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JP2010506857A - 迅速に発光する安定なアクリジニウムエステル - Google Patents

迅速に発光する安定なアクリジニウムエステル Download PDF

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Abstract

迅速に発光し、加水分解に安定な化学発光性アクリジニウムエステルが提供される。化学発光性アクリジニウムエステルは、被験体を検出又は定量するためのアッセイにおける有用な標識である。

Description

本発明は、一般的に、イムノアッセイ等における標識として有用な化学発光性アクリジニウムエステルに関する。化学発光性アクリジニウムエステルは、加水分解に安定であり、迅速に発光する。
化学発光性アクリジニウム化合物は、イムノアッセイ及び核酸アッセイにおいて広く使用されている極めて有用な標識である。最近のレビューであるPringle, M. J., Journal of Clinical Ligand Assay vol. 22, pp. 105-122 (1999)は、この種類の化学発光性化合物の過去と現在の進歩を要約している。
McCapra, F. et al., Tetrahedron Lett. vol. 43, pp. 3167-3172 (1964)及びRahut et al. J. Org. Chem vol. 301, pp. 3587-3592 (1965)による独創的な研究は、アクリジニウム塩のフェニルエステルからの化学発光がアルカリ性過酸化物により誘発され得ることを開示した。これらの初期の研究以来、化学発光性標識としてのそれらの有用性のゆえに、アクリジニウム化合物における関心が増大している。イムノアッセイにおけるアクリジニウムエステル、臭化9−カルボキシフェニル−N−メチルアクリジニウムの適用が、Simpson, J.S.A. et al., Nature vol. 279, pp. 646-647 (1979)により開示された。このアクリジニウムエステルは、アクリジニウム環とフェノールの間のエステル結合の加水分解のせいで、非常に不安定であり、これにより、エステル結合を加水分解から保護するための特別な防止策をとらない限り、その商業的な有用性が制限される。例えば、米国特許第4,950,613号においてArnold et al.は、不安定なアクリジニウムエステルの加水分解安定性は、添加剤でいくらか解決することができることを示している。
構造を変えることによりアクリジニウム化合物の加水分解安定性を増大させる種々のストラテジーが記述されている。Law et al., Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence, vol. 4, pp. 88-89 (1989)は、フェノール基の両側に2個のメチル基を含有するフェノールが、加水分解にさらに抵抗性であるアクリジニウムエステルを与えることを報告した。アクリジニウムエステル、DMAE−NHS[2’,6’−ジメチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシラート]は、2個のメチル基を有さないアクリジニウムエステルと同じ光出力を有することが見出されたが、有意に、加水分解にさらに抵抗性であった。米国特許第4,918,192号及び第5,110,932号は、DMAE及びその応用を記述している。Law et al.への米国特許第5,656,426号には、アクリジニウム環窒素上のメチル基がスルホプロピル基で置き換えられた、NSP−DMAE−NHSエステルと名づけられたDMAEの親水性バージョンが開示されている。米国特許第6,664,043B2号でNatrajan et al.は、フェノールに結合した親水性修飾剤を有するNSP−DMAE誘導体を開示した。
異なる種類の安定な化学発光性アクリジニウム化合物が、Kinkel et al., Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence vol. 4, pp. 136-139 (1989)及びMattingly, Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence vol. 6, pp. 107-114 (1991)及び米国特許第5,468,646号で記述されている。この種類の化合物において、フェノール性エステル結合は、スルホンアミド部分に置き換えられており、これは、光出力を減少させることなく加水分解安定性を付与することが報告されている。DMAE−NHSの構造及びアクリジニウムスルホンアミドの一般化した構造を、アクリジニウムエステルについて一般的に使用されている番号付けシステムと共に、図1に示す。フェノール及びスルホンアミド部分は、一般に、脱離基とも称される。オキシム等の他の脱離基を含有する化学発光性アクリジニウム化合物もまた、開示されている。Renotte et al. Luminescence 2000, 15, 311-320参照。
アクリジニウム化合物は、水溶液中で、水のアクリジニウム環のC−9への付加により形成される付加体との平衡で存在する。この付加体は、一般に、擬似塩基と称される。図2に示される、アクリジニウム−擬似塩基の平衡は、水性媒体のpHにより、強く影響される。酸性溶液では、アクリジニウム型が優位であるが、塩基性溶液では、優位な型は、擬似塩基である。アクリジニウム−擬似塩基の平衡は、また、アクリジニウム化合物の構造により影響される。C−2及び/又はC−7に電子供与性基を含有するアクリジニウムエステルは、C−9の求電子性を減少させ、アクリジニウム型から擬似塩基への遷移が生じるpHを上昇させる。アクリジニウムスルホンアミドもまた、アクリジニウムエステルよりも、擬似塩基を形成しにくい。
アクリジニウム化合物からの化学発光は、通常、過酸化水素で誘発される。発光の機構は、過酸化水素のアクリジニウム環のC−9への付加と、それに続く脱離基の開裂と同時的な高エネルギーのジオキセタノン中間体の生成を含むと考えられる。ジオキセタノン中間体の急速な分解が、電子的に励起された状態のアクリドンの生成に導くと推測される。発光は、励起状態のアクリドンが基底状態に戻るときに生じる。ジオキセタノン中間体の生成は、最終的に実証されておらず、近年の理論的研究では、脱離基の開裂及び励起状態のアクリジンの生成が同時に起こると仮定している(Rak et al. J. Org. Chem. 1999, 64, 3002-3008)。
実際のところ、過酸化水素を用いるアクリジニウム化合物及びそれらの複合体からの発光は、通常、水性酸で初期処理して、擬似塩基をアクリジニウム型に完全に変換し、続いて、水性塩基を加えることにより達成される。擬似塩基が過酸化水素と反応できないので、酸処理が必要である。使用すべき酸処理の長さ及び酸の強さは、アクリジニウム化合物の構造に依存する。塩基を添加すると、過酸化水素分子がイオン化して、ヒドロペルオキシドイオンが生成し、これは、次いで、アクリジニウム環のC−9に付加して、発光を開始する。便宜上、過酸化水素は、しばしば、水性酸と共に単一試薬として加えられる。典型的には、アクリジニウム化合物又はその複合体からの発光は、数秒間の間に亘って生じる。
アクリジニウム化合物又はその複合体からの発光の動力学又は速度は、いくつかの因子に依存する。過酸化水素の濃度及び塩基の濃度の双方は、発光の期間に影響を与え得る。界面活性剤の存在も、発光の速度及び量子収率に影響を与え得る。さらに、アクリジニウム化合物の構造は、発光の動力学に大きな影響をもたらす。アクリジニウム環上の、アクリジニウム窒素の、及び脱離基上の置換基は、全て発光の動力学に影響を与え得るが、脱離基の種々の構造的特徴の発光に対する効果が、最も広く報告されている。例えば、Adamczyk et al.(Tetrahedron 1999, 55, 10899-10914)は、種々のアクリジニウムスルホンアミドの研究から、発光の動力学は、これらの化合物により発光される全光量に影響を与えることなく、スルホンアミド脱離基の構造を変えることにより変化させることができることを示している。これらの研究者は、それらの研究から、立体的な因子が、スルホンアミド脱離基のpKaよりも、発光の速度を変化させる上でより影響が大きいことを結論付けた。アクリジニウムスルホンアミド窒素での立体的な混み具合の増大は、発光を遅くするが、一方、そのような立体障害を緩和すると、発光が促進される。
アクリジニウムフェニルエステルでの同様の研究が、Nelson et al.(Biochemistry 1996, 35, 8429-8438)により報告されている。それらの研究から、著者は、フェノール脱離基のpKaが、立体的効果よりも、発光の動力学に、より有意な効果を及ぼすと結論付けている。フェニル環上の電子吸引性基は、発光の速度を加速し、一方、電子供与性基は、速度の抑制をもたらす。Nelsonにより記述されたアクリジニウムエステルは、迅速な発光を示すものの、加水分解を極めて受けやすい。Nelsonが記述した「ハイブリダイゼーション保護アッセイ」は、実際のところ、核酸プローブに接合され、それらの標的にハイブリダイズされていないアクリジニウムエステルは、標識され、ハイブリダイズされたプローブよりも、非常に早く加水分解され得るという事実を活用している。
立体的効果は、また、アクリジニウムフェニルエステルの発光の動力学に重要な役割を果たす。例えば、米国特許第5,656,207号中でWoodhead et al.は、フェノール上の2'及び6'炭素原子にメチル基を含有するアクリジニウムエステルの発光の動力学は、光誘発試薬を注意深く選択することにより、これら2個の置換基を持たない類似のアクリジニウムエステルと区別することができることを報告している。
2'及び6'炭素にメチル基を含有するアクリジニウムエステルは、これらの置換基を持たないアクリジニウムエステルよりも、より遅く発光する。一方、メチル基の存在は、Law et al.,(Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence, vol. 4, pp. 88-89 (1989))が記したように、アクリジニウムエステルに非常により大きな加水分解安定性を付与する(彼らは、DMAE−NHSの加水分解安定性を、2’及び6’メチル基を持たない類似のアクリジニウムエステルと比較した)。加水分解安定性は、試薬の安定性に関連しているので、特に、自動化免疫化学機器におけるアクリジニウムエステルの商業的応用に重要である。アッセイ性能における日々の変動が少なく、多くの廃棄物を生じないので、長い保存寿命の試薬が、しばしば好ましい。
タンパク質又は小分子と接合した場合、米国特許第5,656,426号に記載のNSP−DMAE等の加水分解に安定なアクリジニウムエステルは、それらの化学発光がアルカリ性過酸化物で誘発されたときに、典型的には、5秒間に亘って発光する。
上記の見地から、加水分解安定性と迅速な発光の双方を示すアクリジニウムエステルがこの分野で必要とされている。したがって、本発明の目的は、加水分解に安定であり、例えば、NSP−DMAEに匹敵するものであるが、非常により迅速な発光、すなわち、約1〜2秒の発光をも示す、アクリジニウムエステルを提供することである。
本発明は、アクリジニウムエステルからの発光の速度が、驚くことに、それらの加水分解安定性を損なうことなく増大させることができるとの発見に基づいている。本発明のアクリジニウムエステルは、典型的には加水分解に不安定である上記の迅速に発光するアクリジニウムエステルと区別される新規な構造的特徴を有している。したがって、本発明のアクリジニウムエステルは、迅速な発光を示すものの加水分解に極めて感受性である非置換のアクリジニウムフェニルエステルに対して相当の利点を提供する。
本発明の一つの態様において、式I:
Figure 2010506857

