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JP2011006578A - 繊維・樹脂複合化シート及びfrp成形体 - Google Patents

繊維・樹脂複合化シート及びfrp成形体 Download PDF

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JP2011006578A JP2009151350A JP2009151350A JP2011006578A JP 2011006578 A JP2011006578 A JP 2011006578A JP 2009151350 A JP2009151350 A JP 2009151350A JP 2009151350 A JP2009151350 A JP 2009151350A JP 2011006578 A JP2011006578 A JP 2011006578A
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Abstract

【課題】FRP成形体を成形する際の中間素材として、屈曲性を維持しつつ、樹脂の含浸性を維持することができる新たな繊維・樹脂複合化シートを提供する。
【解決手段】連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aの一面又は両面に、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBが積層し、かつ該熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートであって、熱可塑性樹脂bの溶融粘度の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在し、且つ、熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合が、各面5%以上、両面合計値5〜30%である繊維・樹脂複合化シートを提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と連続繊維材料とを含む繊維・樹脂複合化シート、及び、繊維・樹脂複合化シートを用いて作製されるFRP成形体に関する。
繊維強化プラスチックス(FRP)は、強化される側のマトリックス樹脂と繊維強化材とを複合化した材料であり、単位重量あたりの強度および弾性率に優れた特性を有することから、金属代替を中心とした用途展開が急速に進み、特に化石資源の枯渇に伴う燃料高騰と相まって、航空機や自動車等の輸送分野における低燃費化に伴う構造体の軽量化材料として広く用いられている。
従来のFRPに関しては、低粘度であることや繊維と優れた密着性を有していることから、エポキシや不飽和ポリエステルなどに代表される熱硬化性樹脂がマトリックス樹脂として用いられてきたが、近年、リサイクル化や耐衝撃性の付与、耐熱性や高生産性への要求が高まり、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどに代表される熱可塑性樹脂を使用したFRPが開発されている。
熱可塑性樹脂を用いたFRP成形体の成形方法としては、繊維体中に樹脂を含浸させて複合化したシート状基材を作製し、このシート基材を単独もしくは積層してプレスすることにより成形体を作製する手法が知られている。
ところが、通常の熱可塑性樹脂は溶融状態でも高粘度であるため、繊維体中に樹脂を含浸させることが容易ではなく、樹脂の含浸が不足するなどの課題を抱えていた。
そこで例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂を繊維束に含浸させたプリプレグテープを並べた後にプレスしてシート化する手法により、FRP成形体を成形するための中間素材としての熱可塑プリプレグシートを作製する方法が開示されている。
また、柔軟性に優れた複合化シートの作製方法として、特許文献2及び3には、繊維材料不織布と熱可塑性樹脂を一体化させ、賦形性と等方向の物性を有するランダム強化タイプの繊維強化熱可塑性樹脂シートが開示されている。
特開平08−041220号公報 特開平09−155862号公報 特開平03−047713号公報
特許文献1に開示されているように、熱可塑性樹脂を繊維束に含浸させたプリプレグテープを並べてプレスして得られる熱可塑プリプレグシートは、高い剛性を有する反面、柔軟性及び賦形性に乏しいため、シート製造時に巻き取りすることができなかったり、無理に曲げ加工や賦形加工をしようとすると折れや破損が生じたりするなどの問題があった。
この問題に対しては、例えば熱可塑性樹脂シートと連続繊維シートとを加圧及び加熱して一体化させて熱可塑プリプレグシートを作製し、これを積層しプレス成形等することにより成形体を作製する手法が考えられる。この手法は、繊維化が困難なポリマーブレンドやポリマーアロイ樹脂、或いは高剛性樹脂等を含めて種々の樹脂をマトリックス樹脂として用いることが可能であり、さらに樹脂と繊維の配合量のコントロールや厚み制御などにも有効な方法である。
