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JP2011031545A - プラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法 - Google Patents

プラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法 Download PDF

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Wataru Nishijima
渉 西嶋
Tetsushi Okuda
哲士 奥田
Tomoji Nakai
智司 中井
Mitsumasa Okada
光正 岡田
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Abstract

【課題】フィルム状を含めた高比重プラスチックを比重分離させる方法を提供することである。
【解決手段】プラスチック混合物を液体中で比重分離する方法であって、前記プラスチック混合物に気体中または液体中で酸化処理を行う酸化処理工程と、前記酸化処理工程後のプラスチック混合物に付着または内包した気泡を除去する脱気工程とを含む工程を設定することにより、フィルム状を含めた高比重プラスチックが混入している廃プラスチック混合物からの高比重プラスチック分離することができる方法を提供できた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数種のプラスチックを含むプラスチック混合物から高比重プラスチックの分離方法に関する。詳しくは、複数種のプラスチックを含むプラスチック混合物からフィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべての形状の高比重プラスチックの比重分離方法に関する。
近年、廃プラスチックのリサイクル率は上昇しているが、リサイクル時の問題として、廃プラスチック中にポリ塩化ビニル(PVC)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)のような高比重である塩素含有プラスチックの混入があり、またリサイクルに必要とする高純度の原料が得られにくい。
塩素含有プラスチックが混入した廃プラスチック混合物を使用すると、廃プラスチックを再度プラスチック原料の材料として使用するなどのマテリアルリサイクル、廃プラスチックを化学反応により組織変換した後に再使用するなどのケミカルリサイクル、廃プラスチックを固形燃料として使用するなどのサーマルリサイクルのいずれの方法においても加温や焼却プロセスがあることが多いため、塩素含有プラスチックから塩化水素ガスやダイオキシン類が発生する恐れがある。
また、容器包装プラスチックの主原料として、使用済み容器包装プラスチックから低比重プラスチックであるポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)を高純度で分離できないと、リサイクル原料を使用して製造した再商品化製品の品質が未使用原料の場合と比較して劣る恐れがある。
容器包装プラスチックからはPEとPPを分離し、再商品化をしている。これらは密度は水(約1g/cm)より小さく、理論的には代表的な密度が1.1〜1.4g/cmであるポリスチレン、アクリル、ポリカーボネート、PVC及びPVDCなどの高比重プラスチックと湿式比重分離にて分離することが可能である。
しかしながら、PVCやPVDCは食品用のラップによく使われるようにプラスチックなどに付着しやすい性質をもっており、また自己で丸まった場合などはネジレた状態を保持しやすく、水中に浸した場合でもネジレ内部に気泡を保持する場合がある。
また、いびつな形状や凹凸形状などを有する薄板状又は小片状の高比重プラスチックであると付着した気泡が除去されにくい場合がある。
それらの場合、見かけ比重が1より軽くなる場合があり、実際の比重分離においてPVC及びPVDCなどの塩素含有プラスチックや、ポリスチレン及びアクリルなどの高比重プラスチックが、PEやPPを多く含む浮上分に混入し、高比重プラスチックと低比重プラスチックとの比重分離が困難であった。