[式中、Qは、出現ごとに独立に、結合(すなわち、Qは存在しない)又はO−、−S−もしくは−N(R)−から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基から選択され;ここで、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;ただし、少なくとも1個のQは、−O−、−S−又はN(R)−でなければならず;かつ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である]で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物が提供される。
本発明の他の態様において、式II:
Figure 2010506857

[式中、R及びRは、独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;かつ、Rは、上記のとおりである]で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステルが提供される。
本発明のさらに他の態様において、式III:
Figure 2010506857

[式中、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;かつ、Rは、上記のとおりである]で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物が提供される。
本発明のさらなる態様において、式IV:
Figure 2010506857

[式中、
は、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;好ましくは、Rは、メチル、スルホプロピル又はスルホブチル基であり;
は、C1からC4のいずれかにおける官能基であり、そしてRは、C5からC8のいずれかにおける官能基であり、ここで、R及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
X及びYは、出現ごとに独立に、結合、−O−、−S−又はN(R)−から選択され;ここで、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;ただし、XもしくはYのいずれか又は双方は、−O−、−S−又はN(R)−でなければならず;
及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
及びRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル、アルキル−アリール、アルコキシ(−OR)、アルキルチオール(−SR)及びNR基(ここで、窒素上のRは、同一又は異なることができ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である)から選択され;
は、R及びRと互換性があり、及び基−R−R10であり;
は、結合又は20個までのヘテロ原子を含有する、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基を表し;
10は、下記のもの:
Figure 2010506857

から選択される求電子性又は求核性官能基であり;
ここで、Xは、ハロゲンであり;そしてRは、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有し;
は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]で示される、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物が提供される。
本発明は、また、被験体の検出又は定量用のアッセイを提供する。本発明の他の態様において、被験体の検出又は定量用のアッセイは、下記の工程を含む:
(a)(i)被験体に特異的な結合性分子;及び(ii)式I又は式IIの構造を含む加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステルを含む、複合体を用意する工程;
(b)該被験体に特異的な第二の結合性分子をその上に固定化して有する固体支持体を用意する工程;
(c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
(d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
(e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
(f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
(g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程。
本発明の他の態様において、下記の工程を含む、被験体の検出又は定量用のアッセイが提供される:
(a)被験体の、式I又は式IIの構造を含む加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステルとの複合体を用意する工程;
(b)被験体に特異的な結合性分子で固定化した固体支持体を用意する工程;
(c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
(d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
(e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
(f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
(g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、例示的な実施態様、実施例、及び図面を含む、本発明の下記の詳細な説明を読んだ後、当業者に明白なものとなろう。
アクリジニウムエステルについて一般的に使用されている番号付けシステムと共に、アクリジニウムエステルDMAE−NHS及びNSP−DMAE−NHSの構造を示す。 アクリジニウム化合物のアクリジニウム型と擬似塩基型との間の平衡を示す。
詳細な説明
本明細書で使用されている全ての用語は、明示的に定義されていない限り、それらの通常の意味を有する。
式I又は式IIの「構造を含む化学発光性アクリジニウム化合物」とは、化学発光性アクリジニウム化合物が、その構造の一部又は全てとして、式I又はIIの構造を含み、したがって、特定の構造が、場合により、1以上の追加の置換基を、環窒素を包含するアクリジニウム核及びフェニル環の任意の可能な位置に含有する化合物、ならびにそれらの塩を包含することを意味する。置換基は、例えば、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、典型的には1〜50個の炭素原子及び、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含む。例示的な置換基として、非限定的に、分岐状もしくは直鎖状のC〜C20アルキル、アルケニル又はアルキニル基(非限定的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオ−ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる);シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ベンジル、アルキル−アリール;置換もしくは非置換のアリール又はヘテロアリール基;アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシ、カルバミド、シアノ、オキソ、オキサ、ハロゲンなど及びこれらの組み合わせが挙げられ、場合により、1個以上のヘテロ原子(酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせが挙げられる)でのさらなる置換を包含する。
「迅速に発光する」とは、本明細書で特定された条件下に、遊離状態でのアクリジニウムエステルの場合には(すなわち、他の分子と複合化していない)、化学発光反応からの光の全収率の少なくとも90%が、塩基の添加から2秒以内に生じること、また、アクリジニウムエステル複合体の場合には、化学発光反応からの光の全収率の少なくとも90%が、塩基の添加から1秒以内に生じることを意味する。
用語「小分子」は、約3,000未満、好ましくは約2,000未満、より好ましくは約1,000ダルトン未満の分子量を有する任意の有機分子をいう。
本発明のアクリジニウム化合物は、フェニル環のメチレン炭素上にヘテロ原子が存在することにより、迅速な発光と加水分解安定性を達成する。一つの実施態様において、加水分解に安定性で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物は、式I:
Figure 2010506857

[式中、Qは、出現ごとに独立に、結合、−O−、−S−又はN(R)−から選択され;ここで、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;ただし、少なくとも1個のQは、−O−、−S−又はN(R)−でなければならない]で示される構造を含む。好ましい実施態様において、一方又は双方のQ置換基は、−O−である。Rは、20個までのヘテロ原子を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である。好ましくは、Rは、メチル基又はスルホ−アルキル基(非限定的にスルホプロピル及びスルホブチル基が挙げられる)である。
いずれかの特定の説に縛られることを望むものではないが、少なくとも1対の非結合性電子(すなわち、「孤立電子対」)を有するヘテロ原子、例えば−O−、−S−又はN(R)−、特に、−O−が直接に、フェニル環の2’及び6’炭素上のメチレン置換基のいずれか又は双方に結合したときに、ヘテロ原子は、塩基として作用して、アクリジニウムエステルの過酸化物との化学発光反応を触媒する。
他の実施態様において、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物は、式II:
Figure 2010506857

[式中、R及びRは、独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;かつ、Rは、上記のとおりである]で示される構造を含む。好ましい実施態様において、Rは、場合により置換されているC〜Cのアルキル基、好ましくはメチルである。
他の実施態様において、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物は、式III:
Figure 2010506857

[式中、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含み;かつ、Rは、上記のとおりである]で示される構造を含む。
本発明の他の実施態様において、式IV:
Figure 2010506857

[式中、規定された置換基の各々は、下記のように定義される]で示される構造を有する、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物が提供される。
は、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;好ましくは、Rは、メチル、スルホプロピル又はスルホブチル基である。
は、C1からC4のいずれかにおける官能基であり、そしてRは、C5からC8のいずれかにおける官能基であり、ここでR及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である。該ヘテロ原子は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基の任意の部分を含むことができ、したがって、例えば、アルコキシ、エーテルもしくはヘテロアリール基におけるように、その基の主鎖の一部を形成し得るか、又はケトン、ハロゲン等の場合のように、そのアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基からの側鎖であり得る。具体的には、考慮されるヘテロ原子の置換として、R及び/又はRが酸素原子を介してアクリジニウム核に結合しているもの(すなわち、R及び/又はRがアルコキシ置換基である)ならびにR及び/又はRがさらに、エーテル又は、例えば一般式−(CH−CH−O)−のポリエーテルを包含するポリエーテルを含むものが挙げられる。一つの興味深い変形においては、ポリエーテルは、酸素を介してアクリジニウム環に結合しており、したがって、R及び/又はRは、式−O−(CH−CH−O)−のものである。ポリエーテルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基を包含する任意の基が末端となり得る。好ましい実施態様においては、R及び/又はRは、式−O−(CH−CH−O)−CH(ここで、nは1〜20、好ましくは1〜10の整数である)を有する。
X及びYは、独立に、結合(すなわち、その基は存在せず、したがって、R及びRは、アクリジニウム核に直接結合している)、酸素、硫黄又は窒素から選択される。好ましい実施態様においては、X及びYの少なくとも一方は、−O−である。X及び/又はYが窒素原子である場合、窒素原子は、アクリジニウム核ならびにR及び/又はRと一緒になって、二級アミンを形成し得るか、あるいは窒素原子は、アクリジニウム核ならびにR及び/又はRならびに基Rと一緒になって、三級アミンを形成し得る(ここで、Rは、本明細書で定義したとおりの基である)。
及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である。R及び/又はRは、例えば、エーテル又は、例えば一般式−(CH−CH−O)−のポリエーテルを包含するポリエーテル構造を含み得る。X及び/又はYが−O−である、一つの興味深い変形においては、ポリエーテルは、酸素を介してアクリジニウム環に結合しており、X及び/又はYと一緒になって、タイプ−O−(CH−CH−O)−の基を形成する。ポリエーテルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基を包含する任意の基が末端となり得る。好ましい実施態様においては、R及び/又はRは、式−(CH−CH−O)−CH(ここで、nは、1〜20、好ましくは1〜10の整数である)を有し、X及び/又はYと一緒になって、基−O−(CH−CH−O)−CHを形成する。R及びRの他の好適な置換基として、非限定的に、場合により任意の数のヘテロ原子、好ましくは酸素原子を含む(存在する場合には、例えば、エーテル又はポリエーテル官能性を含み得る)、C〜C10の分岐状もしくは直鎖状のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。
及びRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル、アルキル−アリール、アルコキシ(−OR)、アルキルチオール(−SR)及びNR基(ここで、窒素上のRは、同一又は異なることができ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である)から選択される。
は、基−R−R10であり、
は、結合又は、20個までのヘテロ原子を含有する、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基を表し、
10は、下記のもの:
Figure 2010506857

から選択される求電子性又は求核性官能基であり;
ここで、Xは、ハロゲンであり;そしてRは、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール、又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有し;
は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される。
特に関心がもたれる本発明のアクリジニウムエステルは、下記:
Figure 2010506857

[式中、
は、−Me又はCHCHCHSO であり;
Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRであり、Aは、先に記載したとおりである]で示される構造を有する。
本発明の例示的なアクリジニウムエステルとして、非限定的に、下記:
Figure 2010506857

[式中、R、R、R11及びAは、先に記載したと同じである]で示されるものが挙げられる。
本発明のアクリジニウムエステルは、また、下記:
Figure 2010506857

[式中、Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe及び(CHCHO)CHCHOMe、−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe]、n=1〜5から選択され;R11は、先に記載したとおりである]で示される構造を有する。
本発明の他の例示的なアクリジニウムエステルとして、下記:
Figure 2010506857

