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JP2011134959A - 磁性シート - Google Patents

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Daisuke Kishi
岸  大輔
Hiromitsu Itabashi
弘光 板橋
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Abstract

【課題】
非接触充電装置において、受電コイルと二次電池の間に配置された磁性シートにおいて、Fe基ナノ結晶合金薄帯の微細構造を検討し、伝送効率の向上と渦電流損失低下を同時に達成可能で、かつ、金属粉末の飛散や汚染も発生しない磁性シートを提供することを目的とする。
【解決手段】
Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている磁性シートであって、前記Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックが形成されていることを特徴とする磁性シート。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Fe基ナノ結晶磁性合金薄帯を用いた磁性シートに関し、特に非接触充電装置の受電部品において受電コイルの磁気回路を形成し、磁気ヨーク及び磁気シールドとして機能する磁性シートに関するものである。
近年、携帯電話等の小型情報通信機器の高性能化、高機能化が進められている。これら小型情報通信機器では電源としてリチウムイオン電池などの二次電池が使用されている。
前記二次電池の充電方法には接触充電方式と非接触充電方式とがある。接触充電方式は、受電装置の電極と給電装置の電極とを直接接触させて充電を行う方式で、装置構成が単純であるため従来から一般的な方式として採用されている。
他方、非接触充電方式の方式の一つとして受電装置と給電装置の両方にコイルを設け、電磁誘導を利用して電力伝送し、充電する方式がある。非接触充電方式は電極同士の接触圧を考慮する必要がないため、電極同士の接触状態に左右されずに安定して充電電力を供給することができる。
また、電極が露出していないため腐食が起こらないという点で優れている。更に、接触型充電方式では機器毎に異なる形状の接続プラグと充電器が使用されるが、電極を必要としない非接触型充電方式は充電器を共用化することができる可能性がある。
従来、非接触充電装置のコイルとしては、フェライトコアの周りにコイルを巻回した構造が知られている(特許文献1、2)。
前記非接触充電方式において、給電側のコイルから、受電側のコイルに、電磁誘導により伝送されるが、給電側コイルに発生した磁束を、受電側コイルにより捕捉することにより行われる。従って、効率良く電力を伝送するために、対向する給電側コイルと受電側コイルはなるべく近接させて、コイルの中心軸を一致させる必要がある。また、電力伝送効率を高めるために、10〜200kHz程度の周波数での共振回路が適用されている。
それぞれ対向するコイルの反対側には磁気回路を形成するために磁気ヨークとして磁性シートや軟磁性材料が設置される。そして、この磁性シートや軟磁性材料は、漏れ磁束が他の部品や二次電池を構成する金属に及んで渦電流発生による発熱防止の磁気シールドとしての機能も期待されている。通常、受電側となる小型情報通信機器における非接触充電では、二次電池であるリチウムイオン電池と受電側のコイルは近傍に配置される。
給電側の磁気ヨークは小型化や他の電子部品や基板との配置の制約をあまり受けないため従来からの軟磁性材料であるフェライトが使用されることが多い。他方、受電側は薄肉かつ軽量であることの要求が強く、アモルファス合金薄帯やFe基ナノ結晶合金薄帯からなる磁性シートが採用されつつある(特許文献3、4)。
特許文献1には、給電側コイルは、フェライトコアに巻いた例が記載されている。また、受電側には磁気シールド板としてフェライトと樹脂の複合体が記載されている。
特許文献2には、受電側コイルと回路基板の間にフェライトコアが配置されている実施例が記載されている。
特許文献3には、Fe基ナノ結晶合金薄帯にスリットを形成し、渦電流損失を改善した磁性シートが記載されている。
特許文献4には、Fe基ナノ結晶合金薄帯を分割し、渦電流損失を改善した磁性シートが記載されている。
特開平8−79976号公報 特開平11−176677号公報 WO2007/080820号公報 特開2008−112830号公報
Fe基ナノ結晶磁性合金薄帯は、アモルファス合金薄帯に比べて、透磁率が高く、受電側の磁性シートとしては最適と考えられる。しかしながら、さらに給電効率の向上が求められている。そこで、発明者は薄帯の構造に注目することにした。
