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JP2011088785A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Download PDF

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JP2011088785A JP2009243392A JP2009243392A JP2011088785A JP 2011088785 A JP2011088785 A JP 2011088785A JP 2009243392 A JP2009243392 A JP 2009243392A JP 2009243392 A JP2009243392 A JP 2009243392A JP 2011088785 A JP2011088785 A JP 2011088785A
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Hirozo Nakamura
浩造 中村
Tomoo Shimamoto
倫男 島本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】樹脂組成物A又は樹脂Aからなる部位Aと、樹脂組成物B又は樹脂Bからなる部位Bとを水平方向に有する中間層が2枚の被覆層により挟持されている合わせガラス用中間膜であって、前記樹脂組成物A又は樹脂Aの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Taと、前記樹脂組成物B又は樹脂Bの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Tbとの差が10℃以上であり、前記被覆層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する樹脂組成物からなり、前記合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である合わせガラス用中間膜。
【選択図】 図8

Description

本発明は、広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜に関する。また、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスとして、少なくとも一対のガラス間に、例えば、液状可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラス等が挙げられる。
近年、自動車用のフロントガラスについて、このフロントガラスと同じ視野内に自動車走行データである速度情報等の計器表示をヘッドアップディスプレイ(HUD)として表示させようとする要望が高まっている。
HUDの機構としては、これまでに数々の形態のものが開発されている。最も一般的なものにコントロールユニットから送信される速度情報等をインストゥルメンタル・パネルの表示ユニットからフロントガラスに反射させることにより、運転者にフロントガラスと同じ位置(すなわち、同一視野内)で視認させる形態のものがある。このような形態のものはフロントガラスを構成する合わせガラスが平行する2枚のガラスからなるために運転者の視野に映る計器表示が二重に見えると言う欠点があった。
このような問題に対し特許文献1では、所定の楔角を有する楔形合わせガラス用中間膜を用いることが開示されている。このような合わせガラスは、楔角を調整することにより一方のガラスで反射される計器表示と他方で反射される計器表示とを運転者の視点で1点に結ぶことが可能となり、計器表示が二重に見えると言う従来の問題を解決することができる。
しかしながら、楔形合わせガラス用中間膜では楔の端部に比較的薄い部分ができる。このような薄い合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、通常の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに比べて遮音性が劣ることがあるという問題があった。
また、近年、軽量化やコスト等の問題から、合わせガラス全体を薄くすることが試みられている。しかし、合わせガラス全体を薄くすると、遮熱性や遮音性が低下するという問題がある。とりわけ、このような合わせガラスを自動車等のフロントガラスとして用いた場合、風切り音やワイパーの駆動音等これまでは問題とならなかった2000〜5000Hz程度の音域の音についての遮音性が問題となってきている。
このような問題に対して、例えば、特許文献2には、図9に示すような、大量の可塑剤を含有する遮音層を、通常の量の可塑剤を含有する被覆層の間に挟持してなる遮音合わせガラス用中間膜が開示されている。このような構成にすることで、遮音層が高い遮音性能を発揮するとともに、遮音層中の大量の可塑剤がブリードアウトするのを被覆層が保護するため、遮音性とブリードアウトの防止とを兼ね備えた遮音合わせガラス用中間膜が得られる。
しかしながら、特許文献2に記載された遮音合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、常温領域における遮音性能こそ優れるものの、低温領域及び高温領域では特定の波長の音を充分には遮音できないという問題があった。例えば自動車の場合、その使用温度域は−30〜70℃と、非常に広範に渡る。広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜が求められていた。
特表平4−502525号公報 特開平5−310449号公報
本発明は、広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。また、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、樹脂組成物A又は樹脂Aからなる部位Aと、樹脂組成物B又は樹脂Bからなる部位Bとを水平方向に有する中間層が2枚の被覆層により挟持されている合わせガラス用中間膜であって、前記樹脂組成物A又は樹脂Aの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Taと、前記樹脂組成物B又は樹脂Bの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Tbとの差が10℃以上であり、前記被覆層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する樹脂組成物からなり、前記合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、特許文献2に記載された合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを作製し、その遮音性能について詳細に検討した。即ち、図9に示すような、大量の可塑剤を含有する遮音層を、通常の量の可塑剤を含有する被覆層で挟持してなる合わせガラス用中間膜を調製し、これを厚さ2mmのガラス板2枚で挟持して合わせガラスを作製し、得られた合わせガラスの遮音性能について調べた。すると、0℃においては、周波数3150Hz付近の音が透過しやすく、40℃においては周波数6300Hz付近の音が透過しやすいことが判った。一方、23℃においては、このような特定周波数の音の透過が認められなかった。これは、以下のような理由であると考えられた。
