[go: up one dir, main page]

JP2011000050A - 発泡酒およびその製造方法 - Google Patents

発泡酒およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011000050A
JP2011000050A JP2009145560A JP2009145560A JP2011000050A JP 2011000050 A JP2011000050 A JP 2011000050A JP 2009145560 A JP2009145560 A JP 2009145560A JP 2009145560 A JP2009145560 A JP 2009145560A JP 2011000050 A JP2011000050 A JP 2011000050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
whey protein
degradation product
malt
sparkling liquor
whey
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009145560A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ueno
宏 上野
Atsushi Serizawa
篤 芹澤
Toshio Nagashima
俊夫 永島
Junko Takeuchi
純子 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP2009145560A priority Critical patent/JP2011000050A/ja
Publication of JP2011000050A publication Critical patent/JP2011000050A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

【課題】乳清を原料にした麦芽含量の少ない発泡酒を提供する。乳清に含まれるタンパク質を分解することで、ビール酵母の発酵を促進させ、泡もちを改善し、かつ、優れた独特の風味を持つ発泡酒の製造方法。
【解決手段】発泡酒の製造方法において、原料の一部に乳清タンパク質分解物や乳糖分解物のようなビール酵母の資化性が高い乳清由来の原料を用いることにより、異臭や異風味のない、穏やかな甘味と乳清の風味を生かした、発泡酒を製造可能にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳清添加による発泡酒の製造方法に関する。なお、本発明において発泡酒とは、酒税法によって定義されるとおり、「麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(同法3条第7号から第17号までに掲げる酒類及び麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く)で発泡性を有するもの」をさすものである。
乳清(ホエイ)はチーズや酸カゼインなどの乳製品を製造する過程で生成する、乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液である。乳清はチーズ製造の過程で副産物として大量に生産されるが、特有の風味があるため、そのままでは飲用には適さない。乳清特有の風味の原因としては、脂肪分の酸化や分解に伴うもの、加熱工程において影響を受けるβ−ラクトグロブリンのシステイン残基が関与するもの、チーズ製造時の残存レンネットやスターターによるものが代表的である。しかし、乳清は乳中の乳糖の大半を含むばかりでなく、ミネラルや水溶性ビタミン類、栄養価の高い乳清タンパク質もバランス良く含んでおり、有効な利用方法が模索されている。
発泡酒は、日本の酒税法により定義されている酒類のうち、麦または麦芽を原料の一部として用いた発泡性を有する酒類を意味する。
近年、発泡酒およびその他雑酒のような発酵アルコール飲料において、さまざまな原料を用いた製造方法が開示されている。例えば、小麦、馬鈴薯、とうもろこし、大麦、米、またはタピオカから得たデンプンに基づくグルコースシロップ、および可溶性タンパク質材料を原料として、ビールタイプ飲料を製造する方法(特許文献1)、米、麦、ヒエ、アワなどの穀類を原料として、低アルコールの発酵飲料を製造する方法(特許文献2)、苦瓜抽出物を添加する発泡酒の製造方法(特許文献3)、ビートオリゴ糖とえのき茸を主成分とするビールの風味と視覚的特徴を有するアルコール度数1%未満の発泡性清涼飲料水または発泡酒(特許文献4)、加熱処理した後に焦がした粉砕さつまいもを原料とした黒ビール様発泡酒およびその製造方法(特許文献5)等が開示されている。
