JP2011109803A - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音の低下および制御性の安定を維持しつつ2相PWM制御を導入した電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】電動機の制御装置は、パルス幅変調部245と、キャリア発生部270とを備える。パルス幅変調部245は、3相パルス幅変調と3相のうちの一相を固定し他の2相に対してパルス幅変調を行なう2相パルス幅変調とを切替えて実行する。キャリア発生部270は、パルス幅変調部245が2相パルス幅変調を実行する際のパルス信号に基づくスイッチング素子のスイッチング回数が、パルス幅変調部245が3相パルス幅変調を実行する際のスイッチング素子のスイッチング回数に近づくように、2相パルス幅変調実行時のキャリア信号Vcの周波数fcを調整する。
【選択図】図2
【解決手段】電動機の制御装置は、パルス幅変調部245と、キャリア発生部270とを備える。パルス幅変調部245は、3相パルス幅変調と3相のうちの一相を固定し他の2相に対してパルス幅変調を行なう2相パルス幅変調とを切替えて実行する。キャリア発生部270は、パルス幅変調部245が2相パルス幅変調を実行する際のパルス信号に基づくスイッチング素子のスイッチング回数が、パルス幅変調部245が3相パルス幅変調を実行する際のスイッチング素子のスイッチング回数に近づくように、2相パルス幅変調実行時のキャリア信号Vcの周波数fcを調整する。
【選択図】図2
Description
この発明は、電動機の制御装置に関し、特に、3相パルス幅変調と2相パルス幅変調とを実行する電動機の制御装置に関する。
電動機(モータ)の制御には、インバータが用いられ、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)によるスイッチング制御が行なわれることが知られている。インバータのスイッチング損を減らし、インバータ温度を下げるための方法として2相パルス幅変調がある。
特開平7−46855号公報(特許文献1)には、3相交流モータのインバータのスイッチング損失を低減させるために、2相PWM制御を行なうインバータの2相PWM制御装置が開示されている。
上記特開平7−46855号公報では、インバータの2相PWM制御装置において、電圧に対する電流の位相差に基づき、電流最大時には3相のうちの1相のスイッチングを停止している。
しかし、スイッチングの停止期間を設けると、スイッチング回数が通常制御時(3相PWM制御時)よりも少なくなる。
図14は、通常制御を実行した場合のPWMの電圧パルスを示した波形図である。
図15は、本願発明者による検討例であり、2相PWM制御を実行した場合のPWMの電圧パルスを示した波形図である。
図15は、本願発明者による検討例であり、2相PWM制御を実行した場合のPWMの電圧パルスを示した波形図である。
図14、図15を参照して、指令電圧Vuの1周期あたりキャリア波電圧Vcが同期した11パルス与えられる例(以下、同期11パルスと称する)が示されている。図14に示すように、同期11パルスの通常制御では、PWMの電圧パルスVpuは、電気角1周期あたりスイッチング回数22回となる。なお、図14、図15には、U相、V相、W相のうち代表としてU相の波形が示されている。
一方、図15に示すように、同期11パルスの2相PWM制御では、PWMの電圧パルスVpuは、電気角1周期あたりスイッチング回数18回となる。
このように、同じ同期11パルスで2相PWM変調を行なうのは、キャリアの周波数を下げているのと同じであり、いくつかの悪影響が現れる。この悪影響は、具体的には、制御性の悪化とキャリア騒音の増加である。
図16は、キャリア周波数が十分に高い場合の電流波形を示した波形図である。
図17は、キャリア周波数が低すぎる場合の電流波形を示した波形図である。
図17は、キャリア周波数が低すぎる場合の電流波形を示した波形図である。
図16,図17を参照してまず制御性の悪化について述べる。図16に示すようにキャリア周波数が十分に高い場合には、電流Iu,Iv,Iwの振幅は安定している。それに比べて図17に示すようにキャリア周波数が低すぎる場合には、電流Iu,Iv,Iwの振幅が安定しておらず常に揺れ続けている。
近年、車輪をモータで駆動する電気自動車やハイブリッド自動車等が注目を浴びており、インバータの2相PWMを行なうことも検討されている。しかし図17に示すような電流振幅の変動は、トルク変動や車両振動のような制御性の悪化につながるので、避けるほうが望ましい。
また、キャリア周波数が低下すると人間の可聴域に入るので、キャリア騒音が増加してしまう。キャリア騒音は少ないほうが好ましいが、キャリア騒音低下と燃費向上はトレードオフの関係にあり、どちらを取るかはユーザの好み次第である。
この発明の目的は、騒音の低下および制御性の安定を維持しつつ2相PWM制御を導入した電動機の制御装置を提供することである。
この発明は、要約すると、3相コイルを有する電動機の制御装置であって、指令電圧とキャリア信号とに基づいて、パルス幅変調を実行して電動機を駆動するパルス信号を発生するパルス幅変調部と、キャリア信号を発生させるキャリア発生部とを備える。パルス幅変調部は、3相パルス幅変調と3相のうちの1相を固定し他の2相に対してパルス幅変調を行なう2相パルス幅変調とを切替えて実行する。キャリア発生部は、パルス幅変調部が2相パルス幅変調を実行する際のパルス信号に基づくスイッチング素子のスイッチング回数が、パルス幅変調部が3相パルス幅変調を実行する際のスイッチング素子のスイッチング回数に近づくように、2相パルス幅変調実行時のキャリア信号の周波数を調整する。
