JP2010284734A - オイルパルス工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】
オイルパルス機構部を効果的に冷却でき、ねじ締め作業等を連続して実行できるオイルパルス工具を提供する。
【解決手段】
モータと、モータにより回転駆動され油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス機構部4と、オイルパルス機構部4を収容するハンマケース6を有するオイルパルス工具において、ハンマケース6のオイルパルス機構部4の近傍に吸気口8及び排気口15を設け、吸気口8から排気口15に至る風路中において作用するファン13を設けた。ファン13はオイルパルス機構部4と一体に或いは別体に製造される遠心ファンや軸流ファンで構成される。
【選択図】図2
オイルパルス機構部を効果的に冷却でき、ねじ締め作業等を連続して実行できるオイルパルス工具を提供する。
【解決手段】
モータと、モータにより回転駆動され油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス機構部4と、オイルパルス機構部4を収容するハンマケース6を有するオイルパルス工具において、ハンマケース6のオイルパルス機構部4の近傍に吸気口8及び排気口15を設け、吸気口8から排気口15に至る風路中において作用するファン13を設けた。ファン13はオイルパルス機構部4と一体に或いは別体に製造される遠心ファンや軸流ファンで構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、モータにより回転駆動されて衝撃トルクを発生するオイルパルス機構部を備えたオイルパルス工具に関するものである。
ねじ等を締める際に用いられるいわゆるインパクト工具として、オイルパルス機構部を有するオイルパルス工具が従来より知られている。オイルパルス工具はハウジング内部にエアモータ又は電気モータを備える。エア駆動式の場合には、エアモータを回転せるための圧縮空気が外部から供給される。電動式の場合には、電気モータを駆動させる電力が、ハウジングに接続された電源コードを介して外部から、又は、ハウジングに取り付けられる二次電池から供給される。モータの回転軸には、減速機構部を介してオイルパルス機構部が設けられ、オイルパルス機構の出力軸が先端工具を回転させるスピンドルとなる。
オイルパルス機構部は、略棒状をなして外枠の前方へ指向するスピンドルと、スピンドルの半径方向外方にスピンドルと略同軸的に設けられた筒状体と、筒状体内の空間を仕切るブレードとを備える。スピンドルと筒状体とにより画成される空間には、オイルが充填されており、ブレードによって複数のオイル室が画成される。筒状体は減速機構部を介してモータの出力軸に駆動連結され、モータが略一定速度で回転するのに伴い、筒状体はモータの出力軸よりも減速された略一定速度で回転する。筒状体が回転しているときに、所定のオイル室内部のオイルが圧縮され、オイル室間に圧力差が生ずる。この圧力差を解消しようとしてスピンドルが回転することによってスピンドルに回転パルストルクが発生する。
スピンドルに回転パルストルクが発生するときに、互いに当接し合っているスピンドルの一部と筒状体の一部とが摺動することにより熱が発生する。また、オイルが高圧のオイル室から低圧のオイル室へと移動することにより摩擦抵抗が生じて発熱する。この発熱に対して放置しておくとオイルの温度が上昇し、オイルの粘度が変化することにより出力変動が起こり得る。また、オイルの熱膨張によりオイルパルス機構部内からオイルが漏出する恐れがある。
エア式のインパクト工具では、モータを回転させるための圧縮空気をオイルパルス機構部の冷却に利用することができるため、熱の問題はほとんど生じなかった。特に、エアモータの回転に用いられる圧縮空気は、断熱膨張して冷たくなっているため、その空気をエアモータの回転に利用した後に、オイルパルス機構部の周囲に流してから外部に排出するように構成することによってオイルパルス機構部を強制的に冷却できた。
