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JP2011117414A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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JP2011117414A JP2009277608A JP2009277608A JP2011117414A JP 2011117414 A JP2011117414 A JP 2011117414A JP 2009277608 A JP2009277608 A JP 2009277608A JP 2009277608 A JP2009277608 A JP 2009277608A JP 2011117414 A JP2011117414 A JP 2011117414A
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Daisuke Yoshiga
大輔 吉賀
Noritoshi Matsunaga
礼俊 松永
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

【課題】本発明は、ピン部材の圧入により発生するフリクションを抑えながら、アウタカムシャフト外周部上の可動カムとアウタカムシャフト内部のインナカムシャフトとの接続が行なえる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変動弁装置は、ピン部材24が圧入される、アウタカムシャフト17a外周部上の可動カム22およびアウタカムシャフト17a内部のインナカムシャフト17bの圧入部分48,49のうちの一部にクリアランス50を形成した。これにより、ピン部材24の圧入時の抵抗を減じてピン部材24の圧入に要する圧入荷重を抑え、ピン部材24の圧入に伴う、可動カム22やインナカムシャフト17bの変形や撓みを抑えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、基準カムを基準として可動カムの位相を可変可能とした内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)では、エンジンの排出ガスの対策やポンピングロスの改善を図るために、シリンダヘッドに可変動弁装置を搭載することが行なわれつつある。
こうした可変動弁装置には、パイプ部材で形成されたアウタカムシャフト内にインナカムシャフトを回動可能に収めて、エンジンのクランク出力により駆動されるシャフト部材とし、アウタカムシャフトの外周部に固定式の基準カムとシャフト軸心周りに回動可能な可動カムとを設け、可動カムとインナカムシャフトとの間をシャフト直径方向から挿入されるピン部材で、アウタカムシャフトとインナカムシャフト間での相対変位を許しながら接続する構造を採用して、ピン部材から出力されるインナカムシャフトの相対変位により、可動カムの位相を基準カムに可変させて、バルブの開いている期間を変化(スプリット可変)させるものがある(特許文献1,2を参照)。
上記可変動弁装置では、容易な作業で、アウタカムシャフト内外に有るインナカムシャフトと可動カムと間を接続することが求められる。そこで、ピン部材として圧入ピンを用い、同圧入ピンをシャフト直径方向から圧入して、アウタカムシャフトの内外の可動カムとインナカムシャフトを接続することが提案されている。
特開2009−144521号公報 特開2009−144522号公報
ところで、圧入ピンを可動カムおよびインナカムシャフトに圧入させる場合、圧入ピンには、可動カム、インナカムシャフトを圧入させるだけの大きな圧入荷重が求められる。
ところが、圧入荷重は大きくなると、可動カムあるいはインナシャフトカムを変形させたり撓ませたりしやすくなる。特にアウタカムシャフトはパイプ部材で形成されるから、圧入荷重の影響を受けやすい。このため、圧入ピンの圧入により生ずる変形や撓みが要因に、可動カムとアウタカムシャフトとの間におけるフリクションが増加したり、インナカムシャフトとアウタカムシャフトとの間で不要なフリクションが生じたりすることがある。同フリクションの発生は、エンジン性能の安定性を損なってしまう。
