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JP2011056775A - 電子素子パネルの封止方法、フィルム複合体、電子素子パネルおよびその製造方法 - Google Patents

電子素子パネルの封止方法、フィルム複合体、電子素子パネルおよびその製造方法 Download PDF

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Makoto Kamo
誠 加茂
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】封止の際の接着剤硬化プロセスを迅速化しつつ、ガスバリアフィルムと電子素子を十分に接着することができ、封止後の電子素子機能が良好である電子素子パネルの封止方法を提供する。
【解決手段】ガスバリアフィルム1の一方の面上に光硬化性接着剤層2を有し、該光硬化性接着剤層2が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であるフィルム複合体を、フィルム複合体の光硬化性接着剤層2が電子素子に接するように積層する工程の後に、該光硬化性接着剤層2の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化する工程を含むことを特徴とする電子素子パネルの封止方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子素子パネルの封止方法、および該電子素子パネルの封止方法に用いられるフィルム複合体に関する。また、本発明は、前記電子素子パネルの封止方法を含む電子素子パネルの製造方法と、該製造方法で製造された電子素子パネルにも関する。
電子素子パネルの封止方法として、封止材としてガラス板を用いずに、ガスバリアフィルムを使用する方法が、軽量化、フレキシブル化、ロールトゥロールでの連続製造等の観点から望まれている。
従来、ガスバリアフィルムを電子素子に貼り合わせる場合、熱硬化型の接着剤を用いて加熱硬化させていた(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1では、接着剤として熱硬化性接着剤である無機フィラー80〜90重量%含有エポキシを用いた有機ELデバイスが開示されており、その他に接着剤はガス透過性が少ないことが好ましいことが示唆されている。しかしながら、熱硬化型の接着剤を用いた場合、硬化を十分に完了するために数十分から数時間にわたる加熱が必要であり、封止プロセスの生産性を著しく損なうものであった。
一方、ガラス板と電子素子を貼り合わせて電子素子を形成する場合に、紫外線硬化型接着剤が用いられている場合がある(例えば、特許文献2参照)。ガラスを介して紫外線を照射することにより加熱を伴うことなく速やかに貼り合せることができ、その照射時間は数秒から数分以内であり極めて効率的である。しかし一方で、封止基材あるいは電子素子基板のいずれか一方は紫外線透過性を有していなければならず、用いることができる基材あるいは電子素子の構成には制限があった。
特開2008−103254号公報 特開2003−338366号公報
本発明者が、紫外線透過性が高いガラス板の代わりにガスバリアフィルムを電子素子パネルに光硬化性接着剤を用いて接着させることを検討したところ、電子素子パネルの構造上の都合からガスバリアフィルム側から光硬化に用いられる波長の光を照射しなければならないにも関わらず、ガスバリアフィルムの基材フィルムが光硬化に用いられる波長(紫外線領域)の光を遮断し、光硬化の効率を悪化させていることがわかった。
また、本発明者が光硬化の効率を上げるために基材フィルムに遮断されない紫外線領域以外の可視光線領域の波長の光で硬化できる光硬化性接着剤を用いたところ、製造された電子素子パネルでは硬化した光硬化性接着剤が可視光線領域の特定波長域の光を吸収してしまい、電子素子が光感応性の素子であった場合にはパネルへの透過光を遮って素子の機能を損ねたり、逆に電子素子が発光機能を有する素子であった場合にはパネルから外部への発光効率が悪化してしまったりすることがわかった。
本発明の目的は以上の課題を解決することにある。すなわち本発明の課題は、封止の際の接着剤硬化プロセスを迅速化しつつ、ガスバリアフィルムと電子素子を十分に接着することができ、封止後の電子素子機能が良好である電子素子パネルの封止方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決することを目的に鋭意研究を行った結果、特定の組成の光硬化性接着剤層を用いて、該光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が特定の範囲より小さくなるまで光硬化することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、以下の構成の本発明によって、上記課題は解決された。
[1] ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であるフィルム複合体を、フィルム複合体の光硬化性接着剤層が電子素子に接するように積層する工程の後に、該光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化する工程を含むことを特徴とする電子素子パネルの封止方法。
