JP2011051383A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者によるアクセル操作をスムーズとし、運転性と燃費の向上を達成すること。
【解決手段】走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機2を備えたエンジン1と、モータジェネレータ4と、を有し、要求駆動トルクをエンジントルクとモータトルクの総和により実現する駆動トルク制御を行う。このハイブリッド車両において、エンジン1のエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段(ステップS104)を備え、駆動トルク制御手段(図3)は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき(ステップS101でYES)、過給機2による過給を停止状態とし(ステップS102、ステップS103)、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償する(ステップS106)。
【選択図】図3
【解決手段】走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機2を備えたエンジン1と、モータジェネレータ4と、を有し、要求駆動トルクをエンジントルクとモータトルクの総和により実現する駆動トルク制御を行う。このハイブリッド車両において、エンジン1のエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段(ステップS104)を備え、駆動トルク制御手段(図3)は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき(ステップS101でYES)、過給機2による過給を停止状態とし(ステップS102、ステップS103)、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償する(ステップS106)。
【選択図】図3
Description
本発明は、走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機を備えたエンジンと、モータと、を有するハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、ターボチャージャー型の過給機を備えたエンジンと、モータとを備えたハイブリッド車両の制御装置において、アクセル操作に応じて過給機の目標過給圧を算出し、目標過給圧と実過給圧との差に基づいてモータのトルクを制御することでエンジントルクのレスポンス遅れを補償するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置にあっては、エンジンにターボチャージャー型の過給機を備えていて、この過給機は、エンジンからの排気を利用して過給するため、外気温や前後の運転状況等により実エンジントルクがばらつく。特に、低負荷領域のエンジン負荷が変化する過渡シーンでは、アクセルのオンオフ操作に伴う空気量や排気量の増減といったエンジントルクのばらつきに関係する因子が定常時と比較し増加するため、実エンジントルクのばらつきが大きくなる。このため、過渡シーンにおける実エンジントルクの推定精度は悪く、目標過給圧と実過給圧との差に基づいて目標トルクに対する実トルクの不足分を精度よく推定することは困難であり、トルクの不足分を適切にモータトルクで補償することができない。
よって、低負荷領域の過渡シーンにおいて、モータトルク補償量が足りないときにはアクセルを踏み増したり、モータトルク補償量が過大であるときにはアクセルの踏み込みを弱めたりして、ハンチングが生じることになり、運転者によるアクセル操作負担が増して運転性が悪化するばかりでなく、アクセル操作量の変動により燃費が悪化するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者によるアクセル操作をスムーズとし、運転性と燃費の向上を達成することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機を備えたエンジンと、モータと、を有し、要求駆動トルクをエンジントルクとモータトルクの総和により実現する駆動トルク制御を行う駆動トルク制御手段を備えている。
このハイブリッド車両の制御装置において、前記エンジンのエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段を備え、前記駆動トルク制御手段は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき、前記過給機による過給を停止状態とし、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償する。
このハイブリッド車両の制御装置において、前記エンジンのエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段を備え、前記駆動トルク制御手段は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき、前記過給機による過給を停止状態とし、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償する。
よって、本発明のハイブリッド車両の制御装置にあっては、低負荷領域のとき、駆動トルク制御手段において、過給機による過給が停止状態とされる。
例えば、エンジンからの排気を利用するターボチャージャーにより過給が発生していない場合は、ターボラグ等の発生が無く、過渡シーンであってもエンジントルクを精度よく推定することができる。
よって、過給によるトルク分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のときには、ターボチャージャーによる過給を行わないことにすることで、要求駆動トルクと自然吸気(ターボ停止)時の推定エンジントルクとの差から求まるトルクの不足分を、精度良くモータトルクで補償することができる。
この結果、低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者のアクセル操作がスムーズとなり、運転性と燃費の向上を達成することができる。
例えば、エンジンからの排気を利用するターボチャージャーにより過給が発生していない場合は、ターボラグ等の発生が無く、過渡シーンであってもエンジントルクを精度よく推定することができる。
よって、過給によるトルク分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のときには、ターボチャージャーによる過給を行わないことにすることで、要求駆動トルクと自然吸気(ターボ停止)時の推定エンジントルクとの差から求まるトルクの不足分を、精度良くモータトルクで補償することができる。
この結果、低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者のアクセル操作がスムーズとなり、運転性と燃費の向上を達成することができる。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系と制御系を示す全体システム図である。以下、図1に基づき、システム構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系と制御系を示す全体システム図である。以下、図1に基づき、システム構成を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、過給機2と、クラッチ3と、モータジェネレータ4(モータ)と、変速機5と、プロペラシャフト6と、デファレンシャル7と、左右ドライブシャフト8L,8Rと、左右駆動輪9L,9Rと、を備え、FR駆動系を構成している。