しかし、この成形方法において溶融粘度が高い樹脂を用いた場合は、成形体作製時において樹脂の含浸性が不足する一方、溶融粘度が低い樹脂を用いた場合は、成形体作製時の樹脂の含浸性は向上するものの、熱可塑プリプレグシートの状態で既に剛性が高く屈曲性に劣るため、該シートを巻取りする時に折れを生じ易く、また賦形性が悪いなどの問題点があった。
このように、FRP成形体を作製する際の中間素材シートにおける屈曲性と、これを用いてFRP成形体を成形する際の樹脂の含浸性とを両立することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、FRP成形体を作製する際の中間素材として、繊維・樹脂複合化シートの屈曲性を好適な範囲に維持しつつ、且つ、FRP成形体を成形する際に樹脂の含浸性を好適な範囲に維持することができる、新たな繊維・樹脂複合化シートを提供することにある。
かかる目的のため、本発明は、連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aの一面又は両面に、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBが積層し、かつ該熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートであって、熱可塑性樹脂bの溶融粘度(レオメーター使用、測定周波数:10Hz)の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在し、且つ、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合が、それぞれの面において5%以上であり合計値が5〜30%であることを特徴とする繊維・樹脂複合化シートを提案する。
本発明の繊維・樹脂複合化シートは、FRP成形体を作製する際の中間素材として好適に利用できるものであり、溶融粘度の最小値が特定の範囲に存在する熱可塑性樹脂bを用いつつ、連続繊維体Aの厚みに対する、連続繊維体A内への熱可塑性樹脂bの含浸深さを規定したことにより、連続繊維体Aと熱可塑性樹脂bとの剥離強度を高めつつ屈曲性を高めることができた。よって、例えば当該繊維・樹脂複合化シートの製造時にロールで好適に巻取りを行うことができる。
しかも、FRP成形体を成形する際の樹脂の含浸性にも優れているため、FRP成形体成形時に、熱可塑性樹脂bの溶融粘度が2000Pa・s以下となる温度においてプレス成形することで、空隙率20%未満の剛性に優れたFRP成形体を作製することができる。
実施例の製造工程を概略的に説明した図である。
以下、本発明の実施形態の一例について説明するが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の一例に係る繊維・樹脂複合化シート(以下「本複合化シート」という)は、連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aの一面又は両面に、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBが積層し、且つ該熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートである。
ここで、「繊維・樹脂複合化シート」とは、材質の異なる材料である繊維と樹脂とを組み合わせて一体化したシートの意味である。
(樹脂シートB)
樹脂シートBは、熱可塑性樹脂bからなるシート体、すなわち熱可塑性樹脂bを主成分とする樹脂組成物を製膜して得られるシート体である。よって、樹脂シートBは、熱可塑性樹脂bからなる不織布とは異なるものである。熱可塑性樹脂bからなる不織布の場合には、樹脂の含浸性向上の為に繊維を開繊する必要があり、特殊な装置と別途成形工程を必要とするためコスト高となる。しかも、熱可塑性樹脂を繊維化する必要があるが、ABS樹脂、PC/ABSなどの非相容なポリマーブレンド樹脂やポリエーテルイミド樹脂などの硬く脆い樹脂を繊維化すること自体が困難である。
熱可塑性樹脂bは、溶融粘度(レオメーター使用、測定周波数:10Hz)の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在する熱可塑性樹脂であることが重要である。
熱可塑性樹脂bの溶融粘度の最小値が500Pa・s以下であれば、連続繊維体A内に熱可塑性樹脂bが含浸し易いため、剥離強度を高めることができる。その一方、溶融粘度の最小値が5Pa・s以上であれば、樹脂bの含浸深さを制御することができ、本複合化シートの柔軟性及び剛性を調整することができる。よって、熱可塑性樹脂bの溶融粘度の最小値が特定の範囲に存在する熱可塑性樹脂bを用い、且つ連続繊維体A内への熱可塑性樹脂bの含浸深さを規定することにより、連続繊維体Aと熱可塑性樹脂bとの剥離強度を高めつつ屈曲性を高めることができる。しかも、FRP成形体を成形する際の樹脂の含浸性をも優れたものとすることができる。
