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JP2011073299A - ポリエステル化粧板の製造方法及びポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。 - Google Patents

ポリエステル化粧板の製造方法及びポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。 Download PDF

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JP2011073299A JP2009227494A JP2009227494A JP2011073299A JP 2011073299 A JP2011073299 A JP 2011073299A JP 2009227494 A JP2009227494 A JP 2009227494A JP 2009227494 A JP2009227494 A JP 2009227494A JP 2011073299 A JP2011073299 A JP 2011073299A
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Abstract

【課題】短時間で、高硬度のポリエステル化粧板を得るためのポリエステル化粧板の製造方法及びポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルムを提供する。
【解決手段】化粧板用基材2の上面に、接着剤層3、化粧シート層4を順に積層し、前記化粧シート層4上に未硬化の不飽和ポリエステル樹脂5を塗布し、前記不飽和ポリエステル樹脂5上に酸素遮断フィルムを当接し硬化させた後、前記酸素遮断フィルムを剥離するポリエステル化粧板の製造方法において、前記酸素遮断フィルムが、少なくとも合成樹脂製基材層6と蒸着層7とを有することを特徴とするポリエステル化粧板の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種家具類、キッチン、あるいは、建築内装材等に使用されるポリエステル化粧板に関し、特に、環境を汚染する虞がなく、表面平滑性に優れると共に耐擦傷性に優れたポリエステル化粧板の製造方法及びにポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルムに関するものである。
従来、この種のポリエステル化粧板は、化粧板用基材上に、たとえば、木目等の印刷模様が形成された化粧紙を接着剤を介してロールプレス法にて貼着し、その上から不飽和ポリエステル樹脂を塗布して後に、この面を空気(酸素)遮断用フィルムで被覆し、不飽和ポリエステル樹脂が硬化後に前記空気(酸素)遮断用フィルムを剥離することにより製造される。
一般に、不飽和ポリエステル樹脂は不飽和酸と飽和多塩基酸を併用して多価アルコールと反応して得られる分子内に不飽和基を有するポリエステルと架橋剤として働くビニルモノマーとの混合物であり、架橋性(重合性)に優れると共に入手し易く安価であるなどの理由から架橋剤としてスチレン単量体が一般的に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の発明は、不飽和ポリエステル樹脂中から出てくるスチレンモノマーの影響を受けることなくシリコン樹脂賦形型の耐用回数を向上させることを目的としているが、反応後に未反応物やダイマー、あるいは、トリマーとして残る虞があり、これが各種家具類、キッチン、あるいは、建築内装材等に使用されたポリエステル化粧板から経時的に空気中に放出されて、環境を汚染する可能性があり、このような虞のない不飽和ポリエステル樹脂からなるポリエステル化粧板が要望されるようになってきた。
一方、不飽和ポリエステル樹脂の硬化については、表面を被覆する空気(酸素)遮断用フィルムの性能に影響される。生産性の観点から、より短時間で、高硬度のポリエステル化粧板が得られるために、空気(酸素)遮断性の高いフィルムが求められている。
特開平6−99560号公報
そこで本発明は、より短時間で、高硬度のポリエステル化粧板を得るためのポリエステル化粧板の製造方法及びポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、化粧板用基材の上面に、接着剤層、化粧シート層を順に積層し、前記化粧シート層上に未硬化の不飽和ポリエステル樹脂を塗布し、前記不飽和ポリエステル樹脂上に酸素遮断フィルムを当接し硬化させた後、前記酸素遮断フィルムを剥離するポリエステル化粧板の製造方法において、前記酸素遮断フィルムが、少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有することを特徴とするポリエステル化粧板の製造方法である。
また、請求項4に記載の本発明は、少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有することを特徴とするポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルムである。
本発明のポリエステル化粧板は、酸素遮断性の優れたフィルムを使用することで、酸素によるポリエステル樹脂層の硬化阻害が抑えられ、短時間で高硬度のポリエステル化粧板が得られる。
ポリエステル化粧板の層構成図である。 ポリエステル化粧板に酸素遮断フィルムを積層した層構成図である。 ポリエステル化粧板から本願発明の酸素遮断フィルムを除去する構成図 である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるポリエステル化粧板の一実施例を図解的に示す層構成図であって、ポリエステル化粧板1は化粧板用基材2上に接着剤層3を介して化粧シート層4を積層し、該化粧シート層4上に不飽和ポリエステル樹脂を塗布し、次いで平均表面粗さが0.001〜0.03μmの酸素遮断フィルムを前記不飽和ポリエステル樹脂に当接して硬化させた後に、前記酸素遮断フィルムを剥離してポリエステル樹脂層5を形成したものである。