前記エンジン1は、走行用駆動源の一つであり、ターボチャージャー型の過給機2を備えている。このターボチャージャー付きエンジン1は、回転数の高まりにより排気ガス流量が多くなるにしたがってトルク勾配が立ち上がるような過給特性を発揮し、燃焼室に送り込まれる空気の密度を高めることで、燃料の燃焼効率を増大させ、エンジン排気量を超えた高出力を得ることができる。つまり、低燃費・小排気量エンジンを用いながらも高出力を得るのに適している。ただし、エンジン負荷が高い過負荷領域において、燃料噴射量を通常(例えば、理論空燃比)のまま維持すると、エンジン1の気筒内温度が上昇する。このため、燃料噴射量を通常より多くすることで、燃料の気化により燃焼室まわりを冷却している。この燃料噴射量を通常より多くする領域を、以下、「燃料増量域」という。
前記過給機2は、エンジン1からの排気を利用してタービン2aを回転させ、その回転力でコンプレッサー2bを駆動させることで、圧縮した空気をエンジン1の燃焼室に送り込み、エンジン1の出力パワーを高める装置である。
この過給機2は、図1に示すように、エンジン1からの排気ガスを、タービン2aを経過して外部に放出する排気経路10と、エアークリーナー11や図外のインタークーラー等を経過した外気を、コンプレッサー2bを経過してエンジン1の燃焼室に送り込む吸気経路12と、を有する。そして、排気経路10には、タービン2aを迂回するバイパス経路13が設けられ、このバイパス経路13のエンジン側分岐点位置に、バルブクローズ時、排気ガスを排気経路10に流し、バルブオープン時、排気ガスをバイパス経路13に流すウエストゲートバルブ14(W/Gバルブ)が設けられている。なお、吸気経路12には、アクセル開度に応じて吸気量をコントロールするスロットルバルブ15が設けられ、このスロットルバルブ15は、スロットルバルブ開度がスロットルアクチュエータ16により制御される。
この過給機2は、図1に示すように、エンジン1からの排気ガスを、タービン2aを経過して外部に放出する排気経路10と、エアークリーナー11や図外のインタークーラー等を経過した外気を、コンプレッサー2bを経過してエンジン1の燃焼室に送り込む吸気経路12と、を有する。そして、排気経路10には、タービン2aを迂回するバイパス経路13が設けられ、このバイパス経路13のエンジン側分岐点位置に、バルブクローズ時、排気ガスを排気経路10に流し、バルブオープン時、排気ガスをバイパス経路13に流すウエストゲートバルブ14(W/Gバルブ)が設けられている。なお、吸気経路12には、アクセル開度に応じて吸気量をコントロールするスロットルバルブ15が設けられ、このスロットルバルブ15は、スロットルバルブ開度がスロットルアクチュエータ16により制御される。
前記クラッチ3は、エンジン1のクランク軸とモータジェネレータ4のモータ軸との間に設けられた走行モードの切り替え要素である。
つまり、クラッチ3を切り離すと、モータジェネレータ4のみを走行用駆動源とする走行モードである電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)の選択状態になる。そして、クラッチ3を締結すると、エンジン1とモータジェネレータ4を走行用駆動源とする走行モードであるハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)の選択状態になる。「EVモード」は、例えば、バッテリ充電容量が十分であり、要求駆動トルクが低い走行域で選択される。「HEVモード」は、例えば、バッテリ充電容量が不足しているとき、あるいは、要求駆動トルクが高い走行域で選択される。
つまり、クラッチ3を切り離すと、モータジェネレータ4のみを走行用駆動源とする走行モードである電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)の選択状態になる。そして、クラッチ3を締結すると、エンジン1とモータジェネレータ4を走行用駆動源とする走行モードであるハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)の選択状態になる。「EVモード」は、例えば、バッテリ充電容量が十分であり、要求駆動トルクが低い走行域で選択される。「HEVモード」は、例えば、バッテリ充電容量が不足しているとき、あるいは、要求駆動トルクが高い走行域で選択される。
前記モータジェネレータ4は、クラッチ3の出力軸と変速機5の入力軸との間に設けられた発電/駆動要素である。
つまり、バッテリ放電によりコイルに給電されるときには、コイル給電による電気エネルギーをロータの回転エネルギーに変換し、モータ駆動トルクを出す駆動機能を発揮する。エンジン1や左右駆動輪9L,9Rからロータに対し回転駆動エネルギーが入力されるときには、回転駆動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリ充電を行う発電機能を発揮する。
つまり、バッテリ放電によりコイルに給電されるときには、コイル給電による電気エネルギーをロータの回転エネルギーに変換し、モータ駆動トルクを出す駆動機能を発揮する。エンジン1や左右駆動輪9L,9Rからロータに対し回転駆動エネルギーが入力されるときには、回転駆動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリ充電を行う発電機能を発揮する。
前記変速機5は、モータジェネレータ4のロータ軸に接続され、入力されたモータ回転数を、ギヤ位置や変速比に応じて変速し、プロペラシャフト6への出力回転数とする。この変速機としては、複数のギヤ段を自動的に切り替える有段変速機や変速比を自動的に変更する無段変速機、等が用いられる。
この変速機5の出力軸からは、プロペラシャフト6、デファレンシャル7、左右ドライブシャフト8L,8Rを経過し、駆動トルクが左右駆動輪9L,9Rに伝達される。
この変速機5の出力軸からは、プロペラシャフト6、デファレンシャル7、左右ドライブシャフト8L,8Rを経過し、駆動トルクが左右駆動輪9L,9Rに伝達される。
実施例1のハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ21と、ブーストコントローラ22と、クラッチコントローラ23と、モータコントローラ24と、変速機コントローラ25と、統合コントローラ26と、を備えている。なお、これらのコントローラ21,22,23,24,25,26は、CAN等の双方向通信線27によって情報交換可能に接続されている。
前記エンジンコントローラ21は、統合コントローラ26からのエンジン動作点(エンジン回転数Ne、エンジントルクTe)の指令に基づき、スロットルバルブ開閉制御や燃料噴射量制御や燃料気筒カット等によりエンジン1の出力を制御する。
前記ブーストコントローラ22は、エンジンコントローラ21や統合コントローラ26からの過給圧指令に基づき、エンジン1において発生する過給圧(ブースト)を制御する。このブースト制御は、エンジン1への過給を停止状態とするウエストゲートバルブ14のバルブ全開操作、エンジン1への過給を最大過給状態とするバルブ全閉操作、エンジン1への過給圧を制御状態とするバルブ開度可変操作、等により行われる。
前記クラッチコントローラ23は、統合コントローラ26において、車両の運転点(アクセル開度APO、車速VSP)やバッテリ充電容量情報に基づいて走行モードが選択されると、統合コントローラ26からのモード遷移指令に応じて、クラッチ3の切り離し(EVモード)やクラッチ3の締結(HEVモード)を制御する。
前記モータコントローラ24は、統合コントローラ26からのモータ動作点(モータ回転数Nm、モータトルクTm)の指令に基づき、コイルに印加する三相交流波の周波数と振幅を制御することによりモータジェネレータ4の動作を制御する。このモータジェネレータ4をトルク制御する場合、駆動時には正のモータトルク指令を与え、発電時には負のモータトルク指令を与える。
前記変速機コントローラ25は、車両の運転点(アクセル開度APO、車速VSP)により決められた変速指令、あるいは、統合コントローラ26からの変速指令に基づいて、ギヤ段や変速比を変更する制御を行う。