このような観点から、熱可塑性樹脂bの溶融粘度の最小値は、5Pa・s〜500Pa・sの範囲に存在するのが重要であり、中でも10Pa・s〜300Pa・sの範囲に存在するのが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂の溶融粘度は、流動開始温度よりも低温では測定不可であり、測定可能な流動開始温度から温度が上がるに連れて低下し、熱分解開始温度(1%重量減少温度、昇温30℃/分、N雰囲気下)よりも高温となると、熱分解して測定不可となる。よって、溶融粘度(レオメーター使用、測定周波数:10Hz)の最小値とは、熱分解開始温度(主成分の1%重量減少温度、昇温30℃/分、N雰囲気下)付近で測定される粘度であり、本発明では熱分解開始温度(主成分の1%重量減少温度、昇温30℃/分、N雰囲気下)よりも10℃低い温度の溶融粘度と定めるものである。
溶融粘度の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在する熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートとABSのポリマーアロイ(PC/ABS)等を挙げることができる。
溶融粘度の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在する熱可塑性樹脂の種類は多くないが、PC/ABS等のように2種類以上の樹脂をブレンドしたり、共重合させて変性したり、分子量や配向性を調整したり、立体障害を調整したり、或いは可塑剤を加えることなどにより、溶融粘度の最小値を調整することができる。
よって、使用可能な熱可塑性樹脂の種類としては、特に限定するものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶芳香族ポリエステル、ポリイミドなど、およびそれらの共重合体や変性体を挙げることができ、これらのうちの一種を単独で用いることもできるし、又、これらのうちの二種類以上からなる混合樹脂を用いることもできる。
粘度設計の容易さを考慮すると、熱可塑性樹脂bとしてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、PC/ABS、ポリエーテルイミドなどを好ましく例示することができる。
とくに結晶性樹脂は、結晶化することによりTg以上になっても流動を生じない。通常、熱可塑性樹脂はTg以上の場合に流動を開始し、流動粘度は温度上昇により低下する。しかしながら、結晶性樹脂はTg以上においても結晶化により流動が抑制される。結果、流動開始には高温を必要とし、Tm以上の温度となった際に溶融粘度が急激に低下する。この結果、流動開始温度以下では含浸を生じにくいため、樹脂含浸性のコントロールが容易となるため好ましい。しかも、Tgより低温領域であれば合成にも優れているため熱可塑性樹脂bとして好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂bを使用する際、諸物性を改良、調整する目的で、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で他の樹脂や、改質剤、充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤などを適宜添加することは適宜可能である。
樹脂シートBの厚さは、特に限定するものではないが、樹脂シート部の厚みが厚過ぎると、プレス成形時等において樹脂を溶融含浸させる際に樹脂シートBが樹脂溜まりのようになり、樹脂流動が激しく成形体の外観が悪化しやすい。この観点から、10μm〜500μmが好ましく、特に20μm〜300μm、中でも特に50μm〜200μmがさらに好ましい。
(連続繊維体A)
連続繊維体Aは、連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体である。
ここで、連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体とは、例えば短い繊維を混抄してなる不織布や、短い繊維をコンパウンドしてなるペレットなどとは異なり、長尺な連続繊維からなるものである。また、織物状又は非織物状の両方を含み、例えば繊維を一方向に引き揃えたウェブ状シート(UD;UNI-DIRECTIONAとも称される)、繊維を一方向に引き揃えて集束したシート、平織や朱子織してなる織物状シート、或いは長尺な繊維を編んだ編物状シートなどを包含する。
なお、例えば短繊維からなる不織布を用いてFRP成形体を作製した場合、成形体の剛性が平面全方向及び厚み方向へ分散されるため、例えばロボットアームやシャフト等のように特定方向への剛性が必要とされる用途には使用困難となるが、連続繊維からなる連続繊維体の場合には、特定方向への剛性が必要とされる用途にも対応可能である。
連続繊維体Aとしては、例えば、直径が3μm〜25μmの単繊維100〜50000本を、繊維の方向を揃えて集束してなる連続繊維体を挙げることができる。
なお、単繊維を集束する際、繊維間を結合し易いように、集束剤を使用してもよい。
この際、集束剤は、通常は熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂などを用いるが、本発明においては熱可塑性樹脂に応じて選択する必要がある。一般的にはその熱可塑性樹脂の溶融温度で軟化すると共に、連続繊維中に含浸し易いものにするのが好ましい。そのため、集束剤には、その熱可塑性樹脂と同種の樹脂を主成分とするものを使用することが好ましい。
