JP2011067491A - 流体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脈動流により血栓等を効率的に貫通可能としながらも、流体を広範囲に噴射して
血栓等の全体を除去可能とする。
【解決手段】脈動流を噴射する噴射口とは異なる向きに開口した補助噴射口を設け、噴射
口に接続された接続流路とは異なる補助流路に接続する。そして、補助流路に流体を連続
して送り出すことにより、補助噴射口から流体を連続噴射する。こうすれば、脈動流の圧
力が補助噴射口の為に低下することがないので、脈動流の切除能力を保ちながらも脈動流
を噴射できない範囲に補助噴射口から流体を噴射可能となる。そして、補助噴射口では、
流体を広範囲に噴射することで流体の圧力が分散して低下しても、流体を連続して噴射す
ることで切除能力を保つことが可能である。これにより、脈動流によって血栓等を効率的
に貫通可能としながらも、広範囲に流体を噴射して血栓等の全体を除去することが可能と
なる。
【選択図】図4
血栓等の全体を除去可能とする。
【解決手段】脈動流を噴射する噴射口とは異なる向きに開口した補助噴射口を設け、噴射
口に接続された接続流路とは異なる補助流路に接続する。そして、補助流路に流体を連続
して送り出すことにより、補助噴射口から流体を連続噴射する。こうすれば、脈動流の圧
力が補助噴射口の為に低下することがないので、脈動流の切除能力を保ちながらも脈動流
を噴射できない範囲に補助噴射口から流体を噴射可能となる。そして、補助噴射口では、
流体を広範囲に噴射することで流体の圧力が分散して低下しても、流体を連続して噴射す
ることで切除能力を保つことが可能である。これにより、脈動流によって血栓等を効率的
に貫通可能としながらも、広範囲に流体を噴射して血栓等の全体を除去することが可能と
なる。
【選択図】図4
Description
本発明は、噴射口から流体を噴射する技術に関する。
近年では、手術の際に水や生理食塩水などの流体を加圧して術部に噴きつけることによ
り、流体の圧力によって術部を切開したり、血栓や腫瘍などの異物を除去する手術手法が
開発されている。こうした手術に用いる流体噴射装置では、噴射ノズルから流体が連続し
て噴射されるようになっており、手術の際には、執刀医は噴射ノズルを手に取って術部に
向けるとともに、噴射ノズルから流体を噴射させることで、術部を切開したり腫瘍などを
切除することが可能である。
り、流体の圧力によって術部を切開したり、血栓や腫瘍などの異物を除去する手術手法が
開発されている。こうした手術に用いる流体噴射装置では、噴射ノズルから流体が連続し
て噴射されるようになっており、手術の際には、執刀医は噴射ノズルを手に取って術部に
向けるとともに、噴射ノズルから流体を噴射させることで、術部を切開したり腫瘍などを
切除することが可能である。
また、噴射ノズルを手に持って手術を行うタイプの流体噴射装置だけでなく、血管など
の管状の器官の中に噴射ノズルを挿入した状態で流体を噴射することにより、管状の器官
を閉塞する血栓等の閉塞物を破壊して除去するいわゆるカテーテルタイプの流体噴射装置
も開発されている。このような器官内に挿入して用いるタイプの流体噴射装置では、器官
内に不要な流体が混入するのを防ぐために、できるだけ少ない量の流体で血栓等を破壊す
るのが望ましい。そこで、瞬間的に加圧した流体の塊を断続的に噴射することにより、流
体の破壊能力を高めて少ない量の流体でも血栓等を除去可能とする技術が提案されている
(特許文献1)。
の管状の器官の中に噴射ノズルを挿入した状態で流体を噴射することにより、管状の器官
を閉塞する血栓等の閉塞物を破壊して除去するいわゆるカテーテルタイプの流体噴射装置
も開発されている。このような器官内に挿入して用いるタイプの流体噴射装置では、器官
内に不要な流体が混入するのを防ぐために、できるだけ少ない量の流体で血栓等を破壊す
るのが望ましい。そこで、瞬間的に加圧した流体の塊を断続的に噴射することにより、流
体の破壊能力を高めて少ない量の流体でも血栓等を除去可能とする技術が提案されている
(特許文献1)。
しかし、提案されている技術では、流体を広い範囲に噴射することが困難であるため、
血栓等の閉塞物を完全に除去することが難しいという問題があった。すなわち、瞬間的に
流体を加圧して圧力を高めた状態で噴射する都合上、噴射口の口径を大きくしたり複数の
噴射口を設けると流体の圧力が極端に低下してしまう。従って、噴射口の口径を大きくし
たり複数の噴射口を設けることは困難であり、流体を噴射可能な範囲がどうしても限られ
る。このため、血栓等の一部分を少ない流量で効率よく破壊して貫通することはできても
、血栓等の全体を完全に除去することは困難である。
血栓等の閉塞物を完全に除去することが難しいという問題があった。すなわち、瞬間的に
流体を加圧して圧力を高めた状態で噴射する都合上、噴射口の口径を大きくしたり複数の
噴射口を設けると流体の圧力が極端に低下してしまう。従って、噴射口の口径を大きくし
たり複数の噴射口を設けることは困難であり、流体を噴射可能な範囲がどうしても限られ
る。このため、血栓等の一部分を少ない流量で効率よく破壊して貫通することはできても
、血栓等の全体を完全に除去することは困難である。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
瞬間的に加圧した流体を噴射することで血栓等を効率的に貫通可能としながらも、流体を
広範囲に噴射して血栓等の全体を除去可能とする技術の提供を目的とする。
瞬間的に加圧した流体を噴射することで血栓等を効率的に貫通可能としながらも、流体を
広範囲に噴射して血栓等の全体を除去可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の流体噴射装置は次の構成を
採用した。すなわち、
生体の器官内に挿入したノズルの噴射口から、該器官の術部に流体を噴射する流体噴射
装置であって、
前記流体が供給されるとともに、接続流路を介して前記噴射口に接続された流体室と、
前記流体室の容積を変更することにより、前記噴射口から該流体室内の流体を脈動状に