特に、高比重プラスチックの中において、食品用のラップによく使われるPVCやPVDCの形状はフィルム状であり、例えば比重1.4のPVCを使用した場合、5mm角で厚み10μmのフィルム状プラスチックと5mm角のペレット状のプラスチックとの比表面積差は理論上167倍もある。
このため、内部に含まれた気泡や付着した気泡の影響を受けやすく、高比重プラスチックであっても形状がフィルム状であるものはペレット状のものに比較して、気泡が付着等した場合にペレット状のものが沈降する条件においてもフィルム状のものが浮上したままで沈降しにくいため、高比重プラスチックと低比重プラスチックとの比重分離が困難であった。
従来、以下のような高比重プラスチックと低比重プラスチックとの比重分離を行う技術が開示されている。
比重分離装置の上流側に、廃プラスチックを破砕した、軽重フラフ群からなる廃プラスチックフラフと水とを供給して混合攪拌するための混合攪拌槽を有し、該混合攪拌槽から送出された混合スラリを減圧脱気するための真空脱気塔を有し、該真空脱気塔から攪拌機で強制的に比重分離槽に送出し、上部に散水用樋を設け該散水用樋からの落下水により前記比重分離槽をかき乱して重質フラフ群を軽質フラフ群から分離する比重分離装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、低比重プラスチックであるポリエチレンと高比重プラスチックである塩化ビニルとを含む廃プラスチック粒子が水とによって懸濁した水中に向かって超音波を発射することにより、廃プラスチック粒子から脱気させる脱気段階と、脱気した廃プラスチック粒子を水に入れることにより、ポリエチレン粒子と塩化ビニル粒子とを比重分離する分離段階を含む廃プラスチック分別法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらには、廃プラスチックに水蒸気を当てプラスチック内の細孔内の空気を脱気させ、さらに雰囲気を冷却して水蒸気を液化させ細孔内に液化水をしみこませてあらかじめ濡れ性付与させてから、投入槽に投入し該投入槽内に設置したスクリューで強制的に分散させて短時間で分離槽に移行させて、ほとんど流れのない分離槽で比重差により高比重物と低比重物とを分離する方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、特許文献1では、真空脱気後に、比重分離槽上部の散水用樋からの落下水により比重分離槽をかき乱すことにより気泡が発生するので、これらの気泡がシワシワ状態になっているフィルム状高比重プラスチックや、凹凸形状を有する薄板または小片状の高比重プラスチックに再付着する可能性があるという問題があった。
また、混合攪拌槽、真空脱気塔、散水用樋及び比重分離槽などの装置を必要とするので、設備が多段化、複雑化し、真空を取り扱うので操作が複雑化することや安全面での問題があり、真空にしなければならないので多量の廃プラスチックの処理を一度に行おうとするとコスト高になるという問題がある。
特許文献2では、超音波によるキャビテーション現象によって引き起こされた気泡が破裂するときのエネルギーが達しやすい廃プラスチックの表面からの気泡は取り除かれるが、丸まったフィルム状高比重プラスチックに内包された気泡、複雑な形状の凹み部に付着した気泡、または超音波発生器との間に他の廃プラスチックが浮遊して介在している状態の廃プラスチックの表面に付着している気泡に対しては前記エネルギーが達しにくいため脱気に時間がかかるという問題がある。
また、廃プラスチックに対して超音波を発射させるために容積が小さいほど好ましい混合槽と、廃プラスチックを比重分離するために一定の開口面積を必要とする比重分離槽とは1つの水槽に併合できないので小型化できにくいという問題があり、超音波を個々の廃プラスチックに向けて発射するので多量の廃プラスチックの処理を一度に行おうとするとコスト高になるという問題がある。
特許文献3では、工程間の移動などの過程において水蒸気処理した廃プラスチックが移動する過程で受ける種々の衝撃により細孔内の水が排出されて親水化効果が薄まり、また処理すべき廃プラスチックをあらかじめ水蒸気で前処理した後から投入槽に投入するまでの過程においてプラスチック表面が乾燥する可能性があり細孔内の水分が脱水するので親水化効果が薄まるという問題がある。
