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JP2011016104A - 磁気分離装置 - Google Patents

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JP2011016104A
JP2011016104A JP2009163700A JP2009163700A JP2011016104A JP 2011016104 A JP2011016104 A JP 2011016104A JP 2009163700 A JP2009163700 A JP 2009163700A JP 2009163700 A JP2009163700 A JP 2009163700A JP 2011016104 A JP2011016104 A JP 2011016104A
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Manabu Yamada
学 山田
Noriko Otani
憲子 大谷
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Hitachi Ltd
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Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

【課題】磁気ディスクからスクレーパで掻き取った磁性フロックを、スクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段を必要としないで無動力で磁気ディスク外に排出することができるので、ランニングコストを大幅に低減できる。
【解決手段】磁性フロックFを含有する原水が流入する分離槽32と、分離槽32内に配設された回転軸34に所定間隔を有して並設され、ディスク基板33に固定された永久磁石片37の磁性力により磁性フロックFを吸着する複数枚の磁気ディスク36と、回転軸34近傍から磁気ディスク36の少なくとも外縁まで延設され、磁気ディスク36面に側縁部が当接されたスクレーパ38と、を備えた磁気分離装置20において、磁気ディスク36は、永久磁石片37がディスク基板33面の中心近傍から外縁近傍まで放射状に複数本の磁性ライン39を形成するように配置されると共に該磁性ライン39が磁気ディスク36の回転方向に凸状に湾曲している。
【選択図】図6

Description

本発明は磁気分離装置に係り、特に原水中の磁性フロックを磁性力により磁気ディスクに吸着分離した後、磁性フロックを磁気ディスク外に排出する技術に関する。
下水や工場排水等の原水中に存在する汚濁物質を除去する装置として磁気分離装置がある。この磁気分離装置は、原水中に凝集剤と磁性粉を添加することにより、汚濁物質を磁性を帯びた磁性フロックとして形成し、この磁性フロックを永久磁石片を固着した磁気ディスクに吸着して分離除去するもので、マグシード法と呼ばれている。
特許文献1には、磁気分離装置を組み込んだ固液分離装置が開示されている。特許文献1に示すように、磁気分離装置は、分離槽内に、永久磁石片を放射状に配置した複数枚の磁気ディスクを回転軸に間隔を置いて配設したものであり、磁性フロックを磁気ディスクに吸着することで原水中から除去する。磁気ディスクに吸着された磁性フロックは、スクレーパによって掻き取られ、スクレーパの傾斜を利用した重力による自然流下により磁気ディスク外に排出される。
しかし、特許文献1の場合、磁気分離の効率を上げるために、磁気力の強い永久磁石片を用いる場合、スクレーパによって磁気ディスクから分離された磁性フロックは磁気ディスクの回転によって送られてくる次の永久磁石片に引き寄せられる。これにより、掻き取られた磁性フロックがスクレーパを自然流下しなくなるため、スクレーパ内に堆積してしまうという問題がある。
このような背景から、特許文献2では、スクレーパに設けたスクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベアによって掻き取った磁性フロックを強制的に磁気ディスク外に運び出すようにしている。