好ましくは、キャリア発生部は、2相パルス幅変調実行時には、3相パルス幅変調実行時に比べて高い周波数のキャリア信号を発生する。
好ましくは、キャリア発生部は、2相パルス幅変調実行時と、3相パルス幅変調実行時とでスイッチング素子のスイッチング回数が略等しくなるように、キャリア信号の周波数を決定する。
好ましくは、パルス幅変調部は、3相のうちの1相を固定するように割り当てられた指定期間が開始されても、直ちに1相を固定することはせずに、1相に対応するパルス信号が固定すべき極性に変化するまで待ってから、1相に対応するパルス信号の固定を開始する。
好ましくは、前記制御装置は、スイッチング素子を用いて3相コイルに流れる電流を制御するインバータをさらに備える。スイッチング素子は、3相コイルの各々のコイル端を正極電源線に接続する第1のトランジスタ群と、3相コイルの各々のコイル端を負極電源線に接続する第2のトランジスタ群とを含む。
本発明によれば、騒音の低下および制御性の安定を維持しつつ2相PWM制御を導入した電動機の制御装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さない。
[システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。
図1は、本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ駆動制御システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、交流電動機M1と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための走行用電動機である。あるいは、この交流電動機M1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の再充電可能な蓄電装置により構成される。直流電源Bが出力する直流電圧VLおよび入出力される直流電流Ibは、電圧センサ10および電流センサ11によってそれぞれ検知される。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線(正極電源線)6の間に接続され、システムリレーSR1は、直流電源Bの負極端子および負極母線(負極電源線)5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオンオフされる。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、正極母線(正極電源線)7および負極母線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオンオフは、制御装置30からのスイッチング制御信号SG1およびSG2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。なお、本実施の形態ではスイッチング素子を単にIGBTと呼ぶこともある。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、正極母線7および負極母線5の間に接続される。
インバータ14は、正極母線7および負極母線5の間に互いに並列に設けられる、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17とを含む。各相上下アームは、正極母線7および負極母線5の間に直列接続されたスイッチング素子を含んで構成される。たとえば、U相上下アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4を含み、V相上下アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6を含み、W相上下アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8を含む。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオンオフは、制御装置30からのスイッチング制御信号SG3〜SG8によって制御される。
なお、以下において、スイッチング素子Q3、Q4をそれぞれU相上アーム、U相下アームとも呼び,スイッチング素子Q5、Q6をそれぞれV相上アーム、V相下アームとも呼び,スイッチング素子Q7、Q8をそれぞれW相上アーム、W相下アームとも呼ぶ。
