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JP2011132637A - 緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法 - Google Patents

緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法 Download PDF

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JP2011132637A JP2009294803A JP2009294803A JP2011132637A JP 2011132637 A JP2011132637 A JP 2011132637A JP 2009294803 A JP2009294803 A JP 2009294803A JP 2009294803 A JP2009294803 A JP 2009294803A JP 2011132637 A JP2011132637 A JP 2011132637A
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Taichi Kuroda
多市 黒田
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Taihokohzai Co Ltd
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Abstract

【課題】緑液を製造する系におけるスケールの形成を十分に抑制し得る緑液系スケール形成抑制剤及びこれを用いたスケール形成抑制方法を提供する。
【解決手段】緑液系スケール形成抑制剤は、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する。
スケール形成抑制方法は、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤を、緑液系における流体に導入する。
【選択図】なし

Description

本発明は、緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法に関する。更に詳細には、本発明は、モノマー単位としてイタコン酸等を含む所定の重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤及びこれを用いたスケール形成抑制方法に関する。
紙は、木材チップに水酸化ナトリウムを含む処理水を加え蒸解することによりパルプを調製し、このパルプを漂白し、抄紙することにより製造される。
木材チップには、カルシウム塩、バリウム塩、リン酸塩等が豊富に含まれているため、紙の製造過程で、多量のカルシウムイオン、バリウムイオン、リン酸イオンが処理水中に溶出する。
これらのイオンが、パルプの蒸解及び漂白工程で生成するシュウ酸イオンや、パルプの蒸解及び漂白工程で使用する薬品由来の硫酸イオンや炭酸イオンに結合すると、例えば炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムといった水に極めて溶け難い物質がスケールとして生成される。また、それに付随して炭酸ナトリウムやシュウ酸ナトリウムなどもスケールとして生成される。
このようなスケールは、緑液を製造する系のあらゆる部位に付着して、処理水の流量低下、電力の消費効率の低下を誘発し、場合によっては緑液を製造する系を構成する機器を破損する。
従来、付着したスケールの除去は、定期的な清掃や酸による洗浄によって対応するのが一般的であった。
しかしながら、このような除去作業では、緑液を製造する系の操業を一時的に停止せざるを得ず、紙の製造効率を大きく減少させる。
このような問題に対して、操業中の緑液を製造する系に所定の緑液系スケール形成抑制剤を投入することで、スケールの形成を抑制する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
この緑液系スケール形成抑制剤は、実質的にマレイン酸及びアクリル酸をモノマー単位とし且つ重量平均分子量が3000以上の共重合体を含有するものである。
特開2008−196064号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の緑液系スケール形成抑制剤であっても、緑液を製造する系におけるスケールの形成を十分に抑制できないことがあるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、その目的とするところは、緑液を製造する系におけるスケールの形成を十分に抑制し得る緑液系スケール形成抑制剤及びこれを用いたスケール形成抑制方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。そして、その結果、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有させることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の緑液系スケール形成抑制剤は、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有することを特徴とする。
また、本発明の他の緑液系スケール形成抑制剤は、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み、且つ重量平均分子量が400〜150000である他の重合体とを含有することを特徴とする。
更に、本発明の更に他の緑液系スケール形成抑制剤は、モノマー単位として、イタコン酸及び/又はその塩と、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)と炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸及び/又はその塩の少なくとも一方とを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有することを特徴とする。
更に、本発明のスケール形成抑制方法は、上記本発明の緑液系スケール形成抑制剤を、緑液系における流体に導入することを特徴とする。
本発明によれば、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有するものなどとしたため、緑液を製造する系におけるスケールの形成を十分に抑制し得る緑液系スケール形成抑制剤及びこれを用いたスケール形成抑制方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る緑液系スケール形成抑制剤及びスケール形成抑制方法について詳細に説明する。
<緑液系スケール形成抑制剤>
