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JP2010503869A - 分子の電気濾過のための組成物およびデバイス - Google Patents

分子の電気濾過のための組成物およびデバイス Download PDF

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JP2010503869A JP2009528634A JP2009528634A JP2010503869A JP 2010503869 A JP2010503869 A JP 2010503869A JP 2009528634 A JP2009528634 A JP 2009528634A JP 2009528634 A JP2009528634 A JP 2009528634A JP 2010503869 A JP2010503869 A JP 2010503869A
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ミシェル・ダニエル・フォーペル
ヤン・ファン・オーストルム
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Abstract

本発明は、分子の電気濾過のための方法およびデバイスに関する。膜は支持体に共有結合しているN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)を含む。さらに、本発明はN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)に共有結合している等電点バッファーを含む組成物を含む。特に、本発明は、溶液中の分子の等電点濾過を可能にする膜およびデバイスに関する。

Description

本発明の範囲
本発明は、分子の電気濾過のための方法およびデバイスに関する。特に、本発明は、溶液中の分子の等電点濾過を可能にする膜およびデバイスに関する。
背景
分取電気泳動は既知であり、種々な形態の電気泳動装置は分析および分取目的の両方のために提案された。基本的に、分取電気泳動のための装置および原理は、4つの主な種類、すなわち、ディスク電気泳動、フリーカーテン電気泳動、等速電気泳動および等電点電気泳動に分類することができる(A. T. Andrews, Electrophoresis: Theory, Techniques, and Biochemical and Clinical Applications, Clarendon Press, Oxford 1986、およびP. G. Righetti, Isoelectric Focusing: Theory, Methodology and Applications, Elsevier, Amsterdam, pp. 204-207 (1983))。
一般的に、ディスク電気泳動および等速電気泳動は、連続の(アガロースおよびポリアクリルアミド)または不連続の(粒状層、例えば、Sephadex.RTM.)親水性マトリックス中を移動する。それらは高分解能により特徴付けられるが、低サンプル負荷にのみ耐用性である。フリーカーテン電気泳動は、一般的に、連続バッファーを使用し、液相なしで実施し、そして連続サンプル投入でバッファーの薄膜を連続的に流動することにより特徴付けられる。基本的に、この技術は大容量のサンプル取扱を提供するが、低分解能である。加えて、タンパク質の高い拡散係数により、この方法は大部分が無傷細胞または細胞内小器官の精製に限定される。
等電点電気泳動(IEF)は、連続の、または粒状の液体支持体(密度勾配)またはゲル媒体で実施することができる。今日、多数のIEF適用はゼラチン状支持媒体(例えば、アガロースおよびポリアクリルアミドマトリックス)で実施される。該技術は高分解能であるが、中位のタンパク質負荷にのみ耐用性である。加えて、非対流性媒体の親水性ゲルで使用する全ての分取技術は、精製されたタンパク質をマトリックスから回収する問題を有する。これは、さらなる取扱工程、例えば、対象の領域の検出、バンドカッティングおよび拡散または電気泳動回収による溶離を必要とする。これらの技術は、2つの大きな不利:(a)全てのマトリックスがタンパク質を不可逆的に吸収する傾向にあるための低回収率、および(b)ゲル物質からの汚染の可能性(とりわけ、毒性の分子である合成支持体、例えば、ポリアクリルアミドの場合、バルクマトリックスに共有結合していない未反応モノマーおよび短鎖オリゴマーポリアクリルアミドコイルからの汚染)を有する。指定のpH値を有する膜の使用は、例えば、Moeller et al, Electrophoresis, 2005, 26, 35-46により記載されている技術で使用され、ここで、固定されたpHを有するいくつかの膜は生体分子を分離するために使用する。しかしながら、ここに記載されている技術は、時間を消費し、比較的に低タンパク質の負荷能力を有し、そして、余分な加熱を避けるために冷却システムが必要である。加えて、この技術はアクリルアミドマトリックスの使用に基づく。
先行技術は、互いに、隔壁様構造、例えば、モノフィラメントスクリーン、膜、ゲル、フィルターおよびフリットディスクにより分離されている2つのサブコンパートメントを含む多くのデバイスを記載している。一般的に、これらのデバイスは、隔壁により互いに分離させる、複数の基本的に平行なフレーム、チャンバー(chamber)、コンパートメント(compartment)またはスペーサー(spacer)から組み立てられる。等電点膜を有するマルチコンパートメント電解槽は、大容量および多量のタンパク質を均一に処理するために紹介された(Righetti, P. G., Wenisch, E. and Faupel, M., 1989, J. Chromatogr. 475:293-309; Righetti, P. G., Wenisch, E., Jungbauer, A., Katinger, H. and Faupel. M., 1990, J. Chromatogr. 