特開平10−244424号公報 特開2009−101341号公報
しかしながら、スクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段は動力費が嵩むために、磁気分離装置のランニングコストが高くなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、磁気ディスクからスクレーパで掻き取った磁性フロックを、スクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段を必要としないで無動力で磁気ディスク外に排出することができるので、ランニングコストを大幅に低減できる磁気分離装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、磁性フロックを含有する原水が流入する分離槽と、前記分離槽内に配設された回転軸に所定間隔を有して並設され、ディスク基板に固定された永久磁石片の磁性力により前記磁性フロックを吸着する複数枚の磁気ディスクと、前記回転軸近傍から前記磁気ディスクの少なくとも外縁まで延設され、前記磁気ディスク面に側縁部が当接されたスクレーパと、を備えた磁気分離装置において、前記磁気ディスクは、前記永久磁石片が前記ディスク基板面の中心近傍から外縁近傍まで放射状に複数本の磁性ラインを形成するように配置されると共に該磁性ラインが前記磁気ディスクの回転方向に凸状に湾曲していることを特徴とする磁気分離装置を提供する。
ここで湾曲とは、円弧形状に限らず複数の直線が繋がって湾曲する場合も含む。
本発明の請求項1によれば、磁気ディスクは、永久磁石片がディスク基板面の中心近傍から外縁近傍まで放射状に複数本の磁性ラインを形成するように配置されると共に該磁性ラインが磁気ディスクの回転方向に凸状に湾曲している。
これにより、磁気ディスクが回転すると、先ず磁性ラインの基端部近傍(磁気ディスクの中心近傍)の永久磁石片に吸着された磁性フロックがスクレーパで掻き取られると共に、磁気ディスクの回転方法に移動する。このとき、磁性ラインは磁気ディスクの回転方向に凸状に湾曲しているので、磁性フロックの移動方向(掻き取り方向)には同じ磁性ラインの中央近傍に位置する永久磁石片が存在する。この結果、スクレーパによって掻き取られた基端部近傍の磁性フロックは、中央部近傍の永久磁石片に吸着される。換言すると、磁性フロックは磁性ラインにおいて基端部近傍の永久磁石片から中央部近傍の永久磁石片に乗り移ったことになる。
更に磁気ディスクが回転すると、磁性ラインの中央部近傍(磁気ディスクの径方向中央近傍)の永久磁石片に乗り移った磁性フロックがスクレーパで掻き取られると共に、磁気ディスクの回転方法に移動する。このとき、磁性ラインは磁気ディスクの回転方向に凸状に湾曲しているので、磁性フロックの移動方向(掻き取り方向)には同じ磁性ラインの先端部近傍(磁気ディスクの外縁近傍)に位置する永久磁石片が存在する。この結果、スクレーパによって掻き取られた中央部近傍の磁性フロックは、先端部近傍の永久磁石片に吸着される。換言すると、磁性フロックは磁性ラインにおいて中央部近傍の永久磁石片から先端部近傍の永久磁石片に乗り移ったことになる。
このように、磁性フロックが、磁性ラインの基端部側から先端部側に次々に乗り移ることによって、磁気ディスクの外縁方向に移動される。これを繰り返すことにより、磁性ラインの先端部近傍の永久磁石片に磁性フロックが堆積されていく。そして、堆積された磁性フロックの重さが永久磁石片の磁力よりも重たくなると、磁力で保持しきれなくなるので、磁性フロックの堆積物が破瓜して磁気ディスク外縁から外側に排出される。
このように、本願発明では、磁気ディスクから掻き取った磁性フロックを、従来のようにスクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段を必要としないで無動力で磁気ディスク外に排出することができるので、磁気分離装置を運転するランニングコストを大幅に低減できる。
