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JP2011044522A - 積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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JP2011044522A
JP2011044522A JP2009190692A JP2009190692A JP2011044522A JP 2011044522 A JP2011044522 A JP 2011044522A JP 2009190692 A JP2009190692 A JP 2009190692A JP 2009190692 A JP2009190692 A JP 2009190692A JP 2011044522 A JP2011044522 A JP 2011044522A
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JP2009190692A
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Takashi Fukuchi
崇史 福地
Mutsuhiro Maruyama
睦弘 丸山
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
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Abstract

【課題】絶縁樹脂層と金属層との接着性が高く、さらに、スズめっきなどの薬液耐性の高い積層体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の積層体は、絶縁樹脂層11と、絶縁樹脂層11上に形成された金属層12とを備える積層体であって、少なくとも金属層12と絶縁樹脂層11との接触界面に銅と異なる金属酸化物を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板などの電気配線回路基板に好適な積層体及びその製造方法に関する。
電子機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、FPC(フレキシブルプリント配線板)が様々な電子機器に汎用されている。FPCは、絶縁樹脂フィルム上に金属層が積層されたプリント配線板であり、例えば、ポリイミドフィルムに直接銅などの金属をスパッタ法やめっき法にて形成したフレキシブル銅張積層板(スパッタ−めっき法FCCL)が液晶ディスプレイの駆動用ICを実装したCOF(チップ・オン・フィルム)として用いられている。
FPCの製造過程では、めっきなどの薬液処理が数多く行われている。ICチップなどの電子部品を実装する方法として、電子部品の金バンプと銅配線にスズを施した表面と加熱圧着することで金−スズ共晶を形成し接合する方法が用いられている。
一般にスパッタ−めっき法FCCLでは、下地金属層としてニッケル−クロム合金(厚み約20nm)を使用している。これが配線形成時のエッチング工程で残留してしまい、配線間の絶縁性の低下、さらにエレクトロケミカルマイグレーション耐性の低下につながっていた。配線間の絶縁性を向上させるためには、銅膜のエッチングの他に、残留したニッケル−クロム合金層を除去する工程が必要とされ、液管理と製造コストがかかるという問題があった。
一方、本出願人は、すでに接着性に優れた金属薄膜の製造方法を開示している(特許文献1)。安価な金属フィラーを分散させた分散体を基材上に塗布し、乾燥、焼成を行った後、酸素濃度20ppm〜2000ppmを含む不活性雰囲気下で加熱処理することで、銅膜とポリイミド樹脂層の界面に酸化第一銅が形成し、銅総厚みが15μmで1kN/m以上の剥離強度が得られており、耐薬品性のさらなる改善が求められていた。
特開2008−200875号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、絶縁樹脂層と金属層との接着性が高く、さらに、スズめっきなどの薬液耐性の高い積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
本発明の積層体は、絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層上に形成された金属層とを備える積層体であって、少なくとも前記金属層の前記絶縁樹脂層との接触界面に銅と異なる金属酸化物を含むことを特徴とする。
本発明の積層体においては、前記金属酸化物が、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、クロム、モリブデン、アルミニウム、マンガンの酸化物のうちから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属酸化物が、ニッケル酸化物及び/又はコバルト酸化物であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層に銅と異なる金属が存在することが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層が、多層または混合層を含むことが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層が、銅と異なる金属の層を含む複数の層を含有し、前記銅と異なる金属の層の厚みが10nm未満であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層の厚みが1μm未満であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層が、ニッケルを含むことが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層が、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、クロム、モリブデン、アルミニウム、マンガンのうち少なくとも2種を含むことが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層が、ニッケルおよびコバルトを含むことが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属酸化物及び/又は金属層が、微粒子が融着した構造を含むことが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層の前記絶縁樹脂層との接触界面の表面粗さが10nm未満であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記絶縁樹脂層が、イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性の樹脂層であることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記絶縁樹脂層が、熱可塑性ポリイミドであることが好ましい。
本発明の積層体においては、前記金属層に銅を含むことが好ましい。