噴射する脈動流噴射手段と、
前記接続流路とは異なる補助流路に接続され、前記噴射口とは異なる向きに開口して設
けられた補助噴射口と、
前記補助流路に前記流体を連続して送り出す流体連続送出手段と
を備えることを要旨とする。
採用した。すなわち、
生体の器官内に挿入したノズルの噴射口から、該器官の術部に流体を噴射する流体噴射
装置であって、
前記流体が供給されるとともに、接続流路を介して前記噴射口に接続された流体室と、
前記流体室の容積を変更することにより、前記噴射口から該流体室内の流体を脈動状に
噴射する脈動流噴射手段と、
前記接続流路とは異なる補助流路に接続され、前記噴射口とは異なる向きに開口して設
けられた補助噴射口と、
前記補助流路に前記流体を連続して送り出す流体連続送出手段と
を備えることを要旨とする。
かかる本発明の流体噴射装置では、ノズルの噴射口から脈動流を噴射する。また、噴射
口とは異なる向きに開口した補助噴射口が設けられており、この補助噴射口は噴射口に接
続された接続流路とは異なる補助流路に接続されている。そして、補助流路に流体を連続
して送り出すことにより、補助噴射口から流体を連続噴射する。
口とは異なる向きに開口した補助噴射口が設けられており、この補助噴射口は噴射口に接
続された接続流路とは異なる補助流路に接続されている。そして、補助流路に流体を連続
して送り出すことにより、補助噴射口から流体を連続噴射する。
補助噴射口を噴射口とは異なる流路に接続しておけば、噴射口から噴射される脈動流の
圧力が補助噴射口のために低下してしまうことがない。このため、脈動流の切除能力を維
持しながらも、補助噴射口から脈動流とは異なる方向に流体を噴射して脈動流を噴射でき
ない範囲を補うことが可能となる。そして、補助噴射口に流体を連続して送り出せば、流
体を広範囲に噴射することで流体の圧力が分散して低下したとしても、流体を連続して噴
射することにより切除能力を保つことが可能である。これにより、脈動流によって血栓等
を効率的に貫通可能としながらも、広範囲に流体を噴射して血栓等の全体を除去すること
が可能となる。
圧力が補助噴射口のために低下してしまうことがない。このため、脈動流の切除能力を維
持しながらも、補助噴射口から脈動流とは異なる方向に流体を噴射して脈動流を噴射でき
ない範囲を補うことが可能となる。そして、補助噴射口に流体を連続して送り出せば、流
体を広範囲に噴射することで流体の圧力が分散して低下したとしても、流体を連続して噴
射することにより切除能力を保つことが可能である。これにより、脈動流によって血栓等
を効率的に貫通可能としながらも、広範囲に流体を噴射して血栓等の全体を除去すること
が可能となる。
尚、補助噴射口と噴射口とでは、互いに異なる種類の流体を噴射することとしてもよい
。例えば、噴射口からは生理食塩水を噴射して血栓等を取り除き、補助噴射口からは薬液
を噴射することで、血栓等を取り除いた跡に薬を塗布することとしてもよい。このように
噴射口と補助噴射口とで互いに異なる種類の流体を噴射すれば、噴射口と補助噴射口とで
それぞれ異なる処置を術部に施すことが可能となる。こうすれば、器官にノズルを一度挿
入するだけで複数の処置を行うことができるので、手術に要する時間を短縮化したり、執
刀医の労力を軽減することが可能となる。
。例えば、噴射口からは生理食塩水を噴射して血栓等を取り除き、補助噴射口からは薬液
を噴射することで、血栓等を取り除いた跡に薬を塗布することとしてもよい。このように
噴射口と補助噴射口とで互いに異なる種類の流体を噴射すれば、噴射口と補助噴射口とで
それぞれ異なる処置を術部に施すことが可能となる。こうすれば、器官にノズルを一度挿
入するだけで複数の処置を行うことができるので、手術に要する時間を短縮化したり、執
刀医の労力を軽減することが可能となる。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、接続流路を取り囲んで補助流路を設けるも
のとしてもよい。
のとしてもよい。
脈動流の切除能力を保つ観点からは、脈動流の圧力が接続流路内で分散して低下してし
まうのを防ぐことが望ましい。とはいえ、接続流路の剛性を高めると、ノズルを生体の器
官内の術部まで挿入することが困難となる。そこで、補助流路で接続流路を取り囲めば、
補助流路に送り出す流体の圧力によって接続流路の剛性を補助したり、接続流路を抑え付
けたりすることができるので、脈動流の圧力の分散を抑制することが可能となる。これに
より、接続流路の剛性を高めることなく切除能力がより高い脈動流を噴射することが可能
となる。
まうのを防ぐことが望ましい。とはいえ、接続流路の剛性を高めると、ノズルを生体の器
官内の術部まで挿入することが困難となる。そこで、補助流路で接続流路を取り囲めば、
補助流路に送り出す流体の圧力によって接続流路の剛性を補助したり、接続流路を抑え付
けたりすることができるので、脈動流の圧力の分散を抑制することが可能となる。これに
より、接続流路の剛性を高めることなく切除能力がより高い脈動流を噴射することが可能
となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.流体噴射装置の装置構成:
B.本実施例のノズル部:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
例を説明する。
A.流体噴射装置の装置構成:
B.本実施例のノズル部:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
A.流体噴射装置の装置構成 :
図1は、本実施例の流体噴射装置の装置構成を示した説明図である。図示されている様
に、本実施例の流体噴射装置10は、生理食塩水や薬品などの流体が貯められた流体タン
ク150と、流体タンク150から流体を吸い上げる吸上げポンプ140と、吸上げポン
プ140が吸い上げた流体を加圧して流路チューブ120に送り出す噴射機構100など
から構成されている。噴射機構100によって加圧された流体は、流路チューブ120を
通って流路チューブ120の先端に設けられたノズル部130に達し、ノズル部130の
