JP2011105455A - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電動機に新たに回転センサを設けることなく、非常停止時にかごの速度を制御することを目的とするものである。
【解決手段】速度推定器30は、電動機6の3相(U相、V相、W相)の電位を入力として、回転速度を推定し、ブレーキ制御装置28に出力する。ブレーキ制御装置28は、かご1の走行中、かご1を非常停止させる必要が生じた場合、速度推定器30からの速度信号出力に基づいてブレーキ装置8を制御し、かご1が緩やかに停止するように電動機6の回転を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】速度推定器30は、電動機6の3相(U相、V相、W相)の電位を入力として、回転速度を推定し、ブレーキ制御装置28に出力する。ブレーキ制御装置28は、かご1の走行中、かご1を非常停止させる必要が生じた場合、速度推定器30からの速度信号出力に基づいてブレーキ装置8を制御し、かご1が緩やかに停止するように電動機6の回転を制御する。
【選択図】図1
Description
この発明は、かごを制動するブレーキ装置の制動力を制御可能なエレベータ装置に関するものである。
従来のエレベータ装置では、非常停止時に、ブレーキコイルへの通電電流を制御することにより、かごの減速度が可変制御される。非常停止時には、所定の減速度を持つ非常停止用速度基準パターンに基づく速度指令が速度基準発生部から出力される(例えば、特許文献1参照)。
近年、界磁のための電流が不要な永久磁石電動機(PM電動機)が多くのエレベータ装置に適用されている。一般的に、このようなPM電動機の制御には、永久磁石の磁極位置を検出するセンサが用いられる。これに対して、エレベータ装置における構造上の制約やコスト低減の観点から、センサを用いないセンサレス制御方式が開発されている。このセンサレス制御方式では、インバータから電動機に印加される電圧や電流値等の特性に基づいて、電動機の回転状態が推定される。しかし、非常停止時には、電動機への給電が遮断されるため、インバータによる印加電圧や電流値から電動機の回転速度を推定することができなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電動機に新たに回転センサを設けることなく、非常停止時にかごの速度を制御することができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータ装置は、かご、かごを駆動する電動機、電動機を制御するエレベータ制御装置、かごの走行を制動するブレーキ装置、ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置、及び電動機の回転速度を推定する速度推定器を備え、ブレーキ制御装置は、非常停止時に、速度推定器により推定された速度を参照して、ブレーキ装置が発生する制動力を制御する。
この発明のエレベータ装置は、ブレーキ制御装置が、かごの非常停止時に、速度推定器により推定された速度を参照して、ブレーキ装置が発生する制動力を制御するので、電動機に新たに回転センサを設けることなく、非常停止時にかごの速度を制御することができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、かご1及び釣合おもり2は、懸架手段3により昇降路内に吊り下げられている。懸架手段3としては、複数本のロープ又はベルトが用いられる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、かご1及び釣合おもり2は、懸架手段3により昇降路内に吊り下げられている。懸架手段3としては、複数本のロープ又はベルトが用いられる。
昇降路の上部には、かご1及び釣合おもり2を昇降させる巻上機4が設置されている。巻上機4は、懸架手段3が巻き掛けられた駆動シーブ5と、駆動トルクを発生し駆動シーブ5を回転させる電動機6と、駆動シーブ5と一体に回転するブレーキ車(例えばブレーキドラム又はブレーキディスク)7と、制動トルクを発生しブレーキ車7の回転を制動するブレーキ装置8とを有している。