[式中、Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe及び(CHCHO)CHCHOMe、−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe]、n=1〜5から選択され;R11は、先に記載したとおりである]で示されるものが挙げられる。
本発明の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウム化合物は、被験体の測定又は定量用のアッセイにおける標識として有用である。アクリジニウム化合物は、イムノアッセイ及び核酸アッセイにおいて広く使用されている。このようなアッセイで典型的に測定される被験体は、しばしば、ある種の臨床的に関連性の物質であり、マクロ分子、例えばタンパク質、核酸、ウイルス細菌などから、小分子、例えばエタノール、ビタミン、ステロイド、ホルモン、治療薬などまでの広範囲な分子に亘るものであり得る。「サンドイッチ」イムノアッセイは、典型的には、2種の結合性分子、例えば抗体を用いる、マクロ分子被験体とも称する大きな分子の検出を含む。一方の抗体は、固相、例えば粒子、ビーズ、膜、マイクロタイタープレート又は任意の他の固体表面に固定化又は結合される。抗体等の結合性分子の固相への結合方法は、この分野で周知である。例えば、抗体は、グルタルアルデヒド等の架橋性分子を用いることにより、その表面にアミンを含有する粒子に共有結合することができる。結合は、また、非共有結合的であってもよく、固相、例えばポリスチレンビーズ及びマイクロタイタープレートの表面への結合性分子の単なる吸着をも含む。第二の抗体は、しばしば標識と称される化学発光性又は蛍光性分子と共にしばしば共有結合される。抗体及び他の結合性タンパク質等の結合性分子の標識化もまたこの分野で周知であり、一般に、複合化反応と呼ばれており、標識化抗体は、しばしば複合体と呼ばれる。典型的には、標識上のアミン反応性部分は、抗体上のアミンと反応して、アミド結合を形成する。抗体と標識との間のチオエーテル、エステル、カーバメートなどのような他の結合も周知である。アッセイにおいて、2種の抗体は、マクロ分子被験体の異なる領域に結合する。マクロ分子被験体は、例えば、タンパク質、核酸、オリゴ糖、抗体、抗体フラグメント、細胞、ウイルス、受容体、又は合成高分子であり得る。結合性分子は、抗体、抗体フラグメント、核酸、ペプチド、結合性タンパク質又は合成結合性高分子であり得る。例えば、葉酸結合性タンパク質(「FBP」)は、被験体葉酸塩を結合する。種々の被験体と結合することができる合成結合性分子は、また、Mossbach et al. Biotechnology vol. 14, pp. 163-170 (1995)により開示されている。
固定化抗体と標識化抗体を有する固相を、被験体を含有する試料と混合すると、結合錯体が、被験体と2種の抗体との間で形成される。このタイプのアッセイは、固相が関与するので、しばしば、不均一アッセイと呼ばれる。次いで、結合錯体に関連する化学発光性又は蛍光性シグナルを測定し、被験体の存在又は不存在を推察することができる。通常、結合錯体は、シグナル発生の前に、過剰の標識化抗体等の結合反応成分の残余から分離される。例えば、結合錯体が磁気ビーズに結合している場合には、ビーズに結合している結合錯体をバルク溶液から分離するのに磁石を使用することができる。一連の「標準」、すなわち、既知濃度の被験体を使用することにより、「用量応答」曲線を、その2種の抗体を用いて作製することができる。用量応答曲線は、測定されたシグナルのある量と、被験体の特定量とを相関させる。サンドイッチアッセイにおいて、被験体の濃度が増加するにつれて、シグナルの量も増加する。次いで、未知の試料中の被験体の濃度は、マクロ分子被験体を含有する未知試料により発生するシグナルを用量応答曲線と比較することにより算出することができる。
同様の静脈中で、二つの結合性成分はまた、核酸被験体の異なる領域に結合又はハイブリダイズする核酸であり得る。次いで、核酸被験体の濃度を、同様にして推定できる。
小分子被験体、例えばステロイド、ビタミン、ホルモン、治療薬又は小ペプチド用の他の種類のイムノアッセイは、一般に競合アッセイと称するアッセイフォーマットを使用する。典型的には、競合アッセイにおいて、複合体は、当該被験体及び化学発光性又は蛍光性標識から、二つの分子を共有結合することにより作製される。小分子被験体は、そのまま使用できるか、又はその構造を改変してから、標識に複合化することができる。改変した構造を持つ被験体は、類縁体と呼ばれる。標識を被験体と結合する化学を可能にするために、被験体の構造類縁体を使用することがしばしば必要である。時には、被験体の構造類縁体は、抗体等の結合性分子へのその結合を減少又は増大させるために使用される。このような技術は、この分野で周知である。当該被験体に対する抗体又は結合性タンパク質は、直接又はビオチン−アビチン系等の第二の結合相互作用を介するかのいずれかで、しばしば、固相上に固定化される。
試料中の被験体の濃度は、被験体含有試料及び被験体−標識複合体を、限定量の固相固定化結合性分子に対して競合させることにより、競合アッセイにおいて推定することができる。試料中の被験体濃度が増加するにつれて、固相上の結合性分子に捕捉された被験体−標識複合体の量が減少する。一連の「標準」、すなわち、被験体の既知濃度を使用することにより、固相上の結合性分子に捕捉された被験体−標識複合体からのシグナルが、被験体の濃度と逆に相関する、用量応答曲線を構築することができる。このように一旦用量応答曲線を案出すると、未知の試料中の同じ被験体の濃度は、未知の試料から得られるシグナルを用量応答曲線中のシグナルと比較することにより推定することができる。
小分子被験体に対する競合アッセイの他のフォーマットは、当該被験体又は被験体類縁体が固定化された固相及び化学発光性又は蛍光性標識と複合化された被験体に特異的な抗体又は結合性タンパク質の使用を含む。このフォーマットにおいて、抗体標識複合体は、固相上の被験体又は被験体類縁体との結合性相互作用を介して、固相上に捕捉される。次いで、試料中に存在する当該被験体は、抗体−標識複合体に「競合的に」結合し、したがって、固相を伴う抗体−標識複合体の相互作用を阻害又は置換する。この様式で、固相上に捕捉された抗体−標識複合体から発生するシグナルの量は、試料中の被験体の量と相関される。
アクリジニウムエステルは、特に、自動化免疫化学機器、例えば、加水分解に安定なアクリジニウムエステルDMAE及びNSP−DMAEを使用するBayerのADVIA:Centaur(商標)及びACS:180(商標)中で極めて有用な化学発光性標識である。これら双方の機器は、ハイスループットを有し、これは、それらが、毎時、それぞれ240及び180の試験という多数の免疫アッセイ試験を行うことができることを意味する。NSP−DMAE由来の試薬は、典型的には、化学発光が、0.5%過酸化水素を含有する100mM硝酸とそれに続く界面活性剤を含有する0.25N 水酸化ナトリウムの添加により誘発されたときに、5秒間に亘って発光する。迅速に発光し、安定な本発明のアクリジニウムエステルは、ADVIA:Centaur(商標)のような自動化免疫化学機器で使用すると、そのスループットを増大させることができる。「増大したスループット」は、アクリジニウムエステルDMAE及びNSP−DMAEを使用するがその他は同一である試験と比較して、所与の時間量で行うことができる試験数を増大させることを意味する。
化学発光性アクリジニウムエステルを用いる自動化免疫化学機器のスループットに影響を与える一つの鍵となる因子は、光測定時間である。ADVIA:Centaur(商標)において、光測定時間は、アクリジニウムエステル試薬により発光された全ての光を集めるためには4秒である。本発明の迅速に発光するアクリジニウムエステルは、化学発光が0.5%過酸化水素を含有する100mM硝酸と界面活性剤を含有する0.25N 水酸化ナトリウムを用いて誘発されたときに、光測定時間を4秒から1〜2秒に短縮することを可能にする。
より具体的には、フェノール脱離基のC−2’及び/又はC−6’のメチレン炭素上に孤立電子対を有する酸素のようなヘテロ原子を配置すると、化学発光が0.5%過酸化水素を含有する100mM硝酸と界面活性剤を含有する0.25N 水酸化ナトリウムを用いて誘発されたときに、これらの置換基を持たないアクリジニウムエステルと比較して、対応するアクリジニウムエステルからのより速い速度での発光をもたらす。フェノール上のC−2’及び/又はC−6’のメチレン炭素は、フェノキシ基が回転するので等価である。アクリジニウムエステルがこれらの炭素の一つに1個の置換基又は官能基を含有するときには、C−2’メチル基上の置換基と称する。
表1に、本発明の種々のアクリジニウムエステルからの発光をまとめて示す。表1に列挙した種々のアクリジニウム化合物の化学構造を、下に示す。表1に列挙したアクリジニウム化合物は、当業者に周知の有機化学手法を用いて合成された。フェノール上のC−2’又はC−6’のメチル基上に一切へテロ原子を有していないアクリジニウムエステルNSP−DMAE及びNSP−2,7−(OMHEG)−DMAE(US2005/0221390A1)を、参照化合物として使用した(表1中のエントリー1と2)。NSP−DMAEは、アクリジニウム環上に置換基を一切有していないが、NSP−2,7−(OMHEG)−DMAEは、アクリジニウム環のC−2及びC−7メチル基上に2個の親水性O−メトキシヘキサ(エチレン)グリコール部分(OMHEG)を有している。表1の化合物に関する合成の詳細は、実施例の項で見出すことができる。各々の化合物からの発光は、二つの試薬を添加することにより誘発された。第一の試薬は、100mM硝酸中に0.5%過酸化水素を含み、第二の試薬は、0.25N 水酸化ナトリウム中に界面活性剤を含んでいた。光は、光電子増倍管を備えた照度計を検出器として用いて測定した。各化合物からの発光量は、変動する測定時間の関数として測定した。各々の測定時間での発光量は、照度計により、相対光単位(RLU)として報告した。RLUとしての発光量は、最も遅いアクリジニウムエステルについて10sの測定時間で最大であり、全てのアクリジニウムエステルについてこの時点を100%とした。より短い測定時間での発光は、この数の割合として表し、また、表1中ではパーセントで表示する。これらの測定に関する他の詳細は、実施例の項で見出すことができる。
Figure 2010506857
Figure 2010506857
表1中のデータの検討から、C−2’及び/又はC−6’のメチル基上にエーテル、−OR置換基を含有するアクリジニウムエステル(ここで、Rは、アルキル基であり、さらなるヘテロ原子を有するか有さず、また分岐を有するか有さない)が、加速された発光を示すことを推論することができる。この点は、全ての化合物について、2秒の測定時間で発する光の量を考察することにより、最も明確に実証される。C−2’及びC−6’のメチル基に−OR置換基を持たないNSP−DMAE(エントリー1)については、全ての光の47%が2秒で発光した。同様に、NSP−2,7−(OMHEG)−DMAE(エントリー2)については、全ての光の50%のみが2秒で発光した。著しく対照的に、エントリー3〜8の表1に列挙した全ての他の化合物は、それらの光の>90%が、2秒以内に発光し、それらは全て、C−2’及び/又はC−6’のメチレン炭素原子上に、エーテル−OR基の形態で、ヘテロ原子を含有している。例えば、化合物NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE及びNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE(それぞれ、エントリー3及び4)は、それらの光のそれぞれ92%及び96%を2秒で発光する。C−2’メチレンに結合したさらに長いアルキル鎖を有する、化合物NSP−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AEも、2秒でその光の92%を発光して、迅速な発光を示している(エントリー5、表1)。したがって、エントリー3、4及び5に示されているように、−OR置換基上のアルキル基Rの長さは、速度の加速に影響を及ぼさない。さらに、Rでの分岐は、迅速な発光に影響を与えない。例えば、Rにさらなる分岐を有している化合物NSP−2’−(CHOCH[Me])−6’−Me−AE(エントリー7、表1)も、2秒でその光の93%を発光して、迅速な発光を示している。化合物NSP−2’,6’−(CHOCHCHOMe)Me−AE(エントリー6、表1)は、C−2’及びC−6’のメチル炭素上に2個のヘテロ原子置換基を有し、C−2’メチレン炭素原子上に1個のみのヘテロ原子を含有する一置換アクリジニウムエステルよりもさらに迅速な発光を示している。このことは、非常に短い1.0秒の測定時間で各々の化合物について発光する光の量を考慮すると、最も明白である。この化合物は、ほんの1秒後に、その光の98%を発光する。C−2’メチレン炭素原子上に1個のヘテロ原子を含有する、全ての他の迅速に発光するアクリジニウムエステル(エントリー3〜6、8)は、1秒で、それらの光の69〜90%を発光する。C−2’メチル炭素上にいずれのヘテロ原子をも持たない2つの化合物、NSP−DMAE及びNSP−2,7−(OMHEG)−DMAE(エントリー1及び2)は、1秒後に、それらの光の22%しか発光しない。表1の結果は、また、アクリジニウム環上の官能基は、C−2’メチル炭素上の−OR基の能力が発光加速することを妨げないことを示している。したがって、化合物NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AE(エントリー8)は、2秒でその光の94%を発光し、アクリジニウム環上に同じ官能基を有するが、ヘテロ原子を持たない類似の化合物NSP−2,7−(OMHEG)−DMAEは、同じ時間でその光の50%しか発光しない。最後に、エントリー9及び10は、迅速な発光を得るためには、ヘテロ原子−OR基はC−2’メチレン炭素上に直接位置している必要があることを示している。C−2’メチレン炭素と−OR基の間にさらなる介在炭素原子を有する、二つの化合物NSP−2’−(CHCH[OMe]Me)−6’−Me−AE(エントリー9)及びNSP−2’−(CHCHOMe)−6’−Me−AE(エントリー10)については、発光はより遅い。これら二つの化合物は、2秒後に、それらの光をそれぞれ49%及び68%しか発光しない。したがって、−OR基は有効ではあるが、C−2’メチレン炭素の官能基−CHORは、この官能基を含有するアクリジニウムエステルからの発光を加速するには有効ではない。−OR基は、唯一のものではなく、官能基に孤立電子対を持つ他のヘテロ原子(例えば、チオエーテル(−SR)及びアミン(−NR))も、C−2’及び/又はC−6’のメチル炭素原子上にこれらの官能基を含有するアクリジニウムエステルからの発光を加速することが期待し得る。上で示したようにR基は、発光に影響を与えず、従って、R基上に位置するさらなる官能基を持つか持たない任意のアルキルもしくはアリール基又はこれらのある種の組み合わせであり得る。
本発明の迅速に発光するアクリジニウムエステルは、また、タンパク質のようなマクロ分子又はステロイドのような小分子に接合されたときに、迅速な発光を示す。表2に、抗TSHモノクローナル抗体(抗TSH Mab)のアクリジニウムエステル複合体及びコルチゾール複合体からの発光をまとめて示す。これらの測定は、表1のデータについて先に記載したようにして行ったが、ここでは、5秒で測定した発光を、最も遅いアクリジニウムエステル複合体について最大とし、全ての複合体について100%と規定した。被験体のTSH(甲状腺刺激ホルモン)及びステロイドコルチゾールは、一般に、免疫化学的手法で測定する。アクリジニウムエステル及び複合体の構造は、表2の下の図に示す。複合体に関する合成詳細は、実施例の項に詳細に記載する。
Figure 2010506857
化学発光は、Magic Lite Analyzer照度計(MLA1, Bayer Diagnostics)で測定した。測定には、種々の化合物の試料を、150mM NaCl、0.05%BSA及び0.01%アジ化ナトリウムを含有する10mMリン酸塩pH8中で調製した。
Figure 2010506857