本発明のプリント配線板は、上記積層体を加工して得られることを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法は、上記積層体の製造方法であって、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属酸化物を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法は、上記積層体の製造方法であって、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属を含む金属層を形成する工程(B)と、前記絶縁樹脂層と前記金属層との界面に銅以外の金属酸化物を形成する工程(C)とを含むことを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法は、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属下地層を形成する工程(b)と、前記絶縁樹脂層と前記金属下地層との界面に金属酸化物を形成する工程(c)とを含むことを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)と、該金属下地層の上に金属層を形成する工程(b’)を含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記絶縁樹脂層のガラス転移温度よりも高い温度で加熱処理することを含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属酸化物を形成する工程(C)または前記金属酸化物を形成する工程(c)が、酸化剤を含む不活性雰囲気下で加熱処理することが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属酸化物を形成する工程(C)または前記金属酸化物を形成する工程(c)が、5ppm〜2000ppmの酸素を含む不活性雰囲気下で、前記絶縁樹脂層のガラス転移点よりも高い温度で加熱処理することが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は金属層を形成する工程(b’)が、乾式めっき法からなることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は金属層を形成する工程(b’)が、湿式めっき法からなることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は金属層を形成する工程(b’)が、金属前駆体を含んだ分散体または溶液を塗布し、加熱処理する方法を含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は金属層を形成する工程(b’)が、金属前駆体を含んだ分散体または溶液を塗布し、乾燥処理を行った後で、還元剤を含む不活性雰囲気下で加熱処理する方法を含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は金属層を形成する工程(b’)における金属前駆体が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記金属層を形成する工程(b’)における金属前駆体が、酸化第一銅微粒子分散体を含むことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記分散体が、多価アルコール及び/又は直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含むことが好ましい。
本発明によれば、絶縁樹脂層と金属層との接着性が高く、さらに、スズめっきなどの薬液耐性の高い積層体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る積層体を示す断面模式図である。
次に、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る積層体の断面模式図である。本実施の形態に係る積層体10は、絶縁樹脂層11と金属層12とを備え、少なくとも金属層12の絶縁樹脂層11との接触界面に金属酸化物を含有する。上記積層体10を支持する基板13は、絶縁樹脂層11及び金属層12を支持しうるものであれば何でもよいが、電気特性の点から絶縁性の基板13(以後、「絶縁基板13」と呼ぶ)が好ましい。尚、金属酸化物は、少なくとも金属層12の絶縁樹脂層11との界面に存在していればよく、界面以外に酸化物が存在していてもよいし、図1(b)に示すように、界面の全てが金属酸化物となる金属下地層14を形成していてもよい。
本発明に係る積層体10に用いられる絶縁基板13は、有機材料および無機材料のいずれでもよいが、加熱処理を行うことから、耐熱性のものが好ましい。例えば、セラミックスやガラスなどの無機材料、ポリイミドフィルム等の耐熱性樹脂が好適に用いられる。
絶縁基板13は、電気配線回路基板に通常用いられている程度の絶縁性を有するものであればよく、好ましくは、体積抵抗率として1013Ωcm以上を有するものである。
絶縁基板13として特に好適に使用される熱硬化性ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸またはピロメリット酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、「カプトン(登録商標)」(東レ・デュポン社製)、「アピカル(登録商標)」(鐘淵化学社製)等、ビフェニルテトラカルボン酸またはビフェニルテトラカルボン酸誘導体と芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、「ユーピレックス(登録商標)」(宇部興産社製)等である。ポリイミドフィルムの膜厚は限定されないが、通常、5μm〜100μm程度のものを用途に応じて適宜選択して用いることができる。
絶縁基板13は、そのまま用いてもよいが、その上に形成する絶縁樹脂層11との接着性を向上させるために、脱脂処理、酸またはアルカリによる化学処理、熱処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理等の表面処理を行ってもよい。
本発明に係る積層体10に用いられる絶縁樹脂は、金属酸化物を含む金属層12との間に接着強度が発現し、配線加工に問題を与えない限り特に制限はないが、接着強度の発現の観点で好ましい絶縁樹脂は、イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性の絶縁樹脂である。なお、イミド結合及び/又はアミド結合は、積層体10より分析する場合、金属剥離面を、XPSを用いて測定することで分析可能である。
イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性の絶縁樹脂としては、熱可塑性のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が例示できる。ポリイミド樹脂とは、イミド結合を有する樹脂であって、通常は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを縮合させることによって得られる。ポリアミド樹脂とは、アミド結合を有する樹脂であり、ジカルボン酸またはジカルボン酸のハロゲン化物成分とジアミン成分とを縮合させることによって得られる。また、ポリアミドイミド樹脂はアミド結合とイミド結合とを共に有する樹脂である。これらの樹脂は、通常、電気配線の絶縁膜として用いられている程度の絶縁性を有することが好ましく、体積抵抗率が1013Ωcm以上の絶縁性を有することが好ましい。
イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性樹脂の中で特に好ましいのは、耐熱性の点で熱可塑性ポリイミド樹脂である。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、ガラス転移温度以上の加熱によって弾性率が大きく低下する。本発明における熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度は、ポリイミド樹脂の硬度、絶縁基板13金属層11との接着性の観点から、好ましくは150℃以上、350℃以下、より好ましくは270℃より高く、350℃以下の温度である。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフルオロメタン二無水物等の少なくとも1種を用い、ジアミン成分としては、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)パーフルオロプロパン、等の少なくとも1種を用いて重合反応させたものが好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、それぞれ、単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる化学組成をもった樹脂から複数の層が形成されていてもよい。また、樹脂中に無機フィラーや高分子フィラー、粘土鉱物などが含まれていてもよい。
