JP2011040441A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感度向上および混色の抑制に適した構成の固体撮像装置を実現する。
【解決手段】入射光8を電気信号に変換する受光部3と、受光部3の入射光8が入射する側とは反対側に形成された配線4と、受光部3と配線4との間に形成された反射膜5と、受光部3の入射光8が入射する側に、円環形状で、入射光8に対して透過性があり、かつ屈折率が異なる高屈折率材料12(第1部位)および低屈折率材料13(第2部位)を、同心円状に交互に、前記入射光の波長以下の周期で繰り返し設けてなる平板状の集光素子1とを備える。集光素子1における前記同心円の中心Cは、受光部3の中心から偏心していてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】入射光8を電気信号に変換する受光部3と、受光部3の入射光8が入射する側とは反対側に形成された配線4と、受光部3と配線4との間に形成された反射膜5と、受光部3の入射光8が入射する側に、円環形状で、入射光8に対して透過性があり、かつ屈折率が異なる高屈折率材料12(第1部位)および低屈折率材料13(第2部位)を、同心円状に交互に、前記入射光の波長以下の周期で繰り返し設けてなる平板状の集光素子1とを備える。集光素子1における前記同心円の中心Cは、受光部3の中心から偏心していてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタルカメラ等に使用される固体撮像装置およびその製造方法に関するものである。
デジタルカメラ、カメラ付携帯電話機等の普及に伴い、固体撮像装置の市場は著しく成長してきた。現在、固体撮像装置として広く使用されているCCDやCMOSイメージセンサでは、受光部分を有する複数の半導体集積回路を2次元に配列して、被写体からの光信号を電気信号に変換している。
固体撮像装置の感度は、入射光量に対する受光素子の出力電流の大きさによって決まることから、高感度の固体撮像装置を実現するためには、入射した光を確実に受光素子に導入することが感度向上のための重要な要素となっている。
従来の固体撮像装置では、Si基板表面上に電極や配線を形成し、その上方から光を照射させる、表面照射型構造が一般的である。しかしながら、画素サイズの微細化が進むにつれて、配線層の多層化が進むため、マイクロレンズと受光部との距離が広がってくる。そのため、入射光が受光部に到達することが困難となり、感度の低下、シェーディングが発生する。
そこでこの改善策として、配線が形成された表面とは反対側から光を照射する固体撮像装置(裏面照射型固体撮像装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。本構造を形成することにより、配線によって入射光が遮られないため、感度の大幅な向上とシェーディングレスの実現が期待できる。
図14に、裏面照射型固体撮像装置を構成する1つの受光素子(画素ともいう)の基本構造を示す。画素サイズは1.4μm角であり、集光素子9、カラーフィルタ2、受光部(Siフォトダイオード)3、配線4、平坦化膜7およびガラス基板6を備えている。画素に対して入射した入射光8(主光線10)は、集光素子9(本例ではマイクロレンズ)によって集光され、カラーフィルタ2で分光された後、受光部3に到達する。受光部3での光電変換の効率が高ければ高いほど出力信号は大きくなり、高感度となる。
このとき、対象となる入射光は可視光(波長:400〜650nm程度)であり、基板を構成するSiの吸収係数が波長に依存するため、色毎の感度差が発生する。図15に吸収効率の波長依存性を示す。ここで、横軸はSiからなる基板厚さ(つまり受光部深さ)であり、縦軸は光強度比(入射光強度I0に対する出射光強度Iの比)を示している。
基板厚さが2μmの場合、青色光(460nm)がほとんど100%吸収されているのに対して、赤色光(640nm)では50%以上が吸収されずに透過している。結果として、感度の低下や、透過光の散乱、反射による混色が発生する。
図16に、一般的な光学モジュール91と固体撮像装置92の画素a〜cの断面図を示す。画素サイズは1.75μm角である。コンパクトデジタルカメラや携帯電話カメラのような短焦点系光学モジュールでは、入射光8は、中心付近の画素aにおいて垂直に入射するが、周辺の画素b、画素cでは斜めに入射する。
中心付近の画素aでは、垂直に入射した入射光8の一部が受光部で光電変換され、残りは基板を透過する。この透過した光はロスとなるため、感度の低下を招く。
