と軸方向で対向する位置に設けられる軸受対向部86を備えた軸受押さえ64とを有する、という構成を採用する。
【選択図】図2
Description
本発明は、過給機に関するものである。
特許文献1には、内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを利用して、内燃機関に圧縮した空気を供給し、内燃機関の性能を向上させる過給機が開示されている。過給機の内部には、回転翼であるタービンインペラ及びコンプレッサインペラが設置されている。これらのインペラは軸部材であるタービン軸の両端部にそれぞれ一体的に接続され、タービン軸は過給機の軸受ハウジングに所定の軸受を介して回転自在に支持されている。内燃機関から導かれる排気ガスの流動によりタービンインペラが回転し、タービン軸を介して連結されるコンプレッサインペラが回転する。コンプレッサインペラの回転により外部から導入される空気を圧縮することができる。
タービンインペラは高速で回転するため、タービン軸を支持する軸受には、高速の回転に耐える耐久性と、回転に伴って生じる振動等を抑制できる高い回転安定性とを備えることが求められている。軸受としては、例えばすべり軸受が用いられる。すべり軸受は、タービン軸の外周面を囲んで設けられる円筒状の部材であり、軸受ハウジングに設けられた円筒状の軸受保持部(いわゆる嵌め輪)の内側に設置され、タービン側及びコンプレッサ側にそれぞれ設けられている。すべり軸受の内外周面側には、いずれも僅かな隙間が形成され、その隙間内に潤滑油が充填されている。また、タービン軸の軸方向ですべり軸受が移動しないように、上記軸方向でのすべり軸受の両端部には例えばCリング状の規制部材が設けられている。
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような課題が存在する。
上記軸方向でのすべり軸受の移動を規制するための、Cリング状の規制部材は、円筒状の軸受保持部の内側に設けられている。そのため、一対の軸受の間隔を拡げることが難しいという課題があった。特に、過給機を小型化した場合には、上記軸方向での軸受ハウジングやタービン軸の長さが短くなる。そのため、一対の軸受の間隔が狭くなり、振動の抑制性能や回転の安定性が低下してしまうという課題があった。
上記軸方向でのすべり軸受の移動を規制するための、Cリング状の規制部材は、円筒状の軸受保持部の内側に設けられている。そのため、一対の軸受の間隔を拡げることが難しいという課題があった。特に、過給機を小型化した場合には、上記軸方向での軸受ハウジングやタービン軸の長さが短くなる。そのため、一対の軸受の間隔が狭くなり、振動の抑制性能や回転の安定性が低下してしまうという課題があった。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、高い回転安定性を備える過給機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、所定の軸方向で延びるタービン軸を回転自在に支持する軸受を軸受ハウジング内に複数有する過給機であって、軸受ハウジングに設けられ軸受が挿入される孔部を備えた軸受保持部と、軸受保持部の外側で軸受の一端面と軸方向で対向する位置に設けられる軸受対向部を備えた軸受押さえとを有する、という構成を採用する。
本発明では、軸受の設置位置は従来よりも、軸受保持部における孔部の端部側に向かって変位する。
本発明は、所定の軸方向で延びるタービン軸を回転自在に支持する軸受を軸受ハウジング内に複数有する過給機であって、軸受ハウジングに設けられ軸受が挿入される孔部を備えた軸受保持部と、軸受保持部の外側で軸受の一端面と軸方向で対向する位置に設けられる軸受対向部を備えた軸受押さえとを有する、という構成を採用する。
本発明では、軸受の設置位置は従来よりも、軸受保持部における孔部の端部側に向かって変位する。
また、本発明は、軸受押さえが軸方向で軸受保持部と対向する対向面を備え、軸受対向部が対向面のうち軸方向で孔部と対向する領域である、という構成を採用する。
また、本発明は、軸受ハウジングがタービン軸を中心とする第2孔部を備え、軸受押さえがタービン軸を周方向に囲んで設けられる環状の部材であり且つ第2孔部に嵌入して保持される、という構成を採用する。
また、本発明は、軸受押さえが軸受保持部とタービン軸の軸方向での移動を規制するスラスト軸受との間に保持される、という構成を採用する。