0℃においては、合わせガラス用中間膜を構成する被覆層/遮音層/被覆層の全てがガラス状態にある。このような合わせガラス用中間膜により結合された2枚のガラス板は、一体化して、あたかも厚さ4mmの1枚のガラス板であるかのような挙動を示す。従って、厚さ4mmのガラス板におけるコインシデンス効果によって、周波数3150Hz付近の音が透過しやすくなる。
40℃においては、合わせガラス用中間膜を構成する遮音層がゴム状態となる。このような合わせガラス用中間膜により結合された2枚のガラス板は、独立して、厚さ2mmのガラス板2枚としての挙動を示す。従って、厚さ2mmのガラス板におけるコインシデンス効果によって、周波数6300Hz付近の音が透過しやすくなる。
ところが、23℃においては、合わせガラス用中間膜を構成する遮音層がガラス状態とゴム状態との中間の状態となる。このような合わせガラス用中間膜により結合された2枚のガラス板は、4mmのガラス板1枚としてと、2mmのガラス板2枚としてとの中間的な挙動を示すようになり、周波数3150Hz付近の音も周波数6300Hz付近の音も透過しにくくなり、全体として高い遮音性能を発揮する。
この結果より、ある温度において高い遮音性能を発揮させるためには、該温度においてガラス状態とゴム状態との中間の状態となる樹脂層を有する合わせガラス用中間膜により2枚のガラス板を接合することが重要であることが判った。
また、特許文献2に記載された被覆層/遮音層/被覆層の構成を有する合わせガラス用中間膜では、温度上昇に伴い、まず遮音層がガラス状態とゴム状態の中間の状態となり、高い遮音性を発揮する。このとき、被覆層はガラス状態のままである。更に温度が上昇すると、被覆層がガラス状態とゴム状態の中間の状態になる温度に達する。しかしながら、この温度では、既に遮音層がゴム状態になっていることから、合わせガラスはガラス板2枚としての挙動を示す。被覆層がガラス状態とゴム状態の中間の状態であるにもかかわらず、合わせガラスの挙動はゴム状態にある遮音層によって決まる。即ち、複数の層を厚み方向に積層した場合、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの遮音性は、最も低温でガラス状態からゴム状態へ変化する層によって決まることになり、その他の層はほとんど遮音性に寄与しないと考えられる。
本発明者は、動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度が異なる樹脂組成物からなる複数の部位を水平方向に有する合わせガラス用中間膜は、極めて広い温度範囲において高い遮音性能を発揮できることを見出した。これは、各々の部位がガラス状態とゴム状態との中間の状態となる温度領域において高い遮音性能を発揮するためであると考えられる。各々の部位は、該部位がガラス状態とゴム状態との中間の状態となる温度領域以外においては、特定の周波数の音が透過しやすくなる。しかし、いずれかの部位がガラス状態とゴム状態との中間の状態となっている温度領域が広いため、合わせガラス用中間膜全体としては、広い温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。とりわけ、各々の部位間の動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度の差を充分に大きくすることにより、極めて広い温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、樹脂組成物A又は樹脂Aからなる部位Aと、樹脂組成物B又は樹脂Bからなる部位Bとを水平方向に有する中間層を有する。
上記部位Aと部位Bとを水平方向に有するとは、例えば、図1に示すように、上記部位Aと上記部位Bとが水平方向に配置されて存在していることを意味する。
上記樹脂組成物A又は樹脂Aの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(以下、「tanδ」ともいう。)が最大値を示す温度(以下、「tanδのピーク温度」ともいう。)Taと、上記樹脂組成物B又は樹脂Bのtanδのピーク温度Tbとの差は、10℃以上である。
上記tanδは、JIS K 7244に準拠し、以下の方法で測定することができる。樹脂組成物を用いて試験シート(直径8mm)を作製し、得られた試験シートの動的粘弾性を、せん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件下において、昇温速度3℃/分で動的粘弾性の温度分散測定をすることにより、tanδを測定できる。
上記tanδのピーク温度とは、上記方法にて得られたtanδが最大値を示す温度を意味する。上記tanδのピーク温度は、例えば、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製「ARES」)を用いて、測定することができる。
本発明者の検討によると、tanδのピーク温度は、温度と周波数により変化するものであり、測定周波数が高くなるとtanδのピーク温度は高温側にシフトしていく。一方、ガラスのコインシデンス周波数は、厚みにもよるが、約2000〜8000Hzである。厚さ4mmのガラスのコインシデンス周波数は、3150Hz付近であるため、1Hzの動的粘弾性測定におけるtanδのピーク温度に18℃をプラスすれば、3150Hz付近におけるtanδのピーク温度となる。このことから樹脂組成物がガラス状態とゴム状態との中間の状態となる温度領域は、tanδのピーク温度プラス18℃を中心として±10℃程度の領域であり、より確実にはtanδのピーク温度プラス18℃を中心として±10℃の領域である。
例えば、上記樹脂組成物Aのtanδのピーク温度が2℃である場合、20℃を中心に10〜30℃程度の領域で部位Aがガラス状態とゴム状態との中間の状態となり、この温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。
一方、例えば上記樹脂組成物Bのtanδのピーク温度が23℃である場合、41℃を中心に31〜51℃程度の領域で部位Aがガラス状態とゴム状態との中間の状態となり、この温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。
即ち、tanδのピーク温度が2℃である樹脂組成物Aからなる部位Aと、tanδのピーク温度が23℃である樹脂組成物Bからなる部位Bとを水平方向に有する本発明の合わせガラス用中間膜は、10〜51℃の温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。