本発明に係る積層体10におけるイミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性絶縁樹脂層11の厚さは、絶縁樹脂層11と金属層12との接着性、経済性の観点から0.1μm〜20μmの範囲が好ましく、0.1μm〜10μmがより好ましい。
絶縁樹脂層11と金属層12との接触界面には、金属酸化物が存在し、これにより絶縁樹脂層11と金属層12との接着性を増大させることができる。金属酸化物による接着強度の増大効果の理由は必ずしも明確でないが、金属酸化物と絶縁樹脂中のイミド基もしくはアミド基との間で好ましい化学的結合を形成するためと考えられる。なお、積層体から上記金属酸化物を分析する場合にも、金属剥離面を、XPSを用いて測定することで分析可能である。
金属酸化物は、金属種のうちの少なくとも1種の金属が酸化されていればよい。
金属酸化物の厚みに特に制限はないが、接着強度及び導電性の観点から、通常0.1nm〜10nmの範囲である。また金属酸化物は、少なくとも絶縁樹脂層との界面に存在していればよく、界面以外に酸化物が存在していてもよいし、金属層12全てが金属酸化物であってもよい。金属酸化物の種類は、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化アルミニウム、酸化マンガン等が例示される。
金属層12として、プリント配線板用途として、最も好ましい金属は銅である。金属層12は、耐薬品性等の観点から、金属酸化物に接する側に、銅以外にニッケルを含んだものが好ましい。また、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、クロム、モリブデン、アルミニウム、及びマンガンのうち2種以上を含んでいることが好ましく、さらに耐薬品性等がいっそう発現されるという点から、金属酸化物に接する側に、銅以外にニッケルとコバルトを含んだものが特に好ましい。
金属層12は、各金属を任意の順番にて積層した構造(「多層」ともいう)でもよく、また混合したもの(「混合層」ともいう)を含んでもよい。
金属層12が多層構造からなる場合、該多層中の銅と異なる金属の層の厚みに特に制限はないが、エッチング性や、配線間の絶縁性、経済性の点から10nm未満が好ましく、特に好ましい厚さは0.1nm〜8nmである。金属酸化物及び/または金属層12の構造は、層表面が微粒子の融着した構造を含むことが好ましいが、該微粒子の融着は、完全に連続していなくてもよい。なお、金属層12の表面構造は、SEMを用いて確認できる。
金属層12の絶縁樹脂層11との接触界面の表面粗さは10nm未満であれば、回路形成が容易になるので好ましい。なお、積層体10から上記表面粗さを分析する場合は、積層体断面を切り出し、金属層12の絶縁樹脂層11との界面をTEMにて観察し、表面粗さを測定することで、上記金属層12の絶縁樹脂層11との接触界面の表面粗さとすることができる。
金属層12の体積抵抗率が1.6×10−6Ωcm以上4×10−6Ωcm未満である場合には、電気回路特性が向上し、また、金属層12の上に金属めっき層を電解めっきで形成する場合に緻密なめっき層を容易に形成できるので好ましい。特に好ましい金属層12の体積抵抗率は1.6×10−6Ωcm以上3×10−6Ωcm未満である。
金属層12の厚みは、任意の厚さで成膜することが可能だが、セミアディティブ法にて配線形成する際には、シード層除去のしやすさから、1μm未満が好ましい。
上述の金属層12の上にさらにめっきを施して金属めっき層を有する積層体は、金属層12に金属めっき層が電気的特性、力学的特性等の特性を付加することが可能であるため、好ましい。金属めっき層の金属種に特に制限はないが、導電性や安定性の観点から好ましいのは、銅、ニッケル、金等である。特に銅は抵抗値が低く、また工業的な入手の容易性からも好ましい。金属めっき層の厚みに制限はないが、通常は、0.05μm〜50μmである。
本発明においては、絶縁樹脂層11をプラズマ処理等でイミド基もしくはアミド基の変性処理を行わなくても、金属酸化物の存在により高い接着強度が発現する。プラズマ処理では通常はイミド基もしくはアミド基がプラズマの高いエネルギーによって他の窒素含有極性基に変換されて、これが接着性改善に寄与すると言われているが、そのような極性基は吸湿性やエレクトロケミカルマイグレーションに悪影響を与える懸念がある。本発明ではそのような処理を行わなくても接着強度が高いという特徴がある。
本発明における積層体10は、スズめっき液で置換する際の配線の侵食が抑制される。
次に、本発明に係る積層体の製造方法について説明する。
本発明に係る積層体の製造方法は、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程と、絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属酸化物を形成する工程とを含む。
本発明に係る積層体の好ましい製造方法は、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属を含む金属層を形成する工程(B)と、絶縁樹脂層と金属層との界面に銅と異なる金属酸化物を形成する工程(C)とを含む。
本発明に係る積層体の特に好ましい製造方法は、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属下地層を形成する工程(b)と、絶縁樹脂層と金属下地層との界面に金属酸化物を形成する工程(c)とを含む。
本発明に係る積層体の製造方法においては、さらに金属下地層の上に金属層を形成する工程(工程(b’))を含むことが好ましい。各工程の順番としては、工程(A)の後に引き続き工程(b)を行うが、工程(b’)に関しては、該絶縁樹脂層と該金属下地層との界面に金属酸化物を形成する工程(c)の前に行ってもよく、また後に行ってもどちらでもよい。
さらに、本発明に係る積層体の好ましい製造方法は、絶縁樹脂層のガラス転移温度よりも高い温度で加熱処理することを含む。ガラス転移温度より高い温度で加熱することで、接着性を向上することができる。加熱処理はガラス転移温度より10℃〜100℃高い温度がより好ましい。
絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)は、絶縁樹脂の溶液を絶縁基板上に塗布して乾燥処理を行うか、もしくは絶縁樹脂前駆体溶液を絶縁基板上に塗布し加熱処理行うことで絶縁樹脂層を形成する方法などを例示することができる。
例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂層の形成方法は、絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド樹脂の溶液を塗布した後、脱溶剤処理を行って熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる方法(a−1)と、絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる方法(a−2)がある。
(a−1)の方法においては、絶縁基板上に塗工された熱可塑性ポリイミド樹脂溶液は、熱処理等の方法により溶剤が除去される。この際、熱処理は低温から徐々に高温に上昇させながら行うのが好ましい。熱処理を急激に高温で行うと、樹脂表面にスキン層が生成して溶剤が蒸発しにくくなる場合や、発泡する場合がある。