Figure 2010506857
表2中のデータは、C−2’メチレン炭素上にヘテロ原子を含有するアクリジニウムエステルが、他の分子に複合化されたときでさえ、迅速な発光を示すことを示している。C−2’メチル炭素にヘテロ原子を持たないアクリジニウムエステルは、より遅い発光を示す。例えば、NSP−DMAE(エントリー1、表2)及びNSP−DMAE−HEG−グルタラート(エントリー2、表2)に由来する抗TSH Mab複合体は、1秒でそれらの光のそれぞれ69%及び52%を発光する。同様に、アクリジニウム環上のC−2及びC−7に−OMHEG部分を含有するが、C−2’メチル炭素上にヘテロ原子を含有しない、アクリジニウムエステルNSP−2,7−(OMHEG)−DMAE−ACの抗TSH Mab複合体は、1秒でその光の62%を発光する(エントリー3、表2)。対照的に、C−2’メチレン炭素上にヘテロ原子を含有する化合物由来の抗TSH Mab複合体は全て、迅速な発光を示す(エントリー4〜8、表2)。したがって、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE(エントリー4)の複合体は、1秒でその光の94%を発光する。同様に、NSP−2’−(CHOCHMe)−6’−Me−AE(エントリー5)、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG−グルタラート(エントリー7)及びNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG−グルタラート(エントリー8)の複合体は、1秒でそれらの光のそれぞれ94%、98%及び90%を発光する。アクリジニウム環上のOMHEG官能基を含有する他に、C−2’メチレン炭素にヘテロ原子をも含有するNSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−AC(エントリー6)もまた、1秒で発生するその光の98%という迅速な発光を示す。
アクリジニウムエステルのコルチゾール複合体は、同様の傾向を示す。C−2’メチル炭素にヘテロ原子を全く含有しない、複合体NSP−DMAE−HEG−コルチゾール(同様の構造及びNSP−DMAE−HEGの合成については、米国特許第6,664,043B2号参照)は、1秒でその光の38%のみを発光する(エントリー9)。対照的に、C−2’メチレン炭素に酸素を含有する複合体、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG−コルチゾール及びNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG−コルチゾール(エントリー10及び11)の双方は、1秒でそれらの光のそれぞれ98%及び96%を発光する。
迅速な発光を示すことに加えて、本発明のアクリジニウムエステルは、良好な安定性をも示す。「安定性」とは、化合物又は複合体を、水溶液中、典型的には、生理的なpH内である7〜8のpH範囲で保存したときに、RLUの最小の損失(すなわち、25%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満)を意味する。機構の観点からは、フェノール性エステルの加水分解が主な経路であり、それにより、化学発光性アクリジニウムエステルは、非化学発光性になる。安定な複合体は、アクリジニウムエステル試薬の長い保存寿命を保証し、また、アッセイ性能が、所与の期間に亘って大きく変化しないことを保証する。本発明の種々のアクリジニウムエステル複合体の安定性は、表3及び表4に列挙されている。複合体の水溶液は、室温で、pH7.7の水性緩衝液中で保存され、RLUは定期的に記録される。最初の時点で測定されたRLUはまた、0日と称し、100%の値とする。他の時点で測定されたRLUは、この数のパーセントで表す。これらの測定に関する他の詳細は、実施例の項に見出し得る。
Figure 2010506857
Figure 2010506857
表3及び表4から判るように、本発明の迅速に発光するアクリジニウムエステルの抗TSH Mab及びコルチゾール複合体は、RLU変化に極めて安定である。室温で27日後でさえ、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE及びNSP−2’−(CHOCHMe)−6’−Me−AEの抗TSH Mab複合体は、その最初の化学発光性の92%を保持するNSP−DMAEと比べると、それらの最初の化学発光性シグナルのそれぞれ82%及び93%を保持する。NSP−DMAE及び迅速に発光するNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AEのコルチゾール複合体は、室温で27日間保存した後に、それらの最初のRLUのそれぞれ104%及び95%の保持を示す。
上記によれば、被験体の検出又は定量用のアッセイは、本発明の一つの実施態様によれば、下記の工程を含む:
(a)(i)被験体に特異的な結合性分子;及び(ii)C−2’メチル基上にヘテロ原子、好ましくは酸素を有する(本明細書に記載のとおりである)、本発明の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステルのいずれかを含む複合体を用意する工程;
(b)該被験体に特異的な第二の結合性分子をその上に固定化して有する固体支持体を用意する工程;
(c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
(d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
(e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
(f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
(g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程
他の実施態様においては、下記の工程を含む、被験体の検出又は定量用のアッセイが提供される:
(a)被験体の、C−2’メチル基上にヘテロ原子、好ましくは酸素を有する(本明細書に記載のとおりである)、本発明の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステルのいずれかとの複合体を用意する工程;
(b)被験体に特異的な結合性分子を固定化した固体支持体を用意する工程;
(c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
(d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
(e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
(f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
(g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程。
マクロ分子被験体は、タンパク質、核酸、オリゴ糖、抗体、抗体フラグメント、細胞、ウイルス及び合成高分子などであり得る。
小分子被験体は、ステロイド、ビタミン、ホルモン、治療薬、及び小ペプチドなどであり得る。
アッセイにおける結合性分子は、抗体、抗体フラグメント、結合性タンパク質、核酸、ペプチド、受容体又は合成結合性分子であり得る。
実施例1
NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−NHS、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE HEG−グルタラートNHSエステル及びNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE HEG−コルチゾールの合成
a)メチル 3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾアートの合成
無水メタノール(60ml)中の3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾアート(2g、0.012mol)の溶液を、氷浴中で冷却し、塩化チオニル(5ml)をこの溶液に滴下した。反応物を氷浴中で1時間撹拌し、次に室温に温め、16時間撹拌した。次に固体の重炭酸ナトリウムを加えて酸を中性化し、次に混合物をロータリーエバポレーションにより蒸発乾固した。残留物を酢酸エチルと水(各100ml)に分配した。酢酸エチル層を分離し、ブラインで1回洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。収量=2.146g、白色の粉末。
b)メチル 4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンゾアートの合成
ピリジン(20ml)中のメチル 3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾアート(2.146g)の溶液を、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却した。無水酢酸(5ml)を滴下し、0℃で30分後、反応物を室温に温め、2〜3時間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を酢酸エチル(50ml)に溶解した。この溶液を1N HCl、水及びブラインで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。収量=2.4g、白色の粉末。
c)メチル 4−アセトキシ−3−ブロモメチル−5−メチルベンゾアートの合成
四塩化炭素(35ml)中のメチル 4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンゾアート(2.4g)の溶液を、AIBN(アゾビスイソブトリルニトリル、0.177g、0.1当量)及びNBS(N−ブロモスクシンイミド、2.117g、1.1当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で6時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、クロロホルム(30ml)で希釈した。この溶液を水(4×50ml)で洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。オフホワイトのロウ状の固体を回収した。収量=4.63g。粗ブロミドを次の反応でそのまま使用した。
d)メチル 3−(CHOCHCHOMe)−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアートの合成
粗メチル 4−アセトキシ−3−ブロモメチル−5−メチルベンゾアート(〜0.5g)の懸濁液を、2−メトキシエタノール5ml中で重炭酸ナトリウム(0.765g、〜5当量)と共に90〜95℃にて窒素雰囲気下で加熱した。2時間後、TLC分析が完全な転換を示した。反応物を室温に冷まし、蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(40ml)と水(40ml)に分配した。酢酸エチル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次にそれを濾過し、蒸発乾固して、粘性油状物338mgを得て、それを25%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製した。精製収量=83mg(粘性油状物)。
e)2’−(CHOCHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン9−カルボキシラートの合成
ピリジン(5ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(66mg、0.6mmol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(115mg、0.6mmol)で処理した。10分間激しく撹拌した後、ピリジン(1ml)中メチル 3−(CHOCHCHOMe)−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(76mg、0.3mmol)の溶液を加え、反応物を窒素雰囲気下、室温で4日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(40ml)に溶解した。この溶液を、重炭酸層が清澄になるまで重炭酸ナトリウム飽和水溶液で繰り返し洗浄した。次にクロロホルム層を1N HCl及びブラインで1回洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(128mg)を、10%酢酸エチル/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。精製収量=94mg(70%)。
f)NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
2’−(CHOCHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラート(94mg、0.21mmol)、1,3−プロパンスルトン(2.6g、100当量)及び重炭酸ナトリウム(0.17g、10当量)の混合物を、油浴中で140〜145℃にて窒素雰囲気下で加熱した。2時間後、反応物を室温に冷まし、酢酸エチルとヘキサンの1:1の混合物30mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで数回すすぎ、次に減圧下で乾燥させて、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE メチルエステルを得た。MALDI−TOF MS実測値581.9。
粗アクリジニウムエステルを、1N HCl 4mlに懸濁し、窒素下で還流した。2.5時間後、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、流量1.0ml/分及び検出波長UV−260nmを使用するHPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=13.4分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値567.2)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)及び溶媒の流量20ml/分で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=77mg(64%)、黄色の粉末。
g)NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−NHSの合成
DMF(ジメチルホルムアミド、1ml)中のNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE(7.1mg、12.5μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(6.4μl、3当量)及びTSTU(O−N−スクシンイミジルウランテトラフルオロボラート、5.6mg、1.5当量)で処理した。反応物を室温で撹拌した。15分後、(f)に記載のようにHPLC分析は、生成物(14.7分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値665.2)。生成物を(f)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。
h)NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEGの合成
DMF(ジメチルホルムアミド、2ml)中のNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE(44mg、77.5μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(20μl、1.5当量)及びTSTU(26mg、1.1当量)で処理した。反応物を室温で撹拌した。30分後、(f)に記載のようにHPLC分析は、NHSエステルへの完全な転換を示した。次にこのDMF溶液を、DMF(2ml)中のジアミノ−HEG(米国特許第6,664,043号 B2、0.1g、5当量)の溶液に滴下した。反応物を室温で撹拌した。更に30分後、(f)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=12.5分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値830.5)。生成物を(f)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=51mg(70%)。黄色の粘性油状物。
i)NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG−グルタラート及びそのNHSエステルの合成
