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JP2011065936A - フレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、並びにそれを用いたフレキシブルフラットケーブル - Google Patents

フレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、並びにそれを用いたフレキシブルフラットケーブル Download PDF

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隆之 辻
Keisuke Fujito
啓輔 藤戸
Masato Ito
真人 伊藤
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Abstract

【課題】コネクタとの嵌合などにおいて、導体周囲のSnまたはSn系合金めっき表面からウィスカが発生するおそれの少ない、あるいはほとんど発生しないフレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、ならびにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルを提供する。
【解決手段】本発明に係るフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法は、SnまたはSn合金にNiを0.05〜0.5質量%添加して構成されるめっき槽を用いた溶融めっき法により、銅線から構成される母材に溶融めっきを施すことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線用導体及び端末接続部に係り、電子機器に使用され、高屈曲性や特に耐ウィスカ性が必要とされるフレキシブルフラットケーブルで使用されるフレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、並びにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルに関するものである。
従来、配線材、特に銅や銅合金の表面には、配線材の酸化を防ぐために、Sn、Ag、AuやNiのめっきが施される。例えば、図2に示すコネクタ11とフレキシブルフラットケーブル13の端末接続部においては、コネクタ11に備えられたコネクタピン12や、フレキシブルフラットケーブル(以下、FFC)13の導体14の表面などにめっきが施されている。
配線材の表面に施されるめっきとして、Snめっきが広く一般的に使用されている。Snはコストが安価であること、また、軟らかいため嵌合の圧力で容易に変形して表面酸化膜が破れ、接触面積が増えることにより接触抵抗が低く抑えられるなど利点が多い。
Snめっきは、Snの針状結晶であるウィスカが発生することが知られている。このため、ウィスカの発生を防ぐためSnに他元素を添加したSn合金めっきとして実施されることが多い。Sn合金めっきとして、従来は耐ウィスカ性が良好なSn−Pb合金が用いられてきた。
しかし、近年は環境面での対応の観点から、鉛を含まないPbフリー材(非鉛材)、ノンハロゲン材の使用が求められており、配線材に使用されるめっきや絶縁体等の各種材料に対してもPbフリー化、ノンハロゲン化が求められている。
このような近年のSn合金めっきのPbフリー化に伴い、図3に示すように、特にコネクタ嵌合部において、コネクタピン12や導体14の表面に施されたSnめっきから発生したウィスカ21による隣接配線間の短絡事故が問題となっている。
コネクタ嵌合部における隣接配線間の短絡事故を防ぐためには、ウィスカの発生を抑制する必要がある。ウィスカの発生を抑制するためには、ウィスカの発生原因の一つとして考えられているSnめっき中の内部応力を緩和させるため、Snめっきをリフロー処理することが考えられる。しかし、コネクタとの嵌合など新たな外部応力がかかる場合は、リフロー処理を施してもウィスカの発生を十分に抑えることができない。
ウィスカの発生を抑制する方法として、Snめっきに数質量%のAgやBiなどを添加する方法が知られている。例えば特許文献1には、導電基体上に、Bi、Cu、Ag、Znのうち少なくとも1種を0.1〜15質量%含有するSn合金メッキを電気メッキにより形成し、その上層に、Znメッキ、Agメッキ、SnZn合金メッキ、SnAg合金メッキ又はSnBi合金メッキを電気メッキにより形成してなる電子部品用リード線が記載されている。
特許文献2には、銅で構成される第1層の上に、Snに対して3質量%以上30質量%未満のCrまたはNiを含有させた第2層を真空めっき法により被覆した電磁波シールド膜が記載されている。当該第2層においては、SnにCrまたはNiを含有させることで、Snのウィスカ発生が抑えられ、Sn単体よりも大気中で安定になるという効果が得られる。
特許文献3には、耐ウィスカ性を向上させるために、母材である銅または銅合金の表面上に、NiまたはNi合金層が形成され、最表面側にSnまたはSn合金層が形成され、NiまたはNi合金層とSnまたはSn合金層の間にCuとSnを主成分とする中間層が1層以上形成された、めっきを施した銅または銅合金が記載されている。
また、近年のPbフリー化の要請から、ウィスカ問題のない融点の低いめっき膜が得られるSn−Pb合金めっき浴に代替する手段として、特許文献4には、(a)Sn2+イオン、(b)Ag、Cu2+、In3+、TlおよびZn2−からなる群から選ばれた金属イオンの1種またはそれ以上、(c)非イオン界面活性剤の(a)〜(c)を含有し、鉛を含まないことを特徴とする低融点錫合金めっき浴が記載されている。
