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JP2011106994A - 大腸癌のバイオマーカー、および、大腸癌のバイオマーカーの測定法 - Google Patents

大腸癌のバイオマーカー、および、大腸癌のバイオマーカーの測定法 Download PDF

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Motoi Sato
基 佐藤
Yoshiaki Ohashi
由明 大橋
Yuji Naito
裕二 内藤
Toshiichi Yoshikawa
敏一 吉川
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Abstract

【課題】 大腸癌の診断をするためのバイオマーカーおよびその測定方法を提供すること。
【解決手段】 採取した血液の、インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸からなる群から選択される化合物を測定することによって、大腸癌を診断することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、大腸癌を診断するためのバイオマーカーに関する。
大腸癌は大変発症例数の多い癌の一つであり、欧米では、解剖部位でみた癌の発症例数は肺癌の次に多い。米国では年間約130000例発症し、約57000例の年間死亡数が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
大腸癌に罹患しているかどうかのスクリーニングには、通常便潜血検査(FBO)が用いられ、診断は大腸内視鏡検査によって行われる。早期の大腸癌である場合、治癒の可能性が高く、例えば、10年生存率は、癌が粘膜に限局している場合(早期大腸癌)は約90%、腸壁を貫通して浸潤し、リンパ節転移陽性の場合(非遠隔転移進行大腸癌)は約30〜50%、他の臓器に転移している場合(遠隔転移進行大腸癌)は20%未満である(例えば、非特許文献1参照)。
便潜血検査は被検者の負担が少なく受けられる検査として普及しており、健康な集団から大腸癌の可能性のある人をスクリーニング方法として一定の効果を挙げているものの、精度が低く、陽性、陰性を確定することができないというのが一般的な認識である。一方、内視鏡による大腸検査は、食事制限および下剤の前処理を必要とし、さらに内視鏡を腸内に挿入するため、被検者の身体的、精神的負担が大きい。
福島雅典監修「メルクマニュアル第18版 日本語版」日経BP社2006年12月25日発行
そこで、本発明は、大腸癌を診断するためのバイオマーカーおよびその測定法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の各項よりなる。
(1)大腸癌の診断するためのバイオマーカーであって、インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸からなる群から選択されることを特徴とする、バイオマーカー。
(2)採取された血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程を含む、測定方法。
(3)採取された血液中のインドール−3−酢酸の含有量を測定する工程と、
前記血液中のチオプロリンおよび/またはウロカニン酸の含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、(2)に記載の測定方法。
(4)採取された血液中のアセト酢酸の含有量を測定する工程と、前記血液中の馬尿酸の含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、(2)に記載の測定方法。
(5)採取された血液中のクエン酸の含有量を測定する工程と、前記血液中の3−フェニルプロピオン酸、3−インドキシル硫酸、およびヒドロキシプロリンからなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、(2)に記載の測定方法。
(6)採取された血液中の3−インドキシル硫酸の含有量を測定する工程と、前記血液中の4−アセチル酪酸、ヘプタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、尿酸、デカン酸、シス-アコニット酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、2’−デオキシウリジン、ウロカニン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、および1−メチルアデノシンからなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程を含む、(2)に記載の測定方法。
