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JP2011051408A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2011051408A JP2009200327A JP2009200327A JP2011051408A JP 2011051408 A JP2011051408 A JP 2011051408A JP 2009200327 A JP2009200327 A JP 2009200327A JP 2009200327 A JP2009200327 A JP 2009200327A JP 2011051408 A JP2011051408 A JP 2011051408A
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Yoshiki Nakata
良樹 中田
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Abstract

【課題】スノー性能を、ドライ路面での制動性能に影響を与えることなしに改善できる空気入りタイヤを提案する。
【解決手段】タイヤの回転する向きに沿って設けられた複数の周溝1と、タイヤの幅方向に沿って設けられた複数の横溝2とによって区画形成された複数のブロック3を基調としたトレッドパターンからなる空気入りタイヤにおいて、前記ブロック3のうち、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bに、そのブロック側壁を貫いて該周溝1に一端を開口させたラグ溝4を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、雪上路面を走行するのに適した空気入りタイヤに関するものであり、スノー性能、とくにトラクション性能を、ドライ路面での制動性能を損なうことなしに改善しようとするものである。
雪上路面を走行するのに適した空気入りタイヤとしては、複数本の周溝と横溝によって区画されたブロックを基調としたトレッドパターンを有する空気入りタイヤが適用されており、スノー性能(トラクション性能、制動性能等)の改善を図るために、従来は、各ブロックに多数のサイプ、幅方向溝を配置してエッジ長さを長くすることによって対応しているのが一般的であった。
ところで、この種の空気入りタイヤにおいては、ブロック一つ当たりにおいて形成されるサイプ等の数が多すぎる場合、タイヤ周方向のパターン剛性が低下し却って雪上路面でのトラクション性能を低下させてしまうことがあるとともに、ドライ路面での制動性能に影響を与える原因になっていた。
氷雪路での走行に適した空気入りタイヤに関する先行技術としては、周方向主溝と、横方向溝によりブロック列を形成し、各ブロックに一本以上の横方向サイプを配置するとともに、該ブロック列を縦断して周方向に伸びる細溝を設け、接地面における該細溝の面積和を総接地面積の0.02〜0.08倍に設定することで、タイヤ走行条件により接地圧分布が大きく変化するときでも容易にそれに追従させて十分なエッジ効果を発揮させた空気入りラジアルタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ショルダーブロックに周方向細溝を設け、その外側のブロック片に周方向サイプを配置することにより氷雪路走行字における耐横滑り性及び耐ワンダリング性能を向上させるとともに、トレッドショルダー部の破損を防止して耐久性の改善を図った空気入りラジアルタイヤも知られている(例えば、特許文献2参照)が、この種の空気入りタイヤにおいては、ドライ路面でのとくに制動性能については、上記の従来技術においては未だ十分なものとはいえないのが現状であった。
特開平7−329517号公報 特許第3133800号明細書
本発明の課題は、スノー性能を、ドライ路面での制動性能を損なうことなしに改善し得る空気入りタイヤを提案するところにある。
本発明は、タイヤの回転する向きに沿って設けられた複数の周溝と、タイヤの幅方向に沿って設けられた複数の横溝とによって区画された複数のブロックを基調としたトレッドパターンからなる空気入りタイヤにおいて、
前記ブロックのうち、ショルダー側に配列されたブロックに、そのブロック側壁を貫いて該周溝に一端を開口させたラグ溝を設けたことを特徴とする空気入りタイヤである。