500:681-696; Righetti, P. G., Faupel, M. and Wenisch, E., 1992, In: Advances in Electrophoresis, Vol. 5, Chrambach, A., Dunn, M. J. and Radola, B. J., eds., VCH, Weinheim, pp. 159-200)。等電点電気泳動に基づくこの精製処理は、再循環条件下で、タンパク質マクロイオンを貯蔵器に保持し、そして連続的に電場中のそれらが双性イオン膜を備えたマルチコンパートメント電解槽を通過することにより進行する。このシステムにおいて、タンパク質はいつも液体傾向を維持し(したがって、それは、クロマトグラフィー法の慣例の、表面上への吸着により無くならない)、そして、それは精製されるタンパク質のpI値を含むpIを有する2つの膜により定められているチャンバーに捕捉される。したがって、連続の滴定プロセスにより、等電点がないか、または異なるpI値を有する全ての他の不純物は、対象のタンパク質が、最後に、同じ等電点および等イオン点であることにより特徴付けられる単独の種類として存在するチャンバーから追い出される(ただし、タンパク質の等電点および等イオン点は対イオンの存在である程度異なり得る)。
原特許が記載しているこのプロセス(Faupel, D. M. and Righetti, P. G., U.S. Pat. No. 4,971,670, Nov. 20, 1990)において、緩衝等電点膜の存在下の等電点電気泳動プロセスは、唯一かつ排他的に、タンパク質およびペプチドの分離および精製のため、すなわち、対象のタンパク質から汚染物質(他のマクロイオンおよび塩を含む)を除去するために開発された。等電点膜は、また、Martin, A. J. P. and Hampson, F. (U.S. Pat. No. 4,243,507, 1981)により記載され、そして、それらは電気泳動室で固定されたまたは吸着された電荷により生じた電気浸透流を抑制するために使用される。Righetti, P.G. (U.S, Pat. No. 5,834,272, Nov 10, 1998)は、溶液中で、したがって均一触媒作用の条件下でなお維持している酵素を固定するための方法を記載した。この方法は、“捕捉される”酵素のpI付近の等電点(pI)を有する2つの等電点膜間の酵素を固定することにある。該反応器はマルチチャンバー電解槽であって、ここで、電場は、電場の内部および外部に酵素を連続的に再循環するための液圧流動のために、熱交換器および基質、共因子および他の試薬を注入する(または回収する)ための供給器として作用する貯蔵器と連結している。酵素反応チャンバー内にバッファーを共固定することにより、最適活性のpHを維持する。これは、酵素の等電点を維持する2つの膜のpI間を含むpI値を含み、そしてそれらそれぞれのpIで適度な緩衝力を有する適当な両性バッファーを選択することにより達成される。BierによるU.S. Pat. No. 4,362,612において、隣接コンパートメントは機能的に電気泳動的に異なるpH値に適応させるために製造され、したがって、これらの等電点にしたがって溶解されたタンパク質を分離する。同様の多数のサブコンパートメントデバイスがFaupel et al.によるU.S. Pat. No. 4,971,670、Egen et al.によるU.S. Pat. No. 5,173,164、Rodkey et al.によるU.S. Pat. No. 4,963,236およびPerry et al.によるU.S. Pat. No. 5,087,338に記載されている(これら全ては、サブコンパートメントの本質的に平行なアレイとなる隔壁により互いに分離される一連の平行なスペーサーを含むデバイスを記載している)。多数の他の同様のデバイスが特許および他の文献に記載されている。全てのこのようなデバイスにおいて、電極は電場の適用のためにサブコンパートメントの組み立ての最後に提供される。
Faupel and al(GB0010957.9)により記載されている“ゲルなし”IPG−等電点電気泳動原理は、溶液、特に無両性電解質、または無緩衝剤溶液中で荷電および中性化合物の分離ならびに該化合物の回収をするためのデバイス、方法およびキットにあって、該デバイスは:(a)分析溶液を導入するための手段を有する入射端部、分離された画分を回収または再循環するための手段を有する出口端、前壁および後壁ならびに化学緩衝系を構成するチャンバーの1つの壁を含むチャンバー、(b)電流が該化学緩衝系を通り、電位差が生じ、該荷電および中性化合物が特異的に分離される手段、(c)画分、特に溶液、多数の特に無両性電解質、または無緩衝剤溶液中で分離された画分を回収するための方法、および(d)所望により、分離された画分を再循環することを含む。この溶液のpHは、化学緩衝系、例えば、immobilineTMゲル、ポリマーマトリックスに固定される液体、フリットグラス、フィルターまたは任意のそれらの組合せを有するチャンバーにそれを入れることにより調節する。この化学緩衝系は分析溶液と接触するその部分でのpHを固定する役割を果たし、それによってイオンとこのpHで全体的に中性である化合物を区別することができる。電場は該化学緩衝系を通るように適用され、そしてチャンバーの形は電場がこのチャンバー内を通り、それによって溶液中に存在する荷電種の移動流動を生じるような形態で製造される。荷電した化合物の移動により誘導された分離は、直接、分析溶液中で起こす。
上記方法の全ての不利の1つは、それらが、しばしば、毒性の分子であるアクリルアミドを含み製造されたマトリックスの使用に基づく。
本発明は、従来技術の欠点を克服する。言い換えると、本発明は、分子の混合物から所望の分子を濾過する、分別する、濃縮する、分離する、または、固定することを可能にし、高いサンプル負荷、高分解能およびフィルター膜内の分子の極端に低い損失、ならびに単離された分子の容易な回収を有することを特徴とする電気濾過法を可能にする組成物または膜を提供する。さらに、本発明の組成物および膜は、非毒性の物質を含む重要な利点を有し、したがって、有利に分取プロセスに対して適当である。