(a−2)の方法によると、熱可塑性ポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布後、熱処理により溶剤が除去され、脱水縮合反応によりイミド閉環が行われる。この熱処理に関して、脱溶剤処理およびイミド閉環処理は同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。熱処理は低温から徐々に高温まで上昇させながら熱処理するのが望ましい。複数のポリイミド前駆体を積層して用いることも可能であり、この場合、積層体における各ポリイミド樹脂層間に十分な接着力を付与するためには、複数の前駆体溶液の一括または逐次の塗工を行うか、イミド閉環反応温度以下での脱溶剤処理の後、前駆体のポリイミドへの加熱変換を一括して行うのが好ましい。ポリイミド樹脂前駆体としては、ポリアミック酸(ポリアミド酸)、ジイソシアナート付加体等の加熱によって熱可塑性ポリイミドを生成する化合物を指す。
絶縁基板上に、イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性の絶縁樹脂または熱可塑性絶縁樹脂前駆体等の溶液を塗布する方法は限定されるものではなく、例えば、ディップコート、バーコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート等が用いられる。塗布する際の溶液に用いられる溶媒には、通常、有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプロラクタム、プチロラクタム、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス−2−(2−メトキシエトキシ)エチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ピリジン、ピコリン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。
上記溶液の濃度は、イミド結合及び/又はアミド結合を有する絶縁樹脂または絶縁樹脂前駆体の重合度にもよるが、膜厚調整の観点、及び溶液粘度の観点から通常5重量%〜30重量%であり、好ましくは10重量%〜20重量%である。溶液粘度が高い場合には、塗膜表面に平滑性を与えるための平滑剤、レベリング材、脱泡剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。溶剤の蒸発速度を調節するために、均一に溶解する範囲で芳香族炭化水素系溶媒を使用することもできる。さらに、公知のアミン系硬化剤等の硬化剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等の接着性付与剤、ゴム等の可撓性付与剤、無機フィラーや高分子フィラー、粘土鉱物等の各種添加剤や触媒を加えてもよい。
金属下地層および金属層の形成手法は特に制約はなく、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式めっき法や、無電解めっきや電解めっきなどの湿式めっき法、などの手法が適用可能である。また、金属前駆体を含有する分散体もしくは溶液を塗布し、非酸化性雰囲気で加熱処理する方法も適用可能である。
非酸化性雰囲気としては、不活性雰囲気もしくは還元性雰囲気が例示される。不活性雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気を例示でき、また、還元性雰囲気としては、水素、一酸化炭素などの雰囲気を例示できる。還元性雰囲気においては、還元性を損なわない程度の1000ppm程度までの酸化性ガスが含まれていてもよい。また、成膜性の点から、還元剤を含む不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
金属前駆体とは、加熱処理等の後処理によって金属が形成できる化合物を指し、例えば加熱処理によって互いに融着する一次粒子径200nm以下の金属前駆体微粒子や、加熱処理によって金属に還元される金属錯体などを例示できる。
金属前駆体の分散体もしくは溶液を塗布する方法として、例えば、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、バーコーティング方法、ロールコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法、スクリーン印刷方法等が挙げられる。分散体もしくは溶液の粘度にあわせ、最適な塗布手法を適宜選択すればよい。塗布する分散体または溶液の膜厚を調整することによって、最終的に得られる金属薄膜の膜厚を調整することが可能である。
金属前駆体としての金属錯体は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成してもよい。例えば、金属酢酸塩とアセトールやアセトインなどの配位子を2−プロパノール中、混合して合成する方法が挙げられる(セラミック トランスアクションズ、112巻、p.329−334、2001年)。
金属錯体の配位子は、加熱処理により分解、蒸発するものであれば何でもよく、製膜する金属が種々の溶媒に溶解するものであればよい。例えば、アセチルアセトン、アセトイン、アセトール、ジヒドロキシアセトン、ベンゾイン、γ−ケトブタノール、ジアセチル、ベンジル、アンモニア、メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、N−メチルエタノールアミンなどが挙げられる。これらの配位子は単独で使用してもよいし、種々の割合にて混合してもよい。
錯体溶液中に還元性化合物を混合させることで、加熱時、金属錯体の還元性がさらに促進される。例えばヒドラジン、メチルヒドラジン、2−ヒドロキシエチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、フェニルホウ酸、シクロヘキサノールボレートなどが挙げられる。また前記金属錯体の溶媒は、錯体溶液が製膜できる程度の粘度を有し、加熱時に蒸発するものであれば制限はない。
金属層の形成方法において、乾式めっき法および湿式めっき法の他に、金属層前駆体を含有する分散体もしくは溶液を用いて、成膜する方法が好ましい。
分散体または溶液の中で特に好ましいものは、一次粒子径200nm以下の金属層前駆体微粒子の分散体である。
加熱処理によって互いに融着する金属層前駆体微粒子とは、該前駆体微粒子を含む分散体を膜状に塗布し、加熱することによって金属微粒子同士が相互に接合して、見かけ上、連続した金属層で形成された薄膜を形成する微粒子である。
金属層前駆体微粒子は、加熱処理によって緻密な金属層が得るという観点から、一次粒子径が200nm以下であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは30nm以下である。また、分散体の粘度、取り扱い性の観点から、1次粒子径は1nm以上であることが好ましい。
本発明で用いられる金属層前駆体微粒子としては、加熱処理によって金属層を形成する限り制限は無く、好ましくは、金属微粒子、金属水酸化物微粒子および金属酸化物微粒子が挙げられる。
金属微粒子としては、湿式法やガス中蒸発法等の手法により形成される金属微粒子が好ましい。銅薄膜を与える金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅微粒子が好ましい。また、金属酸化物微粒子は、分散媒中への分散性や、加熱処理による金属層形成の容易性から特に好ましい。銅薄膜を与える酸化銅としては、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数をもった酸化銅のいずれも使用可能である。酸化第一銅微粒子は、容易に還元が可能であるので特に好ましい。
これらの金属酸化物微粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。例えば、粒子径が100nm未満の酸化第一銅超微粒子の合成方法としては、アセチルアセトナト銅錯体をポリオール溶媒中、200℃程度で加熱して合成する方法が公知である(アンゲバンテ ケミ インターナショナル エディション、40号、2巻、p.359、2001年)。
金属層前駆体微粒子分散体に用いる分散媒は、微粒子を均一に分散できるものであれば制限は無い。
分散体が多価アルコール及び/又は直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、加熱処理して、金属層前駆体微粒子から、金属層を得るときの成膜性を向上させるので、さらに好ましい。