本発明においては、前記磁性ラインの湾曲形状は、該磁性ラインに沿って吸着された磁性フロックが前記スクレーパによって前記磁気ディスクの中心側から外縁側に順に掻き取られ、且つ掻き取り方向に同じ磁性ラインを構成する永久磁石片が存在するように形成されることが好ましい。
これは、永久磁石片が形成する磁性ラインの好ましい湾曲形状を作用的に表現したものである。
本発明においては、前記スクレーパは、前記回転する磁気ディスクが大気中から前記原水中に進入する直前に、前記回転軸近傍から前記磁気ディスクの外側に向けて低くなる傾斜した板状体として形成されることが好ましい。
これは、スクレーパの好ましい態様を示したものであり、上記した乗り移り動作により磁気ディスクの外側に排出される前に磁気ディスクから剥離して落下してしまった磁性フロックをスクレーパで受け止めて、再び上記した乗り移り動作を行わせることができると共に、乗り移らなかった磁性フロックを磁気ディスクの外側に向けて流下させることができる。これにより、磁気ディスクから剥離落下した磁性フロックが再び原水中に戻ってしまうことがない。この場合、大部分の磁性フロックは乗り移り動作によって磁気ディスク外に排出されるので、剥離落下した磁性フロックがスクレーパ上に堆積して排出されないということはない。
本発明においては、前記傾斜板は櫛歯形状に形成され、櫛歯の間に前記磁気ディスクが配置されることが好ましい。これにより、複数枚の磁気ディスクに対して1つのスクレーパで対応することができると共に、スクレーパの取り付けも容易になる。
以上説明したように、本発明に係る磁気分離装置によれば、磁気ディスクからスクレーパで掻き取った磁性フロックを、スクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段を必要としないで無動力で磁気ディスク外に排出することができるので、ランニングコストを大幅に低減できる。
本発明の磁気分離装置を組み込んだ汚濁水浄化システムのフローを示すブロック図 汚濁水浄化システムを構成する装置の概念図 本発明の磁気分離装置の一部を断面で示す斜視図 磁気ディスクの全体構造を説明する説明図 本発明の磁気分離装置に備えた磁気ディスクにおける永久磁石片の配置を説明する説明図 本発明における永久磁石片の配置によって生じる作用を説明する説明図 従来の永久磁石片の配置によって生じる作用を説明する説明図
以下、添付図面に従って本発明に係る磁気分離装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の磁気分離装置20を、汚濁水浄化システム10に組み込んだフローを説明するブロック図である。また、図2は、汚濁水浄化システム10を構成する凝集装置14、磁気分離装置20、フィルター分離装置24の概念図である。
図1に示すように、汚濁水浄化システム10は、原水が原水ポンプ12によって先ず凝集装置14の急速攪拌槽14Aに送水される。また、原水ポンプ12と急速攪拌槽14Aとをつなぐ配管途中に、磁性粉を添加する磁性粉添加装置16と、凝集剤を添加する凝集剤添加装置18とが設けられ、磁性粉及び凝集剤が配管内を流れる原水中に添加される。磁性粉としては、例えば四三酸化鉄を好ましく用いることができる。また、凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、塩化鉄、硫酸第二鉄等の水溶性の無機凝集剤を好ましく用いることができる。尚、図示しなかったが、原水中に磁性粉や凝集剤を添加する前に、数ミリの大きさの比較的大きなゴミはストレーナーを設けて濾過しておくことが好ましい。
急速攪拌槽14Aでは、原水と、添加した磁性粉及び凝集剤とを高速回転する攪拌羽根19で急速攪拌することにより、数十μm程度の大きさの微小な磁性フロックF(磁性マイクロフロックともいう)を形成する。攪拌羽根19の先端部における回転周速としては、1〜2m/秒程度で行うことが好ましい。磁性マイクロフロックには、磁性粉、原水中の固形浮遊粒子、バクテリア、プランクトン等が取り込まれる。
