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JP2011072215A - 卵加工食品 - Google Patents

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JP2011072215A JP2009224957A JP2009224957A JP2011072215A JP 2011072215 A JP2011072215 A JP 2011072215A JP 2009224957 A JP2009224957 A JP 2009224957A JP 2009224957 A JP2009224957 A JP 2009224957A JP 2011072215 A JP2011072215 A JP 2011072215A
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ice crystallization
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Yoshiro Tategaki
愛郎 立垣
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Abstract

【課題】液卵を凝固することや、卵、油、食酢を水中油型に乳化することで得られる卵加工食品を冷凍保存しても、風味や食感を損ねることなく冷凍耐性を向上させる手段を提供することを課題とする。
【解決手段】氷結晶化阻害活性を有する物質を含有することを特徴とする卵加工食品を提供する。さらには、氷結晶化阻害活性を有する物質の氷結晶化阻害活性値が0.9以下であることを特徴とする卵加工食品を提供する。また、氷結晶化阻害活性を有する物質を含有することを特徴とする卵加工食品の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、卵加工食品に関する。
卵焼き、出汁巻き卵、炒り卵、オムレツ、茶碗蒸し、プリンなどに代表される加熱凝固卵加工食品や、マヨネーズ等の卵、油、食酢を主原料とする水中油型乳化油脂組成物といった卵加工品は冷凍保存すると、凍結過程で氷結晶が成長し、解凍の際、離水や組織の軟化・多孔質化によりスポンジ化すると言ったいわゆる冷凍障害が発生し、食感、風味、外観が損なわれると言う問題があった。
この様な問題を解決する方法として、加熱凝固卵加工食品分野では、原料である液卵に増粘多糖類と糖アルコールなどを配合する方法(特許文献1)、ショ糖脂肪酸エステルを配合する方法(特許文献2)、豆由来のヘミセルロースを配合する方法(特許文献3)などが挙げられる。また、卵、油、食酢を主原料とする水中油型乳化油脂組成物(半固体状ドレッシングを含む)分野では、トランス酸を含む油脂を使用する方法(特許文献4)、不飽和脂肪酸及び中鎖飽和脂肪酸残基のみからなる混酸基トリグリセリドを添加する方法(特許文献5)、ゼラチンとデンプン分解物を使用する方法(特許文献6)、タンパク質の部分加水分解物を配合する方法(特許文献7)などが挙げられる。しかしながら、これらの方法では、離水やスポンジ化の問題はある程度解決されるものの、卵本来の風味や食感が損なわれると言う問題があり十分に満足されるものではないのが現状である。
特許第3060705号 特開昭58−175434号公報 特開平9−295893号公報 特公昭62−25340号公報 特公平6−014710号公報 特開昭49−26439号公報 特公昭60−973号公報
本発明は、液卵を凝固することや、卵、油、食酢を水中油型に乳化することで得られる卵加工食品を冷凍保存しても、風味や食感を損ねることなく冷凍耐性を向上させる手段を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、氷結晶化阻害活性を有する物質に風味や食感を損ねることなく卵加工食品の冷凍耐性を向上させる作用があることを新規に見出した。