更に、特許文献6には、大麦、小麦、麦芽を一切使用することなく、とうもろこし、馬鈴薯、えんどう豆、大豆、または米から得られた炭素源含有シロップを用いて発泡性のビール様アルコール飲料を製造する方法が開示されている。また、特許文献7には、糖とタンパク質分解物とのメイラード反応物およびその調製物を用いて、発泡酒やその他の醸造酒のような発酵アルコール飲料の液色や風味を調整する発酵アルコール飲料の製造方法が開示されている。
一方、乳を主な原料としてビール様の発酵アルコール飲料を製造する場合には、ビール酵母が資化しやすい糖質やアミノ酸、タンパク質を豊富に含まないために発酵が進みにくく、その利用は限定的であった。
乳清を用いたアルコール飲料に関する文献としては、特許文献8が挙げられるが、この特許文献8記載の発明は、「(A)乳酸発酵及び/又は蛋白分解酵素処理した乳清と、(B)ホップ、果汁、はちみつ及びこれらの混合物から成る群より選択される成分及び/又は(C)糖類とを含む原料成分をアルコール発酵処理して成る乳清含有アルコール飲料」であり、麦又は麦芽を原料の一部としないため発泡酒ではなく、甘味系のアルコール飲料について記載されたものである。
特開2001−37462号公報 特許第3909383号公報 特許第4108588号公報 特許第3560595号公報 特許第3260678号公報 国際公開2004/000990号パンフレット 特許第3836117号公報 特開平3−262472号公報
本発明の目的は、乳清を用いた発泡酒とその製造方法を提供することにある。すなわち、この課題を解決できる発泡酒の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、乳清のタンパク質の加水分解物が非常に重要であることを見出した。
すなわち本発明は、麦芽と、糖と、乳清タンパク質分解物と、を含む麦芽溶液を発酵させることによって得られる発泡酒である。
また本発明は、前記糖が、麦芽糖、ブドウ糖、乳糖分解物のうちから選ばれるいずれか1以上であることを特徴とする前記の発泡酒である。
また本発明は、前記乳清タンパク質分解物が、乳清タンパク質を加水分解したものであることを特徴とする前記の発泡酒である。
また本発明は、前記麦芽溶液が、乳清タンパク質分解物を0.05〜5%含むことを特徴とする前記の発泡酒である。
また本発明は、前記乳清タンパク質分解物の分子量分布が5000以下であることを特徴とする前記の発泡酒である。
また本発明は、前記麦芽溶液が、前記麦芽を15〜25%含むものである前記の発泡酒である。
また本発明は、前記発泡酒が、Brixが5.5〜7、pHが5〜6、酸度が29〜36であることを特徴とする発泡酒である。
また本発明は、乳糖分解物でBrixを調整した麦芽溶液に、乳清タンパク質分解物を添加し、発酵させることを特徴とする発泡酒の製造方法である。
本発明の発泡酒は、乳清のもつまろやかな風味と穏やかな甘味を生かした、新しい香りと風味を有するものである。また、本発明の発泡酒は泡もちが良いという特徴を有していることから、グラスやジョッキ等に注いだ後、酸化による味の劣化と炭酸ガスの遊離を遅らせ、新鮮な味を長く保つことができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、ビール酵母を用いた発酵アルコール飲料の製造方法において、乳清タンパク質の分解物を用いて発酵アルコール飲料の糖度およびアルコール度数を調整することができる。また、さらに乳清の糖質を用いることによっても発酵アルコール飲料の糖度およびアルコール度数を調整することができる。特に、発酵前溶液に添加する乳清タンパク質加水分解物の分解度合いや、乳糖およびその加水分解物の量を発酵管理指標として調整することで、アルコール発酵の促進と風味を最適化することができる。
本発明の発泡酒は、麦芽と、糖と、乳清タンパク質分解物を原料とし、これらを含む麦芽溶液をビール酵母を用いて発酵させることによって得られる発酵アルコール飲料である。
本発明で使用する乳清タンパク質は、ビール酵母の資化性が高いアミノ酸であるアスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、スレオニン、リジン、およびアルギニンを含有するように加水分解することが望ましい。
乳清タンパク質を十分に加水分解することで、硫化物臭などの異風味を低減することができる。また、乳清タンパク質の加水分解度合いを調節することで、泡品質向上および発酵促進作用の少なくとも一つを改善することができる。
乳清タンパク質分解物の含有量は、麦芽溶液中、0.05〜5.0%であることが望ましく、0.5〜3.0%がさらに望ましく、0.5〜1%が最も望ましい場合もある。
本発明の発泡酒の製造に用いる乳清タンパク質分解物の分子量分布は5000以下であることが望ましい。
糖としては、直接還元糖であればいずれでもよく、そのうちでも麦芽糖、ブドウ糖、乳糖分解物のうちから選ばれるいずれか1以上であることが好ましい。
乳糖分解物としては、分解率が70%以上であることが望ましい。
麦芽の含有量は、麦芽溶液中、15〜25%配合されていることが望ましい。
また、本発明の発泡酒は、Brixが5.5〜7、pHが5〜6、酸度が29〜36であることが望ましい。