上記樹脂組成物A又は樹脂Aのtanδのピーク温度Taと、上記樹脂組成物B又は樹脂Bのtanδのピーク温度Tbとの差が10℃未満であると、2つの部位がカバーできる温度領域が大きく重複してしまい、広い温度領域において高い遮音性能を発揮することができなくなる。上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差は、15℃以上であることが好ましい。上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差のより好ましい下限は20℃、更に好ましい下限は25℃である。上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差の好ましい上限は60℃、より好ましい上限は55℃である。
上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差が20℃を超えると、2つの部位でカバーできない温度領域が発生し、理論的にはこの温度領域においては高い遮音性能は発揮できなくなると考えられる。しかし、tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差が20℃以上であっても、実際にはこの温度領域においても高い遮音性能を発揮し得る。
即ち、Ta<Tbであって、TaとTbとの差が20℃以上である場合、Ta+28℃〜Tb+8℃の温度領域では、部位Aはゴム状態、部位Bはガラス状態である。そのため、例えば2mmと2mmのガラスからなる合わせガラスであれば、部位Bでは3150Hz付近の音が透過し、部位Aでは6300Hz付近の音が透過する。しかし、部位Aでは3150Hz付近の音は透過せず、部位Bでは6300Hz付近の音は透過しないことになる。従って、樹脂組成物A又は樹脂Aからなる単層中間膜や、樹脂組成物B又は樹脂Bからなる単層中間膜や、樹脂組成物A又は樹脂Aからなる層と樹脂組成物B又は樹脂Bからなる層とが積層された構成の中間膜と比較すれば、Ta+28℃〜Tb+8℃の温度領域であっても本発明の合わせガラス用中間膜は高い遮音性能を発揮できるといえる。
上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとは、得られる合わせガラスの用途及び使用環境に合わせて選択すればよい。例えば、合わせガラスを自動車用のフロントガラスに用いる場合、その使用温度域は−30〜70℃であるから、Ta、Tbは−38〜42℃の範囲から適当な組み合わせを選択することが好ましい。
例えば、寒冷地での使用を前提にすればTaを−38〜−8℃、Tbを−28〜2℃の範囲に設定することが考えられる。上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとをこの範囲に設定することにより、−30〜30℃の温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。寒冷地での使用を前提にした場合のTaの好ましい範囲は−38〜−18℃であり、Tbの好ましい範囲は−28〜−8℃である。
温暖地での使用を前提とすればTaを2〜32℃、Tbを12〜42℃に設定することが考えられる。上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとをこの範囲に設定することにより、10〜70℃の温度領域において高い遮音性能を発揮することができる。温暖地での使用を前提にした場合のTaの好ましい範囲は12〜32℃であり、Tbの好ましい範囲は22〜42℃である。
更に広い温度範囲において高い遮音性能を発揮すべき場合には、上記中間層は、上記部位A及びBに加えて、更に、tanδのピーク温度Tcが上記tanδのピーク温度Ta及びtanδのピーク温度Tbとの間となる樹脂組成物C又は樹脂Cからなる部位Cを水平方向に有してもよい。例えば、Taを−28〜2℃、Tcを−18〜12℃、Tbを−8〜22℃に設定した場合には、−20〜50℃の温度領域において高い遮音性能を発揮することができ、寒冷地から温暖地までの広い地域において高い遮音性能を発揮し得る。
上記中間層は、更に広い温度範囲において高い遮音性能を発揮すべき場合には、異なるtanδのピーク温度を有する樹脂組成物からなる部位を4以上、水平方向に有してもかまわない。
上記中間層において、上記部位Aと部位Bとの配置については特に限定されない。例えば、図1に示すように、上記部位Aと上記部位Bとが水平方向に1/2ずつ配置されている態様や、図2、図3に示すように、上記部位Aと上記部位Bとが水平方向に複数配置されている態様が挙げられる。また、図4、図5に示すように部位Aと部位Bとの界面が斜面を形成していてもよい。
図6、7に、上記中間層が、更に部位Cを有する態様の一例を示した。
上記中間層は、製造が容易であることから、上記部位A、部位B(及び部位C)を帯状に有することが好ましい。例えば、自動車用フロントガラス等に用いられる場合、助手席側に対して部位Aのみが、運転席側に対して部位Bのみが対向するような形態であると、右耳からは音が聞こえ、左耳からは音が聞こえないような状況が発生してしまうことがある。人間の頭の大きさ(左右の耳の距離)を考慮すると、各々の帯の幅は300mm以下であることが好ましく、より好ましくは200mm以下である。
上記中間層における上記部位Aと上記部位Bとの面積比率は特に限定されない。
合わせガラス用中間膜がゴム状態となったときに透過する音は、ガラス状態となったときに透過する音より周波数が高い。例えば、3150Hz付近の音はガラス状態になっている部位を透過し、6300Hz付近の音はゴム状態になっている部位を透過する。一般に、遮音性能は、周波数が高いほど性能が高くなる性質を有している。従って、6300Hz付近の音の透過が大きく、3150Hz付近の音の透過が少なくなるように、部位Aと部位Bとの面積比率のバランスを取ることにより、より高い遮音性能を広い温度範囲で実現することができる。例えばTa<Tbである場合、上記部位Aと上記部位Bとの面積比率が9:1〜4:6であることが好ましい。好ましい範囲を逸脱すると、高い遮音性能を広い温度範囲において実現できなくなることがある。また、部位Bの比率が10%未満となると、高温下での制振性が得られなくなることもある。上記部位Aと上記部位Bとの面積比率は8:2〜6:4であることがより好ましい。
なお、上記部位Aと上記部位Bとが厚さ方向に重複している場合には、該重複している部分をtanδのピーク温度が低い樹脂組成物からなる部位とみなす。
上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bに含有される樹脂、樹脂A、樹脂Bは特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、上記熱可塑性樹脂は、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂であることがより好ましい。上記樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドと反応させることにより製造することができる。