しかしながら、電気モータを用いたオイルパルス工具のおいては、エア式のインパクト工具と同等の冷却方法を採用することができない。通常、電気モータを冷却するために電気モータの回転軸に冷却ファンが設けられるが、この冷却ファンを利用してオイルパルス機構部を冷却するという技術が特許文献1に開示されている。特許文献1では、電気モータ用の冷却ファンから、減速機構の外周側とハウジングの内壁の間にエア通路を設けて、オイルパルス機構部に冷却風を導いている。オイルパルス機構部の周囲を流れた空気は、前方に設けられた排出口から外部に排出される。さらに、特許文献1では、オイルパルス機構の筒体の外周表面に、外側へ突出して筒体の軸方向に指向する複数のひれ状突起が設けられ、放熱効率を向上させている。
オイルパルス機構部の放熱効率を高めるために、さらに特許文献2に開示の技術が知られている。特許文献2では、オイルパルス機構部を備えた電気モータ駆動のオイルパルス工具において、オイルパルス機構部の外周に放熱用突起を設けた。放熱用突起をらせん形状とし、隣り合う突起同士の間隔はオイルパルス機構部を収納するケースの内壁と放熱用突起外周とのスキマより大きく設定した。さらに、ケースに、放熱用突起の両端の位置に合わせて風窓を設けた。このように構成することにより、ケースの内部に空気の流れを形成して、放熱用突起からオイルパルス機構部の熱を効果的に放出することができる。
特許文献1において、オイルパルス機構部に導かれる風は、圧縮空気のような冷たい空気ではなく、電気モータを冷却した後の熱せられた空気である。そのため、電気モータ用の冷却ファンによる風のみでオイルパルス機構部を強制冷却するのに不十分な状況が生じる恐れがあった。また、構造的にも、減速機構を迂回するための通路、即ち外周側に飛び出した専用の通路を形成する必要があり、オイルパルス工具の小型化を阻害してしまうという問題があった。
特許文献2の技術では、冷却風の流路はモータと別に設けられ、外部から外気が取り込まれるので、取り込んだ風がすでに熱せられているという問題は生じない。しかしながら、オイルパルス機構部の外周に設ける放熱用突起が螺旋状であり、入口側の風窓から出口側までの空気通路が長いため、流量を十分確保できず冷却効果が不十分になる恐れがあった。さらに、電気モータの回転数が減速機構により減速されるため、冷却効果はさらに低くなるという問題があった。また別の要因として、オイルパルス機構部の製造加工が複雑であり、製造コストが上昇してしまうという問題があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、オイルパルス機構部を効果的に冷却でき、ねじ締め作業等を連続して実行できるオイルパルス工具を提供することにある。
本発明の別の目的は、本体の長さを延ばすことなく、容易に製造することが可能なオイルパルス機構部の冷却機構を実現したオイルパルス工具を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、冷却用の吸気口から粉塵等を吸い込むことを防止できるオイルパルス工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータと、モータにより駆動され油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス機構部と、オイルパルス機構部を収容するハウジング部を有するオイルパルス工具であって、ハウジング部のオイルパルス機構部の近傍に吸気口及び排気口を設け、吸気口から排気口に至る風路中において、オイルパルス機構部にファンを設けた。ハウジング部は、モータを収容すると共にハンドル部を有するハウジング本体と、ハウジング本体に取り付けられオイルパルス機構部を収容する金属製のハンマケースの2つの部分から主に構成され、吸気口及び排気口は、ハンマケースに形成される。
本発明の他の特徴によれば、吸気口は、オイルパルス機構部の前方部外周付近に対向する位置においてハンマケースに形成され、排気口は、オイルパルス機構部の後方部外周付近に対向する位置においてハンマケースに形成され、ファンとして、排気口の内周側対向位置に遠心ファンを設けた。この際、ハンマケースの遠心ファンと径方向に対向する箇所に、半径方向に内径を大きくした凹部を形成し、遠心ファンによる径方向への突出量を小さくした。