本発明の一実施形態に係る緑液系スケール形成抑制剤は、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有するものである。
このような緑液系スケール形成抑制剤を緑液系の流体に導入することにより、緑液を製造する系におけるスケールの形成を抑制することができる。
イタコン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。また、イタコン酸の塩としては、上記した1種の塩に限定されるものではなく、複数種の塩を含んでいてもよい。
また、重合体としては、実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体、換言すれば実質的にモノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である重合体に限定されるものではなく、他のモノマー単位を含む共重合体を適用してもよい。
ここで、「実質的にモノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である重合体」とは、イタコン酸及びその塩以外の他のモノマー単位が、スケール形成を抑制できる量以上には、モノマー単位として含有されていないことを意味する。
また、「他のモノマー単位を含む共重合体」とは、含有する他のモノマー単位がスケール形成を抑制できる量以上、モノマー単位として含有されていることを意味する。
なお、「他のモノマー単位がスケール形成を抑制できる」とは、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸のように重合体を構成する他のモノマー単位自体がスケール形成抑制作用を発揮する場合のみに限定されるものではない。すなわち、スケール形成抑制作用を発揮するイタコン酸やその塩、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸などと共に重合体を構成し、スケール形成抑制作用を発揮するモノマー単位がスケール形成抑制作用を発揮し易いようにする場合も含まれる。
実質的にモノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である重合体の典型例としては、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体を挙げることができる。
ここで、「モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体」とは、イタコン酸又はその塩の1種のみから構成されるもののことのみを意味するのではない。すなわち、モノマー単位の骨格がイタコン酸に由来するものであれば、イタコン酸及びその塩から構成されるものも含む意味に解釈しなければならない。
また、他のモノマー単位としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、p−ビニル安息香酸などの炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸を挙げることができる。また、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることもできる。
更に、他のモノマー単位としては、これら以外にも、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−2−アリロキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、イソブチレンなどを挙げることができる。
重合体の重量平均分子量が500未満の場合には、モノマー自体の物性に近くなってスケール形成抑制能が低くなる。また、重合体の重量平均分子量が150000を超える場合には、高分子領域となってスケール形成抑制能が低くなる。
スケール形成抑制能の向上という観点からは、重合体の重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましい。
重量平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた重量平均分子量を適用すればよい。
また、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の数平均分子量は200〜30000が好ましく、より好ましくは1000〜15000、更に好ましくは2000〜8000、特に好ましくは3000〜7000である。
数平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた数平均分子量を適用すればよい。
更に、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は好ましくは5.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、更に好ましくは2.0〜3.0である。
また、本実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、例えば緑液系スケール形成抑制剤が液体(典型例として水溶液を挙げることができる。)である場合には、固形分が20〜60質量%であることが好ましい。固形分の割合が20質量%以上60質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。また、後述するスケール形成抑制方法を実施する際に、このような液体であると流体への拡散性や取扱い性に優れるという利点もある。
以下、更に詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤としては、実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である単独重合体を含有するものを挙げることができる。
このような緑液系スケール形成抑制剤を緑液系の流体に導入することにより、緑液を製造する系におけるスケールの形成を抑制することができる。
ここで、「実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む単独重合体」とは、イタコン酸及びその塩以外の他のモノマー単位が、スケール形成を抑制できる量以上には、モノマー単位として含有されていないことを意味する。
なお、「他のモノマー単位がスケール形成を抑制できる」とは、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸のように重合体を構成する他のモノマー単位自体がスケール形成抑制作用を発揮する場合のみに限定されるものではない。すなわち、スケール形成抑制作用を発揮するイタコン酸やその塩、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸などと共に重合体を構成し、スケール形成抑制作用を発揮するモノマー単位がスケール形成抑制作用を発揮し易いようにする場合も含まれる。