[2] ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であり、該光硬化性接着剤層を光硬化した後の400nmにおける光吸収率を1%未満にできることを特徴とする、フィルム複合体。
[3] 前記光硬化性樹脂が、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、および、これら3種類のうちの少なくとも1つとアルキルアリルケトンオリゴマーとの混合物からなる群から選ばれる光重合開始剤を含むことを特徴とする[2]に記載のフィルム複合体。
[4] 前記ガスバリアフィルムが、熱可塑性樹脂から構成される支持体の一方の面上に、少なくとも一層の有機層および少なくとも一層の無機層が交互に積層した構造を有することを特徴とする[2]または[3]に記載のフィルム複合体。
[5] 350nm〜450nmの全範囲の波長に対する光吸収率が1%以下である保護フィルムが前記フィルム複合体の光硬化性接着剤層の少なくとも上側の全面に形成されていることを特徴とする[2]〜[4]のいずれか一項に記載のフィルム複合体。
[6] 前記光硬化性接着剤層は前記ガスバリアフィルム上に、ガスバリアフィルムからはみ出すことなく設置されており、かつ、前記保護フィルムに完全に覆われており、前記保護フィルムの端面から前記光硬化性接着剤層の端面までの距離が少なくとも1cm以上あることを特徴とする[5]に記載のフィルム複合体。
[7] ロール状に巻き取られていることを特徴とする[2]〜[6]のいずれか一項に記載のフィルム複合体。
[8] ロール状に巻き取られた側面部が、遮光性板で覆われていることを特徴する[7]に記載のフィルム複合体。
[9] 前記フィルム複合体が、[2]〜[8]のいずれか一項に記載のフィルム複合体であることを特徴とする[1]に記載の電子素子パネルの封止方法。
[10] 前記光硬化工程の直前に該保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする[1]または[9]に記載の電子素子パネルの封止方法。
[11] インラインで行うことを特徴とする[1]、[9]および[10]のいずれか一項に記載の電子素子パネルの封止方法。
[12] [1]および[9]〜[11]のいずれか一項に記載の電子素子パネルの封止方法を含むことを特徴とする電子素子パネルの製造方法。
[13] [12]に記載の素子パネルの製造方法で製造されたことを特徴とする、電子素子パネル。
本発明の素子パネルの封止方法によれば、封止の際の接着剤硬化プロセスを迅速化しつつ、ガスバリアフィルムと電子素子を十分に接着することができ、封止後の電子素子機能が良好である。また、本発明のフィルム複合体を用いると、本発明の素子パネルの封止方法を好ましく実施することができる。さらに、本発明の素子パネルの封止方法を用いた素子パネルの製造方法は、従来の熱硬化性接着剤を用いた製造方法よりも単時間で製造できるため、生産効率が高い。
本発明のフィルム複合体の好ましい態様の一例を表す概略図である。 図1の本発明のフィルム複合体の好ましい態様の一例の概略図において、巻き戻したフィルムの断面形状を表す概略図である。 本発明のフィルム複合体の好ましい態様の一例を表す、巻き戻したフィルムの断面形状を表す概略図である。 本発明のフィルム複合体の好ましい態様の一例を表す概略図である。 図4の本発明のフィルム複合体の好ましい態様の一例の概略図において、巻き戻したフィルムの断面形状を表す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
[電子素子パネルの封止方法]
本発明の電子素子パネルの封止方法(以下、本発明の方法とも言う)は、ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であるフィルム複合体を、フィルム複合体の光硬化性接着剤層が電子素子に接するように積層する工程の後に、該光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化する工程を含むことを特徴とする。以下、本発明の方法の好ましい態様について、詳細に説明する。
本発明の電子素子パネルの封止方法は、インラインで行うことが好ましい。すなわち、前記フィルム複合体がロール状であり、フィルム複合体を電子素子に積層するまで同一のラインで行うことが好ましい。
さらに、本発明の方法は、光硬化性接着剤層の感光を防ぐ工程を含むことが好ましい。この工程を含むことによって、フィルム複合体を電子素子に積層・光硬化させた際の接着力を安定して発現させることが可能となる。前記光硬化性接着剤層の感光を防ぐ工程としては、前記フィルム複合体の作成工程から前記光硬化する工程までの間の工程をセーフライト下で行うか、前記フィルム複合体に後述する保護フィルムを形成する工程を挙げることができる。後者は、電子素子に接するよう積層する工程の直前まで保護フィルムとともに取り扱うことによって、取り扱い時の不意の曝光においても接着力が予想外の劣化を起こすことなく安定した接着力を発現できる。
<<1.フィルム複合体を電子素子に積層する工程>>