また、水蒸気という高温を扱うので安全面で懸念があるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、フィルム状、いびつな形状、凹凸の形状など種々の形状の高比重プラスチックに付着または内包された気泡を容易に脱気させる方法を提供することである。
本発明において、「高比重プラスチック」とは、比重が1.00超のプラスチックを意味し、「低比重プラスチック」とは、比重が1.00未満のプラスチックを意味する。
プラスチックを比重の代表値で分けると、低比重プラスチックにはPP(比重0.9)やPE(比重0.9)が該当し、高比重プラスチックにはポリスチレン(PS、比重1.1)、アクリル(PMMA、比重1.1)、ポリカーボネート(PC、比重1.2)、ポリエチレンテフレタレート(PET、比重1.3)、PVC(比重1.4)やPVDC(比重1.4)が該当する。
本発明において、「プラスチック混合物」とは、PPやPEの低比重プラスチックのうち少なくとも1種類以上と、PET、PMMA、PCなどの高比重プラスチック、及びPVCやPVDCの塩素含有高比重プラスチックのうち少なくとも1種類以上と、が混在しているプラスチックの混合物を意味する。
本発明において、「オゾン気泡」とは、オゾン処理を液体中で実施した際に発生する気泡を意味する。また、オゾンに暴露すると、特開2006−305784号公報の段落[0010]に記載のある「プラスチック混合物に含まれる塩素含有プラスチックは、オゾン処理などの酸化処理により他のプラスチックに比べて酸化(親水化)されやすい」という効果がある。
本発明において、「塩素含有プラスチック」とは、塩素を有機骨格に含有するプラスチックを意味し、PVC、PVDC及びこれらの共重合体等が含まれる。
本発明において、「フィルム状のプラスチック」とは、薄皮または薄膜(広辞苑第六版)状であって、ネジレ状態になりやすく空気を付着あるいはネジレた内部に内包しやすいプラスチックを意味する。
上記の課題を解決するために、請求項1にかかるプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法の発明は、プラスチック混合物を液体中で比重分離する方法であって、前記プラスチック混合物に気体中または液体中で酸化処理を行う酸化処理工程と、前記酸化処理工程後のプラスチック混合物に付着または内包した気泡を除去する脱気工程と、湿式比重分離工程と、を含むことを特徴とする。
請求項2にかかるプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法の発明は、請求項1の発明において、酸化処理工程が、気体中または液体中でオゾン処理をする工程であることを特徴とする。
請求項3にかかるプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法の発明は、請求項1または2において、脱気工程が、減圧化、超音波発射、攪拌または遠心式などの気泡に対する吸引力、衝撃力または剥離力を発生させる工程であることを特徴とする。
請求項4にかかるプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法の発明は、プラスチック混合物を液体中で比重分離する方法であって、プラスチック混合物を含む液体へオゾンを導入するオゾン処理工程と、前記オゾン処理工程後、オゾン気泡の残存中またはオゾン気泡の消滅後に、前記オゾン処理工程後の液体を所定の攪拌速度及び時間で攪拌する攪拌工程と、湿式比重分離工程と、を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、廃プラスチック混合物から比重差を利用して分離するあたり、PP(比重0.9)やPE(比重0.9)などの低比重プラスチック群のうちの少なくとも1種類の低比重プラスチックと、ポリスチレン(PS、比重1.1)、PMMA(比重1.1)、ポリカーボネート(比重1.2)、PET(比重1.3)、PVC(比重1.4)やPVDC(比重1.4)などの高比重プラスチック群のうちの少なくとも1種類の高比重プラスチックとを含む廃プラスチック混合物を、見かけ比重により高比重プラスチックが低比重プラスチック側に混入することなく、それぞれのプラスチック材質固有の比重により比重1超の高比重プラスチックと比重1未満の低比重プラスチックとを容易に比重分離することができる。