本発明の発泡酒の製造方法としては、麦芽と、糖と、乳清タンパク質分解物と、を含む麦芽溶液を発酵させる方法であればいずれでも用いることができ、そのうちでも、糖として乳糖分解物を用い、麦芽溶液のBrixを乳糖分解物で調整し、これに乳清タンパク質分解物を添加して、発酵させることが望ましい。
以下、試験例及び実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕麦芽糖溶液への乳清タンパク質分解物添加試験
1.乳清タンパク質分解物の調製
乳清タンパク質(WPI)10%水溶液1Lに、パパイン50U/g・WPI、プロテアーゼ(プロレザーFG-F、天野エンザイム(株)製)150U/g・WPI、を加え、pH8に調整し、50℃において3時間酵素分解を行った。その後75℃に昇温させ、この温度で3時間保持し、タンパク質を変性させると共にタンパク質の酵素分解を行い、90℃で10分以上加熱して酵素を失活させた。この反応液を遠心分離して上清を回収して、凍結乾燥し、標品を得た。
2.乳糖分解物の調製
10%乳糖水溶液1Lに、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)(LACTASE GODO-YNL2、合同酒精(株)製)1000U/g・乳糖を加え、pH6.5に調製し、37℃で10分または3時間酵素分解を行った。その後90℃まで加熱して酵素を失活させた。この反応液を凍結乾燥し、標品を得た。10分分解したものを乳糖分解物A、3時間分解したものを乳糖分解物Bとした。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて糖組成を測定した結果、乳糖分解物Aは70%以上、乳糖分解物Bは98%以上乳糖が分解されていた。
3.発酵試験
大豆タンパク質についてはビール様アルコール飲料への利用などの報告があるが、乳清タンパク質の利用についての知見はない。乳清タンパク質のアルコール飲料への利用の可能性を探るため、麦芽糖溶液に乳清タンパク質分解物を添加して、その効果を調査した。
4.発酵液の調製
麦芽糖溶液(Brix11%)に乳清タンパク質分解物を0,1,2,3,5%または乳清タンパク質単離物(WPI)を1%添加した。次に、当該溶液を55℃で30分間、65℃で90分間糖化、冷却し、4℃で3000rpm、20分間遠心分離し、ろ過した。得られた溶液のBrixが11%になるまで加水し、オートクレーブで100℃、30分間煮沸を行い、冷却後、ビール酵母を添加し、15℃で一次発酵を行った。
5.発酵液の分析
上記4.で得られた発酵液の、Brix(%)、アルコール度(%)、pH、酸度(ml/100ml)を表1に示した。乳清タンパク質分解物の添加量が多いほど、Brixが早く下がり発酵が進んだことがわかった。また、アルコールはほぼ同様に生成されていたが、酸度は、乳清タンパク質分解物の添加量が多いほど、上昇した。これにより乳清タンパク質分解物の添加が発酵のために有効であり、添加量により酸度の調整が可能であることがわかった。なお、Brix(%)、アルコール度(%)、pH、酸度を総合的に評価し、発酵が進んだ場合を「結果:○」、進まなかった場合を「結果:×」として表記した。
Figure 2011000050
本試験により、乳清タンパク質分解物を麦芽糖溶液に添加することによって、酵母が利用できる窒素量が増加し発酵が促進されることが分かった。
〔試験例2〕乳清タンパク質分解物の低分子画分と高分子画分の比較試験
試験例1、1.の方法で調製した乳清タンパク質分解物を、分子量5000の限外ろ過膜(ミリポア製)にて高分子画分および低分子画分に分画した。得られた分画物を凍結乾燥し、高分子画分を1a、低分子画分を1bとした。得られた試料を各1%ずつ添加し、試験例1.3.と同様の方法にて発酵試験を行った。結果を表2に示した。乳清タンパク質分解物のうち、低分子画分の利用が好ましいことが分かった。HPLCにより測定した結果、低分子画分の分子量分布は、メインピークが100〜5000で、平均分子量は約500であった。以下の試験では低分子画分を乳清タンパク質分解物として用いた。
Figure 2011000050
〔試験例3〕乳糖分解物の分解度合いによる比較試験
試験例1.3.と同様の方法で、麦芽糖溶液を試験例1、2.の方法で調製した乳糖分解物A、Bに置き換え、発酵試験を行った。なお、乳清タンパク質分解物は1%添加した。結果を表3に示した。どちらの試験例も十分に発酵が進んでおり、乳糖分解物は少なくとも70%以上分解されていれば好ましいことが分かった。以下の試験では乳糖分解物Bを乳糖分解物として用いた。
Figure 2011000050
〔実施例1〕発泡酒溶液への乳清タンパク質分解物添加試験(1)
(発酵試験)
麦芽15%重量を用い、乳糖分解物にてBrixを11%に調製した溶液に、乳清タンパク質分解物を0、0.5、1.0、3.0%添加して一次発酵を行い、その結果を表4に示した。
乳清タンパク質分解物添加量が多くなるに従い、Brixは上がり、酸度も上昇することが認められた。
Figure 2011000050