代表的には、交流電動機M1は、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの各々の一端が中性点に共通に接続されている。さらに、各相コイルの他端は、各相上下アーム15〜17のスイッチング素子の中間点と接続されている。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオンオフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧VLを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)へ昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1および逆並列ダイオードD1を介して、正極母線7へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧VLに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2および逆並列ダイオードD2を介して、電力線6へ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作または降圧動作における電圧変換比(VHおよびVLの比)は、上記スイッチング周期に対するスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=VL(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC0は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると、制御装置30からのスイッチング制御信号SG3〜SG8に応答したスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、スイッチング制御信号SG3〜SG8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Trqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、モータ駆動制御システム100が搭載された電動車両の回生制動時には、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号SG3〜SG8に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流(相電流)を検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。なお、3相のモータ電流の瞬時値の和は零であるので、図1に示すように2相分のモータ電流(たとえば、V相電流およびW相電流)を検出するように配置してもよい。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1のロータ回転角(電気角)θを検出し、その検出した回転角θを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角θに基づき交流電動機M1の回転速度ωeを算出できる。なお、制御装置30にてモータ電圧や電流から回転角θを直接演算することとして、回転角センサ25を省略してもよい。
制御装置30は、電子制御ユニット(ECU)により構成され、予め記憶されたプログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)で実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。
代表的な機能として、制御装置30は、交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号SG1〜SG8を生成して、コンバータ12およびインバータ14へ出力する。制御装置30は、この制御を、入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ10によって検出された直流電圧VL、電流センサ11によって検出された直流電流Ib、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VH、電流センサ24によって検出されるモータ電流iv,iw、回転角センサ25からの回転角θ等に基づいて行なう。
コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、システム電圧VHをフィードバック制御し、システム電圧VHが電圧指令値に一致するようにスイッチング制御信号SG1,SG2を生成する。
また、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号SG3〜SG8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号SG1,SG2を生成し、コンバータ12へ出力する。これにより、交流電動機M1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
制御装置30は、インバータ14に供給するスイッチング制御信号SG3〜SG8を発生させるためにPWM制御を用いる。以下、PWM制御の動作について簡単に説明する。PWM制御では、搬送波(キャリア信号)と、交流電圧指令との電圧比較に基づき、インバータ14の各相のスイッチング素子のオンオフを制御する。これによって、交流電動機M1の各相に疑似正弦波電圧としてのパルス幅変調電圧が印加される。キャリア信号は、たとえば、所定周波数の三角波やのこぎり波によって構成することができる。後に説明する図6,図7では、キャリア信号が三角波である例を示す。
図2は、一般的なPWM制御による電流フィードバックの構成を説明する機能ブロック図である。