前記化粧板用基材2としては、合板、MDF(中密度繊維板)、パーティクルボード等の木質系基材、珪酸カルシウム板、石綿スレート板、セメントスレート板等の無機系基材を適宜選択して用いることができる。
また、前記化粧シート層4を構成する素材としては、坪量が30〜100g/m2の建材用プリント用紙、純白紙、あるいは、合成樹脂を混抄させて層間強度を強化した薄葉紙、酸化チタン等の不透明顔料を混抄したチタン紙等の紙質系素材、不織布等を用いることができ、上記材料の中でも、不飽和ポリエステル樹脂の含浸適性や化粧板用基材2の隠蔽の点からチタン紙が最も適当である。また、前記化粧シート層4は、たとえば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄等の印刷絵柄層(図示せず)が前記素材上に設けられた層であって、この印刷絵柄層(図示せず)はグラビア印刷法等の印刷手段により印刷インキにより形成される。前記印刷インキは、ビヒクルとしてニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、アルキッド系樹脂等の単独、あるいは、混合した樹脂が用いられ、この樹脂に有機または無機系顔料、染料、光輝性顔料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑剤、溶剤等を適宜混合したものである。
前記化粧板用基材2と前記化粧シート層4とは、前記接着剤層3によりロールプレスにより積層され、前記接着剤層3としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル−尿素系樹脂等の通常のエマルジョン型のものが適当であり、塗布量としては、前記化粧板用基材2の材質により適宜決めればよいものである。
前記ポリエステル樹脂層5としては、分子内に不飽和基を有するポリエステルと単官能および/ないし多官能アクリレート単量体および重合開始剤、また、必要に応じて重合促進剤等を添加した不飽和ポリエステル樹脂で形成される。分子内に不飽和基を有するポリエステルは不飽和多塩基酸と多価アルコール、あるいは、不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸を併用して多価アルコールと反応して得られるものである。
前記不飽和多塩基酸の好ましいものを例示するならば、たとえば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸を挙げることができる。これらの化合物は一種ないし二種以上用いることができる。
また、前記飽和多塩基酸の好ましいものを例示するならば、たとえば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、または、これらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
これらの化合物は一種ないし二種以上用いることができる。
また、多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイドないしプロピレンオキサイドないしブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加物等を挙げることができる。これらは一種ないし二種以上用いることができる。
本発明で使用される分子内に不飽和基を有するポリエステルは、上記した酸成分と上記した多価アルコール成分とを周知の方法で縮合反応させて得られるものであり、酸成分と多価アルコール成分とのモル比は、酸成分/多価アルコール成分=0.9〜1.3が好ましい。また、前記ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、1200〜5000の範囲にあるものが好ましい。数平均分子量(Mn)が1200未満の場合は、樹脂硬化塗膜の機械的強度が低く、5000超の場合は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなるために好ましくない。
次に、本発明で使用される架橋剤について説明する。前記架橋剤としては、アクリレート単量体が好適であり、これを例示するならば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能単量体、あるいは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能単量体を挙げることができる。これらの単量体は、一種ないし二種以上用いることができる。また、ポリエステル樹脂層5の表面平滑性を得ることと優れた耐擦傷性を得ることから、本発明に用いるアクリレート単量体の配合量は不飽和ポリエステル樹脂の樹脂分に対して60質量%以下であり、アクリレート単量体としては多官能アクリレートを50質量%以上含有し、かつ、二重結合当量、すなわち、重合性の二重結合1個当たりの分子量が50〜180の範囲、好ましくは80〜150の範囲の短鎖単量体が適当である。多官能アクリレートの含有量が50質量%未満では耐擦傷性に劣り、また、二重結合当量が50未満では表面平滑性や耐擦傷性に劣り、180超では重合体としたときの密度が粗になるために耐熱性に劣る。また、塗布適性や硬化速度等を考慮して単官能アクリレートを適宜用いてもよいものである。
また、不飽和ポリエステル樹脂には、硬化速度を調整するために重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤等を使用することができる。
また、不飽和ポリエステル樹脂に添加される重合開始剤としては、たとえば、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、ベンゾイルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル開始剤等の周知のものから適宜選択して用いられる。また、重合促進剤としては、たとえば、ナフテン酸コバルト等のコバルト化合物、バナジウム化合物、マンガン化合物等の金属化合物、ジメチルニトリル等のアミン系化合物などを用いることができる。また、重合禁止剤としては、たとえば、ハイドロキノン、トリハイドロキノン、ベンゾキノン、トリハイドロベンゼン等を用いることができる。なお、上記したそれぞれの硬化速度調整剤は、併用してもよいものである。