(7)採取された血液中のウロカニン酸の含有量を測定する工程と、前記血液中のピペコリン酸の含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、(2)に記載の測定方法。
(8)採取された血液中のシス-アコニット酸の含有量を測定する工程と、前記血液中のヒドロキシプロリンの含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定方法。
(9)大腸癌に対する薬剤の効果を判定するための方法であって、前記大腸癌に罹患した患者に前記薬剤を投与する前後で、上記(2)〜(8)いずれかに記載の測定方法を実施する工程と、
前記薬剤を投与する前後に得られた、前記化合物含有量を比較する工程と、を含む方法。
(10)大腸癌に対する薬剤の効果を判定するための方法であって、前記大腸癌に罹患した患者に前記薬剤を投与した後で、上記(2)〜(8)のいずれかに記載の測定方法を実施する工程と、大腸癌患者と健常者を判別するための、血液中の前記化合物の含有量の閾値と、前記化合物の含有量を比較する工程と、を含む方法。
(11)大腸癌患者と健常者を判別するため、血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸、からなる群から選択される1以上の化合物の含有量の閾値を決定する方法であって、大腸癌と診断された複数の患者、および複数の健常者から採取された血液に含まれる、前記化合物の含有量を測定する工程を含む方法。
(12)大腸癌患者に対する治療薬をスクリーニングする方法であって、前記大腸癌のモデル動物に、治療薬の候補物質を投与する工程と、前記候補物質を投与する前後で、血液を採取する工程と、前記血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程と、前記候補物質を投与する前後で、前記血液中の化合物の含有量を比較する工程と、を含む方法。
(13)大腸癌の進行度を判別するための、血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量の閾値を決定する方法であって、早期大腸癌と診断された複数の患者、非遠隔移転進行大腸癌と診断された複数の患者、遠隔移転進行大腸癌と診断された複数の患者から採取された血液に含まれる、前記化合物の含有量を測定する工程、を含む方法。
本発明によって、大腸癌のバイオマーカー、および、その測定法を提供することができるようになった。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例等は、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==大腸癌の診断のためのバイオマーカー==
本明細書において、大腸癌を診断するためのバイオマーカー(本明細書では診断マーカーとも称する)は、大腸癌患者を高確率で特定できる診断マーカー(罹患マーカー)および健常者を大腸癌患者から高確率で排除できる診断マーカー(健常マーカー)を含む。
ここで、本明細書における大腸癌は、癌が粘膜に限局している早期大腸癌、腸壁を貫通して浸潤し、リンパ節転移陽性の非遠隔転移進行大腸癌、および、他の臓器に転移している遠隔転移進行大腸癌の全ての進行度の大腸癌を含むが、単に「大腸癌」と言う時は、進行度に関係なく、全ての大腸癌を含むものとする。
本発明に係る診断マーカーは、インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸であって、診断対象の脊椎動物から採取した血液中の診断マーカーの含有量(本明細書ではマーカー量とも称する)を測定することにより、その個体が大腸癌に罹患しているかどうか診断することができる。
==診断マーカーの測定方法==
採血された血液に含まれる大腸癌診断マーカーである化合物の含有量は、公知の方法によって測定することができる。例えば、高速液体クロマトグラフィー-質量分析計(LC−MS)や、ガスクロマトグラフィー-質量分析計(GC−MS)などの目的とする化合物を単離した後の質量を測定する方法が挙げられるが、これらに限定されない。また、その他の方法として、NMR分析を利用する測定方法、酸アルカリ中和滴定を利用する測定方法、アミノ酸分析計による測定方法、酵素法による測定方法、核酸アプタマー/ペプチドアプタマーを利用する測定方法、比色定量による測定方法、高速液体クロマトグラフィーのみを利用する測定方法、ガスクロマトグラフィーのみを利用する測定方法、及び、質量分析計のみによる測定方法等が挙げられるが、これらの方法は、目的とする化合物を単離する前であっても後であっても測定することができる。
なお、血液を採取する動物は、血中に本発明に係る診断マーカーが少なくとも1種類存在する脊椎動物であることが好ましく、哺乳動物であることがより好ましく、マウスやラットなどのげっ歯類や、ヒトであることがさらに好ましいが、特に制限されない。
高速液体クロマトグラフィーを用いる場合には、イオン性代謝物質の一斉分析が可能なカラム(例えば、イオン交換カラム)を用いることが好ましい。