すなわち、本発明の第一は、氷結晶化阻害活性を有する物質を含有することを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第二は、前記氷結晶化阻害活性を有する物質の氷結晶化阻害活性値が0.9以下であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第三は、前記氷結晶化阻害活性を有する物質が、植物の抽出物であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第四は、前記植物が、アブラナ科、セリ科、ユリ科及びキク科に属する植物からなる群から選ばれる1以上の植物、および、これらの類縁品種または改良品種の抽出物であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第五は、前記アブラナ科、セリ科、ユリ科及びキク科に属する植物が、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、チンゲンサイ、コマツナ、カブ、シロナ、野沢菜、広島菜、ミズナ、マスタード、ニンジン、ネギ、及び、春菊からなる群から選ばれる一種以上の植物であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第六は、前記植物抽出液が、植物の全体または一部の粉砕物を3〜100℃の温度で水または有機溶媒により抽出した物質であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第七は、前記氷結晶化阻害活性を有する物質を、原料に対して、前記抽出物のタンパク質換算として0.0001ppm〜1000ppm添加することを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第八は、前記卵加工食品が、にわとり、うずら、あひる、うこっけい、ダチョウ、ホロホロ鳥、及び、くじゃくからなる群から選ばれる一種以上の鳥類に由来する卵を加工して得られることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第九は、前記卵加工食品が、凝固卵加工食品又は水中油型乳化油脂組成物であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第十は、前記卵加工食品が、卵焼き、出汁巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵(オムライスシート、錦糸卵)、炒り卵、オムレツ、スクランブルエッグ、かに玉、茶碗蒸し、プリン、明石焼き(玉子焼き)、ゆで卵、温泉卵、煮卵、目玉焼き、伊達巻、卵豆腐、卵そぼろ、カステラ、親子丼やかつ丼などの具、卵を使用した惣菜、マヨネーズ、及び、半固体状ドレッシングからなる群から選ばれる1以上の食品であることを特徴とする卵加工食品に関する。
本発明の第十一は、氷結晶化阻害活性を有する物質を原料に混合して製造することを特徴とする卵加工食品の製造方法に関する。
液卵を凝固することにより製造される凝固卵加工食品や、卵、油、食酢を主原料とする水中油型乳化油脂組成物等の卵加工食品において、氷結晶化阻害活性を有する物質を添加することで、風味や食感を損ねることなく冷凍耐性が付与された卵加工食品ならびにその製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
はじめに、本発明に係る氷結晶化阻害活性を有する物質について以下に説明する。
氷結晶化阻害活性を有する物質とは、氷結晶の表面に吸着してその成長を妨げる物質であり、氷結晶化阻害活性の測定法により定義される物質である。この様な氷結晶化阻害活性を有する物質は、魚類、植物、菌類、微生物、昆虫などから見出されている。
氷結晶化阻害活性の測定は、以下の方法で行うことができる。
冷却調節機能が付いたステージを有する顕微鏡下で、測定試料の30%(w/v)ショ糖溶液を−40℃に冷却した後に−6℃まで温度を上げて氷結晶を溶かし、そのままの状態で30分後に認められる氷結晶の面積を測定することにより行うことができる。氷結晶化阻害活性が強いほどこの氷結晶の平均面積は小さくなることから、この数値を指標として氷結晶化阻害活性を定量的に評価することができる。サンプルを添加していない30%(w/v)ショ糖溶液の平均面積を1としたときの相対値(氷結晶化阻害活性値)が1未満であれば氷結晶化阻害活性を有し、本願発明においては、このような物質を氷結晶化阻害活性を有する物質と呼ぶ。氷結晶化阻害活性を有する物質の氷結晶化阻害活性値は、好ましくは0.9以下であり、さらに好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.7以下であり、最も好ましくは0.65以下である。