上記の構成からなる空気入りタイヤにおいて、ラグ溝のうち、ショルダー側の周溝に開口するラグ溝は、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも長い溝長さを有するものが好ましい。
また、前記ラグ溝のうち、ショルダー側の種溝に開口するラグ溝は、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも短い溝長さを有するものとしてもよい。
また、前記ラグ溝としては、ブロックの周方向中央域に設けるのが望ましい。
前記ショルダー側に配列されたブロックには、JATMAで規定される正規内圧、正規荷重のもとで接地させたときのブロック接地端から該ショルダー側に配列されたブロックに隣接する周溝側のブロック端に至るまでの間の実質真ん中に位置し、溝端を前記横溝においてそれぞれ開口する周方向細溝を設けるのが望ましく、この場合、ラグ溝は、該周方向細溝によって区分された一方の領域に位置させ、該周方向細溝によって区分されたもう一方の領域には、ブロックの周方向中央域においてタイヤの実質幅方向に沿って切り込まれブロック側壁を貫いて該周溝に一端を開口させた横方向細溝(横方向サイプ)を設けることができる。
前記周方向細溝は、具体的には、溝幅が2mm以下、前記周溝の溝深さの60〜65%の溝深さを有するものを適用するのが好ましく、前記横方向細溝は、その開口端に、ブロック長対比11〜18%の幅、ブロック幅対比16〜26%の長さになる切欠凹所を有するものを、また、前記ラグ溝は、ブロックの実質長さ方向の真ん中に位置し、かつブロックの長さに対して7.5〜11.5%の溝幅を有するものを適用するのが好ましい。
さらに、横方向細溝と前記ラグ溝には、タイヤの幅方向に沿う軸に対して角度を付与するのが望ましく、そのうち該ラグ溝については、前記軸に対して20〜50°の溝角度を有するものとする。前記ラグ溝と横溝とは実質等しい溝角度を付与しておくことができる。
ショルダー側に配列されたブロックに、そのブロック側壁を貫いて該周溝に一端を開口させたラグ溝を設けることにより雪柱効果が得られ、トラクション性能の改善に寄与するとともに、両端を開口させたラグ溝を設ける場合に比較してブロック剛性の低下が抑制される。
ラグ溝のうち、ショルダー側の周溝に開口するラグ溝の溝長さを、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも長くすることにより、制動性能の改善が見込める(制動性能はショルダー側がとくに支配的になる。)。
ラグ溝のうち、ショルダー側の周溝に開口するラグ溝の溝長さを、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも短くすることにより、制動性能の改善が見込める(トラクション性能はセンター側が支配的になる。)。
ラグ溝をブロックの周方向中央域に設けることにより、ブロックの剛性低下を抑制しつつエッジ長を増加させることができ、これによりスノー性能の改善を図ることが可能となる。
周方向細溝として、JATMAで規定される正規内圧、正規荷重のもとで接地させたときのブロック接地端から該ショルダー側ブロックに隣接する周溝側のブロック端に至るまでの間の実質真ん中に位置し、溝端を前記横溝においてそれぞれ開口させておくことで、ブロック内の接地圧分布が変わることとなり、ブロック内のラグ溝(幅方向溝)によるブロックエッジのグリップ力が向上し、雪上路面でのトラクション性能(スノートラクション性能)が改善される。また、これにより、ブロック内の横方向の剛性のバランスが保たれるようになり、車輌の旋回時においてブロックが倒れ込むのが抑制される。
ラグ溝を、該周方向細溝によって区分された一方の領域に位置させ、該周方向細溝によって区分されたもう一方の領域に横方向細溝を設けることで、ブロック内の周方向の剛性のバランスが保たれ、制動時のブロックの倒れ込みが抑制されるとともに、雪上路面でのグリップ力が確保され、スノートラクション性能が向上する。
本発明にしたがう空気入りタイヤの実施の形態を、トレッドパターンについて示した図である。 本発明にしたがう空気入りタイヤの他の実施の形態を、ブロックの要部について示した図である。 ドライ路面での制動性能とスノートラクション性能の関係を示した図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明にしたがう空気入りタイヤのトレッドパターンの一部分を平面で模式的に示した図である。本発明に従う空気入りタイヤは、一般的なラジアルタイヤを想定しており、その内部構造についてはとくに従来構造のものとかわるところがないので、タイヤの断面については図示はしていない。