一次発酵後に官能検査を行ったところ、乳清タンパク質分解物を1.0%添加したものは全体的に味のバランスがとれており、もっとも良好な風味を示した。3.0%添加したものについては、味に個性があるという評価であったが、風味や後味が強く残るという意見が出た。
〔実施例2〕発泡酒溶液への乳清タンパク質分解物添加試験(2)
(発酵試験)
麦芽20%重量を用い、乳糖分解物にてBrixを11%に調製した溶液に、乳清タンパク質分解物を0、0.5、1.0%添加して一次発酵を行い、その結果を表5に示した。麦芽15%の場合と同様、乳清タンパク質分解物を添加しない場合よりも、添加した場合は発酵が早く進行し、添加量が多くなるに従い、酸度が高くなった。添加量による発酵力の差はほとんどなく、十分な発酵が行われた。
Figure 2011000050
(官能評価)
一次発酵後に官能検査を行ったところ、味、香り、酸味、コク、個性の各項目についての評価は1.0%添加が良いという意見であったが、総合的には0.5%添加が最も味のバランスに優れているとの結果であった。
〔実施例3〕発泡酒溶液への乳清タンパク質分解物添加試験(3)
(発酵試験)
麦芽25%重量を用い、乳糖分解物にてBrixを11%に調製した溶液に、乳清タンパク質分解物を0、0.2、0.5、1.0%添加して一次発酵を行い、一次発酵中におけるBrixの相対値の変化を調べ、その結果を表6に示した。麦芽25%の場合は、乳清タンパク質分解物の添加の有無による発酵の速度および発酵力に差は見られなかった。
Figure 2011000050
(官能評価)
一次発酵後に官能検査を行ったところ、味、香り、酸味、コク、個性の各項目、総合評価においても0.5%添加が最も味のバランスが良いとの結果であった。一連の評価により、十分に発酵が進み、かつ、Brixが5.5〜7%、pHが5〜6、酸度が29〜36の試作品が、より好ましい発泡酒であった。
〔実施例4〕泡もちの評価試験
実施例3で得られた、一次発酵させた発泡酒を一定量メスシリンダーに注ぎ、泡体積の変化を比較した。乳清タンパク質分解物無添加では泡は10分で消失したが、乳清タンパク質分解物を0.5%または1%添加したものでは30分以上泡が保持された。
一方、比較例として、実施例3において麦芽の代わりに麦芽糖溶液を用いて一次発酵させて得られたその他雑酒で同様の試験をしたところ、泡は10分で消失した。
以上より、乳清タンパク質分解物の添加により、発泡酒の泡もちが改善される結果が得られ、麦芽成分との相乗効果により泡もちが改善されることが判明した。
以上の実施例の結果から、次のことが明らかとなった。総合的には麦芽20%、乳清タンパク質分解物1.0%および麦芽25%、乳清タンパク質分解物0.5%が最も良く、両者で差はなかった。しかし、麦芽25%、乳清タンパク質分解物0.5%の方が味、香り、コク、個性が優れていた。特に、コクおよび個性において顕著な差がみられたため、麦芽25%、乳清タンパク質分解物を用い100L規模の試験醸造を行った。
〔実施例5〕発泡酒溶液への乳清タンパク質分解物添加試験(4)
(100L試験醸造)
水100Lに対し、粉砕した麦芽15kgに乳糖分解物35kgを加え、55℃で30分間、65℃で90分間糖化し、ろ過して溶液を得た。得られた溶液のBrixは12であった。その後、この溶液を煮沸釜に移して乳清タンパク質分解物450gとビターホップ(ナゲット)を45g添加し、90分間煮沸した。煮沸終了5分前にアロマホップ(ハラタウ)を4g添加し、ワールプールにて沈殿を除去した。冷却後、発酵タンクに移してビール酵母を加え、15℃で10日間一次発酵させた。その後3℃にて4週間二次発酵を行い製品とした。配合を表7に示した。
Figure 2011000050
工程中における溶液、一次発酵後、二次発酵後の各試料につき成分分析を行った。成分分析はBCOJビール分析法(ビール酒造組合、国際技術委員会分析委員会編、日本醸造協会、1998)に従い、以下の項目、方法にて行った。
(1)Brix:屈折糖度計
(2)Balling:ショ糖度計
(3)酸度:0.1N水酸化ナトリウム溶液による滴定法
(4)pH:pHメーター(HORIBA製 F−52)
(5)比重:比重計
(6)アルコール度:アルコール濃度測定器(アルコールチェッカー)
(7)真正エキス:アルコール蒸留した蒸留残液を100mlに定容、比重を測定し、次式により求めた。
Er=−460.234+662.649×SGer−202.414×SGer2
Er:真正エキス(%Plato)
SGer:比重測定値
(8)真正発酵度:アルコール度、真正エキスの数値より、次式により算出した。
真正発酵度(%)=100×2.0665×A/2.0665×A+Er
A :アルコール濃度(wt%)
Er:真正エキス(%plato)
(9)全窒素:ケルダール法
(10)ホルモール態窒素:中和ホルマリンを用いる滴定法
(11)全糖量:ソモギー変法
(12)直接還元糖量:酸加水分解後ソモギー変法
Figure 2011000050
表8のように、規模を大きくしても順調に発酵が進み、直接還元糖もほとんど消費され、アルコール度数も4%近くまで生成していた。製品の色調は乳清の黄色い色調を有し、透明性も高く、僅かにホエイの風味も残っていた。