なお、図2を始めとする各ブロック図に記載された各機能ブロックについては、当該ブロックに相当する機能を有する回路(ハードウェア)で構成してもよいし、予め設定されたプログラムに従って制御装置30(ECU)がソフトウェア処理を実行することにより実現してもよい。
図2を参照して、PWM制御部200♯は、電流指令生成部210と、座標変換部220と、減算部230,235と、電圧指令生成部240と、パルス幅変調部245と、キャリア発生部270と、PWMモード選択部280と、回転速度演算部290と、電流サンプリング部205とを含む。パルス幅変調部245は、座標変換部250と、PWMパルス比較部260とを含む。
PWMモード選択部280は、交流電動機M1の動作状態(回転速度ωe、出力トルクTq)および/またはインバータ14の動作状態(インバータ温度Tinv)等に基づいて、2相PWM制御および3相PWM制御の一方を選択し、選択結果を示すモード信号MDを生成する。
電流サンプリング部205は、一定周期で発生されるサンプリング指示に応答して電流センサ24の出力をサンプリングすることによって、V相およびW相の電流検出値IvおよびIwを取得する。上述のように、U相の電流検出値Ivは、Iv=−(Iu+Iv)によって求められる。あるいは、電流センサ24をU相にさらに設けて、U相電流Iuを電流センサ24の出力値のサンプリングによって求めてもよい。
同期PWMを採用する場合には、電流サンプリング指示は、キャリア信号と同期させて発生される。たとえば、キャリア信号の半周期毎に、電流サンプリング指示が発せられる。一方で、非同期PWMを採用する場合には、図示しないクロック信号等に従って、制御周期に対応する一定の時間間隔でサンプリング指示が発生される。
PWM制御部200♯は、電流サンプリング部205による電流検出値Iu,Iv,Iwを用いた後述の制御演算に従って、交流電動機M1を制御するように構成される。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomに応じて、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
座標変換部220は、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(変換3相→2相)により、電流サンプリング部205からの電流検出値Iu,Iv,Iwに基づいて、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
電圧指令生成部240には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcom−Id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−Iq)が入力される。電圧指令生成部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令に変換する。そして、2相PWM制御モードか3相PWM制御かを指定するモード信号MDに応じて、対応する電圧指令U相、V相、W相の各相電圧指令Vu,Vv,Vwを出力する。
回転速度演算部290は、回転角センサ25の出力(回転角θ)に基づいて、交流電動機M1の回転速度ωeを演算する。
キャリア発生部270は、PWMモード選択部280からのモード信号MD、回転速度演算部290によって演算された回転速度ωeに基づいて、キャリア周波数fcを設定しその周波数のキャリア信号Vcを出力する。
キャリア発生部270は、3相PWM制御が選択されている場合には、演算された回転速度ωeと後に説明するマップmap1とに基づいてキャリア周波数fcを設定する。一般的には、このキャリア周波数fcは、可聴周波数帯を考慮して、相対的に電磁騒音が感知され難い周波数に設定される。
一方、キャリア発生部270は、2相PWMが選択されている場合には、演算された回転速度ωeと後に説明するマップmap2とに基づいて、キャリア周波数fcを設定する。このキャリア周波数fcは、後に図5で説明するように、3相PWM制御実行時のキャリア周波数fcよりも高い周波数に設定される。このようにキャリア周波数を変更することにより、生成されるPWM電圧パルスで示されるスイッチング回数は、2相PWM制御使用時であっても3相PWM制御使用時に近づくことになる。
PWMパルス比較部260は、キャリア発生部270からキャリア電圧Vcを受けるとともに、座標変換部250からの各相電圧指令Vu,Vv,Vwと、キャリア電圧Vcとの電圧比較結果に基づいて、インバータ14のスイッチング制御信号SG3〜SG8を生成する。スイッチング制御信号SG3〜SG8に従って、インバータ14の各相上下アーム素子のオンオフを制御することによって、交流電動機M1の各相に、パルス幅変調電圧Vpuに相当する疑似正弦波電圧が印加される。
[実施の形態1]
図3は、図2のPWMモード選択部280で実行される処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図3は、図2のPWMモード選択部280で実行される処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図2、図3を参照して、まず処理が開始されると、ステップS1において、インバータ温度Tinvが計測される。計測は、温度センサを設けてインバータ14の温度を測定しても良いし、インバータに温度測定機能が内蔵されている場合にはこれを用いても良い。