本発明の電子素子パネルの封止方法は、ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であるフィルム複合体を、フィルム複合体の光硬化性接着剤層が電子素子に接するように積層する工程を含む。
<フィルム複合体>
本発明のフィルム複合体は、ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であり、該光硬化性接着剤層を光硬化した後の400nmにおける光吸収率が1%未満にできることを特徴とする。
(ガスバリアフィルム)
本発明のフィルム複合体は、前記ガスバリアフィルムが、熱可塑性樹脂から構成される支持体の一方の面上に、少なくとも一層の有機層および少なくとも一層の無機層が交互に積層した構造を有することが好ましい。
前記ガスバリアフィルムは、前記ガスバリア層がさらにその他の有機層を含む態様も好ましい。
本発明におけるガスバリアフィルムは、特開2009−094051号公報の段落番号0011〜0030の記載に従って構成することができる。
本発明の方法は、特に紫外線透過性に乏しい材料をガスバリアフィルムの支持体として用いる必要がある場合に極めて有効であるが、支持体の光透過性が著しく低い場合、例えば金属箔を支持体として用いる場合は十分に機能を発揮できない。すなわち、後述する光硬化型接着剤とのマッチングが重要であって、本発明においては、ガスバリアフィルムの支持体の400nm〜450nmにおける全光線透過率の平均値が50%以上あることが好ましく、80%以上あることがより好ましく、90%以上あることが特に好ましい。また、ガスバリアフィルムの支持体は、全光線透過率が80%を下回る最大波長が420nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましい。
(光硬化性接着剤層)
本発明のフィルム複合体は、ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有する。
前記光硬化性接着剤層は、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、400〜420nmであることがより好ましい。
前記光硬化性接着剤層は、フォトブリーチング性を有する。
また、前記光硬化性接着剤層は光硬化した後の400nmにおける光吸収率を1%未満にすることができる。このような光硬化性接着剤層の構成について、以下において説明する。
前記光重合性樹脂は、光重合開始剤と重合性化合物とを少なくとも含む。重合性化合物は、付加重合性化合物であることが好ましく、ラジカル重合性化合物であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和化合物であることが特に好ましい。また、本発明に用いることができる重合性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
ラジカル重合性化合物として、エチレン性不飽和結合を有する化合物(エチレン性不飽和化合物)を使用することが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニル化合物(例えば、脂肪族ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、N−ビニル化合物)が例示できる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」との記載は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」のいずれか一方、又は両方を指す省略的な表記であり、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレート等の表記も同様である。
これらの中でもエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、各種(メタ)アクリレートモノマーが好ましく使用でき、アクリレートモノマーがより好ましい。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソアミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーが挙げられる。
また、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
前記光硬化性樹脂は、少なくとも光重合開始剤が、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、および、これら3種類のうちの少なくとも1つとアルキルアリルケトンオリゴマーとの混合物からなる群から選ばれる光重合開始剤を含むことが好ましい。
電子素子パネルは封止後に両面をハイバリア性の材料で挟むことが必要になるが、上記の群から選ばれる光重合開始剤を用いると、封止後の電子素子パネル層内に滞留する接着剤層からの揮発物を低減することができ、長期の作動信頼性を持つ電子素子パネルを提供することできる。