多価アルコールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物である。多価アルコールは、その沸点が適度に高いため揮発しにくく、これを用いると、分散体の印刷性および金属層形成時の成膜性に優れるので好ましい。多価アルコールの中で好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコールであり、その中でも粘度の低い、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が特に好ましい。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
多価アルコールが金属層形成時の成膜性を向上させる理由は必ずしも明らかではないが、金属層前駆体微粒子が金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子の場合には、多価アルコールが微粒子表面の水酸基と相互作用して粒子表面を保護し、粒子間の凝集を抑制する働きがあるものと思われる。また多価アルコールには、金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子を還元する効果もあるので好ましい。
分散体が直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、金属層形成時の成膜性を向上させる効果に加えて、加熱処理して得られる金属層の抵抗値が低減するので好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が成膜性を向上させ、かつ抵抗値を低減させる理由は、直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が易分解・易焼失性バインダーとして加熱処理中の金属層前駆体微粒子の局所的な造粒を防ぐためと考えられる。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の好ましい数平均分子量は、150〜600である。分子量がこの範囲にあると、金属層形成時の成膜性が極めて高く、一方、容易に分解・焼失するので得られる金属層の体積抵抗率が下がりやすい。数平均分子量が150より小さいと、焼成して金属層を得るときの成膜性が低下する傾向があり、数平均分子量が600を越えると、得られる金属層の体積抵抗率が高くなる傾向がある。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、繰り返し単位が炭素数2〜炭素数6のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物、2元以上のポリエーテルコポリマーやポリエーテルブロックコポリマーであってもよい。
具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールのようなポリエーテルホモポリマーのほかに、エチレングリコール/プロピレングリコール、エチレングリコール/ブチレングリコールの2元コポリマー、エチレングリコール/プロピレングリコール/エチレングリコール、プロピレングリコール/エチレングリコール/プロピレングリコール、エチレングリコール/ブチレングリコール/エチレングリコール等の直鎖状の3元コポリマーが挙げられるがこれらに限定されるものではない。ブロックコポリマーとしては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールのような2元ブロックコポリマー、さらにポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールポリエチレングリコール等の直鎖状の3元ブロックコポリマーのようなポリエーテルブロックコポリマーが挙げられる。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の末端の構造は、微粒子の分散性や分散媒への溶解性に悪影響を与えない限り制限は無いが、少なくとも一つの末端がアルキル基であると、焼成時におけるポリエーテル化合物の分解・焼失性が向上し、得られる金属層の体積抵抗率が下がるので好ましい。アルキル基の長さが長すぎると、微粒子の分散性を阻害して分散体の粘度が増大する傾向があるので、アルキル基の長さとしては、炭素数1〜炭素数4が好ましい。少なくとも一つの末端がアルキル基であることによって、焼成時の分解・焼失性が向上する理由は定かではないが、微粒子とポリエーテル化合物の間、またはポリエーテル化合物とポリエーテル化合物間の水素結合等に基づく相互作用の力が弱まることが寄与しているものと推察される。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の特に好ましい構造は、一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である構造であり、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
分散体中の金属層前駆体微粒子の割合に制限はないが、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5〜90%、より好ましくは20%〜80%である。分散体中の微粒子の重量がこれらの範囲にある場合には、微粒子の分散状態が良好であり、また、1回の塗布・加熱処理によって適度な厚さの金属層が得られるので好ましい。
分散体中の多価アルコールの割合は、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5%〜70%、より好ましくは10%〜50%である。
分散体中の直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の割合は、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは0.1%〜70%、より好ましくは1%〜50%である。ポリエーテル化合物の添加量が0.1%未満である場合には、得られる金属層の緻密性が低くなる場合や、基材との接着性が低下する場合があり、一方、ポリエーテル化合物の添加量が70%を越えると、分散体の粘度が増加する場合がある。
金属層前駆体微粒子に対するポリエーテル化合物の好ましい重量比は、用いる微粒子の種類とポリエーテル化合物の種類により異なるが、通常は0.01〜10の範囲である。この範囲にあると得られる金属層の緻密性が向上し、その体積抵抗率がさらに低下する。
本発明では、上記分散体に、必要に応じ、消泡剤、レベリング剤、粘度調整剤、安定剤等の添加剤を添加してもよい。
上記分散体の製造には、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、金属層前駆体微粒子と分散媒と直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物等の構成原料を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。
これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。金属層前駆体微粒子以外の構成物が固体である場合には、これらを液状になる温度に加熱しながら微粒子を加え、上記操作を行うことが好ましい。分散体が流動可能な固体となる場合には、ずり応力を加えながら分散を行うことが好ましく、3本ロール法、ミキサー法等が好ましい。
塗布した分散体もしくは溶液は、加熱処理を行う前に、乾燥工程を経ることによって、緻密な金属層が形成できる場合があり、好ましい。乾燥工程とは金属層前駆体の金属化が起こる温度より低い温度で、分散媒などの易揮発性物質を揮発させる操作を指し、その温度は分散体を構成する組成物の揮発温度を考慮して適宜定めればよいが、通常50〜200℃の温度範囲において行われる。