さらに、PPやPEなどの低比重プラスチックに付着したフィルム状のPVCやPVDCなどの高比重プラスチックを剥離させ沈降させて分離でき、ネジレて皺になって空気を付着または内包した、またはネジレて丸まって空気を内包したフィルム状のPVCやPVDCなどの高比重プラスチックも沈降させて分離でき、凹凸等の複雑形状部の表面を有する高比重プラスチックも沈降させて分離でき、フィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべて形状の高比重プラスチックを沈降させて分離することができるという効果を奏する。
高比重プラスチックである塩素含有プラスチックを低比重プラスチックに混入させることがないので、廃プラスチック混合物からPEやPPの低比重プラスチックを高精度で分離でき、容器包装プラスチックに原料として使用されるPEやPPの高純度のリサイクル原料が得られるという効果を奏する。
また、フィルム状などの形状のプラスチックの表面を疎水性から親水性に改質するので、脱気に要するエネルギーが低く、かつ短時間で気泡を除去できるという効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1の発明と同じ効果を奏する。さらに、廃プラスチック混合物に対するオゾン処理を気体中においても液体中においても実施することができるという効果を奏する。これは浮遊選別法では分離するために必要であるオゾン気泡は本発明における分離には不必要だからである。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明と同じ効果を奏する。さらに、脱気工程は、減圧化、超音波発射、攪拌または遠心式などの既存の脱気法であってもよく、酸化処理と既存の脱気法の組み合わせでプラスチック混合物から高比重プラスチックを分離できるという効果を奏する。
また、プラスチック混合物の表面が親水化しているので前記既存の脱気法を液体中で使用する場合に従来より低エネルギーで脱気できるという効果を奏する。
酸化処理工程がオゾン処理をする工程の場合、脱気工程においてはオゾン気泡が残存していても消滅していてもよいが、消滅した方が脱気作用のためのエネルギーが減じられるという効果を奏する。
請求項4の発明は、オゾン処理工程から湿式比重分離工程まで廃プラスチック混合物を移動させなくてよく、1つの槽で酸化処理、脱気処理及び比重分離ができるので、設備を小型化できるという効果を奏する。
本発明にかかる方法概要のフロー図である。 未使用フィルム状プラスチックのオゾン処理有無による浮上率グラフである。 フィルム状を含む廃プラスチック混合物のオゾン処理有無による浮上率グラフである。 未使用フィルム状プラスチックのオゾン処理時間長さによる浮上率グラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、図1に示すように酸化処理工程、及び酸化処理工程後の脱気工程、及び湿式比重分離工程を含む工程からなる。
まず、酸化処理工程である。酸化処理工程には準備工程を要し、該準備工程においては、数種類の低比重プラスチックと数種類の高比重プラスチックとを準備し、それぞれ5cm角以下の大きさに破断する。なお、廃プラスチックの大きさそのものでなくて5cm角以下の大きさにすることは、酸化処理の均一化、脱気作用による脱気効果向上、廃プラスチック混合物の同時処理量の増加などの効果がある。
酸化処理工程は、気体中または液体中において、塩素含有プラスチックの場合はオゾンにより特異的に親水化するので短時間で、また他のプラスチックの場合はより長い時間を要して酸化処理することで、すべてのプラスチック表面を疎水性から親水性に改質するという効果がある。
酸化処理方法は、液体中で酸化処理する場合は、前記破断したプラスチックと水を入れた槽の下部から、槽内を攪拌しながらまたは攪拌せずに、オゾン発生装置で発生させたオゾンを供給し液体中にオゾンを溶解させる。この溶解したオゾンまたはオゾン気泡がプラスチックに付着や内部に保持される気泡に接触し、オゾンを気泡内部に拡散することにより、ネジレたり、丸まったりしたフィルム状のプラスチック表面、及び凹凸面を有したり、凹み部を有する小片状や扁平状のプラスチック表面にも万遍なくオゾンを接触させることができる。