特許文献5には、めっき膜形成成分としてSn2+イオン及びCu2+イオン又はCuイオンを含有するとともに、非イオン界面活性剤を含有し、pH6未満の酸性に調整されてなる酸性錫−銅合金めっき浴が記載されている。
特開2007−46150号公報 特開2003−112389号公報 特開2003−293187号公報 特開平08−13185号公報 特開2000−328285号公報
特許文献1に記載されているように、電気めっき法でSn合金めっきすることは広く行われている。しかし、電気めっき法は合金組成の安定度が低く、特に1質量%以下といった極微量の第2元素の添加を安定にコントロールすることは難しいという問題がある。また、3元素以上を1層のめっきで実現するのは困難で、2層以上のめっきを採用することが必要となり、組成コントロールにおいては2層以上のめっき厚をそれぞれ厳密に管理することが必要となるなど、工程の増大、複雑化、およびそれに伴うコスト上昇の問題がある。
特許文献2に記載されているような真空めっき法においても、上述の電気めっき法と同様に、工程の増大、複雑化、およびそれに伴うコスト上昇の問題がある。
また、特許文献3に記載されているように、NiまたはNi合金層を設けると、Niは硬質であるため屈曲特性が低下し、取扱性が劣化するという問題がある。
ウィスカの発生を抑制するためSnめっきに極微量元素を添加する場合、特許文献4あるいは特許文献5に記載されているように、溶融めっき法を用いることが有効であると考えられる。溶融めっき法は、組成安定性に優れ、また安価な単純プロセスにより低コストでSnめっきまたはSn合金めっきを施した導体を製造できるという特徴がある。
しかし、溶融めっき法では、製造中に溶融めっき槽に導体の母材であるCu線からのCuの溶出が生じる。溶融めっき槽に溶出したCuの濃度は時間の経過と共に上昇し、溶融めっき槽の温度に応じた飽和濃度まで達する。
Cuはウィスカ促進元素であり、このようなめっき槽で施したSnめっきまたはSn合金めっきはCuを多く含んだものとなるため、ウィスカ抑制効果を十分に発揮することができない問題がある。
この点において、特許文献4に記載の低融点錫合金めっき浴、あるいは特許文献5に記載の酸性錫−銅合金めっき浴は、Sn−Pb合金めっき浴が備えていたはんだ付け性、はんだ濡れ性及び浴管理の容易性を、Pbを使用することなく実現することを目的としているものであり、Sn−Pb合金めっき浴が備えていたウィスカ抑制効果を実現するものではない。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、SnまたはSn合金を用いた溶融めっき法において問題であるめっき槽中のCuの濃度を下げ、低コストでSnやSn合金めっきCu線母材を製造することができる溶融めっき法を実現することにある。
これにより、特にコネクタとの嵌合など大きな外部応力がかかる環境下においても、導体周囲のSnまたはSn系合金めっき表面からウィスカが発生するおそれの少ない、あるいはほとんど発生しないPbフリーの配線材としてのフレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、ならびにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルを提供する。
上記目的を達成するため、本発明は、
SnまたはSn合金にNiを0.05〜0.5質量%添加して構成されるめっき槽を用いた溶融めっき法により、銅線から構成される母材に溶融めっきを施すことを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記Sn合金は、Sn以外の元素としてBi、Zn、Ti中から少なくとも1つ含むSn系合金であることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記フレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法において、前記めっき槽内のCu濃度上昇を1質量%以下とするフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記製造方法により得られるフレキシブルフラットケーブル用導体を伸線、圧延して平角導体として得られるフレキシブルフラットケーブル用導体であって、銅線から構成される母材とSnめっきまたはSn合金めっきとの間にSn−Cu−Ni金属間化合物層が形成されることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体を提供する。
また、本発明は、前記平角導体として得られるフレキシブルフラットケーブル用導体の表面に形成されるめっき表面酸化膜が、Zn、Tiの少なくともいずれか一つの元素を含むめっき表面酸化膜であることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体を提供する。
また、本発明は、前記フレキシブルフラットケーブル用導体から構成されることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。
本発明においては、SnまたはSn合金にNiを0.05〜0.5質量%添加して構成されるめっき槽を用いた溶融めっき法により、めっき槽中のウィスカ促進元素であるCuの濃度が下げられ、低コストでSnやSn合金めっきCu線母材を製造することができる溶融めっき法が実現される。
これにより、特にコネクタとの嵌合など大きな外部応力がかかる環境下においても、導体周囲のSnまたはSn系合金めっき表面からウィスカが発生するおそれの少ない、あるいはほとんど発生しないフレキシブルフラットケーブル用導体及びその製造方法、ならびにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルが得られる。