血液に含まれる複数種類のマーカー量を、全種類一斉に測定できるという観点から、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE−TOFMS)を用いて測定することが好ましい。
採血された血液に含まれる、マーカー量を測定するにあたっては、測定に先立って、血液に前処理をしておくことが好ましい。例えば、静置や遠心分離などによって血液から血清または血漿を分離し、取り出した血清または血漿を測定に用いることが好ましい。
CE−TOFMSを用いて測定するにあたっては、このようにして得られる血清または血漿に、さらに以下の前処理をしておくことが好ましい。
血清または血漿を、メタノールまたはエタノール等のアルコール溶媒と混合し、血清中または血漿中に含まれる酵素の反応を停止させる。使用するアルコール溶媒の種類は、メタノールが好ましく、アルコール溶媒の純度はLC/MS用が好ましい。
次に、酵素反応を停止させた血清または血漿中に対して、有機溶媒と水とを加えて混合し、得られた混合液を相分離することによって、リン脂質等の脂溶性物質を含む有機相を除去する。
用いる有機溶媒の種類は、水と相分離できる有機溶媒であれば特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、及び、ジクロロエタン等が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。また、用いる有機溶媒の純度は、特級または分析用等が好ましい。用いる水の純度は、蒸留水、脱イオン水、または、Milli−Q水が好ましく、特にMilli−Q水が好ましい。
酵素反応を停止させた血清と有機溶媒と水とを混合する方法は、マグネティックスターラーやボルテックスを使用する方法等が好ましく、サンプル量が微量であっても効率よく混合できることを考慮すれば、ボルテックスによる方法が特に好ましい。
得られた混合液を相分離する方法は、静置または遠心分離等が好ましく、遠心分離が特に好ましい。
得られた水相から、タンパク質を除去することが好ましい。タンパク質を除去する方法は、特に限定されないが、例えば、限外ろ過が好ましい。
タンパク質を除去した後、水相中に含まれるアルコール溶媒を留去することが好ましい。溶媒を留去する方法は、自然乾燥、減圧乾燥、または、減圧遠心乾燥等、特に限定されないが、短時間で簡便に行えるということを考慮すれば、減圧遠心乾燥が好ましい。
このようにして、採血した血液から不溶物を除去した水溶液を調製し、この不溶物が除去された水溶液を用いてCE−TOFMS測定を行うことが好ましい。
採血された血液に含まれるマーカー量を測定するにあたっては、当業者であれば、測定の目的とする化合物の種類に応じて、その測定条件を、適宜選択・設定することができる。
例えば、CE−TOFMSを用いて測定する場合には、以下のように設定して測定することができる。
まず、測定のために用いるサンプルは、上記の方法に従って、採血された血液から不溶物が除去された水溶液であることが好ましい。
また、測定のために用いるサンプルは、診断マーカーである化合物の、電気泳動時間や含有量の測定基準となる内部標準物質を含んでいても良い。内部標準物質は、診断マーカーである化合物の電気泳動及び質量分析の効率に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、メチオニンスルホンや10−カンファースルホン酸(10-camphorsulfonic acid、CSA)であることが好ましい。
キャピラリー電気泳動のためのキャピラリーは、ヒューズドシリカキャピラリーであることが好ましい。また、キャピラリーの内径は、分離能の向上を踏まえれば、100 μm以下であることが好ましく、50 μmであることが特に好ましい。キャピラリーの全長は、50 cm〜150 cmであることが好ましく、特に100 cmが好ましい。
上記キャピラリー電気泳動により得られた各画分中における、目的の診断マーカーである化合物が含まれた画分を特定する方法は、特に限定されないが、例えば、目的化合物の標品を用いて、予め当該化合物の電気泳動時間を測定しておく方法や、内部標準物質の電気泳動時間との相対時間を利用する方法などが挙げられる。
次に、目的の診断マーカーである化合物が含まれていると特定された画分中の、目的化合物のm/zを有する化合物の含有量を、ピーク面積として測定する。
この測定されたピーク面積は、内部標準物質のピーク面積との比をとることで補正することができる。また、目的化合物の標品を用いて検量線を作成することによって、測定されたピーク面積から、絶対濃度、即ち、採血された血液に含まれる目的疾患マーカーである化合物の含有量を求めることができる。
==診断マーカーの使用方法==
診断マーカーの使用方法には、例えば、以下のような態様が含まれる。
<大腸癌の診断方法>