実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体の典型例としては、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体を挙げることができる。
なお、「モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体」とは、イタコン酸又はその塩の1種のみから構成されるもののことのみを意味するのではない。すなわち、モノマー単位の骨格がイタコン酸に由来するものであれば、イタコン酸及びその塩から構成されるものも含む意味に解釈しなければならない。
イタコン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。また、イタコン酸の塩としては、上記した1種の塩に限定されるものではなく、複数種の塩を含んでいてもよい。
単独重合体の重量平均分子量が500未満の場合には、モノマー自体の物性に近くなってスケール形成抑制能が低くなる。また、単独重合体の重量平均分子量が150000を超える場合には、高分子領域となってスケール形成抑制能が低くなる。
スケール形成抑制能の向上という観点からは、単独重合体の重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましい。
重量平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた重量平均分子量を適用すればよい。
また、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の数平均分子量は200〜30000が好ましく、より好ましくは1000〜15000、更に好ましくは2000〜8000、特に好ましくは3000〜7000である。
数平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた数平均分子量を適用すればよい。
更に、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は好ましくは5.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、更に好ましくは2.0〜3.0である。
また、第1の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤において、特に単独重合体を含有させる場合には、実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体以外の他の重合体を含有させないことが、スケール形成抑制能の向上という観点から望ましい。
更に、第1の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、例えば緑液系スケール形成抑制剤が液体(典型例として水溶液を挙げることができる。)である場合には、固形分が20〜60質量%であることが好ましい。固形分の割合が20質量%以上60質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。また、後述するスケール形成抑制方法を実施する際に、このような液体であると流体への拡散性や取扱い性に優れるという利点もある。また、例えば緑液系スケール形成抑制剤が水溶液である場合には、その25℃における粘度が50〜300mPa・sであることが流体への拡散性や取扱い性に優れるという観点から好ましい。このような場合にも、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
更にまた、第1の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤において、例えば実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体以外の他の重合体を含有させない場合であっても、使用に際して別途添加する他の成分と共に用いることを妨げるものではない。
また、第1の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤が液体である場合において、共重合体がポリイタコン酸ナトリウムである場合であって、他の成分がポリマレイン酸である場合には、それぞれの水溶液のpHは8〜10(弱アルカリ性)と0.5〜1.5(酸性)である。
これらを使用に際して直接混合して用いると、これらが反応するため拡散性や取扱い性が低下することがあり、所望のスケール形成抑制能が発揮されないことがある。このような場合には、使用に際して緑液系における流体に別々に導入して用いることが望ましい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤としては、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み、且つ重量平均分子量が400〜150000である他の重合体とを含有するものを挙げることができる。
このような緑液系スケール形成抑制剤を緑液系の流体に導入することにより、緑液を製造する系におけるスケールの形成を抑制することができる。
ここで、重合体としては、実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体に限定されるものではなく、他のモノマー単位を含む共重合体を適用することもできる。もちろん単独重合体と共重合体を混合して用いることもできる。
また、「実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体」とは、イタコン酸及びその塩以外の他のモノマー単位が、スケール形成を抑制できる量以上には、モノマー単位として含有されていないことを意味する。
なお、「他のモノマー単位がスケール形成を抑制できる」とは、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸のように重合体を構成する他のモノマー単位自体がスケール形成抑制作用を発揮する場合のみに限定されるものではない。すなわち、スケール形成抑制作用を発揮するイタコン酸やその塩、後述する炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸などと共に重合体を構成し、スケール形成抑制作用を発揮するモノマー単位がスケール形成抑制作用を発揮し易いようにする場合も含まれる。
実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体の典型例としては、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体を挙げることができる。