本発明に係る氷結晶化阻害活性を有する物質は、特に限定されるものでなく、魚類、植物、菌類、微生物、昆虫およびその抽出物であればよい。氷結晶化阻害活性を有する限りはこれに含まれる。また、氷結晶化阻害活性を有する物質は、天然起源のものであってもよいし、人工的に飼育、栽培、培養されたものであってもよい。さらに、氷結晶化阻害活性を有するものであれば、遺伝子組換えされたものであってもよい。
本発明に係る氷結晶化阻害活性を有する物質は、特に限定されるものではないが、植物より抽出される氷結晶化阻害活性を有する物質が好ましい。より好ましくは、アブラナ科、セリ科、ユリ科またはキク科に属する植物より得られる抽出物が挙げられる。アブラナ科に属する植物は、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、チンゲンサイ、コマツナ、カブ、シロナ、野沢菜、広島菜、ミズナ、マスタード等が挙げられる。セリ科に属する植物はニンジン等が、ユリ科に属する植物はネギ等が、キク科に属する植物は春菊等が挙げられる。これらの植物の類縁品種および改良品種も適宜使用することができる。
さらに好ましくは、Raphanus sativus L.種の植物が挙げられる。上記Raphanus sativus L.種の植物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ダイコン、ハマダイコン、ノダイコンが例示できる。例示した上記Raphanus sativus L.種の植物の中でも、Raphanus sativus L. var. longipinnatus L.H.Baileyが容易に入手できる点で好ましい。
本発明に係る植物由来の氷結晶化阻害活性を有する物質は、前記植物の全体または一部(例えば、葉、葉柄、花、果実、枝根、種子等)から公知の手段によって抽出される。抽出方法は、特に限定するものではないが、植物の全体または一部の粉砕物を通常3〜100℃で水または有機溶媒により抽出する方法が挙げられる。抽出物は濃縮、ろ過などの処理を行ってもよく、凍結乾燥粉末として製剤化することもできる。
次に本製品に係る飲食物について以下に説明する。
本発明の氷結晶化阻害活性を有する物質を含有する卵加工食品とは、液卵に必要に応じて調味料、添加材および水等を加えて混合した混合液卵を凝固させた食品や、液卵、食酢、水に必要に応じてデンプンなどの増粘剤、食塩などの呈味剤を含有させた水相と、食用油脂に必要に応じて、乳化剤、着色料などを含有させた油相からなる水中油型乳化油脂組成物等の食品を指す。凝固方法は、熱を用いる方法であっても良いし、圧力、酸、アルカリ、金属、酵素を用いる方法であっても良い。このような卵加工食品としては、具体的には、例えば、卵焼き、出汁巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵(オムライスシート、錦糸卵)、炒り卵、オムレツ、スクランブルエッグ、かに玉、茶碗蒸し、プリン、明石焼き(玉子焼き)、ゆで卵、温泉卵、煮卵、目玉焼き、伊達巻、卵豆腐、卵そぼろ、カステラ、親子丼やかつ丼などの具、卵を使用した惣菜、マヨネーズや半固体状ドレッシング等が挙げられる。また、本発明で用いる前記液卵とは、全卵、卵白、卵黄のほか、卵黄と卵白を混合したもの、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白を水戻しした液卵等が挙げられる。更に、本発明の液卵としては、アルコール抽出法や超臨界二酸化炭素抽出法等により脂質やコレステロールを低減処理された液卵、バッチ式殺菌タンクやプレート式熱交換機やジュール加熱装置等で殺菌処理された液卵、脱塩された液卵であってもよい。原料とする液卵は、食用に供されるものであれば特に限定するものではなく、由来する生物種としては、例えば、にわとり、うずら、あひる、うこっけい、ダチョウ、ホロホロ鳥、くじゃく等が挙げられる。