前記統合コントローラ26は、複数の入力情報に基づく演算処理により、駆動系に存在する各構成要素が駆動性能や燃費性能に対して適切に動作する動作指令を求め、この動作指令を各コントローラ21,22,23,24,25に出力することで、駆動系を統合的に管理する。この統合コントローラ26には、アクセル開度APOを検知するアクセル開度センサ28、過給圧Pcを検知するブーストセンサ29、車速VSPを検知する車速センサ30、エンジン回転数Neを検知するクランク角センサ31、モータ回転数Nmを検知するレゾルバ32、スロットルバルブ開度TVOを検知するスロットル開度センサ33、他のセンサ・スイッチ類34からの情報が入力される。
図3は、実施例1の統合コントローラ26にて実行される駆動トルク制御処理の流れを示すフローチャートである(駆動トルク制御手段)。以下、図3の各ステップについて説明する。なお、このフローチャートは、「EVモード」から「HEVモード」への移行により処理が開始され、「HEVモード」の選択中は処理が繰り返され、「HEVモード」から「EVモード」への移行により処理が終了する。
ステップS101では、「HEVモード」の選択開始からの走行時間が設定時間以下であるという時間条件と、アクセル開度APOが低負荷設定開度以下であるというアクセル開度条件が共に成立しているとき(=低負荷領域)であるか否かを判断し、YES(低負荷領域条件成立)の場合はステップS102へ進み、NO(低負荷領域条件不成立)の場合はステップS107へ進む。
ここで、「アクセル開度条件」は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能なアクセル開度領域であることを判断する条件である。
ここで、「アクセル開度条件」は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能なアクセル開度領域であることを判断する条件である。
ステップS102では、ステップS101での低負荷領域条件成立であるとの判断に続き、初期設定としてウエストゲートバルブ14をオープンとし、ステップS103へ進む。
ステップS103では、ステップS102でのウエストゲートバルブ14のオープン操作に続き、過給機2による過給を停止状態とし、エンジン1を自然吸気エンジンと同等に使用しながら、エンジン1とモータジェネレータ4で車両を駆動する「HEVモード」の選択によるHEV走行を行い、ステップS104へ進む。
ステップS104では、ステップS103での自然吸気エンジンによるHEV走行に続き、エンジントルクを、図2に示す無過給領域のエンジントルクマップにより推定し、ステップS105へ進む(エンジントルク推定手段)。
すなわち、エンジントルクは、そのときのエンジン回転数Neと、図2の無過給領域特性により推定される。
すなわち、エンジントルクは、そのときのエンジン回転数Neと、図2の無過給領域特性により推定される。
ステップS105では、ステップS104でのエンジントルクの推定に続き、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分により不足トルクを算出し、ステップS106へ進む。
ここで、「要求駆動トルク」とは、そのときのアクセル開度APOと車速VSPにより決められるトルクである。そして、推定エンジントルクは、自然吸気エンジンを使用したときの推定トルクであるため、「不足トルク」は、過給エンジンを用いる場合に比べ、過給により上昇するエンジントルク分だけ増加した値となる。
ここで、「要求駆動トルク」とは、そのときのアクセル開度APOと車速VSPにより決められるトルクである。そして、推定エンジントルクは、自然吸気エンジンを使用したときの推定トルクであるため、「不足トルク」は、過給エンジンを用いる場合に比べ、過給により上昇するエンジントルク分だけ増加した値となる。
ステップS106では、ステップS105での不足トルクの算出に続き、不足トルクをモータアシスト量とし、モータジェネレータ4でトルク補償し、リターンへ進む。
ステップS107では、ステップS101での低負荷領域条件不成立であるとの判断に続き、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であるか否かを判断し、YES(過負荷領域到達)の場合はステップS116へ進み、NO(過負荷領域未達)の場合はステップS108へ進む。
ここで、エンジントルクが過負荷領域に突入したか否かは、図2に示すエンジントルクマップを用い、エンジントルクが過給領域を超えて燃料増量領域に入ったか否かにより検知する。
ここで、エンジントルクが過負荷領域に突入したか否かは、図2に示すエンジントルクマップを用い、エンジントルクが過給領域を超えて燃料増量領域に入ったか否かにより検知する。
ステップS108では、ステップS107での過負荷領域未達であるとの判断に続き、ウエストゲートバルブ14をクローズとし、ステップS109へ進む。
ステップS109では、ステップS108でのウエストゲートバルブ14のクローズ操作に続き、過給機2による過給を開始し、または、過給状態を維持し、ステップS110へ進む。
すなわち、過給停止状態でのHEV走行開始から設定時間を超過したとき、または、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超え、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなったとき(ステップS101で低負荷領域条件不成立となったとき)、過給機2による過給を開始する。
すなわち、過給停止状態でのHEV走行開始から設定時間を超過したとき、または、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超え、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなったとき(ステップS101で低負荷領域条件不成立となったとき)、過給機2による過給を開始する。
ステップS110では、ステップS109でのエンジン過給開始またはエンジン過給維持に続き、燃料増量域でのエンジン駆動を許可するフラグAが、フラグA=1であるか否かを判断し、YES(フラグA=1)の場合はステップS111へ進み、NO(フラグA=0)の場合はステップS112へ進む。
ステップS111では、ステップS110でのフラグA=1であるとの判断に続き、フラグA=1を、フラグA=0(燃料増量域でのエンジン駆動不許可)に書き換え、ステップS112へ進む。
ステップS112では、ステップS110でのフラグA=0との判断、あるいは、ステップS111でのフラグA=0への書き換え、ステップS121での燃料増量域でのエンジン駆動に続き、目標車速と実車速の差はないか否かを判断し、YES(車速差無し)の場合はステップS113へ進み、NO(車速差有り)の場合はステップS114へ進む。
ここで、目標車速は、アクセル開度APOや走行抵抗や変速比等により決められる。実車速は、車速センサ30からの車速VSPを用いる。
ここで、目標車速は、アクセル開度APOや走行抵抗や変速比等により決められる。実車速は、車速センサ30からの車速VSPを用いる。
ステップS113では、ステップS112での車速差無しとの判断に続き、エンジン回転数Neと図2のエンジントルクマップ(過給領域特性)に基づいて過給時のエンジントルクを推定し、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分トルクを算出し、算出した差分トルクをモータジェネレータ4で補償する通常のHEV走行制御を行い、リターンへ進む。
ステップS114では、ステップS112での車速差有りとの判断に続き、エンジン回転数Neと図2のエンジントルクマップ(過給領域特性)に基づいて過給時のエンジントルクを推定し、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分によるモータトルクを、目標車速と実車速の車速差に基づいて得られる過不足トルクによりフィードバック補正してモータトルクを算出し、ステップS115へ進む。
このフィードバック補正量は、車速差を偏差とし、これにゲイン(比例ゲインや微分ゲインや積分ゲイン、等)を掛け合わせることで求められる。