図1における1は、タイヤの回転する向きに設けられた周溝、2は、タイヤの幅方向に沿って設けられた横溝、3は、周溝1と横溝2とによって区画されたブロックである。このブロック3は、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bの列と、このショルダー側に配列されたブロック3a、3bの相互間に位置する幅方向中央ブロック3cの列から構成されものを例として示してあり、この複数のブロック3を基調としてトレッドパターンが形成されている。
また、4は、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bに設けられたラグ溝である。このラグ溝4は、その一端がショルダー側ブロック3a、3bのブロック側壁を貫いて開口している。ラグ溝4は、この例では、ショルダー側の周溝に開口するもののみを図示しており、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝(図示せず)設けられている場合にはそれよりも長い溝長さを有するものとすることで制動性能が改善され、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも短い溝長さを有するものとすることでトラクション性能が改善される。
5は、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bの周方向中央域に設けられた横方向細溝(横方向サイプ)である。この横方向細溝5は、サイプとして機能するものであり、タイヤの実質幅方向に沿って切り込まれ、ブロック側壁を貫いて周溝1に一端が開口されており、その他端については、この例では、ラグ溝4につながっていて、開口端には、切欠凹所5aが形成されている。
6は、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bに設けられた周方向細溝である。この周方向細溝6は、JATMAで規定される正規荷重、正規内圧のもとで接地させたときのブロック接地端からショルダー側に配列されたブロック3a、3bに隣接する周溝1側のブロック端に至るまでの間の真ん中に位置しており、溝端6a、6bは、横溝2においてそれぞれ開口しており、ラグ溝4は、周方向細溝6によって区分されたショルダー側領域3a、3bに位置し、該周方向細溝6によって区分されたもう一方の領域3a、3bには、横方向サイプ5が位置している。
ここで、正規荷重とは、JATMAの規格において規定されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)をいうものとし、正規内圧とは上記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧をいうものとする。
雪上性能を確保するには、レッド部の溝の数を増加させたり溝幅を拡大するのが有効であり、これにより雪上路面で確実にグリップして滑らないようにすることが可能となる一方、ドライ路面の走行に際して十分な制動性能を得るには、路面に接するトレッド表面のブロックの接地面積を増加させるべく、トレッドの剛性を十分に高く維持することが有効であって、これらの二つの性能は、背反の関係にあるものの、上記の構成からなるトレッドパターンを採用することにより、雪上路面を走行するのに求められる性能(とくにグリップ力)とドライ路面を走行するのに求められる制動性能(トレッド部の剛性)の両方を確保することが可能となる。
本発明においては、ショルダー側に配列されたブロック3a、3bに周方向細溝6を設けることとしたが、その理由は、従来、スノートラクション性能の改善を図るには、横溝の単なる追加によって対処していたが、これがブロック剛性を大きく低下させてドライ路面での制動性に影響を与える原因になっていたのであり、周方向細溝6を設けることで横溝を単に追加することなしにブロック内の接地圧分布が変えられ、これにより、ブロック内に設けたラグ溝4によるブロックエッジのグリップ力を向上させることが可能となり、スノートラクション性能が改善される。周方向細溝6を設けることでブロック剛性の落ち代が小さくなり、ドライ路面での制動性能を確保することが可能となる。雪上での旋回性能を考慮すると、周方向細溝6を設ける位置はショルダー側に配列されたブロック3a、3bに設けるのがとりわけ有効になる。