次に、酸素遮断フィルムについて説明する。酸素遮断フィルムは、不飽和ポリエステル樹脂を確実に硬化させると共に、硬化したポリエステル樹脂層5の表面を平滑にして光沢をもたせるために用いられるものである。これに用いるフィルムとしては、酸素遮断性に優れ、硬化したポリエステル樹脂層5と離型可能な材質である必要がある。
本発明の酸素遮断フィルムとしては、少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有することを特徴とする。
不飽和堀エステル樹脂と当接する側は、合成樹脂製基材層であっても、蒸着層側であってもよいが、合成樹脂製基材層を当接ほうが、後述する不飽和ポエステル樹脂組成物の材料や硬化時に発生する副生成などで、蒸着層及び表面コート層に影響を及ぼさず、繰り返し使用する場合の耐用回数が多く出来る点で好ましい。
合成樹脂製基材層としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂;ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂;ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。
合成樹脂製基材層は、一軸又は二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層が形成される基材であるため、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。合成樹脂製基材層の厚さは、概ね1〜100μm、好ましくは5〜50μmが適当である。
蒸着層としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物薄膜からなる無機酸化物蒸着層が挙げられる。蒸着層は、真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、合成樹脂製基材層に形成される。より好ましくは、蒸着層が透明である無機酸化物蒸着層である。
蒸着層の酸素バリア性の一層の向上や、酸素遮断フィルムを繰り返し使用した場合に発生する蒸着層などのクラックや剥がれ落ちなどを抑制する目的で、蒸着層上に表面コート層を設けてもよい。表面コート層は蒸着層の保護層としても機能し、その厚さは概ね0.1〜10μmが適当である。
表面コート層としては、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA)、ウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜2のアルキル置換基を有するフェニル基又はハロゲン置換基を有するフェニル基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更にゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下でゾルゲル法によって重縮合して調製される組成物が挙げられる。また、ポリビニルアルコール及びエチレン・ビニルアルコール共重合体を組み合わせることによって、ガスバリア性、耐水性、耐候性などが著しく向上する。上記組成物にはシランカップリング剤等を添加してもよい。また、ウレタン系樹脂は二液硬化型樹脂が好ましい。
本発明では、合成樹脂製基材層と蒸着層との間にプライマー層を設けても良い。例えば、「表面コート層/蒸着層/プライマー層/合成樹脂製基材層」とすると合成樹脂製基材層と蒸着層との密着性が向上し、酸素遮断フィルムを繰り返し使用した場合においても、蒸着層などのクラックや剥がれ落ちなどが抑制できる。
このようなプライマー層に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独又は混合して使用できる。プライマー層の形成は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて行える。
この中でも、プライマー層は、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と(ii)イソシアネートとから形成するのが好ましい。即ち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーに更にジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させて形成する。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させるのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成する。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族又はスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物又はその誘導体、又はエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、及び、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール;1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオール及び1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオール及び1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族又は脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性及びコストの点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基及び水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、例えば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成すればよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、これらの2量体、3量体などの多量体、或いは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