本発明の積層体の製造方法においては、絶縁樹脂層の上に金属下地層及び/又は金属層を形成する工程(工程(b)及び/又は工程(b’))に引き続き、該絶縁樹脂層と該金属下地層との界面に金属酸化物を形成する(工程(c))。該金属酸化物を形成する工程(c)は、金属下地層を形成する工程(b)の後で行ってもよいし、該金属下地層を形成し(工程(b))、その上に金属層を形成(工程(b’))した後に行ってもよい。
絶縁樹脂層と金属層、金属下地層との界面に金属酸化物を形成する方法(工程(C)、工程(c))として好ましい方法は、酸化剤を含む不活性雰囲気中で加熱処理する方法である。
酸化剤は、絶縁樹脂層との界面に金属酸化物を形成できる限りにおいて特に制限はなく、酸素、オゾン、水、などが例示される。雰囲気中の酸化剤の濃度は、金属下地層の酸化の容易さなどを考慮して、適宜定めればよい。
加熱処理は、熱可塑性の絶縁樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましく、ガラス転移温度より10℃〜100℃高い温度がより好ましく、通常は、200℃以上400℃以下の温度で行われる。例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた場合に、そのガラス転移温度が260℃である場合、そのガラス転移温度よりも高い300℃〜360℃で加熱処理する。
加熱処理によって得られる金属下地層及び/又は金属層が酸化を受けやすい金属種である場合には、該金属下地層及び/又は金属層の過度の酸化を防ぐという点から、微量の酸化剤を含有する不活性雰囲気下で加熱処理することが好ましく、特に好ましいのは、酸素を5〜2000ppm程度に調整した不活性雰囲気での加熱処理である。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガスの雰囲気を指す。酸素濃度が5ppm未満では、界面の金属酸化物の生成に長時間の加熱処理を有する場合があるし、一方、酸素濃度が2000ppmを超えると、酸化が過剰となって金属層の導電性が低下する場合がある。加熱温度と加熱時間は、界面の酸化の受けやすさ等に併せて適宜定めればよいが、加熱温度は通常200℃〜500℃、加熱時間は通常1分〜120分の範囲である。
これらの加熱処理には、遠赤外線、赤外線、マイクロ波、電子線等の放射線加熱炉や、電気炉、オーブン等の加熱手段が用いられる。
以上のように、本発明に係る製造方法において、種々の雰囲気条件および温度条件で加熱処理することで、絶縁樹脂層と金属下地層との接着性が格段に増大する。接着強度が向上する理由は必ずしも明確ではないが、熱可塑性絶縁樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度で熱処理を行うことによって金属下地層との接着界面が増大することが考えられる。また、界面に生成する金属酸化物が絶縁樹脂層との化学的結合も増大させるからではないかと推察される。
本発明では、上述の様にして得られる金属下地層及び/又は金属層の上に金属めっきを施して金属めっき層を形成し、機能・特性を付与することができる。金属めっきを施す手法としては、乾式めっき法及び湿式めっき法が挙げられる。成膜速度の観点から好ましいのは湿式めっき法である。湿式めっき法としては、無電解めっき法及び電解めっき法のいずれも使用することができるが、めっきの成膜速度と、得られる金属膜の緻密性の観点から好ましいのは電解めっき法である。
めっきの金属種に特に制限はないが、導電性や安定性の観点から好ましいのは、銅、ニッケル、金等である。銅は特に抵抗値が低く、また工業的な入手の容易性からも好ましい。めっき工程は、必要に応じ被めっき面を脱脂及び/または酸化層除去した後、めっき反応液に基材を浸して行う。電解めっきであれば基材の被めっき面に通電することによってめっき層を形成することが可能となる。
本発明に係る積層体の製造方法によれば、金属薄膜が容易に形成でき、膜厚の制御が容易となる。また、本発明に係る積層体は、スズめっきなどの薬液耐性に優れ、また、容易に形成できるので、プリント配線板として好適に使用することが可能である。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、これらの実施例によって限定されるものではない。
絶縁樹脂層と金属下地層を含んだ金属層との接着強度、金属下地層の形態観察およびスズめっき耐性、エッチング性の各評価方法は以下のとおりである。
(1)接着強度測定(180度剥離試験)
接着強度測定のための試料は、次のようにして作成する。得られた積層体上に電解めっきにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約9μmにした後、カッターナイフで幅3mm、長さ50mmの切れ込みを入れる。180度剥離試験は、幅3mmの側面の一方を少し剥離してアルミテープを貼り、このテープ部分を剥離試験機(テンシロンRTG−1210、エー・アンド・デイ社製)に固定し、180度方向に引き上げて、剥離するに必要な力を測定して、接着強度(kN/m)とする。
(2)金属薄膜形態の観察
金属下地層の形態は、表面SEM像は走査型電子顕微鏡(S−4800、日立製作所社製)を用いて観察する。積層体の断面TEM像は、透過型電子顕微鏡(JEM−4000FX、日立製作所社製)を用いて観察する。金属下地層と絶縁樹脂層の接触界面の金属下地層の表面粗さは以下のようにして観察する。界面部分の断面TEM像をスキャナーでデジタル化し、融着して得られる金属下地層界面の8ビットのグレースケール画像を取得する。2値化処理を施した後エッジ抽出を行い、金属下地層の界面プロファイル像(ラインイメージ)を得る。また、画像プロファイル像の両端を結ぶ直線からの、ラインイメージの絶縁樹脂層側への変位量を用いて、金属下地層と絶縁樹脂層の接触界面の表面粗さ(Ra)を見積もる。
(3)スズめっき耐性評価
得られた積層体上に電解めっきにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約15μmにした。30μm幅の配線が40本並んだ配線基板をエッチング法にて作製した。この基板を脱脂、酸洗した後、置換スズめっき液「Tin Posit(登録商標)」LT−34C(ローム・アンド・ハース社製)にて60℃、5分間浸漬してスズめっきを行い、配線の侵食状態を観察した。
(4)エッチング性評価
得られた積層体上に電解めっきにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約9μmにした。硫酸−過酸化水素系エッチング液にてエッチングを行い、エッチング表面をX線光電子分光分析装置(XPS)にて残留金属成分を分析した。
[実施例1]
(熱可塑性ポリイミド溶液の合成)
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニルプロパン1.0モルと3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物1.0モルの比率となるように秤量し、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を固形分濃度が10wt%になるように加え、50℃で10時間攪拌溶解し、熱可塑性ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を得た。この熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は260℃であった。
(熱可塑性ポリイミド層を有する基板の作成)
20×30cm角に切り出したポリイミドフィルム「カプトン(登録商標)」(東レ・デュポン社製、膜厚50μm)をバーコーターにセットし、膜厚が30μmになるようにバーコート塗布した後、ホットプレート上で90℃×10分、120℃×10分、150℃×10分、180℃×10分、250℃×60分、300℃×60分の条件で加熱し、熱可塑性ポリイミド樹脂を表面に有するポリイミド基板を得た。
(金属下地層の形成)
上記ポリイミド基板を真空蒸着装置にセットし、系内を真空排気した後、蒸着を行い、ニッケル膜を2nm、続いてコバルト膜を2nm成膜した。SEM観察により、金属下地層表面が微粒子の融着した構造を呈していた。