周方向細溝6の溝幅tは2mm以下とするのがよい。その理由は、周方向細溝6の溝幅tが2mmよりも広くなると、ブロックの剛性が大幅に落ちてしまいドライ路面の走行において制動性能の確保が困難となるからである。
また、周方向細溝6の溝深さについては、周溝1の溝深さの60〜65%とするのがよい。その理由は、通常、溝深さは深いほうが雪上路面でのグリップ力は向上するが、周方向細溝6の溝深さが、周溝1の溝深さの65%を超えると、ブロック内での剛性のバランスで保たれていたグリップ力が、ブロックエッジの接地圧が低下することで落ちてしまうからであり、一方、周方向細溝6の溝深さが、周溝1の溝深さの60%に満たない場合には、雪上路面でのグリップ力が不足し十分なスノートラクション性能を得ることができないからである。
周方向細溝6の位置を、JATMAで規定される正規内圧、正規荷重のもとで接地させたときのブロック接地端から該ショルダー側に配列されたブロックに隣接する周溝側のブロック端に至るまでの間の実質真ん中にすることで、ブロック内の横方向の剛性のバランスが保たれ、旋回時におけるブロックの倒れ込みが抑制される。
ラグ溝4について、ブロック3a、3bの周方向の中央域(長さ方向の実質真ん中)に設けるのがよいが、その理由は、ラグ溝4をブロック3a、3bの長さ方向の実質真ん中に設けることで、ブロック内の周方向の剛性のバランスが保たれ、制動時のブロックの倒れ込みが抑制されるからである。
ラグ溝4の溝幅Tは、通常、広いほうが雪上でのグリップ力を確保する点からは有利であるが、ブロック3a、3bの長さの11.5%を超えると、ブロックの剛性が落ちてしまい、ドライ路面の走行において制動性能への影響が懸念され、ブロック3a、3bの長さの7.5%未満では、雪上路面でのグリップ力が不足し、十分なスノートラクション性能を確保することができないことも懸念される。このため本発明においてはラグ溝4の溝幅は、ブロック3a、3bの長さの7.5〜11.5%の範囲に設定するのが望ましい。
また、ラグ溝4の溝角度θ(タイヤの回転軸と平行な直線を基準とした場合に該直線とのなす角度)は20〜50°とするのがよい。というのは、本発明は、スノートラクション性能の改善を図ることに主眼をおいているが、タイヤの実性能としては、コーナーリング時等に働く横力も考慮しなければならず、スノートラクション力と横力をバランスよく得る必要がるからである。溝角度θが20°に満たないとスノートラクション力を確保することができるものの、コーナーリング時に横流れを生じてしまい、溝角度θが50°を超えた場合にはスノートラクション性能を十分に発揮することができなくなるからであり、このため、本発明では、ラグ溝4の溝角度θは、20〜50°とする。
ラグ溝4と、横溝2との溝角度は、実質等しい角度とするのがよいが、その理由は、ラグ溝4と横溝2との溝角度を実質等しくすることで、効率よくスノートラクション性能をえることができるからである。
ラグ溝4、横方向細溝5は、それぞれ各ブロックにつき、1本ずつ設けておくのがよく、これにより雪上路面でのグリップ力が確保され、スノートラクション性能を向上させることができる。
横方向細溝5は、本発明では、ブロック3a、3bの周方向中央域(長手方向の実質真ん中)に配置するのがよいとしたが、これにより、ブロック内の周方向の剛性のバランスが保たれ、制動時にブロックの倒れ込みが抑制される。
周方向細溝6の開口端には、切欠凹所5aを設けておくことができるが、これにより、ブロック剛性を落とすことなしにスノートラクション性能の向上が見込める。
切欠凹所5aの幅nは、ブロック長(ブロックの周方向に沿う長さ)対比で11%未満では、十分なスノー性能を得ることができず、一方、ブロック長対比で18%を超えると、ブロック剛性が落ちてしまい、制動性能への影響が懸念される。このため、本発明では、切欠凹所5aの幅nは、ブロック長対比で11〜18%とする。
切欠凹所5aの長さnは、ブロック長対比で16%未満では、十分なスノー性能を得ることができず、一方、ブロック長対比で26%を超えるとブロック剛性が落ちてしまい、制動性能への影響が懸念される。このため、本発明では、切欠凹所5aの長さnは、ブロック長対比で16〜26%とする。