次に、磁性フロックFを含有する原水は凝集装置14の緩速攪拌槽14Bに送水される。また、急速攪拌槽14Aと緩速攪拌槽14Bとをつなぐ連通室14Cの近傍に、高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤添加装置21が設けられ、連通室14Cを流れる原水中に高分子凝集剤が添加される。高分子凝集剤としては、アニオン系及びノニオン系のものを好適に用いることができる。
緩速攪拌槽14Bは、磁性マイクロフロックと高分子凝集剤とを低速回転する攪拌羽根19で緩やかに攪拌することにより、数百μm〜数mm程度の大きな磁性フロックFを形成する。図2に示すように、緩速攪拌槽14Bは、複数段の連続した多段攪拌槽(A、B、C)として構成されることが好ましい。この場合、上流側の緩速攪拌槽Aから下流側の緩速攪拌槽Cにいくに従って、攪拌羽根19の回転速度が遅くなるように設定されている。これにより、上流側の緩速攪拌槽Aから下流側の緩速攪拌槽Cにいくに従って、磁性フロックFが成長していくと共に、成長した磁性フロックFが破壊されることを防止できる。例えば、攪拌羽根19の先端部における回転周速としては、緩速攪拌槽Aが0.5〜1m/秒程度、緩速攪拌槽Bが0.3〜0.7m/秒程度、緩速攪拌槽Cが0.1〜0.3m/秒程度であることが好ましい。
凝集装置14は、図2に示したように、急速攪拌槽14A、連通室14C、緩速攪拌槽14Bと、を一体構造の装置として構成することが好ましいが、それぞれを配管でつなぐこともできる。
大きさが成長した磁性フロックFを含有する原水は、本発明の磁気分離装置20に送水される。磁気分離装置20は、原水中の磁性フロックFを磁性力によって吸着分離するものであり、磁気分離装置20によって、原水中の磁性フロックFの約90%が分離除去される。磁気分離装置20の装置構成については、汚濁水浄化システム10のフロー全体を説明した後で詳細に説明する。
磁気分離装置20で除去された磁性フロックFは、遠心分離機やベルトプレス機等の脱水装置25により、含水率80%程度まで低減された後、トラック等により埋め立て処分場や焼却場、あるいは堆肥製造工場等に送られる。
一方、磁気分離装置20で処理された処理水は、次にフィルター分離装置24に送水される。フィルター分離装置24では、処理水が回転ドラムフィルタ26の内側から外側に濾過され、処理水に残存する磁性フロックFが除去される。
これにより、ゴミ、固形浮遊粒子、バクテリア、プランクトン等の汚濁物質が含まれる原水を浄化することができる。回転ドラムフィルタ26に付着した磁性フロックFは、回転ドラムフィルタ26の上方に配設されたシャワーリング装置28から洗浄水がシャワーリングされることによって、回転ドラムフィルタ26内のホッパーに集積され、装置外に排出される。この場合、回転ドラムフィルタ26によって浄化された処理水の一部を、循環ポンプ29でシャワーリング装置28に戻して洗浄水として再利用するとよい。また、シャワーリングにより磁性フロックFを含む汚れた洗浄排水は、ポンプ30により、原水ポンプの前段に戻される。
[磁気分離装置]
図3は、本発明の磁気分離装置20の一部を断面で示した斜視図である。
図3に示すように、本発明の磁気分離装置20は、主として、磁性フロックFを含有する原水が流入する分離槽32と、分離槽32内に水平方向に配設された回転軸34に所定間隔を有して並設され、磁性フロックFを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスク36と、磁気ディスク36の面に当接されたスクレーパ38とで構成される。尚、本実施の形態では3枚の磁気ディスク36の例で説明するが、枚数には限定されない。
分離槽32は、上面が開放されると共に、両端面が側壁41で閉塞された半円筒形状に形成される。分離槽32の両側(図3の左右)には、回転軸34と平行に形成された断面凹状の一対のトラフ40が分離槽32と一体形成されると共に、トラフ40の外側には、トラフ40と平行な断面凹状のフロック回収槽42が設けられる。尚、フロック回収槽42は、図3に示すように、回転する磁気ディスク36が原水中に進入する右側(図3の右側)に設けられる。