発明者は、特許文献4に記載の方法を再現してみた。磁性シートとして550℃で熱処理を行ったFe基ナノ結晶磁性合金薄帯を用いて、粘着剤付きのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)フィルム上に前記Fe基ナノ結晶磁性合金薄帯を接着させた後、折り曲げることにより分割し、分割前後での伝送効率を測定した(比較例1、2)。
伝送効率は、図5に示す評価装置によって行った。ここで、伝送効率とは給電コイル10への投入電力に対する、受電コイル6からの出力電力の比(%)である。
給電コイル10は、フェライトコア11の中心軸周囲にコイルを巻回して構成されており、100kHzの周波数で通電した。受電コイル6は、導線をスパイラル状に巻回した平面コイルで構成されている。前記受電コイル6の片面は、前記フェライトコア11及び給電コイル10と、中心軸を同一にして対面している。前記受電コイル6のもう一つの片面の全面を覆うように磁性シート1の片面が対面している。更に、磁性シート1のもう一つの片面には、リチウムイオン電池を模したアルミ板12が対面している。
先ず、Fe基ナノ結晶合金薄帯用アモルファス合金薄帯として組成Fe73.5CuNbSi14.56.5(原子%)の幅50mm、厚さ18μm、長さ100mを用いて、温度550℃、窒素雰囲気で1時間熱処理することでFe基ナノ結晶合金薄帯を得た。前記、Fe基ナノ結晶合金薄帯を、片側表面に厚さ20μmの粘着層が予め形成された、サイズが50mm×50mm、厚さ30μmのPETフィルム上に貼り付けたものを磁性シートとして用いて前記評価装置で測定した。その結果、60%であった(比較例1)。
次に、特許文献4の段落(0046)(実施例2)に記載されている方法に準じて、縦、横それぞれ、4mmピッチで折り曲げて分割して磁性シートを作製し、測定した結果59%と前記折り曲げ、分割していない磁性シートに比べて1%低い結果が得られた(比較例2)。
この原因として、特許文献3の段落(0046)に「スリット数(分割数)を多くすると磁気抵抗が大きくなるために受電効率は低下する。このため、渦電流の抑制効果と受電効率の両方を考慮してスリット17を設けることが好ましい。」と記載されているように、渦電流の抑制効果と給電効率がトレードオフの関係にあるためと述べられている。
つまり、分割により磁気抵抗が大きくなり、渦電流損失は低下するが、透磁率も低下し、給電コイル10と受電コイル6の結合が弱くなるため、結果的に伝送効率が低下してしまうという問題があった。
更には、前記特許文献4に記載の分割の工程では、合金薄帯を折り曲げ破断する際、金属破片粉末が周辺に飛散する問題があった。また、分割後の磁性シートを前記評価装置に設置させる際、分割時に粘着層との接着力が不十分な金属破片粉末が飛散し続けるという問題があった。
そこで、発明者は、前記問題点を鑑み、非接触充電装置において、受電コイルと二次電池の間に配置された磁性シートにおいて、Fe基ナノ結晶合金薄帯の微細構造を検討し、伝送効率の向上と渦電流損失低下を同時に達成可能で、かつ、金属粉末の飛散や汚染も発生しない磁性シートを提供することを目的とする。
発明者は、Fe基ナノ結晶合金薄帯の微細構造を検討し、薄帯内部に微細クラックを有する構造とすることで、渦電流損失を小さくする共に、透磁率の低下を極力抑えることにより、伝送効率を向上可能な磁性シートを見出したものである。
つまり、本発明は、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている磁性シートであって、前記Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックが形成されていることを特徴とする磁性シートである。
また、本発明は、前記有機フィルムは、PETフィルム、ポリプロピレン(以下、PPと記す。)フィルム、ポリエチレン(以下、PEと記す。)フィルム、ポリイミドフィルムのいずれかであることを特徴とする磁性シートである。
また、本発明は、前記磁性シートが、スパイラルコイルを有する受電コイルと、前記受電コイルに発生した交流電圧を整流した後、直流電圧が充電される二次電池との間に配置されたことを特徴とする非接触充電装置である。
本発明によれば、微細クラックを有するFe基ナノ結晶合金薄帯による磁性シートを受電コイルと二次電池の間に配置することで、微細クラックを形成していないFe基ナノ結晶合金薄帯や、特許文献3、4に記載のスリットを入れたり、分割したFe基ナノ結晶合金薄帯による磁性シートに比べて、より高い伝送効率を得ることができるようになる。