本発明の発泡酒は、乳清のもつまろやかな風味と穏やかな甘味を生かした、新しい香りと風味を有し、さらに泡もちが良いという特徴を有している。従って、グラスやジョッキ等に注いだ後、酸化による味の劣化と炭酸ガスの遊離を遅らせ、新鮮な味を長く保つことができる。

Claims (8)

  1. 麦芽と、糖と、乳清タンパク質分解物と、を含む麦芽溶液を発酵させることによって得られる発泡酒。
  2. 前記糖が、麦芽糖、ブドウ糖、乳糖分解物のうちから選ばれるいずれか1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡酒。
  3. 前記乳清タンパク質分解物が、乳清タンパク質を加水分解したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡酒。
  4. 前記麦芽溶液が、乳清タンパク質分解物を0.05〜5%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡酒。
  5. 前記乳清タンパク質分解物の分子量分布が5000以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡酒。
  6. 前記麦芽溶液が、前記麦芽を15〜25%含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の発泡酒。
  7. 前記発泡酒が、Brixが5.5〜7、pHが5〜6、酸度が29〜36であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡酒。
  8. 乳糖分解物でBrixを調整した麦芽溶液に、乳清タンパク質分解物を添加し、発酵させることを特徴とする発泡酒の製造方法。
JP2009145560A 2009-06-18 2009-06-18 発泡酒およびその製造方法 Pending JP2011000050A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009145560A JP2011000050A (ja) 2009-06-18 2009-06-18 発泡酒およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009145560A JP2011000050A (ja) 2009-06-18 2009-06-18 発泡酒およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011000050A true JP2011000050A (ja) 2011-01-06

Family

ID=43558544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009145560A Pending JP2011000050A (ja) 2009-06-18 2009-06-18 発泡酒およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011000050A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015089362A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 サッポロビール株式会社 原料液の製造条件を決定する方法及び原料液、発泡性飲料並びにこれらの製造方法
CN109370826A (zh) * 2018-11-29 2019-02-22 乌兰县蒙益民族用品有限责任公司 一种牦牛奶乳清酒的制备方法
JP2021061786A (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 アサヒビール株式会社 発泡性アルコール飲料
CN113831973A (zh) * 2021-10-19 2021-12-24 云南农业大学 一种葡萄籽百香果啤酒的制备工艺

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03262472A (ja) * 1990-03-14 1991-11-22 Calpis Food Ind Co Ltd:The 乳清含有アルコール飲料
JPH0947276A (ja) * 1995-08-09 1997-02-18 Kirin Brewery Co Ltd 新規ビールの製造方法
JP2004511241A (ja) * 2000-10-19 2004-04-15 デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ タンパク加水分解物