続いて、ステップS2においてインバータ温度Tinvが予め定められたしきい値αより大きいか否かが判断される。ステップS2においてTinv>αが成立しない場合には、インバータ14の温度を下げる必要が無いのでステップS3に処理が進み通常制御(3相PWM制御)が実行される。
一方、ステップS2においてTinv>αが成立した場合には、インバータ14の温度を下げる必要があるのでステップS4に処理が進み2相PWM制御が実行される。
ステップS3、S4のいずれかにおいて、制御モードが決定された後には、ステップS5において制御はメインルーチンに戻される。そしてその後再びステップS1から順に処理が実行される。
図4は、図2のキャリア発生部270で実行される処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図4を参照して、まず処理が開始されると、ステップS11において回転速度の計測が行なわれる。回転角センサ25で検出されたロータ回転角θが回転速度演算部290で回転速度ωeに変換され、この値がステップS11で用いられる。
続いて、ステップS12において、トルクの計測が実行される。モータ制御では、トルクと電流が一対一の関係にあるので、モータ電流を計測することによりトルクを求めることができる。
ステップS13では、2相PWM制御が実行中であるか否かが判断される。図2のキャリア発生部270は、PWMモード選択部280が出力するモード信号MDによって、現在の制御モードが2相PWM制御であるか3相PWM制御であるかを判断することができる。
ステップS13において、2相PWM制御実行中でないと判断された場合には、ステップS14に処理が進み通常制御(3相PWM制御)用のマップmap1に基づいてキャリア周波数fcが決定される。
一方、ステップS13において、2相PWM制御実行中であると判断された場合には、ステップS15に処理が進み2相PWM制御用のマップmap2に基づいてキャリア周波数fcが決定される。
ステップS14、S15のいずれかにおいて、キャリア周波数fcが決定された後には、ステップS16において制御はメインルーチンに戻される。そしてその後再びステップS11から順に処理が実行される。
図5は、図4のステップS14、S15で用いられるマップを説明するための図である。
図5を参照して、マップmap1は、通常制御(3相PWM制御)時に適用されるマップであり、マップmap2は、2相PWM制御時に適用されるマップである。
マップmap1では、回転速度が0〜N1の範囲ではキャリア周波数fc=1.25kHz、回転速度がN1〜N2の範囲ではキャリア周波数fc=2.5kHz、回転速度がN2〜N3の範囲ではキャリア周波数fc=3.75kHz、回転速度がN3より大きい範囲ではキャリア周波数fc=5kHzに設定されている。
これに対して、マップmap2では、回転速度が0〜N1Aの範囲ではキャリア周波数fc=1.25kHz、回転速度がN1A〜N2Aの範囲ではキャリア周波数fc=2.5kHz、回転速度がN2A〜N3Aの範囲ではキャリア周波数fc=3.75kHz、回転速度がN3Aより大きい範囲ではキャリア周波数fc=5kHzに設定されている。
ここで、N1A<N1、N2A<N2、N3A<N3の関係が成立している。このとき、通常モードから2相PWMモードにPWM制御モードが変更されると、回転速度N1A〜N1の範囲ではキャリア周波数fcは1.25kHzから2.5kHzに増加し、回転速度N2A〜N2の範囲ではキャリア周波数fcは2.5kHzから3.75kHzに増加し、回転速度N3A〜N3の範囲ではキャリア周波数fcは3.75kHzから5kHzに増加する。
図6は、3相PWM制御を実行した場合のスイッチング損の累積値を示した波形図である。
図7は、2相PWM制御を実行した場合のスイッチング損の累積値を示した波形図である。
図6、図7には、代表としてU相について波形が示されており、上段には、指令電圧Vu、キャリア電圧Vc、電流Iuが重ねて示され、中段にはPWMによって生成された電圧パルス波形Vpuが示され、下段には、一周期分のスイッチング損失の累積値SPlossが示されている。
図6では、3相PWM制御実行時の累積値SPlossを基準とするために1周期の合計値を1としている。図6では、電気角1周期あたり11周期のキャリア信号を含むような(同期11パルス)キャリア周波数が用いられ、その結果電圧パルスVpuは1周期に22回のスイッチングを示す波形になっている。
これに対し図7では、通常制御(3相PWM制御)実行時の累積値SPlossを1とした場合のスケールで、2相PWM制御実行時の累積値SPlossが示されている。図7では、電圧パルスVpuで示されるスイッチング回数を図6の3相PWM制御時と同じにする(近づける)ため、キャリア周波数を高くしており、電気角1周期あたり15周期分のキャリア信号を含むような(同期15パルス)キャリア電圧Vcが図示されている。この結果、1周期分の累積値SPlossは10〜20%低下している。したがってスイッチング損失が低減し、インバータ温度を下げることができる。
また、両者ともスイッチング回数は同じであるので、電動機の制御性やキャリア騒音は同程度とすることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、スイッチング停止指定期間の開始時に工夫することによって、さらにスイッチング素子の導通時の損失(ON損)を低減させる。ここでは、まず、スイッチング停止指定期間について説明をする。