まず、脊椎動物から採血して得られた血液を用いて、血液中の診断マーカーの含有量を測定することにより、大腸癌の診断を行うことができる。ここで、血液中診断マーカーの含有量とは、診断マーカーの絶対濃度が好ましいが、診断マーカーの絶対濃度と相関して各個体の絶対濃度の比較ができる値であれば制限されず、相対濃度や、単位体積当たりの重量や、絶対濃度を知るために測定した生データ(例えば、CE−TOFMS測定によって得られるグラフのピーク面積を標準化して得られる値)などでも良い。
診断をする際には、予め、大腸癌に罹患していると診断された脊椎動物(本明細書では疾患脊椎動物とも称する)、および大腸癌に罹患していないと診断された脊椎動物(本明細書では健常脊椎動物とも称する)の血液中のマーカー量の範囲を測定しておき、診断対象である脊椎動物の血液中のマーカー量が、健常脊椎動物の血液中のマーカー量の範囲に入る場合は、この脊椎動物は大腸癌に罹患していない可能性が高く、疾患脊椎動物の血液中のマーカー量の範囲に入る場合は、大腸癌に罹患している可能性が高い。
また、健常脊椎動物の血液中のマーカー量の範囲として、診断対象となる脊椎動物個体の健常時における血液中のマーカー量の範囲を予め測定しておき、診断時のマーカー量を、健常時のマーカー量の範囲と比較してもよい。
ここで、健常脊椎動物の血液中のマーカー量の範囲は、各動物に対する複数回の測定値の平均値に標準偏差を減じた値から平均値に標準偏差を加えた値までの範囲としてもよく、平均値の下限値から上限値までの範囲としてもよく、特に限定されるものではないが、診断マーカーによって、疾患を診断する際に最も好ましい値または範囲を選択すればよい。
あるいは、疾患脊椎動物と健常脊椎動物を判別するための、血液中のマーカー量の閾値を決定してもよい。例えば、予め、複数の疾患脊椎動物及び複数の健常脊椎動物の血液中のマーカー量を計測し、閾値を決定する。閾値の決定方法は、当業者の定法に従えばよく、特に限定されないが、疾患脊椎動物が、閾値未満(又は閾値以上)に第1の所定の割合含まれ、健常脊椎動物が、閾値以上(又は閾値未満)に第2の所定の割合含まれるように、閾値を決定すればよい。具体的な方法としては、例えば、SAS社の統計ソフトJMPなどを用い、判別のカイ二乗値が最良となるような値を求めてもよい。
診断マーカーとしては、第1の所定の割合も第2の所定の割合も高い方が好ましく、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%が最も好ましい。両方の値を高く設定すると、特異度(specificity)及び感度(sensitivity)が高くなる。しかしながら、第1と第2の所定の割合を両方とも高くできない場合は、特異度と感度のどちらかが高くなるように閾値を決めても良い。特異度、感度ともに高い方が好ましく、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%が最も好ましい。なお、特異度とは(閾値以上または未満の健常脊椎動物数)×100/(健常脊椎動物総数)のことであり、感度とは(閾値未満または以上の疾患脊椎動物数)×100/(疾患脊椎動物総数)のことである。特異度が高い診断マーカーは、そのマーカー量が閾値未満または以上であった場合に大腸癌に罹患している確率が高く、大腸癌を特定する診断マーカー(本明細書で、これらの診断マーカーを罹患マーカーとも称する。)として用いられるのが好ましい。感度が高い診断マーカーは、そのマーカー量が閾値以上または未満であった場合に大腸癌に罹患していない確率が高く、大腸癌患者から健常者を排除する診断マーカー(本明細書で、これらの診断マーカーを健常マーカーとも称する。)として用いられるのが好ましい。
本発明に係る診断マーカーは、罹患マーカーとしても健常マーカーとしても用いることができるが、ヒトにおいて大腸癌を診断する場合、例えばインドール−3−酢酸のように感度も特異度も高い診断マーカーは、罹患マーカーとしても健常マーカーとしても有効である。従って、被検体の血漿中濃度を測定し、健常と罹患を判別する閾値に対して、罹患の範囲にある場合に大腸癌の可能性が高い、あるいは、健常の範囲にある場合に健常の可能性が高い、と診断することができる。また、クエン酸や3−インドキシル硫酸のように感度が特に高い診断マーカーは、健常マーカーとして用いることが好ましく、被検体の血漿中濃度を測定し、健常と罹患を判別する閾値に対して健常の範囲にある場合には健常の可能性が高いと診断することができる。一方で、馬尿酸のように特異度が特に高いマーカーは罹患マーカーとして用いることが好ましく、被検体の血漿中濃度を測定し、健常と罹患を判別する閾値に対して罹患の範囲にある場合には大腸癌である可能性が高いと診断することができる。ただし、測定値、閾値、感度、特異度は、マーカー量を測定した機器、測定法、集団、算出法が異なれば変化する可能性が高い。いずれのマーカーが罹患マーカーあるいは健常マーカーとして適しているかについても、診断対象の動物種、集団、測定法、算出法によって変化する可能性がある。