なお、「モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩である単独重合体」とは、イタコン酸又はその塩の1種のみから構成されるもののことのみを意味するのではない。すなわち、モノマー単位の骨格がイタコン酸に由来するものであれば、イタコン酸及びその塩から構成されるものも含む意味に解釈しなければならない。
また、イタコン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。
更に、イタコン酸の塩としては、上記した1種の塩に限定されるものではなく、複数種の塩を含んでいてもよい。
また、他のモノマー単位としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、p−ビニル安息香酸などの炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸を挙げることができる。また、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることもできる。
更に、他のモノマー単位としては、これら以外にも、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−2−アリロキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、イソブチレンなどを挙げることができる。
重合体の重量平均分子量が500未満の場合には、モノマー自体の物性に近くなってスケール形成抑制能が低くなる。また、重合体の重量平均分子量が150000を超える場合には、高分子領域となってスケール形成抑制能が低くなる。
スケール形成抑制能の向上という観点からは、重合体の重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましい。
重量平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた重量平均分子量を適用すればよい。
また、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の数平均分子量は200〜30000が好ましく、より好ましくは1000〜15000、更に好ましくは2000〜8000、特に好ましくは3000〜7000である。
数平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた数平均分子量を適用すればよい。
更に、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は好ましくは5.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、更に好ましくは2.0〜3.0である。
一方、他の重合体に含まれるモノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、p−ビニル安息香酸などの炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸を挙げることができる。また、その塩(イタコン酸の塩を除く。)としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。
他の重合体の重量平均分子量が400未満の場合には、モノマー自体の物性に近くなってスケール形成抑制能が低くなる。また、他の重合体の重量平均分子量が150000を超える場合には、高分子領域となってスケール形成抑制能が低くなる。
スケール形成抑制能の向上という観点からは、他の重合体の重量平均分子量が400〜100000であることが好ましい。なお、他の重合体がポリマレイン酸又はその塩である場合には重量平均分子量が400〜30000であることが好ましい。
また、第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、特に限定されるものではないが、上述した重合体の含有率が、上述した重合体及び他の重合体の合計含有量を基準として、20〜80質量%であることが好ましい。上述した重合体の割合が20質量%以上80質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
更に、第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、例えば緑液系スケール形成抑制剤が液体(典型例として水溶液を挙げることができる。)である場合には、固形分が20〜60質量%であることが好ましい。固形分の割合が20質量%以上60質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。また、後述するスケール形成抑制方法を実施する際に、このような液体であると流体への拡散性や取扱い性に優れるという利点もある。また、例えば緑液系スケール形成抑制剤が水溶液である場合には、その25℃における粘度が50〜300mPa・sであることが流体への拡散性や取扱い性に優れるという観点から好ましい。このような場合にも、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
更にまた、第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤が、例えばモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する水溶液と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み、且つ重量平均分子量が400〜150000である他の重合体を含有する水溶液とからなるものである場合であって、これらの水溶液のpHが異なる場合には、使用に際して緑液系における流体に別々に導入して用いることが望ましい。
例えば、第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤が、重合体が所定の重量平均分子量であるポリイタコン酸ナトリウムを含有する水溶液と、他の重合体が所定の重量平均分子量であるポリマレイン酸を含有する水溶液とからなるものである場合には、ポリイタコン酸ナトリウム水溶液のpHは8〜10(弱アルカリ性)であり、ポリマレイン酸水溶液のpHは0.5〜1.5(酸性)である。これらを直接混合して用いると、これらが反応するため拡散性や取扱い性が低下することがあり、所望のスケール形成抑制能が発揮されないことがある。このような場合には、使用に際して緑液系における流体に別々に導入して用いることが望ましい。