本発明に係る氷結晶化阻害活性を有する物質の添加量は、特に限定されないが、原料に対して、抽出物のタンパク質換算として、0.0001ppmから1000ppm添加することで冷凍保存耐性を発揮する。下限値について好ましくは、0.001ppm以上であり、上限値について好ましくは、100ppm以下である。0.0001ppm未満だと、効果を発揮せず、1000ppmを超過すると、経済的に好ましいとはいえない。
なお、本発明の氷結晶化阻害活性を有する物質は、本発明の効果に悪影響を与えない限り、他の冷凍耐性付与剤を使用することができる。この様な冷凍耐性付与剤として、増粘多糖類(ネイティブジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム等)、糖アルコール(トレハロース、ラクチトール、ソルビトール等)やショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等)等が挙げられる。
更に、本発明は前述の氷結晶化阻害活性を有する物質を含むことを特徴とする卵加工食品に関するものであり、前述の氷結晶化阻害活性を有する物質を含む以外は、特に使用原料、製法等に限定はない。前記液卵に加え、砂糖、食塩、グルタミン酸ナトリウムや各種調味料およびエキス類、牛肉、豚肉、鶏肉などの蓄肉類、魚介類、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの野菜類、バター、生クリーム等の乳脂肪分やラード、豚脂、牛脂等の動物油脂、植物油脂などの油脂、牛乳、ヨーグルト、脱脂粉乳、全脂粉乳などの乳原料など、公知の原料を使用することができる。
本発明の卵加工食品の製造方法は、液卵に氷結晶化阻害活性を有する物質を含有させるように製造すればよく、特に限定されない。凝固卵加工食品では、例えば、氷結晶化阻害活性を有する物質を、使用する水や出し汁に混合する方法、液卵に直接混合する方法、使用する油に予め分散しておく方法等を適宜選択することができる。
また、凝固卵加工食品を製造する上で液卵を凝固させる方法としては、通常行なわれる過熱方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、湯せん、スチーム、熱風、赤外線、電子レンジ、焼成、油ちょう等により加熱する方法が挙げられる。また、加熱する際には、適宜減圧や加圧を行っても良い。
卵、油、食酢を主原料とする水中油型乳化油脂組成物では、例えば、氷結晶化阻害活性を有する物質を原料の水相に混合する方法、原料の液卵に混合する方法、使用する油に予め分散しておく方法、得られた水中油型乳化油脂組成物に混合する方法等を適宜選択することができる。水相に液卵を添加し、更に油脂を添加しながらホモミキサーで乳化し、更に必要に応じて呈味成分を添加して、ホモミキサーやコロイドミル等の乳化機で再均質化し調製することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
(実験例1)<氷結晶化阻害活性測定>
氷結晶化阻害活性の測定は以下の方法に従った。
冷却調節機能が付いたステージを有する顕微鏡下で、測定資料の30%(w/v)ショ糖溶液を−40℃に冷却した後に−6℃まで温度を上げて氷結晶を溶かし、−6℃を保った状態で30分後に認められる氷結晶の面積を測定することにより行った。氷結晶化阻害活性は、サンプルを添加していない30%(w/v)ショ糖溶液の平均面積を1としたときの相対値(氷結晶化阻害活性値)で求めた。数値が低いほど活性が強いことを示す。
(実験例2)<食感・スポンジ化・離水評価方法>
食感・スポンジ化・離水の評価は官能試験により行なった。官能試験は、5人のパネラーが「食感」、「スポンジ化」、「離水」の3項目もしくは2項目において評価することにより行った。
「食感」は、「食感が滑らかである」を「2点」、「ややざらつきがある」を「1点」、「ざらつきがある」を「0点」の評価基準で評価し、その平均点を評価点とした。
「スポンジ化」は、「目視にてスポンジ化が認められない」を「2点」、「ややスポンジ化が認められる」を「1点」、「完全にスポンジ化している」を「0点」の評価基準で評価し、その平均点を評価点とした。
「離水」は、「目視にて離水が認められない」を「2点」、「やや離水が認められる」を「1点」、「離水が認められる」を「0点」の評価基準で評価し、その平均点を評価点とした。
(製造例1)<カイワレ抽出物の調製方法>