JP2006068191A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Taito Corp アーケード用対戦シミュレーションゲーム装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03262472A (ja) * 1990-03-14 1991-11-22 Calpis Food Ind Co Ltd:The 乳清含有アルコール飲料
JPH0947276A (ja) * 1995-08-09 1997-02-18 Kirin Brewery Co Ltd 新規ビールの製造方法
JP2004511241A (ja) * 2000-10-19 2004-04-15 デーエスエム・ナムローゼ・フェンノートシャップ タンパク加水分解物
JP2006068191A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Taito Corp アーケード用対戦シミュレーションゲーム装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015089362A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 サッポロビール株式会社 原料液の製造条件を決定する方法及び原料液、発泡性飲料並びにこれらの製造方法
CN109370826A (zh) * 2018-11-29 2019-02-22 乌兰县蒙益民族用品有限责任公司 一种牦牛奶乳清酒的制备方法
JP2021061786A (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 アサヒビール株式会社 発泡性アルコール飲料
JP7419015B2 (ja) 2019-10-15 2024-01-22 アサヒビール株式会社 発泡性アルコール飲料
CN113831973A (zh) * 2021-10-19 2021-12-24 云南农业大学 一种葡萄籽百香果啤酒的制备工艺
CN113831973B (zh) * 2021-10-19 2023-04-18 云南农业大学 一种葡萄籽百香果啤酒的制备工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382754B2 (ja) pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料
JP6328892B2 (ja) 未発酵のノンアルコールビールテイスト飲料の泡持ち改善方法、及びノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法
CA3019764C (en) Beer-flavored beverage production method and beer-flavored beverage
JP7527421B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味を改善する方法
US11292995B2 (en) Beer-flavored beverage, method for producing beer-flavored beverage, and method for imparting excellent richness and quality of aftertaste to beer-flavored beverage
JP2019010126A (ja) 発泡性飲料の製造方法
AU2016306247A1 (en) Beer-like effervescent beverage
JP2025074240A (ja) ビールテイスト飲料
US20080089977A1 (en) Method of Producing Beers and Soybean Peptide for Producing Beers
JP6550625B2 (ja) 発泡性飲料及びその製造方法
JP2011000050A (ja) 発泡酒およびその製造方法
JP7470512B2 (ja) ビールテイスト飲料
JP6361854B2 (ja) 容器詰めビアテイスト飲料及びその製造方法
JP4755450B2 (ja) 酵母エキスを用いた発酵飲料の製造方法
JP2015204797A (ja) 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
JP7428715B2 (ja) 飲食品用組成物
AU2019426388A1 (en) Beer-taste beverage
JP7366138B2 (ja) 飲食品用組成物及びその製造方法
JP2003024042A (ja) 食酢、その製造方法、及び該食酢を含有する飲食品
JP7190406B2 (ja) ビールテイストアルコール飲料及びその製造方法
JP2024071236A (ja) ビールテイスト飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131024

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140715