または、気体中で酸化処理する場合は、気体中において容器内に載置した前記破断したプラスチックに向けて、オゾン発生装置で発生させたオゾンを前記プラスチックに満遍なく付着するように噴射する。
これらのオゾン処理により、フィルム状や凹凸状などのどんな形状であろうともプラスチックの表面全面にオゾンを接触させることができる。
なお、オゾンを発生させる装置は、オゾン発生装置(POX−10、富士電機社製)などの市販のオゾン発生装置でよい。
また、酸化処理方法としては、プラスチック表面に紫外線を照射する処理方法、またはプラスチック表面にプラズマを照射する処理方法などのプラスチックなどの高分子材料に酸化処理効果を有する公知の酸化処理方法でもよい。
次に、脱気工程である。該脱気工程は、気体中または液体中において酸化処理したプラスチックを、減圧化、超音波発射、攪拌または遠心式などの既存の脱気法で、湿式比重分離工程におけるプラスチックに付着または内包している気泡が存在しないようにする工程である。
ここで、脱気を開始する前のプラスチックの状態は、表面が酸化(親水化)されていればよく、気泡を付着させておく必要がないので、酸化処理に使用したときに発生したオゾン気泡がプラスチックの表面に残存していても消滅していてもよい。
脱気工程が攪拌や遠心式などの水流発生方法の場合においては、湿式比重分離工程においてPPやPEなどの低比重プラスチックに付着したフィルム状の高比重プラスチック、捩れて皺になり空気を内包したフィルム状の高比重プラスチック、凹凸等の複雑形状部の表面を有する高比重プラスチック、フィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべて形状の高比重プラスチックを沈降させることができる水流速度及び水流発生時間などを設定し脱気作業を実施する。
また、脱気工程が減圧化または超音波発射の場合においても、湿式比重分離工程においてPPやPEなどの低比重プラスチックに付着したフィルム状の高比重プラスチック、捩れて皺になり空気を内包したフィルム状の高比重プラスチック、凹凸等の複雑形状部の表面を有する高比重プラスチック、フィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべて形状の高比重プラスチックを沈降させることができる圧力設定、超音波の周波数等の設定、脱気時間の設定などを行い、脱気作業を実施する。
いずれかの脱気法による脱気処理後に湿式比重分離を実施することにより、PPやPEなどの低比重プラスチックに付着したフィルム状のPVCやPVDCなどの高比重プラスチック、捩れて皺になり空気を内包したフィルム状のPVCやPVDCなどの高比重プラスチック、凹凸等の複雑形状部の表面を有する高比重プラスチック、フィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべて形状の高比重プラスチックを沈降させることができる。
以上により、プラスチック混合物から高比重プラスチックをすべて沈降させ、低比重プラスチックをすべて浮上させて、比重分離することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものでない。
フィルム状の高比重プラスチックの表面やネジレ内部の気泡を除去すること、微小片の高比重プラスチックの凹凸等の複雑形状部の表面の気泡を除去すること、及びフィルム状、塊状、扁平状、及び異形状などすべての形状の廃プラスチック混合物の表面の気泡を除去することの中で最も気泡の除去が難しいものとして、ネジレ内部に内包した気泡のあるフィルム状のプラスチックを沈降させることができればいかなる形状の高比重プラスチックも沈降させることができるので、フィルム状の高比重プラスチックの一例としてPVCとPVDCを実施例として取り上げた。
まず、酸化処理工程の準備工程である。未使用フィルム状プラスチック混合物のサンプルとして、2〜5cm長さで1〜2cm幅のPPフィルム、PEフィルム、及びPVDCフィルムのサンプルを各10片、そしてフィルム状を含む廃プラスチック混合物サンプルとして、実際に稼動している容器包装プラスチックの分離工場から入手した湿式比重分離で浮上していた2〜4cm長さで0.5〜1cm幅の皺やネジレを有するサンプルを10g分準備した。