2.5Lの蒸留水に市販のカイワレ大根(村上農園製)770gを入れて、100℃で1時間熱水処理した。濾紙(アドバンテック社製)を用いて、濾別した後、回収した濾液を限外濾過濃縮装置(アドバンテック社製、品番:UHP‐150)で減圧濃縮して、濃縮液を約200mL得た。これを10,000×g、10分間遠心分離してタンパク濃度5mg/mlの上清(氷結晶化阻害活性値0.6)を回収した。この上清をカイワレ抽出物として用いた。
(製造例2)<マスタード芽抽出物の調製方法>
カイワレ大根の代わりにマスタード芽(中野農園製)を用いた以外は、製造例1と同じ操作を行い、タンパク濃度5mg/mlの上清(氷結晶化阻害活性値0.64)を回収し、マスタード芽抽出物として用いた。
(実施例1、2、及び比較例1)
表1に示した配合に従い全量をボールに投入し、ホイッパーで原料が均一になるように混合した。フライパンにて焼成し卵焼きを調製した。荒熱を取った後、−20℃で3日間冷凍保管し、自然解凍後得られた卵焼きについて食感、スポンジ化、離水を評価した。このとき、氷結晶化阻害活性を有する物質としてカイワレ抽出物を0.2重量部添加したものを実施例1とし、マスタード芽抽出物を0.2重量部添加したものを実施例2とし、氷結晶化阻害活性を有する物質の代わりに水を0.2重量部添加したものを比較例1とした。結果を表2に示した。
Figure 2011072215
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表2に示した結果より、製造例1のカイワレ抽出物には、卵焼きなどの加熱凝固卵加工食品に対する冷凍耐性を向上させる作用があることがわかった。また、製造例2のマスタード芽抽出物にも同様の作用があることがわかった。すなわち、本実験結果は、氷結晶化阻害活性を有する物質を卵焼きなどの原料に加え製造することで、冷凍解凍後も食感を保持し、スポンジ化や離水を抑える作用があることがわかった。
(実施例3、4、及び比較例2)
表3に示した配合に従い全量をボールに投入し、ホイッパーで原料が均一になるように混合した。フライパンにて焼成し出汁巻き卵を調製した。荒熱を取った後、−20℃で3日間冷凍保管し、自然解凍後得られた出汁巻き卵について食感、スポンジ化、離水を評価した。このとき、氷結晶化阻害活性を有する物質としてカイワレ抽出物を0.2重量部添加したものを実施例3とし、マスタード芽抽出物を0.2重量部添加したものを実施例4とし、氷結晶化阻害活性を有する物質の代わりに水を0.2重量部添加したものを比較例2とした。結果を表4に示した。
Figure 2011072215
Figure 2011072215
表4に示した結果より、製造例1のカイワレ抽出物には、出汁巻き卵などの加熱凝固卵加工食品に対する冷凍耐性を向上させる作用があることがわかった。また、製造例2のマスタード芽抽出物にも同様の作用があることがわかった。すなわち、本実験結果は、氷結晶化阻害活性を有する物質を出汁巻き卵などの原料に加え製造することで、冷凍解凍後も食感を保持し、スポンジ化や離水を抑える作用があることがわかった。
(実施例5、6、及び比較例3)
表5に示した配合に従い全量をボールに投入し、ホイッパーで原料が均一になるように混合した。このスラリーを脱気ミキサーで脱気後、ポリカップに充填し、シール後スチーマーで90℃、30分蒸気加熱を行い、茶碗蒸しを調製した。荒熱を取った後、−20℃で3日間冷凍保管し、自然解凍後得られた茶碗蒸しについて食感、スポンジ化、離水を評価した。このとき、氷結晶化阻害活性を有する物質としてカイワレ抽出物を0.2重量部添加したものを実施例5とし、マスタード芽抽出物を0.2重量部添加したものを実施例6とし、氷結晶化阻害活性を有する物質の代わりに水を0.2重量部添加したものを比較例3とした。結果を表6に示した。
Figure 2011072215
Figure 2011072215
表6に示した結果より、製造例1のカイワレ抽出物には、茶碗蒸しなどの加熱凝固卵加工食品に対する冷凍耐性を向上させる作用があることがわかった。また、製造例2のマスタード芽抽出物にも同様の作用があることがわかった。すなわち、本実験結果は、氷結晶化阻害活性を有する物質を茶碗蒸しなどの原料に加え製造することで、冷凍解凍後も食感を保持し、スポンジ化や離水を抑える作用があることがわかった。
(実施例7、8、及び比較例4)