この例では、駆動シーブ5及びブレーキ車7は、電動機6の回転軸に固定されている。また、電動機6としては、PM電動機が用いられている。さらに、ブレーキ装置8としては、電磁ブレーキ装置が用いられている。
電磁ブレーキ装置においては、制動ばねのばね力によりブレーキシューがブレーキ車7の制動面に押し付けられてブレーキ車7及び駆動シーブ5の回転が制動され、かご1が制動される。また、電磁マグネットを励磁することによりブレーキシューが制動面から引き離され、制動力が解除される。
昇降路の底部には、かご緩衝器9及び釣合おもり緩衝器10が設置されている。かご緩衝器9は、かご1の真下に配置され、かご1が昇降路の底部に衝突する際の衝撃を緩和する。釣合おもり緩衝器10は、釣合おもり2の真下に配置され、釣合おもり2が昇降路の底部に衝突する際の衝撃を緩和する。
昇降路の上部には、調速機11が設置されている。調速機11は、調速機シーブ12と、調速機シーブ12の回転に応じた信号を発生する調速機エンコーダ13とを有している。調速機シーブ12には、ループ状の調速機ロープ14の上端部が巻き掛けられている。調速機ロープ14の下端部は、昇降路の下部に配置された張り車15に巻き掛けられている。
また、調速機ロープ14は、かご1に接続されている。これにより、かご1が昇降されると、調速機ロープ14が循環され、かご1の走行速度に応じた回転速度で調速機シーブ12が回転される。
電動機6は、インバータ22を介してエレベータ制御装置21により制御される。インバータ22と電動機6との間には、電源供給スイッチ23が設けられている。電源供給スイッチ23の開閉は、エレベータ制御装置21により制御される。
ブレーキ装置8の電磁マグネットには、ブレーキコイル24が設けられている。ブレーキコイル24は、ブレーキ用電源25に接続されている。ブレーキコイル24とブレーキ用電源25との間には、制御用ブレーキスイッチ26及び強制ブレーキスイッチ27が直列に接続されている。
制御用ブレーキスイッチ26のオン・オフは、ブレーキ制御装置28により制御される。ブレーキ制御装置28は、かご1の走行時に、エレベータ制御装置21からの指令を受けてブレーキコイル24に電圧を印加し、駆動シーブ5の回転を静止保持する制動力を解除する。
また、ブレーキ制御装置28は、かご1の非常停止時に、ブレーキ装置8により印加される制動力を制御し、かご1の減速度が過大になるのを防止する。このとき、ブレーキ制御装置28は、例えば、予め設定されたスイッチングデューティ(例えば50%)で制御用ブレーキスイッチ26をオン・オフすることにより、ブレーキコイル24に所定の電圧を印加し、制動力を制御する。
強制ブレーキスイッチ27のオン・オフは、強制減速装置29により制御される。強制減速装置29は、調速機エンコーダ13からの信号に基づいてかご1の位置を求める。また、強制減速装置29は、調速機エンコーダ13からの信号やエレベータ制御装置21からの指令等に基づいて、必要に応じて強制ブレーキスイッチ27を操作しブレーキ装置8を強制的に動作させる。強制ブレーキスイッチ27がオフにされると、ブレーキコイル24への通電が遮断され、ブレーキ装置8の最大の制動力がブレーキ車7に印加される。
速度推定器30は、電動機6自体に接続された電線から得られる信号に基づいて、電動機6の回転速度を間接的に推定する。この例では、速度推定器30は、電動機6の3相(U相、V相、W相)の電位を入力として、回転速度を推定し、ブレーキ制御装置28に出力する。ブレーキ制御装置28は、かご1の走行中、例えばエレベータ制御装置21から非常停止の指令を受けた場合など、かご1を非常停止させる必要が生じた場合、速度推定器30からの速度信号出力に基づいてブレーキ装置8を制御し、かご1が緩やかに停止するように(かご1の減速度が過大にならないように)電動機6の回転を制御する。