更に、微細クラック形成によれば、前記スリットを入れたり、分割したFe基ナノ結晶合金薄帯に比べて、明らかな分割部分が存在しないため、漏洩する磁束がより少なくなり、磁性シートからの漏洩磁束が著しく少なくなる。
また、本発明によれば、Fe基ナノ結晶合金薄帯はPETフィルムなどの有機フィルムに粘着層を介して挟まれているため、この状態で、折り曲げにより微細クラックを形成するため、金属粉末の飛散は発生せず、作業環境を悪化することも無く、飛散した金属粉が再度磁性シートに付着する汚染の問題も発生しない。
更に、本発明によれば、折り曲げによる微細クラックの形成は、前記有機フィルムを、Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックが安定に発生する程度に曲げれば良いので、折り曲げ治具などにより、連続かつ短時間で処理することができ、生産性が高い。
本発明者は、磁性シートを構成するFe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックを形成することにより、渦電流損失を小さくすると共に、透磁率の低下を極力抑えられ、結果的に、伝送効率を向上できるという顕著な効果を見出し、Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細構造について検討したものである。
Fe基ナノ結晶合金薄帯の組成は、一般式:(Fe1−a100−x−y−z−αSiM’α(原子%)で表され、式中MはCo,Niから選ばれた少なくとも1種の元素、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種の元素、M’はNb,W,Ta,Zr,Hf,Ti,VおよびMoから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、a,x,y,z,およびαはそれぞれ0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30である。前記合金組成の溶湯を単ロール法などにより急冷凝固させることによりアモルファス合金薄帯を得られる。前記アモルファス合金薄帯を、500℃以上の熱処理を行うことにより平均結晶粒径100nm以下の微結晶組織が形成され、Fe基ナノ結晶合金薄帯が得られる。
Fe基ナノ結晶合金薄帯の厚さは、急冷凝固時の条件によって決定されるが、厚さ10μm未満では薄帯の機械的強度が低下するためハンドリングできない、また厚さ30μmを超えると急冷凝固時にアモルファス組織を得ることが困難となる。従って、好ましくは、10μm以上30μm以下である。更に、ハンドリングに十分な強度を確保して、安定してアモルファス組成を得るには、厚さ15μm以上25μm以下がより好ましい。
Fe基ナノ結晶合金薄帯を粘着層を介して挟み込む有機フィルムは、耐熱性や材料コストを考慮して、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、ポリイミドフィルムなど選択することができる。磁性シートが使用される温度が100℃以下であれば耐久性や加工性に優れるPETフィルムが好ましい。
有機フィルムの厚さは、曲げ加工によって微細クラックを形成する際に、有機フィルムが破断すること無く、Fe基ナノ結晶合金薄帯に対して微細クラックを十分形成できる曲率が得られることが要求される。従って、有機フィルムは、曲げ加工の変位に対して十分追従して変形できるのに必要な伸び率を有することが望ましく、少なくとも3%以上あることが望ましい。
粘着層は、アクリル系等の樹脂を使用することができる。粘着層の有機フィルム及びFe基ナノ結晶合金薄帯との密着強度は、微細クラックを形成する曲げ加工時に有機フィルムと粘着層との界面、及び粘着層とFe基ナノ結晶合金薄帯との界面の剥離が生じない強度以上が必要である。
また、Fe基ナノ結晶合金薄帯は水分雰囲気により錆びる恐れがあるので、粘着層に防錆剤を含んでも良い。
(微細クラック形成による伝送効率向上のメカニズム)
発明者は、Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックを形成することにより伝送効率が向上するメカニズムについて考察した。
Fe基ナノ結晶合金薄帯に、特許文献3、4に記載されているように、スリットや分割を形成した場合は、分割された個片間は、直流的にも絶縁される。このことが、共振周波数である高周波領域でも渦電流損失を低下させるという作用効果を生じさせていると考えられる。
しかしながら、明らかな分割は、前記渦電流損失を低下させる以上に、透磁率を著しく低下させる。結局、給電側コイルと受電側コイルの結合が疎となってしまい、伝送効率が低下してしまうと推測される。