また、本発明は、軸受押さえがタービン軸を周方向に囲んで設けられる環状の板部材であり且つ所定の締結部材を用いて軸受保持部に固定される、という構成を採用する。
また、本発明は、軸受押さえがタービン軸及び軸受の潤滑に用いられた潤滑油を排出する排出路を備える、という構成を採用する。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、軸受の設置位置は従来よりも、軸受保持部における孔部の端部側に向かって変位する。そのため、複数の軸受の間隔を拡げることができ、振動の抑制性能を向上させ、高い回転安定性を得ることができるという効果がある。
本発明によれば、軸受の設置位置は従来よりも、軸受保持部における孔部の端部側に向かって変位する。そのため、複数の軸受の間隔を拡げることができ、振動の抑制性能を向上させ、高い回転安定性を得ることができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を、図1から図6を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、各図面における矢印Fは前方向を示すものとする。
本実施形態に係る過給機1の構成を、図1を参照して説明する。
図1は、過給機1の全体的な構成を示す断面図である。
過給機1は、不図示の内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを利用して外部から導入される空気を圧縮し、圧縮した空気を内燃機関に供給することで、内燃機関の性能を向上させるものである。過給機1は、タービンハウジング2と、軸受ハウジング3と、コンプレッサハウジング4とを有している。
図1は、過給機1の全体的な構成を示す断面図である。
過給機1は、不図示の内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを利用して外部から導入される空気を圧縮し、圧縮した空気を内燃機関に供給することで、内燃機関の性能を向上させるものである。過給機1は、タービンハウジング2と、軸受ハウジング3と、コンプレッサハウジング4とを有している。
タービンハウジング2は、過給機1の外殻を構成する部材であって、その内部で内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを回転の駆動力に変換するものである。タービンハウジング2には、タービンインペラ21と、タービンスクロール流路22と、排気ガス吐出口23が設けられている。
タービンインペラ21は、タービンハウジング2の略中央部に前後方向で延びる所定の軸周りに回転自在に設けられ、排気ガスの流動を受けて回転する回転翼である。タービンスクロール流路22は、タービンインペラ21を囲んで略環状に形成され、内燃機関からの排気ガスが導入される流路である。タービンスクロール流路22の径方向内側は、タービンインペラ21の設置空間と連通している。排気ガス吐出口23は、タービンインペラ21を回転させた後の排気ガスがタービンハウジング2から排出される排出口であり、タービンインペラ21から前方に向かって開口している。
軸受ハウジング3は、過給機1の外殻を構成する部材であって、タービンインペラ21や後述するコンプレッサインペラ41を回転自在に支持するものである。軸受ハウジング3は、タービン軸31と、スラスト軸受構造5と、ラジアル軸受構造6と、給油路32と、排油路33とを有している。
タービン軸31は、前後方向に延びる回転軸であって、タービンインペラ21とコンプレッサインペラ41とを互いに一体的に連結するものである。タービン軸31は、軸受ハウジング3に回転自在に支持されている。スラスト軸受構造5は、タービン軸31をその軸方向に関して保持しつつ、回転自在に支持するものである。ラジアル軸受構造6は、タービン軸31を径方向に関して保持しつつ回転自在に支持するものであり、タービン軸31の振動を吸収するためのものである。スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6の詳細は後述する。