本発明に係る診断マーカーは、組み合わせて用いることにより、診断精度を挙げることも可能である。例えば、診断マーカーを2種類用い、いずれか一方だけが大腸癌の可能性を示す濃度であれば、大腸癌の可能性があると診断してもよいが、両方とも大腸癌の可能性を示す濃度であれば、1種類の診断マーカーを用いた時より大腸癌である可能性は上昇する。好ましいのは、健常マーカーを罹患マーカーに組み合わせて用いる場合であって、例えば、ある動物個体に対し、健常マーカーで診断し、「健常ではない」ことを示す濃度であれば、さらに同個体に対し罹患マーカーで診断し、「罹患している」ことを示す濃度であれば、大腸癌である可能性が高いと判定し、「罹患している」ことを示す濃度でなければ、健常である可能性が高いと判定する。この時の診断精度は、罹患マーカーだけを用いる時より高くなる。健常マーカーが「健常である」ことを示す濃度であれば、健常である可能性が高いと診断するが、その後罹患マーカーで診断し、「罹患していない」ことを示す濃度であれば、健常である可能性はさらに高くなる。もし、罹患マーカーで「罹患している」ことを示す濃度であれば、双方の診断マーカーの濃度の、閾値からの距離や、第3のバイオマーカーの判定により、さらに診断を行うのが好ましい。
あるいは、本発明に係る診断マーカーを組み合わせて使用する方法として、複数のマーカーの測定値を用い、健常者と大腸癌に罹患した患者を判別するための閾値、または、大腸癌の進行度を判別するための閾値を算出してもよい。この場合、例えば、上記「診断マーカーの測定方法」に従って各マーカー測定を測定することによって得られたピーク面積のデータから、SAS社の統計ソフトJMP ver. 7.0.1を用い、判別のカイ二乗値が最良となるような値を求め、一方のマーカーにおけるその最良値をもう一方のマーカーにおけるその最良値によって割ることによって閾値を算出することができる。このような閾値を用いることにより、単独のマーカーの測定値から得られた閾値を用いた場合に比べ、より正確に大腸癌の診断を行うことができる。
特に、本発明に係る診断マーカーを、健康な集団からのスクリーニング、あるいは、スクリーニングにより罹患が疑わしいとされた集団の診断に用いる場合は、早期大腸癌の患者であっても健常人と高精度で判別できるマーカー、あるいはマーカーの組み合わせを選択することが好ましい。
また、本発明に係る診断マーカーによる大腸癌の診断を、従来の便潜血検査、注腸検査、内視鏡検査、生検、CTスキャン、MRI、超音波検査等と組み合わせて行ってもよい。
このように、本発明に係る診断マーカーを用いることによって、特別な機器を使用し、かつ、患者に負担のかかる検査法を用いずに、大腸癌の診断をすることができるようになる。
<大腸癌の進行度を判定する方法>
本発明に係る診断マーカーの血中含有量は、大腸癌の進行度に比例して増加あるいは減少を示すため、大腸癌の進行度を判定するための診断マーカーとして用いることができる。
具体的には、予め、複数の健常脊椎動物、および、早期大腸癌、非遠隔転移進行大腸癌または遠隔転移進行大腸癌に罹患した複数の脊椎動物の血液中のマーカー量を計測することによって、大腸癌の進行度に対応する血液中のマーカー量の範囲を設定し、被検体のマーカー量がいずれの範囲に入るかに従って、大腸癌の進行度を診断してもよい。
あるいは、上記で疾患脊椎動物と健常脊椎動物を判別するための、血液中のマーカー量の閾値を決定したのと同様にして、例えば、予め、複数の健常脊椎動物、および、早期大腸癌、非遠隔転移進行大腸癌または遠隔転移進行大腸癌に罹患した複数の脊椎動物の血液中のマーカー量を計測し、疾患脊椎動物における大腸癌の進行度を判別するための、血液中のマーカー量の閾値を決定してもよい。
<薬効の判定>
一般に、疾患の治療薬は、個体によってその効果がばらつくことがある。従って、各個体における、ある治療薬の薬効を調べることは非常に有益であり、本発明の診断マーカーを用いれば、容易にその治療薬の薬効を調べることができる。例えば、大腸癌の治療薬を投薬する前後で、疾患脊椎動物から血液を採血し、その採血した血液に含まれる診断マーカーの含有量を測定して、治療薬を投薬する前後の血液における診断マーカーの含有量を比較する。そして、治療薬の投与後に、その診断マーカーの含有量が健常の範囲に近づけば、治療薬は効果があると判定できる。このように、本発明の診断マーカーを用いることにより、治療薬の効果があるかどうかについて容易に判定することができる。
また、大腸癌の治療薬を投薬した後の血液に含まれる診断マーカーの含有量を測定し、この値を、大腸癌患者と健常者とを判別するための閾値、あるいは、大腸癌の進行度を判別するための閾値と比較することによって、その治療薬が患者の癌の改善に効果があるかどうか判定することができる。
<大腸癌に効果のある薬剤のスクリーニング方法>