周辺の画素bでは、入射光8は斜めに入射するため、平坦化膜7と受光部3の界面で反射した入射光は、隣接画素に入射するようになる。これはガラスからなる平坦化膜7(屈折率=1.5)とSiからなる受光部3(屈折率=4.2)との屈折率の差が大きいため、反射率が高くなるためである。以下、屈折率をnと表記する。
さらに周辺の画素cになると、入射光8のほとんどが配線4で反射、散乱され、迷光となるため混色の影響はさらに顕著になる。
固体撮像装置の感度向上、混色の抑制を実現するためには、各画素に入射する光を垂直方向に伝播させ、透過した光を効率よく受光部に集める必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、感度向上および混色の抑制に適した構成の固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の固体撮像装置は、入射光を電気信号に変換する受光部と、前記受光部の前記入射光が入射する側とは反対側に形成された配線と、前記受光部と前記配線との間に形成された反射膜と、前記受光部の前記入射光が入射する側に、円環形状で、前記入射光に対して透過性があり、かつ屈折率が互いに異なる第1部位および第2部位を、同心円状に交互に、前記入射光の波長以下の周期で繰り返し設けてなる平板状の集光素子とを備える。
また、前記集光素子が、1周期に含まれる前記第1部位と前記第2部位との体積比率を、前記同心円の径方向に沿って変化させることによって生じる実効屈折率分布を有していてもよい。
また、前記第1部位が、入射光の波長以下の周期で同心円状に分断された光透過膜であり、前記第2部位が、前記光透過膜を分断する部分に存在する空気であってもよい。
また、前記集光素子における前記同心円の中心は、前記受光部の中心から偏心していてもよい。
このような構成によれば、集光素子に斜めに入射する光を偏向して、受光部へ垂直に入射させることができるため、集光素子および受光部が、カメラ光学系の光軸から離れた周辺部に配置される場合に有効である。
このような構成によれば、前記集光素子が同心円構造で決まる実効屈折率の分布によるレンズ機能により実現されるため、同心円構造の形状を制御することで、レンズの所望の焦点距離や光軸位置が高精度に実現できる。
例えば、前記固体撮像素子の撮像面に、前記集光素子と前記受光部とを含む画素を複数配置し、それぞれの画素で入射光の異なる色成分を電気信号に変換する場合に、前記集光素子の同心円構造の形状を色ごとに異ならせることで、異なる色の光の焦点距離が統一できるので、全ての色成分について最適な感度が得られる。
また、例えば、前記撮像面に被写体像を結像させるカメラ光学系の光軸から離れた周辺の画素では、入射光の入射角度に応じて集光素子の同心円の中心の偏心量を設けることによって、斜めの入射光を垂直方向に偏向して受光部へ入射させることができる。その結果、反射膜からの反射光も垂直方向に戻されるので、隣接画素への混入や配線での散乱もなく、受光部で光電変換される。このため撮像面全体の光入射量は均一となり、感度シェーディングや混色の軽減に大きく寄与する。
また、前記受光部の前記入射光の入射面に、前記入射光の波長よりも短い周期の微細凸凹構造が形成され、当該微細凸凹構造によって生じる実効屈折率分布が与えられていてもよい。
このような構成によれば、入射光は受光部の入射面でさらに集光され効率よく光電変換が行われる。また、受光部の表面が、光の波長よりも十分に小さい構造で構成されているため、界面での反射率が大幅に低減し、感度が改善する。
また、微細凸凹構造は、前記受光部の前記入射光の入射面に設けられた、前記受光部とは別の材料にて形成されていてもよい。
このような構成によれば、前述の効果に加えて、受光部に凸凹構造を直接形成する場合と比べてキズ等の画素欠陥を発生するリスクを低減できる。
また、前記反射膜が、屈折率の異なる2種類以上の光透過膜を交互に積層することによって生じる特定帯域の光反射特性を有するバンドカットフィルタであってもよい。
このような構成によれば、入射光に含まれる光電変換されるべき色成分のみを前記特定帯域として反射させ、受光部へ戻すことができるので、感度向上だけでなく、色再現性の改善、混色の抑制が期待できる。固体撮像装置の低背化のために、カラーフィルタが薄膜化する際に、非常に有効な技術となる。