給油路32は、タービン軸31を円滑に回転させるために、スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6に潤滑油を供給する流路である。給油路32は、タービン軸31の鉛直方向上側に設けられている。給油路32には潤滑油が所定の圧力で供給されている。排油路33は、スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6に供給された後の潤滑油が排出される流路である。排油路33は、タービン軸31の鉛直方向下側に設けられている。
コンプレッサハウジング4は、過給機1の外殻を構成する部材であって、外部から導入された空気をその内部で圧縮するものである。コンプレッサハウジング4は、コンプレッサインペラ41と、空気導入口42と、ディフューザ流路43と、コンプレッサスクロール流路44とを有している。
コンプレッサインペラ41は、コンプレッサハウジング4の略中央部に回転自在に設けられ、タービン軸31の後端部に一体的に接続されている。コンプレッサインペラ41は、回転することでその後側から導入される空気を径方向外側に向けて送り出す回転翼である。空気導入口42は、過給機1の外部の空気をコンプレッサハウジング4内に導入するための開口部であって、コンプレッサインペラ41の後方に向かって開口している。
ディフューザ流路43は、コンプレッサインペラ41を囲んで略環状に形成され、コンプレッサインペラ41の回転によって送り出された空気が導入される流路である。空気導入口42からディフューザ流路43に向かうに従い、空気の流路は次第に狭くなっており、コンプレッサインペラ41が空気をディフューザ流路43に送り出すことで空気が圧縮される構成となっている。コンプレッサスクロール流路44は、コンプレッサインペラ41を囲んで略環状に形成され、ディフューザ流路43において圧縮された空気が導入される流路である。また、コンプレッサスクロール流路44は、不図示の内燃機関の吸気口と接続されている。
次に、スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6の構成を、図2及び図3を参照して詳細に説明する。
図2は、タービン軸31の軸受構造の構成を示す断面図である。なお、図2において、タービン軸31の中心軸を符号Lで表す。図3は、軸受押さえ64の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線視断面図である。
図2に示すように、スラスト軸受構造5は、スラスト軸受51と、第1スラストカラー52と、第2スラストカラー53とを有している。
図2は、タービン軸31の軸受構造の構成を示す断面図である。なお、図2において、タービン軸31の中心軸を符号Lで表す。図3は、軸受押さえ64の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線視断面図である。
図2に示すように、スラスト軸受構造5は、スラスト軸受51と、第1スラストカラー52と、第2スラストカラー53とを有している。
スラスト軸受51は、略円板状の部材であって、その中心軸が前後方向と平行する向きで軸受ハウジング3に設けられている。スラスト軸受51は、軸受ハウジング3に締結部材(ネジ部材)等を用いて一体的に固定されている。スラスト軸受51は、その中央部に厚さ方向で貫通する貫通孔を有しており、この貫通孔にはタービン軸31が非接触で挿通されている。また、スラスト軸受51には、スラストカラー52,53との摺動部に潤滑油を供給するための不図示の軸受給油路が形成されており、この軸受給油路は、軸受ハウジング3の給油路32と連通している。
第1スラストカラー52及び第2スラストカラー53は、いずれも略円板状の部材であって、その中央部を厚さ方向で貫通する貫通孔をそれぞれ有している。この貫通孔にはタービン軸31が嵌合しており、スラストカラー52,53は、タービン軸31に一体的に固定されている。第1スラストカラー52と第2スラストカラー53との間には、タービン軸31を囲んで設けられる略円筒状のスペーサ54が配置されている。スペーサ54を挟持することで、第1スラストカラー52と第2スラストカラー53との間隔は、スラスト軸受51の厚さよりも僅かに広くなっている。したがって、スラスト軸受51と、スラストカラー52,53との間には所定の隙間が形成され、この隙間内に潤滑油を供給することで、スラスト軸受51に対してスラストカラー52,53を円滑に回転させることが可能となる。
ラジアル軸受構造6は、嵌め輪(軸受保持部)61と、前側軸受(軸受)62と、後側軸受(軸受)63と、軸受押さえ64とを有している。