本発明の実施の形態に係るフレキシブルフラットケーブル用導体の断面の模式図である。 従来技術であるコネクタとFFC(フレキシブルフラットケーブル)の嵌合例を示す図である。 図2に示す嵌合部の拡大図であり、嵌合部におけるウィスカの発生及び隣接配線間の短絡の様子を示す図である。
以下、本発明に係るフレキシブルフラットケーブル用導体及びそれを用いたフレキシブルフラットケーブルを製造するための方法を詳細に説明する。
(フレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法)
[第1の実施の形態]
本発明に係るフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法は、SnまたはSn合金にNiを0.05〜0.5質量%添加しためっき槽を用いた溶融めっき法により、母材であるCu線に溶融めっきを施すものである。
この方法により得られるフレキシブルフラットケーブル用導体は、Niが母材側にほとんど移動するため、図1に示すように、母材であるCu線の表面にSn−Cu−Ni金属間化合物層が形成され、その上にNiがほぼ含まれないSnまたはSn合金めっき層が形成される構成となり、母材側でNi濃度が高く、表面側でNi濃度が低くなる。
溶融したSnまたはSn合金にNiを添加することで以下の効果が得られる。
(1)溶融めっきに用いる溶融Snまたは溶融Sn合金にNiを添加することで、めっき槽中のCuの飽和濃度が下がり、製造中におけるめっき槽のCu濃度上昇を1質量%以下に抑えることができる。
(2)SnめっきまたはSn合金めっきと母材であるCu線間に形成されるSn−Cu金属間化合物層が、図1に示すようにNiを含むSn−Cu−Ni金属間化合物層となる。Sn−Cu−Ni金属間化合物層では、Niが含まれていることにより、母材であるCu線から表面側への拡散が防止される。これにより、高温放置環境におけるSn−Cu−Ni金属間化合物層の成長が抑制され、SnまたはSn合金めっき層のめっき層厚さを一定に保つことができる。
めっき層厚さは、コネクタと嵌合する際の電気的な接触抵抗に大きく影響を与え、めっき層が薄すぎると接触抵抗が上昇してしまう。すなわち、Sn−Cu金属間化合物層がNiを含むSn−Cu−Ni金属間化合物層となることにより、SnまたはSn合金めっき層のめっき層厚さが一定に保たれ、高温放置環境でも電気的に優れた接触信頼性を保つことができる。
添加するNiの量を0.05〜0.5質量%に限定した根拠は以下の通りである。すなわち、添加するNiの量が0.05質量%未満であると十分なウィスカ抑制効果が得られない。また、添加するNiの量が0.5質量%を超えると、ウィスカ抑制効果は得られるものの、Sn−Ni金属間化合物がめっき表面に晶出し、外観が悪くなってしまう。
[第2の実施の形態]
溶融したSnに、Niに加えてBi(2〜20質量%)、Zn(0.1〜1.0質量%)、Ti(0.01〜0.2質量%)の中から少なくとも1つを添加したSn合金を用いて母材であるCu線に溶融めっきを施しても良い。
特に、Zn、Ti等のめっき表面酸化膜を改質する元素の添加によって、ウィスカ特性や接触信頼性をより改善させることができる。
Zn、Ti等のめっき表面酸化膜を改質する元素の添加によって、ウィスカ特性や接触信頼性が改善される理由は以下の通りである。
すなわち、Zn、Tiのうち少なくとも1種の酸化物を表面に形成させることで、従来Snの酸化物のみからなる酸化膜の性状が変化し、ウィスカ発生頻度が低減される。
これは、Zn、TiはいずれもSnより酸化し易い傾向にあり、これら元素をSnめっきに添加し熱処理することで、自然にこれらの酸化物を形成させることができ、Snめっき表面酸化膜の性状を変化させることができるためである。
(フレキシブルフラットケーブル用導体)
本発明に係るフレキシブルフラットケーブル用導体は以下のように得られる。
上述の溶融めっき法で得られたCu線からなる導体を、冷間伸線加工により所定の径まで伸線する。
所定の径まで伸線された導体は、圧延機を用いて所定の断面形状を有する平角導体とされる。
このようにして得られる平角導体は、図1に示す構成のCu線から得られている。このため、該平角導体も、母材であるCu線の表面にSn−Cu−Ni金属間化合物層が形成され、その上にSnまたはSn合金めっき層が形成される構成となる。
すなわち、本実施の形態における平角導体は、銅線から構成される母材とSnめっきまたはSn合金めっきとの間にSn−Cu金属間化合物層が形成され、前記Sn−Cu金属間化合物層がNiを含む、すなわちSn−Cu−Ni金属間化合物層となる。
なお、母材であるCu線の溶融めっきを、Niに加え、Zn、Tiの少なくともいずれか一つの元素を添加したSn合金で実施した場合、得られたフレキシブルフラットケーブル用導体の表面に形成されるめっき表面酸化膜は、Zn、Tiのすくなくともいずれか一つの元素を含む酸化膜となる。
このようにして得られるフレキシブルフラットケーブル用導体である平角導体は、表面に形成されるめっき表面酸化膜がZn、Tiの少なくともいずれか一つの元素を含んでおり、ウィスカ特性や接触信頼性がより改善される。
(フレキシブルフラットケーブル)
本発明に係るフレキシブルフラットケーブルは、上述により得られたフレキシブルフラットケーブル用導体を複数本、所要の線間ピッチに応じて並べ、接着剤層付き絶縁フィルムで挟んでラミネートすることで得られる。
接着剤としては、ポリエステル系接着剤が好適である。また、絶縁フィルムとしては、PETフィルムが好適である。