この従来技術の欠点の解決は、本発明者が驚くべきことに非毒性の分子であるN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下“NAT”)が支持体、特にグラス支持体に共有結合させることができ、そして、アクリルアミドバッファーがNAT(遊離または支持体に共有結合している)に共有結合させることができることを見出した事実に基づく。
NATを含むゲルの使用は、すでにアクリルアミドの代わり、またはアクリルアミドと組み合わせることをKozulic and Mosbach(WO-A-88/09981およびAnalytical Biochemistry, 1987, 163:506-512)により提案されている。しかしながら、これらの文献の著者は、NATが支持体に共有結合させることができ、したがって有利な膜を提供することを理解していなかった。さらに、上記文献は等電点電気泳動に言及しているが、これらの著者はゲルに共有結合しない両性電解質を使用しており、アクリルアミドバッファーがNATに共有結合させることができ、したがって等電点電気泳動または濾過のために有利な組成物、ゲルおよび/または膜となることを理解していなかった。
本発明の要約
本発明者は、驚くべきことに、非毒性分子であるN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下“NAT”)を、支持体、特にグラス支持体に共有結合させることができることを見出した。
さらに、本発明者は、アクリルアミドバッファーをNATに共有結合させることができる(遊離であるか、または支持体に共有結合しているかのいずれか)ことを見出した。
したがって、本発明は、支持体、特にグラス、グラスファイバー、フリットグラスまたはファイバーグラスに共有結合しているN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)を含む膜に関する。
さらに、本発明の膜は、NATに共有結合している等電点バッファー、例えば、アクリルアミドバッファーまたはImmobilineTMを含み得る。このような膜は特に等電点捕捉プロセスおよび分子の分取濾過のために適切である。
本発明は、また、NATに共有結合している等電点バッファーを含む組成物を含み、該組成物は等電点電気泳動分析のためのゲルを提供するために使用することができる。アガロースを、これらの物理的安定性を改良するために該ゲルに含ませることができる。
本発明は、さらに、本発明の膜または組成物を含むデバイスを含む。本発明の該デバイスは、また、2つ以上の本発明の膜を含んでもよく、チャンバーまたはコンパートメントが該膜間に存在する。本発明のデバイスがいくつかのチャンバーまたはコンパートメントを含むとき、該チャンバーまたはコンパートメントの容量は互いに同じ、または異なっていてよい。異なる容量を有するコンパートメントまたはチャンバーは、容易に所望の分子を濃縮または望ましくない分子を希釈することができる。
本発明の膜、組成物またはデバイスは分子の分離または濾過、好ましくは電気濾過のために使用することができる。本発明の該膜、組成物またはデバイスは、また、所望の分子を濃縮、分画または固定するために使用することができる。
本発明の膜、組成物またはデバイスの好ましい使用は、等電点濾過および/または等電点捕捉である。
本発明により濾過および/または単離される分子は、荷電分子、好ましくはタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、核酸分子、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドまたはそれらの相同体もしくは類似体および/またはそれらの組合せであってよい。該分子は、抗体またはそのフラグメント、DNA、RNA、cDNA、mRNAまたはPNAであってよい。好ましい態様において、該分子はsiRNAまたはmiRNA分子である。
本発明は、また、本発明の膜、組成物またはデバイスの製造法を含む。
NATとアクリルアミド膜の相関関係のグラフ 典型的な金型ブロックの配置図 Ampholine ゲル 3.5−9−5:粗血清から分離された抗体。98は何らかの分離前の混合物を示す。分離後、画分(98+)および(98−)を回収した。抗体のpIは7.8であり、分離中にこのタンパク質は7.35膜の下に拡散したが、血清はそれの上を維持した。血清の希釈は98+において1/2、98において1/10である。 粗血清から抗体を分離するために必要な時間:A;分離の1時間後、B;分離の2時間後、C;分離の3時間後、D;分離の4時間後、E;分離の5時間後。 エグリンCおよびβラクトグロブリンの分離。“出発物質”は混合物を示し、何らかの分離をした。分離後、画分+(78+および79+)および−(78−および79−)を回収した。分離で、エグリンCは5.45および5.5膜の下に拡散するが、βラクトグロブリンはそれの上を維持した。出発物質の色は分離後のサンプルより暗い。これはサンプルを膜上に加えた後である事実により、付加的容量を考えるべきである:該容量は膜より下であり、これはサンプル78+/−および79+/−を希釈する。 本発明の膜を使用するために適当な典型的なマルチチャンバーデバイスの配置図。
発明の詳細な説明
本発明は、等電点電気泳動(IEF)プロセスにおいて使用するための膜またはゲルを製造するための非毒性分子であるN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)の使用に関する。先行技術の膜/ゲルが毒性であるアクリルアミドおよび/または共有結合しない両性電解質を含むことを考慮すると、本発明は、分子の濾過/分離のための加療された膜/ゲルを提供する技術的問題を解決する。
本発明の膜およびゲルは、毒性アクリルアミド(この使用は食品医薬品局により承認されていない)の必要なしで、迅速な、かつ好都合な両性または中性の分子または化合物の濾過、分離および/または精製を可能にする。さらに、本発明の膜は、単一膜の通過により他の分子の混合物から所望の分子の迅速な分離を可能にする。加えて、膜の空隙率は、当業者に既知である形態で、支持体の選択および/またはそれらのpI(pIは使用されるアクリルアミドバッファーの選択で決定される)により容易に調節される。