上記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.8モル%であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。上記重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記重合度が3000を超えると、合わせガラス用中間膜の成形が困難となることがある。上記重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bは、可塑剤を含有することが好ましい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、なかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、上記可塑剤は加水分解しにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)が好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましい。
上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bは、分散助剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、接着力調整剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、蛍光増白剤、青色顔料等の添加剤を含有してもよい。
上記tanδのピーク温度Taとtanδのピーク温度Tbとの差を10℃以上とする方法は特に限定されないが、(1)上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bに含まれる主たる樹脂、樹脂A、樹脂Bとして、tanδのピーク温度が10℃以上の異なる樹脂を選択する方法、(2)上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bに含まれる可塑剤の含有量を調整する方法等が挙げられる。
(1)上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bに含まれる樹脂、樹脂A、樹脂Bとして、tanδのピーク温度が10℃以上の異なる樹脂を選択する方法について詳しく説明する。
上記方法(1)にてtanδのピーク温度を調整する場合、上記樹脂としてポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体等を用いることが好ましい。なかでも、上記スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体は、モノマー成分の選定や、各モノマー成分の共重合比の設計等によって、tanδのピーク温度を容易に調整できる。tanδのピーク温度が異なる2種以上のスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体の混合樹脂を用いれば、配合比率を変更させることにより、tanδのピーク温度を容易に調整できる。また、ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量やアセタール化度を制御することによりtanδのピーク温度を調整することができる。
(2)上記樹脂組成物A及び上記樹脂組成物Bに含まれる可塑剤の含有量を調整する方法について詳しく説明する。
一般的に、樹脂組成物に含有する可塑剤量が多いほどtanδのピーク温度は低くなり、可塑剤量が少ないほどtanδのピーク温度は高くなる。従って、例えば、tanδのピーク温度Ta<tanδのピーク温度Tbとする場合、樹脂組成物Aの可塑剤配合量を多く、樹脂組成物Bの可塑剤配合量を少なくする方法がある。
上記方法(2)にてtanδのピーク温度を調整する場合、上記樹脂としてポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂は、添加する可塑剤量によってtanδのピーク温度を容易に調整することができる。
tanδのピーク温度Ta<tanδのピーク温度Tbとする場合、上記樹脂組成物Aに含まれるポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、ポリビニルアルコールを炭素数3〜4のアルデヒドでアセタール化して得られ、かつ、アセチル化度が4モル%以下であるポリビニルアセタール樹脂が好適である。上記樹脂組成物Bを構成するポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、ポリビニルアルコールを炭素数3〜6のアルデヒドでアセタール化して得られ、かつ、アセチル化度が30モル%以下であるポリビニルアセタール樹脂が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、上記中間層を挟持する2枚の被覆層を有する。
被覆層に挟持されることにより、ガラス板との接着性をより向上させたり、耐貫通性をより向上させたりすることができる。また、特に可塑剤を大量に含有する部位を被覆層の間に挟持することにより、該部位からの可塑剤のブリードアウトを防ぐことができる。
上記被覆層を構成する樹脂組成物D又は樹脂Dは、上記樹脂組成物A、樹脂組成物B、樹脂組成物Cのうち最も高いtanδのピーク温度以上のtanδのピーク温度を有することが好ましい。また、上記被覆層を構成する樹脂組成物D又は樹脂Dは、上記樹脂組成物A又は樹脂A、樹脂組成物B又は樹脂B、樹脂組成物C又は樹脂Cのうち最も高いtanδのピーク温度を有する樹脂組成物又は樹脂と同一であってもよい。
上記被覆層を構成する樹脂組成物D又は樹脂Dは、例えば、アセタール基の炭素数が3又は4、アセタール化度が60〜75mol%、アセチル基量が10mol%以下のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜50重量部含有する樹脂組成物が好適である。上記樹脂組成物Dの可塑剤の含有量のより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は45重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、断面形状が楔形である。断面形状を楔形とすることにより、本発明の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスをHUDとしてフロントガラスに用いたときに、運転者の視野に映る計器表示が二重に見えると言う欠点を解決することができる。