このフィードバック補正量は、車速差を偏差とし、これにゲイン(比例ゲインや微分ゲインや積分ゲイン、等)を掛け合わせることで求められる。
ステップS115では、ステップS114でのするモータトルクの算出に続き、超過トルク、もしくは、不足トルクをモータジェネレータ4で補償するモータ出力制御を行い、リターンへ進む。
ステップS116では、ステップS107での過負荷領域到達であるとの判断に続き、燃料増量域でのエンジン駆動を許可するフラグAが、フラグA=1であるか否かを判断し、YES(フラグA=1)の場合はステップS121へ進み、NO(フラグA=0)の場合はステップS117へ進む。
ステップS117では、ステップS116でのフラグA=0であるとの判断、あるいは、ステップS118での時間条件とアクセル開度条件が共に不成立であるとの判断に続き、モータトルクをアップし、エンジン1は増量域に入らない領域までしか出力せず、ステップS118へ進む。
すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御を行う。
すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御を行う。
ステップS118では、ステップS117でのモータ出力制御とエンジン出力制御の協調制御に続き、協調制御を開始してからのHEV走行時間が規定時間を超えている、あるいは、アクセル開度APOが過負荷設定値(例えば、全開域の値)を超えているか否かを判断し、YES(時間条件とアクセル開度条件の少なくとも一方が成立)の場合はステップS119へ進み、NO(時間条件とアクセル開度条件が共に不成立)の場合はステップS117へ戻る。
なお、規定時間は、エンジンの排気バルブや触媒劣化が許容できる時間に設定される。
なお、規定時間は、エンジンの排気バルブや触媒劣化が許容できる時間に設定される。
ステップS119では、ステップS118での時間条件とアクセル開度条件の少なくとも一方が成立との判断に続き、フラグA=0を、フラグA=1(燃料増量域でのエンジン駆動の許可)に書き換え、ステップS120へ進む。
ステップS120では、ステップS119でのフラグA=1への書き換えに続き、必要に応じ(アクセル開度条件が成立することで燃料増量域でのエンジン駆動の許可される場合)エンジントルクを上昇させ、ステップS121へ進む。
ステップS121では、ステップS120でのエンジントルクの上昇、あるいは、ステップS116でのフラグA=1であるとの判断に続き、エンジン1を燃料増量域で駆動し、ステップS112へ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「低負荷領域のレスポンス向上作用」、「高負荷領域での駆動トルク制御作用」、「過負荷領域の燃料増量回避作用」に分けて説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「低負荷領域のレスポンス向上作用」、「高負荷領域での駆動トルク制御作用」、「過負荷領域の燃料増量回避作用」に分けて説明する。
[低負荷領域のレスポンス向上作用]
「HEVモード」の選択開始からの走行時間が設定時間以下であるという時間条件と、アクセル開度APOが低負荷設定開度以下であるというアクセル開度条件が共に成立しているとき、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→リターンへと進む流れが繰り返される。
「HEVモード」の選択開始からの走行時間が設定時間以下であるという時間条件と、アクセル開度APOが低負荷設定開度以下であるというアクセル開度条件が共に成立しているとき、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→リターンへと進む流れが繰り返される。
したがって、「HEVモード」の選択が開始され、走行時間が設定時間以下のときには、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能なアクセル開度領域である限り、ステップS102では、初期設定としてウエストゲートバルブ14がオープンとされ、ステップS103では、過給機2による過給を停止状態とし、エンジン1を自然吸気エンジンと同等に使用しながら、エンジン1とモータジェネレータ4で車両を駆動する「HEVモード」の選択によるHEV走行が行われる。
そして、ステップS104では、エンジントルクが、図2に示す無過給領域のエンジントルクマップにより推定され、ステップS105では、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分により不足トルクが算出され、ステップS106では、不足トルクをモータアシスト量とし、モータジェネレータ4でトルク補償される。
次に、図4に示すタイムチャートにより、エンジン1が低負荷領域にある時の駆動トルク制御について説明する。
例えば、発進時、運転者がアクセルペダルの踏み込み操作を行うことでアクセル開度APOが増加した場合、要求駆動トルクに応じて、エンジン1とモータジェネレータ4のそれぞれがトルクを出力する。
例えば、発進時、運転者がアクセルペダルの踏み込み操作を行うことでアクセル開度APOが増加した場合、要求駆動トルクに応じて、エンジン1とモータジェネレータ4のそれぞれがトルクを出力する。
しかし、過給機付きエンジン1の場合、要求された通りにエンジントルクとモータトルクを出力すると、過給時にターボラグが発生し、下記に述べるように、運転性や燃費に悪影響を与えてしまう。
つまり、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンでは、図4のエンジントルクの点線特性に示すように、アクセル踏み込み開始時刻t0から少し遅れた時刻t1からエンジントルクが上昇を開始し、ターボラグに伴い緩やかな勾配から徐々に急な勾配に移行するようなエンジントルクの立ち上がり特性となる。このため、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンにおけるエンジントルクの推定精度は悪くなり、要求駆動トルクと推定エンジントルクの差分に基づいてトルク不足分を精度よく推定することは困難であり、トルク不足分を適切にモータトルクで補償することができない。
つまり、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンでは、図4のエンジントルクの点線特性に示すように、アクセル踏み込み開始時刻t0から少し遅れた時刻t1からエンジントルクが上昇を開始し、ターボラグに伴い緩やかな勾配から徐々に急な勾配に移行するようなエンジントルクの立ち上がり特性となる。このため、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンにおけるエンジントルクの推定精度は悪くなり、要求駆動トルクと推定エンジントルクの差分に基づいてトルク不足分を精度よく推定することは困難であり、トルク不足分を適切にモータトルクで補償することができない。
したがって、アクセル操作量を一定に保った後、ターボラグにより実駆動トルク(エンジントルク+モータトルク)が足りないと感じる時刻t2では、運転者によりアクセルを踏み増しする操作がなされる。その後、車速が上昇することにより駆動トルクが過大であると感じる時刻t3では、運転者によりアクセルの踏み込みを弱める操作がなされる。
このため、図4のアクセル開度の点線特性に示すように、アクセル開度(=アクセル操作量)にハンチングが生じることになり、運転者によるアクセル操作負担が増して運転性が悪化するばかりでなく、アクセル操作量の変動により燃費が悪化する。加えて、図4の目標車速の点線特性に示すように、目標車速が時刻t4まで上昇した後、時刻t4から下降するという変動がみられる。
これに対し、実施例1では、通常の車両において過給機2内の圧力が高い時でしかオープンにならないウエストゲートバルブ14を、初期設定オープンの状態で使用するようにした(図4のW/GバルブのOFF特性)。こうすることにより、通常は過給してしまう過渡シーンでも、エンジン1は過給状態にならず、ターボラグも発生しない。そのため、エンジン1のトルク推定が容易となり、必要なモータアシスト量の算出も可能になり、不足トルクを違和感無くモータトルクで補うことが可能である。