本発明の固体撮像装置は、上記説明したように、同心円構造で決まる実効屈折率の分布によるレンズ機能を有する集光素子を用いて、当該同心円構造の形状を適切に制御することで、混色の抑制ならびに感度の向上を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明について、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明を行うが、これは例示を目的としており、本発明はこれらに限定されることを意図しない。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置を構成する複数の画素のうちの1つの基本構造を示す断面図である。画素サイズは1.75μm角であり、各画素は、集光素子1、カラーフィルタ2、受光部(Siフォトダイオード)3、配線4、反射膜5、ガラス基板6、平坦化膜(シリカガラス)7を備えている。
図1に、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置を構成する複数の画素のうちの1つの基本構造を示す断面図である。画素サイズは1.75μm角であり、各画素は、集光素子1、カラーフィルタ2、受光部(Siフォトダイオード)3、配線4、反射膜5、ガラス基板6、平坦化膜(シリカガラス)7を備えている。
集光素子1の上面は図2のような形状になっており、円環形状で、入射光8に対して透過性があり、かつ屈折率が異なる第1部位および第2部位が、同心円状に交互に、前記入射光の波長以下の周期で繰り返し設けられている。
具体的には、高屈折率材料12(一例としてSiO2、n=1.43、第1部位)を、入射光8の波長よりも短い周期で同心円状に掘り込んで分断した構造であり、高屈折率材料12の分断部分の媒質は低屈折率材料13(一例として空気、n=1、第2部位)である。本実施の形態の場合、同心円の中心CにおいてSiO2が最も密であり、同心円の径方向に沿って外側になるに従ってSiO2が疎になる。
このとき、高屈折率材料12(SiO2)と低屈折率材料13(空気)との繰り返しの1周期である微小領域(ゾーン領域)11が、入射光の波長と同程度かそれよりも小さければ、光が感じる有効屈折率は、ゾーン領域11内の2種材料の体積比によって決まる。つまり、ゾーン領域内の高屈折率材料を増やせば(減らせば)、有効屈折率は高く(低く)なる。
図2に示している集光素子1は、光学中心である同心円の中心Cが、受光部3の中心が置かれる画素中心から左側へ偏心した分布屈折率レンズである。このような集光素子1の画素中心の位置へ、紙面左手前から入射した光は、紙面垂直方向へと偏向されることになる。つまり図1に示しているように、ある角度θで入射する入射光8(主光線10)は集光素子1で、集光、偏向され、カラーフィルタで分光された後、受光部へ到達する。このとき何割かの光は受光部を透過するが、反射膜5(本実施の形態ではアルミニウム)によって反射され、再び受光部3へと戻っている。本実施例において、入射光の波長が640nm、受光部の深さが2μmの場合、受光部3での光の吸収率は、反射膜5がない場合と比べて約1.5倍となる。
図3は実施の形態1に係る、1/3型ハイビジョンムービー用MOSセンサ(500万画素)の固体撮像装置におけるカメラ光学系14ならびに固体撮像装置15の画素a〜cの断面を示す図である。被写体からの光はカメラ光学系14によって、固体撮像装置15上に結像する。
カメラ光学系14の光軸上の画素aでは垂直方向に光が入射し、集光素子1と受光部3とを偏心させなくとも、受光部3で効率のよい光電変換が行われる。光軸から離れて周辺に向かうに従って、画素b、画素cでは入射角度θは大きくなるが、入射角度θに応じて集光素子1の同心円の中心の偏心量を設けることによって、斜めの入射光は垂直方向に偏向されて受光部3へ入射する。
結果として、全ての画素において、入射光は垂直に受光部3に入射し、反射光も垂直に戻ってくるため、隣接画素への混入や配線4での散乱もなく全て受光部3で光電変換される。このため撮像面全体の光入射量は均一となり、感度シェーディングや混色は発生しない。
(実施の形態2)
図4は、本実施の形態に係る集光素子1aの断面を示す図である。この集光素子1aの同心円構造は、膜厚1.2μm、0.8μmの2段構造である。
図4は、本実施の形態に係る集光素子1aの断面を示す図である。この集光素子1aの同心円構造は、膜厚1.2μm、0.8μmの2段構造である。