上記楔形の断面の楔角θは0.1〜0.7mradであることが好ましい。楔角θがこの範囲内にあるときに、一方のガラスで反射される計器表示と他方で反射される計器表示とを運転者の視点で1点に結ぶことが可能となり、計器表示が二重に見えるのを防止することができる。
なお、上記楔角θとは、図8の波線で示すように、断面図のうち2辺を延長して交差することにより形成される鋭角を意味する。
図8に、本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状の好ましい一態様を模式的に表した図を示した。
図8に示した合わせガラス用中間膜は、部位A、部位B及び部位Cが種々の態様に水平方向に配置された中間層が、片面がフラットでもう一方の面が傾斜を有する楔形の断面形状を有する被覆層Dで挟持されることにより、全体として楔角θの楔形となっている。
図8に示した合わせガラス用中間膜では、被覆層Dが片面楔形であるが、中間層が楔形であって全体として楔形の合わせガラス用中間膜となっていてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、最も薄い部分の厚さの好ましい下限は300μm、最も厚い部分の厚さの好ましい上限は2000μmである。本発明の合わせガラス用中間膜の最も薄い部分の厚さが300μm未満であると、充分な耐貫通性が得られないことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の最も厚い部分の厚さが2000μmを超えると、合わせガラス用中間膜として用いられる厚さを超えてしまうことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の最も薄い部分の厚さのより好ましい下限は400μm、最も厚い部分の厚さのより好ましい上限は1000μmである。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法は特に限定されず、例えば、上記樹脂組成物A又は樹脂Aと樹脂組成物B又は樹脂Bとを、押出機を用いた共押出法により作製する方法や、上記樹脂組成物A又は樹脂Aからなるシートと樹脂組成物B又は樹脂Bからなるシートとを各々作製し、該シートを水平方向に配置する方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜が、2枚の透明板の間に挟み込まれている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスに用いられる透明板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができ、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記板ガラスとして、2種類以上の板ガラスを用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色された板ガラスとの間に、本発明の合わせガラス用中間膜を挟み込ませることにより得られた合わせガラスが挙げられる。また、上記無機ガラスと、上記有機プラスチックス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を挟み込ませることにより得られた合わせガラスが挙げられる。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス、パノラマガラスとして用いることができる。なかでも、ヘッドアップディスプレイとしてフロントガラスに用いたときに、計器表示が二重に見えるのを防止することができる。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明によれば、広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜を提供することができる。また、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
中間層の一態様を模式的に表した(a)断面図(b)正面図である。 中間層の一態様を模式的に表した(a)断面図(b)正面図である。 中間層の一態様を模式的に表した(a)断面図(b)正面図である。 中間層の一態様を模式的に表した断面図である。 中間層の一態様を模式的に表した断面図である。 中間層の一態様を模式的に表した(a)断面図(b)正面図である。 中間層の一態様を模式的に表した(a)断面図(b)正面図である。 本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状の好ましい一態様を模式的に表した図である。 従来の遮音合わせガラス用中間膜を模式的に表した断面図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)部位Aを構成する樹脂組成物Aの調製
アセチル化度が13モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が65モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Aを調製した。
(2)部位Bを構成する樹脂組成物Bの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Bを調製した。
(3)被覆層を構成する樹脂組成物Dの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Dを調製した。
(4)合わせガラス用中間膜の作製
樹脂組成物Aを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Aを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横250mm、厚さ0.8mmのシートAを得た。
樹脂組成物Bを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Bを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横125mm、厚さ0.8mmのシートBを得た。
樹脂組成物Dを中心部のクリアランスが0.2mm、且つ、一方向に0.4mradの傾斜のついたクリアランス板が配置された2枚の離型シートの間に配置し、樹脂組成物Dを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横500mm、厚さが中心部で0.2mmのシートDを得た。得られたシートDは、片面がフラットで、もう一方の面が0.4mradの傾斜を有する。
得られたシートAとシートBとをB/A/B(面積比1:2:1)となるように水平配置し、その両面に被覆するようにシートDを傾斜面が外側になるように配置し、合わせガラス用中間膜(縦500mm×横500mm、平均厚さ1.2mm、楔角θ0.4mrad)を作製した。
(実施例2)
樹脂組成物Aの可塑剤配合量を30重量部とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例3)