連続繊維の材料としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維又はそれらの混合からなる繊維材料がある。具体的には、無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、チタニア繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維等を挙げることができ、これらの一種を用いてもよいし、又は二種以上を選択して併用してもよい。
有機繊維としては、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、液晶ポリマー繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリアリールエーテルケトン繊維等を挙げることができる。
金属繊維としてはスチール繊維、ブロンズ繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、ニッケル繊維及び2種以上の金属からなる合金繊維等の種々の繊維が挙げられる。
上記の中でも、高い剛性を有する繊維を用いることにより、プレス成形体の剛性がより優れたものとなることから、高い剛性を有する無機繊維や金属繊維を用いるのが好ましく、その中でも優れた剛性を有する炭素繊維を用いるのがより一層好ましい。
連続繊維体Aの目付けは、シート厚みやシート中の繊維密度と関連し、樹脂の含浸性や成形時の賦型性の観点から、密度2.0g/cm3程度の繊維の場合は10〜1000g/m2であるのが好ましく、特に20〜500g/m2、中でも特に50〜300g/m2であるのがさらに好ましい。
連続繊維体Aの厚さは、特に限定するものではない。柔軟性と成形時における樹脂含浸の観点からは、30μm〜1000μmが好ましく、特に50μm〜500μm、中でも特に80μm〜300μmがさらに好ましい。
(本複合化シート)
本複合化シートは、連続繊維体Aの一面又は両面に本複合化シートが積層し、且つ本複合化シートを構成する熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートである。
本複合化シートは、樹脂シートB、すなわち熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸しており、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合が、それぞれの面において5%以上であり、且つ合計値が5〜30%であることが重要である。
連続繊維体に熱可塑性樹脂を含浸させつつ積層する構成の繊維・樹脂複合化シートにおいては、熱可塑性樹脂の含浸性が高くなるにつれて、連続繊維の変形等による可動性が低下するため、繊維・樹脂複合化シートは硬くなり、三次元成形する際に必要とされる複合化シートの柔軟性及び屈曲性は損なわれる。このため、熱可塑性樹脂bの含浸深さは複合化シートの剛性そのものに影響しており、複合化シートの柔軟性及び屈曲性を好適にするためには、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合が(両面の場合には合計で)30%以下であることが必要である。その一方、熱可塑性樹脂bの含浸深さが浅過ぎると、熱可塑性樹脂bと連続繊維体Aとの密着性が不足して複合化界面で剥離を生じ易くなってしまうため、各面において5%以上であるのが好ましい。
このような観点から、熱可塑性樹脂bの含浸深さは、連続繊維体Aの厚みに対して各面において5%以上であるのが好ましく、特に10%以上であるのがより一層好ましい。その一方、30%以下であるのが好ましく、特に25%以下、中でも特に20%以下であるのがより一層好ましい。
なお、連続繊維体Aの両面に樹脂シートBを積層する場合、各面の含浸深さが5%以上であり、且つ両面の含浸深さの合計が上記範囲であるのが好ましい。
連続繊維体Aの両面に樹脂シートBを積層する場合には、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの一方の面の含浸深さの割合と、他方の面の含浸深さの割合との間に5%以上の差をつけることが可能である。このように一方の面の含浸深さと、他方の面の含浸深さとの間に5%以上の差を付けることにより、複合化シートの一方の面と、他方の面との剛性に差を付けることができるから、例えば一方の側に屈曲させ易くすることができるなど、特殊な性質を付与することができる。他方、差が大き過ぎると、扱い難くなるため、5〜20%の差、特に5〜10%の差であるのが好ましい。
但し、両面における熱可塑性樹脂bの含浸深さの差を5%未満にすることも勿論可能であり、両面で同じ含浸深さとすることも可能である。
熱可塑性樹脂bの含浸深さは、樹脂の種類によって調整可能であるが、ラミネート時のロール温度に差を与える手法や、異なるロール材質を用いることなど、製造条件の調整によっても調整可能である。具体的には、ラミネート時のロール温度を10〜20℃程度差を与えることによって、熱可塑性樹脂bの含浸深さを大きくすることができる。