周方向細溝6は、図2に示すような一定の振幅をもった波形形状とすることができる。周方向細溝6にこのような波形形状を付与することによりブロック剛性の低下を抑制しスノートラクション性能の改善を図ることが可能となる。周方向細溝6として波形形状を有するものを適用する場合、一つの部分内(ラグ溝4、横方向細溝5によって区分されたそれぞれの部分)において形成される山(あるいは谷)の数は3〜5個程度有するものがよい。というのは、山(あるいは谷)の数が3未満、あるいは5を超えると横力に影響を与える懸念があるからである。
表1は、図1に示したようなトレッドパターンを有するサイズ:225/65R17の空気入りラジアルタイヤを用意してこれを適用リムに組み付け、正規内圧(210kPa)、正規荷重(4.90kN)を負荷した状態のもとで、走行試験(シュミレーション)を行い、周方向細溝6の溝幅t(溝深さは、周溝1の溝深さの約65%とした。)に対するスノートラクション性能(接地圧が高くなると、エッジの雪への噛み込みがよくなり、結果としてスノー性能が向上するので、「タイヤ周方向のブロックエッジ長さ(又はサイプのエッジ長さ)×接地圧」をスノートラクション性能の指標とした。)、ドライ路面での制動性能(ブレーキ性能)(タイヤ周方向のブロック剛性をドライ制動性能の指標とした。)の影響について調査を行った結果を示したものである(指数で表示してあり、指数が大きい程良であることを示す。)。
Figure 2011051408
表1より、スノートラクション性能については、周方向細溝6の溝幅が広がるに従って改善される傾向にあるが、ドライ路面での制動性能については溝幅が広がるにつれて小さくなっており、実車性能への影響を考慮すると、周方向細溝6の溝幅の上限は約2.0mm程度となっているのが明らかである。
図3は、周方向細溝6の溝幅tを一定にし溝深さを変化させた場合のスノートラクション性能、ドライ路面での制動性能への影響を調査した結果を示した図である。
周方向細溝6の溝深さを深くするとブロック剛性は低下する傾向にあり、溝深さが周溝の溝深さの65%程度がドライ制動性能との兼ね合いから適値をとることが明らかであり、これは、周方向細溝6の溝深さが深すぎるとブロックの、ラグ溝側の領域の剛性が落ち、接地圧が低下してしまうため溝深さについても適値が存在することを示している。
表2は、切欠凹所5aの幅に対するスノートラクション性能、ドライ路面での制動性能の影響を調査した結果を示したものである(ブロック長対比14%のものを基準としている。)。
Figure 2011051408
表2より、切欠凹所5aの幅nが広くなるに従いスノートラクション性能が改善されるものの、切欠凹所5aの幅nが22%になると下がってしまっており、これは、ブロックとしての剛性自体が落ちてしまい接地圧が低下してエッジが効果的に働かなってしまうためであり、一方、7%では、スノートラクション性能が基準対比で大きく低下してしまっており、実車走行においては、エッジが効果的に働かないと考えられる。ドライ制動性能については、切欠凹所5aの幅nが広くなるに従い小さくなっており、実車による走行において影響がない範囲としては、ブロック長対比で11〜18%の範囲となる。
表3は、切欠凹所5aの長さ(ブロック幅対比)に対するスノートラクション性能、ドライ制動性能の影響を調査した結果を示したものである(ブロック幅対比21%のものを基準としている。)。
Figure 2011051408
表3より、切欠凹所5aの長さnが変わってもスノートラクション性能はさほどの変動はないものの、10%の場合には、基準対比でスノートラクション性能がやや低下する傾向にある。これは、切欠凹所5aの長さnがブロック幅対比で10%では十分ではなく雪面への力の伝わりが不十分になっているからであると考えられる。一方、ドライ制動性能については、切欠凹所5aの長さnが長くなるに従って小さくなっており、実車による走行において影響がない範囲としては、ブロック幅対比で16〜26%の範囲となる。
表4は、周方向細溝6として図2に示すような振幅を有するものを適用した場合(波形形状(周期:3mm、振幅:2mm)につき、スノートラクション性能、ドライ制動性能への影響を調査した結果を示したものである(直線の周方向細溝を基準としている。)。
Figure 2011051408
表4より、周方向細溝5を波形形状とした場合、山の数が増すにつれてスノートラクション性能は改善される傾向にあるものの、逆に横力は小さくなっており、とくに山の数が1〜2個、あるいは6個以上の場合では、周方向細溝6に波形形状を付与するメリット以上に性能に対するデメリットが大きくなっている。このため、周方向細溝6を波形形状とするにしても山の数は3〜5個程度がよいことになる。ドライ路面での制動性能に関しては山の数に関わらず同等の値が維持されていることが明らかである。