実施の形態2では、スイッチング停止指定期間の開始時に工夫することによって、さらにスイッチング素子の導通時の損失(ON損)を低減させる。ここでは、まず、スイッチング停止指定期間について説明をする。
図8は、スイッチングを停止すべき期間について説明するための図である。
図8を参照して、上段には、電流波形Iu,Iv,Iwが示され、下段には電圧波形Vu,Vv,Vwが示されている。なお、図8では電圧に対して電流がちょうど60°ずれた関係になっているが、この位相差は電動機の運転状況によって変わる。
図8を参照して、上段には、電流波形Iu,Iv,Iwが示され、下段には電圧波形Vu,Vv,Vwが示されている。なお、図8では電圧に対して電流がちょうど60°ずれた関係になっているが、この位相差は電動機の運転状況によって変わる。
2相PWMにおいては、電流が大きいときのスイッチング素子のスイッチングを減らすとスイッチング損失低減の効果が大きい。したがって、各相のスイッチング素子の停止期間は各相の電流が大きい期間に設定することが望ましい。
図8の電流波形に着目すると、U相の上アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Iuが最大値付近である期間Ti(U−UP)であり、V相の上アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Ivが最大値付近である期間Ti(V−UP)であり、W相の上アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Iwが最大値付近である期間Ti(W−UP)である。
また、V相の下アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Ivが小さく(絶対値は大きく)なっている期間Ti(V−DN)であり、W相の下アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Iwが最小値付近である期間Ti(W−DN)であり、U相の下アームのスイッチングを停止したい期間は、電流Iuが最小値付近である期間Ti(U−DN)である。
しかし、実際には電圧が最大値付近でしかスイッチングを止めることはできない。これは、スイッチング停止時には電圧を最大値または最小値に張り付かせるように固定するからである。
具体的には、図8に示す電圧波形に着目すると、U相の上アームが停止可能な期間(ON状態に固定可能な期間)は期間Tv(U−UP)であり、V相の上アームが停止可能な期間は期間Tv(V−UP)であり、W相の上アームが停止可能な期間は期間Tv(W−UP)である。
また、V相の下アームが停止可能な期間(ON状態に固定可能な期間)は期間Tv(V−DN)であり、W相の下アームが停止可能な期間は期間Tv(W−DN)であり、U相の下アームが停止可能な期間は期間Tv(U−DN)である。
したがって、例えばU相に着目すると、U相の上アームが停止可能な期間Tv(U−UP)は時刻t1〜t3であり、必ずしも電流Iuが最大値付近である期間Ti(U−UP)である時刻t2〜t4とは完全には一致しないことが分かる。U相の上アームに割り当てられる停止指定期間は、電気角で60°であるので、期間Tv(U−UP)の中からなるべくスイッチング損失が低くなる60°の期間を選ぶ必要がある。
そして、V相、W相においても同様な事情があるので、U相、V相、W相の3相において、スイッチング損失の合計値が最も低くなるように各相の停止指定期間を決定することになる。
図8の場合には、U相の上アームのスイッチングを止めるのは、時刻t1〜t3の期間ではない。そのうち時刻t1〜t2の期間は、U相の上アームが停止可能な期間Tv(U−UP)であるとともに、V相の下アームが停止可能な期間Tv(V−DN)でもある。時刻t1〜t2でU相電流IuとV相電流Ivとを比較するとV相電流IvのほうがU相電流Iuよりも絶対値が大きい。したがって、時刻t1〜t2ではU相下アームのスイッチングを停止するほうが得策である。このようにして、時刻t1〜t2ではV相の下アームを停止させ、時刻t2〜t3ではU相の上アームを止めることにする。
このようにして、停止指定期間が決定され、図7の指令値Vuが生成されている。この各相の停止指定期間を示すフラグとして、2相変調実行指定フラグを設ける。2相変調実行指定フラグは、図9の処理において使用されるが、後に図10、図11を用いて詳しく説明する。
図9は、実施の形態2において座標変換部250で実行される制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図2、図9を参照して、まずステップS21において、回転角センサ25で検出されたロータ回転角(電気角)θが取得される。続いて、ステップS22においてその電気角に対応する2相変調実行指定フラグFをマップから読み出す。
図10は、2相変調実行指定フラグFのマップを説明するための図である。
図10を参照して、U相上アーム(スイッチング素子Q3)に対応するフラグはフラグF(U−UP)であり、U相下アーム(スイッチング素子Q4)に対応するフラグはフラグF(U−DN)である。