樹脂組成物Aの代わりにスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#7311)を樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例4)
樹脂組成物Aの代わりにアクリル樹脂(日本ゼオン社製、Nipol AR31)を樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例5)
樹脂組成物Aの代わりにウレタン樹脂(BASF社製、エラストランC60D)を樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例6)
樹脂組成物Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、EV170)を樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例7)
樹脂組成物Aをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との1:1混合物(重量比)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例8)
樹脂組成物Aをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との3:1混合物(重量比)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例9)
(1)部位Aを構成する樹脂組成物Aの調製
樹脂Aとして、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#7311)を用いた。
(2)部位Bを構成する樹脂組成物Bの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Bを調製した。
(3)部位Cを構成する樹脂組成物Cの調製
アセチル化度が13モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が65モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Cを調製した。
(4)被覆層を構成する樹脂組成物Dの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Dを調製した。
(5)合わせガラス用中間膜の作製
樹脂Aを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Aを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横250mm、厚さ0.8mmのシートAを得た。
樹脂組成物Bを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Bを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横125mm、厚さ0.8mmのシートBを得た。
樹脂組成物Cを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Cを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横125mm、厚さ0.8mmのシートCを得た。
樹脂組成物Dを中心部のクリアランスが0.2mm、且つ、一方向に0.4mradの傾斜のついたクリアランス板が配置された2枚の離型シートの間に配置し、樹脂組成物Dを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横500mm、厚さが中心部で0.2mmのシートDを得た。得られたシートDは、片面がフラットで、もう一方の面が0.4mradの傾斜を有する。
得られたシートA、シートB及びシートCをB/A/C(面積比1:2:1)となるように配置し、その両面に被覆するようにシートDを傾斜面が外側になるように配置し、合わせガラス用中間膜(縦500mm×横500mm、平均厚さ1.2mm、楔角θ0.4mrad)を作製した。
(実施例10)
(1)部位Aを構成する樹脂組成物Aの調製
アセチル化度が13モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が65モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Aを調製した。
(2)部位Bを構成する樹脂組成物Bの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Bを調製した。
(3)被覆層を構成する樹脂組成物Dの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Dを調製した。
(4)合わせガラス用中間膜の作製
樹脂組成物Aを、0.1mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Aを150℃にてプレス成形し、厚さ0.1mmのシートAを得た。
樹脂組成物Bは同様の条件で、0.35mmのクリアランス板を用い、厚さ0.35mmのシートBを得た。
樹脂組成物Dを中心部のクリアランスが0.2mm、且つ、一方向に0.4mradの傾斜のついたクリアランス板が配置された2枚の離型シートの間に配置し、樹脂組成物Dを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横500mm、厚さが中心部で0.2mmのシートDを得た。得られたシートDは、片面がフラットで、もう一方の面が0.4mradの傾斜を有する。
得られたシートA、シートBをB/A/Bの順に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、150℃にてプレス成形し、厚さ0.8mmのシートXを得た。
次に樹脂組成物Bを、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、150℃にてプレス成形し、厚さ0.8mmのシートYを得た。
得られたシートX(縦500mm、横250mm、厚さ0.8mm)、シートY(縦500mm、横125mm、厚さ0.8mm)を水平方向に帯状にY/X/Yとなるように配置し、その両面に被覆するようにシートDを傾斜面が外側になるように配置し、合わせガラス用中間膜(縦500mm×横500mm、平均厚さ1.2mm、楔角θ0.4mrad)を作製した。
(実施例11)
樹脂組成物Aの代わりにスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#7311)を樹脂Aとして用いた以外は、実施例10と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例12)