表7に示した配合のうち、グルタミン酸ナトリウム0.3重量部、食塩2重量部、上白糖0.5重量部、蒸留酢(酸度15%)3.5重量部と水8.5重量部を混和して水相を調製後、卵黄10重量部を水相に添加し、さらに大豆油75重量部を添加しながらホモミキサーで予備乳化後、高圧ホモミキサーを用いて、35MPaの圧力で乳化し、マヨネーズを得た。得られたマヨネーズは、−20℃で3日間冷凍保管し、自然解凍後得られたマヨネーズについて食感、離水を評価した。水相調製時に、さらに、氷結晶化阻害活性を有する物質としてカイワレ抽出物を0.2重量部添加したものを実施例7とし、マスタード芽抽出物を0.2重量部添加したものを実施例8とし、氷結晶化阻害活性を有する物質の代わりに水を0.2重量部添加したものを比較例4とした。結果を表8に示した。
Figure 2011072215
Figure 2011072215
表8に示した結果より、製造例1のカイワレ抽出物には、マヨネーズ等の水中油型乳化油脂組成物に対する冷凍耐性を向上させる作用があることがわかった。また、製造例2のマスタード芽抽出物にも同様の作用があることがわかった。すなわち、本実験結果は、氷結晶化阻害活性を有する物質をマヨネーズなどの原料に加え製造することで、冷凍解凍後も食感を保持し、離水を抑える作用があることがわかった。

Claims (11)

  1. 氷結晶化阻害活性を有する物質を含有することを特徴とする卵加工食品。
  2. 氷結晶化阻害活性を有する物質の氷結晶化阻害活性値が0.9以下であることを特徴とする請求項1記載の卵加工食品。
  3. 氷結晶化阻害活性を有する物質が、植物の抽出物であることを特徴とする請求項1又は2記載の卵加工食品。
  4. 植物の抽出物が、アブラナ科、セリ科、ユリ科及びキク科に属する植物からなる群から選ばれる1以上の植物、および、これらの類縁品種または改良品種の抽出物であることを特徴とする請求項3記載の卵加工食品。
  5. アブラナ科、セリ科、ユリ科及びキク科に属する植物が、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、チンゲンサイ、コマツナ、カブ、シロナ、野沢菜、広島菜、ミズナ、マスタード、ニンジン、ネギ、及び、春菊からなる群から選ばれる一種以上の植物であることを特徴とする請求項4記載の卵加工食品。
  6. 植物の抽出物が、植物の全体または一部の粉砕物を3〜100℃の温度で水または有機溶媒により抽出した物質であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の卵加工食品。
  7. 氷結晶化阻害活性を有する物質を、原料に対して、抽出物のタンパク質換算として0.0001ppm〜1000ppm添加することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか一項に記載の卵加工食品。
  8. 卵加工食品が、にわとり、うずら、あひる、うこっけい、ダチョウ、ホロホロ鳥、及び、くじゃくからなる群から選ばれる一種以上の鳥類に由来する卵を加工して得られることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の卵加工食品。
  9. 卵加工食品が、凝固卵加工食品又は水中油型乳化油脂組成物であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の卵加工食品。
  10. 卵加工食品が、卵焼き、出汁巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵(オムライスシート、錦糸卵)、炒り卵、オムレツ、スクランブルエッグ、かに玉、茶碗蒸し、プリン、明石焼き(玉子焼き)、ゆで卵、温泉卵、煮卵、目玉焼き、伊達巻、卵豆腐、卵そぼろ、カステラ、親子丼やかつ丼などの具、卵を使用した惣菜、マヨネーズ、及び、半固体状ドレッシングからなる群から選ばれる1以上の食品であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の卵加工食品。
  11. 氷結晶化阻害活性を有する物質を原料に混合して製造することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の卵加工食品の製造方法。
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