透過性膜は、NAT分子と結合するグラスマイクロファイバーフィルター、例えば、Whatman GF/D フィルターであり得る支持体であり得る。膜の製造法は、例えば、ゲル中で、支持体に共有結合しているNATおよびNATに共有結合するようになるアクリルアミドバッファーの驚くべき能力に基づき、したがって任意の所望の値でゲルの緩衝pHを固定する。これは、例えば、FDAがアクリルアミドの使用を承認しないため、これまでに使用された高い毒性であるアクリルアミドの欠点を克服し、また、とりわけ分取プロセスで分子のより迅速な分離/濾過を可能にする。
分離される分子は、タンパク質、酵素または少なくとも2個のアミノ酸を有する低分子ペプチドまたはペプチドもしくはタンパク質部分を含む化合物、例えば、糖タンパク質であり、また、核酸(一もしくは二本鎖)、複合脂質または複合糖質であってもよい。理論により制約される洗浄なしで、これらの分子は両性であり、そして、精製プロセスの条件下でおよび望ましくない共存化合物からの分離を実際に実施するとき、等電点または非荷電状態を維持することができる。
それとは反対に、精製プロセスの条件下でおよび所望の化合物からの分離を実際に実施するとき、電荷を有する分子は、さらに、電極にむかって拡散し、したがって所望の分子を保持するコンパートメント/チャンバーを通過する。このプロセスにより除去することができる望ましくない分子の他の例は、塩、例えば、アルカリ金属塩、例えば、塩化ナトリウムである。
本発明の膜を使用して実施される濾過は、化合物の必要である流動を可能にする何らかの溶媒、例えば、水または適当なアルコール、例えば、低級アルカノール、例えば、メタノールまたはエタノールと水の混合物、または、例えば、一般的に使用されるバッファー、ウレア、界面活性剤または他の何らかの水混和性有機溶媒を含む水性溶液を使用して実施してもよい。本発明の濾過のために適当であるバッファーは、一般的に当分野で使用されるバッファー、例えば、リン酸、水酸化ナトリウムまたは何らかの両性電解質の組成物を含むが、限定はしない。
1つの態様において、本発明の膜は、液体を保持し、そして電極を含むことができる2つのチャンバー間に置かれる。透過性である該膜はチャンバー間の液体および分子の通過を可能にさせる。本発明のさらなる局面において、分離するために、本発明の2つの膜(同じか、または異なるpH値を有する)をチャンバーの2つの側面に置く。この分離は、隔壁様構造、例えば、モノフィラメントスクリーン、膜、ゲル、フィルターおよびフリットディスクにより互いに分離される2つのサブコンパートメントを含む既知のデバイスのいずれかで実施することができる。適当なデバイスは、大容量および多量のタンパク質を均一に処理するために紹介された等電点膜を有するマルチコンパートメント電解槽である(Righetti, P. G., Wenisch, E. and Faupel, M., 1989, J. Chromatogr. 475:293-309; Righetti, P. G., Wenisch, E., Jungbauer, A., Katinger, H. and Faupel. M., 1990, J. Chromatogr. 500:681-696; Righetti, P. G., Faupel, M. and Wenisch, E., 1992, In: Advances in Electrophoresis, Vol. 5, Chrambach, A., Dunn, M. J. and Radola, B. J., eds., VCH, Weinheim, pp. 159-200)。等電点電気泳動に基づくこの精製処理は、再循環条件下で、タンパク質マクロイオンを貯蔵器に保持し、そして連続的に電場中のそれらが双性イオン膜を備えたマルチコンパートメント電解槽を通過することにより進行する。このシステムにおいて、タンパク質はいつも液体傾向を維持し(したがって、それは、クロマトグラフィー法の慣例の、表面上への吸着により無くならない)、そして、それは精製されるタンパク質のpI値を含むpIを有する2つの膜により定められているチャンバーに捕捉される。したがって、連続の滴定プロセスにより、等電点がないか、または異なるpI値を有する全ての他の不純物は、対象のタンパク質が、最後に、同じ等電点および等イオン点であることにより特徴付けられる単独の種類として存在するチャンバーから追い出される(ただし、タンパク質の等電点および等イオン点は対イオンの存在である程度異なり得る)。
該デバイスは、タンパク質およびペプチドの分離および精製のため、すなわち、対象のタンパク質から汚染物質(他のマクロイオンおよび塩を含む)を除去するために使用できる(Faupel, D. M. and Righetti, P. G., U.S. Pat. No. 4,971,670, Nov. 20, 1990)。同様の多数のサブコンパートメントデバイスがFaupel et al.によるU.S. Pat. No. 4,971,670、Egen et al.によるU.S. Pat. No. 5,173,164、Rodkey et al.によるU.S. Pat. No. 4,963,236およびPerry et al.によるU.S. Pat. No. 5,087,338に記載されている(これら全ては、サブコンパートメントの本質的に平行なアレイとなる隔壁により互いに分離される一連の平行なスペーサーを含むデバイスを記載している)。多数の他の同様のデバイスが特許および他の文献に記載されている。全てのこのようなデバイスにおいて、電極は電場の適用のためにサブコンパートメントの組み立ての最後に提供される。
実際の分離は、膜を通過する電場を使用する、1つのチャンバーに陰極および他のチャンバーに陽極を置くことにより実施する。電場は電源により生じさせる。システムが耐用できる任意の電圧は、生じる熱は適当な冷却により放散させることを条件に、例えば、100から10000ボルト、とりわけ500から10000ボルト、好ましくは500から5000ボルト、例えば、500、1000、5000または10000ボルトでさえを使用してもよい。平衡であるとき、典型的な値は、例えば、1000ボルト、3mAおよび3Wまたは500ボルト、10mAおよび5Wである。