なお、前記プライマー層の乾燥後の塗布量としては、0.1〜20μm、好ましくは0.1〜10μmである。また、前記プライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
またポリエステル樹脂層5の表面平滑性を得るために、酸素遮断フィルムの平均表面粗さ(Ra)として0.001〜0.03μmが適当であり、これを考慮すると平均表面粗さ(Ra)が概ね0.02μm程度であることが好ましい。なお、平均表面粗さ(Ra)は、JIS−B−0601に準じて測定した値であり、平均表面粗さ(Ra)の下限値は0が好ましい値であるが、0に限りなく近いという意味で0.001μmと規定したものであり、本発明に用いる酸素遮断フィルムはその平均表面粗さ(Ra)が0.03μm以下のものであれば、表面光沢に優れたポリエステル樹脂層5を得ることができる。
また前記酸素遮断フィルムは、必要に応じて一方の面ないし両面に離型層を設けてもよい。この理由としては、架橋剤としてアクリレート単量体を使用した場合に、前記酸素遮断フィルムと前記ポリエステル樹脂層5との濡れがよくなり、剥離し難くなる虞があるからである。前記離型層としては、たとえば、アクリルメラミン樹脂を塗布して乾燥・焼付けしたものでも、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させたものでもよく、繰り返し使用する場合の耐用回数の点からは電離放射線硬化性樹脂層を形成するほうが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物としては、重合性オリゴマーやプレポリマーを主な樹脂としたものであり、さらに離型性を付与する目的で、反応性シリコーンを含有させたものであることが好ましい。また耐熱性、架橋密度を上げるため、多官能の重合性モノマーを含有させたものであることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂をいう。具体的には、従来電離放射線硬化性の樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体を50質量%以上含有するものである。
(メタ)アクリレート単量体としては、多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
耐熱性および架橋密度を向上させる目的で電離放射線硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂としては、多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂として電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
電離放射線硬化性樹脂組成物としては、さらに反応性シリコーンが含有されることが好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物に反応性シリコーンが含有されることで、離型性が向上し、反復継続的使用に対する耐性が向上するからである。
ここで反応性シリコーンとは、側鎖、末端に有機基を導入した変性シリコーンオイルのうち、導入する有機基の性質によって反応性を有するものをいう。反応性シリコーンは、具体的には、変性シリコーンオイル側鎖型、変性シリコーンオイル両末端型、変性シリコーンオイル片末端型、変性シリコーンオイル側鎖両末端型等において、導入する有機基がアミノ変性、エポキシ変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、フェノール変性、メタクリル変性、異種官能基変性等であるものが挙げられる。
上記反応性シリコーンは、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化時に硬化性樹脂と反応し結合して一体化する。したがって、不飽和ポリエステル樹脂の硬化する際に、化粧板の表面にブリードアウトしない(滲み出ない)点で好ましい。
上記反応性シリコーンの使用量は、硬化性樹脂100質量部あたり約0.1〜50質量部の範囲、好ましくは約0.5〜10質量部の範囲である。反応性シリコーンの使用量が0.1質量部以上の場合、ポリエステル樹脂化粧板と酸素遮断フィルムとの剥離が十分となり、より長期間の使用に耐えうる。一方、反応性シリコーンの使用量が50質量部以下であれば、酸素遮断フィルムと未硬化の不飽和ポリエステル樹脂層とを当接するときに不飽和堀エステル樹脂のはじきが発生しないので塗膜面の面が荒れず、鏡面性を有するポリエステル化粧板が得られる。
電離放射性硬化性樹脂組成物に、必要に応じて添加される成分、及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合して、電離放射性硬化性樹脂組成物を調製する。この電離放射性硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
このようにして調製された電離放射性硬化性樹脂組成物を、合成樹脂性基材層及び/または蒸着層の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、電離放射線を照射することにより離型層が得られる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能が得られ、好ましくは2〜20μm程度である。