嵌め輪61は、軸受ハウジング3に設置され、タービン軸31を囲んで設けられる略円筒状の部材である。軸受ハウジング3には、前後方向に延在し、正面視略円形の嵌め輪用孔部(第2孔部)34が形成されている。嵌め輪61は、嵌め輪用孔部34内に隙間なく嵌合して設けられている。また、嵌め輪用孔部34の後側には、その径が拡げられて形成された段部が設けられており、嵌め輪61の少なくとも一部が嵌め輪用孔部34の段部に係合することで、嵌め輪61の前方への移動が規制されている。
嵌め輪61の内周面側は、タービン軸31が挿通されるタービン軸用孔部(孔部)71となっている。タービン軸用孔部71の内径は、タービン軸31の外形よりも大きく形成されており、タービン軸用孔部71とタービン軸31との間には、略円筒状の円筒状隙間Sが形成されている。嵌め輪61の前端面及び後端面は、いずれも前後方向に直交する平面状に形成されている。
また、嵌め輪61は、嵌め輪給油路72と、嵌め輪排油路73と、ピン部材74と、Cリング75とを有している。
嵌め輪給油路72は、嵌め輪61の外周面側と内周面側とを互いに連通させ、潤滑油を円筒状隙間S内に供給するための流路である。嵌め輪61の外周面側での嵌め輪給油路72は、軸受ハウジング3の給油路32と連通し、内周面側での嵌め輪給油路72は、前側軸受62及び後側軸受63に向かってそれぞれ開口している。
嵌め輪給油路72は、嵌め輪61の外周面側と内周面側とを互いに連通させ、潤滑油を円筒状隙間S内に供給するための流路である。嵌め輪61の外周面側での嵌め輪給油路72は、軸受ハウジング3の給油路32と連通し、内周面側での嵌め輪給油路72は、前側軸受62及び後側軸受63に向かってそれぞれ開口している。
嵌め輪排油路73は、嵌め輪61の外周面側と内周面側とを互いに連通させ、円筒状隙間S内に供給された潤滑油を排油路33に排出するための流路である。ピン部材74は、嵌め輪61の径方向に延在し、且つ円筒状隙間S内に突出して設けられる部材であって、前側軸受62及び後側軸受63のそれぞれに対応して設置されている。また、ピン部材74の円筒状隙間S側の先端部とタービン軸31との間には所定の隙間が形成されており、ピン部材74の突出量はタービン軸31が径方向で変位しても接触しない量に設定されている。Cリング75は、タービン軸用孔部71の前端部で中心軸L周りに延在して形成された溝部内に設置されている。
前側軸受62及び後側軸受63は、タービン軸31を径方向で保持しつつ回転自在に支持するための、いわゆるすべり軸受である。前側軸受62及び後側軸受63は、タービン軸31を囲んで設けられる略円筒状の部材であり、円筒状隙間S内に配置されている。前側軸受62及び後側軸受63の、内外周面側(すなわちタービン軸31との間、及びタービン軸用孔部71との間)にはそれぞれ所定の隙間が形成されている。前側軸受62は、嵌め輪61の前端側に設けられ、後側軸受63は、嵌め輪61の後端側に設けられている。前側軸受62はCリング75に当接しており、その前方向への移動がCリング75によって規制されている。
前側軸受62には、径方向で貫通する給油孔77が形成されている。給油孔77は嵌め輪給油路72と連通している。給油孔77は、嵌め輪給油路72から供給される潤滑油を前側軸受62の内周面側すなわちタービン軸31の外周面に供給するための孔部である。また、前側軸受62には、切欠部78が形成されている。切欠部78内にはピン部材74の突出部が配置されており、ピン部材74は、前側軸受62の後側への移動を規制するとともに、中心軸L周りでの回転を規制している。すなわち、前側軸受62はタービン軸31とともに回転しない、いわゆるセミフロートタイプのすべり軸受である。
後側軸受63には、前側軸受62の給油孔77と同様の、給油孔80が形成されている。また、後側軸受63には、切欠部81が形成されている。切欠部81内にはピン部材74の突出部が配置されており、ピン部材74は、後側軸受63の前側への移動を規制するとともに、中心軸L周りでの回転を規制している。すなわち、後側軸受63はセミフロートタイプのすべり軸受である。後側軸受63は、その後端面(一端面)82が、嵌め輪61の後端面と前後方向に関して同一位置になるように設けられている。