一方の面の含浸深さと、他方の面の含浸深さとの間に差を付けるには、熱可塑性樹脂bの種類や樹脂シートの厚みを両側間で変えてもよいし、上述のように製造条件を両側間で変えてもよい。
本複合化シートの厚さは、特に限定するものではなく、任意の厚みに作製することができる。柔軟性の観点からすると、例えば0.05mm〜1mm、特に0.1mm〜0.8mm、中でも特に0.2mm〜0.5mmであるのが好ましい。
また、本複合化シートの幅は、特に限定するものではなく、任意の幅に作製することができる。シートの均質性の観点からすると、例えば20mm〜5000mm、特に100mm〜3000mm、中でも特に300mm〜1000mmであるのが好ましい。
(本複合化シートの製造方法)
次に、本複合化シートの製造方法について説明するが、本複合化シートの製造方法がここで説明する方法に限定されるものではない。
樹脂シートBは、熱可塑性樹脂bを主成分とする樹脂組成物を製膜(シート化)して作製することができる。
熱可塑性樹脂bと他の樹脂或は他の添加剤などとを混合して樹脂組成物を調製する場合には、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーやミキサーなどで混練するのが好ましい。特に混合樹脂組成物の均一分散性、得られるシートの諸特性の安定性から、二軸押出機、特に同方向二軸押出機を用いることがより好ましい。
樹脂シートBをシート化するための方法は、本発明の効果を著しく阻害しない限りにおいては、公知の方法を何れも採用可能であり、例えばTダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法、インフレーション法及び射出成形などの方法を用いて、5μm〜5000μm程度の厚さのシート状に製膜することができる。
使用する熱可塑性樹脂bが加水分解性を有する場合は、押出機内での分解を避けるために、予め水分が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下になるように充分乾燥しておくことが好ましい。また、同方向二軸押出機や単軸ベント押出機を用いて真空ベントを行う、いわゆる無乾燥押出を行う方法も好適な方法として挙げることができる。
次に、連続繊維体Aの製法について説明する。
連続繊維体Aの製法方法は各種方法が可能であり、特に限定されるものではない。
具体的な製法例の1つを挙げると、先ずボビンに巻いた連続繊維トウを複数本クリルスタンドに設置し送り出す。この場合、各トウの張力が同一になるようにするのが好ましい。これは、送り出しトルクを制御する方法などによって達成できる。そして、送り出された連続繊維トウは、ガイドロールを介して引き揃え装置によって縦方向に引き揃えられ、幅方向に並べられる。
引き揃え装置としては各種のものが考えられるが、くし型の形状をした引き揃え装置が最もよく知られている。
くしのピンの間に連続繊維トウを通すことによって、連続繊維トウを一定方向に引き揃えることができシート状とすることができる。
次に、連続繊維体Aと樹脂シートBとを用いて本複合化シートを製造する方法について説明する。
例えば、連続繊維体Aの片面又は両面に樹脂シートBを重ね合わせて、対向して接触回転している2つのロール間に通して加熱・加圧することにより、ラミネート成形することができる。
この際、対向して接触回転している2つのロールの少なくとも一方の温度を、熱可塑性樹脂bの流動開始温度以上とすることが重要である。より厳密に言えば、前記ロールを用いて加圧する直前のシート状の熱可塑性樹脂bの温度を、該熱可塑性樹脂bの流動開始温度以上とすることが重要である。仮にこの際の加熱温度が樹脂の流動開始温度より低ければ、熱可塑性樹脂bと連続繊維体Aとの熱融着が不十分で剥離し易くなってしまう。上限温度に関しては特に制限するものではないが、流動開始温度より100℃を超えて高いと、熱可塑性樹脂bの酸化劣化や熱劣化、熱分解等を生じ、物性の低下等の問題を生じる可能性があるため好ましくない。よって、これらの観点より、樹脂シートBの加熱温度は流動開始温度+0〜100℃が好ましく、流動開始温度+5〜60℃であることがより好ましい。
なお、2つのロール間で設定温度を変えることもできるし、また、少なくとも一方は加熱しないロール(非加熱ロール)とすることもできる。そのようにすることにより、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの一方の面の含浸深さと、他方の面の含浸深さとの間に差をつけることが可能である。ただし、一方を非加熱ロールとする場合はロールによる加圧圧縮時において非加熱ロールは加熱ロールからの熱を複合シートを通して熱伝達することにより加熱され、結果として非加熱ロール側での樹脂シートの溶融を生じる。このとき、非加熱ロール側の熱伝達が不十分となる場合は、予熱機構を別途設けるか、加熱側のロールによる熱伝達のために成形速度を低下させる、ロール径を大きくし、熱容量と接触時間を増加するなどにより熱伝達効果の改良を行なうことが好ましい。
加熱・加圧する際の加圧圧力、すなわちロール線圧は、連続繊維体Aの形状(幅、厚み)、トウの本数、樹脂の溶融粘度、本複合化シートの形状(幅、厚み)、生産速度(加圧時間に関係する)などによって適宜決定するのが好ましい。