両性等電点を固定させるpH膜はpH差を含まず、膜中で同じpH値を有する。このような膜の製造は当業者に慣用となっており、pH勾配を有するマトリックス(例えば、アクリルアミドを含むゲル)の製造と同様である。勾配ミキサーは必要でなく、そしてグリセロールは本発明の密度勾配を製造するために必要ではない。
IEFのために有用なこれまでに記載された膜は、好ましくはほぼ中性のpH、50℃で押込み換気オーブン1時間で、適当な重合触媒および水と一緒に所望の等電点を生じるために必要な割合の可変量の緩衝および滴定用の等電点バッファー(ImmobilinesTM)、AmpholinesTMを含むモノマー(一般的に、10−15%のアクリルアミドおよび3−4%の架橋剤:N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド)の溶液の重合により製造される。
膜が正味の電荷の存在または取得により引き起こされる膜を介するバルクの液体流動を意味する用語である電気浸透を防止するため、それらの等電点で良い緩衝能力を有することが重要である。しかしながら、ImmobilineTMのモル濃度は、好ましくは膜のそれぞれのImmobilineTMの50mMを越えないべきである。
AmpholinesTMは低分子量の両性物質、すなわち両性電解質であり、反対にImmobilinesTMはアクリルアミド/N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドまたはNATポリマーに固定されず、したがって電気伝導性に寄与することができる。多数の両性物質、例えば、アミノ酸およびペプチドならびにいくつかの両性および非両性バッファー成分の混合物は適当な両性電解質として作用することができる。しかしながら、等電点電気泳動実験の大部分は市販の両性電解質混合物を使用して実施される。これらの多数で広く使用されているものは、商標名AmpholinesTMの下にLKB Produkter ABにより販売されている。それらは大部分は300−600の範囲の分子量を有するポリアミノポリカルボン酸の合成混合物からなる。他の生成物は、アミノ酸およびカルボン酸基に加えてスルホン酸またはホスホン酸基を含んで使用することができる。これらの生成物(ServalytsTM, Serva-Feinbiochemica GmbH; BiolytesTM, Bio-Rad Laboratories; PharmalytesTM, Pharmacia AB)は、最近、AmpholinesTMと比較され、同様の能力を有することを示された。
アクリルアミドバッファーであるImmobilinesTMは、一般構造CH=CH−CO−NH−R(式中、Rはカルボン酸または三級アミノ基を含む)を有するアクリルアミド誘導体である。ImmobilinesTMは、固定されたpH勾配を製造するために、アクリルアミドとN,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドの共重合をするために製造されている。それぞれの誘導体は規定の、かつ既知のpK値を有する。pK値9.5を有するN−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−メタクリルアミドはImmobilineTMに類似するメタクリルアミド誘導体の例として挙げられ得る。
先行技術によって、アクリルアミドは、例えば、メタクリルアミドに、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドは、何らかの他の適当な架橋剤、例えば、他の適当なアクリルアミド誘導体に置き換えてもよい。しかしながら、これらの提案された置換は当分野で既知の全ての欠点を回避しない。しかしながら、驚くべきことに、本発明者は毒性のアクリルアミドが有利に非毒性のNATにより置き換えることができることを見出した。
共重合後、ImmobilinesTMは共有結合、すなわち固定され、そしてpH勾配またはpH膜の伝導性に何ら寄与しない。しかしながら、Immobilinesは緩衝および滴定能力に寄与する。
好ましくは、pH膜は、利用できるImmobilinesTMおよびAmpholinesTMに依存して約3から約10の範囲のpH範囲にある。対象の化合物が両性であるとき、流動チャンバーに面する2つの膜のpH値は、該両性物質を等電点状態でその間、維持するために必要な精度で該両性物質の等電点のわずかに上および下または等しく設定されるべきである。
この改良された等電点電気泳動技術において、対象のタンパク質は電気泳動的に膜へ移動せず(さらなる精製工程により回収されるべきである)、容易に分離されることができる液体中で荷電状態を維持する。所望の分子が該所望の分子を単離する能力のために選択されたpH固定膜に入ると、それはその電荷を失い、そして液体に再び入る。したがって、この分子は該膜を通過せず、該膜の前のチャンバー/コンパートメントに保持される。こうして、定められたpHでは、そのpHで荷電している分子のみ、例えば、望ましくない分子は、膜を通過することができる。
pH膜について、多数の場合において、膜のpHが興味ある成分の等電点(pI)のわずかに下であるような状態を設定することが可能である。必要なとき、第2の分離工程において、膜のpHは、所望の化合物のpIのわずかに上の値に設定され得る(もちろん、適当な固定化pH勾配(IPG)の製造は、所望の物質が極端に高いまたは低いpIを有する比較的に珍しい場合で困難となり得る)。したがって、個々の等電点を有する所望の分子は、選択された2つの固定化pH勾配またはpH膜により定められている狭いpH範囲のみの等電点のものである。
対象の化合物が両性であるとき、この範囲は、通常、0.05から0.2pH単位を含む;しかしながら、0.001pH単位までの範囲も達成することができる。該範囲は0pH単位を含むことも可能であり、すなわち極端なpH値は所望の化合物の等電点に相当する。これはすべてのpH範囲ではなく、2つのゲル相間の液体範囲のみであることを意味する。