先端に設けられた主噴射口132から噴射される。こうした流体噴射装置10から噴射さ
れる流体の圧力を用いることにより、人体の器官内に生じた腫瘍を切除したり、血管中に
生じた血栓を破壊して除去する手術を行うことが可能である。
図1は、本実施例の流体噴射装置の装置構成を示した説明図である。図示されている様
に、本実施例の流体噴射装置10は、生理食塩水や薬品などの流体が貯められた流体タン
ク150と、流体タンク150から流体を吸い上げる吸上げポンプ140と、吸上げポン
プ140が吸い上げた流体を加圧して流路チューブ120に送り出す噴射機構100など
から構成されている。噴射機構100によって加圧された流体は、流路チューブ120を
通って流路チューブ120の先端に設けられたノズル部130に達し、ノズル部130の
先端に設けられた主噴射口132から噴射される。こうした流体噴射装置10から噴射さ
れる流体の圧力を用いることにより、人体の器官内に生じた腫瘍を切除したり、血管中に
生じた血栓を破壊して除去する手術を行うことが可能である。
図2は、本実施例の流体噴射装置を用いて血管中に生じた血栓を除去する様子を概念的
に示した説明図である。図示されている様に、血栓を除去する際には、本実施例の流体噴
射装置10の流路チューブ120を血管の中に挿入し、流路チューブ120の先端に設け
られたノズル部130を血栓の近傍まで近づける。そして、噴射機構100を駆動してノ
ズル部130の先端から血栓に向けて流体を噴射することで、流体の圧力によって血栓を
破壊して除去する。こうした流体の圧力を用いて血栓を除去する手術では、血栓を破壊で
きる強い圧力で流体を噴射しながらも、血管中に不要な流体をできるだけ流入させないた
めに、噴射する流体の量を少なく抑えることが重要である。このため、本実施例の流体噴
射装置10では、次の様な構成の噴射機構100を備えている。
に示した説明図である。図示されている様に、血栓を除去する際には、本実施例の流体噴
射装置10の流路チューブ120を血管の中に挿入し、流路チューブ120の先端に設け
られたノズル部130を血栓の近傍まで近づける。そして、噴射機構100を駆動してノ
ズル部130の先端から血栓に向けて流体を噴射することで、流体の圧力によって血栓を
破壊して除去する。こうした流体の圧力を用いて血栓を除去する手術では、血栓を破壊で
きる強い圧力で流体を噴射しながらも、血管中に不要な流体をできるだけ流入させないた
めに、噴射する流体の量を少なく抑えることが重要である。このため、本実施例の流体噴
射装置10では、次の様な構成の噴射機構100を備えている。
図3は、本実施例の流体噴射装置に備えられた噴射機構の詳細な構造を示した説明図で
ある。図3(a)に示されている様に、噴射機構100は、吸上げポンプ140によって
流体が供給される供給流路106と、吸上げポンプ140から供給された流体が充填され
る加圧室102と、加圧室102から流路チューブ120に向かって流体が押し出される
噴射流路108などから構成されている。加圧室102には、ピエゾ素子110が膜部材
(いわゆるダイアフラム)112を介して接続されており、ピエゾ素子110に電圧を印
加してピエゾ素子を伸縮させることにより、膜部材112を駆動して加圧室102内の容
積を変化させることが可能となっている。
ある。図3(a)に示されている様に、噴射機構100は、吸上げポンプ140によって
流体が供給される供給流路106と、吸上げポンプ140から供給された流体が充填され
る加圧室102と、加圧室102から流路チューブ120に向かって流体が押し出される
噴射流路108などから構成されている。加圧室102には、ピエゾ素子110が膜部材
(いわゆるダイアフラム)112を介して接続されており、ピエゾ素子110に電圧を印
加してピエゾ素子を伸縮させることにより、膜部材112を駆動して加圧室102内の容
積を変化させることが可能となっている。
流体を噴射する際には、まず、図3(a)に白抜きの矢印で示されている様に、ピエゾ
素子110に電圧を印加してピエゾ素子110を収縮させ、加圧室102の容積を広げる
。このとき、図中に黒色の矢印で示されている様に、吸上げポンプ140から加圧室10
2に流体が供給されるので、加圧室102の容積を広げた状態でも加圧室102内を流体
で満たすことができる。次いで、図3(b)に白抜きの矢印で示されている様に、ピエゾ
素子110を伸長させて加圧室102を圧縮する。
素子110に電圧を印加してピエゾ素子110を収縮させ、加圧室102の容積を広げる
。このとき、図中に黒色の矢印で示されている様に、吸上げポンプ140から加圧室10
2に流体が供給されるので、加圧室102の容積を広げた状態でも加圧室102内を流体
で満たすことができる。次いで、図3(b)に白抜きの矢印で示されている様に、ピエゾ
素子110を伸長させて加圧室102を圧縮する。
加圧室102には噴射流路108と供給流路106との2つの流路が接続されているが
、これらの流路は流路が狭く形成されているので、ピエゾ素子110で加圧室102を圧
縮すれば、加圧室102内の流体の圧力を十分に高めることができる。この圧力により、
加圧室102内の流体は噴射流路108の方向に強く押し出され、その結果、噴射流路1
08に接続されたノズル部130の先から流体を高い速度で噴射することが可能となる。
また、加圧室102内の流体は噴射流路108だけでなく供給流路106にも押し出され
るが、各流路への流体の流れ込み易さ(いわゆるイナータンス)は流路の長さや流路の断
面積等によって定まるので、供給流路106および噴射流路108の長さや断面積を適切
に設定すれば、供給流路106に流れ込む流体の量を噴射流路108に流れ込む流体の量
よりも少なく抑えることが可能である。これにより、加圧室102内の流体の大半を噴射
流路108に押し出して噴射流路108に接続されたノズル部130から高い速度で噴射
することが可能となる。
、これらの流路は流路が狭く形成されているので、ピエゾ素子110で加圧室102を圧
縮すれば、加圧室102内の流体の圧力を十分に高めることができる。この圧力により、