つまり、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンでは、自然吸気状態のエンジン1であるため、図4のエンジントルクの実線特性に示すように、アクセル踏み込み開始時刻t0から少し遅れた時刻t1からエンジントルクが上昇を開始し、その後、一定のエンジントルクを保つというように、ターボラグ特性に比べてレスポンスの良いステップ特性となる。このため、アクセル踏み込み発進時の過渡シーンにおけるエンジントルクの高い推定精度が確保され、要求駆動トルクと推定エンジントルクの差分に基づいてトルク不足分が精度よく推定され、図4のモータトルクの実線特性に示すように、トルク不足分が適切にモータトルクで補償されることになる。
このため、図4のアクセル開度の実線特性に示すように、アクセル踏み込み後、アクセル操作量を一定に保ったままとすることができ、運転者によるアクセル操作負担増が解消され、良好な運転性を確保することができるばかりでなく、アクセル操作量を一定に保つことにより燃費の悪化も防止することができる。加えて、図4の目標車速の実線特性に示すように、目標車速が直線特性により上昇し、スムーズな発進性が確保される。
[高負荷領域での駆動トルク制御作用]
過給停止状態でのHEV走行開始から設定時間を超過したとき、または、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超えたときには、ステップS101での低負荷領域条件が不成立と判断され、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS108→ステップS109→ステップS110→ステップS112へと進む。つまり、ステップS108では、ウエストゲートバルブ14がクローズとされ、次のステップS109では、過給機2による過給が開始される。
過給停止状態でのHEV走行開始から設定時間を超過したとき、または、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超えたときには、ステップS101での低負荷領域条件が不成立と判断され、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS108→ステップS109→ステップS110→ステップS112へと進む。つまり、ステップS108では、ウエストゲートバルブ14がクローズとされ、次のステップS109では、過給機2による過給が開始される。
そして、ステップS112において、車速差が無いと判断されると、ステップS113→リターンへと進む流れが繰り返される。つまり、ステップS113では、エンジン回転数Neと図2のエンジントルクマップ(過給領域特性)に基づいて過給時のエンジントルクが推定され、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分トルクが算出され、算出した差分トルクをモータジェネレータ4で補償する通常のHEV走行制御が行われる。
また、ステップS112において、車速差が有ると判断されると、ステップS114→ステップS115→リターンへと進む流れが繰り返される。つまり、ステップS114では、エンジン回転数Neと図2のエンジントルクマップ(過給領域特性)に基づいて過給時のエンジントルクが推定され、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分によるモータトルクを、目標車速と実車速の車速差に基づいて得られる過不足トルクによりフィードバック補正してモータトルクが算出される。次のステップS115では、超過トルク、もしくは、不足トルクをモータジェネレータ4で補償するモータ出力制御が行われる。
次に、図4に示すタイムチャートにより、エンジン1が低負荷領域判断から脱したときの駆動トルク制御作用について説明する。
例えば、過給停止状態でのHEV発進開始から設定時間を超過しても、そのまま過給停止状態を維持すると、長時間に亘ってエンジン過給分までモータトルクで補償する必要であるため、モータジェネレータ4が過負荷となり、バッテリ残量の低下を早めることで、車両全体としてのエネルギー収支の悪化を招く。また、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超えても過給停止状態を維持すると、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなり、駆動トルク不足のままでの走行となる。
例えば、過給停止状態でのHEV発進開始から設定時間を超過しても、そのまま過給停止状態を維持すると、長時間に亘ってエンジン過給分までモータトルクで補償する必要であるため、モータジェネレータ4が過負荷となり、バッテリ残量の低下を早めることで、車両全体としてのエネルギー収支の悪化を招く。また、アクセル開度APOが低負荷設定開度を超えても過給停止状態を維持すると、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなり、駆動トルク不足のままでの走行となる。
これに対し、実施例1では、過給停止状態でのHEV発進開始から設定時間を超過し、時刻t5に達すると、図4のW/Gバルブの動作特性に示すように、ウエストゲートバルブ14がオープンからクローズに切り替えられ(W/GバルブのOFF→ON特性)、過給機2による過給が開始される。
このため、過給機2による過給が開始された時刻t5以降は、図4のエンジントルクの実線特性に示すように、エンジントルクがターボラグを持つ過給特性にしたがって徐々に立ち上がり、図4のエンジントルクの点線特性に示すように、発進開始時から過給を行っている場合のようなエンジントルクのオーバーシュートを防止できる。また、過給機2による過給が開始された時刻t5以降は、図4のモータトルクの実線特性に示すように、モータトルクが下降し、モータジェネレータ4への負荷が軽減される。さらに、過給機2による過給が開始された時刻t5以降は、図4のアクセル開度と目標車速の実線特性に示すように、アクセル開度の変動や目標車速の変動が抑えられたものとなる。
そして、過給機2による過給が開始された後、要求駆動トルクと推定エンジントルクの差分よるトルクを、モータジェネレータ4によるモータトルク補償量とすると、エンジントルクの推定精度が、過給停止状態に比べて低下しているため、出力される駆動トルクに過不足が生じてしまう。
これに対し、実施例1では、エンジン1を過給領域で使用する際、エンジントルクの推定を、図2に示すエンジントルクマップのみからだけでなく、設定している目標車速と実車速の車速差を検知し、車速差を打ち消すフィードバックトルク補正制御を行なうようにしている。
このように、過給機2による過給が開始されると、車輪速差に基づくトルク補正制御を加えることで、過給状態でのエンジントルクの推定精度が高まり、より的確なモータアシストを行なうことが可能になる。これにより、ターボラグの無い滑らかな駆動トルクの出力カーブを描くことができる。
[過負荷領域の燃料増量回避作用]
過給状態でのHEV走行中、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS116→ステップS117→ステップS118へと進み、ステップS118での燃料増量許可条件が成立しない限り、ステップS117→ステップS118へと進む流れが繰り返される。ステップS117では、モータトルクがアップされ、エンジン1は増量域に入らない領域までしか出力しない。すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御が行われる。
過給状態でのHEV走行中、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS116→ステップS117→ステップS118へと進み、ステップS118での燃料増量許可条件が成立しない限り、ステップS117→ステップS118へと進む流れが繰り返される。ステップS117では、モータトルクがアップされ、エンジン1は増量域に入らない領域までしか出力しない。すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御が行われる。