対象の化合物が中性であるとき、膜のpH値は、望ましくない両性または荷電した化合物に関して、該望ましくない化合物が個々のpH範囲内で捕捉されるという意味で選択されないことが、当業者に容易に理解される。中性化合物は、流動チャンバーに面している膜の限界状態に関係なく、pH勾配に入らない。限界状態でのその精度に加えて、IPGの制限のない安定性によって、精製下の化合物の等電条件が、液圧流動相内で、とりわけ流動チャンバー内で、他の場所ではなく、例えば、陽極または陰極ゲル相内ではなく、一定に保たれるように、pH勾配が変化しないことが、自動的に時間的に保証する。
本発明のプロセスは、少なくとも下記の主な利点を有する:
(a)膜の非毒性;
(b)精製下で所望の化合物(例えば、タンパク質)がゲル相に入らず、全体の精製工程中の液相において非荷電、例えば、等電点状態を維持するため、極端に高いサンプル回収率、約100%;
(c)精製される化合物、例えば、タンパク質供給物が、別々の貯蔵器と流動チャンバーを循環し続け、常にほんの少量が電場に存在するため、大サンプル負荷;
(d)所望の化合物、例えば、タンパク質の等電点(pI)にわたって選択されるpH間隔の狭さに依存する高分解能;
(e)本プロセスが、また、電気透析(脱塩処理)に対して使用することができることを意味する、興味ある化合物(例えば、ペプチドまたはタンパク質)に付随する何らかの塩またはバッファーの自動的除去。とりわけ、一価イオンの強酸または強塩基、例えば、酸、HCl、HBr、HI、HNO、HClO4、SOまたは塩基、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)の除去は非常に容易である。一価イオンの弱酸および弱塩基、例えば、アンモニウムおよび酢酸の除去において、下記両性等電点ImmobilineTM膜、または、狭いpH勾配、すなわち比較的に弱い酸および塩基のpK値から実質的に離れている比較的に小さいpH範囲、例えば、0.5から1.0pH単位のみを含む勾配を使用することが有利である。多価イオン、例えば、スルフェート、ホスフェートおよびシトレートの除去は、恐らくこれらの種類とImmobilineTMマトリックスの相互作用のために時間がかかり、一価の対イオンの迅速な除去はチャンバー内の溶液を酸性またはアルカリ性にさせることができるためpH制御、例えば、pHスタット外下で実施することが最も良い。種々な使用、例えば、酵素反応またはリガンド結合試験に対するタンパク質サンプルの迅速な脱塩は、生化学において現在直面している問題の1つである。サンプル供給物における全ての塩含量(すでに1mM濃度)は、あるいは非常に大きな流動画分がタンパク質に対立するイオンそれ自体により送達されるため、非等電点タンパク質の輸送を抑制する。加えて、サンプル貯蔵器の高い塩レベルは、タンパク質移動を阻害し、変性さえ誘導し得る陰極および陽極イオン限界のアルカリ性および酸性を形成し得る。セグメント化(ならびに慣用の)IPGゲルにおいて、サンプルゾーンに存在する実質的に全ての塩はその電気泳動輸送を抑制する。したがって、タンパク質不純物を等電点成分から除去するために十分な最も良い方法はすでに脱塩されたタンパク質供給物をセグメント化IPG装置に挿入することである。しかしながら、タンパク質不純物の除去は、よりゆっくりな速度であるが、サンプル中に塩の存在下でさせ達成することができる。後者の場合、塩レベルはタンパク質溶解度で最小適合性(例えば、5mM以下)を維持し、外部のpH制御を、塩成分により生じる限界の発生によって引き起こされるサンプル供給物の劇的なpH変化を防止するために(例えば、pHスタットで)するべきである。非常に少ない場合において、最大塩濃度がサンプル相において電気泳動中、等電点の付近で非常に低いイオン強度のためタンパク質凝集および沈殿を防止するために必要であり得る。この目的のために、外液圧流動を、複合電気および拡散多量輸送による塩喪失を補充して使用してもよい(Rilbes’ steady- state rheoelectrolysis, H. Rilbe, J. Chromatography 159, 193-205 [1978]の概念と同様)。
典型的なマルチチャンバーデバイスは、図6に記載されており、そして“単位膜”と称される箱、電極および電極間の部分からなる。箱の覆いは溶液の抽出、挿入または取扱を可能にする穴を有する。電極は図6に記載されているように固定されている。該デバイスは、透過性膜により分割された2つのコンパートメントの単位および固定された電極を有する覆いを含む。電極はそれぞれのコンパートメントに置かれ、処理される液体を含み本発明の透過性膜を介する流動を可能にする。一方の電極が正、もう一方が負であるとき、液体に含まれている何らかのイオン性化合物のイオンは透過性膜を介して拡散する。正に荷電したイオンは負極に向かい、負に荷電したイオンは正極に向かう。本発明の膜および単位膜は好ましくは図6に記載されているとおりに置かれる。電場をpH緩衝膜に使用すると、それらは“pI選択的”となり、両性の種類、例えば、タンパク質またはペプチドのみが対向電極に向かい移動することを可能となる。
チャンバーの形は電場がそれを通過する形式で製造され、それによって所望の分子タンパク質がいつも液体傾向で維持されるような溶液中に存在する荷電種の移動流動を発生させることができる。
本発明は、また、本発明のデバイス中のタンパク質混合物、細胞抽出物、ペプチドおよび他のサンプルまたは塩を“電気濾過モード”で実施することを可能にする。このようなデバイスを電気泳動に使用するためには電極コンパートメントを含む。
1つの態様において、濾過膜は既知の先行技術の実質的な利点を有するモジュラーシステムを提供する“単位膜”に含まれる。使用される単位膜は容易に除去され、新しい単位膜が簡単に挿入できる。注目すべきは、異なる可能な設計が、電気透析、ELISAおよび逆浸透デバイスのようなほかの適用および組合せ適用に使用できることである。
下記実施例は何ら本発明を限定することなく本発明を説明する。