軸受押さえ64は、タービン軸31をその周方向に囲んで設けられる環状の部材であり、後側軸受63の後端面82と対向して設けられ、後側軸受63の後側への移動を規制するためのものである。図3に示すように、軸受押さえ64は、環状に形成された平板状の板部83と、板部83の外周端部から後側に突出する縁部84とを備えている。縁部84は略円筒状に形成されている。図2に示すように、軸受押さえ64は、嵌め輪用孔部34内に嵌合できる大きさに形成され、嵌め輪用孔部34内で嵌め輪61の後側に配置されている。軸受押さえ64は、その中心軸が前後方向と平行となる向きで設けられている。軸受押さえ64は、嵌め輪61とスラスト軸受51との間に設けられ、嵌め輪61とスラスト軸受51とにより前後方向に関して保持されている。軸受押さえ64の前後方向での厚み(すなわち、図3に示す縁部84の幅)は、嵌め輪61とスラスト軸受51との間の間隔よりも多少狭く形成されている。これは、スラスト軸受51と軸受ハウジング3とが密着して接続されることを妨げず、スラスト軸受51と軸受ハウジング3との接合部からの潤滑油の漏出を防止するためである。
軸受押さえ64の前側に望む面(すなわち、図3に示す板部83の前側に臨む面)は、嵌め輪61と対向する対向面85となっている。対向面85は、前後方向と直行する平面状に形成され、嵌め輪61の後端面と当接している。対向面85の径方向内側の領域は、円筒状隙間Sと対向し且つ後側軸受63の後端面82と対向する軸受対向面(軸受対向部)86となっている。そのため、軸受押さえ64は、後側軸受63の後側への移動を規制することができ、軸受押さえ64とピン部材74とが協働することで、後側軸受63が前後方向で所定の位置に保持される。また、軸受押さえ64の対向面85が、嵌め輪61の後端面と当接していることから、後側軸受63は、その後端面82が、嵌め輪61の後端面と面一となる位置に配置される。また、軸受押さえ64の中央部には、前後方向で貫通する貫通孔87が形成されており、この貫通孔87にはタービン軸31が非接触で貫通している。
図3に示すように、軸受対向面86は、貫通孔87の周囲で円環状に形成されている。なお、軸受押さえ64の中心軸L周りでの回転を防止するため、位置決め用部材(ピン部材等)を軸受ハウジング3や嵌め輪61等に設けてもよい。また、軸受押さえ64が、所定の締結部材等を用いて軸受ハウジング3や嵌め輪61等に固定される構成であってもよい。さらに、軸受押さえ64の縁部84を、板部83から独立したカラー部材とし、板部83が、嵌め輪61と上記カラー部材とにより前後方向に関して保持される構成であってもよい。
続いて、本実施形態に係る過給機1、特にラジアル軸受構造6の動作・作用を、図1から図3を参照して説明する。
内燃機関から排出された排気ガスが、タービンハウジング2のタービンスクロール流路22に導入される。排気ガスは、タービンスクロール流路22内でタービンインペラ21周りを回転して流動しつつ、タービンインペラ21に導入される。排気ガスの導入により、タービンインペラ21が回転する。タービンインペラ21の回転に伴って、タービン軸31を介して連結されるコンプレッサインペラ41が回転する。コンプレッサインペラ41の回転により、空気導入口42から導入された空気がディフューザ流路43に送り出されて圧縮される。圧縮された空気はコンプレッサスクロール流路44を介して内燃機関に供給され、内燃機関の出力や燃費等の性能を向上させる。
タービンインペラ21及びコンプレッサインペラ41は、タービン軸31によって支持されている。また、タービン軸31は、軸受ハウジング3のスラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6によって回転自在に支持されている。排気ガスの導入により、タービンインペラ21は後側すなわちコンプレッサインペラ41側に付勢されるが、スラスト軸受構造5がタービン軸31を前後方向で保持しており、タービンインペラ21及びコンプレッサインペラ41の前後方向での移動が規制される。また、スラスト軸受51とスラストカラー52,53との間には、給油路32から潤滑油が供給されているため、スラスト軸受構造5はタービン軸31を円滑に回転させることができる。
タービン軸31は、ラジアル軸受構造6によって径方向に関して保持され、回転自在に支持されている。タービン軸31を囲んで設けられる円筒状隙間S内には、給油路32及び嵌め輪給油路72を介して、潤滑油が供給される。また、前側軸受62には給油孔77が形成され、後側軸受63には給油孔80が形成されているため、タービン軸31と軸受62,63との間の隙間にも潤滑油が供給される。そのため、軸受62,63の内外周面側における隙間には潤滑油が充填され、タービン軸31は円滑に回転することができる。