本願発明の微細クラックが形成されたFe基ナノ結晶合金薄帯では、微細クラックのため、磁性シートの微細クラックを挟んだ2点間の導通は、直流的には維持されている。しかし、電力伝送を行う高周波領域で発生する渦電流の経路に対してはその一部が破断し、絶縁状態または高抵抗の状態となっていて、渦電流の発生が抑制され、渦電流損失が低下していると推測される。他方、透磁率の低下の程度は、給電コイルと受電コイルの結合において、伝送効率の低下に実質的には影響しない範囲にあると推測される。
以上まとめると、透磁率が低下しても、伝送効率の低下には影響せず、高周波領域での渦電流損失の低下により、伝送効率が向上するものと考えられる。
(微細クラックの形状、頻度)
Fe基ナノ結晶合金薄帯に形成する微細クラックの方向、長さ、は、(1)給電コイル形状(巻数、直径)やフェライトコア形状(2)受電コイル形状(巻数、直径)や磁性シート(Fe基ナノ結晶合金薄帯)の外形形状、(3)給電コイルと受電コイルの相対位置関係、(4)共振周波数、などに依存するので、適宜伝送効率が最大になるように前記を適正化することが必要である。
本発明は、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている磁性シートであって、前記Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックが形成されていることを特徴とする磁性シートである。
また、本発明は、前記有機フィルムは、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、ポリイミドフィルムのいずれかであることを特徴とする磁性シートである。
また、本発明は、前記磁性シートが、スパイラルコイルを有する受電コイルと、前記受電コイルに発生した交流電圧を整流した後、直流電圧が充電される二次電池との間に配置されたことを特徴とする非接触充電装置である。
である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に述べる。
(実施例1)
Fe基ナノ結晶合金薄帯用アモルファス合金薄帯として組成Fe73.5CuNbSi14.56.5(原子%)の幅50mm、厚さ18μm、長さ100mを用いた。この前記合金薄帯を、空心で内径100mmになるように巻き取ってドーナツ状にした。前記ドーナツに巻かれた合金薄帯がほぐれないように、径0.6mmのステンレス線で、内径から外径にわたって、円周の4箇所を互いに角度90°になるように仮固定した。
次に、前記ドーナツ状に巻かれた合金薄帯を熱処理炉に入れて、窒素雰囲気、温度550℃、1時間の熱処理を行い、Fe基ナノ結晶合金薄帯を得た。
前記ドーナツ状に巻かれたFe基ナノ結晶合金薄帯から仮固定していたステンレス線を外した。
ここで、予め、片面に厚さ30μmの粘着層を備えた、幅50mm、長さ100m、厚さ100μmのPETフィルムを2巻準備した。
前記2巻の内、1巻の粘着層側を合金薄帯の外径端部に、外径側から押し当てながら、PETフィルムとFe基ナノ結晶合金薄帯が粘着層を介して対面するように、巻き出し、PETフィルムとFe基ナノ結晶合金薄帯が粘着層により一体化、張り合わせたシートが得られた。
次に、前記シートの長さ方向に、幅と同寸法になるように切断し、50mm角のシートとした。
前記残った1巻についても、同様に幅と同寸法になるように切断し、50mm角にした。
片面がPET、もう一つの片面がFe基ナノ結晶合金薄帯の50mm角のシートに、50mm角の片面に粘着層を備えたPETフィルムの粘着層側を、外形が一致するように、Fe基ナノ結晶合金薄帯の面に押し当てて、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている50mm角の磁性シートを得た。
前記得られた、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている50mm角の磁性シートを、全面を順次、鋭角に折り曲げて図1に示すように全面に微細クラックを形成した。折り曲げ前後で金属粉砕粉の飛散、汚染は認められなかった。図2に磁性シートの断面概略図を示す。微細クラック形成前後のFe基ナノ結晶合金薄帯表面の実体顕微鏡写真とその説明図を図3に示している。金属薄帯の一部が明確に除去された部分は認められなかった。前記磁性シートを用いて、伝送効率を測定した。
図5に示す装置を用いて、測定した結果、62%であった。
(比較例1)
実施例1に記載している、折り曲げて微細クラックを形成する前の50mm角の磁性シートを用いて、測定条件は実施例1と同様に、伝送効率を測定した。
その結果、60%であった。この値は、実施例1に比べて2%低い。