また、分離槽32の一対の側壁41の上部には、軸受(図示せず)を介して回転軸34が回転自在に支持されると共に、回転軸34の一端がモータ(図示せず)に連結される。そして、回転軸34には、中心部に嵌合穴を有する複数枚の磁気ディスク36が所定間隔を有して嵌合支持される。磁気ディスク36同士の間隔は、磁気ディスク36の厚みに対して1倍〜3倍の範囲に設定することが好ましい。間隔が1倍未満では原水が磁気ディスク36同士の間に流れ込みにくくなると共に、3倍を超えて広過ぎると磁気ディスク36同士の間に強い磁性力を発生しにくくなる。
また、回転軸34に支持された複数枚の磁気ディスク36は、分離槽32内の原水中に1/2〜2/3の割合で水没させることが好ましい。このように磁気ディスク36を部分的に水没させた構成の場合には、原水中で磁気ディスク36に吸着させた磁性フロックFを、磁気ディスク36が回転して磁性フロックFが大気中に搬送されたときにスクレーパ38で掻き取られることになる。従って、磁性フロックFの吸着と掻き取りとの効率が最も良くなるように、磁気ディスク36の水没率を設定することが重要である。
また、分離槽32の下端には、回転軸34の軸線方向に長い四角筒形状の給水口44が形成され、この給水口44と凝集装置14の出口とが四角筒状の配管(図示せず)で接続される。これにより、凝集装置14で形成された磁性フロックを含有する原水が分離槽32の底部から供給され、分離槽32内に配置された複数枚の磁気ディスク36の間を上向流となって上昇する。そして、原水が上昇する途中で磁性フロックFが磁気ディスク36の面に吸着される。
スクレーパ38は、回転する磁気ディスク36が大気中から原水中に進入する直前に、回転軸34近傍から磁気ディスク36の外側に向けて低くなるように傾斜した板状体として形成され、該板状体の側縁で磁気ディスク36に吸着される磁性フロックFを掻き取る。また、スクレーパ38は、櫛歯形状に形成され、櫛歯の間に磁気ディスク36が配置される。
次に、図4を使用して磁気ディスク36について説明する。
磁気ディスク36(36A,36B)は、内部にドーナツ状の空洞が形成された非磁性体のケース45内部に、永久磁石片37に挟まれた強磁性体のディスク基板33が配置されて構成される。尚、ディスク基板33の中心部には、回転軸34に挿通するための孔46が形成されている。そして、回転軸34には通常3枚以上の磁気ディスク36が配設され、図4では4枚の例で示してある。
この場合、図4に示すように、4枚の磁気ディスク36のうち、内側の2枚の磁気ディスク36Bについてはディスク基板33の両面に永久磁石片37を配置し、強磁性体のディスク基板33を永久磁石片37同士で挟むようにすることが好ましい。一方、外側に配置された2枚の磁気ディスク36Aについては、ディスク基板33両面の内側面(内側の磁気ディスク36Bの側の面)のみに磁性力を発揮するための永久磁石片37を配置し、ディスク基板33の外側面には一枚の鉄板52を配置して、ディスク基板33を磁石と鉄板52で挟むようにすることが好ましい。この場合、ディスク基板33は、本質的に強磁性体であるが、鉄板52は強磁性体でも非磁性体でもよい。また、ディスク基板33と鉄板52とは、一枚の厚い強磁性体で一体物として構成してもよい。
次に、図5を使用して、ディスク基板33に配置される永久磁石片37の配置方法について説明する。
図5に示すように、永久磁石片37がディスク基板33の中心近傍から外縁近傍まで放射状に複数本(図5では12本)の磁性ライン39A〜39L(破線で示すライン)を形成するように配置されると共に該磁性ライン39A〜39Lが磁気ディスク36の矢印Aで示す回転方向に凸状に湾曲するように配置される。
磁性ライン39A〜39Lの湾曲形状について更に詳細に説明すると、磁性ライン39A〜39Lに沿って吸着された磁性フロックFがスクレーパ38によって磁気ディスク36の中心側から外縁側に順に掻き取られ、且つ矢印Bで示す掻き取り方向(スクレーパ38に対して略垂直な方向)に同じ磁性ライン39A〜39Lを構成する永久磁石片37が存在するように湾曲形状が形成される。なお、図5では、磁性ライン39A〜39Lを3枚の永久磁石片37で構成したが、永久磁石片39の枚数は限定されない。また、それぞれの磁性ライン39A〜39Lを湾曲した1本の永久磁石片で形成してもよい。