実施例
実施例1:膜の製造
NAT(N−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(FLUKA, Buchs, SwitzerlandまたはElchrom Scientific AG, Cham, Switzerlandから入手できる)、N、N’−メチレンビスアクリルアミドおよびアクリルアミドバッファーの濃度および割合の選択は、分離されるタンパク質のサイズに非常に依存している。適当なゲル組成物の選択は、膜に対する重要な考慮すべき事項である。2つの因子が特に重要である:ゲル空隙率およびゲルのアクリルアミドバッファーの濃度。両方の性質は、通常、関係式:
Figure 2010503869
により示されるNATおよび架橋剤の相対量により決定される。
膜の製造を可能にする新たなプロトコールを確立するため;アクリルアミドモノマーに基づくプロトコールを、最初に、Amersham:(80−6350−18 Rev.A/2−97)により公開されているものを使用して使用した。表1は等電点膜を製造するために使用されるアクリルアミドバッファー混合物の例を示す。我々はNAT(図1)とアクリルアミドの比較を使用して相関図を確立した。
表1:等電点膜に対するアクリルアミドバッファー混合物
Figure 2010503869
本実施例のために、下記割合をNAT17.5%の貯蔵溶液に対して選択した:5.64gのN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT);0.16gのN、N’−メチレンビスアクリルアミド;および26.5gの水。
該貯蔵溶液は下記プロトコールにしたがって得た:
NAT/ビスアクリルアミドモノマー貯蔵溶液を脱イオンし、濾過し、そして脱気する。
4℃保存から室温に30分温めてモノマーバッファーを除去する。
それぞれの金型ブロック(図2)に対する清浄乾燥カバープレートを1mlのRepel−SilaneTM溶液で被覆し、数分乾燥させる。Repel−SilaneTMはカバープレートへの膜の付着を防止する。
使用直前に1mlの40%の過硫酸アンモニウム(APS)(1mlの重水素中の0.4gのAPS)およびTEMED(,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;99.9%)を製造する。
等電点膜の製造:
それぞれの膜セットのpHを溶液中の異なる分子(これらの異なるpI値は既知である)が別々のチャンバーに捕捉されるように選択する。
十分なNAT/ビスアクリルアミドモノマー貯蔵溶液を製造し、脱イオン化し、濾過し、脱気する。
4℃の保存から室温に30分温めてモノマーバッファーを除去する。
それぞれの金型ブロック(図2)に対するカバープレートを1mlのRepel−SilaneTM溶液で、被覆し、洗浄し、乾燥させ、数分乾燥させる。Repel−SilaneTMはカバープレートへの膜の付着を防止する。カバープレートを広く洗浄する。
表1に記載されているアクリルアミドバッファープロトコールに続いて等電点膜を作る。必ずモノマーバッファー溶液のpHを測定し、NAT/ビスアクリルアミド貯蔵溶液を加える。
使用直前に1mlの40%の過硫酸アンモニウム(APS)(1mlの重水素中の0.4gのAPS)およびTEMED(,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;99.9%)を製造する。NAT/ビスアクリルアミド貯蔵溶液、5μlのTEMED(99.9%)および10μlの40%のAPSをモノマーバッファー溶液に加え、混合し、“ゲル溶液”を得る。
3mlの“ゲル溶液”を金型ブロック中の2つのウェルそれぞれに送達する。
Whatman GF/D、4.7cmのフィルターをウェルに角度を付けて置くことにより湿らして、毛細管現象でそれを溶液で湿らせる。湿ったら、フィルターをそのウェルに下げていき、手袋している指でそれを静かに押す。
さらに2mlの”ゲル溶液”をそれぞれのフィルターに置く。
グラスカバープレートをシランで被覆されている側で膜に向かって膜上に下げていき、過剰なゲル溶液をプレートとアクリルブロック間から排出する。
空気がカバープレート下に捕捉されることを避けるように注意する。該理由は、空気が重合を阻止し、気泡が膜の穴を引き起こし得るためである。
膜を50℃で1時間インキュベートする。
実施例2:実験セットアップ
8μmの空隙率のThin CertTM(PET毛管孔隙膜で密閉され、幾何形態を有し、0.4μm、1.0μm、3.0μmおよび8.0μmの細孔径を有する6、12および24ウェルマルチウェルプレートに対する透明なポリスチレン挿入物を備える、Greiner Bio−One、Frickenhausen、Germanyから得ることができる)を図6の装置に入れた。この装置は、図6に記載されているとおり、電極を有する覆いを含む。8μmの空隙率のThin CertTMを、図6に記載されているとおり、装置に置いた。その後、等電点膜をそこに置き、Teflon(登録商標)環により適当な位置に維持した。気泡がその穴に捕捉されないように、Thin CertTMを使用前に水中で30分撹拌した。分離する液体をそれぞれの装置に挿入し、次に分析されるサンプルを陽極側に導入し、電圧を加えた。400μlのバッファーを膜の上部(陽極側)に入れ、そして500μlのバッファーを膜の下部(陰極側)に入れた。実験の最後に、画分を回収して分析した。
実施例3:粗血清から等電点pI7.8を有する抗体の分取分離
100μlの1/1希釈血清に10mMの300μlのHPOおよび3μlの抗体を54.7mg/mlで加えた。この溶液を膜の陽極側に入れた。膜の陰極側に500μlのHOと0.0001%のPharmalyte8−10(GE Healthcare Bio-science AB, Uppsala, Sweden)を一緒に入れた。電圧100V、電流2mAおよび電力2Wを30分適用し、次に第2工程の電圧200V、電流2mAおよび電力2Wを2時間30分適用した。
実験の結果