図10を参照して、U相上アーム(スイッチング素子Q3)に対応するフラグはフラグF(U−UP)であり、U相下アーム(スイッチング素子Q4)に対応するフラグはフラグF(U−DN)である。
また、V相上アーム(スイッチング素子Q5)に対応するフラグはフラグF(V−UP)であり、V相下アーム(スイッチング素子Q6)に対応するフラグはフラグF(V−DN)である。
また、W相上アーム(スイッチング素子Q7)に対応するフラグはフラグF(W−UP)であり、W相下アーム(スイッチング素子Q8)に対応するフラグはフラグF(W−DN)である。
以下、モータの駆動状態によって変化する位相θuを使用して説明する。フラグF(U−UP)は、電気角θu〜θu+60°の間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。フラグF(U−DN)は、電気角θu+180°〜θu+240°の間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。
フラグF(V−UP)は、電気角θu+120°〜θu+180°の間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。フラグF(V−DN)は、電気角θu−60°〜θuの間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。
フラグF(W−UP)は、電気角θu+240°〜θu+300°の間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。フラグF(W−DN)は、電気角θu+60°〜θu+120°の間はONに設定され、それ以外の部分はOFFに設定されている。
このフラグによって各相に対してスイッチング停止指定区間が定められる。
図11は、図10に対応するスイッチング停止指定区間を3相PWM制御時に使用される指令値Vu,Vv,Vwに重ねて示した図である。1相についてスイッチング停止区間である時刻においては、当該1相に対応するスイッチング素子はON状態に固定される。そして、当該1相を固定してもモータの回転に与える影響があまり発生しないように他の2相において本来の3相PMW制御の指令値が補正される。
図11は、図10に対応するスイッチング停止指定区間を3相PWM制御時に使用される指令値Vu,Vv,Vwに重ねて示した図である。1相についてスイッチング停止区間である時刻においては、当該1相に対応するスイッチング素子はON状態に固定される。そして、当該1相を固定してもモータの回転に与える影響があまり発生しないように他の2相において本来の3相PMW制御の指令値が補正される。
再び図9を参照して、ステップS22において現在の電気角に対応する2相変調実行指定フラグが読み出されると、ステップS23に処理が進み、2相変調実行指定フラグがONであるか否かが判断される。
続いて、ステップS24において、現在の電気角θに対応する3相PWM電圧指令では、スイッチング素子(IGBT素子)はON状態であるか否かが判断される。
図12は、図9のステップS24での判断について説明するための波形図である。
図13は、図12の時刻t11〜t12を拡大して示した波形図である。
図13は、図12の時刻t11〜t12を拡大して示した波形図である。
図12、図13を参照して、2相変調実行指定フラグで決定されるスイッチング停止指定区間は、スイッチング素子Q3〜Q8のオンオフ状態に無関係に設定される。図13の時刻t11をスイッチング停止指定期間の開始時とする。時刻t11ではパルス電圧Vpuはロウレベルである。このことは、U相の上アームがオフ状態、U相の下アームがオン状態であることを示している。このときに無理やりU相の上アームをオン状態、U相の下アームをオフ状態に切替えると、ΔTの間スイッチング素子のオン損が増加することになる。
すなわち、スイッチング停止中ではスイッチング損失は発生しないが、ON損は発生しつづけるので、2相変調を使用するとスイッチング損失は減るがON損は若干増加する。
そこで、図13に示すようにスイッチング停止指定区間の開始時からΔTだけスイッチング素子を固定する時期を遅らせるタイミング補正を行なう。こうすることにより、斜線ハッチングで示した損失ΔPlossだけさらに損失を低減させることができる。
再び図9を参照して、ステップS24でYESと判断された場合には、ステップS26において該当するスイッチング素子のスイッチングが停止される。つまりスイッチング素子はON状態に固定される。
一方、ステップS23またはステップS24でNOと判断された場合には、ステップS25に処理が進み、タイミング補正無しの通常の2相または3相PWM制御のスイッチングが実行される。
ステップS25、S26のいずれかの処理が終了すると、ステップS27において制御はメインルーチンに戻される。
このように、実施の形態2では実施の形態1で奏される効果に加えて、さらにON損を低減させることが可能となる。
最後に、再び図を参照して実施の形態1,2について総括する。本実施の形態の電動機の制御装置は、3相コイルを有する電動機の制御装置である。図2に示すように、電動機の制御装置は、指令電圧Vd#,Vq#とキャリア信号Vcとに基づいて、パルス幅変調を実行して電動機を駆動するスイッチング制御信号SG3〜SG8を発生するパルス幅変調部245と、キャリア信号Vcを発生させるキャリア発生部270とを備える。パルス幅変調部245は、3相パルス幅変調と3相のうちの1相を固定し他の2相に対してパルス幅変調を行なう2相パルス幅変調とを切替えて実行する。キャリア発生部270は、パルス幅変調部245が2相パルス幅変調を実行する際のパルス信号に基づくスイッチング素子のスイッチング回数が、パルス幅変調部245が3相パルス幅変調を実行する際のスイッチング素子のスイッチング回数に近づくように、2相パルス幅変調実行時のキャリア信号Vcの周波数fcを調整する。