メタノール(3ml)中のNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG(30mg、0.032mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(28μl、5当量)及びグルタル酸無水物(18mg、5当量)で処理した。反応物を室温で撹拌した。30分後、(f)に記載のようにHPLC分析は、生成物への〜80%の転換(保持時間=13.9分間で溶離)を示した。それぞれジイソプロピルエチルアミン(14μl)及びグルタル酸無水物(9mg)の追加の2.5当量を加え、反応を更に30分間続けた。次に反応物をトルエン(5ml)で希釈し、蒸発乾固した。残留物をDMF(2ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(28μl、5当量)及びTSTU(48mg、5当量)で処理した。反応物を室温で撹拌し、1時間後、(f)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=15分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値1042.0)。生成物を(f)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=21.6mg(65%)、黄色の油状固体。
j)NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG−コルチゾールの合成
DMF(0.5ml)中コルチゾール−3−CMO(Sigma、4.6mg、10.6μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(2.2μl、1.2当量)及びHATU(4.8mg、1.2当量)で処理した。5分間撹拌した後、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−HEG(5mg、5.3μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(2μl、2当量)と共にDMF(1ml)中に加えた。反応物を室温で撹拌した。2時間後、(f)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=17.8分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値1249.2)。生成物を(f)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=4.8mg(73%)、黄色の粉末。
下記の反応は、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE−NHS、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE HEG、NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE HEG−グルタラート NHSエステル及びNSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AE HEG−コルチゾの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例2
NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE HEG−グルタラートNHSエステル及びNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE HEG−コルチゾールの合成
a)メチル 3−メトキシメチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアートの合成
メタノール(100ml)中の粗メチル 4−アセトキシ−3−ブロモメチル−5−メチルベンゾアート(4.63g、0.00154mol)の懸濁液を、重炭酸ナトリウム(6.48g、5当量)と混合した。混合物を窒素雰囲気下で還流した。1.5時間後、TLC分析は完全な転換を示した。反応物を室温に冷まし、蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(100ml)と水(100ml)に分配した。酢酸エチル層を分離し、水で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(1.5g)を、溶離剤として10%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製収量=0.833g(40%)。白色のロウ状固体。
b)2’−(CHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン 9−カルボキシラートの合成
無水ピリジン(15ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(0.423g、1.9mmol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(362mg、1.9mmol)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で激しく撹拌した。10〜15分後、ピリジン(5ml)中のメチル 3−メトキシメチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(0.2g、0.95mmol)の溶液を加え、得られた反応物を室温で5日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(50ml)に溶解した。クロロホルム溶液を、水層が清澄になるまで重炭酸ナトリウム飽和水溶液で繰り返し洗浄した。次にクロロホルム溶液を1N HCl及び水で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物0.41gを得て、それを10%酢酸エチル/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。精製収量=300mg(76%)、黄色の粉末、MALDI−TOF MS 実測値414.9。
c)NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AEの合成
2’−(CHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラート(0.1g、0.24mmol)、1,3−プロパンスルトン(2.94g、100当量)及び重炭酸ナトリウム(0.2g、10当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。45分後、反応物を凝固させた。少量を取り出し、メタノールに溶解し、実施例1(f)に記載したように、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、流量1.0ml/分及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物が、保持時間=15.5分間で溶離するのが観察された。反応物を室温に冷まし、1:1の酢酸エチル/ヘキサンの25〜30mlを加えた。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで数回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを1N HCl 20mlに懸濁し、窒素下で還流した。1.5時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=13.0分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値524.1)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)及び20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=63.6mg(60%)、黄色の粉末。
d)NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEGの合成
DMF(6ml)中のNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE(64mg、121.4μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(32μl、1.5当量)及びTSTU(40mg、1.1当量)で処理した。反応物を室温で撹拌した。30分後、(c)に記載したように、HPLC分析は、NHSエステル(保持時間=14分間で溶離)への完全な転換を示した。次にこのDMF溶液を、DMF(3ml)中のジアミノ−HEG(0.17g、5当量)の溶液に滴下した。反応物を室温で撹拌した。更に15分間後、(c)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=12.4分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値786.1)。生成物を、(c)に記載のように分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=61mg(64%)、黄色の粘性油状物。
e)NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG−グルタラート及びそのNHSエステルの合成
メタノール(3ml)中のNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG(30mg、33.4μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(11.6μl、66.7μmol)及びグルタル酸無水物(7.6mg、66.7μmol)で処理した。反応物を室温で撹拌した。30分後、追加のジイソプロピルエチルアミン(11.6μl)及びグルタル酸無水物(7.6mg)を加え、反応を更に60分間続けた。(c)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=13.6分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS実測値899.0)。次に反応物をトルエン(5ml)で希釈し、蒸発乾固した。残留物をDMF(2ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(29μl、5当量)及びTSTU(57mg、5当量)で処理した。反応物を室温で撹拌し、30分後、(c)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=14.9分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値998.6)。生成物を、(c)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=33.4mg(100%)。黄色の油状固体。
f)NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG−コルチゾールの合成
DMF(0.5ml)中のコルチゾール−3−CMO(Sigma、4.8mg、11.02μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(2.1μl、1.1当量)及びHATU(5.0mg、1.2当量)で処理した。5分間撹拌した後、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE−HEG(5mg、5.6μmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(2μl、2当量)と共にDMF(1ml)中に加えた。反応物を室温で撹拌した。0.5時間後、(c)に記載のようにHPLC分析は、生成物(保持時間=17.8分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値1204.5)。生成物を、(c)に記載のように分取HPLCで精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=5.1mg(76%)、黄色の粉末.
下記の反応は、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE HEG、NSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE HEG−グルタラートNHSエステル及びNSP−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE HEG−コルチゾールの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例3
NSP−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
a)メチル 3−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアートの合成
無水テトラヒドロフラン(THF、10ml)中のメトキシトリ(エチレン)グリコール(Aldrich、0.295g、1.8mmol)を、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(72mg、1.8mmol、60%分散体)で処理した。反応物を0℃で20分間撹拌し、次にメチル 4−アセトキシ−3−ブロモメチル−5−メチルベンゾアート(0.9mmol、270mg)の氷−冷溶液を、THF(3ml)に加えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、その時間までにシリカのTLC分析は、出発物質の完全な消費を示した。次に反応物をメタノール(5ml)及び酢酸エチル(5ml)でクエンチした。次に反応混合物をロータリーエバポレーションにより蒸発乾固した。残留物をクロロホルム(50ml)に溶解し、重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(0.44g)を、2%メタノール/クロロホルムを使用する分取TLCにより精製した。収量=0.118g(40%)。油状物、MALDI−TOF MS 実測値366。M+Na)。
b)アクリジン−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(1ml)中のメチル 3−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(20mg、58.5μmol)の溶液を、アクリジン−9−カルボニルクロリド(27mg、2当量)で0℃にて処理した。氷浴が融けるにつれて反応物が室温に温まり、窒素雰囲気下で3日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(30ml)に溶解した。この溶液を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、塩化アンモニウム飽和水溶液及びブラインで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。生成物を、20%酢酸エチル/クロロホルムを使用するシリカゲルの分取TLCにより精製した。収量=11.6mg(36%)、MALDI−TOF MS 実測値548.9。
c)NSP−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラート(11.6mg、21.2μmol)、1,3−プロパンスルトン(0.5g、200当量)及び重炭酸ナトリウム(36mg、20当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。3時間後、反応物を室温に冷まし、少量を取り出し、メタノールに溶解し、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物は、保持時間=16.3分間で溶離するのが観察された。反応混合物を、1:1の酢酸エチル/ヘキサンの10mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを、1N HCl 3.5mlに懸濁し、窒素下で還流した。1.5時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=13.6分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値657.9)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm、)及び20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=4.5(32%)、黄色の粉末。
下記の反応は、NSP−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成について説明する。
Figure 2010506857