次に、上記の如く永久磁石片37がディスク基板33面に湾曲形状に配置された磁気ディスク36の作用について説明する。
なお、図5に示した12本の磁性ライン39A〜39Lのうち、磁性ライン39Aの場合で説明する。また、磁性ライン39Aを構成する永久磁石片37は、磁性ライン39Aの基端部近傍に配置された永久磁石片37A、中央部近傍に配置された永久磁石片37B、先端部近傍に配置された永久磁石片37Cの3個の場合で説明する。また、図6の3本の磁性ラインは、同じ磁性ライン39Aであり、磁気ディスク36の回転によって移動したことを示す。
図6に示すように、磁気ディスク36が矢印A方向に回転すると、先ず磁性ライン39Aの基端部近傍(磁気ディスク36の中心近傍)の永久磁石片37Aに吸着された磁性フロックF1がスクレーパ38で掻き取られると共に、矢印Bで示す掻き取り方向に移動する。このとき、磁性ライン39Aは磁気ディスク36の回転方向に凸状に湾曲しているので、磁性フロックF1の移動方向には同じ磁性ライン39Aの中央近傍に位置する永久磁石片37Bが存在する。この結果、スクレーパ38によって掻き取られた基端部近傍の磁性フロックF1は、中央部近傍の永久磁石片37Bに吸着される。永久磁石片37Bに吸着された磁性フロックをF2で示す。換言すると、磁性フロックF1は磁性ライン39Aにおいて基端部近傍の永久磁石片37Aから中央部近傍の永久磁石片37Bに乗り移ったことになる(1回目の乗り移り)。
更に磁気ディスク36が矢印A方向に回転すると、永久磁石片37Bに乗り移った磁性フロックF2がスクレーパ38で掻き取られると共に、磁気ディスク36の回転方法に移動する。このとき、磁性ライン39Aは磁気ディスク36の回転方向に凸状に湾曲しているので、磁性フロックF2の移動方向(掻き取り方向)には同じ磁性ライン39Aの先端部近傍(磁気ディスク36の外縁近傍)に位置する永久磁石片37Cが存在する。この結果、スクレーパ38によって掻き取られた中央部近傍の磁性フロックF2は、先端部近傍の永久磁石片37Cに吸着される。永久磁石片37Cに吸着された磁性フロックをF3で示す。換言すると、磁性フロックF2は磁性ライン39Aにおいて中央部近傍の永久磁石片37Bから先端部近傍の永久磁石片37Cに乗り移ったことになる(2回目の乗り移り)。
このように、磁性フロックF1が、磁性ライン39Aの基端部側から先端部側に次々に乗り移ることによって、先端部近傍の永久磁石片37Cに乗り移った磁性フロックF3は、磁気ディスク36の中心部近傍から外縁部近傍まで移動したことになる。これを繰り返すことにより、磁性ライン39Aの先端部近傍の永久磁石片37Cに磁性フロックF3が堆積されていく。そして、堆積された磁性フロックF3の重さが永久磁石片37Cの磁力よりも重たくなると、磁力で保持しきれなくなるので、磁性フロックF3の堆積物が破瓜して磁気ディスク36の外縁から外側に排出される。磁気ディスク36の外側に排出された磁性フロックF3はスクレーパ38に受け止められた後、スクレーパ38の傾斜を利用して流下し、フロック回収槽42内に落下する。
上記説明は磁性ライン39Aについて説明したが、磁性ライン39A〜39Lの全てについて同様である。また、磁性ライン39Aの基端部近傍の永久磁石片37Aに吸着された磁性フロックF1が2回の乗り移りで磁気ディスク36外側に排出される例で説明したが、中央部近傍の永久磁石片37Bに吸着された磁性フロックF2は1回の乗り移りで排出されることになり、基本的な作用は同じである。
このように、本願発明では、磁気ディスク36から掻き取った磁性フロックFを、従来のようにスクリューコンベア又はヒレ付きベルトコンベア等の運搬手段を必要としないで無動力で磁気ディスク36外に排出することができるので、磁気分離装置20を運転するランニングコストを大幅に低減できる。
ここで、本発明の作用に対する比較として、図7の従来例について説明する。図7は、従来の磁気ディスク43であり、永久磁石片37がディスク基板33の中心近傍から外縁近傍まで放射状で且つ直線状をした複数本(図7では12本)の磁性ライン47A〜47L(破線で示すライン)を形成する場合である。即ち、磁性ライン47A〜47Lが本願発明の磁性ライン39A〜39Lのように湾曲していない。なお、同一部材は同じ符号を付して説明する。また、図7に示した12本の磁性ライン47A〜47Lのうち、磁性ライン47Aの場合で説明する。