加圧室102内の流体は噴射流路108の方向に強く押し出され、その結果、噴射流路1
08に接続されたノズル部130の先から流体を高い速度で噴射することが可能となる。
また、加圧室102内の流体は噴射流路108だけでなく供給流路106にも押し出され
るが、各流路への流体の流れ込み易さ(いわゆるイナータンス)は流路の長さや流路の断
面積等によって定まるので、供給流路106および噴射流路108の長さや断面積を適切
に設定すれば、供給流路106に流れ込む流体の量を噴射流路108に流れ込む流体の量
よりも少なく抑えることが可能である。これにより、加圧室102内の流体の大半を噴射
流路108に押し出して噴射流路108に接続されたノズル部130から高い速度で噴射
することが可能となる。
流体滴を噴射した後は、再びピエゾ素子を収縮させ(図3(a)を参照)、その後にピ
エゾ素子110を伸長させれば(図3(b)を参照)、流体滴を再び噴射することができ
る。こうした動作を繰り返すことにより、本実施例の流体噴射装置10では、高速な流体
滴を繰り返し噴射することが可能であり、これにより、流体を高い速度で噴射して血栓等
を十分に破壊することが可能となる。そして、流体を連続して噴射するのではなく、流体
を脈動状に噴射することから、噴射する流体の総量を少なく抑えることが可能となる。な
お、脈動状に噴射するとは、液体の流れる方向が一定で、液体の流量または流速が周期的
または不定期な変動を伴った液体の流動を意味する。この脈動状の噴射には、液体の流動
と停止とを繰り返す間欠流も含むが、液体の流量または流速が周期的または不定期な変動
していればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。同様に、液体をパルス状に噴射
する(パルス流を噴射する)とは、噴射する液体の流量または移動速度が周期的または不
定期に変動した液体の噴射を意味する。このパルス状の噴射の一例として、液体の噴射と
非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射する液体の流量または流速が周期的ま
たは不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。
エゾ素子110を伸長させれば(図3(b)を参照)、流体滴を再び噴射することができ
る。こうした動作を繰り返すことにより、本実施例の流体噴射装置10では、高速な流体
滴を繰り返し噴射することが可能であり、これにより、流体を高い速度で噴射して血栓等
を十分に破壊することが可能となる。そして、流体を連続して噴射するのではなく、流体
を脈動状に噴射することから、噴射する流体の総量を少なく抑えることが可能となる。な
お、脈動状に噴射するとは、液体の流れる方向が一定で、液体の流量または流速が周期的
または不定期な変動を伴った液体の流動を意味する。この脈動状の噴射には、液体の流動
と停止とを繰り返す間欠流も含むが、液体の流量または流速が周期的または不定期な変動
していればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。同様に、液体をパルス状に噴射
する(パルス流を噴射する)とは、噴射する液体の流量または移動速度が周期的または不
定期に変動した液体の噴射を意味する。このパルス状の噴射の一例として、液体の噴射と
非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射する液体の流量または流速が周期的ま
たは不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。
もっとも、流体を脈動状に噴射する場合、複数の噴射口を設けると流体の圧力が分散し
て流体滴の速度が低下してしまうので、ノズル部130に複数の噴射口を設けることは困
難である。このため、流体を噴射可能な範囲がどうしても限られてしまい、血栓などの全
体に流体を噴射して血栓など完全に除去することができない場合がある。そこで、本実施
例の流体噴射装置10では、ノズル部130を次の構成とすることにより、流体を脈動状
に噴射することで噴射する流体の量を抑えながらも、流体を広範囲に噴射して血栓等を確
実に除去することを可能としている。
て流体滴の速度が低下してしまうので、ノズル部130に複数の噴射口を設けることは困
難である。このため、流体を噴射可能な範囲がどうしても限られてしまい、血栓などの全
体に流体を噴射して血栓など完全に除去することができない場合がある。そこで、本実施
例の流体噴射装置10では、ノズル部130を次の構成とすることにより、流体を脈動状
に噴射することで噴射する流体の量を抑えながらも、流体を広範囲に噴射して血栓等を確
実に除去することを可能としている。
尚、本実施例の流体噴射装置10の噴射機構100では、加圧室の容積を変更する構成
としてピエゾ素子110および膜部材112を用いているが、流体を脈動状に噴射可能で
あれば、どのような構成を用いてもよい。例えば、ピストンのような可動壁を用いて加圧
室の容積を変更する構成を用いてもよい。
としてピエゾ素子110および膜部材112を用いているが、流体を脈動状に噴射可能で
あれば、どのような構成を用いてもよい。例えば、ピストンのような可動壁を用いて加圧
室の容積を変更する構成を用いてもよい。
B.本実施例のノズル部 :
図4は、本実施例の流体噴射装置のノズル部の詳細な構造を示した説明図である。図4
(a)に示されている様に、本実施例のノズル部130は、ノズル部130の先端に設け
られた主噴射口132に加えて、主噴射口132の周囲に設けられた複数の補助噴射口1
34を備えている。また、図4(b)には、ノズル部130を主噴射口132の方向から
見た様子が示されている。図4(a)および図4(b)に示されている様に、補助噴射口
134は、主噴射口132とは異なる方向に開口しており、主噴射口132が流体を噴射
する方向(ノズル部130の先端方向)とは異なる方向(図中に矢印で示された方向)に
流体を噴射することが可能である。