そして、ステップS118での燃料増量許可条件が成立すると、ステップS118から、ステップS119→ステップS120→ステップS121→ステップS112→ステップS113(または、ステップS114→ステップS115)→リターンへと進み、ステップS119では、フラグA=1に書き換えられ、ステップS120では、必要に応じてエンジントルクがアップされ、ステップS121では、燃料増量域でのエンジン駆動が開始される。
次の処理からは、ステップS119でフラグAが、フラグA=1に書き換えられているので、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS116→ステップS121→ステップS112→ステップS113(または、ステップS114→ステップS115)→リターンへと進む流れが繰り返され、燃料増量域でのエンジン駆動が継続される。しかし、アクセル戻し操作が行われ、ステップS107での過負荷領域に達していないと判断されると、ステップS107から、ステップS108→ステップS109→ステップS110→ステップS111へと進み、ステップS111では、フラグA=1がフラグA=0に書き換えられる。したがって、次に、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図3のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS107→ステップS116→ステップS117→ステップS118へと進む流れに復帰する。
次に、図5に示すタイムチャートにより、エンジン1が過負荷領域にある時の駆動トルク制御について説明する。
例えば、エンジン1が燃料増量域に入る手前で駆動されている時に運転者がアクセルを踏み増ししたことで、エンジントルクが上がり、燃料増量域に突入すると、通常、燃料増量域でエンジン1を駆動することになり、燃費の悪化につながることになる。
例えば、エンジン1が燃料増量域に入る手前で駆動されている時に運転者がアクセルを踏み増ししたことで、エンジントルクが上がり、燃料増量域に突入すると、通常、燃料増量域でエンジン1を駆動することになり、燃費の悪化につながることになる。
これに対し、実施例1では、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御を行うようにした。
つまり、エンジン1が燃料増量域に入る手前の時刻t6で運転者がアクセルを踏み増し操作を開始し、時刻t7でアクセル全開域に達すると、エンジントルクが上昇し、時刻t8にて燃料増量域に突入する。この時刻t8からは、図5のモータトルクの実線特性に示すように、燃料増量域でエンジン1を運転した場合のエンジントルク上昇分を、モータトルクの上昇により補償するモータ出力制御が行われる。同時タイミングで時刻t8からは、図5のエンジントルクの実線特性に示すように、エンジン1は燃料増量域に入るような過負荷状態でありながら、強制的に燃料増量域以下のエンジントルクを維持するようにエンジン出力制御が行われる。
この際、エンジントルクの推定を、図2に示すエンジントルクマップからだけでなく、設定している目標車速と実車速の車速差を検知し、過不足トルク分を補正するフィードバック制御を行なうことで、エンジントルクの推定精度が向上し、適切なモータアシストを可能とする。
結果的に、モータジェネレータ4でのアシストトルクを、燃料増量によるエンジントルク上昇分だけ追加する時間分(時刻t8から時刻t9)の燃料増量を抑えることができ、燃費の向上につながる。なお、時刻t8から規定時間を加えた時刻t9を経過すると、燃料増量域でのエンジン駆動を開始するため、エンジン過負荷状態でのエンジン1の気筒内温度の上昇を許容時間までとし、その後、エンジン1の気筒内温度を下げることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機2を備えたエンジン1と、モータ(モータジェネレータ4)と、を有し、要求駆動トルクをエンジントルクとモータトルクの総和により実現する駆動トルク制御を行う駆動トルク制御手段を備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記エンジン1のエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段(ステップS104)を備え、前記駆動トルク制御手段(図3)は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき(ステップS101でYES)、前記過給機2による過給を停止状態とし(ステップS102、ステップS103)、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償する(ステップS106)。
このため、低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者によるアクセル操作をスムーズとし、運転性と燃費の向上を達成することができる。
このため、低負荷領域の過渡シーンにおいて、運転者によるアクセル操作をスムーズとし、運転性と燃費の向上を達成することができる。
(2) 前記駆動トルク制御手段(図3)は、過給停止状態で設定時間を超過したとき、または、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなったとき(ステップS101でNO)、前記過給機2による過給を開始する(ステップS108、ステップS109)。
このため、過給停止状態の長時間継続によりモータジェネレータ4が過負荷となるのを防止できると共に、要求駆動トルクの上昇に対し駆動トルク不足のない走行を確保することができる。
このため、過給停止状態の長時間継続によりモータジェネレータ4が過負荷となるのを防止できると共に、要求駆動トルクの上昇に対し駆動トルク不足のない走行を確保することができる。
(3) 前記駆動トルク制御手段(図3)は、前記過給機2による過給を開始した後、エンジン回転数Neとエンジントルクマップ(図2)に基づいて過給時のエンジントルクを推定し、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分によるモータトルクを、目標車速と実車速の車速差に基づいて得られる過不足トルクによりフィードバック補正するモータ出力制御を行う(ステップS112〜ステップS115)。
このため、過給機2による過給が開始されると、車輪速差に基づくトルク補正制御を加えることで、過給状態でのエンジントルクの推定精度の高まりにより、より的確なモータアシストを行なうことができる。
このため、過給機2による過給が開始されると、車輪速差に基づくトルク補正制御を加えることで、過給状態でのエンジントルクの推定精度の高まりにより、より的確なモータアシストを行なうことができる。
(4) 前記駆動トルク制御手段(図3)は、前記過給機2による過給状態で前記エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき(ステップS107でYES)、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御を行う(ステップS117)。
このため、過負荷領域に入ったとき、モータ出力制御とエンジン出力制御の協調制御により、運転者が要求する要求駆動トルクを確保しながら、エンジン1への燃料増量を回避することにより、燃費の向上を達成することができる。
このため、過負荷領域に入ったとき、モータ出力制御とエンジン出力制御の協調制御により、運転者が要求する要求駆動トルクを確保しながら、エンジン1への燃料増量を回避することにより、燃費の向上を達成することができる。
実施例2は、過負荷領域に入ったときの燃料増量回避処理手法を、実施例1の手法とは異ならせた例である。
まず、構成を説明する。