もちろん、例えば、第2の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤を構成する重合体と他の重合体の双方の水溶液が酸性である場合やアルカリ性である場合には使用に際して予め直接混合して用いることもできる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤としては、モノマー単位として、イタコン酸及び/又はその塩と、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)と炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸及び/又はその塩の少なくとも一方とを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である共重合体を含有するものを挙げることができる。
このような緑液系スケール形成抑制剤を緑液系の流体に導入することにより、緑液を製造する系におけるスケールの形成を抑制することができる。
ここで、イタコン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。また、イタコン酸の塩としては、上記した1種の塩に限定されるものではなく、複数種の塩を含んでいてもよい。
また、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、p−ビニル安息香酸などを挙げることができる。更に、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸塩(イタコン酸の塩を除く。)としては、例えば上記カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。
更に、炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸としては、例えばビニルホスホン酸などを挙げることができる。更に、炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸塩としては、例えば上記ホスホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン(アンモニウム)塩などを挙げることができる。
共重合体の重量平均分子量が500未満の場合には、各モノマー自体の物性に近くなってスケール形成抑制能が低くなる。また、共重合体の重量平均分子量が150000を超える場合には、高分子領域となってスケール形成抑制能が低くなる。
スケール形成抑制能の向上という観点からは、共重合体の重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましい。
重量平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた重量平均分子量を適用すればよい。
また、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の数平均分子量は200〜30000が好ましく、より好ましくは1000〜15000、更に好ましくは2000〜8000、特に好ましくは3000〜7000である。
数平均分子量については、例えばポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で得られた数平均分子量を適用すればよい。
更に、スケール形成抑制能の向上という観点から、重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は好ましくは5.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、更に好ましくは2.0〜3.0である。
また、第3の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、特に限定されるものではないが、共重合体における上記イタコン酸及びその塩の合計モノマー単位の全モノマー単位に対する割合がモル比で0.10〜0.90であることが好ましく、0.20〜0.80であることがより好ましい。
共重合体における上記イタコン酸及びその塩の合計モノマー単位の割合が、モル比で、0.10以上0.90以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
更に、第3の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤においては、例えば緑液系スケール形成抑制剤が液体(典型例として水溶液を挙げることができる。)である場合には、固形分が20〜60質量%であることが好ましい。固形分の割合が20質量%以上60質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。また、後述するスケール形成抑制方法を実施する際に、このような液体であると流体への拡散性や取扱い性に優れるという利点もある。また、例えば緑液系スケール形成抑制剤が水溶液である場合には、その25℃における粘度が50〜300mPa・sであることが流体への拡散性や取扱い性に優れるという観点から好ましい。このような場合にも、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
<スケール形成抑制方法>
本発明の一実施形態に係るスケール形成抑制方法は、上記本発明の緑液系スケール形成抑制剤を、緑液系における流体に導入する方法である。
このように、本発明の緑液系スケール形成抑制剤を緑液を製造する系の流体に導入することにより、緑液を製造する系におけるスケールの形成を抑制することができる。
また、本実施形態のスケール形成抑制方法においては、緑液系スケール形成抑制剤を、緑液を製造する系における流体1Lに対して、緑液系スケール形成抑制剤(水溶液などの液体の場合には有効成分となる固形分に換算する。)を0.1〜1000mg(濃度:0.1〜1000mg/L)導入することが好ましく、0.1〜100mg(濃度:0.1〜100mg/L)導入することがより好ましく、1〜50mg(濃度:1〜50mg/L)導入することが更に好ましい。
0.1mg/L以上1000mg/L以下という範囲内で緑液系スケール形成抑制剤を導入することにより、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。
更に、本実施形態のスケール形成抑制方法においては、導入する緑液系スケール形成抑制剤が固体(典型例としては粉末を挙げることができる。)であっても、液体(典型例としては水溶液を挙げることができる。)であってもよい。もちろん、これらに限定されるものではなく、ゲルやゾル、更には懸濁液であってもよい。
特に限定されるものではないが、スケール形成抑制剤として、例えば液体であるものを用いる場合には、固形分が20〜60質量%であることが好ましい。固形分の割合が20質量%以上60質量%以下という範囲内であると、良好なスケール形成抑制能が発現されやすい。また、スケール形成抑制方法を実施する際の流体への拡散性や取扱い性に優れるという利点もある。