そこで、本発明の目的は、ピン部材の圧入により発生するフリクションを抑えながら、アウタカムシャフト外周部上の可動カムとアウタカムシャフト内部のインナカムシャフトとの接続が行なえる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、シャフト部材の直径方向からピン部材が圧入される、アウタカムシャフト外周部上の可動カムおよびアウタカムシャフト内部のインナカムシャフトの圧入部分のうちの一部にクリアランスを形成した。
同構成により、ピン部材の圧入時の抵抗を減じ、ピン部材の圧入に要する圧入荷重が小さくてすむようにした。
請求項2に記載の発明は、簡単な構造ですむよう、クリアランスは、可動カムのピン部材が圧入される圧入部を、当該ピン部材との接触を断つ内径寸法を有する孔部で形成して得ることとした。
請求項3に記載の発明は、同じく、クリアランスは、インナカムシャフトのピン部材が圧入される圧入部を、当該ピン部材との接触を断つ内径寸法を有する孔部により形成して得ることとした。
請求項4に記載の発明は、さらに固定部材の配置を、バルブを駆動する部材よりもカム軸方向に離れた位置にする構造とした。
請求項1の発明によれば、クリアランスの形成により、ピン部材の圧入時の抵抗は減じられ、ピン部材の圧入に要する荷重が小さく抑えられるから、ピン部材の圧入に伴う、可動カムやインナカムシャフトの変形や撓みを抑えることができ、同変形や撓みを要因とした可動カムとアウタカムシャフト間やインナカムシャフトとアウタカムシャフト間でのフリクションの発生を抑えることができる。
したがって、容易なピン部材の圧入作業のまま、フリクションの発生を抑えつつ、アウタカムシャフト外周部上の可動カムとアウタカムシャフト内部のインナカムシャフトを接続することができる。これにより、気筒間でのカム位相のばらつきが抑えられ、安定したエンジン性能を得ることができる。しかも、ピン部材の圧入荷重が抑えられるから、容易に可変動弁装置が組み立てられる利点もある。
請求項2,3の発明によれば、クリアランスは、可動カムあるいはインナカムシャフトの圧入部分をピン部材の接触を断つ内径寸法をもつ孔部で形成するだけの簡単な構造で確保できる。
請求項4の発明によれば、固定部材は、可動カムと当接してバルブを駆動する部材よりもカム軸方向に離れた位置に配置されるため、例えば固定部材が片側に飛び出したり外れたりした場合に、バルブを駆動する部材と噛み合う危険性を避けることができ、固定部材の飛び出しによるエンジンの破損を避けることができる。
本発明の第1の実施形態に係る可変動弁装置を、同装置を搭載したシリンダヘッドと共に示す平面図。 図1中のI−I線に沿う可変動弁装置の一部の断面図。 同可変動弁装置の構造を示す図。 可変動弁装置の可変特性を示す線図。 図2中のII−II線に沿う断面図。 図5中の矢視IIIから見た図。 本発明の第2の実施形態の要部を示す断面図。 図7中のIV−IV線に沿う断面図。
以下、本発明を図1〜図6に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は内燃機関、例えば3気筒(複数気筒)のレシプロエンジン(以下、単にエンジンという)の平面を示し、図2は図1中のI−I線に沿う断面を示していて、同図中1は同エンジンのシリンダブロック、2は同シリンダブロック1の頭部に搭載されたシリンダヘッドを示している。
このうちシリンダブロック1には、図1および図2に示されるようにエンジンの前後方向に沿って3つの気筒3(一部気筒だけ図示)が形成されている。これら各気筒3内に、クランクシャフト(図示しない)からコンロッド(図示しない)を介して分かれた各ピストン4(図2だけに図示)が往復動可能に収められる。
シリンダヘッド2の下面には、各気筒3に対応してそれぞれ燃焼室5が形成されている。各燃焼室5には、吸気を行なう一対の吸気ポート7(2個)、排気を行なう一対の排気ポート(図示しない)が開口している。各吸気ポート7には、タペット9が装着された一対の吸気バルブ10(2個)が設けられている。そして、最上部に有るタペット9がシリンダヘッド2の上部に臨んでいる。各排気ポート(図示しない)には、同様に一対の排気バルブ(図示しない)が設けられる。これら吸気バルブ10、排気バルブ(図示しない)にて、吸気ポート7、排気ポート(図示しない)が開閉される。さらに各燃焼室5には、図示はしないが点火プラグがそれぞれ設けられる。