好ましくは、キャリア発生部270は、図5に示したように、2相パルス幅変調実行時には、3相パルス幅変調実行時に比べて高い周波数のキャリア信号を発生する。
好ましくは、キャリア発生部270は、2相パルス幅変調実行時と、3相パルス幅変調実行時とで図1のスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング回数が略等しくなるように、キャリア信号Vcの周波数fcを決定する。
好ましくは、図13で説明したように、パルス幅変調部245は、3相のうちの1相を固定するように割り当てられた指定期間がt11で開始されても、直ちに1相を固定することはせずに、1相に対応するパルス信号が固定すべき極性に変化するまでΔTの時間を待ってから、1相に対応するパルス信号の固定を開始する。
好ましくは、制御装置は、スイッチング素子Q3〜Q8を用いて3相コイルに流れる電流を制御するインバータ14をさらに備える。スイッチング素子Q3〜Q8は、3相コイルの各々のコイル端を正極電源線に接続する第1のトランジスタ群Q3,Q5,Q7と、3相コイルの各々のコイル端を負極電源線に接続する第2のトランジスタ群Q4,Q6,Q8とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 負極母線、6 電力線、7 正極母線、10# 直流電圧発生部、10,13 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 コンバータ、14 インバータ、15 U相上下アーム、16 V相上下アーム、17 W相上下アーム、25 回転角センサ、30 制御装置、100 モータ駆動制御システム、200♯ PWM制御部、205 電流サンプリング部、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、230,235 減算部、240 電圧指令生成部、245 パルス幅変調部、260 PWMパルス比較部、270 キャリア発生部、280 モード選択部、290 回転速度演算部、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2,D3 ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流電動機、map1,map2 マップ、Q1〜Q8 スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (5)
- 3相コイルを有する電動機の制御装置であって、
指令電圧とキャリア信号とに基づいて、パルス幅変調を実行して前記電動機を駆動するパルス信号を発生するパルス幅変調部と、
前記キャリア信号を発生させるキャリア発生部とを備え、
前記パルス幅変調部は、3相パルス幅変調と、3相のうちの1相を固定し他の2相に対してパルス幅変調を行なう2相パルス幅変調とを切替えて実行し、
前記キャリア発生部は、前記パルス幅変調部が前記2相パルス幅変調を実行する際の前記パルス信号に基づくスイッチング素子のスイッチング回数が、前記パルス幅変調部が前記3相パルス幅変調を実行する際の前記スイッチング素子のスイッチング回数に近づくように、前記2相パルス幅変調実行時の前記キャリア信号の周波数を調整する、電動機の制御装置。 - 前記キャリア発生部は、前記2相パルス幅変調実行時には、前記3相パルス幅変調実行時に比べて高い周波数の前記キャリア信号を発生する、請求項1に記載の電動機の制御装置。
- 前記キャリア発生部は、前記2相パルス幅変調実行時と、前記3相パルス幅変調実行時とで前記スイッチング素子のスイッチング回数が略等しくなるように、前記キャリア信号の周波数を決定する、請求項1または2に記載の電動機の制御装置。
- 前記パルス幅変調部は、前記3相のうちの前記1相を固定するように割り当てられた指定期間が開始されても、直ちに前記1相を固定することはせずに、前記1相に対応する前記パルス信号が固定すべき極性に変化するまで待ってから、前記1相に対応する前記パルス信号の固定を開始する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機の制御装置。
- 前記スイッチング素子を用いて前記3相コイルに流れる電流を制御するインバータをさらに備え、
前記スイッチング素子は、
前記3相コイルの各々のコイル端を正極電源線に接続する第1のトランジスタ群と、
前記3相コイルの各々のコイル端を負極電源線に接続する第2のトランジスタ群とを含む、請求項1に記載の電動機の制御装置。
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- 2009-11-17 JP JP2009261918A patent/JP2011109803A/ja not_active Withdrawn
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