実施例
図1に示したようなトレッドパターンを有し、表5に示すような緒元になるサイズ:225/65R17の空気入りラジアルタイヤを製造してそのタイヤを適用リムに組み付け、正規内圧(210kPa)、正規荷重(4.90kN)を負荷した状態のもとで、下記の条件で実車による走行試験を行い、スノートラクション性能、ドライ路面での制動性能(ブレーキ性能)について調査を行った。その結果を表5に併せて示す。
スノートラクション性能を調査した場合の走行条件:
速度10km/hから40km/hまでの加速タイムで評価
ドライ路面での制動性能を調査した場合の走行条件:
100km/h→0km/hの制動距離で評価
Figure 2011051408
表5より、本発明で規定する条件を一つでも満足する空気入りタイヤ(適合例1、2)においては、スノートラクション性能、ドライ路面での制動性能が改善されているのが明らかであり、条件を全て満足している場合(適合例3)については、スノートラクション性能、ドライ路面での制動性能の何れにおいても適合タイヤ1、2に増して改善効果が高いことが確かめられた。なお比較タイヤ3はトラクションのみを見ると改善効果が高いが、スノー路面での横力が極端に落ちる(基準タイヤ比で88程度)ので比較例として表示してある。
スノー性能を、ドライ路面での制動性能に影響を与えることなしに改善し得る空気入りタイヤが適用できる。
1 周溝
2 横溝
3 ブロック
4 ラグ溝
5 横方向細溝
5a 切欠凹所
6 周方向細溝

Claims (6)

  1. タイヤの回転する向きに沿って設けられた複数の周溝と、タイヤの幅方向に沿って設けられた複数の横溝とによって区画形成された複数のブロックを基調としたトレッドパターンからなる空気入りタイヤにおいて、
    前記ブロックのうち、ショルダー側に配列されたブロックに、そのブロック側壁を貫いて該周溝に一端を開口させたラグ溝を設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラグ溝のうち、ショルダー側の周溝に開口するラグ溝は、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも長い溝長さを有する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ラグ溝のうち、ショルダー側の周溝に開口するラグ溝は、タイヤの幅方向中央側の周溝に開口するラグ溝よりも短い溝長さを有する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ラグ溝は、ブロックの周方向中央域に設けられたものである、請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー側に配列されたブロックに、JATMAで規定される正規内圧、正規荷重のもとで接地させたときのブロック接地端から該ショルダー側に配列されたブロックに隣接する周溝側のブロック端に至るまでの間の実質真ん中に位置し、溝端を前記横溝においてそれぞれ開口する周方向細溝を設け、
    前記ラグ溝は、該周方向細溝によって区分された一方の領域に位置し、該周方向細溝によって区分されたもう一方の領域には、ブロックの周方向中央域においてタイヤの実質幅方向に沿って切り込まれ前記ラグ溝とは反対側のブロック側壁を貫いて該周溝に一端を開口させた横方向細溝を形成してなり、
    前記周方向細溝は、溝幅が2mm以下、前記周溝の溝深さの60〜65%の溝深さを有するものであり、前記横方向細溝は、その開口端に、ブロック長対比11〜18%の幅、ブロック幅対比16〜26%の長さになる切欠凹所を有するものであり、前記ラグ溝は、ブロックの実質長さ方向の真ん中に位置し、かつブロックの長さに対して7.5〜11.5%の溝幅を有するものであり、
    前記横方向細溝と前記ラグ溝には、タイヤの幅方向に沿う軸に対して角度が付与され、そのうち該ラグ溝については、前記軸に対して20〜50°の溝角度を有する、請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ラグ溝は、前記横溝と実質等しい溝角度を有する、請求項1〜5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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