また図1に示されるようにシリンダヘッド2の上部左右には、クランクシャフトの軸出力で駆動される吸気側の動弁装置6a、同じく排気側の動弁装置6bが設けられていて、各気筒3で所定の燃焼サイクル(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4サイクル)が繰り返し行なわれるようにしている。これら動弁装置6a,6bのうち、排気側の動弁装置6bには、通常のカムシャフト13を用いた構造が用いられる。具体的には一対の排気カム12を一体に形成したカムシャフト、詳しくは図2および図に示されるような3気筒分の排気カム12を削り出し加工により形成したカムシャフト13を用いられる。このカムシャフト13が、気筒3が並ぶ方向に回転自在に組み付けられ、各排気カム12のカム面を排気バルブ(図示しない)の基端部に当接させている。これで、各排気カム13のカムをそれぞれ排気バルブ(図示しない)へ伝える。
また吸気側の動弁装置6aには、排気側のカムシャフト13とは異なり、図2および図3に示されるような別体な部材を組み付けて構成されるカムシャフト、いわゆる組立カム構造のカムシャフト14が用いられている。このカムシャフト14を用いて、図2および図3に示されるようなスプリット式の可変動弁装置15を構成している。
可変動弁装置15を説明すると、カムシャフト14のシャフト部材は、例えば図2および図3に示されるような中空のパイプ部材で構成されたアウタカムシャフト17a内に、制御部材をなす中実の軸部材で構成されたインナカムシャフト17bを回動可能に収めた二重シャフト17で形成される。この二重シャフト17も排気側のカムシャフト13と同様、気筒3が並ぶ方向に沿って配置される。この二重シャフト17のうちの一方の端部(片側)、すなわちアウタカムシャフト17aの一方の端部は、アウタカムシャフト17a端に取着されたブラケット37を介して、シリンダヘッド2の一方の端部(片側)に設置してある軸受部18aに回動自在に支持される。またアウタカムシャフト17aの中間部は、タペット9間に設置した中間の軸受部18bに回転自在に支持される。これで、両シャフト17a,17b共、同一軸心を中心に回転できるようにしている。なお、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bとの間は、クリアランスにより相対変位可能となっている。
アウタカムシャフト17aには、気筒毎の一対の吸気バルブ10と対応して、一対(2個)の吸気カム19がそれぞれ設けられている。吸気カム19は、いずれも、基準を位相を定める基準カム20と可動側のカムとなるカムローブ22(本願の可動カムに相当)とを組み合わせて構成される。
このうち基準カム20は、アウタカムシャフト17aのうち片側のタペット、例えば左側のタペット9と対応した外周部分に固定されている。基準カム20は、板カムで形成され、例えば圧入によりアウタカムシャフト17aの外側に固定され、左側のタペット9の直上に固定してある。この基準カム20のカム面が、左側の吸気バルブ10の基端部と当接し、同基準カム20のカム変位が左側の吸気バルブ10に伝えられる構造としている。
カムローブ22は、板カムで形成されたカム山部22aを有している。このカム山部22aに、安定性を確保するための部分、すなわち中空のボス部22bが組み合わさり、カムローブ全体を構成している。カムローブ22は、アウタカムシャフト17aの外側に周方向に回動自在に嵌められ、カム山部22aを残る右側のタペット9の直上に配置させている。このカム山部22aのカム面が、右側の吸気バルブ10の基端部と当接し、同カム山部22aのカム変位が右側の吸気バルブ10に伝えられる構造としている。
そして、カムローブ22のボス部22bとインナカムシャフト17bとの間が、ピン部材の圧入、例えば圧入ピン24(本願のピン部材に相当)によって連結してある。具体的には両者間は、シャフト直径方向から、二重シャフト17を貫通するよう、圧入ピン24を圧入させることによって、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bとでの相対変位を許しながら接続してある。すなわち、図3(a),(b)に示されるように圧入ピン24がそれぞれ通過するアウタカムシャフト17aの周壁部分には、圧入ピン24を逃がす逃がし孔、例えば遅角方向に延びる長孔26が形成されていて、インナカムシャフト17bがアウタカムシャフト17aに対して相対変位すると、カム山部22aのカム位相が、基準となる基準カム20のカム位相から遅角したカム位相まで可変できるようにしている。