実施例4
NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AE、NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成
a)2,7−ジメトキシアクリジンメチルエステルの合成
粗2,7−ジメトキシアクリジン−9−カルボン酸(米国特許第5,521,103号、0.5g)を、塩化チオニル(5ml)に懸濁し、懸濁液を窒素雰囲気下で還流した。1時間後、それを室温に冷まし、ヘキサン(40ml)を加えた。沈殿した固体を濾過により回収し、ヘキサンですすいだ。次に生成物(〜0.5g)を減圧下で乾燥させた。次にそれを4:1のピリジン/メタノールの氷冷溶液に溶解し、反応物を0℃で1時間撹拌し、次に室温に36時間温めた。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(50ml)に溶解した。この溶液を、1N HClで洗浄し、続いて重炭酸ナトリウム飽和水溶液及びブラインで洗浄した。次にクロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。収量=231mg、赤色を帯びた黄色の粉末。
b)2,7−ヒドロキシアクリジンメチルエステルの合成
ジクロロメタン(20ml)中の2,7−ジメトキシアクリジンメチルエステル(0.23g)の溶液を、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M、15ml)で処理した。反応物を室温で48時間撹拌した。次にそれを氷浴中で冷却し、メタノール(20ml)をゆっくりと加えた。添加の後、反応物を室温に温め、24時間撹拌した。次に固体重炭酸ナトリウムを加えて反応物を中和し、懸濁液を蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)に分配した。酢酸エチル層を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次にそれを濾過し、蒸発乾固した。収量=80mg、MALDI−TOF MS 実測値270.0。
c)2,7−(OMHEG)−アクリジンメチルエステルの合成
無水THF(10ml)中の2,7−ジヒドロキシアクリジンメチルエステル(80mg、0.296mmol)の溶液を、メトキシオキシヘキサ(エチレン)グリコールモノトシラート(米国特許第2005/0221390A1号、0.4g、3当量)及び炭酸セシウム(96.5mg、3当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で還流した。4時間後、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLC分析は、生成物(18.2分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値827.0)。反応物を室温に冷まし、蒸発乾固した。残留物をクロロホルム(30ml)と塩化アンモニウム飽和水溶液に分配した。クロロホルム層を分離し、もう一度塩化アンモニウム溶液で洗浄し、続いてブラインで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(0.32g)を、5%メタノール/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=40mg(16%)、油状固体。
d)2,7−(OMHEG)−アクリジン−9−カルボン酸の合成
2,7−(OMHEG)−アクリジンメチルエステルの溶液を、2N 水酸化カリウム中で室温にて16時間撹拌し、その時までにTLC分析は完全な加水分解を示した。次に反応物を氷浴中で冷却し、濃HClで中和した。この溶液を蒸発乾固し、残留物をメタノール(5ml)に溶解し、濾過し、蒸発乾固した。収量=57mg(100%)。
e)2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(1ml)中の2,7−(OMHEG)−アクリジン−9−カルボン酸(54mg、66.4μmol)の溶液を、p−トルエンスルホニルクロリド(32mg、2.5当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次にピリジン(1ml)中のメチル 3−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(20mg、58.5μmol)を加えた。反応物を室温で3日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をMeCN(5ml)に溶解した。C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLC分析は、生成物(保持時間=22.6分間で溶離)への〜50%の転換を示した(MALDI−TOF MS 実測値1140.6)。生成物を、5%メタノール/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=10mg、50%転換に基づき収率36%)。
f)NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)− 4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラート(10mg、8.8μmol)、1,3−プロパンスルトン(0.2g、200当量)及び重炭酸ナトリウム(15mg、20当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。1時間後、反応物を室温に冷まし、1:1の酢酸エチル/ヘキサンの20mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを1N HCl 3.0mlに懸濁し、窒素下で還流した。1.5時間後、(e)に記載のようにHPLC分析は、メチルエステルの加水分解からの生成物(保持時間=16.7分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値1249.7)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。
g)2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(7ml)中の2,7−(OMHEG)−アクリジン−9−カルボン酸(120mg、146μmol)の溶液を、p−トルエンスルホニルクロリド(56mg、2.0当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌し、次にピリジン(3ml)中のメチル 3−メトキシメチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(61mg、2当量)を加えた。反応物を室温で5日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をトルエン(10ml)に溶解し、蒸発乾固した。残留物をクロロホルム(5ml)に溶解した。C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLC分析は、生成物(保持時間=22.8分間)を示した(MALDI−TOF MS 実測値1005.8)。生成物を、2%メタノール/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=70mg、62%、赤色を帯びた黄色の油状固体。
h)NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成
2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラート(70mg)、1,3−プロパンスルトン(1g)及び重炭酸ナトリウム(75mg)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。2時間後、反応物を追加の1,3−プロパンスルトン0.5g及び重炭酸ナトリウム44mgで処理し、更に1時間加熱した。次にそれを室温に冷まし、1:1の酢酸エチル/ヘキサンの20mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すずき、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを1N HCl 20mlに懸濁し、窒素下で還流した。1.5時間後、(e)に記載のようにHPLC分析は、メチルエステルの加水分解からの生成物(保持時間=16.5分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値1114.3)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=29.5mg(39%)。
下記反応は、NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHO[CHCHO]CHCHOMe)−6’−Me−AE、NSP−2,7−(OMHEG)−2’−(CHOMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例5
NSP−2’−(CHOCHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
a)メチル 4−アセトキシ−3,5−ビス(ブロモメチル)ベンゾアートの合成
四塩化炭素(30ml)中のメチル 4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンゾアート(1.13g、0.0051mol)の溶液を、AIBN(210mg、0.25当量)及びNBS(2.27g、2.5当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で6時間還流した。次に反応物を室温に冷まし、クロロホルム(30ml)希釈した。この溶液を水(4×50ml)で洗浄した。次にクロロホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、粗二臭化物をロウ状の固体として得た。収量=1.18g。この物質を精製せずに次の反応で使用した。
b)メチル 3,5−(CHOCHCHOMe)−4−ヒドロキシベンゾアートの合成
粗メチル 4−アセトキシ−3,5−ビス(ブロモメチル)ベンゾアート(0.5g)を、エチレングリコールモノメチルエーテル(20ml)及び重炭酸ナトリウム(0.55g、5当量)と混合した。混合物を油浴中で90℃にて3時間加熱し、その時までにTLC分析は出発物質が全く無いことを示した。反応物を室温に冷まし、ロータリーエバポレーションにより蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(30〜40ml)に懸濁し、濾過した。濾液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(0.194g)を、40%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルの分取TLCにより精製した。精製収量=52mg(粘性油状物)。
c)2’,6’−(CHOCHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(15ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(71mg、0.317mol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(60mg、0.317mmol)で処理した。反応物を激しく10分間撹拌し、次にメチル 3,5−(CHOCHCHOMe)−4−ヒドロキシベンゾアート(52mg、0.159mmol)の溶液をピリジン(5ml)に加えた。得られた溶液を窒素雰囲気下、室温で4日間撹拌した。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(40ml)に溶解し、次にそれを重炭酸ナトリウム飽和水溶液、塩化アンモニウム飽和水溶液及びブラインで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(74mg)を、1%MeOH/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=51mg(60%)。MALDI−TOF MS 実測値535.2。
d)NSP−2’,6’−(CHOCHCHOMe)−AEの合成
2’,6’−(CHOCHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン 9−カルボキシラート(50mg、94μmol)、1,3−プロパンスルトン(2.28g、200当量)及び重炭酸ナトリウム(158mg、20当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。2〜3時間後、反応物を室温に冷まし、少量を取り出し、メタノールに溶解し、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物は、保持時間=15.4分間で溶離するのが観察された。反応混合物を1:1の酢酸エチル/ヘキサンの30mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを1N HCl 20mlに懸濁し、窒素下で還流した。2時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=13.0分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値643.5)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=30mg(50%)。黄色の粉末。
下記の反応は、NSP−2’,6’−(CHOCHCHOMe)−AEの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例6
NSP−2’−(CHOCHMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成
a)メチル 3−イソプロピルオキシメチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアートの合成
ジクロロメタン(5ml)中の粗メチル 4−アセトキシ−3−ブロモメチル−5−メチルベンゾアート(120mg、0.314mmol)の溶液を、2−プロパノール(0.12ml、5当量)で、続いて銀トリフラート(81mg、1当量)で処理した。反応物を室温で16時間撹拌し、次に濾過して銀塩を除去した。濾液を蒸発乾固した。生成物であるメチル 3−イソプロピルオキシメチル−4−アセトキシ−5−メチルベンゾアートを、10%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製して、油状固体75mgを得て、それをメタノールに溶解し、重炭酸ナトリウム(113mg、5当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で1時間還流し、次に室温に冷まし、蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(10〜15ml)に溶解し、濾過した。濾液を蒸発乾固して、粗生成56mgを得て、それを精製せずにそのまま使用した。
b)2’−(CHOCHMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(7ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(112mg、0.5mmol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(96.5mg、0.5mmol)で処理した。清澄になるまで懸濁液を窒素雰囲気下で激しく撹拌し、次にメチル 3−イソプロピルオキシメチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアート(56mg、0.25mmol)の溶液をピリジン(1ml)に加えた。反応物を室温3日間撹拌した。C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用する、粗反応混合物のHPLC分析は、生成物(保持時間=25.2分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値443.9)。反応混合物を蒸発乾固し、残留物をクロロホルム(30ml)に溶解した。この溶液を1N HCl、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び水で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(75mg)を、10%酢酸エチル/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=32mg(30%)、油状固体。
c)NSP−2’−(CHOCHMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成
2’−(CHOCHMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン 9−カルボキシラート(32mg、72μmol)、1,3−プロパンスルトン(0.88g、100当量)及び重炭酸ナトリウム(61mg、10当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。2時間後、反応物を室温に冷まし、少量を取り出し、メタノールに溶解し、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物は、保持時間=17.5分間で溶離するのが観察された(MALDI−TOF MS 実測値565.8)。反応混合物を1:1の酢酸エチル/ヘキサンの20mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを10%HCl 10mlに懸濁し、窒素下で還流した。2時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=14.4分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値643.5)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=19.8mg(50%)、黄色の粉末。
アクリジニウムエステルをDMF(2ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(9.4μl、1.5当量)及びTSTU(13mg、1.2当量)で処理した。反応物を室温で撹拌した。30分後、HPLC分析は、NHSエステル(保持時間=16.6分間で溶離)への完全な転換を示した(MALDI−TOF MS実測値649)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。収量=12mg(51%)、黄色の粉末。