(比較例2)
実施例1に記載している、PETフィルムとFe基ナノ結晶合金薄帯が粘着層により一体化、張り合わせた50mm角のシートを、実施例1と同様の位置で折り曲げて分割した。Fe基ナノ結晶合金薄帯の折り曲げ時に、最も曲率が小さくなる部分が飛散し除去された。測定顕微鏡で除去部分を観察、測定した結果、除去部分の幅は約0.5μmであった。
前記シートの分割したFe基ナノ結晶合金薄帯側に、50mm角の片面に粘着層を備えたPETフィルムの粘着層側を、外形が一致するように、Fe基ナノ結晶合金薄帯面に押し当てて、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている50mm角の磁性シートを得た。
実施例1と同様に伝送効率を測定した結果、59%であった。この値は実施例1に比べて3%低い。
(実施例2)
Fe基ナノ結晶合金薄帯用アモルファス合金薄帯として組成Fe76CuNb2.5Si13.5(原子%)の幅50mm、厚さ18μm、長さ100mを用いて、後の条件は実施例1と同じ条件で磁性シートを作製し、伝送効率を測定した結果、61%であった。
(比較例3)
実施例2に記載している、折り曲げて微細クラックを形成する前の50mm角の磁性シートを用いて、測定条件は実施例2と同様に、伝送効率を測定した。
その結果、59%であった。この値は、実施例2に比べて2%低い。
(比較例4)
実施例2に記載している、PETフィルムとFe基ナノ結晶合金薄帯が粘着層により一体化、張り合わせた50mm角のシートを、実施例2と同様の位置で折り曲げて分割した。Fe基ナノ結晶合金薄帯の折り曲げ時に、最も曲率が小さくなる部分が飛散し除去された。測定顕微鏡で除去部分を観察、測定した結果、除去部分の幅は約400μmであった。
前記シートの分割したFe基ナノ結晶合金薄帯側に、50mm角の片面に粘着層を備えたPETフィルムの粘着層側を、外形が一致するように、Fe基ナノ結晶合金薄帯面に押し当てて、Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている50mm角の磁性シートを得た。
実施例2と同様に伝送効率を測定した結果、60%であった。この値は実施例2に比べて1%低い。
(実施例3、4、5)
実施例1に記載のPETフィルムに代えて、厚さ120μmのPPフィルムを用いた磁性シートを作製した。
また、同様に実施例1に記載のPETフィルムに代えて、厚さ80μmのPEフィルムを用いた磁性シートを作製した。
また、同様に実施例1に記載のPETフィルムに代えて、厚さ100μmのポリイミドフィルムを用いた磁性シートを作製した。
前記、3種類の磁性シートを用いて伝送効率を測定した結果、実施例1と同結果である62%であった。
(実施例6)
図4に示すように、実施例1で作製した磁性シート1を、スパイラルコイルを有する受電コイル6と、直流電圧が充電される二次電池8との間に配置し、非接触充電装置9を構成し、充電装置として機能することを確認した。つまり、インバータ12により給電コイル10に高周波が給電され、フェライトコア11に磁束が発生する。受電コイル6には前記磁束によって、高周波電流が誘起され、前記高周波電流は整流器を有する配線基板7により整流され、二次電池8に充電されることを確認した。また、受電コイル6から二次電池8側への漏れ磁束がある場合、渦電流により二次電池8の発熱が予測されるが、渦電流と思われる発熱は確認できなかった。
本発明の磁性シート表面概略図 本発明の磁性シート断面概略図 本発明の磁性シートの微細クラックの実体顕微鏡写真 本発明の磁性シートの微細クラックの説明図 本発明の非接触充電装置の構成図 本発明における伝送効率測定の説明図
1 磁性シート
2 Fe基ナノ結晶合金薄帯
3 微細クラック
4 有機フィルム
5 粘着層
6 受電コイル
7 整流配線基板
8 二次電池
9 非接触充電装置

Claims (3)

  1. Fe基ナノ結晶合金薄帯の両面が、粘着層を介して有機フィルムに挟まれている磁性シートであって、前記Fe基ナノ結晶合金薄帯に微細クラックが形成されていることを特徴とする磁性シート。
  2. 請求項1に記載の有機フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルムのいずれかであることを特徴とする磁性シート。
  3. 請求項1または2に記載の磁性シートが、スパイラルコイルを有する受電コイルと、前記受電コイルに発生した交流電圧を整流した後、直流電圧が充電される二次電池との間に配置されたことを特徴とする非接触充電装置。
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