更にまた、適用する緑液系スケール形成抑制剤が、例えばモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩とモノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)とを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する水溶液と、他の成分を含有する水溶液とからなるものである場合であって、これらの水溶液のpHが異なる場合には、使用に際して緑液系における流体に別々に導入して用いることが望ましい。
例えば、第3の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤が、所定の重量平均分子量であるイタコン酸ナトリウムとアクリル酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウムとの共重合体を含有する水溶液と、所定の重量平均分子量であるポリマレイン酸を含有する水溶液とからなるものである場合には、共重合体水溶液のpHは7〜10(中性〜弱アルカリ性)であり、ポリマレイン酸水溶液のpHは0.5〜1.5(酸性)である。これらを直接混合して用いると、これらが反応するため拡散性や取扱い性が低下することがあり、所望のスケール形成抑制能が発揮されないことがある。このような場合には、使用に際して緑液系における流体に別々に導入して用いることが望ましい。
もちろん、例えば、第3の実施形態の緑液系スケール形成抑制剤を構成する重合体と他の重合体の双方の水溶液が酸性である場合やアルカリ性である場合には使用に際して予め直接混合して用いることもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における各重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレンを標準としたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製HLC−8120GPC)による分子量測定で得られた重量平均分子量及び数平均分子量である。
(実施例1−1〜実施例1−5、比較例1−1、比較例1−2)
スケール形成抑制剤の構成成分として有用なものを選定するべく、表1に示される重合体を作製した。反応時間を適宜変更したことを除き作製手順が共通するため、重合体Dの作製方法についてのみ説明する。なお、各例のスケール形成抑制剤(水溶液)の固形分の割合は40質量%に調整した。
<重合体D>
まず、イタコン酸130g(1.0モル)、メタノール32g(1.0モル)、キシレン223g(2.1モル)を撹拌下還流しながら、ジ−t−ブチルパーオキサイド7.3g(0.05モル)を3時間に亘って少量ずつ添加した。次いで、この混合液を150℃で約3時間撹拌した後、80℃に冷却した。更に、純水370gを加え、50℃で2時間撹拌して加水分解を行った。しかる後、水蒸気蒸留にてキシレンを分離した。更に、既知の方法であるアルカリ(水酸化ナトリウム水溶液等)による中和によって、重合体Dの水溶液を得た。なお、得られた重合体Dの数平均分子量は4500であった。したがって、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は2.2である。また、得られた水溶液の固形分の割合を40質量%に調整した。
Figure 2011132637
[評価試験]
クラフトパルプ製造工程で発生する緑液については、模擬緑液(pH:13.7、全アルカリ度(NaO換算値):140g/L、ナトリウムイオン濃度:103g/L、カルシウムイオン濃度:3.2mg/L)を試験水として用いた。
まず、試験水(模擬緑液)をビーカーに100mL採取した。
次いで、実施例1−3の緑液系スケール形成抑制剤の固形分である重合体の試験水における濃度が10ppmとなるように緑液系スケール形成抑制剤を試験水に添加して混合した。
次いで、緑液系スケール形成抑制剤を添加した試験水を90℃恒温槽に約3時間静置した。
次いで、静置した試験水に対してカルシウムイオン(CaClを使用)を25ppm添加して混合した。
更に、カルシウムイオンを添加した試験水を90℃恒温槽に120分間静置した。
しかる後、No.5C濾紙を用いて濾別した後、速やかに濾液中のカルシウムイオン濃度を高周波ICP発光分光分析装置で測定した。その結果、試料添加時のカルシウムイオン濃度は26.7ppmであった。また、無添加時でのカルシウムイオン濃度は2.2ppmであった。
各例の緑液系スケール形成抑制剤について、別の添加量によって測定したこと以外は、各例とも同様の操作を繰り返して、試料添加時のカルシウムイオン濃度等を測定した。得られた結果を表2に示す。また、カルシウムスケール抑制率を下記の式(1)により算出した。得られた結果を表2に併記する。
Figure 2011132637
Figure 2011132637
表2より、重量平均分子量が500〜150000であるポリイタコン酸のナトリウム塩を含む緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、重量平均分子量が1000〜100000であるポリイタコン酸のナトリウム塩を含む緑液系スケール形成抑制剤がより優れたスケール抑制能を示し、重量平均分子量が2000〜50000であるポリイタコン酸のナトリウム塩を含む緑液系スケール形成抑制剤が更に優れたスケール抑制能を示すことが分かる。
つまり、モノマー単位としてポリイタコン酸及び/又はその塩を含み且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、モノマー単位としてポリイタコン酸及び/又はその塩を含み且つ重量平均分子量が1000〜100000である重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたスケール抑制能を示すことが分かる。
(実施例1−3−1〜実施例1−3−6)
更に、スケール形成抑制剤の構成成分として有用なものを選定するべく、表3に示される重合体を作製した。各例の緑液系スケール形成抑制剤について、同様の操作を繰り返して、試料添加時のカルシウムイオン濃度等を測定した。得られた結果を表3に併記する(なお、実施例1−3−1と実施例1−3は同一である。)。また、カルシウムスケール抑制率を上記の式(1)により算出した。得られた結果を表3に併記する。
Figure 2011132637
表3より、優れたカルシウムスケール抑制能を示すという観点からは、重量平均分子量/数平均分子量が好ましくは1.2〜4.1であり、より好ましくは1.7〜3.3であり、更に好ましくは2.2〜2.6である。