図5(a)〜図5(f)は、2段同心構造の集光素子を形成する場合の6つの基本構造を示す図である。図5(a)が最も密な構造、つまりは有効屈折率が高い構造であり、図5(b)から図5(f)の構造になるに従って、屈折率は低くなる。このとき、上段(光入射側)膜厚16と下段(基板側)膜厚17はそれぞれ0.4nm、0.8nmであり、膜厚比(上段/下段)は0.5である。
図6は、本実施の形態に係る裏面照射型固体撮像装置を構成する1つの画素の断面を示す図である。図1で示した実施例と同様に、入射光は集光素子1aで集光され、カラーフィルタ2で分光された後、受光部3へ到達する。このとき何割かの光は受光部3を透過するが、反射膜5(本実施例ではアルミニウム)によって反射され、再び受光部3へと戻っている。
なお、本実施の形態では、分りやすく説明するために、図5(a)〜図5(f)のような基本構造に基づいて集光素子1aを構成する実施例を示したが、その他の基本構造を用いて構成しても、もちろんよい。例えば、図5(c)と図5(b)とを組み合わせれば凸形状になり、図5(b)と図5(d)とを組合せれば凹構造が形成される。このとき、入射光の半波長程度の領域で、これらを基本構造とすれば、同様の集光特性を得ることができる。
図7(a)〜図7(g)は、集光素子1aの作製工程を示す断面図である。レンズは2段構造とし、形成は3回のフォトリソグラフィとエッチングによって行った。
まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、配線、およびカラーフィルタを含む画素基部18を形成する。1画素のサイズは、1.75μm角である。画素基部18は、図1、図6における、ガラス基板6からカラーフィルタ2上の平坦化膜7までの部分に対応する。
その後に、CVD装置を用いて、画素基部18上にSiO2膜19を形成し、その上にレジスト20を塗布する。その後、光露光21によって、パターニングを行う(図7(a))。SiO2膜とレジストの厚みはそれぞれ、1.2μmと0.5μmである。現像した後、エッチング22を行い(図7(b))、画素表面にサブ波長の微細構造を形成する(図7(c))。レジストを除去した後、BARC(Bottom Anti−Reflective Coating)材料23を埋め込み、平坦化する(図7(d))。レジストを塗布した後、再び光露光21によってパターニングを行う(図7(e))。エッチングの後(図7(f))、レジストとBARC材料23を取り除き、2段構造を形成する(図7(g))。なお、実施の形態1で説明した1段構造の集光素子1は、図7(a)〜図7(c)に示される1回目のリソグラフィとエッチングで形成される。
また、本実施の形態では、2段構造のレンズ形成を試みたが、図7に示した、フォトリソグラフィとエッチングを組み合わせた工程を繰り返すことにより、さらに多くの段数のレンズを構成することが可能である。段数が多ければ多いほど、屈折率分布の諧調数が増加することから、集光効率は向上する。
以後の実施の形態では図7(a)〜図7(c)の工程を用いて形成される1段の集光素子の例で説明する。
(実施の形態3)
図8は、本実施の形態に係る固体撮像装置を構成する複数の画素のうちの1つの断面を示す図である。本実施の形態の固体撮像装置では、受光部と配線層との間に特定帯域の波長を反射する多層膜フィルタ24が形成されている。
図8は、本実施の形態に係る固体撮像装置を構成する複数の画素のうちの1つの断面を示す図である。本実施の形態の固体撮像装置では、受光部と配線層との間に特定帯域の波長を反射する多層膜フィルタ24が形成されている。
図9に示すように、多層膜フィルタ24は、高屈折率を有する誘電体膜と低屈折率を有する誘電体膜とを交互に積層することにより、特定の波長帯域が透過できない光の禁制帯を形成する。層膜厚は数10nmから数100nm程度であり、格子結晶のように異種材料が配列していることから1次元フォトニック結晶と定義できる。膜厚を制御することにより、禁制帯の領域を自由に変化させることができ、画素が電気信号に変換する光の色に応じて最適化した多層膜フィルタを形成することができる。
図9では、赤色用の画素に用いられる多層膜フィルタ24の透過率特性の一例を示しており、カラーフィルタで分光された入射光のうち、受光部3を透過した赤色光は多層膜フィルタ24で反射され、再び受光部3に戻される。図8において、入射光の赤色光以外の非所望成分25は多層膜フィルタを透過し、配線層を通過した後、ガラス基板6から抜けることになる。
結果として、感度向上だけでなく、色再現性の改善、混色の抑制が期待できる。固体撮像装置の低背化のために、カラーフィルタが薄膜化する際に、非常に有効な技術となる。なお、本実施例の多層膜フィルタは、TiO2(n=2.51)とSiO2(n=1.43)のペアが5セット積層されている。