未使用のPVDCフィルム状プラスチックには、ミキサー(型式MX−X12、松下電器産業株式会社製)を用いて皺やネジレを加えたものと加えないものサンプルを準備した。しかし、PPフィルム、PEフィルムにはミキサーを用いた方法でもネジレを保持させることができず、実廃プラスチックにおいてもネジレがあるPPフィルム、PEフィルムは見当たらなかったため、ネジレのないもののみを準備した。
酸化処理工程ではオゾン処理を行った。オゾン処理方法は、蒸留水の入った3Lのビーカーに準備した未使用フィルム状プラスチック混合物サンプルまたはフィルム状を含む廃プラスチック混合物サンプルを投入して別々にオゾン処理を行った。オゾン発生装置(POX−10、富士電機社製)によりオゾン含有空気を発生させ、濃度150mg−O3/Lのオゾン含有ガスを流量約100mL/minでビーカー下部に散気した。オゾン処理時間は30分とし、オゾン処理中は攪拌を行った。
脱気工程は、攪拌を行い、容量3Lのビーカーに直径10cmの攪拌翼を水面付近で攪拌して、550rpmで1〜2分間攪拌した。
そして、攪拌を止め、ビーカー内において浮遊するプラスチックを含む液体が静置した後に浮上分と沈降分を別々に回収して調査した。
フィルム状を含む廃プラスチック混合物サンプルの場合では回収されたサンプルの種類を分析機器FT−IR(型式Spectrum One 株式会社パーキンエルマージャパン社製)で測定し、分離精度を評価した。
本発明による未使用フィルム状プラスチック混合物サンプルに対する分離精度結果は、オゾン処理の有無による各プラスチックの浮上率で評価した。その結果を図2に示す。
図2において、オゾン処理をしなかった場合では、PP及びPEについては100%浮上していた。PVDCはネジレのない場合においても、オゾン処理なしについては550rpm、2分間程度の攪拌では7割が浮上しており、ネジレだけでなく、表面の強い疎水性への気泡の付着のみでも、見かけ比重が1以下になり、大部分が浮上することが確認された。ネジレがある場合、オゾン処理なしでは、PVDCは550rpm、2分間程度の攪拌ではすべてが浮上していた。
次に、未使用フィルム状プラスチック混合物サンプルに対してオゾン処理を加えた場合をみると、PP及びPEの浮上率は変わらず100%浮上していた一方で、PVDCについては、ネジレなしで浮上率が0%に、ネジレ有りの場合でも10%に減少できた。これにより、オゾン処理の効果が確認できた。
図4にオゾン処理時間の違いによる未使用フィルム状プラスチック混合物サンプルであるPE、PP及びネジレ有のPVDCの浮上率の変化を示している。
図4により、オゾン処理も攪拌もしない場合は、PE、PP、ネジレ有PVDCともすべて浮上したままであった。次に、550rpmで2分間攪拌のみ場合も、PE、PP、ネジレ有PVDCともすべて浮上したままであった。
オゾン処理を10分にした後に550rpmで2分間攪拌した場合は、PEとPPとは浮上率はともに100%のままであるが、ネジレ有PVDCは浮上率は20%となった。さらに、オゾン処理を30分にした後に550rpmで2分間攪拌した場合は、ネジレ有PVDCの浮上率は10%になったことから、ネジレ有のフィルム状プラスチックに付着や内包された気泡を除去するにはオゾン処理時間を長くした方がより高精度の分離ができることがわかった。
これらの結果より、オゾン処理によりPVDCの表面が親水化され、表面に付着あるいはネジレ部分に内包される気泡が攪拌で除去されやすくなり、またオゾン処理時間を長くすることと攪拌時間を長くすることにより、比重分離における沈降性が大幅に向上し、高精度の分離ができることがわかった。
次に、フィルム状を含む廃プラスチック混合物サンプルを対象にした本発明による分離精度を評価した。
実施例2の酸化処理工程及び脱気工程の実施方法は、実施例1と同じである。
図3にはフィルム状を含む廃プラスチック混合物サンプルに対するオゾン処理の有無による前記混合物の浮上率を示す。
図3より、オゾン処理なしで攪拌前の場合は浮上率が100%であった。そして、オゾン処理なしで550rpmで2分間攪拌のみの場合は浮上率が93.8%になった。さらに、オゾン処理を30分にした後に550rpmで2分間攪拌した場合は浮上率が89.9%に減少した。これは約4%の浮上していたフィルム状を含む高比重プラスチック分を沈降分に変えることができたことを示す。
ここで、表1にフィルム状を含む廃プラスチック混合物の比重分離時の浮上分及び沈降分の組成を示す。
Figure 2011031545