大腸癌を有する実験動物を用いて、大腸癌の治療に効果がある化合物を同定することができる。例えば、大腸癌のモデル動物に大腸癌の治療薬の候補である化合物を投与し、投与前後で採血し、その血液に含まれる診断マーカーの含有量を測定して、その化合物を投与する前後の血液における診断マーカーの含有量を比較する。化合物投与後に、その診断マーカーの含有量が健常の範囲に近づけば、投与した化合物は大腸癌の治療に効果があると判定できる。このように、本発明の診断マーカーを用いることにより、疾患の治療に効果がある化合物を容易にスクリーニングすることも可能である。
<疾患動物に最も効果のある薬剤のスクリーニング方法>
個体によって薬効が異なる薬剤の場合、大腸癌を有する個体に複数の薬剤を試してみて、診断マーカーによって診断し、その個体にとって最も有効な薬剤をスクリーニングすることも可能である。
[実施例1] 大腸癌患者および健常者からのサンプル採取
社会保険京都病院、西陣病院、あるいは、京都府立医科大学病院において、内視鏡検査および病理組織検査により、早期大腸癌(8人)、非遠隔転移進行大腸癌(9人)、あるいは、遠隔転移進行大腸癌(8人)であると診断された患者に対し、倫理委員会の承認のもと、所定のインフォームドコンセント手続を経て、研究協力を依頼した。なお、早期大腸癌は良性腫瘍が悪性化したもので、浸潤は粘膜下層までに留まるものである。非遠隔転移進行大腸癌は筋固有層もしくはリンパ節まで浸潤した状態である。遠隔転移進行大腸癌は他の臓器に転移が確認されている進行癌である。
健常者は、広告などにより召集し、研究協力を依頼した者から選択した(21人)。
以上の患者、および、健常者から、診断マーカー測定のため採血し、2時間以内に血漿を分離し、測定まで凍結保存した。
各患者および各健常者の年齢、性別、病理組織診断による大腸癌の進行度等を表1に示す。
Figure 2011106994
また、大腸癌の各進行度における、平均年齢、男女数を表2に示す。
Figure 2011106994
[実施例2] 血漿サンプルの調製
血液中に含まれる各診断マーカーである化合物の量を、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE−TOFMS)で測定するべく、以下の方法でCE−TOFMS測定用血漿サンプルを調製した。
実施例1の患者(早期大腸癌、非遠隔転移進行大腸癌、遠隔転移進行大腸癌)、および健常者の血液から調製された血漿100 μLを、遠心チューブに入れた。内部標準溶液として10 μMのメチオニンスルホンと10 μMの10−カンファースルホン酸(H3304-1002、販売製造元:ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社)を含有するメタノール(和光純薬、LC/MS用)0.9 mLを加え、クロロホルム(和光純薬、試薬特級)1 mLおよびMilli−Q水400 μLを加えた後、ボルテックスで30秒間よく混合し、遠心分離(4℃、2,300 × g、5分)した。水相を限外ろ過フィルター(ミリポア社 Ultrafree-MCPBCC 遠心式フィルターユニット 5kDa)に移し、フィルターカップ内の溶液が、ほぼなくなるまで遠心ろ過(4℃、9,100 × g、2〜4時間)した。フィルターカップを取り除き、ろ液を減圧下で遠心乾燥した。乾燥物を、内部標準物質を添加した50 μLのMilli−Q水に再溶解することによって、CE−TOFMS測定用サンプルを調製した。
[実施例3] CE−TOFMSの測定方法と結果の解析方法
CE−TOFMSの測定、および、引き続くデータ解析は、Agilent CE-TOF-MSD system(Agilent Technologies社)において、キャピラリーにFused silica capillaryを用いて行った。
CE−TOFMSの測定の測定条件は、下記の通りである。
(A)カチオンモード
Run buffer : Cation Buffer Solution ( p/n : H3301-1001)
Rinse buffer : Cation Buffer Solution ( p/n : H3301-1001)
Sample injection : Pressure injection 50 mbar, 10 sec
CE voltage : Positive, 30 kV
MS ionization : ESI Positive
MS capillary voltage : 4,000 V
MS scan range : m/z 50-1,000
Sheath liquid : HMT Sheath Liquid ( p/n : H3301-1020)
(B)アニオンモード
Run buffer : Anion Buffer Solution ( p/n : H3302-1021)
Rinse buffer : Anion Buffer Solution ( p/n : H3302-1022)
Sample injection : Pressure injection 50 mbar, 25 sec
CE voltage : Positive, 30 kV
MS ionization : ESI Negative