但し、ロール線圧は、熱可塑性樹脂bの含浸深さと繊維の折れ等に影響を与えるため、当該ロール線圧は1kg/cm〜80kg/cmの範囲で調整するのが好ましい。ロール線圧が80kg/cm以下であれば、ロール部でのせん断力が大きくなり過ぎることがないため、繊維材料の損傷を抑えることができる。さらには、樹脂bの含浸深さが過大になることもなく、本複合化シートが硬く脆くなって三次元成形などの加工性を低下させるようなことがない点で好ましい。他方、ロール線圧が1kg/cm以上であれば、樹脂bの含浸深さが不足することを抑えることができ、連続繊維体Aと樹脂bとの界面における剥離を抑えることができる。
これらのことより、ロール線圧は1kg/cm〜80kg/cmとするのが好ましく、特に2〜40kg/cmとするのがより好ましい。
上述の加熱加圧条件の選定に際しては、連続繊維体Aと熱可塑性樹脂bとの密着性を良好にすることのほかに、連続繊維体Aの繊維配列を乱さないようにすることにも留意が必要である。この観点より、加熱・加圧操作は、二個以上の加熱・加圧ロールを使用したり、加熱・加圧ロール部を複数配置したり、冷却部を配置したりするなどの多段工程によって行うことも好ましいと言える。
また、ロール部の材質は、金属・ゴム・無機などの何れのロールを用いることも可能であり、加熱部は2軸ロールの片側又は両側の何れでもかまわないが、成形速度や繊維の剛性、加熱温度と耐熱性を考慮して選択することが好ましい。
本複合化シートは、柔軟性及び屈曲性を有しているため、シート製造時にロールで巻取りすることができ、効率良く工業的に生産することができる。
(本複合化シートの用途)
本複合化シートは、FRP成形体を作成するための中間素材として好適に利用することができる。但し、この用途に限定するものではない。
FRP成形体を作成するための中間素材として利用する場合、例えば本複合化シートを単独で、或は複数枚を積層し、熱可塑性樹脂bの流動開始温度以上に加熱して熱可塑性樹脂bを加熱溶融させて連続繊維体Aに熱可塑性樹脂bを含浸させることで、熱可塑性樹脂bが連続繊維体A内に充分に含浸したFRP成形体を作製することができる。
この際、本複合化シートを複数枚を積層する際は、繊維方向を一定方向に揃えるように積層することもできるし、繊維方向が直交或いは斜向するように積層することもできる。
本複合化シートを単独で或は複数枚を積層した後は、各種成形法、例えばオートクレーブ法、ホットプレス法、スタンピング法、ダイアフラム法などにより、各種成形体を作製することができる。中でも、本複合化シートの場合は、熱可塑性樹脂bの柔軟化と、溶融加熱による三次元成形とを行なうことができる点でホットプレス(加熱圧縮)法が好適である。
ホットプレス成形の際に、熱可塑性樹脂bの溶融粘度が2000Pa・s以下となる温度に加熱してプレス成形することで、熱可塑性樹脂bを加熱溶融させて連続繊維体Aに熱可塑性樹脂bを十分に含浸させることができ、空隙率が低く、剛性の高いFRP成形体を作製することができる。
例えば、本複合化シートを単独で或は複数枚を積層した後、熱可塑性樹脂bの溶融粘度2000Pa・s以下となる温度条件においてプレス成形した後に室温まで冷却すれば、空隙率20%未満で、且つ強度低下が少なく弾性率も高い値を示すFRP成形体を作製することができる。
なお、FRP成形体の空隙率は力学物性等へ影響するパラメータである。一般的に空隙率が高い場合、成形体の強度及び弾性率は低下する傾向となる。これは、空隙部分が擬似クラックのような状態となり、力学的負荷を受けた際に空隙部において応力集中等が起こりやすくクラックの進行が生じ易く破壊しやすいからである。
よって、FRP成形体の空隙率は20%未満であるのが好ましく、特に10%未満であるのがさらに好ましい。
なお、ホットプレス成形の際に、樹脂溶融時の粘度が高いと流動を生じないため連続繊維中へ樹脂が含浸しない。逆に、溶融時の樹脂の粘度が低いと高速で含浸が可能となるが、樹脂流動性に富むために繊維が樹脂を保持できずに樹脂枯れを生じ易くなり高強度プリプレグが得られにくくなり、また、分子量が低く樹脂単体の性能が劣るため積層体としての物性が悪くなる。そこで、このような観点から、ホットプレス成形温度における樹脂の溶融粘度は、剪断速度1/秒〜100/秒以下の範囲で2000Pa・s以下であることが必要であり、0.1Pa・s〜1000Pa・s以下が好ましく、0.5Pa・s〜500Pa・sがより好ましい。
<用語の説明>
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
(1)溶融粘度測定
熱可塑性樹脂bの溶融粘度の測定方法は、レオメーター(MARSII)を用い、φ20mmパラレルプレートにより、昇温速度3℃/分、周波数10Hz、歪0.5%により、各樹脂の樹脂流動開始温度から熱分解温度まで測定した。そして、下記熱分解開始温度よりも10℃低い温度の溶融粘度を、溶融粘度の最小値として表1に示した。
(2)熱分解開始温度
熱可塑性樹脂bの熱分解開始温度は、100℃で24時間以上の乾燥を行なった後に熱重量分析測定を用い、昇温30℃/分、N雰囲気下において測定した初期重量に対する重量減少量が1%となった温度とした。
(3)流動開始温度