実施例2の全体システム構成等は、実施例1の図1及び図2と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
実施例2の全体システム構成等は、実施例1の図1及び図2と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
図6は、実施例2の統合コントローラ26にて実行される駆動トルク制御処理の流れを示すフローチャートである(駆動トルク制御手段)。以下、図6の各ステップについて説明する。なお、図6のステップS201〜ステップS216の各ステップは、図3に示すフローチャートのステップS101〜ステップS116の各ステップと同じ処理ステップであるため、説明を省略する。
ステップS217では、ステップS216でのフラグA=0であるとの判断、あるいは、ステップS219での時間条件とアクセル開度条件が共に不成立であるとの判断に続き、ウエストゲートバルブ14をオープンにし、ステップS218へ進む。
ステップS218では、ステップS217でのウエストゲートバルブ14のオープンに続き、モータトルクをアップし、ステップS219へ進む。
すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御を行う。
すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御を行う。
ステップS219では、ステップS218でのモータ出力制御に続き、協調制御を開始してからのHEV走行時間が規定時間を超えている、あるいは、アクセル開度APOが過負荷設定値(例えば、全開域の値)を超えているか否かを判断し、YES(時間条件とアクセル開度条件の少なくとも一方が成立)の場合はステップS220へ進み、NO(時間条件とアクセル開度条件が共に不成立)の場合はステップS217へ戻る。
ステップS220では、ステップS219での時間条件とアクセル開度条件の少なくとも一方が成立との判断に続き、フラグA=0を、フラグA=1(燃料増量域でのエンジン駆動の許可)に書き換え、ステップS121へ進む。
ステップS221では、ステップS220でのフラグA=1への書き換えに続き、ウエストゲートバルブ14をクローズとし、ステップS222へ進む。
ステップS222では、ステップS221でのW/Gバルブクローズ、あるいは、ステップS216でのフラグA=1であるとの判断に続き、エンジン1を燃料増量域で駆動し、ステップS212へ進む。
次に、作用を説明する。
[過負荷領域の燃料増量回避作用]
過給状態でのHEV走行中、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図6のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS207→ステップS216→ステップS217→ステップS218→ステップS219へと進み、ステップS119での燃料増量許可条件が成立しない限り、ステップS217→ステップS218→ステップS219へと進む流れが繰り返される。ステップS217では、ウエストゲートバルブ14がオープンにされ、ステップS218では、モータトルクがアップされる。すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御が行われる。
過給状態でのHEV走行中、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図6のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS207→ステップS216→ステップS217→ステップS218→ステップS219へと進み、ステップS119での燃料増量許可条件が成立しない限り、ステップS217→ステップS218→ステップS219へと進む流れが繰り返される。ステップS217では、ウエストゲートバルブ14がオープンにされ、ステップS218では、モータトルクがアップされる。すなわち、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御が行われる。
そして、ステップS219での燃料増量許可条件が成立すると、ステップS219から、ステップS220→ステップS221→ステップS222→ステップS212→ステップS213(または、ステップS214→ステップS215)→リターンへと進み、ステップS220では、フラグA=1に書き換えられ、ステップS221では、オープンにされていたウエストゲートバルブ14がクローズされ、ステップS222では、燃料増量域でのエンジン駆動が開始される。
次の処理からは、ステップS220でフラグAが、フラグA=1に書き換えられているので、図6のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS207→ステップS216→ステップS222→ステップS212→ステップS213(または、ステップS214→ステップS215)→リターンへと進む流れが繰り返され、燃料増量域でのエンジン駆動が継続される。しかし、アクセル戻し操作が行われ、ステップS207での過負荷領域に達していないと判断されると、ステップS207から、ステップS208→ステップS209→ステップS210→ステップS211へと進み、ステップS211では、フラグA=1がフラグA=0に書き換えられる。したがって、次に、アクセル踏み込み操作により、エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されると、図6のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS207→ステップS216→ステップS217→ステップS218→ステップS219へと進む流れに復帰する。
次に、図7に示すタイムチャートにより、エンジン1が過負荷領域にある時の駆動トルク制御について説明する。
実施例2では、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御を行うようにした。
実施例2では、過給機2による過給状態でエンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域であると判断されたとき、過給機2を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御を行うようにした。
つまり、エンジン1が燃料増量域に入る手前の時刻t6で運転者がアクセルを踏み増し操作を開始し、時刻t7でアクセル全開域に達すると、エンジントルクが上昇し、時刻t8にて燃料増量域に突入する。この時刻t8からは、図7のW/Gバルブの動作特性に示すように、ウエストゲートバルブ14が開かれ、過給機2が停止状態とされる。このため、エンジントルクの実線特性に示すように、ターボラグにより時刻t8の直後にて僅かに燃料増量域に入ったとしても、その後、過給を停止したことでエンジントルクが低下し、エンジントルクは燃料増量域以下となるように維持される。そして、同時タイミングでモータジェネレータ4側では、図7のモータトルクの実線特性に示すように、時刻t8から過給停止によるエンジントルク低下分をモータトルク上昇により補償するモータ出力制御が行われる。
この際、エンジントルクの推定を、図2に示すエンジントルクマップからだけでなく、設定している目標車速と実車速の車速差を検知し、過不足トルク分を補正するフィードバック制御を行なうことで、エンジントルクの推定精度が向上し、適切なモータアシストを可能とする。
結果的に、モータジェネレータ4でのアシストトルクを、燃料増量によるエンジントルク上昇分だけ追加する時間分(時刻t8から時刻t9)の燃料増量を抑えることができ、燃費の向上につながる。なお、時刻t9を経過すると、燃料増量域でのエンジン駆動を開始するが、これは、エンジン過負荷状態でのエンジン1の気筒内温度を下げるために必要であることによる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド車両の制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