下記の反応は、NSP−2’−(CHOCHMe)−6’−Me−AE及びそのNHSエステルの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例7
NSP−2’−(CHCH[OMe]Me)−6’−Me−AEの合成
a)メチル 4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾアートの合成
4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸(Matrix Scientific、1g)の溶液を、メタノールに溶解し、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却した。塩化チオニル(5ml)をゆっくりと加えた。反応物を0℃で1時間撹拌し、次に室温に温め、16時間撹拌した。次に固体の重炭酸ナトリウムを加えて酸を中和し、混合物を蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(75ml)と水(100ml)に分配した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して生成物1.0gを得た。
b)メチル 3−O−アリル−4−メチルベンゾアートの合成
アセトン(50ml)中のメチル 4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸(1g、0.006mol)の溶液を、無水炭酸カリウム(1.656g、0.012mol)及び臭化アリル(0.78ml、0.009mol)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で還流した。3時間後、TLC分析は完全な転換を示した。反応物を室温に冷まし、蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)に分配した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。収量=1.138g(明褐色の油状物)。
c)メチル 4−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチルベンゾアートの合成
N,N−ジエチルアニリン(5ml)中のメチル 3−O−アリル−4−メチル安息香酸(1.138g)の溶液を、窒素雰囲気下、油浴中で200℃にて加熱した。8時間後、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLC分析は、〜80%の転換を示した。反応物を室温に冷まし、酢酸エチル(75ml)で希釈した。この溶液を、10%HCl 300mlで、続いて重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(1.11g)を、30%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製した。生成物を得た黄褐色の粉末として得た。収量=0.843g(75%)。
d)メチル 4−アセトキシ−3−アリル−5−メチルベンゾアートの合成
ピリジン(5ml)中のメチル 4−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチル安息香酸(157mg)の溶液を、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却し、無水酢酸(1ml)で処理した。反応物を氷浴中で1時間撹拌し、次に室温に4時間温めた。次に溶媒を減圧下で除去し、残留物を無水トルエン(5〜10ml)に懸濁し、蒸発乾固した。粗生成物を酢酸エチル(30ml)に溶解し、塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、褐色の油状物を得た。収量=0.176g(定量)。
e)メチル 4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシプロピル)−5−メチルベンゾアートの合成
メタノール(2ml)中のメチル 4−アセトキシ−3−アリル−5−メチル安息香酸(175mg、0.75mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却し、トリフルオロ酢酸第二水銀(322mg、1当量)で処理した。反応物を氷浴中で1時間撹拌し、その時間までにTLC分析は出発物質の完全な消費を示した。次に反応物を3N NaOH 1mlで処理し、2分間激しく撹拌した後、3N NaOH中の水素化ホウ素ナトリウム(0.5M、1ml)の溶液を加えた。戻し懸濁液を氷浴中で5分間撹拌し、次に酢酸エチル(25ml)を加えた。更に5分間撹拌した後、酢酸エチル溶液をデカントし、次に塩化アンモニウム飽和水溶液で2回洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(141mg、油状物)を、15%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製した。精製収量=82mg(〜50%)、MALDI−TOF 実測値239。
f)2’−(CHCH[OMe]Me)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(10ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(154mg、0.689mmol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(131mg、0.689mmol)で処理した。懸濁液を、清澄になるまで窒素雰囲気下で激しく撹拌し、次にメチル 4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシプロピル)−5−メチルベンゾアート(82mg、0.345mmol)の溶液をピリジン(2ml)に加えた。反応物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残留物をクロロホルム(30ml)に溶解した。この溶液を1N HCl、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び水で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(167mg)を、10%酢酸エチル/クロロホルムを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=29mg(20%)、油状固体。MALDI−TOF MS 実測値443.8。
g)NSP−2’−(CHCH[OMe]Me)−6’−Me−AEの合成
2’−(CHCH[OMe]Me)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン 9−カルボキシラート(29mg、66μmol)、1,3−プロパンスルトン(0.80g、100当量)及び重炭酸ナトリウム(55mg、10当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。2時間後、反応物を室温に冷まし、少量を取り出し、メタノールに溶解し、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物は、保持時間=16.2分間で溶離するのが観察された。反応混合物を1:1の酢酸エチル/ヘキサンの20mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを、10%HCl 10mlに懸濁し、窒素下で還流した。2時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全な加水分解からの生成物(保持時間=13.7分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS 実測値643.5)。粗生成物を、C18カラム(30×300mm、)、20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させて黄色の粉末を得た。
下記の反応は、NSP−2’−(CHCH[OMe]Me)−6’−Me−AEの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例8
NSP−2’−(CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
a)メチル 4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−アリル−5−メチルベンゾアートの合成
ジクロロメタン(5ml)中のメチル 4−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチルベンゾアート(157mg、0.762mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.21ml、2当量)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(172mg、1.5当量)で処理した。反応物を窒素雰囲気下、室温で3日間撹拌し、その時までに、TLC分析は、完全な転換を示した。反応物を酢酸エチル(30ml)で希釈し、塩化アンモニウム飽和水溶液及び重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、生成物を褐色の油状物として得た。収量=0.239g(98%)。
b)メチル 4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルベンゾアートの合成
ジオキサン/水(3:1、16ml)中のメチル 4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−アリル−5−メチルベンゾアート(0.239g、0.742mmol)の溶液を、2,6−ルチジン(173μl、1.484mmol)、四酸化オスミウム(3.8mg、0.0148mmol)で処理し、それを溶液としてアセトン(1ml)に加え、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(635mg、2.97mmol)を加えた。反応物を窒素雰囲気下、室温で撹拌した。2時間後、TLC分析は生成物の大部分を示した。次に反応物を酢酸エチル(20ml)及び水(10ml)で希釈した。酢酸エチル層を分離し、水層をもう一度酢酸エチル(10ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物をブラインで洗浄した。次にそれらを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。褐色の油状物(0.255g)を回収した。次に非常に不安定なアルデヒドを、まずそれをメタノール(5ml)に溶解し、氷浴中で冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム(50mg、2当量)を加えることより迅速に還元した。この反応物を氷浴中で撹拌し、10分後、TLC分析がアルコールへの完全な転換を示した。次に反応物をアセトン(2ml)でクエンチし、10分間撹拌した。次に反応混合物を蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル(30ml)に溶解し、次に塩化アンモニウム飽和水溶液で一度、次に重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。次に酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。暗褐色の粘性油状物を回収し、それを25%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製した。生成物を清澄な粘性油状物として得た。収量138mg(58%)。
c)メチル 4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシエチル)−5−メチルベンゾアートの合成
ジクロロメタン(3ml)中のメチル 4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルベンゾアート(48mg、0.148mmol)の溶液を、重炭酸ナトリウム(60mg、4当量)及びメチル トリフラート(68μl、4当量)で処理した。反応物を室温で16時間撹拌し、その時までにTLC分析は〜50%の転換を示した。次に反応物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、濾過した。濾液を蒸発乾固した。残留物をTHF(5ml)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(60mg、1.5当量)を加えた。反応物を室温で撹拌した。5分後、TLC分析は完全な転換を示した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、酢酸エチル(1ml)に溶解し、25%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカの分取TLCにより精製した。収量=13mg(40%)。
d)2’−(CHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン−9−カルボキシラートの合成
ピリジン(2ml)中のアクリジン−9−カルボン酸(39mg、174μmol)の懸濁液を、p−トルエンスルホニルクロリド(33mg、174μmol)で処理した。清澄になるまで、反応物を窒素雰囲気下、室温で10〜15分間撹拌し、次にメチル 4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシエチル)−5−メチルベンゾアート(13mg、58μmol)の溶液を、ピリジン(2ml)に加えた。反応物を室温で3日間撹拌し、次に蒸発乾固した。残留物をクロロホルム(25ml)に溶解し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び10%HClで洗浄した。次にそれを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗収量11.3mg。MALDI−TOF MS 実測値429。この物質を精製せずに次の反応で使用した。
e)NSP−2’−(CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成
2’−(CHCHOMe)−4’−メトキシカルボニルフェニル−6’−Me−アクリジン 9−カルボキシラート(11.3mg、26.3μmol)、1,3−プロパンスルトン(0.642g、200当量)及び重炭酸ナトリウム(44mg、20当量)の混合物を、油浴中で140〜150℃にて加熱した。2時間後、反応物を室温に冷まし、少量を取り出し、メタノールに溶解し、C18カラム(4.6×30mm)、10%→70%MeCN/水(各0.05%TFAを含有)の30分間の勾配、1.0ml/分の流量及び検出波長UV−260nmを使用するHPLCにより分析した。生成物は保持時間=15.8分間で溶離するのが観察された。反応混合物を1:1の酢酸エチル/ヘキサンの20mlで希釈した。混合物を超音波処理するとガム状物が黄色の粉末に分散し、飛粉が静まった後で、溶媒をデカントした。黄色の粉末を酢酸エチル/ヘキサンで2回すすぎ、次に減圧下で乾燥させた。粗アクリジニウムエステルを10%HCl 10mlに懸濁し、窒素下で還流した。2時間後、HPLC分析は、メチルエステルの完全加水分解からの生成物(保持時間=14.0分間で溶離)を示した(MALDI−TOF MS実測値537.9)。粗生成物を、C18カラム(30×300m)及び溶20ml/分の流量で上記の勾配を使用する分取HPLCにより精製した。生成物画分を回収し、−80℃で凍結させ、凍結乾燥させて、黄色の粉末として得た。
下記の反応は、NSP−2’−(CHCHOMe)−6’−Me−AEの合成について説明する。
Figure 2010506857
実施例9
アクリジニウムエステルを用いた抗TSH Mab標識化の一般手順
抗体の原液(5mg/ml、200μl、1mg、6.67nmol)を、0.1M リン酸緩衝液pH8(300μl)で希釈し、保冷容器中で4℃に冷却した。この冷却溶液に、アクリジニウムNHSエステル10当量をDMF溶液(1mg/ml)として加えた。例えばNSP−DMAE−NHSの場合、39.4μl(66.7nmol)をタンパク質溶液に加えた。
標識化反応物を、室温で3〜4時間穏やかに撹拌し、次に脱イオン水(1.5ml)で希釈した。次にこれらの希釈した溶液を、2mlのCentricon(商標)フィルター(MW30,000カットオフ)に移し、4500Gで遠心分離して体積を〜0.2mlに減少させた。この工程を更に3回繰り返した。濾過した複合体を、質量スペクトル解析及びRLU測定のために、最終的に総体積0.5mlの脱イオン水に希釈した。
質量スペクトルをVoyager DE MALDI−TOF質量分析計に記録し、非標識抗体を参照として使用した。およそ2μlの複合体溶液を、シナピン酸マトリックス溶液(HP)2μlと混合し、MALDIプレートにスポッテングした。完全乾燥の後、質量スペクトルを記録した。非標識抗体と複合体の質量の値の差異から、AEの取り込み程度を測定することができた。概して、これらの標識化条件下では、2〜4AE標識が抗体に取り込まれた。
実施例10
光測定のための一般手順
全ての光測定は、Bayer Diagnostics社のMLA1(商標)又はMLA2(商標)(AE安定度測定)のいずれかで実施された。アクリジニウムエステル類からのRLU測定のために、HPLCで精製した化合物のDMF溶液1mg/mlを、10mMリン酸塩、150mM NaCl pH8(0.05%BSA及び0.1%アジ化ナトリウムも含有)に入れて10〜10倍に段階的に希釈した。タンパク質複合体及びHPLCで精製したコルチゾール複合体を、同様の方法で希釈した。光測定は、試料25μlを使用し、装置中で、0.1N 硝酸中に0.5%過酸化水素を含有する第一の試薬0.350mlを添加し、続けて0.25N NaOH中に界面活性剤を含有する第二の試薬0.35mlを添加することにより開始した。第一の試薬と第二の試薬の添加の間については、0.1秒という非常に短い遅延時間を使用した。動態測定に関して、アクリジニウムエステル類については測定時間を0.5秒から10秒まで変化させ、タンパク質複合体及びコルチゾール複合体については0.5秒から5秒まで変化させた。各測定時における発光の量は、計測器によりRLUとして報告され、次にアクリジニウムエステル類については10秒時に、そして複合体については5秒時に記録されたRLUに100%の値を割り当てることによって、発光の量をパーセントに変換した。AE安定度測定については、測定時間5秒を用いた。