図2は図1の速度推定器30を示すブロック図である。速度推定器30は、電圧検出手段31及び回転速度演算手段32を有している。電圧検出手段31は、入力電圧を検出して各相間の端子間電圧を出力する。回転速度演算手段32は、端子間電圧に基づいて回転速度を推定し出力する。
図3は図1の電動機6が一定速で回転した場合の各相間の端子間電圧の時間変化を示すグラフである。端子間の電圧は、電動機6のコイルが1つの極を通過するのに合わせて正負に1周期変化する。そして、3つの端子間電圧は、その極対の配置の関係から、互いに120°ずれて周期変化する。
図4は図2の回転速度演算手段32の構成を示すブロック図である。回転速度演算手段32は、コンパレータ33、カウンタ34及び演算部35を有している。コンパレータ33は、入力された端子間電圧が0に至る状態(電圧の0点交差)を検出する。カウンタ34は、電圧の0点交差の回数をカウントし、カウント値を演算部35に出力する。演算部35は、演算周期毎に、以下の算出式により回転速度を算出する。
V=ΔX/(ΔT×a×6) ・・・式(1)
但し、Vは回転速度、ΔXはカウント増加値、ΔTは演算周期、aは電動機6の極対数である。
V=ΔX/(ΔT×a×6) ・・・式(1)
但し、Vは回転速度、ΔXはカウント増加値、ΔTは演算周期、aは電動機6の極対数である。
また、式(1)の分母にある数値6は、U−V相間、V−W相間、W−U相間の3つの端子間電圧の0点交差をカウントする構成で、周期変化での正/負2方向からの0点交差を考慮したものである。
本実施の形態では、3つの端子間電圧に基づいて速度推定する場合について説明しているが、3つ以下の端子間電圧に基づいて速度推定することも可能である。この場合、式(1)の分母の数値6を、1組の端子間電圧の場合には2に、2組の場合には4にする必要がある。また、2組の端子間電圧を利用する場合は、その位相差が120°であり、2組の端子間電圧は交互に一定の位相間隔で0交差に至らないため、誤差が生じる点に留意する必要がある。
図5は図1の電動機6の回転速度により端子間電圧が変動する様子を示すグラフである。図5では、時間経過と共に速度が徐々に小さくなった場合の端子間電圧を示している。速度が小さくなると、電動機6のコイルと磁石とがすれ違う速度が小さくなって誘起電圧が低下するため、電圧の触れ幅が小さくなる。また、コイルと磁石とがすれ違う頻度が低下するため、電圧の0点交差の頻度も低下する。このため、速度が高い状態での演算周期中には、0点交差が数回あるのに対して(例えば図5のt1〜t2)、速度が低い状態では1回も生じないこととなる(例えば図5のt3〜t4)。
また、一般のエレベータ装置の電動機6の極対数aと電動機6等を制御する装置の演算周期ΔTから考慮すると、式(1)で直接算出される速度Vは、制御に利用するのに十分な分解能を有していない場合が多い。これに対して、複数回の演算周期毎の移動平均値を利用すれば、カウントが1増加する時間に対して演算周期ΔTが小さいような低速度でも、より正確な速度を検出できる。
特に、制御に必要な速度分解能との関係から、平均化回数は以下のように決定できる。
m=1/(ΔT×V0×a×6) ・・・式(2)
但し、mは平均化回数、V0は速度分解能である。平均化回数をm回以上とすると、V0以上の速度分解能が得られる。
m=1/(ΔT×V0×a×6) ・・・式(2)
但し、mは平均化回数、V0は速度分解能である。平均化回数をm回以上とすると、V0以上の速度分解能が得られる。
このようなエレベータ装置では、ブレーキ制御装置28が、かご1の非常停止時に、速度推定器30により推定された速度を参照して、ブレーキ装置8が発生する制動力を制御するので、電動機6に新たに回転センサを設けることなく、構造上の制約を受けず、かつ低コストで、かご1を緩やかに停止させることができる。即ち、センサレス制御方式であっても非常停止時にかご1の速度を制御することができる。
また、速度推定器30は、電動機6が回転した際に電磁コイルに生じる誘起電圧に基づいて電動機6の回転速度を推定するので、インバータ22から電動機6への電源供給が遮断された状態でも速度を推定することができる。
実施の形態2.