電離放射線としては、熱、電子線、紫外線等であり、特に電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと未硬化樹脂層の厚みとが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
照射線量は、離型層における硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
酸素遮断フィルムの作製は次の通りとした。即ち、12μm厚さの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、片面に2液硬化型ウレタン系樹脂からなるプライマー層1を設けた。更にプライマー層1の上にアルミニウム蒸着層を設けた。[平均表面粗さ(Ra):0.02μm]
これにより得られるフィルムを「蒸着PETフィルム」と呼称する。
前記蒸着PETフィルム上にPVA/シリケート系からなる表面コート層(厚さ0.2μm(乾燥状態))を形成し、積層体(合成樹脂製基材層(PET)/蒸着層/表面コート層)を作製した。前記積層体の合成樹脂製基材層側を、アクリルメラミン樹脂を塗布して乾燥・焼付けする離型層を設けた。
次に6mm厚さのダイライト〔大建工業(株)製:商品名〕の一方の面全面にウレタン系2液硬化型接着剤〔中央理化工業(株)製:リカボンドBA−11L/BA−11B=100/2.5〕をロールコート法にてウエット状態で10g/尺2塗布し、予め一方の面にアクリル系インキで木目柄をグラビア印刷した80g/m2のチタン紙を木目柄が表出するようにラミネートロールにてウエットラミネートし、その後にホットプレス機(プレス温度100℃、プレス圧100Kg/cm2、プレス時間40秒)にてプレスすると共に冷却して後に、前記チタン紙上に表1の配合の不飽和ポリエステル樹脂組成物を200μm厚さに塗布し、この上に前記で作成した酸素遮断フィルムを被覆し、ゴムロールで圧延、脱泡し、40℃で2時間加熱して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させた後に前記酸素遮断フィルムを剥離して本発明のポリエステル化粧板を得た。
酸素遮断フィルムを実施例1のものから、離型層に変えて反応性シリコーンアクリレートを含有する多官能アクリレート樹脂を塗布し、電子線照射により硬化させた離型層(乾燥厚み10μm)を設けた以外は、実施例1と同様にポリエステル化粧板を得た。
[比較例1]
酸素遮断フィルムを実施例1のものから、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(二軸延伸PET)[20μm、平均表面粗さ(Ra)0.02μm]に変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル化粧板を得た。
[比較例2]
酸素遮断フィルムを実施例1のものから、ビニロン[総厚み40μm、平均表面粗さ(Ra)0.02μm]に変更した以外は、実施例1と同様にポリエステル化粧板を得た。
Figure 2011073299
上記で作製した実施例1、および、比較例1の酸素遮断フィルムの酸素透過度の測定、及びポリエステル化粧板について鉛筆硬度を評価し、また10、30回使用後の酸素遮断フィルムの状態を確認し、その結果を表2に纏めて示した。
Figure 2011073299
表2からも明らかなように、実施例1のポリエステル化粧板は比較例1に比べて、鉛筆硬度に優れるポリエステル化粧板が得られた。
また実施例2は、上記に加えて耐用回数に優れた酸素遮断フィルムであった。
1:ポリエステル化粧板
2:化粧板用基材
3:接着剤層
4:化粧シート層
5:ポリエステル樹脂層
6:合成樹脂製基材層
7:蒸着層
8:酸素遮断フィルム

Claims (8)

  1. 化粧板用基材の上面に、接着剤層、化粧シート層を順に積層し、前記化粧シート層上に未硬化の不飽和ポリエステル樹脂を塗布し、前記不飽和ポリエステル樹脂上に酸素遮断フィルムを当接し硬化させた後、前記酸素遮断フィルムを剥離するポリエステル化粧板の製造方法において、
    前記酸素遮断フィルムが、少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有することを特徴とするポリエステル化粧板の製造方法。
  2. 前記酸素遮断フィルムが、前記合成樹脂製基材層と前記蒸着層との間にプライマー層を有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル化粧板の製造方法。
  3. 前記酸素遮断フィルムが、前記蒸着層上にさらに表面コート層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステル化粧板の製造方法。
  4. 前記酸素遮断フィルムが、一方の面または両面に電離放射線硬化性樹脂からなる離型層を有することを特徴とする請求項1〜3に記載のポリエステル化粧板の製造方法。
  5. 少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有することを特徴とするポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。
  6. 前記酸素遮断フィルムが、前記合成樹脂製基材層と前記蒸着層との間にプライマー層を有することを特徴とする請求項5に記載のポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。
  7. 前記酸素遮断フィルムが、前記蒸着層上にさらに表面コート層を有することを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載のポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。
  8. 前記酸素遮断フィルムが、一方の面または両面に電離放射線硬化性樹脂からなる離型層を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のポリエステル化粧板製造用酸素遮断フィルム。
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