Claims (23)

  1. 式I:
    Figure 2010506857

    [式中、Qは、出現ごとに独立に、結合、−O−、−S−又はN(R)−から選択され;ここで、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;ただし、少なくとも1個のQは、−O−、−S−又はN(R)−であり;かつ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である]
    で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  2. 一方のQが、−O−を表し、他方のQが、結合を表す、請求項1記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  3. が、メチルである、請求項2記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  4. 双方の場合のQが、−O−を表す、請求項1記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  5. 式II:
    Figure 2010506857

    [式中、R及びRは、独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;かつ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である]
    で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  6. Rが、メチルである、請求項5記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  7. 式III:
    Figure 2010506857

    [式中、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;かつ、Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である」
    で示される構造を含む、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  8. 式IV:
    Figure 2010506857

    [式中、
    は、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    は、C1からC4のいずれかにおける官能基であり、そしてRは、C5からC8のいずれかにおける官能基であり;
    及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    X及びYは、出現ごとに独立に、結合、−O−、−S−又はN(R)−から選択され;ここで、Rは、出現ごとに独立に、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1〜20個のヘテロ原子を含有し;ただし、XもしくはYのいずれか又は双方は、−O−、−S−又はN(R)−であり;
    及びRは、独立に、水素か、酸素、窒素、硫黄又はハロゲンから選択される20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    及びRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール−アルキル、アルキル−アリール、アルコキシ(−OR)、アルキルチオール(−SR)及びNR基(ここで、窒素上のRは、同一又は異なることができ、そして20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基である)から選択され;
    は、R及びRと互換性があり、及び基−R−R10であり;
    は、結合又は20個までのヘテロ原子を含有する、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基を表し;
    10は、下記:
    Figure 2010506857

    から選択される求電子性又は求核性官能基であり;
    ここで、Xは、ハロゲンであり;そしてRは、水素、置換もしくは非置換の、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキル−アリール又はアリール−アルキル及びこれらの組み合わせから選択され、場合により、酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有し;
    は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]
    で示される、加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  9. が、メチル、スルホプロピル又はスルホブチル基である、請求項8の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  10. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    は、−Me又はCHCHCHSO であり;
    Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRであり;
    は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  11. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    は、−Me又はCHCHCHSO であり;
    Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRであり;
    は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  12. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    は、−Me又はCHCHCHSO であり;
    Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRであり;
    は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  13. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    は、−Me又はCHCHCHSO であり;
    Rは、20個までのヘテロ原子を含有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−アルキル又はアルキル−アリール基であり;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRであり;
    は、該アクリジニウム核の四級窒素と対を成すために導入される対イオンであり、かつCHSO 、FSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、ハライド、CFCOO、CHCOO及びNO からなる群から選択される]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  14. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe及び−(CHCHO)CHCHOMe、−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe](ここで、n=1〜5)から選択され;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRである]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  15. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe及び−(CHCHO)CHCHOMe、−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe](ここで、n=1〜5)から選択され;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRである]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  16. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe、−(CHCHO)CHCHOMe及び−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe](ここで、n=1〜5)から選択され;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRである]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  17. 下記構造:
    Figure 2010506857

    [式中、
    Rは、−Me、−CHCHOMe、−CHMe、−(CHCHO)CHCHOMe及び−CH[CHO(CHCHO)CHCHOMe](ここで、n=1〜5)から選択され;
    11は、−OH、−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CH−C(O)−O−N−スクシンイミジル、−NH−(CO)−CNH−C(O)−O−N−スクシンイミジル(ここで、n=0〜5)、又はNH−R−NHRである]
    を有する、請求項8記載の加水分解に安定で、迅速に発光する化学発光性アクリジニウムエステル。
  18. 被験体の検出又は定量用のアッセイであって:
    (a)(i)被験体に特異的な結合性分子;及び(ii)請求項1〜17のいずれか記載の加水分解に安定で、迅速に発光するアクリジニウムエステルを含む、複合体を用意する工程;
    (b)該被験体に特異的な第二の結合性分子をその上に固定化して有する固体支持体を用意する工程;
    (c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
    (d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
    (e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
    (f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
    (g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程を含む、アッセイ。
  19. 被験体の検出又は定量用のアッセイであって:
    (a)請求項1〜17のいずれか記載の加水分解に安定で、迅速に発光するアクリジニウムエステルと被験体の複合体を用意する工程;
    (b)被験体に特異的な結合性分子を固定化した固体支持体を用意する工程;
    (c)複合体、固相及び被験体を含有すると推測される試料を混合して結合錯体を形成する工程;
    (d)固体支持体上に捕捉された結合錯体を分離する工程;
    (e)化学発光誘発性試薬を加えることにより、工程(d)からの結合錯体の化学発光を誘発する工程;
    (f)発光量を照度計で測定する工程;ならびに
    (g)反応混合物からの発光量を、公知の被験体濃度に発光量を関連づける標準用量応答曲線と比較することにより、被験体の存在を検出するか、又はその濃度を算出する工程含む、アッセイ。
  20. 請求項8〜17のいずれか一項記載のアクリジニウムエステルの、被験体への複合体。
  21. 被験体が、ステロイド、ビタミン、ホルモン、治療薬及び小ペプチドから選択される小分子被験体である、請求項20記載の複合体。
  22. 被験体が、タンパク質、核酸、オリゴ糖、抗体、抗体フラグメント、細胞、ウイルス及び合成高分子から選択されるマクロ分子被験体である、請求項20記載の複合体。
  23. 結合性分子が、抗体、抗体フラグメント、結合性タンパク質、核酸、ペプチド、受容体又は合成結合性分子から選択される、請求項18又は19記載の結合性分子。
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