次に、図6はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置の速度推定器を示すブロック図である。速度推定器30は、図2の構成に加えて、回転方向演算手段36を有している。回転方向演算手段36は、2組の端子間電圧を入力として、電動機6の回転方向を算出し、回転方向情報として出力する。他のエレベータ装置の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、図6はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置の速度推定器を示すブロック図である。速度推定器30は、図2の構成に加えて、回転方向演算手段36を有している。回転方向演算手段36は、2組の端子間電圧を入力として、電動機6の回転方向を算出し、回転方向情報として出力する。他のエレベータ装置の構成は、実施の形態1と同様である。
図7は図1の電動機6が一定速で回転した場合の2組の端子間電圧の時間変化を示すグラフ、図8は図7とは回転方向が反対の場合の2組の端子間電圧の時間変化を示すグラフである。図7と図8とでは、U−V相端子間電圧とV−W相端子間電圧の正負の入れ替わり順が異なる。即ち、図7では、U−V相端子間電圧が正転した後にV−W相端子間電圧が正転するのに対して、図8では逆となる。
回転方向演算手段36は、図7及び図8で示した電圧正負の入れ替わり順から、電動機6の回転方向を判断する。なお、回転方向演算手段36は、3組の端子間電圧の入力に基づいて回転方向を判断してもよく、この場合、検知する端子間電圧が1組増えるため、2組の場合よりも少ない回転量による位相差で判断することができる。
ブレーキ制御装置28は、エレベータ制御装置21等からの非常停止指令によりかご1を非常停止させる場合、速度推定器30により推定された速度情報に基づいて把握した電動機6の回転量、回転速度、又は回転加速度を目標値に近づけるように制御用ブレーキスイッチ26のオン・オフを制御する。
このとき、速度推定器30に回転方向演算手段36を設けることにより、回転方向が判断できるため電動機6の回転が一旦停止した後の逆回転をより確実に防止できる。また、回転方向に応じて目標値を変化させることが可能となる。
例えば、最上階に停止したかご1の上部から昇降路の天井までの余裕距離はあるが、最下階に停止したかご1の下部から昇降路の床までの余裕距離がないような場合、判断された回転方向からかご1が上昇しているか下降しているかを判断し、かご1の上昇時に比べてかご1の下降時には非常停止での停止距離が短くなるように目標値を設定することで、余裕距離に合わせてかご1を緩やかに減速させることができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、強制減速装置29は、非常停止時に、かご1の状態を検出する状態センサである調速機エンコーダ13からの信号に基づいて、所望の距離以内でかご1を停止させるように強制ブレーキスイッチ27によりブレーキ装置8を操作する。他の構成は、実施の形態1又は2と同様である。
次に、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、強制減速装置29は、非常停止時に、かご1の状態を検出する状態センサである調速機エンコーダ13からの信号に基づいて、所望の距離以内でかご1を停止させるように強制ブレーキスイッチ27によりブレーキ装置8を操作する。他の構成は、実施の形態1又は2と同様である。
非常停止時に、かご1が終端階に至っても、緩衝器9,10により安全性は確保されるが、利用者がかご1からすぐには出られず、サービス性が低下してしまう。また、走行中に利用者がいたずらでかごドアを開いたような場合には、利用者の安全を考え、減速による衝撃が負担を与えない範囲の短い距離でかご1を停止させるのが望ましい。このような観点から、停止距離の制限要求に対しては、要求仕様をより確実に満たすことができる構成とするのが望ましい。
これに対して、速度推定器30により速度推定する場合、回転センサを用いた場合に比べて、推定された速度の精度や確度が劣ることとなり、停止距離の制限要求仕様を十分に満たすことができない可能性がある。
そこで、実施の形態3では、停止距離の制限要求仕様を満たすように強制ブレーキスイッチ27を操作する機能を強制減速装置29に含めることで、サービス性の低下を防止し、走行時の戸開事象に対応する。