光重合開始剤の種類にもよるが、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、および、これら3種類のうちの少なくとも1つとアルキルアリルケトンオリゴマーとの混合物からなる群から選ばれる光重合開始剤を用いる場合、前記光重合開始剤の含有量は前記光硬化性接着剤層の光硬化した後の400nmにおける光吸収率を1%未満にする観点から、前記重合性化合物100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましい。また、前記光重合開始剤の含有量は、前記光硬化性接着剤層の光硬化した後の400nmにおける光吸収率を0.5%未満にする観点から、前記重合性化合物100質量部に対して7質量部以下とすることがより好ましく、5質量部とすることが特に好ましい。
(保護フィルム)
本発明のフィルム複合体は、350nm〜450nmの全範囲の波長に対する光吸収率が10%以下である保護フィルムが、前記フィルム複合体の光硬化性接着剤層の少なくとも上側の全面に形成されていることが、光硬化性接着剤層の物理的保護および光からの保護の観点から好ましい。350nm〜450nmの全範囲の波長に対する前記保護フィルムの光吸収率は、1%未満であることがより好ましく、0.5%未満であることが特に好ましい。
また、光硬化性接着剤層を含むフィルム複合体は光により迅速に硬化するがゆえに、遮光が十分でない場合は接着剤層が短時間で感光してしまい、封止の際十分な性能を発揮できない。本発明のフィルム複合体は、光硬化性接着剤層を含むため、貼り合せ前のフィルム複合体は遮光保存が必要である。本発明のフィルム複合体が前記保護フィルムを有することで、本発明の方法を明室(着色灯等の、セーフライトでない、白色灯下)で行うことができ、好ましい。また、保管時の性能安定性にも優れ、好ましい。
前記保護フィルムの基材としては、PE、PET、PVC、PVA、PMMA、PC、PP、PS、ABSなど保護フィルムに常用される材料を利用することができる。
本発明のフィルム複合体に保護フィルムを形成する場合の好ましい態様を図1〜図3に示す。図1および図2のように、本発明のフィルム複合体4は、保護フィルム3が、光硬化性接着剤層2の少なくとも上側の全面に形成されていることが好ましく、光硬化性接着剤層2の横幅よりも幅広く形成されていることがより好ましい。
本発明のフィルム複合体は、前記光硬化性接着剤層は前記ガスバリアフィルム上に、ガスバリアフィルムからはみ出すことなく設置されており、かつ、前記保護フィルムに完全に覆われており、前記保護フィルムの端面から前記光硬化性接着剤層の端面までの距離が少なくとも1cm以上あることが好ましく、1.5cm以上であることがより好ましい。このように接着剤の形成幅よりも広く保護フィルムで覆うことにより、端面からフィルム内部を伝わって侵入する光による保管時の重合反応進行を抑えることができ、好ましい。
本発明のフィルム複合体の上記好ましい態様を、図2を用いて説明すると、前記光硬化性接着剤層のフィルム幅方向両端部から、前記保護フィルム端部までの距離5が、1cm以上であることが好ましい。
特に、以下に記載するようなロール状に巻き取られた状態である場合、ロールの巻き始めおよび巻き終わりには接着剤層を塗布せず、ガスバリアフィルムあるいはガスバリアフィルムの基材のみと、保護フィルムとの積層のみからなる部分を設けておくことが好ましい。
また、本発明の複合体は、図3のように、保護フィルム3がガスバリアフィルムの支持体1b側にも形成されていてもよい。
(形状)
本発明のフィルム複合体は、ロール状に巻き取られた状態から直接供給されても、一度ロール状に巻き取られた後に巻き戻した(フィルム状に広げられた)後で供給されても本発明の方法に用いることができる。本発明のフィルム複合体は、インラインで全工程を行う観点から、ロール状に巻き取られていることが好ましい。すなわち、工程をより簡略化できる観点から、好ましい。
本発明のフィルム複合体は、ロール状に巻き取られた側面部が、遮光性板で覆われていることが、端面からフィルム内部を伝わって侵入する光による保管時の重合反応進行をさらに効率的に抑える観点から、好ましい。本発明のフィルム複合体が、ロール状に巻き取られた側面部が遮光性板で覆われている態様を図4および図5に示す。遮光性板6は、図5のように光硬化性接着剤層2のフィルム幅方向両端部が保護フィルム3で覆われていない場合に、本発明のフィルム複合体4の両側面を覆うように用いることが、特に好ましい。
前記遮光性板としては、特に制限はないが、450nm以下の波長の光を遮光できることが好ましい。
(フィルム複合体の製造方法)
本発明のフィルム複合体は、光重合開始剤を含み、最大吸収波長が400〜450nmであり、フォトブリーチング性を有する光硬化性接着剤層を、ガスバリアフィルムの一方の面上に積層して製造することができる。
前記光硬化性接着剤層の形成方法としては、本発明の趣旨に反しない限り特に制限はなく、例えば、ディップコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアロールコート法、スライドコート法、スプレーコート法、スリットコート法、ギーサー法などの各種塗布法、あるいは、転写ロールやスクリーン印刷の手法を用いた転写法などによって形成することができる。前記光硬化性接着剤層は、ガスバリアフィルム側に設けた後保護フィルムを設けてもよいし、保護フィルム側に設けてガスバリアフィルムと積層させてもよい。