また圧入ピン24は、バルブを駆動する部材であるタペット9(被駆動部材)よりも外側(タペット9よりもカム軸方向に離れた位置)に配置されている。
二重シャフト17の一方の端部には、内・外シャフトを相対変位させるカム位相変更機構25が装着され、基準カム20を基準にカムローブ22のカム位相が変更可能な可変動弁装置15を構成している。
すなわち、カム位相変更機構25は、例えば図2および図3に示されるように複数の遅角室30を周方向沿いに有する円筒形のハウジング31内に、軸部32の外周部から放射状に複数のベーン33が突き出たベーン部34を回動自在に収め、各ベーン33で各遅角室30内を仕切る回動ベーン構造が用いてある。なお、ハウジング31の外周部にはタイミングスプロケット39が設けられている。同スプロケット39は、タイミングチェーン40を介して、排気側のカムシャフト13端に装着したタイミングスプロケット13aと共にクランクシャフト(図示しない)につながる。このうちハウジング31は、固定ボルト36によって、アウタカムシャフト17a端に取着されているブラケット37(図2に図示)に連結され、残るベーン部34の軸部32は、固定ボルト38によって、インナカムシャフト17bの軸端に連結され、ベーン33が遅角室30内を回動変位すると、インナカムシャフト17bがアウタカムシャフト17aに対して相対的に変位するようにしている。
さらに述べると、カムローブ22のカム位相は、ハウジング31とベーン部34との間をむすぶように設けた戻り用スプリング部材42(図2だけ図示)の付勢力により、基準となる基準カム20のカム位相に揃えられる。また各遅角室30は、ハウジング31やブラケット37や軸受部18aに形成された各種油路43(図2だけ図示)を介して、オイルコントロールバルブ44(以下、OCV44という)、油圧供給部45(例えばオイルを供給するオイルポンプを有して装置で構成)に接続される。つまり、各遅角室30内にオイルが供給されると、図4の線図に示されるようなカムローブ22を基準カム20から遅角方向へ変位させるというスプリット可変が行なわれる。
すなわち、クランクシャフト(図示しない)からの軸出力は、タイミングチェーン40、タイミングスプロケット39、ハウジング31、ブラケット37を経て、アウタシャフト17aに伝わり、基準カム20を回転駆動させ、タペット9を介して左側の吸気バルブ10を開閉させる。ここで、OCV44から油圧出力が無いと、戻り用スプリング部材42の付勢力により、カムローブ22は、図4中のA状態の如く基準カム20のカム位相に揃えられながら基準カム20と共に回転するから、右側の吸気バルブ10bは、左側の基準カム20と同じ位相を保ったまま開閉される。OCV44を通じて、油圧供給部45の油圧が遅角室30内へ供給されると、供給油圧にしたがい、ベーン33は遅角室30内を当初位置から遅角側へ変位する。このとき供給油圧の制御により、例えばベーン33が遅角室30内の途中まで変位させると、インナカムシャフト17bは、途中位置まで遅角方向に変位する。このときのインナカムシャフト17bの変位が圧入ピン24に伝わり、同ピン24から出力されるインナカムシャフト17bの出力で、カムローブ22のカム山部22aは遅角方向に駆動される。するとこのカム位相により、図4中のB状態に示されるように基準となる左側の吸気バルブ10の開閉時期はそのまま変わらず、右側の吸気バルブ10bの開閉時期だけが変わる。つまり、右側の吸気バルブ10は、左側の吸気バルブ10の開閉期間の途中から、カム山部22aのカムプロフィルにしたがい開閉される。また供給油圧の制御により、ベーン33を最遅角位置まで変位させると、図4中のC状態に示されるように左側の吸気バルブ10の開閉時期はそのままに変わらずに、右側の吸気バルブ10は、左側の吸気バルブ10の開閉時期と交錯した状態を保ちながら、左側の吸気バルブ10aから最も遅角した時期で開閉する。つまり左右の吸気バルブ10の開弁期間は、エンジンの状態に応じて、最も小さい開弁期間αから最も大きい開弁期間βまでの範囲内で可変される(スプリット可変)。
こうしたカムローブ22とインナカムシャフト17b間を圧入ピン24で接続してなる可変動弁装置15は、同装置15の特有の問題がある。