ここで、ブレーキ制御装置28は、そもそも速度推定器30を用いなくても調速機エンコーダ13からの信号に基づいてブレーキ装置8の制動力を制御することもできるが、調速機エンコーダ13ではブレーキ装置8が制動する電動機6の回転を直接検出できないため、かご1の振動を十分に抑制しながら低減速度でかご1を停止させる制御を行うのは難しい。
図1に示すように、強制減速装置29は、調速機エンコーダ13からのかご位置情報の他、エレベータ制御装置21からの非常停止指令を受ける構成になっており、これらに基づき強制ブレーキスイッチ27を操作する。
図9は実施の形態3による強制減速装置29により停止距離を制限した場合のかご速度の時間変化(a)及び強制ブレーキスイッチの状態の時間変化(b)を示すグラフである。図において、点線Aはブレーキ制御装置28が制御用ブレーキスイッチ26を制御する際の目標とする速度であり、細線Bは停止距離を制限するために強制減速装置29が強制ブレーキスイッチ27をオフにする際の目標速度である。
装置の構成上、制御用ブレーキスイッチ26か強制ブレーキスイッチ27の少なくともいずれかがオフにされれば、電動機6はブレーキ装置8により減速される。また、ブレーキ制御装置28が推定速度に基づいて電動機6の速度を目標速度に追従できていれば、強制ブレーキスイッチ27によりブレーキ装置8を動作させることはない。
しかし、ブレーキ制御装置28が目標速度に適正に追従できず、電動機6が目標速度B以上に増速してしまった場合には、強制減速装置29が強制ブレーキスイッチ27をオフにしてブレーキ装置8を動作させて、停止距離を制限する。このように、目標速度Bは、目標速度Aの制御が適正に働かない場合に強制減速するための判断基準となるパターンであるため、目標速度Aよりも高い速度に設定される。
これらの目標速度A,Bの機能の関係から、非常停止開始時のかご速度を基準に目標速度Aを設定すると、急激な速度変化を生じさせずに指令に追従できる。
また、強制減速装置29は、現在の速度からブレーキ装置8を動作させて減速した場合に、許容される距離内でかご1を実際に停止させられるか否かを判断して、強制ブレーキスイッチ27を操作して距離を制限してもよい。
図10は図9で説明した方法とは異なる方法で停止距離を制限した場合のかご速度と距離(非常停止開始からの移動距離)との関係(a)、及び強制ブレーキスイッチ27の状態と距離との関係(b)を示すグラフである。
この方法では、かご速度と位置との関係が条件C以上の速度領域へ至った場合に、強制ブレーキスイッチ27をオフにし、ブレーキ装置8を動作させる。これにより、かご位置と速度との関係がC以上に至った場合には、ブレーキ装置8が必ず動作するため、条件Cのパターンに応じて所定距離進んだ場合にはブレーキ装置8を必ず動作させることとなり、より確実な減速により停止までの距離を制限できる。
このように、実施の形態3のエレベータ装置では、強制減速装置29が、非常停止時に、調速機エンコーダ13からの信号に基づいて、所望の距離以内でかご1を停止させるように強制ブレーキスイッチ27によりブレーキ装置8を操作するので、電動機6の回転を直接推定して制御することで振動等の発生を防止した精度の良い制御を行いつつ、調速機エンコーダ13でかご位置を検出してかご1をより確実に停止させることができ、サービス性及び安全性の向上を図ることができる。
なお、強制ブレーキスイッチ27として、故障時にオフとなる強制開離スイッチを用いてもよく、この場合、強制ブレーキスイッチ27が故障しても、より確実にかご1を減速させることができる。
また、強制ブレーキスイッチ27を直列に二重化してもよく、この場合、一方の強制ブレーキスイッチ27が故障しても、他方の強制ブレーキスイッチ27により、より確実にかご1を減速させることができる。
さらに、調速機エンコーダ13を二重化して強制減速装置29に入力し、2つの入力信号を比較することにより、調速機エンコーダ13の動作を保障する構成としてもよい。
さらにまた、二重化した調速機エンコーダ13の入力を比較する判断部を二重化することで、判断の正確性を保証する構成としてもよい。
また、強制ブレーキスイッチ27を直列に二重化してもよく、この場合、一方の強制ブレーキスイッチ27が故障しても、他方の強制ブレーキスイッチ27により、より確実にかご1を減速させることができる。