これらの塗布法の中でも、特にロール形態においてガスバリアフィルム側に前記光硬化型接着剤層を連続的に塗布して設ける場合、エアーナイフコート法、スプレーコート法、ギーサー法が好ましい。
前記光硬化性接着剤層を前記ガスバリアフィルムの一方の面上に積層した後に、350nm〜450nmの全範囲の波長に対する光吸収率が1%以下である保護フィルムを前記フィルム複合体の光硬化性接着剤層の少なくとも上側の全面に形成することが好ましい。
350nm〜450nmの範囲の平均光透過率が1%以下の保護フィルムを形成する方法としては、前記保護フィルムの基材に対し、顔料、染料、無機微粒子を基材に混合する方法、あるいはこれらを含む層を基材上に設ける方法、または、金属蒸着膜を基材上に設ける方法により、達成することができる。
保護フィルムは、一般的なラミネートの手法、例えば、ロール等で圧着する方法でもってガスバリアフィルムと貼り合せることが好ましい。保護フィルムを設ける際は、特にガスバリアフィルム側に光硬化型接着剤層が設けられている場合、光硬化型接着剤層を完全に覆うように設けられていることが、接着剤組成物の転写や、接着剤組成物の感光を防ぐ意味において好ましい。
前記保護フィルムを形成したフィルム複合体を、ロール状に巻き取る工程を含むことが好ましい。前記フィルム複合体を巻き取る方法としては、特に制限はないが、ガスバリアフィルムを含むフィルム複合体をロール状に巻き取って保管する場合は、ガスバリアフィルムの構成層にかかる応力の観点から、支持体が内側になるように巻き取ることが一般的である。
前記ロール状に巻き取られた保護フィルムを形成したフィルム複合体の側面部を、遮光性板で覆う工程を含むことが好ましい。
本発明の電子素子パネルの封止方法は、前記ロール状に巻き取られたフィルム複合体を用いて、以降の工程をインラインで行うことが好ましい。
<<2.保護フィルムを剥離する工程>>
本発明の電子素子パネルの封止方法は、前記光硬化工程の直前に該保護フィルムを剥離する工程を含むことが、光硬化性接着剤による接着性を改善する観点から好ましい。
<<3.光硬化する工程>>
本発明の電子素子パネルの封止方法は、前記フィルム複合体を、各フィルム複合体の光硬化性接着剤層が電子素子に接するように積層した後に、該光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化する工程を含む。
前記光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化することで、硬化した後の接着剤層が、封止後の電気素子への透過光を妨げにくくする観点や、電気素子の発光を吸光し難くする観点から(例えばEL素子のB帯発光を吸光し難くなり)、好ましい。前記光硬化は、前記光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで行うことが好ましく、0.5%未満になるまで行うことがより好ましい。
本発明の方法において、前記光硬化性接着剤層を硬化する際に用いる光としては、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、LEDアレイ、半導体レーザー光源などを挙げることができる。また、これらの光源に適宜光学フィルターを組み合わせることによって所望の波長帯のみを取り出して使用することもできる。また、前記光硬化性接着剤層を硬化する際に用いる光の波長は、350〜450nmであることが好ましく、360〜420nmであることが特に好ましい。
[電子素子パネルの製造方法、電子素子パネル]
本発明の電子素子パネルの製造方法は、本発明の電子素子パネルの封止方法を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子素子パネルは、本発明の電子素子パネルの製造方法で製造されたことを特徴とする。
以下、本発明の応用例を記載する。
(電子素子)
本発明における電気素子とは、電圧印加等の電気的変化を素子にインプットとして加えることにより発光、電気抵抗値変化、色相変化、分子配向変化等をアウトプットとして発現する素子、あるいは、光照射、エネルギー線照射、圧力印加、熱印加などの環境変化を素子にインプットとして加えることにより発電、電気抵抗値変化などの電気的変化をアウトプットとして発現する素子のことを言う。本発明の電子素子パネルの製造方法は、特に、常温常圧下において使用した場合にも、水や酸素等により経年劣化し得る電子素子を含む電子素子パネルに対し適用されることが好ましい。本発明の電子素子パネルに好ましく用いられる電子素子の例としては、具体的には、光電変換素子が挙げられ、発光素子または発電素子がより好ましく、有機EL素子、液晶表示素子、太陽電池、電子ペーパー、ディスプレイパネル、タッチパネル等がさらに好ましい。前記光電変換素子の他に本発明の電子素子パネルに用いることができる電子素子としては、例えば、薄膜トランジスタなどを挙げることができる。
(有機EL素子)
ガスバリアフィルムを用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
(液晶表示素子)
液晶表示素子としては、特開2009−172993号公報の段落番号0044の記載を参酌することができる。
(太陽電池)