すなわち、アウタカムシャフト17b外周部に配置されるカムローブ22とアウタカムシャフト17bの内部に配置されるインナカムシャフト17bとを圧入ピン24で接続する場合、単に圧入ピン24をカムローブ22のボス部22bに形成されている圧入孔48、インナカムシャフト17bの軸部分に形成されている圧入孔49に挿入するだけだと、カムローブ22の圧入孔48とインナカムシャフト17bの圧入孔49の双方を圧入させるだけの大きな圧入荷重が求められる。これでは、圧入ピン24の圧入の際、カムローブ22やインナカムシャフトカム17bは変形や撓みが生じやすく、カムローブ22とアウタカムシャフト17a間、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17b間で過大なフリクションの発生をきたし、気筒間における可変性能を大きくばらつかせ、エンジン性能を損なわせる。
そこで、圧入ピン24が圧入されるカムローブ22およびインナカムシャフト17bの圧入部分のうちの一部には、圧入ピン24の圧入時の抵抗を減じるクリアランス50(図5、図6)が形成されている。
すなわち、圧入ピン24の圧入部分は、図2、図3(b)、図5および図6に示されるカムローブ22のボス部22bの周壁に形成された圧入孔48およびインナカムシャフト17bの軸部分に形成された圧入孔49がなす。クリアランス50は、この圧入孔48,49の一部であるところの片側の孔、例えば圧入孔48を、圧入ピン24のピン表面との接触を断つ通孔51(本願の孔部に相当)で形成することによって得ている。具体的には、通孔51は、例えば当初の圧入孔49の直径寸法より僅かに大きな内径寸法で形成され、挿入される圧入ピン24の外周部の周りに微小なクリアランス50(図5、図6)が形成される構造にしている(微小なクリアランス50は、図面では、認識しやすいよう誇張して示してある)。
こうした構造により、アウタカムシャフト17aの外周部に配置されるカムローブ22とアウタカムシャフト17aの内部に配置されるインナカムシャフト17bとを接続するべく、図3(b)に示されるように圧入ピン24をシャフト片側から突き通す作業を行なうと、同圧入ピン24の先端部は、まず、ボス部22aの片側に有る通孔51内を挿通する。このとき、圧入ピン24と通孔51の内面とにはクリアランス51が有ることで、圧入ピン24は、ボス部22bに変形や撓みをきたす荷重を与えずに挿通する(ピン表面がボス部22bとに摺接するのを抑えつつ通る)。続いて圧入ピン24は、アウタカムシャフト17aの片側の長孔26(逃がし孔)を通じ、インナカムシャフト17bの圧入孔49に圧入される。さらに圧入孔49を貫通した圧入ピン24は、残るアウタカムシャフト17aの反対側の長孔26(逃がし孔)を通じ、残るカムローブ22の反対側の通孔51に挿入される。このときも圧入ピン24は、上記同様、ボス部22bに変形や撓みをきたす荷重を与えずに挿入される。
このとき、クリアランス50の形成により圧入抵抗は減少するから、圧入ピン24の圧入に求められる圧入荷重は、カムローブ22およびインナカムシャフト17bの双方を圧入する場合に比べ、格段に少なくてすむ。
これにより、圧入ピン24の圧入に伴う、カムローブ22やインナカムシャフト17bの変形や撓みが抑えられ、当該変形や撓みを要因としたカムローブ22とアウタカムシャフト17b間やアウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17b間での過大なフリクションの発生を抑えることができる。
したがって、容易な圧入ピン24の圧入作業を変更せずに、フリクションの発生を抑えながら、アウタカムシャフト17b外周部上のカムローブ22(可動カム)とアウタカムシャフト17b内部のインナカムシャフト17bとを接続することができる。それ故、安定したエンジン性能を確保することができる。しかも、圧入ピン24の圧入荷重が抑えられることによって、容易に可変動弁装置15の組み立てが行なえる利点もある。
ここで、圧入ピン24の圧入荷重が抑えられることは、圧入ピン24を保持する荷重が低いことになり、カム駆動トルク変動等により圧入ピン24が抜け出るおそれがあるが、そうしたことも改善してある。すなわち、タペット9の上方に圧入ピンが配置されていると、カム山部22aと異なるタイミングで圧入ピン自体がタペット9を駆動したり、脱落して挟まったりして、バルブとピストンの干渉などの大きな不具合に繋がる可能性があるが、圧入ピン24は、バルブを駆動する部材であるタペット9(被駆動部材)の外側に配置したので、タペット9と噛み合う危険性が避けられ、圧入ピン24の飛び出しによるエンジンの破損、といった大きな不具合に至る可能性を大幅に低下できる。なお、バルブを駆動する部材が、タペット9でなくローラを組み込んだロッカアームの場合でも、同じ効果が得られる。