シートAとシートBとをB/A/B(面積比1:6:1)となるように水平配置したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例13)
シートAの合計面積とシートBの合計面積とが1:1となるようにするが、各々のシートの幅を50mmとし、互い違いに水平方向に繰り返し配置し、B/A/B/A…/Aと配置したこと以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例14)
樹脂組成物Aの可塑剤配合量を70重量部とし、樹脂組成物Bの可塑剤配合量を20重量部としたこと以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例15)
シートAをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との3:7混合物(重量比)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例16)
シートAとシートBとをB/A/B(面積比1:18:1)となるように水平配置したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例17)
シートAとシートBとをB/A/B(面積比3:4:3)となるように水平配置したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(実施例18)
実施例9で作製したB/A/C(面積比1:2:1)となるように配置された合わせガラス用中間膜の代わりに、実施例16で作製したB/A/B(面積比1:18:1)となるように配置された合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例9と同様として合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例1)
(1)A層を構成する樹脂組成物Aの調製
アセチル化度が13モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が65モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Aを調製した。
(2)B層を構成する樹脂組成物Bの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Bを調製した。
(3)被覆層を構成する樹脂組成物Dの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Dを調製した。
(4)合わせガラス用中間膜の作製
樹脂組成物Aを、0.4mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂組成物Aを150℃にてプレス成形し、厚さ0.4mmのシートAを得た。
樹脂組成物Bは同様の条件で、0.2mmのクリアランス板を用い、厚さ0.2mmのシートBを得た。
樹脂組成物Dを中心部のクリアランスが0.2mm、且つ、一方向に0.4mradの傾斜のついたクリアランス板が配置された2枚の離型シートの間に配置し、樹脂組成物Dを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横500mm、厚さが中心部で0.2mmのシートDを得た。得られたシートDは、片面がフラットで、もう一方の面が0.4mradの傾斜を有する。
得られたシートA、シートBをB/A/Bの順に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、150℃にてプレス成形し、その両面に被覆するようにシートDを傾斜面が外側になるように配置し、合わせガラス用中間膜(平均厚さ1.2mm、楔角θ0.4mrad)を作製した。
(比較例2)
樹脂組成物Aの可塑剤配合量を30重量部とした以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例3)
樹脂組成物Aの代わりにスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#7311)を樹脂Aとして用いた以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例4)
樹脂組成物Aの代わりにアクリル樹脂(日本ゼオン社製、Nipol AR31)を樹脂Aとして用いた以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例5)
樹脂組成物Aの代わりにウレタン樹脂(BASF社製、エラストランC60D)を樹脂Aとして用いた以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例6)
樹脂組成物Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、EV170)を樹脂Aとして用いた以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例7)
樹脂組成物Aをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との1:1混合物(重量比)とした以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例8)
樹脂組成物Aをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との3:1混合物(重量比)とした以外は、比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例9)
(1)A層を構成する樹脂Aの調製
樹脂Aとして、スチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#7311)を用いた。
(2)B層を構成する樹脂組成物Bの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Bを調製した。
(3)C層を構成する樹脂組成物Cの調製
アセチル化度が13モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が65モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB1)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Cを調製した。
(4)被覆層を構成する樹脂組成物Dの調製
アセチル化度が1モル%、アセタール基の炭素数が3、ブチラール化度が68モル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB2)100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物Dを調製した。
(5)合わせガラス用中間膜の作製