本発明におけるガスバリアフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明におけるガスバリアフィルムは、接着層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明におけるガスバリアフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(電子ペーパー)
本発明におけるガスバリアフィルムは、電子ペーパーにも用いることができる。電子ペーパーは反射型電子ディスプレイであり、高精細且つ高コントラスト比を実現することが可能である。
電子ペーパーは、基板上にディスプレイ媒体および該ディスプレイ媒体を駆動するTFTを有する。ディスプレイ媒体としては、従来知られているいかなるディスプレイ媒体でも用いることができる。電気泳動方式、電子粉粒体飛翔方式、荷電トナー方式、エレクトロクロミック方式等のいずれのディスプレイ媒体であっても好ましく用いられるが、電気泳動方式のディスプレイ媒体がより好ましく、なかでもマイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイ媒体が特に好ましい。電気泳動方式のディスプレイ媒体は、複数のカプセルを含むディスプレイ媒体であり、該複数のカプセルのそれぞれが懸濁流体内で移動可能な少なくとも1つの粒子を含む。ここでいう少なくとも1つの粒子は、電気泳動粒子または回転ボールであることが好ましい。また、電気泳動方式のディスプレイ媒体は、第1の面および該第1の面と対向する第2の面を有し、該第1および該第2の面の内の1つの面を介して観察イメージを表示する。
また、基板上に設けられるTFTは、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有し、活性層とソース電極の間か活性層とドレイン電極の間の少なくとも一方に、電気的に接続する抵抗層をさらに有する。電子ペーパーは、電圧印加により光の濃淡を生じる。
高精細なカラー表示の電子ディスプレイを製造する場合は、アライメント精度を確保するためにカラーフィルター上にTFTを形成することが好ましい。ただし、電流効率が低い通常のTFTで必要な駆動電流を得ようとしてもダウンサイジングに限界があるため、ディスプレイ媒体の高精細化に伴って画素内のTFTが占める面積が大きくなってしまう。画素内のTFTが占める面積が大きくなると、開口率が低下しコントラスト比が低下する。このため、透明なアモルファスIGZO型TFTを用いても、光透過率は100%にはならず、コントラストの低下は避けられない。そこで、例えば特開2009−021554号公報に記載されるようなTFTを用いることにより、画素内のTFTの占める面積を小さくして、開口率とコントラスト比を高くすることができる。また、この種のTFTをカラーフィルター上に直接形成すれば、高精細化も達成することができる。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載のタッチパネル等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガスバリアフィルムの作成
特開2009−094051号公報の段落番号0050〜0058の記載に準じて、支持体としてPENフィルム(帝人デュポン(株)製、Q65A、厚み100μm、幅300mm)を用い、その上に有機層、無機層、有機層をこの順に積層したガスバリア層を積層し、段落番号0058の資料No.101に準じたガスバリアフィルムを作成した。
光硬化性接着剤層の形成
前記ガスバリアフィルム上に光硬化性接着剤層を形成した。
具体的には、光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ製、商品名ダロキュアTPO)2重量部と、光重合性モノマーとしてウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:UA−306H)35重量部、1,6ヘキサンジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレート1,6HX−A)35重量部、フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPO−A)30重量部を含む樹脂を、溶剤であるメチルエチルケトン1000重量部に溶解したものをガスバリアフィルム上に両端に1.5cmの未塗布部が出来るよう、27cm幅にて塗布し、溶剤を乾燥除去して光硬化性接着剤層を形成した。得られた接着剤層の厚みは1μmであった。ロールの巻き始めと巻き終わりには、接着剤層を塗布しない部分を5m設けた。
なお、本工程および以降の工程(保管も含む)において、特に明記しない限りはセーフライト、具体的には黄色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、型式:FLR40SY/MP NU)下で実施した。
保護フィルムの形成
保護フィルムとして、剥離フィルム材(パナック(株)製、NP-75-A、幅300mm)の基材フィルム側に黒色染料を塗布して黒色としたものを、上記の要領で光硬化性接着剤層をガスバリアフィルム上に形成した後巻き取りロールに巻き取る際、ガスバリアフィルムの両面に添わせてともに巻き取ることによって、ガスバリアフィルムの両面を保護フィルムで覆ったフィルム複合体とした。