図4は、本実施例の流体噴射装置のノズル部の詳細な構造を示した説明図である。図4
(a)に示されている様に、本実施例のノズル部130は、ノズル部130の先端に設け
られた主噴射口132に加えて、主噴射口132の周囲に設けられた複数の補助噴射口1
34を備えている。また、図4(b)には、ノズル部130を主噴射口132の方向から
見た様子が示されている。図4(a)および図4(b)に示されている様に、補助噴射口
134は、主噴射口132とは異なる方向に開口しており、主噴射口132が流体を噴射
する方向(ノズル部130の先端方向)とは異なる方向(図中に矢印で示された方向)に
流体を噴射することが可能である。
図4(c)には、このノズル部130が接続された流路チューブ120を、図4(a)
に「A」と示した一点鎖線で切断した断面図が示されている。図示されている様に、流路
チューブ120は、中心部分に設けられた内側流路122と、その外側に設けられた外側
流路124との2つの流路を備えた二重構造をしている。そして、図4(a)に示されて
いるように、外側流路124は補助噴射口134に接続され、内側流路122は主噴射口
132に接続されている。更に、主噴射口132に接続された内側流路122のもう一方
の端は噴射機構100に接続されており、噴射機構100が発生させたパルス流を内側流
路122を介して主噴射口132から噴射することが可能である。一方、外側流路124
は、水流ポンプ160に接続されている。水流ポンプ160は流体タンク150(図1を
参照)に接続されており、水流ポンプ160を駆動することで、流体タンク150から流
体を補助噴射口134に送り出して補助噴射口134から噴射することが可能である。こ
うした構成を用い、本実施例の流体噴射装置10では、血管中に生じた血栓を次のように
除去する。
に「A」と示した一点鎖線で切断した断面図が示されている。図示されている様に、流路
チューブ120は、中心部分に設けられた内側流路122と、その外側に設けられた外側
流路124との2つの流路を備えた二重構造をしている。そして、図4(a)に示されて
いるように、外側流路124は補助噴射口134に接続され、内側流路122は主噴射口
132に接続されている。更に、主噴射口132に接続された内側流路122のもう一方
の端は噴射機構100に接続されており、噴射機構100が発生させたパルス流を内側流
路122を介して主噴射口132から噴射することが可能である。一方、外側流路124
は、水流ポンプ160に接続されている。水流ポンプ160は流体タンク150(図1を
参照)に接続されており、水流ポンプ160を駆動することで、流体タンク150から流
体を補助噴射口134に送り出して補助噴射口134から噴射することが可能である。こ
うした構成を用い、本実施例の流体噴射装置10では、血管中に生じた血栓を次のように
除去する。
図5は、本実施例の流体噴射装置を用いて血管中に生じた血栓を除去する様子を示した
説明図である。血栓を除去する際には、まず、図5(a)に示されている様に、ノズル部
130を血管に挿入した状態で噴射機構100を駆動し、主噴射口132からパルス流を
噴射する。前述した様に、パルス流では流体滴が高速に噴射されることから、流体滴によ
って血栓を破壊することが可能である。もっとも、流体の噴射範囲が限られることから、
図示されている様に、血栓の一部分を破壊して血栓に穴をあけることはできても、周囲に
血栓の残骸が残ってしまう場合がある。そこで、主噴射口132からパルス流を噴射して
血栓に穴を開けたら、次いで、図5(b)に示されているように、血栓に開けた穴の中に
ノズル部130を進入させ、その状態で水流ポンプ160を駆動して補助噴射口134か
ら流体を噴射する。すると、補助噴射口134を主噴射口132とは異なる方向に開口さ
せていることから、主噴射口132では流体を噴射できなかった周囲の部分にも流体を噴
射することができるので、残った血栓の残骸についても除去することが可能となる。
説明図である。血栓を除去する際には、まず、図5(a)に示されている様に、ノズル部
130を血管に挿入した状態で噴射機構100を駆動し、主噴射口132からパルス流を
噴射する。前述した様に、パルス流では流体滴が高速に噴射されることから、流体滴によ
って血栓を破壊することが可能である。もっとも、流体の噴射範囲が限られることから、
図示されている様に、血栓の一部分を破壊して血栓に穴をあけることはできても、周囲に
血栓の残骸が残ってしまう場合がある。そこで、主噴射口132からパルス流を噴射して
血栓に穴を開けたら、次いで、図5(b)に示されているように、血栓に開けた穴の中に
ノズル部130を進入させ、その状態で水流ポンプ160を駆動して補助噴射口134か
ら流体を噴射する。すると、補助噴射口134を主噴射口132とは異なる方向に開口さ
せていることから、主噴射口132では流体を噴射できなかった周囲の部分にも流体を噴
射することができるので、残った血栓の残骸についても除去することが可能となる。
この様に、本実施例の流体噴射装置10では、主噴射口132とは異なる方向に流体を
噴射する補助噴射口134を設けており、主噴射口132では噴射できない範囲をこの補
助噴射口134によって補うことにより、主噴射口132だけでは除去することが困難な
血栓の残骸等についても除去することを可能としている。こうすれば、主噴射口132か
らパルス流を噴射することによって噴射する流体の量を少なく抑えながらも、主噴射口1
32では流体を噴射できない範囲を補助噴射口134によって補うことができるので、噴
射する流体の量を抑えつつ広範囲に流体を噴射して血栓等を確実に除去することが可能と
なる。特に、血管のように狭い器官内では、ノズル部130を動かして主噴射口132か
らの噴射方向を変えることは困難であるが、主噴射口132が噴射できない範囲を補う補
助噴射口134を予め設けておけば、主噴射口132の噴射方向を変える必要がないので
、こうした狭い空間内でも十分な範囲に流体を容易に噴射することが可能となる。
噴射する補助噴射口134を設けており、主噴射口132では噴射できない範囲をこの補
助噴射口134によって補うことにより、主噴射口132だけでは除去することが困難な