(金属層の形成)
上記金属下地層上に、金属下地層と同様の成膜法にて、0.3μm厚の銅薄膜を得た。
(加熱処理)
上記基板を、酸素濃度70ppmに調整した窒素雰囲気にて、350℃で10分間加熱処理を行った。
(めっき層の付与、接着強度測定、剥離界面解析、スズめっき耐性評価)
硫酸銅五水和物(和光純薬工業社製)80gと硫酸180gとを、精製水1リットルに溶解し、電解めっき浴を作成した。上記で得られた銅膜表面を脱脂・酸洗したのち、めっき浴に浸し、室温にて、2A/dmの電流密度で電解銅めっきを施し、金属層の総厚み(金属層+めっきで形成された銅膜)が9μmまたは15μmの積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは2nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例2]
(金属薄膜前駆体微粒子および分散体の調製)
無水酢酸銅(和光純薬工業社製)8gに精製水70mlを加えた。25℃で撹拌しながらヒドラジン対酢酸銅のモル比が1.2になるように64重量%のヒドラジン抱水物2.6mlを加えて反応させ、粒子径20nmの酸化第一銅微粒子を得た。得られた酸化第一銅3gに対し、ポリエチレングリコール(数平均分子量400、和光純薬工業社製)0.5gと、ジエチレングリコール10gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅微粒子分散体を得た。
(金属層の形成)
実施例1と同様に金属下地層を施したポリイミド基板をバーコーターにセットし、前述の酸化第一銅微粒子分散体を滴下した後、膜厚20μmになるように塗布した。この塗布膜を、オーブン中で180℃×5分乾燥した後、電気炉に入れ、水素4%の窒素雰囲気下で、350℃×10分間焼成した。すると、膜厚0.5μm、体積抵抗率2.3×10−6Ωcmの銅薄膜を有する基板が得られた。
(加熱処理)
実施例1と同様の方法で加熱処理を行った。
(接着強度測定、剥離界面解析、スズめっき耐性評価)
実施例1と同様の方法にて電解銅めっきを施し、積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは2nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリイミド基板への蒸着において、コバルト膜を2nm、続いてニッケル膜を2nm成膜した以外は、実施例2と同様に積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化コバルトの存在が確認できた。界面のRaは2nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例4]
蒸着によるニッケル膜の厚みを4nm、コバルト膜の厚みを4nmにしたこと以外は、実施例1と同様に積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認できた。また、金属ニッケルと金属コバルトの存在も確認できた。界面のRaは3nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例5]
蒸着によるニッケル膜の厚みを4nm、コバルト膜の厚みを4nmにしたこと以外は、実施例2と同様に積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは3nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例6]
(ニッケルおよびコバルト前駆体溶液の調製)
酢酸ニッケル0.4gを1−ブタノール20mlに分散させた。この分散液をアセトール0.5g中に撹拌しながら入れ、ニッケル前駆体溶液を調製した。コバルト前駆体においても、ニッケル前駆体と同様に調製した。それぞれの前駆体溶液を等量混合し、ニッケル:コバルト=1:1の前駆体溶液を調製した。
(金属下地層前駆体膜の形成)
実施例1と同様に作製したポリイミド基板をバーコーターにセットし、前述のニッケル・コバルト前駆体を滴下した後、膜厚5nmになるように塗布した。この塗布膜をオーブン中で150℃×3分乾燥し、膜厚5nmの前駆体薄膜を成膜した。
(金属下地層および金属層の形成)
金属下地層前駆体膜に、酸化第一銅微粒子分散体を滴下した後、実施例2と同様に焼成を行い、金属下地層および金属層を成膜した。
(接着強度測定、剥離界面解析、スズめっき耐性評価)
実施例1と同様の方法にて電解銅めっきを施し、積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化コバルトと酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは3nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例6で調製した前駆体溶液を膜厚5μmになるように塗布した。この塗布膜をオーブン中で150℃×3分乾燥し、さらに水素4%の窒素雰囲気下で、350℃×10分間焼成して金属下地層を成膜した。その上に、実施例2と同様に酸化第一銅微粒子分散体を塗布、乾燥、焼成、電解銅めっきを行い、積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化コバルトと酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは3nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[実施例8]
金属下地層のコバルトをアルミニウムにしたこと以外は、実施例1と同様に積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かった。銅層とポリイミド層の剥離界面について、銅の界面をXPS分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認できた。界面のRaは2nmであった。スズめっきによる侵食は見られなかった。XPSによりエッチング残りは観測されなかった。結果を表1に示す。
[比較例1]
蒸着によるニッケル膜の厚みを10nm、コバルト膜の厚みを10nmにしたこと以外は、実施例1と同様に積層基板を作製した。スズめっきによる侵食が見られなかったが、180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.3kN/mと低い値になった。結果を表1に示す。
[比較例2]
金属下地層を施さないこと以外は実施例1と同様に積層基板を作製した。180度剥離試験(総厚み9μm)による接着強度は、0.8kN/mと非常に高かったが、わずかかだがスズめっきによる侵食が認められた。結果を表1に示す。
Figure 2011044522
表1に示すように、実施例1から実施例8の積層体は、接着強度が高く、また、スズめっき耐性が良好であった。一方、比較例1に示すように、金属下地層を含有する場合でも、金属下地層が厚い場合は、接着強度が低下することが分かる。また、比較例2に示すように、金属下地層を含有する場合は、スズめっき耐性が低下することが分かる。
本発明の積層体は、絶縁樹脂層と金属層との接着性がきわめて高く、スズめっき耐性に優れている。また、金属層の膜厚が自由に制御できるため、一般的な配線形成法であるサブトラクティブ法だけでなく、セミアディティブ法にも容易に対応できる。さらに、絶縁樹脂層と金属下地層との界面が非常に平滑なため、微細で高密度な配線形成が可能である。従って、プリント配線板の材料等として特に好適に使用することが可能である。特にポリイミドフィルムを絶縁基板に用いた積層体はフレキシブルプリント配線板の材料として好適に用いられる。
10 積層体
11 絶縁樹脂層
12 金属層
13 絶縁基板
14 金属下地層

Claims (30)

  1. 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層上に形成された金属層とを含む積層体であって、少なくとも前記金属層の前記絶縁樹脂層との接触界面に銅と異なる金属酸化物を含むことを特徴とする積層体。