フィルム複合体の巻き取りおよび保管
作成したフィルム複合体を、ガスバリアフィルムの支持体側が内側になるように100m巻き取った。
有機EL素子の製造
有機EL素子は、特開2009−094051号公報の段落番号0059の記載に従って、段落番号0063の試料No212に記載の有機EL素子(封止される前の状態)を作成した。
この有機EL素子に、前記保管後のフィルム複合体の保護フィルムを有機EL素子と積層する直前にインラインで除去し、光硬化性接着剤層と有機EL素子を貼り合せた。
その後、波長360nmより短波長の紫外線をカットした高圧水銀ランプ光(出力120W)を、ガスバリアフィルム側から1.2J/cm2(約2分間)照射して硬化させた。
(実施例2)
光硬化性接着剤層側のみ黒色保護フィルムで保護してあるロール状のフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2を行った。なお、前記ロール状のフィルムの両側は、フィルムの巻き取り後遮光性板(黒色染料で着色したアクリル樹脂板、400nmにおける光透過率=0.1%未満)で覆った。
(実施例3)
保護フィルムを、無着色の剥離フィルム材(パナック(株)製、NP-75-A、幅300mm)に変更にした以外は実施例1と同様にして、実施例3を行った。
(実施例4)
保護フィルムを280mm幅に変更した以外は実施例1と同様にして実施例4を行った。
(実施例5)
実施例1で作成したガスバリアフィルム(接着剤層を設けていないもの)を300mm×420mmにカットし、辺部1.5cmをマスクした状態でスプレーコートを行って中心部の270mm×390mmの範囲に前述の光硬化型接着剤層組成物を乾燥膜厚が1μmになるよう光硬化型接着剤層を設けた。マスクを除いた後さらに、300mm×420mmにカットした上述の保護フィルムを、ハンドローラーを用いて両面に貼り合せて複合フィルムを作成した。ELパネルの作成およびその他の評価は、実施例1と同様にして行い、実施例5とした。
(実施例6)
実施例5において、光硬化型接着剤層を設ける範囲を中心部の290mm×410mmとした以外は実施例5と同様にして行い、実施例6とした。
(実施例7)
実施例5において、保護フィルムを光硬化型接着層側のみに設け、ガスバリアフィルム側には設けなかった以外は実施例5と同様にして行い、実施例7とした。
(実施例8)
実施例1において、光重合開始剤を8重量部加えた以外は実施例1と同様にして行い、実施例8とした。
(比較例1)
最大吸収波長380nmの光重合開始剤Bとして、α−ヒドロキシアセトフェノン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1を行った。
(比較例2)
フォトブリーチング性を有しない光重合開始剤Cとして、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製、商品名:KAYACURE DETX)1重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ製、商品名:イルガキュア907)の組み合せを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2を行った。
(比較例3)
上記実施例1中で作成した光硬化性接着剤層積層前のガスバリアフィルムを用いて、特開2009−094051号公報の段落番号0059の記載に従って、段落番号0063の試料No212に記載の有機EL素子(封止された状態)を作成した。封止は、熱硬化型接着剤(ダイゾーニチモリ(株)製、商品名:エポテック310)を用い、65℃で3時間加熱することにより行った。
(接着剤層の最大吸収波長、光吸収率とフォトブリーチング性)
各実施例、比較例において、有機EL素子の代わりに10cm角のガラス基板(コーニング製、品番:1737、厚み0.7mm)を用いてガラス基板とフィルム複合体とを貼り合せ、そのまま紫外可視分光光度計(日本分光(株)製、V−560)にて硬化前の接着剤層の最大吸収波長を測定した。得られた結果を下記表1に示した。
さらに、各実施例、比較例1および2についてはガラス板側からUVランプ(メタルハライドランプ)を1J/cm2照射して接着剤層を硬化した。比較例3については、同様の貼り合せを行い、65℃で3時間加熱して、それぞれ接着剤層を硬化させた。硬化させたサンプルを上記と同様に測定し、硬化前後のスペクトルを比較して、最大吸収波長が硬化後で短波化していればフォトブリーチング性は○とし、短波化していなければ×とした。
また、400nmにおける光吸収率について、0.5%未満であれば◎とし、0.5%以上1%未満であれば○とし、1%以上であれば×とした。
(接着力試験)
有機EL基板の代わりに、2.6cm×7.6cmのスライドガラス上に、厚さ3μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付けたガラス板を用い、ガスバリアフィルム側からUVランプを照射した以外は、接着剤層の光吸収率測定と同様にしてガラス板とフィルム複合体とを貼り合せた。次に、ガラス基を固定し、フィルム複合体の貼り合せ余り部分を3kgfの力で引っぱり、ガラス板とフィルム複合体の剥離の有無を目視で確認して剥離が全く発生しなかったものを○とし、部分的に剥離が発生したものを△とし、完全に剥離したものを×とした。得られた結果を下記表1に示した。