血栓の残骸等についても除去することを可能としている。こうすれば、主噴射口132か
らパルス流を噴射することによって噴射する流体の量を少なく抑えながらも、主噴射口1
32では流体を噴射できない範囲を補助噴射口134によって補うことができるので、噴
射する流体の量を抑えつつ広範囲に流体を噴射して血栓等を確実に除去することが可能と
なる。特に、血管のように狭い器官内では、ノズル部130を動かして主噴射口132か
らの噴射方向を変えることは困難であるが、主噴射口132が噴射できない範囲を補う補
助噴射口134を予め設けておけば、主噴射口132の噴射方向を変える必要がないので
、こうした狭い空間内でも十分な範囲に流体を容易に噴射することが可能となる。
また、本実施例の流体噴射装置10では、主噴射口132をノズル部130の先端に設
けることにより、ノズル部130が血管内に進入していく方向にパルス流を噴射させてい
る。そして、この主噴射口132と直交する方向に補助噴射口134を設けることで、侵
入方向と直交する方向にも流体を噴射可能としている。こうすれば、主噴射口132から
のパルス流で血栓等に穴を開けながらノズル部130を血管内に進入させることができる
とともに、補助噴射口134からの流体によって周囲に残った残骸を取り除くことができ
るので、血栓等を確実に取り除ながら血管等にノズル部130を進入させていくことが可
能となる。そして、このようにノズル部130を血管に進入させながら血栓を取り除いて
いけば、執刀医はノズル部130を血管に挿入するだけでよいので、手術時の作業を簡素
化して手術をより迅速に行うことが可能となる。
けることにより、ノズル部130が血管内に進入していく方向にパルス流を噴射させてい
る。そして、この主噴射口132と直交する方向に補助噴射口134を設けることで、侵
入方向と直交する方向にも流体を噴射可能としている。こうすれば、主噴射口132から
のパルス流で血栓等に穴を開けながらノズル部130を血管内に進入させることができる
とともに、補助噴射口134からの流体によって周囲に残った残骸を取り除くことができ
るので、血栓等を確実に取り除ながら血管等にノズル部130を進入させていくことが可
能となる。そして、このようにノズル部130を血管に進入させながら血栓を取り除いて
いけば、執刀医はノズル部130を血管に挿入するだけでよいので、手術時の作業を簡素
化して手術をより迅速に行うことが可能となる。
更に、本実施例の流体噴射装置10では、流路チューブ120を、内側に設けられた内
側流路122と、内側流路122を取り囲む外側流路124とからなる二重構造としてい
ることから、パルス流をより速い流速で噴射することが可能となっている。この点につい
て、図6を参照しながら説明する。
側流路122と、内側流路122を取り囲む外側流路124とからなる二重構造としてい
ることから、パルス流をより速い流速で噴射することが可能となっている。この点につい
て、図6を参照しながら説明する。
図6は、二重構造の流路チューブを用いることにより、パルス流をより速い流速で噴射
可能となる理由を概念的に示した説明図である。前述した様に、流路チューブ120は、
内側流路122と外側流路124との2つの流路を備えており、パルス流はこのうちの内
側流路122を通って主噴射口132から噴射される。一方、外側流路124では、水流
ポンプ160によって送り出された流体が補助噴射口134に向かって流れる。このため
、図中に白抜きの矢印で示されている様に、水流ポンプ160によって送り出された流体
の圧力によって内側流路122の壁面を押し付けることができる。すると、内側流路12
2にパルス流を通す際には、内側流路122の壁面を押し付けていることから、パルス流
の圧力が壁面の方向に逃げてしまうのを抑制することができる。更には、外側流路124
内の流体によって内側流路122を押さえつけることから、内側流路122の剛性を外側
流路の流体によって補助することができる。これにより、噴射機構100によって加圧さ
れた圧力を保ったまま主噴射口132までパルス流を到達させることが可能となり、その
結果、より高速なパルス流を噴射することが可能となる。
可能となる理由を概念的に示した説明図である。前述した様に、流路チューブ120は、
内側流路122と外側流路124との2つの流路を備えており、パルス流はこのうちの内
側流路122を通って主噴射口132から噴射される。一方、外側流路124では、水流
ポンプ160によって送り出された流体が補助噴射口134に向かって流れる。このため
、図中に白抜きの矢印で示されている様に、水流ポンプ160によって送り出された流体
の圧力によって内側流路122の壁面を押し付けることができる。すると、内側流路12
2にパルス流を通す際には、内側流路122の壁面を押し付けていることから、パルス流
の圧力が壁面の方向に逃げてしまうのを抑制することができる。更には、外側流路124
内の流体によって内側流路122を押さえつけることから、内側流路122の剛性を外側
流路の流体によって補助することができる。これにより、噴射機構100によって加圧さ
れた圧力を保ったまま主噴射口132までパルス流を到達させることが可能となり、その
結果、より高速なパルス流を噴射することが可能となる。
この様に、補助噴射口134から噴射する流体の圧力を用いることで、主噴射口132
から噴射するパルス流の圧力が逃げるのを防ぐことが可能であり、こうすれば、より高速
なパルス流を噴射して血栓をより効率的に除去することが可能となる。また、流路チュー
ブ120は、血管等の形状に沿って曲がりながら血栓等の術部の位置まで挿入されるので
、パルス流の圧力が逃げるのを防ぐために流路チューブ120の剛性を高めると、流路チ
ューブ120を術部の位置まで挿入することが困難となってしまう。この点、流体の圧力
によってパルス流の流路の壁面を押え付ければ、流路チューブ自体には剛性がなくてもパ
ルス流の圧力が逃げるのを防ぐことができるので、流路チューブ120の柔軟性を保ちな
がらも高速なパルス流を噴射することが可能となる。加えて、図6に示されている様に、