図10は、多層膜フィルタ24の効果を確認するためのシミュレーションの結果を示す図である。本シミュレーションは、図8に示される構造の画素に光が入射したときの入射光による電磁場の強度分布をFDTD(Finite−Difference Time−Domain method)法によって計算した結果である。なお、分布屈折率レンズは、便宜上、マイクロレンズで等価的に表現している。
図10(a)において、図面下部から上部に伝播する光が受光部3を透過し、センサ外部に抜けて行く様子が確認できる。これに対して、図10(b)では、受光部3を透過した光のうち、禁制帯領域の波長を有する光は多層膜フィルタ24によって反射され受光部3に反射される。また、禁制帯領域以外の光は画素外部に排出され、混色等の不具合を発生しない。
(実施の形態4)
図11(a)、図11(b)、図11(c)は、本実施の形態に係る固体撮像装置の、赤色用、緑色用、青色用の画素の断面、およびそれぞれの画素に用いられる集光素子1R、1G、1Bの屈折率分布を示す図である。赤色用、緑色用、青色用の画素は、それぞれ、入射光8から、赤色成分8R、緑色成分8G、青色成分8Bを透過させるカラーフィルタ2R、2G、2Bを有している。なお、受光部、配線層等の詳細な記載は省略している。
図11(a)、図11(b)、図11(c)は、本実施の形態に係る固体撮像装置の、赤色用、緑色用、青色用の画素の断面、およびそれぞれの画素に用いられる集光素子1R、1G、1Bの屈折率分布を示す図である。赤色用、緑色用、青色用の画素は、それぞれ、入射光8から、赤色成分8R、緑色成分8G、青色成分8Bを透過させるカラーフィルタ2R、2G、2Bを有している。なお、受光部、配線層等の詳細な記載は省略している。
従来の固体撮像装置では集光素子であるマイクロレンズの形状が一定であるため、長波長の光(例えば赤色成分8R)の焦点距離は長く、短波長の光(例えば青色成分8B)の焦点距離は短くなる(色収差)。このため、受光部に照射される光量に波長依存性が起こり、画素ごとに感度ばらつきが発生する。
この事象を回避するため、本実施の形態の固体撮像装置では、図11(a)に示すように、赤用画素では屈折率分布が急峻になるように集光素子1Rの凸凹構造が形成されている。対象光が緑色、青色に短波長化するに伴い、図11(b)、図11(c)に示すように、集光素子1G、1Bの屈折率分布の変化率は緩やかになっている。結果として、それぞれの画素において入射光8の赤色成分8R、緑色成分8G、青色成分8Bの焦点距離は一定となり、各画素での感度が均一となる。
(実施の形態5)
図12は、本実施の形態に係る固体撮像装置に用いられる、受光部3に微細凸凹構造33を有する画素の断面を示す図である。受光部3はSi(n=4.2)、埋め込まれた平坦化膜7はシリカガラス(n=1.45)で構成されている。
図12は、本実施の形態に係る固体撮像装置に用いられる、受光部3に微細凸凹構造33を有する画素の断面を示す図である。受光部3はSi(n=4.2)、埋め込まれた平坦化膜7はシリカガラス(n=1.45)で構成されている。
微細凸凹構造33は有効屈折率の分布を発生するように、ナノメートルオーダーで材料の粗密が形成されており、入射光8は受光部3でさらに集光され効率よく光電変換が行われる。また、受光部3の表面が、光の波長よりも十分に小さい構造で構成されているため、界面での反射率が大幅に低減し、感度が改善する。
(実施の形態6)
図13は、本実施の形態に係る固体撮像装置に用いられる、受光部3の直上に、微細凸凹構造を有する、受光部3とは別の材料を配置した画素の断面を示す図である。実施の形態5では、受光部3に凸凹構造を直接形成するため、キズ等の画素欠陥を発生するリスクが高い。そこで本実施の形態では、電気的に受光部3と切り離された別の材料で微細凸凹構造34を形成している。別の材料として、受光部3との屈折率差が小さい材料を選択することにより、光の反射を低減し、感度の向上を図っている。本実施の形態では、そのような材料としてSiN(n=2.0)に微細凸凹構造を形成し、集光性能を持たせている。
図13は、本実施の形態に係る固体撮像装置に用いられる、受光部3の直上に、微細凸凹構造を有する、受光部3とは別の材料を配置した画素の断面を示す図である。実施の形態5では、受光部3に凸凹構造を直接形成するため、キズ等の画素欠陥を発生するリスクが高い。そこで本実施の形態では、電気的に受光部3と切り離された別の材料で微細凸凹構造34を形成している。別の材料として、受光部3との屈折率差が小さい材料を選択することにより、光の反射を低減し、感度の向上を図っている。本実施の形態では、そのような材料としてSiN(n=2.0)に微細凸凹構造を形成し、集光性能を持たせている。