表2、表5及び表7より、重量平均分子量が500〜150000であるポリイタコン酸やそのナトリウム塩を含む緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、重量平均分子量が1000〜100000であるポリイタコン酸のナトリウム塩を含む緑液系スケール形成抑制剤が更に優れたスケール抑制能を示すことが分かる。
つまり、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩であり、且つ重量平均分子量が500〜150000である単独重合体を含有し、この単独重合体以外の他の重合体を含有しない緑液系スケール形成抑制剤がより優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩であり、且つ重量平均分子量が1000〜100000である単独重合体を含有し、この単独重合体以外の他の重合体を含有しない緑液系スケール形成抑制剤が特に優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。
現時点では、モノマー単位がイタコン酸及び/又はその塩であり、且つ重量平均分子量が500〜150000である単独重合体がこのように特に優れたカルシウムスケール抑制能を示す理由は定かではないが、下記のような理由が考えられる。
(1)重合度が同程度のポリマレイン酸と比較した場合には、カルシウムスケール抑制に寄与するカルボキシル基の近傍が立体的に混み合っていない。
(2)重合度が同程度のポリアクリル酸と比較した場合には、カルシウムスケール抑制に寄与するカルボキシル基の数が多い。
(3)重合度が同程度のマレイン酸及びアクリル酸の共重合体と比較した場合、カルシウムスケール抑制に寄与するカルボキシル基の一方が炭素主鎖から離れており、カルボキシル基の近傍が立体的に混み合っていない。
(実施例2−1〜実施例2−3、比較例2−1〜比較例2−4)
スケール形成抑制剤の構成成分として有用なものを選定するべく、表4に示される重合体を作製した。添加量及び反応時間を適宜変更したことを除き作製手順が共通するため、重合体H及び重合体Zの作製方法についてのみ説明する。なお、各例のスケール形成抑制剤(水溶液)の固形分の割合は40質量%に調整した。
<重合体H>
まず、イタコン酸130g(1.0モル)、メタノール32g(1.0モル)、キシレン223g(2.1モル)を撹拌下還流しながら、ジ−t−ブチルパーオキサイド7.3g(0.05モル)を3時間に亘って少量ずつ添加した。次いで、この混合液を150℃で約3時間撹拌した後、80℃に冷却した。更に、純水370gを加え、50℃で2時間撹拌して加水分解を行った。しかる後、水蒸気蒸留にてキシレンを分離することによって、重合体Hの水溶液を得た。なお、得られた重合体Hの数平均分子量は4500であった。また、得られた水溶液の固形分の割合を40質量%に調整した。
<重合体Z>
まず、マレイン酸116g(1.0モル)、メタノール32g(1.0モル)、キシレン223g(2.1モル)を撹拌下還流しながら、ジ−t−ブチルパーオキサイド7.3g(0.05モル)を約2.5時間に亘って少量ずつ添加した。次いで、この混合液を150℃で2時間撹拌した後、80℃に冷却した。更に、純水370gを加え、50℃で1.5時間撹拌して加水分解を行った。しかる後、水蒸気蒸留にてキシレンを分離することによって、重合体Zの水溶液を得た。なお、得られた水溶液の固形分の割合を40質量%に調整した。
Figure 2011132637
[評価試験]
クラフトパルプ製造工程で発生する緑液については、模擬緑液(pH:13.7、全アルカリ度(NaO換算値):140g/L、ナトリウムイオン濃度:103g/L、カルシウムイオン濃度:3.2mg/L)を試験水として用いた。
まず、試験水(模擬緑液)をビーカーに100mL採取した。
次いで、実施例2−1の緑液系スケール形成抑制剤の固形分である重合体の試験水における濃度が10ppmとなるように緑液系スケール形成抑制剤を試験水に添加して混合した(なお、2種の重合体を適用するものについては別々に添加した。)。
次いで、緑液系スケール形成抑制剤を添加した試験水を90℃恒温槽に約3時間静置した。
次いで、静置した試験水に対してカルシウムイオン(CaClを使用)を25ppm添加して混合した。
更に、カルシウムイオンを添加した試験水を90℃恒温槽に120分間静置した。
しかる後、No.5C濾紙を用いて濾別した後、速やかに濾液中のカルシウムイオン濃度を高周波ICP発光分光分析装置で測定した。その結果、試料添加時のカルシウムイオン濃度は23.9ppmであった。また、無添加時でのカルシウムイオン濃度は2.2ppmであった。
各例の緑液系スケール形成抑制剤について、別の添加量によって測定したこと以外は、各例とも同様の操作を繰り返して、試料添加時のカルシウムイオン濃度等を測定した。得られた結果を表5に示す。また、カルシウムスケール抑制率を上記の式(1)により算出した。得られた結果を表5に併記する。
Figure 2011132637
表5より、重量平均分子量が500〜150000であるポリイタコン酸等と重量平均分子量が400〜150000であり且つモノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)等とを含む緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、重量平均分子量が1000〜100000であるポリイタコン酸等と重量平均分子量が400〜100000であり且つモノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)等とを含む緑液系スケール形成抑制剤が更に優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。
つまり、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み且つ重量平均分子量が400〜150000である他の重合体とを含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。
また、モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み且つ重量平均分子量が1000〜100000である重合体と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み、且つ重量平均分子量が400〜100000である他の重合体とを含有する緑液系スケール形成抑制剤が更に優れたスケール抑制能を示すことが分かる。
(実施例3−1〜実施例3−3、比較例3−1〜比較例3−4)
スケール形成抑制剤の構成成分として有用なものを選定するべく、表6に示される重合体を作製した。添加量及び反応時間を適宜変更したことを除き作製手順が共通するため、重合体Jの作製方法についてのみ説明する。なお、各例のスケール形成抑制剤(水溶液)の固形分の割合は40質量%に調整した。
<重合体J>