2つの流路が同心円状に形成された流路チューブを用いることにより、内側流路122を
外側流路124で取り囲むことによって内側流路122内の流体の圧力が壁面の方向に逃
げるのをより確実に抑制することができるので、より高速なパルス流を噴射して血栓等を
確実に破壊することが可能となる。
から噴射するパルス流の圧力が逃げるのを防ぐことが可能であり、こうすれば、より高速
なパルス流を噴射して血栓をより効率的に除去することが可能となる。また、流路チュー
ブ120は、血管等の形状に沿って曲がりながら血栓等の術部の位置まで挿入されるので
、パルス流の圧力が逃げるのを防ぐために流路チューブ120の剛性を高めると、流路チ
ューブ120を術部の位置まで挿入することが困難となってしまう。この点、流体の圧力
によってパルス流の流路の壁面を押え付ければ、流路チューブ自体には剛性がなくてもパ
ルス流の圧力が逃げるのを防ぐことができるので、流路チューブ120の柔軟性を保ちな
がらも高速なパルス流を噴射することが可能となる。加えて、図6に示されている様に、
2つの流路が同心円状に形成された流路チューブを用いることにより、内側流路122を
外側流路124で取り囲むことによって内側流路122内の流体の圧力が壁面の方向に逃
げるのをより確実に抑制することができるので、より高速なパルス流を噴射して血栓等を
確実に破壊することが可能となる。
C.変形例 :
以下では、前述した実施例の変形例について説明する。尚、以下の変形例では、上述し
た実施例と同様の構成部分については実施例と同様の符号を付し、また、同様の構成部分
については詳細な説明を省略する。
以下では、前述した実施例の変形例について説明する。尚、以下の変形例では、上述し
た実施例と同様の構成部分については実施例と同様の符号を付し、また、同様の構成部分
については詳細な説明を省略する。
C−1.第1変形例 :
前述した実施例では、流路チューブ120に外側流路124と内側流路122との2つ
の流路が備えられているものとして説明した。しかし、これら2つの流路に加えて更に別
の流路を備えることも可能である。
前述した実施例では、流路チューブ120に外側流路124と内側流路122との2つ
の流路が備えられているものとして説明した。しかし、これら2つの流路に加えて更に別
の流路を備えることも可能である。
図7は、内側流路および外側流路に加えて吸引流路を備えた変形例の流体噴射装置を示
した説明図である。図7(a)に示されている様に、変形例の流体噴射装置10では、外
側流路124の外側に吸引ポンプ170に接続された吸引流路126が備えられており、
図7(b)に示されている様に、流路チューブ120は、内側流路122および外側流路
124に加えて吸引流路126が形成された3重構造となっている。
した説明図である。図7(a)に示されている様に、変形例の流体噴射装置10では、外
側流路124の外側に吸引ポンプ170に接続された吸引流路126が備えられており、
図7(b)に示されている様に、流路チューブ120は、内側流路122および外側流路
124に加えて吸引流路126が形成された3重構造となっている。
吸引流路126は、図7(a)に示されている様に、ノズル部130の近くで開口して
おり(図中に「B」と示した部分を参照)、吸引ポンプ170を駆動することで、ノズル
部130が切除した血栓の破片や血管内に噴射した流体などを開口部から吸引して取り除
くことが可能となっている。このような変形例の流体噴射装置を用いれば、血管にノズル
部130を一度挿入するだけで、血栓等に流体を噴射して血栓等を破壊するだけでなく、
破壊した血栓の破片等を吸引して排出することも可能である。また、吸引流路126を流
路チューブ120の一番外側に設ければ、吸引流路126の開口部(図中に「B」と示し
た部分を参照)の開口面積や、吸引流路126内の断面積を広くすることが可能となる。
これにより、吸引ポンプ170の吸引力を吸引流路126を介して開口部に確実に伝える
とともに、開口部の周囲の広い範囲から血栓の破片等を吸引することができるので、血栓
の破片等をより効率的に取り除くことが可能となる。
おり(図中に「B」と示した部分を参照)、吸引ポンプ170を駆動することで、ノズル
部130が切除した血栓の破片や血管内に噴射した流体などを開口部から吸引して取り除
くことが可能となっている。このような変形例の流体噴射装置を用いれば、血管にノズル
部130を一度挿入するだけで、血栓等に流体を噴射して血栓等を破壊するだけでなく、
破壊した血栓の破片等を吸引して排出することも可能である。また、吸引流路126を流
路チューブ120の一番外側に設ければ、吸引流路126の開口部(図中に「B」と示し
た部分を参照)の開口面積や、吸引流路126内の断面積を広くすることが可能となる。
これにより、吸引ポンプ170の吸引力を吸引流路126を介して開口部に確実に伝える
とともに、開口部の周囲の広い範囲から血栓の破片等を吸引することができるので、血栓
の破片等をより効率的に取り除くことが可能となる。
C−2.第2変形例 :
更には、外側流路124と内側流路122とで異なる種類の流体を通すものとしてもよ
い。例えば、パルス流を通す内側流路122は生理食塩水を通すものとし、外側流路12
4には血栓を除去した傷跡に塗布する薬品などを通すものとしてもよい。こうした場合、
血管にノズル部130を一度挿入するだけで、血栓を除去するだけでなく薬品を塗布する
等の処置を同時に行うことができるので、手術をより効率的に行うことが可能となる。
更には、外側流路124と内側流路122とで異なる種類の流体を通すものとしてもよ
い。例えば、パルス流を通す内側流路122は生理食塩水を通すものとし、外側流路12
4には血栓を除去した傷跡に塗布する薬品などを通すものとしてもよい。こうした場合、
血管にノズル部130を一度挿入するだけで、血栓を除去するだけでなく薬品を塗布する
等の処置を同時に行うことができるので、手術をより効率的に行うことが可能となる。
この様に、流路チューブの複数の流路にそれぞれ異なる機能を持たせれば、流路チュー
ブを血管等に一度挿入するだけで、血栓を除去したり薬剤を塗布するなどの複数の処置を