図7および図8は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態にようにカムローブ22の圧入孔49にクリアランス50を設けるのではなく、インナカムシャフト17bの圧入孔48にクリアランス50を設けて、圧入ピン24の圧入時の抵抗を減じるようにしたものである。
具体的には、インナカムシャフト17bの軸部分に形成される圧入孔49を、第1の実施形態と同様、圧入ピン24のピン表面との接触を断つ通孔51(当初の圧入孔49の直径寸法より僅かに大きな内径寸法の通孔:本願の孔部に相当)で形成して、挿入される圧入ピン24の外周部の周りに微小なクリアランス50が形成されるようにしたものである(微小なクリアランス50は、図面では、認識しやすいよう誇張して示してある)。
このようにしても第1の実施形態と同様の効果を奏する。但し、図7および図8において第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。上述の実施形態では、通孔51を用いて、圧入ピン24の外周部を取り囲むように連続した環状のクリアランス50を形成した例を挙げたが、これに限らず、他の構造、例えば凹部を用いてクリアランスを形成しても、圧入ピンの外周部を間欠的に取り囲む複数の溝を用いてクリアランスを形成してもよく、要は圧入ピンの圧入時の抵抗を減じるクリアランスを形成する構造であればよい。もちろん本発明は、吸気側の可変動弁装置のカムシャフトに限らず、排気側に可変動弁装置が採用されているエンジンであれば、排気側の可変動弁装置のカムシャフトにも適用してもよい。また、従来の位相可変機構(両弁同時に位相可変する機構)と併用する構造としてもよい。この場合、タイミングスプロケットはどちらの位相可変機構に取り付けてもよい。
9 タペット(被駆動部材)
15 可変動弁装置
17 二重シャフト(シャフト部材)
20 基準カム
22 カムローブ(可動カム)
24 圧入ピン(ピン部材)
48,49 圧入孔(圧入部分)
50 クリアランス
51 通孔(孔部)

Claims (4)

  1. パイプ部材で形成されたアウタカムシャフト内にインナカムシャフトを回動可能に収めて構成され、内燃機関のクランク出力により駆動可能なシャフト部材と、
    前記アウタカムシャフトの外周部に設けられた基準カムおよび当該アウタカムシャフトの軸心周りに回動可能に設けられた可動カムと、
    前記アウタカムシャフトと前記インナカムシャフトとの相対変位を許しながら前記可動カムと前記インナカムシャフトとを接続するピン部材と、を有し、
    前記アウタカムシャフトと前記インナカムシャフトとの相対変位にて、前記可動カムの位相が前記基準カムを基準に可変可能となるように構成した内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記ピン部材は、前記シャフト部材の直径方向から前記可動カムおよび前記インナカムシャフトの圧入部分に圧入され、
    前記可動カムおよび前記インナカムシャフトの圧入部分のうちの一部にはクリアランスが形成される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記クリアランスは、前記可動カムの前記ピン部材が圧入される圧入部分を、当該ピン部材との接触を断つ内径寸法を有する孔部で形成してなることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記クリアランスは、前記インナカムシャフトの前記ピン部材が圧入される圧入部分を、当該ピン部材との接触を断つ内径寸法を有する孔部で形成してなることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記ピン部材は、前記可動カムと当接し、バルブを駆動する部材よりもカム軸方向に離れた位置に配置される
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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