(青色有機EL素子の輝度)
封止直後の青色有機EL素子について、輝度を瞬間マルチ測光システム(大塚電子(株)製、商品名:MCPD-7000)を用いて、発光体測定方法によって測定し、各実施例・比較例の発光輝度を、比較例3の発光輝度を基準(100%)に、99.5%以上の発光輝度であった場合を◎、99.0%以上の発光輝度であった場合を○とし、発光輝度が基準に対し99%以上低下していた場合を×とした。得られた結果を下記表1に記載した。但し、比較例1については接着力試験において十分な接着力を示さず機能的に不十分であるため、本試験は行わなかった。
(保存経時後の封止力および剥離力)
セーフライトではない白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、型式名:FLR40SN-EDL/M.NU)直下に20℃、相対湿度40%を保って1時間上記のフィルム複合体を置き、その後上述の接着力試験を行った。フィルムとガラス板とが剥離しなかったものを○とし、部分的に剥離したものを△とし、剥離したものを×とした。ただし比較例1については、作成直後の試験結果が×であったので本試験は実施しなかった。フィルム複合体の膜面における照度は、2000ルクスであった。
Figure 2011056775
表1より、実施例1〜8は、比較例1〜3に対して、封止の際の接着剤硬化プロセスを迅速化しつつ、ガスバリアフィルムと電子素子を十分に接着することができ、封止後の輝度が良好であることがわかった。
1 ガスバリアフィルム
1a ガスバリア層
1b ガスバリアフィルムの支持体
2 光硬化性接着剤層
3 保護フィルム
4 フィルム複合体
5 接着剤層の端部と保護フィルムの端部との距離
6 光遮蔽板

Claims (13)

  1. ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であるフィルム複合体を、フィルム複合体の光硬化性接着剤層が電子素子に接するように積層する工程の後に、
    該光硬化性接着剤層の400nmにおける光吸収率が1%未満になるまで光硬化する工程を含むことを特徴とする電子素子パネルの封止方法。
  2. ガスバリアフィルムの一方の面上に光硬化性接着剤層を有し、
    該光硬化性接着剤層が、硬化前における最大吸収波長が400〜450nmであり、かつ、硬化前にフォトブリーチング性を有する光硬化性樹脂であり、
    該光硬化性接着剤層を光硬化した後の400nmにおける光吸収率を1%未満にできることを特徴とする、フィルム複合体。
  3. 前記光硬化性樹脂が、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、および、これら3種類のうちの少なくとも1つとアルキルアリルケトンオリゴマーとの混合物からなる群から選ばれる光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項2に記載のフィルム複合体。
  4. 前記ガスバリアフィルムが、熱可塑性樹脂から構成される支持体の一方の面上に、少なくとも一層の有機層および少なくとも一層の無機層が交互に積層した構造を有することを特徴とする請求項2または3に記載のフィルム複合体。
  5. 350nm〜450nmの全範囲の波長に対する光吸収率が1%以下である保護フィルムが前記フィルム複合体の光硬化性接着剤層の少なくとも上側の全面に形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のフィルム複合体。
  6. 前記光硬化性接着剤層は前記ガスバリアフィルム上に、ガスバリアフィルムからはみ出すことなく設置されており、かつ、前記保護フィルムに完全に覆われており、前記保護フィルムの端面から前記光硬化性接着剤層の端面までの距離が少なくとも1cm以上あることを特徴とする請求項5に記載のフィルム複合体。
  7. ロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載のフィルム複合体。
  8. ロール状に巻き取られた側面部が、遮光性板で覆われていることを特徴する請求項7に記載のフィルム複合体。
  9. 前記フィルム複合体が、請求項2〜10のいずれか一項に記載のフィルム複合体であることを特徴とする請求項1に記載の電子素子パネルの封止方法。
  10. 前記光硬化工程の直前に該保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする請求項1または9に記載の電子素子パネルの封止方法。
  11. インラインで行うことを特徴とする請求項1、9および10のいずれか一項に記載の電子素子パネルの封止方法。
  12. 請求項1および9〜11のいずれか一項に記載の電子素子パネルの封止方法を含むことを特徴とする電子素子パネルの製造方法。
  13. 請求項12に記載の電子素子パネルの製造方法で製造されたことを特徴とする、電子素子パネル。
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