さらに、調速機エンコーダ13を二重化して強制減速装置29に入力し、2つの入力信号を比較することにより、調速機エンコーダ13の動作を保障する構成としてもよい。
さらにまた、二重化した調速機エンコーダ13の入力を比較する判断部を二重化することで、判断の正確性を保証する構成としてもよい。
また、エレベータ制御装置21、ブレーキ制御装置28、強制減速装置29及び速度推定器30は、それぞれマイクロコンピュータを有している。即ち、エレベータ制御装置21、ブレーキ制御装置28、強制減速装置29及び速度推定器30の機能は、マイクロコンピュータによる演算処理を利用して実現することができる。また、これらの機能の一部を共通のマイクロコンピュータでまとめて実行することもできる。例えば、速度推定器30の機能とブレーキ制御装置28の機能とを共通のマイクロコンピュータにより実行させてもよい。さらに、これらの機能は、アナログ信号を処理するアナログ電気回路によっても実現することができる。
さらに、上記の例では、ブレーキ装置8を巻上機4に設けたが、他の位置に設けてもよい。例えば、ブレーキ装置は、懸架手段3を把持してかご1を制動するロープブレーキや、かご1に搭載されガイドレールに係合してかご1を制動するかごブレーキ等であってもよい。但し、電動機6の誘起電圧から速度を推定する場合、ブレーキ装置は電動機6又はその近傍に配置されているのが好適である。
さらにまた、ブレーキ装置の数は1つに限定されるものではなく、複数のブレーキ装置を用いてもよい。
また、図1では、巻上機4が昇降路上部に配置された1:1ローピングのエレベータ装置を示したが、エレベータ装置全体のレイアウトは図1に限定されるものではなく、例えば2:1ローピング等であってもよい。
さらに、上記の例では、1台の巻上機4によりかご1が昇降されるが、複数台の巻上機を用いるエレベータ装置であってもよい。
さらにまた、状態センサは調速機エンコーダ13に限定されるものではなく、かご1の位置を検出する光センサ、近接センサ又は位置検出スイッチ等であってもよい。
また、図1では、巻上機4が昇降路上部に配置された1:1ローピングのエレベータ装置を示したが、エレベータ装置全体のレイアウトは図1に限定されるものではなく、例えば2:1ローピング等であってもよい。
さらに、上記の例では、1台の巻上機4によりかご1が昇降されるが、複数台の巻上機を用いるエレベータ装置であってもよい。
さらにまた、状態センサは調速機エンコーダ13に限定されるものではなく、かご1の位置を検出する光センサ、近接センサ又は位置検出スイッチ等であってもよい。
1 かご、6 電動機、8 ブレーキ装置、13 調速機エンコーダ(状態センサ)、21 エレベータ制御装置、28 ブレーキ制御装置、29 強制減速装置、30 速度推定器。
Claims (4)
- かご、
前記かごを駆動する電動機、
前記電動機を制御するエレベータ制御装置、
前記かごの走行を制動するブレーキ装置、
前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置、及び
前記電動機の回転速度を推定する速度推定器
を備え、
前記ブレーキ制御装置は、非常停止時に、前記速度推定器により推定された速度を参照して、前記ブレーキ装置が発生する制動力を制御することを特徴とするエレベータ装置。 - 前記電動機は、永久磁石による界磁を利用した永久磁石電動機であり、
前記速度推定器は、前記電動機が回転した際に電磁コイルに生じる誘起電圧に基づいて電動機の回転速度を推定することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。 - 前記速度推定器は、前記電動機の端子間電圧の正負の入れ替わり順から前記電動機の回転方向を推定し、
前記ブレーキ制御装置は、非常停止時に、前記速度推定器により推定された速度及び回転方向を参照して、前記ブレーキ装置が発生する制動力を制御することを特徴とする請求項2記載のエレベータ装置。 - 前記かごの状態を検出する状態センサ、及び
前記状態センサの信号に基づいて前記ブレーキ装置を操作する強制減速装置
をさらに備え、
前記強制減速装置は、非常停止時に、所望の距離以内で前記かごを停止させるように前記ブレーキ装置を操作することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータ装置。
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