実施例2のハイブリッド車両の制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記駆動トルク制御手段(図6)は、前記過給機2による過給状態で前記エンジン1への燃料増量が必要となる過負荷領域のとき(ステップS207でYES)、前記過給機2を停止状態にする過給機制御(ステップS217)と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御(ステップS218)と、による協調制御を行う。
このため、過負荷領域に入ったとき、過給機制御とモータ出力制御の協調制御により、運転者が要求する要求駆動トルクを確保しながら、エンジン1への燃料増量を回避することにより、燃費の向上を達成することができる。
このため、過負荷領域に入ったとき、過給機制御とモータ出力制御の協調制御により、運転者が要求する要求駆動トルクを確保しながら、エンジン1への燃料増量を回避することにより、燃費の向上を達成することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
本発明は、低負荷領域のときはターボチャージャーによる過給を停止状態とし、要求トルクに対する実エンジントルクの不足分をモータトルクで補償するものである。つまり、低負荷側でターボチャージャーによる過給を停止するものであるため、一見すると通常のターボチャージャー付きエンジン車(=ターボ車)と同じようにみえるが、次の点で通常のターボ車とは異なる。
・ターボチャージャーを停止状態とする条件を、要求駆動トルクと自然吸気(ターボ停止)時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できるとき、とする点。
・要求駆動トルクと推定エンジントルクとの差をモータトルクで補償する点。
なお、スーパーチャージャーでは、エンジントルクの推定精度についての課題が出ないので、過給機2は、ターボチャージャー型に限定される。
・ターボチャージャーを停止状態とする条件を、要求駆動トルクと自然吸気(ターボ停止)時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できるとき、とする点。
・要求駆動トルクと推定エンジントルクとの差をモータトルクで補償する点。
なお、スーパーチャージャーでは、エンジントルクの推定精度についての課題が出ないので、過給機2は、ターボチャージャー型に限定される。
実施例1,2では、ターボチャージャー型の過給機2による過給を停止する手段としてウエストゲートバルブ14を開く手段の例を示した。しかし、アクチュエータ等を用いて過給機能を停止することができるものであれば、ウエストゲートバルブ14を開く手段に限定されるものではない。
実施例1,2では、エンジンとモータジェネレータを、クラッチを介して直列に配置した駆動系を持つFRのハイブリッド車両への適用例を示した。しかし、FFのハイブリッド車両へ適用できるのは勿論のこと、エンジンとモータジェネレータを直結した駆動系を持つモータアシスト式のFFやFRのハイブリッド車両、あるいは、エンジンとモータとジェネレータを、差動機構を介して連結した駆動系を持つパラレル式のFFやFRのハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、ターボチャージャー型の過給機を備えたエンジンを有し、エンジントルクとモータトルクの総和により駆動トルクを実現するようにしたハイブリッド車両の制御装置であれば適用できる。
1 エンジン
2 過給機
2a タービン
2b コンプレッサー
3 クラッチ
4 モータジェネレータ(モータ)
5 変速機
6 プロペラシャフト
7 デファレンシャル
8L,8R 左右ドライブシャフト
9L,9R 左右駆動輪
10 排気経路
11 エアークリーナー
12 吸気経路
13 バイパス経路
14 ウエストゲートバルブ
21 エンジンコントローラ
22 ブーストコントローラ
23 クラッチコントローラ
24 モータコントローラ
25 変速機コントローラ
26 統合コントローラ
27 双方向通信線
28 アクセル開度センサ
29 ブーストセンサ
30 車速センサ
31 クランク角センサ
32 レゾルバ
33 スロットル開度センサ
34 他のセンサ・スイッチ類
2 過給機
2a タービン
2b コンプレッサー
3 クラッチ
4 モータジェネレータ(モータ)
5 変速機
6 プロペラシャフト
7 デファレンシャル
8L,8R 左右ドライブシャフト
9L,9R 左右駆動輪
10 排気経路
11 エアークリーナー
12 吸気経路
13 バイパス経路
14 ウエストゲートバルブ
21 エンジンコントローラ
22 ブーストコントローラ
23 クラッチコントローラ
24 モータコントローラ
25 変速機コントローラ
26 統合コントローラ
27 双方向通信線
28 アクセル開度センサ
29 ブーストセンサ
30 車速センサ
31 クランク角センサ
32 レゾルバ
33 スロットル開度センサ
34 他のセンサ・スイッチ類
Claims (5)
- 走行用駆動源として、ターボチャージャー型の過給機を備えたエンジンと、モータと、を有し、
要求駆動トルクをエンジントルクとモータトルクの総和により実現する駆動トルク制御を行う駆動トルク制御手段を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジンのエンジントルクを推定するエンジントルク推定手段を備え、
前記駆動トルク制御手段は、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償可能な低負荷領域のとき、前記過給機による過給を停止状態とし、要求駆動トルクと推定したエンジントルクとの差分をモータトルクで補償することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記駆動トルク制御手段は、過給停止状態で設定時間を超過したとき、または、要求駆動トルクと自然吸気時のエンジントルクとの差分をモータトルクで補償できなくなったとき、前記過給機による過給を開始することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記駆動トルク制御手段は、前記過給機による過給を開始した後、エンジン回転数とエンジントルクマップに基づいて過給時のエンジントルクを推定し、要求駆動トルクと過給時の推定エンジントルクとの差分によるモータトルクを、目標車速と実車速の車速差に基づいて得られる過不足トルクによりフィードバック補正するモータ出力制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記駆動トルク制御手段は、前記過給機による過給状態で前記エンジンへの燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、燃料増量によるエンジントルク上昇分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、燃料増量域に入らないようにエンジントルクを維持するエンジン出力制御と、による協調制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記駆動トルク制御手段は、前記過給機による過給状態で前記エンジンへの燃料増量が必要となる過負荷領域のとき、前記過給機を停止状態にする過給機制御と、過給状態から停止状態への移行に伴うエンジントルク低下分をモータトルクの上昇により補償するモータ出力制御と、による協調制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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- 2009-08-31 JP JP2009199756A patent/JP2011051383A/ja active Pending
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