(実施例1)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(実施例2)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%とBiを3質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(実施例3)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%、Biを3質量%、Znを0.15質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(実施例4)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%、Biを3質量%、Tiを0.1質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(実施例5)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%、Znを0.1質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(実施例6)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.1質量%、Tiを0.1質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(比較例1)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを0.03質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(比較例2)
φ0.7mmのCu線を、溶融SnにNiを1.0質量%添加したSn合金めっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(従来例)
φ0.7mmのCu線を、溶融Snめっき層にて溶融めっきした。溶融めっき後のCu線上のめっき厚さは5μmであった。
(評価方法)
上述の実施例1〜実施例6、比較例1〜2、従来例の合計9種のCu線について、冷間伸線加工によりφ0.12mmまで伸線し、圧延機を用いて厚さ0.035mm×幅0.3mmの平角導体を得た。
その後当該平角導体を300本ならべ、ポリエステル系接着剤層が付いたPET製絶縁フィルムで挟んでラミネートし、フレキシブルフラットケーブルを得た。
このようにして得られたフレキシブルフラットケーブルをコネクタと嵌合させ室温で250時間放置した。その後コネクタからフレキシブルフラットケーブルを外し、合計300pinの導体表面を光学顕微鏡で観察し、ウィスカの発生率、最大長を計測した。ウィスカの発生率は、光学顕微鏡による目視観察で、合計300pin数のうち、ウィスカの出たpin数の割合で評価した(ウィスカの出たpin数/測定全pin数×100(%))。ウィスカの最大長は、観察に用いた光学顕微鏡が備える測長機能を用いて測定した。
(評価結果)
上記評価で得られた結果を表1に示す。
溶融めっき槽にNiを0.1質量%添加した溶融めっきで製作した実施例1〜実施例6は、Ni添加されていない従来例よりウィスカが抑制された。
更に、Biを添加した実施例2、Bi及びZnを添加した実施例3、Bi及びTiを添加した実施例4、Znを添加した実施例5、Tiを添加した実施例6ではウィスカの発生が著しく抑制された。
これに対し、添加するNiの量が少ない比較例1は、ウィスカ最大長さが60μmと大きく(ウィスカの許容最大長さは50μmである)、十分なウィスカ抑制効果が得られなかった。
Niの添加量が多い比較例2は、ウィスカ最大長さは18μmとある程度抑制されているものの、Sn−Ni金属間化合物がめっき表面に晶出しており、外観が悪い結果となった。
このことから、本発明の実施例においては、溶融Snめっき槽にNiを添加することで、めっき槽中のCu濃度の上昇を1質量%以下に抑えてウィスカの発生が抑制されることが確認された。
更に、Bi、Ti、Znを添加することでより優れたウィスカ抑制効果が得られることが確認された。
Figure 2011065936
11…コネクタ、12…コネクタピン、13…FFC(フレキシブルフラットケーブル)、14…導体、21…ウィスカ。

Claims (6)

  1. SnまたはSn合金にNiを0.05〜0.5質量%添加して構成されるめっき槽を用いた溶融めっき法により、銅線から構成される母材に溶融めっきを施すことを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法。
  2. 前記Sn合金は、Sn以外の元素としてBi、Zn、Ti中から少なくとも1つ含むSn系合金であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法において、前記めっき槽内のCu濃度上昇を1質量%以下とするフレキシブルフラットケーブル用導体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の製造方法により得られるフレキシブルフラットケーブル用導体を伸線、圧延して平角導体として得られるフレキシブルフラットケーブル用導体であって、銅線から構成される母材とSnめっきまたはSn合金めっきとの間にSn−Cu−Ni金属間化合物層が形成されることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル用導体。
  5. 前記平角導体として得られるフレキシブルフラットケーブル用導体の表面に形成されるめっき表面酸化膜が、Zn、Tiの少なくともいずれか一つの元素を含むめっき表面酸化膜であることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルフラットケーブル用導体。
  6. 請求項1から5のいずれかにより得られるフレキシブルフラットケーブル用導体から構成されることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。
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