熱可塑性樹脂bの流動開始温度は、高化式フローテスタ(CFT-500C 島津製作所製)を用い、ノズルサイズφ1×L2mm、昇温速度3℃/分、荷重40kgfにより測定した。
(4)繊維/樹脂密着性
繊維・樹脂複合化シートの密着性は、作製したシートを、連続繊維の配列方向を長手方向として10×200mmに切り出し、その端部から樹脂シートの部分を長手方向に剥離させた際の状態を観察して、下記基準により評価した。
○:連続繊維シート部を破壊して剥離した。
×:樹脂シート部と連続繊維シート部との界面で剥離した。
(5)屈曲性
繊維・樹脂複合化シートの屈曲性は、作製したシートを、連続繊維の配列方向を長手方向として10×400mmの短冊状に切り出し、水平面上において一方の端部をテープで固定した後に固定端部より200mmの部分に、切り出したシートに直行するように直径10mmの金属製のロールを配置して固定し、もう一方の端部を高さ100mmまで引き上げた際の試験片の状態を下記基準で評価した。
○:試験片に亀裂が生じなかった。
×:試験片に亀裂が生じた。
(6)樹脂含浸厚み
繊維・樹脂複合化シートにおける樹脂の含浸深さは、得られた繊維・樹脂複合化シートを厚さ方向に切断し、その切断面の任意の箇所を光学顕微鏡又は電子顕微鏡(SEM)で観察し、連続繊維体表面からの樹脂bの含浸深さを測定し(n=20)、連続繊維体の厚みに対する当該含浸深さの比率(%)を算出し、その平均値(n=20)を表1に示した。
(7)曲げ弾性率
繊維・樹脂複合化シートの曲げ弾性率は、万能材料試験機(インテスコ製 Model
2005)試験片形状を100mm×10mmの短冊状とし、ロードセル100Nにより試験速度2mm/分により測定した。
また、FRP成形体の曲げ弾性率は、万能材料試験機(UH−10 島津製作所製)を用い、連続繊維の配列方向を長手方向として厚み2mmの板状成形体を作製し、JIS―K7074によりロードセル100kNによりクロスヘッド速度2mm/分により測定した。
(8)空隙率
FRP成形体の空隙率は、得られたFRP成形体を厚さ方向に切断し(n=20)、その切断面を光学顕微鏡で観察し、JIS−K7053に準拠して空隙率(%)を測定し、その平均値(n=20)を表1に示した。
(実施例1)
熱可塑性樹脂bとして、十分に乾燥させたテクノポリマー社製のPC/ABS樹脂(商品名「エクセロイCKF50D2」)を用い、二軸押出機を用いて設定温度250℃で溶融混練し、110℃ のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ60μmの樹脂シートBを得た。
三菱樹脂社製の12Kピッチ系炭素繊維(商品名「ダイアリード K63712」)連続繊維束を引き揃えてシート化した連続繊維体A(厚み:250μm、目付け:300g/m)と、上記樹脂シートBとを用い、図1に示すように、二軸の加熱圧縮ロールを有するラミネート成形機により連続繊維シートの両面より該樹脂シートを挿入し、ロール温度200℃、ロール線圧15kg/cm、成形速度10cm/分により、厚み350μmの繊維・樹脂複合化シートを作製した。ロールによる加熱は、あらかじめ200℃へ予熱した非加熱ロールと200℃設定とした加熱ロールにより行った。
そして、この繊維・樹脂複合化シート8枚を繊維の方向を同一方向に揃えて積層し、250℃(この温度でのPC/ABS樹脂の溶融粘度:450Pa・s)まで加熱した後、昇圧速度0.2MPa/分で10分間昇圧してプレス成形し、その後室温まで30分間で冷却して、FRP成形体を得た。
実施例1で得られた繊維・樹脂複合化シート及びFRP成形体の評価結果を表1に示した。
(実施例2)
複合化シート作製時のロール温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(実施例3)
複合化シート作製時のロール線圧を40kg/cmに変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(実施例4)
熱可塑性樹脂bとして、三洋化成社製の変性ポリプロピレン樹脂(商品名「ユーメックス 1010」)50質量%、日本ポリプロ社製のポリプロピレン樹脂(商品名「ノバテックPP VF68」)50質量%からなる混合樹脂を用い、プレス成形時における成形温度を200℃(変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレン樹脂からなる混合樹脂の200℃での溶融粘度:溶融粘度230Pa・s)に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(実施例5)
熱可塑性樹脂bとして、日本ユニペット製のポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名「ユニペット RT‐543C」)を用い、プレス成形時における成形温度を280℃(ポリエチレンテレフタレート樹脂の280℃での溶融粘度:溶融粘度350Pa・s)に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(実施例6)
シート状連続繊維として日東紡(株)社製のガラスクロス(商品名「WF-230-100-BS6」、厚み:250μm、目付け:200g/m)に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(比較例1)