  2. 前記金属酸化物が、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、クロム、モリブデン、アルミニウム、マンガンの酸化物のうちから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属酸化物が、ニッケル酸化物及び/又はコバルト酸化物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 前記金属層に銅と異なる金属が存在することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記金属層が、多層または混合層を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記金属層が、銅と異なる金属の層を含む複数の層を含有し、前記銅と異なる金属の層の厚みが10nm未満であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 前記金属層の厚みが1μm未満であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の積層体。
  8. 前記金属層が、ニッケルを含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記金属層が、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、クロム、モリブデン、アルミニウム、マンガンのうち少なくとも2種を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記金属層が、ニッケルおよびコバルトを含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層体。
  11. 前記金属酸化物及び/または金属層が、微粒子が融着した構造を含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の積層体。
  12. 前記金属層の前記絶縁樹脂層との接触界面の表面粗さが10nm未満であることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載の積層体。
  13. 前記絶縁樹脂層が、イミド結合及び/又はアミド結合を有する熱可塑性の樹脂層であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の積層体。
  14. 前記絶縁樹脂層が、熱可塑性ポリイミドであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の積層体。
  15. 前記金属層に銅を含むことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の積層体。
  16. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の積層体を加工して得られることを特徴とするプリント配線板。
  17. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属酸化物を形成する工程とを含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
  18. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属を含む金属層を形成する工程(B)と、前記絶縁樹脂層と前記金属層との界面に銅と異なる金属酸化物を形成する工程(C)とを含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
  19. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、絶縁基板上に、絶縁樹脂層を形成する工程(A)と、前記絶縁樹脂層の上に銅と異なる金属下地層を形成する工程(b)と、前記絶縁樹脂層と前記金属下地層との界面に金属酸化物を形成する工程(c)とを含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
  20. 前記金属下地層を形成する工程(b)と、前記金属下地層の上に金属層を形成する工程(b’)を含むことを特徴とする、請求項19に記載の積層体の製造方法。
  21. 絶縁樹脂層のガラス転移温度よりも高い温度で加熱処理することを含む、請求項17から請求項19のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  22. 前記金属酸化物を形成する工程(C)または前記金属酸化物を形成する工程(c)が、酸化剤を含む不活性雰囲気下で加熱処理することを特徴とする、請求項18から請求項21のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  23. 前記金属酸化物を形成する工程(C)または前記金属酸化物を形成する工程(c)が、5ppm〜2000ppmの酸素を含む不活性雰囲気下で、前記絶縁樹脂層のガラス転移点よりも高い温度で加熱処理することを特徴とする、請求項18から請求項22のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  24. 前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は前記金属層を形成する工程(b’)が、乾式めっき法からなることを特徴とする、請求項19から請求項23のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  25. 前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は前記金属層を形成する工程(b’)が、湿式めっき法からなることを特徴とする、請求項19から請求項23のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  26. 前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は前記金属層を形成する工程(b’)が、金属前駆体を含んだ分散体または溶液を塗布し、加熱処理する方法を含むことを特徴とする、請求項19から請求項23のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  27. 前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は前記金属層を形成する工程(b’)が、金属前駆体を含んだ分散体または溶液を塗布し、乾燥処理を行った後で、還元剤を含む不活性雰囲気下で加熱処理する方法を含むことを特徴とする、請求項26に記載の積層体の製造方法。
  28. 前記金属下地層を形成する工程(b)及び/又は前記金属層を形成する工程(b’)における前記金属前駆体が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項26または請求項27に記載の積層体の製造方法。
  29. 前記金属層を形成する工程(b’)における前記金属前駆体が、酸化第一銅微粒子分散体を含むことを特徴とする、請求項25から請求項27のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  30. 前記分散体が、多価アルコール及び/又は直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含む請求項26から請求項29のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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