同時に行うことができるので、手術をより効率的に行うことが可能となる。
ブを血管等に一度挿入するだけで、血栓を除去したり薬剤を塗布するなどの複数の処置を
同時に行うことができるので、手術をより効率的に行うことが可能となる。
以上、本実施例の流体噴射装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例およ
び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施
することが可能である。例えば上述した実施例では、血栓を除去する手術に用いる流体噴
射装置を例にとって説明したが、本発明は血栓を除去する手術に限られるものではなく、
腫瘍などの種々の異物を除去する手術等に用いる流体噴射装置にも適用することが可能で
ある。こうした場合も、主噴射口からパルス流を噴射することで流体の噴射量を抑えつつ
も、主噴射口が噴射できない範囲を補助噴射口で補うことにより、流体の噴射量を抑えな
がらも流体を広範囲に噴射することが可能となる。
び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施
することが可能である。例えば上述した実施例では、血栓を除去する手術に用いる流体噴
射装置を例にとって説明したが、本発明は血栓を除去する手術に限られるものではなく、
腫瘍などの種々の異物を除去する手術等に用いる流体噴射装置にも適用することが可能で
ある。こうした場合も、主噴射口からパルス流を噴射することで流体の噴射量を抑えつつ
も、主噴射口が噴射できない範囲を補助噴射口で補うことにより、流体の噴射量を抑えな
がらも流体を広範囲に噴射することが可能となる。
10…流体噴射装置、 100…噴射機構、 102…加圧室、
106…供給流路、 108…噴射流路、 110…ピエゾ素子、
112…膜部材、 120…流路チューブ、 122…内側流路、
124…外側流路、 126…吸引流路、 130…ノズル部、
132…主噴射口、 134…補助噴射口、 140…吸上げポンプ、
150…流体タンク、 160…水流ポンプ、 170…吸引ポンプ
106…供給流路、 108…噴射流路、 110…ピエゾ素子、
112…膜部材、 120…流路チューブ、 122…内側流路、
124…外側流路、 126…吸引流路、 130…ノズル部、
132…主噴射口、 134…補助噴射口、 140…吸上げポンプ、
150…流体タンク、 160…水流ポンプ、 170…吸引ポンプ
Claims (2)
- 生体の器官内に挿入したノズルの噴射口から、該器官の術部に流体を噴射する流体噴射
装置であって、
前記流体が供給されるとともに、接続流路を介して前記噴射口に接続された流体室と、
前記流体室の容積を変更することにより、前記噴射口から該流体室内の流体を脈動状に
噴射する脈動流噴射手段と、
前記接続流路とは異なる補助流路に接続され、前記噴射口とは異なる向きに開口して設
けられた補助噴射口と、
前記補助流路に前記流体を連続して送り出す流体連続送出手段と
を備える流体噴射装置。 - 前記補助流路は、前記接続流路を取り囲んで設けられた流路である請求項1に記載の流
体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009222101A JP2011067491A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 流体噴射装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009222101A JP2011067491A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 流体噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011067491A true JP2011067491A (ja) | 2011-04-07 |
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ID=44013408
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---|---|---|---|
JP2009222101A Withdrawn JP2011067491A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 流体噴射装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2011067491A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014006738A1 (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-09 | テルモ株式会社 | 生体管腔内治療デバイス |
JP2015058234A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | セイコーエプソン株式会社 | 医療用液体噴射装置 |
JP2016030119A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | セイコーエプソン株式会社 | 血腫除去方法 |
WO2018034922A1 (en) | 2016-08-16 | 2018-02-22 | Ethicon, Inc. | Spray tips for simultaneous multi-directional delivery of dissimilar fluids |
-
2009
- 2009-09-28 JP JP2009222101A patent/JP2011067491A/ja not_active Withdrawn
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