軸受62,63の内外周面側における隙間に潤滑油が充填されることで、タービン軸31は嵌め輪61に対して浮いた状態で保持される。また、潤滑油は所定の圧力で円筒状隙間S内に供給されているため、潤滑油の油圧によって、軸受62,63の内外周面側における隙間は均一化しようとする。よって、タービン軸31が径方向で変位もしくは振動したとしても、円筒状隙間S内に充填された潤滑油の働きにより、タービン軸31は嵌め輪61におけるタービン軸用孔部71の略中心部分に保持される。すなわち、タービン軸31が回転に伴って径方向で変位もしくは振動しても、ラジアル軸受構造6がその変位や振動を抑制することができる。
本実施形態では、軸受押さえ64によって、後側軸受63の後側への変位が規制されている。軸受押さえ64における対向面85の一部が軸受対向面86となっているため、後側軸受63は、その後端面82が嵌め輪61の後端面と面一となる位置に配置される。これは、前側軸受62の移動を規制するCリング75と同様のCリングを、後側軸受63の後端面82側に設ける従来の構成よりも、後側軸受63の設置位置が嵌め輪61の後端側に変位している。よって、前側軸受62と後側軸受63との間の間隔を従来よりも拡大することができ、タービン軸31の振動に対する振動抑制性能や回転の安定性等を向上させることができる。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、後側軸受63の設置位置は従来よりも、嵌め輪61におけるタービン軸用孔部71の後端部側に向かって変位する。そのため、前側軸受62と後側軸受63との間の間隔を拡げることができ、振動の抑制性能を向上させ、高い回転安定性を得ることができるという効果がある。
本実施形態によれば、後側軸受63の設置位置は従来よりも、嵌め輪61におけるタービン軸用孔部71の後端部側に向かって変位する。そのため、前側軸受62と後側軸受63との間の間隔を拡げることができ、振動の抑制性能を向上させ、高い回転安定性を得ることができるという効果がある。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、前側軸受62及び後側軸受63は、セミフロートタイプのすべり軸受であるが、これに限定されるものではなく、フルフロートタイプのすべり軸受であってもよい。
また、上記実施形態では、嵌め輪61は軸受ハウジング3と別部材で構成されているが、これに限定されるものではなく、軸受ハウジング3の一部が軸受保持部となっており、軸受ハウジング3にタービン軸用孔部71が形成された構成であってもよい。
また、上記実施形態の軸受押さえ64の代わりに、図4又は図5に示す軸受押さえ64A又は64Bを使用してもよい。
図4は、軸受押さえ64Aの構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線視断面図である。図5は、軸受押さえ64Bの構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線視断面図である。
図4は、軸受押さえ64Aの構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線視断面図である。図5は、軸受押さえ64Bの構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線視断面図である。
図4に示す軸受押さえ64Aは、厚さ方向で貫通する孔部である排油孔(排油路)89を複数備えている。排油孔89は、軸受対向面86の領域に形成され、周方向に並んで配置されている。タービン軸31の回転とともに、円筒状隙間S内の潤滑油のおける、金属粉やスラッジ等の量は増加する。排油孔89が形成されていることで、円筒状隙間S内に供給された潤滑油を迅速に排油路33に向けて排出することができ、円滑で安全なタービン軸31の回転を維持することができる。
また、図5に示す軸受押さえ64Bは、排油用切欠部(排油路)90を備えている。軸受押さえ64Bも、排油用切欠部90を介して円筒状隙間S内に供給された潤滑油を迅速に排油路33に向けて排出することができ、円滑で安全なタービン軸31の回転を維持することができる。なお、軸受押さえ64Bには、図2に示す中心軸L周りでの回転を防止するために、所定の位置決め部材(ピン部材、締結部材)を設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、後側軸受63の後端面82側に軸受押さえ64が設置されているが、これに限定されるものではなく、図6に示すように前側軸受62の前端面側に第2軸受押さえ(軸受押さえ)95を設けてもよい。