(まとめ)
本発明では、サブ波長構造を有する光学素子を用いて、各画素に入射する光を垂直に入射し、受光領域を透過した光を垂直反射して、再び受光領域に戻す光学系を形成する。
本発明では、サブ波長構造を有する光学素子を用いて、各画素に入射する光を垂直に入射し、受光領域を透過した光を垂直反射して、再び受光領域に戻す光学系を形成する。
これによって、集光ロスや散乱ロスが抑えられ、入射光の集光効率は向上する。また、受光部に効率よく光が入射するため、感度が増加し、混色が抑制される。また、光電変換されなかった光を再び受光部に戻すことができるため、感度が向上する。
本発明の固体撮像装置は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ付携帯電話機、監視用カメラ、車載用カメラ、放送用カメラをはじめとするイメージセンサ関連製品の性能向上及び低価格化が実現可能であり、産業上有用である。
1、1a、1R、1G、1B 集光素子(分布屈折率レンズ)
2、2R、2G、2B カラーフィルタ
3 受光部
4 配線
5 反射膜
6 ガラス基板
7 平坦化膜
8 入射光
8R、8G、8B 入射光の色成分
9 集光素子(マイクロレンズ)
10 主光線
11 微小領域(ゾーン領域)
12 高屈折率材料
13 低屈折率材料
14 カメラ光学系
15、92 固体撮像装置
16 上段膜厚
17 下段膜厚
18 画素基部
19 SiO2膜
20 レジスト
21 光露光
22 エッチング
23 BARC材料
24 多層膜フィルタ
25 非所望成分
33、34 微細凸凹構造
91 光学モジュール
2、2R、2G、2B カラーフィルタ
3 受光部
4 配線
5 反射膜
6 ガラス基板
7 平坦化膜
8 入射光
8R、8G、8B 入射光の色成分
9 集光素子(マイクロレンズ)
10 主光線
11 微小領域(ゾーン領域)
12 高屈折率材料
13 低屈折率材料
14 カメラ光学系
15、92 固体撮像装置
16 上段膜厚
17 下段膜厚
18 画素基部
19 SiO2膜
20 レジスト
21 光露光
22 エッチング
23 BARC材料
24 多層膜フィルタ
25 非所望成分
33、34 微細凸凹構造
91 光学モジュール
Claims (7)
- 入射光を電気信号に変換する受光部と、
前記受光部の前記入射光が入射する側とは反対側に形成された配線と、
前記受光部と前記配線との間に形成された反射膜と、
前記受光部の前記入射光が入射する側に、円環形状で、前記入射光に対して透過性があり、かつ互いに屈折率が異なる第1部位および第2部位を、同心円状に交互に、前記入射光の波長以下の周期で繰り返し設けてなる平板状の集光素子と
を備える固体撮像装置。 - 前記集光素子が、1周期に含まれる前記第1部位と前記第2部位との体積比率を、前記同心円の径方向に沿って変化させることによって生じる実効屈折率分布を有している
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記第1部位が、入射光の波長以下の周期で同心円状に分断された光透過膜であり、
前記第2部位が、前記光透過膜を分断する部分に存在する空気である
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記集光素子における前記同心円の中心は、前記受光部の中心から偏心している
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記受光部の前記入射光の入射面に、前記入射光の波長よりも短い周期の微細凸凹構造が形成され、当該微細凸凹構造によって生じる実効屈折率分布が与えられている
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 微細凸凹構造は、前記受光部の前記入射光の入射面に設けられた、前記受光部とは別の材料にて形成されている
請求項5に記載の固体撮像装置。 - 前記反射膜が、屈折率の異なる2種類以上の光透過膜を交互に積層することによって生じる特定帯域の光反射特性を有するバンドカットフィルタである
請求項1に記載の固体撮像装置。
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