表1は、攪拌前、オゾン処理無で攪拌した場合、及びオゾン処理有で攪拌した場合のPE、PP、PVCとPVDC、その他の各プラスチックの組成率の変化を示している。
表1により、攪拌前の浮上分は、PE60.0wt%、PP36.3wt%、PVCとPVDC1.3wt%、その他プラスチック2.4wt%の組成で、沈降分はすべて0wt%であった。そして、オゾン処理を30分にした後に550rpmで2分間攪拌すると、浮上分がPE53.1wt%、PP36.3wt%、PVCとPVDC0.0wt%、その他プラスチック0.5wt%で、沈降分がPE6.9wt%、PP0.0wt%、PVCとPVDC1.3wt%、その他プラスチック1.9wt%の組成に変化した。
したがって、比重分離を行う前に1.3wt%を占めているフィルム状の塩素含有プラスチック(PVC及びPVDC)はオゾン処理を行わない攪拌では内包する気泡などが抜けきらず浮遊してしまっていたが、オゾン処理を30分行った結果、すべてのフィルム状の塩素含有プラスチックを沈降させることができた。
一方、表1において、それぞれの沈降分の成分変化をみると、ここではオゾン処理有の沈降分に本来の比重では浮上するはずのPEが沈降しているが、これは複層コーティングされているものや着色されているものが沈降したものであった。
これらの結果より、実廃プラスチックにおいても、フィルム状の未使用プラスチックで得られたのと同様のオゾン処理によるフィルム状の塩素含有プラスチックの表面に付着またはネジレ部分に内包される気泡を除去でき、その結果、比重分離における沈降性を大幅に向上でき、高精度の分離ができることを確認した。
したがって、最も分離しにくいと思われていたフィルム状の高比重プラスチックのネジレ部分に内包される気泡を除去することができたので、微小片の高比重プラスチックの凹凸等の複雑形状部の表面の気泡を除去でき、塊状、扁平状、異形状などすべての形状の廃プラスチック混合物の表面の気泡をすべて除去することができる。
これにより、廃プラスチックに対して酸化処理した後に高比重プラスチックがすべて沈降するまで攪拌することにより、廃プラスチック混合物からプラスチック自体の比重で高比重プラスチックと低比重プラスチックとを高精度で分離することができる。
特開平10−86153号公報 特許第2796934号公報 特許第2796934号公報

Claims (4)

  1. プラスチック混合物を液体中で比重分離する方法であって、前記プラスチック混合物に気体中または液体中で酸化処理を行う酸化処理工程と、前記酸化処理工程後のプラスチック混合物に付着または内包した気泡を除去する脱気工程と、湿式比重分離工程と、を含むことを特徴とするプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法。
  2. 酸化処理工程が、気体中または液体中でオゾン処理をする工程であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法。
  3. 脱気工程が、減圧化、超音波発射、攪拌または遠心式などの気泡に対する吸引力、衝撃力または剥離力を発生させる工程であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法。
  4. プラスチック混合物を液体中で比重分離する方法であって、プラスチック混合物を含む液体へオゾンを導入するオゾン処理工程と、前記オゾン処理工程後、オゾン気泡の残存中またはオゾン気泡の消滅後に、前記オゾン処理工程後の液体を所定の攪拌速度及び時間で攪拌する攪拌工程と、湿式比重分離工程と、を含むことを特徴とするプラスチック混合物からの高比重プラスチック分離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102303381A (zh) * 2011-06-19 2012-01-04 阳文皇 一种用于垃圾塑料的免水洗回收方法及专用设备
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CN109597158A (zh) * 2017-10-02 2019-04-09 住友化学株式会社 聚乙烯醇系树脂膜的制造方法

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