樹脂Aを、0.4mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、樹脂Aを150℃にてプレス成形し、厚さ0.4mmのシートAを得た。
樹脂組成物Bは同様の条件で、0.2mmのクリアランス板を用い、厚さ0.2mmのシートBを得た。
樹脂組成物Cは同様の条件で、0.2mmのクリアランス板を用い、厚さ0.2mmのシートCを得た。
樹脂組成物Dを中心部のクリアランスが0.2mm、且つ、一方向に0.4mradの傾斜のついたクリアランス板が配置された2枚の離型シートの間に配置し、樹脂組成物Dを150℃にてプレス成形し、縦500mm、横500mm、厚さが中心部で0.2mmのシートDを得た。得られたシートDは、片面がフラットで、もう一方の面が0.4mradの傾斜を有する。
得られたシートA、シートB及びシートCをB/A/Cの順に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚の離型シート間に配置し、150℃にてプレス成形し、その両面に被覆するようにシートDを傾斜面が外側になるように配置し、合わせガラス用中間膜(平均厚さ1.2mm、楔角θ0.4mrad)を作製した。
(比較例10)
シートAの厚みを50μm、シートBの厚みを375μmとしたこと以外は比較例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例11)
シートAの厚みを50μm、シートBの厚みを375μmとしたこと以外は比較例3と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例12)
樹脂組成物Bをスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5125)とスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製、ハイブラー#5127)との3:1混合物(重量比)にしたこと以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜について以下の評価を行った。結果を表1〜7に示した。
(1)樹脂組成物及び樹脂のtanδのピーク温度の測定
各々の樹脂組成物又は樹脂を用いて、直径8mm、厚み100μmの試験シートを作製した。得られた試験シートの動的粘弾性を、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製「ARES」)を用いて、JIS K 7244に準拠したせん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件下において、昇温速度3℃/分で動的粘弾性の温度分散測定し、tanδのピーク温度を得た。
(2)遮音性能の評価
得られた合わせガラス用中間膜(遮音測定用)を2枚の透明なフロートガラス(500mm×500mm×2.0mm)で挟み込み、真空ラミネーターにて120℃下、30分保持しつつ、真空プレスを行い、合わせガラスを作製した。
得られた合わせガラスについて、JIS A 1416に準拠して空気音遮断性能(音響透過損失)の測定を行った。得られた測定結果をもとに、JIS A 4706で示される遮音等級のT−3レベルを基準として、各測定温度での合否を判定した。
0〜50℃までの10℃毎の6水準の測定条件で行い、合格判定が3水準以上だった場合に総合評価を合格とし、合格判定が2水準以下だった場合に総合評価を不合格として評価した。
(3)HUDにおける視認性の評価
得られた合わせガラスをフロントガラスの位置に設置し、下部に設置した表示ユニットから表示情報を合わせガラスに反射させ、所定の位置で二重像の有無を目視で確認した。二重写しにならずにクリアに視認できた場合を「○」、計器表示が二重に見えた場合を「×」と評価した。
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本発明によれば、広い温度範囲においても遮音性に優れ、かつ、ヘッドアップディスプレイに用いたときに計器表示が二重に見えるのを防止することができる合わせガラス用中間膜を提供することができる。また、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
1 合わせガラス用中間膜
2 部位A
3 部位B
4 部位C
5 被覆層D
6 遮音層

Claims (8)

  1. 樹脂組成物A又は樹脂Aからなる部位Aと、樹脂組成物B又は樹脂Bからなる部位Bとを水平方向に有する中間層が2枚の被覆層により挟持されている合わせガラス用中間膜であって、
    前記樹脂組成物A又は樹脂Aの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Taと、前記樹脂組成物B又は樹脂Bの周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度Tbとの差が10℃以上であり、
    前記被覆層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する樹脂組成物からなり、
    前記合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 被覆層は、アセタール基の炭素数が3又は4、アセタール化度が60〜75mol%、アセチル基量が30mol%以下のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜50重量部含有する樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. Ta及びTbは、−38〜42℃であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 部位Aの面積と部位Bの面積との比が9:1〜4:6であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 部位Aと部位Bとが水平方向に帯状に配置しており、各々の帯の幅が300mm以下であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 更に、周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接が最大値を示す温度TcがTaとTbとの間である樹脂組成物C又は樹脂Cからなる部位Cを水平方向に有することを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 合わせガラス用中間膜の断面の楔角θが0.1〜0.7mradであることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 請求項1記載の合わせガラス用中間膜が、2枚の透明板の間に挟み込まれていることを特徴とする合わせガラス。
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