図7に示すように、磁気ディスク43が矢印A方向に回転すると、先ず磁性ライン47Aの基端部近傍の永久磁石片37Aに吸着された磁性フロックF1がスクレーパ38で掻き取られると共に、矢印Bで示す掻き取り方向に移動する。このとき、磁性ライン47Aは直線状に形成されているので、磁性フロックF1の移動方向には同じ磁性ライン47Aの中央近傍に位置する永久磁石片37Bが存在しない。これにより、磁性フロックF1は永久磁石片37Bに乗り移ることができず、スクレーパ38の基端部位置(磁気ディスク43の中心部近傍)に落下して堆積する。
磁性ライン47Aの中央部近傍の永久磁石片37Bに吸着された磁性フロックF2がスクレーパ38で掻き取られた場合も同様であり、磁性フロックF2の移動方向には同じ磁性ライン47Aの先端部近傍に位置する永久磁石片37Cが存在しないので、スクレーパ38の中央部位置(磁気ディスク43の径方向中央部位置)に落下して堆積する。
これにより、スクレーパ38全体に磁性フロックFが次々に堆積してくるので、スクレーパが傾斜されていても磁気ディスク43外側まで効率的に排出することはできない。このため、従来は、スクリューコンベア付きのスクレーパ又はヒレ付きベルトコンベア付きのスクレーパ等のように磁性フロックを強制的に運搬移動する運搬手段を設けざるをえなかった。
なお、本発明は、磁性フロックFが磁気ディスク36の外側に排出されるまで、永久磁石片37に吸着されている。また、上記作用から分かるように、スクレーパ38の主たる機能は、磁性フロックFを磁気ディスク36の外縁方向に移動させるために使用され、掻き取った磁性フロックを受け取るものではない。
10…汚濁水浄化システム、12…原水ポンプ、14…凝集装置、14A…急速攪拌槽、14B…緩速攪拌槽、16…磁性粉添加装置、18…凝集剤添加装置、19…攪拌羽根、20…磁気分離装置、24…フィルター分離装置、25…脱水装置、26…回転ドラムフィルタ、28…シャワーリング装置、29…循環ポンプ、30…ポンプ、32…分離槽、33…ディスク基板、34…回転軸、36…磁気ディスク、37(A〜C)…永久磁石片、38…スクレーパ、39(A〜L)…磁性ライン、40…トラフ、41…側壁、42…フロック回収槽、44…給水口、45…ケース、F…磁性フロック

Claims (4)

  1. 磁性フロックを含有する原水が流入する分離槽と、前記分離槽内に配設された回転軸に所定間隔を有して並設され、ディスク基板に固定された永久磁石片の磁性力により前記磁性フロックを吸着する複数枚の磁気ディスクと、前記回転軸近傍から前記磁気ディスクの少なくとも外縁まで延設され、前記磁気ディスク面に側縁部が当接されたスクレーパと、を備えた磁気分離装置において、
    前記磁気ディスクは、
    前記永久磁石片が前記ディスク基板面の中心近傍から外縁近傍まで放射状に複数本の磁性ラインを形成するように配置されると共に該磁性ラインが前記磁気ディスクの回転方向に凸状に湾曲していることを特徴とする磁気分離装置。
  2. 前記磁性ラインの湾曲形状は、該磁性ラインに沿って吸着された磁性フロックが前記スクレーパによって前記磁気ディスクの中心側から外縁側に順に掻き取られ、且つ掻き取り方向に同じ磁性ラインを構成する永久磁石片が存在するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気分離装置。
  3. 前記スクレーパは、前記回転する磁気ディスクが大気中から前記原水中に進入する直前に、前記回転軸近傍から前記磁気ディスクの外側に向けて低くなる傾斜した板状体として形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気分離装置。
  4. 前記スクレーパは、櫛歯形状に形成され、櫛歯の間に前記磁気ディスクが配置されることを特徴とする請求項3に記載の磁気分離装置。
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