MS capillary voltage : 3,500 V
MS scan range : m/z 50-1,000
Sheath liquid : HMT Sheath Liquid ( p/n : H3301-1020)
CE−TOFMSで検出されたピークは、ピーク情報として質量電荷比(m/z)、泳動時間(Migration time: MT)と面積値を得た。得られたピーク面積値は下記の式1を用いて相対面積値に変換した。
Figure 2011106994
[実施例4] CE−TOFMSによる診断マーカーの血漿中濃度測定と結果の解析
実施例1に記載の大腸癌患者、および健常者から採血し、実施例2に従い調製された血漿由来のCE−TOFMS測定用サンプルについて、実施例3に示す条件でのCE−TOFMS測定を行った。この測定により、各サンプル内に含まれる各化合物量のデータをピーク面積として得た。
このピーク面積のデータから、SAS社の統計ソフトJMP ver. 7.0.1を用い、判別のカイ二乗値が最良となるような値を求め、診断マーカーとして、早期大腸癌と健常者、非遠隔転移進行大腸癌と健常者、遠隔転移進行大腸癌と健常者、進行大腸癌(非転移と転移を含む)と健常者のそれぞれを区別しうる閾値とした。この結果を表3に示す。
Figure 2011106994
各マーカーの含有量の測定値が、その閾値以上またはその閾値未満である人数を表4に示す。
Figure 2011106994
血中の含有量が、癌患者では高値、健常人では低値を示す診断マーカーの場合、閾値より高値を示した健常人は、偽陽性である。一方、閾値より低値を示した癌患者は、偽陰性である。また、血中の含有量が癌患者では低値、健常人では高値を示す診断マーカーの場合、閾値より低値を示した健常人は、偽陽性である。一方、閾値より高値を示した癌患者は偽陰性である(表3)。
各診断マーカーの感度および特異度を表5に示す。
Figure 2011106994
早期大腸癌患者と健常者とを判別する場合、クエン酸、3−インドキシル硫酸は特異度は50%以下であるが、感度が高く、健常者を癌患者群から排除する能力が高いので、健常マーカーとして用いるのが好ましい。一方、馬尿酸は感度は低いが、特異度が高く、罹患者を補足する能力が高いので、罹患マーカーとして用いるのが好ましい。また、感度、特異度共に60%以上あるようなインドール−3−酢酸等の化合物は、罹患者と健常者を高精度で判別することが可能であり、単独で診断に用いることも可能である。進行大腸癌患者と健常者とを判別する場合、インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸は感度、特異度共に高く、罹患者と健常者を高精度で判別することが可能であり、単独で診断に用いることも可能である。
ただし、癌ドック等のように、癌に罹患しているか否かが全く分からない被検体に対してこれらの診断マーカーを用いて罹患の可能性を診断する場合、早期大腸癌に罹患している患者を健常者と判別することができる程度の精度が必要となる。
以上の化合物に関しては、血液をCE−TOFMS測定するのみで、血液における全ての含有量を一斉に測定できるため、複数の化合物の結果を組み合わせて診断することが極めて容易である。
[実施例5] 複数のバイオマーカーを用いた診断
上記の化合物のうち、複数の診断マーカーを用いることにより、診断精度を上げることができる。特に、罹患マーカーと健常マーカーの組み合わせ、両方に有効な診断マーカーと罹患マーカーの組み合わせ、両方に有効な診断マーカーと健常マーカーの組み合わせ、両方に有効なマーカー同士の組み合わせが有効であると考えられる。具体的な、診断マーカーの組み合わせを表6に例示する。
Figure 2011106994
Figure 2011106994
Figure 2011106994
Figure 2011106994
複数のバイオマーカーを使用して大腸癌の診断をする場合、各マーカー測定によって得られたピーク面積のデータから、SAS社の統計ソフトJMP ver. 7.0.1を用い、判別のカイ二乗値が最良となるような値を求めた。そして、マーカー2における判別のカイ二乗値最良値をマーカー1における判別のカイ二乗値最良値によって割ることによって算出した比をマーカー組み合わせの閾値とした。
表6に示すように、いずれのマーカーの組み合わせにおいても、各マーカーを単独で用いた時に比較して、感度および特異度が同値であるか、あるいは向上していた。
従って、本発明に係るマーカーは、組み合わせて用いることによってより精度の高い大腸癌の診断を行うことができる。
[実施例6] 大腸癌の進行度を判定するためのバイオマーカー
実施例1に記載の大腸癌患者、および健常者から採血し、実施例2に従い調製された血漿由来のCE−TOFMS測定用サンプルについて、実施例3に示す条件でのCE−TOFMS測定を行った。
健常者、および、各進行度の大腸癌に罹患した患者における、血中の各マーカー濃度の平均値を表7に示す。
Figure 2011106994
インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸においては、健常者、早期癌、非遠隔転移進行大腸癌、遠隔転移進行大腸癌の順に、マーカー濃度が増加あるいは減少する傾向がある。従って、これらのマーカーは、大腸癌の進行度を判定するためのバイオマーカーとして使用することができる。
また、同表7に示すその他のマーカー濃度についても、健常者と大腸癌患者との間、早期癌と進行大腸癌患者(非遠隔転移と遠隔転移を含む)との間、非遠隔転移進行癌患者と遠隔転移進行癌患者との間のいずれかに、増加あるいは減少の傾向がある。従って、これらのマーカーも、大腸癌の進行度を判定するためのバイオマーカーとして使用することができる。

Claims (9)

  1. 大腸癌の診断するためのバイオマーカーであって、
    インドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸からなる群から選択されることを特徴とする、バイオマーカー。
  2. 採取された血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、3−インドキシル硫酸、チオプロリン、ウロカニン酸、アセト酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、デカン酸、シス−アコニット酸、ラウリン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、3−フェニルプロピオン酸、ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程を含む、測定方法。
  3. 採取された血液中のインドール−3−酢酸の含有量を測定する工程と、
    前記血液中のチオプロリンおよび/またはウロカニン酸の含有量を測定する工程と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定方法。
  4. 採取された血液中の3−インドキシル硫酸の含有量を測定する工程と、
    前記血液中の4−アセチル酪酸、ヘプタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、尿酸、デカン酸、シス-アコニット酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、2’−デオキシウリジン、ウロカニン酸、O−アセチルカルニチン、シスチン、リバビリン、および1−メチルアデノシンからなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程を含む、請求項2に記載の測定方法。
  5. 大腸癌に対する薬剤の効果を判定するための方法であって、
    前記大腸癌に罹患した患者に前記薬剤を投与する前後で、請求項2〜4のいずれかに記載の測定方法を実施する工程と、
    前記薬剤を投与する前後に得られた、前記化合物含有量を比較する工程と、を含む方法。
  6. 大腸癌に対する薬剤の効果を判定するための方法であって、
    前記大腸癌に罹患した患者に前記薬剤を投与した後で、請求項2〜4のいずれかに記載の測定方法を実施する工程と、
    大腸癌患者と健常者を判別するための、血液中の前記化合物の含有量の閾値と、前記化合物の含有量を比較する工程と、を含む方法。
  7. 大腸癌患者と健常者を判別するため、血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸、からなる群から選択される1以上の化合物の含有量の閾値を決定する方法であって、大腸癌と診断された複数の患者、および複数の健常者から採取された血液に含まれる、前記化合物の含有量を測定する工程を含む方法。
  8. 大腸癌患者に対する治療薬をスクリーニングする方法であって、前記大腸癌のモデル動物に、治療薬の候補物質を投与する工程と、前記候補物質を投与する前後で、血液を採取する工程と、前記血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量を測定する工程と、前記候補物質を投与する前後で、前記血液中の化合物の含有量を比較する工程と、を含む方法。
  9. 大腸癌の進行度を判別するための、血液中のインドール−3−酢酸、馬尿酸、クエン酸、および3−インドキシル硫酸からなる群から選択される1以上の化合物の含有量の閾値を決定する方法であって、早期大腸癌と診断された複数の患者、非遠隔移転進行大腸癌と診断された複数の患者、遠隔移転進行大腸癌と診断された複数の患者から採取された血液に含まれる、前記化合物の含有量を測定する工程、を含む方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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