図6は、第2軸受押さえ95の構成を示す断面図である。
図6は、第2軸受押さえ95の構成を示す断面図である。
図6に示すように、第2軸受押さえ95は、タービン軸31をその周方向に囲んで設けられる環状の板部材であり、その板面(対向面)は嵌め輪61の前端面に当接して設けられている。第2軸受押さえ95は、複数のネジ部材(締結部材)96を用いて嵌め輪61に固定されている。第2軸受押さえ95の板面における径方向内側の部分は、円筒状隙間Sに対向して設けられる軸受対向面(軸受対向部)となっている。そのため、前側軸受62は、第2軸受押さえ95に当接しており、その前端面が嵌め輪61の前端面に面一となる位置に配置される。したがって、第2軸受押さえ95を用いた場合には、前側軸受62を従来よりも嵌め輪61の前端側に変位させることができ、結果として、前側軸受62と後側軸受63との間の間隔を拡げることができる。また、第2軸受押さえ95に、円筒状隙間S内に供給された潤滑油を排出する排出路が形成されていてもよい。なお、上記実施形態に示した軸受押さえ64を、第2軸受押さえ95のような環状の板部材とし、ネジ部材等の締結部材を用いて嵌め輪61に固定してもよい。
1…過給機、3…軸受ハウジング、31…タービン軸、34…嵌め輪用孔部(第2孔部)、51…スラスト軸受、61…嵌め輪(軸受保持部)、62…前側軸受(軸受)、63…後側軸受(軸受)、64,64A,64B…軸受押さえ、71…タービン軸用孔部(孔部)、82…後端面(一端面)、85…対向面、86…軸受対向面(軸受対向部)、89…排油孔(排油路)、90…排油用切欠部(排油路)、95…第2軸受押さえ(軸受押さえ)、96…ネジ部材(締結部材)
Claims (6)
- 所定の軸方向で延びるタービン軸を回転自在に支持する軸受を、軸受ハウジング内に複数有する過給機であって、
前記軸受ハウジングに設けられ、前記軸受が挿入される孔部を備えた軸受保持部と、
前記軸受保持部の外側で前記軸受の一端面と前記軸方向で対向する位置に設けられる軸受対向部を備えた軸受押さえと、を有することを特徴とする過給機。 - 請求項1に記載の過給機において、
前記軸受押さえは、前記軸方向で前記軸受保持部と対向する対向面を備え、
前記軸受対向部は、前記対向面のうち、前記軸方向で前記孔部と対向する領域であることを特徴とする過給機。 - 請求項1又は2に記載の過給機において、
前記軸受ハウジングは、前記タービン軸を中心とする第2孔部を備え、
前記軸受押さえは、前記タービン軸を周方向に囲んで設けられる環状の部材であり、且つ前記第2孔部に嵌入して保持されることを特徴とする過給機。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の過給機において、
前記軸受押さえは、前記軸受保持部と、前記タービン軸の前記軸方向での移動を規制するスラスト軸受との間に保持されることを特徴とする過給機。 - 請求項1又は2に記載の過給機において、
前記軸受押さえは、前記タービン軸を周方向に囲んで設けられる環状の板部材であり、且つ所定の締結部材を用いて前記軸受保持部に固定されることを特徴とする過給機。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の過給機において、
前記軸受押さえは、前記タービン軸及び前記軸受の潤滑に用いられた潤滑油を排出する排出路を備えることを特徴とする過給機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010012968A JP2011149390A (ja) | 2010-01-25 | 2010-01-25 | 過給機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2010
- 2010-01-25 JP JP2010012968A patent/JP2011149390A/ja active Pending
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