熱可塑性樹脂bとして、日本ポリプロ社製のポリプロピレン樹脂(商品名「ノバテックPP VF68」)を用い、プレス成形時における成形温度を200℃(この温度でのポリプロピレン樹脂の溶融粘度:10820Pa・s)に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(比較例2)
熱可塑性樹脂bとして、三洋化成社製の変性ポリプロピレン樹脂(商品名「ユーメックス 1010」)を用い、プレス成形時における成形温度を200℃(この温度での変性ポリプロピレン樹脂の溶融粘度:1.2Pa・s)に変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(比較例3)
ロール温度140℃を変更した以外は実施例1と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
(比較例4)
ロール線圧を100kg/cmに変更した以外は実施例4と同様の条件により複合化シートおよび成形体を作製した。
この上記複合化シート及び成形体の評価結果を表1に示した。
Figure 2011006578
表1より、実施例1−6で得られた繊維・樹脂複合化シートは屈曲性に優れた特性を示しており、この複合化シートを用いて成形したFRP成形体は優れた樹脂含浸性(低空隙率)と剛性を有していることが分かる(実施例1〜6)。
これに対して、熱可塑性樹脂bの溶融粘度の最小値が1.0Pa・s〜500Pa・sの範囲から外れている場合(比較例1)は、FRP成形体の樹脂含浸性が悪く、空隙率が高く曲げ弾性率も不十分な値を示している。
また、繊維・樹脂複合化シートの含浸深さの合計値が、5〜30%の範囲外である場合(比較例2〜4)には、複合化シートの状態での剛性が高いため屈曲性に劣ったり、密着性が悪いという結果となっている。
さらにまた、ロール線圧が1〜80kg/cmの範囲外である場合(比較例4)は、複合化段階において樹脂が繊維中に含浸するためにシートの弾性率が高くなり、剛性が不足する結果となった。
1 連続繊維体A
2 樹脂シートB
3 加熱圧縮ロール
4 繊維・樹脂複合化シート

Claims (5)

  1. 連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aの一面又は両面に、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBが積層し、かつ該熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートであって、
    熱可塑性樹脂bの溶融粘度(レオメーター使用、測定周波数:10Hz)の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在し、且つ、連続繊維体Aの厚みに対する熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合が、それぞれの面において5%以上であり合計値が5〜30%であることを特徴とする繊維・樹脂複合化シート。
  2. 連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aの両面に、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBが積層し、且つ該熱可塑性樹脂bの一部が連続繊維体A内に含浸してなる構成を備えた繊維・樹脂複合化シートであって、
    連続繊維体Aの厚みに対する一方の面の熱可塑性樹脂bの含浸深さの割合と、他方の面の含浸深さの割合との間に5%以上の差があることを特徴とする請求項1に記載の繊維・樹脂複合化シート。
  3. 連続繊維からなる織物状又は非織物状の連続繊維体Aと、熱可塑性樹脂bからなる樹脂シートBとを重ね合わせて、対向して接触回転している2つのロール間に通して加熱圧縮することによりラミネートする工程と、巻取り工程とを備えた繊維・樹脂複合化シートの製造方法であって、
    熱可塑性樹脂bの溶融粘度(レオメーター使用、測定周波数:10Hz)の最小値が5Pa・s〜500Pa・sに存在し、且つ、対向して接触回転している2つのロールの少なくとも一方の温度が、熱可塑性樹脂bの流動開始温度以上であり、且つ、ロール間のロール線圧が1〜80kg/cmであることを特徴とする繊維・樹脂複合化シートの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の繊維・樹脂複合化シートを単独で或いは複数枚積層して、熱可塑性樹脂bの流動開始温度以上に加熱してプレス成形することを特徴とするFRP成形体の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の繊維・樹脂複合化シートを単独で或は複数枚を積層し、熱可塑性樹脂bの溶融粘度が2000Pa・s以下となる温度においてプレス成形して得られる、空隙率20%未満のFRP成形体。
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