まず、イタコン酸104g(0.8モル)、アクリル酸14.4g(0.2モル)、メタノール32g(1.0モル)、キシレン223g(2.1モル)を撹拌下還流しながら、ジ−t−ブチルパーオキサイド7.3g(0.05モル)を3時間に亘って少量ずつ添加した。次いで、この混合液を150℃で2時間撹拌した後、90℃に冷却した。更に、純水340gを加え、50℃で2時間撹拌して加水分解を行った。しかる後、水蒸気蒸留にてキシレンを分離することによって、重合体Jの水溶液を得た。なお、得られた水溶液の固形分の割合はを40質量%に調整した。
Figure 2011132637
[評価試験]
クラフトパルプ製造工程で発生する緑液については、模擬緑液(pH:13.7、全アルカリ度(NaO換算値):140g/L、ナトリウムイオン濃度:103g/L、カルシウムイオン濃度:3.2mg/L)を試験水として用いた。
まず、試験水(模擬緑液)をビーカーに100mL採取した。
次いで、実施例3−1の緑液系スケール形成抑制剤の固形分である重合体の試験水における濃度が10ppmとなるように緑液系スケール形成抑制剤を試験水に添加して混合した。
次いで、緑液系スケール形成抑制剤を添加した試験水を90℃恒温槽に約3時間静置した。
次いで、静置した試験水に対してカルシウムイオン(CaClを使用)を25ppm添加して混合した。
更に、カルシウムイオンを添加した試験水を90℃恒温槽に120分間静置した。
しかる後、No.5C濾紙を用いて濾別した後、速やかに濾液中のカルシウムイオン濃度を高周波ICP発光分光分析装置で測定した。その結果、試料添加時のカルシウムイオン濃度は23.5ppmであった。また、無添加時でのカルシウムイオン濃度は2.2ppmであった。
各例の緑液系スケール形成抑制剤について、別の添加量によって測定したこと以外は、各例とも同様の操作を繰り返して、試料添加時のカルシウムイオン濃度等を測定した。得られた結果を表7に示す。また、カルシウムスケール抑制率を上記の式(1)により算出した。得られた結果を表7に併記する。
Figure 2011132637
表7より、モノマー単位としてイタコン酸等と炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)等やホスホン酸等とを含み且つ重量平均分子量が500〜150000である共重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。また、モノマー単位としてイタコン酸等と炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸(イタコン酸を除く。)等やホスホン酸等とを含み且つ重量平均分子量が1000〜100000である共重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。
つまり、モノマー単位として、イタコン酸及び/又はその塩と、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)と炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸及び/又はその塩の少なくとも一方とを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有する緑液系スケール形成抑制剤が優れたカルシウムスケール抑制能を示すことが分かる。
以上、本発明を若干の実施の形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施例においては、緑液系スケール形成抑制剤として2種の重合体を適用する際に、緑液系の流体に各重合体を別々に添加する例、いわゆる2液型を例に挙げて説明したが、緑液系の流体に2種の重合体を予め混合して添加する例、いわゆる1液型の場合についても、本発明を適用することができる。
上記実施形態及び実施例においては、緑液系スケール形成抑制剤として1種又は2種の重合体を適用する場合を例に挙げて説明したが、緑液系スケール形成抑制剤として3種以上の重合体を適用する場合についても、本発明を適用することができる。

Claims (11)

  1. モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有することを特徴とする緑液系スケール形成抑制剤。
  2. 上記重合体の重量平均分子量が1000〜100000であることを特徴とする請求項1に記載の緑液系スケール形成抑制剤。
  3. 上記重合体が実質的にモノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩のみを含む重合体であることを特徴とする請求項1に記載の緑液系スケール形成抑制剤。
  4. 上記重合体の重量平均分子量/数平均分子量が5.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の緑液系スケール形成抑制剤。
  5. モノマー単位としてイタコン酸及び/又はその塩を含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体と、モノマー単位として炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)を含み、且つ重量平均分子量が400〜150000である他の重合体とを含有することを特徴とする緑液系スケール形成抑制剤。
  6. 上記重合体の含有率が、上記重合体及び上記他の重合体の合計含有量を基準として、20〜80質量%であることを特徴とする請求項5に記載の緑液系スケール形成抑制剤。
  7. モノマー単位として、イタコン酸及び/又はその塩と、炭素炭素不飽和結合を有するカルボン酸及び/又はその塩(イタコン酸及びその塩を除く。)と炭素炭素不飽和結合を有するホスホン酸及び/又はその塩の少なくとも一方とを含み、且つ重量平均分子量が500〜150000である重合体を含有することを特徴とする緑液系スケール形成抑制剤。
  8. 上記重合体における上記イタコン酸及びその塩の合計モノマー単位の全モノマー単位に対する割合がモル比で0.10〜0.90であることを特徴とする請求項7に記載の緑液系スケール形成抑制剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の緑液系スケール形成抑制剤を、緑液系における流体に導入することを特徴とする緑液系におけるスケール形成抑制方法。
  10. 上記緑液系スケール形成抑制剤を、上記流体に対する該緑液系スケール形成抑制剤の濃度が0.1〜1000mg/Lとなるように導入することを特徴とする請求項9に記載のスケール形成抑制方法。
  11. 固形分が20〜60質量%である緑液系スケール形成抑制剤を用いることを特徴とする請求項9又は10に記載のスケール形成抑制方法。
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