該分析はAmpholineTM ゲル 3.5−9.5プレート(GE Healthcare Bio-science AB, Uppsala, Sweden)で実施した。サンプル濃度の下限は、使用されるサンプルの容量およびゲルを現像するために使用される検出法の感受性の両方に依存する。80μlのサンプル容量を使用した。下記条件を使用した:
500V−25mA−5W 40分
1000V−25mA−5W 40分
1500V−25mA−5W 1時間30分
AmpholineTM ゲル 3.5−9.5の固定および染色条件:
下記溶液を製造した:TCA 15%、Colloidal Coomassie Blue。ゲルを100mlの15%のTCAで30分間で固定し、希釈したH2Oで2×5分で濯ぎ、100mlのCoomassie Blueで染色し、次に希釈したH2Oで濯いだ。結果を図3に示す。これらの結果は、この方法が乱雑な粗血清から分析評価のためのタンパク質を容易に分離することが可能であることを示す。
実施例4:等電点pH5.45の膜および他の実験において等電点pH5.55の膜であらかじめ分離したエグリンC(pI=5.55)およびβラクトグロブリンイソ型(pI=5.2、5.3)
600μlのタンパク質混合物に100μlの10mMのリン酸を加えた。この溶液を膜の陽極側に入れた。膜の陰極側に1500μlのHOと0.001%のPharmalyte3−10を一緒に入れた。電圧500V、電流2mAおよび電力2Wを4時間した。このセットアップは、pH5.45またはpH5.5、実験番号78または79各々を有する膜を使用して上記を使用した。
実験の分析:
ImmobilineTM ゲル pH:4−7 支持体(ImmobilineTM DryPlate :GE Healthcare Bio-science AB, Uppsala, Sweden)を使用した。半分のゲルを39mlのHO+1mlのPharmalyteTM3−10で2時間で再水和した。再水和したゲルを1000V、3mA、5Wで1時間平衡にし、サンプルを加えた。電極ストリップをHO+0.001%のPharmalyteTM3−10に浸した。
下記条件を使用した:
1000V−3mA−5W 20分
2500V−3mA−5W 45分
3500V−3mA−5W 30分
ゲル(図5)を上記実施例4のとおりに固定および染色した。“出発物質”は混合物を示し、何らかの分離をした。分離後、陽極側(78+および79+)および陰極側(78−および79−)の画分を回収した。分離で、エグリンCは5.45および5.5膜の下に拡散するが、βラクトグロブリンはそれの上を維持した。出発物質の色は分離後のサンプルより暗い。これはサンプルを膜上に加えた後である事実により、付加的容量を考えるべきである:該容量は膜より下であり、これはサンプル78+/−および79+/−を希釈する。結果は、エグリンC(pI:5.55)が本発明の膜を使用してβラクトグロブリンイソ型(pI:5.3および5.2)から容易に分離することができることを示す。

Claims (20)

  1. 支持体に共有結合しているN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)を含む膜。
  2. 支持体がグラス、好ましくはグラスファイバー、フリットグラスまたはファイバーグラスである、請求項1に記載の膜。
  3. さらにNATに共有結合している等電点バッファーを含む、請求項1または2に記載の膜。
  4. 該等電点バッファーがアクリルアミドバッファーである、請求項3に記載の膜。
  5. N−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)に共有結合している等電点バッファーを含む組成物。
  6. 該等電点バッファーがアクリルアミドバッファーである、請求項5に記載の組成物。
  7. 該組成物がゲル形態である、請求項5−7のいずれかに記載の組成物。
  8. さらにアガロースを含む、請求項5−8のいずれかに記載の組成物。
  9. 請求項1−8のいずれかに記載の膜または組成物を含むデバイス。
  10. 請求項1−4のいずれかに記載の2個以上の膜を含むデバイスであって、チャンバーまたはコンパートメントが該膜間に存在する請求項8に記載のデバイス。
  11. いくつかのチャンバーまたはコンパートメントを含み、該チャンバーまたはコンパートメントの容量が互いに同じであるか、または互いに異なっている請求項10に記載のデバイス。
  12. 分子の分離または濾過、好ましくは電気濾過のための請求項1−11のいずれかに記載の膜、組成物またはデバイスの使用。
  13. 該電気濾過が等電点濾過または等電点捕捉である、請求項12に記載の使用。
  14. 等電点電気泳動のための請求項5−8のいずれかに記載の組成物の使用。
  15. 分子が荷電した分子であり、好ましくはタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、核酸分子、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドおよびそれらの類似体の群から選択される、請求項12−14のいずれかに記載の使用。
  16. 分子がタンパク質、好ましくは抗体またはそのフラグメントである、請求項12−15のいずれかに記載の使用。
  17. 分子が核酸分子であり、好ましくはDNA、RNA、cDNA、mRNAまたはPNAであり、より好ましくはsiRNAまたはmiRNAである、請求項12−15のいずれかに記載の使用。
  18. 分子を濃縮するための請求項11に記載のデバイスの使用。
  19. N−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)が支持体に共有結合している、請求項1−4のいずれかに記載の膜の製造法。
  20. 等電点バッファーがN−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(NAT)に共有結合している、請求項5−8のいずれかに記載の組成物の製造法。
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