ファンを取り付ける位置はこれだけに限られず、吸気口と径方向に対向する領域にだけ、又は、排気口と径方向に対向する領域にだけファンを設けても良い。あるいは、オイルパルス機構部の軸方向であって、吸気口と排気口の間の領域(吸気口及び排気口とオーバーラップする領域を除く)において、オイルパルス機構部の外周側に軸流ファンを設けるように構成しても良い。
本発明のさらに他の特徴によれば、吸気口にフィルタを設けた。フィルタは単に吸気口に取り付けるように構成しても良いし、ハンマケースの外周にプロテクタを設け、ハンマケースとプロテクタの間に介在させるように構成しても良い。フィルタの形状は、例えばメッシュ状のものを設けることができる。
請求項1の発明によれば、ハウジング部のオイルパルス機構部の近傍に吸気口及び排気口を設け、吸気口から排気口に至る風路中において、オイルパルス機構部にファンを設けたので、オイルパルス機構部を専用のファンにより効果的に冷却することができる。しかも、ファンを回転させる動力源としてオイルパルス機構部の回転力を利用しているので、ファンの動力源を別途準備する必要がない。
請求項2の発明によれば、ハウジング部は、ハウジング本体と金属製のハンマケースを含み、吸気口及び排気口は、ハンマケースに形成されるので、ハウジング本体側の構造を何ら変更することなくハンマケース側の変更で本発明を実現できる。
請求項3の発明によれば、吸気口は、オイルパルス機構部の前方部外周付近に設けられ、排気口は、オイルパルス機構部の後方部外周付近に設けられ、ファンとして、排気口の内周側対向位置に遠心ファンを設けたので、遠心ファンによって効率よく冷却風路を形成することができ、効率良くオイルパルス機構部を冷却することができる。
請求項4の発明によれば、ハンマケースの遠心ファンと径方向に対向する箇所に、半径方向に内径を大きくした凹部を形成したので、遠心ファンを設けたことによるハンマケースの直径の増加を抑えることができる。
請求項5の発明によれば、吸気口と径方向に対向する領域にだけ、又は、排気口と径方向に対向する領域にだけファンを設けたので、遠心ファンの効率を引き出すことができる最適な位置にファンを設けることができる。
請求項6の発明によれば、吸気口近傍のオイルパルス機構部外周にアキシャルファンを設けたので、より冷却性能を高めることができる。
請求項7の発明によれば、吸気口にフィルタを設けたので、作業の際に発生する切屑等を吸気口から吸い込むことを防止することができる。
請求項8の発明によれば、ハンマケースの外周にプロテクタを設け、ハンマケースとプロテクタの間に介在させるようにして吸気口にフィルタを設けたので、プロテクタを用いてフィルタを容易に固定することができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図1に示す方向であるとして説明する。
図1は、本発明の実施例に係るオイルパルス工具の全体を示す縦断面図である。オイルパルス工具1は、充電可能な電池16から供給される電力を利用し、モータ5を駆動源とし、減速機構たる遊星歯車機構3を介してオイルパルス機構部4を駆動し、オイルパルス機構部4に連結されたスピンドル9に回転力と打撃力を与えることによってドライバビットやソケットビット等の図示しない先端工具に回転打撃力を連続的又は間欠的に伝達させてネジ締めやボルト締め等の作業を行う。
モータ5は、例えば直流モータであって、2つのベアリング19a、19bによってその回転軸5aが回転可能なように支持される。ハウジング本体部2はプラスチック等の成型により製造されるが、モータ5の回転軸5aを通る鉛直な面で分割可能、つまり左右方向に2分割可能に構成され、複数のネジによって固定される。そのためハウジング本体部2には、複数のネジ穴18とそれに対応するネジボス(図示せず)が形成される。
ハウジング部は、プラスチック等の合成樹脂の一体成型により構成されるハウジング本体部2と、金属製の一体成型により製造されるハンマケース6を含んで構成される。ハウジング部の内部には、後方よりモータ5、遊星歯車機構部3、オイルパルス機構部4が収容される。ハウジング本体部2には、モータ8の下方から下方向に延びるハンドル部2aが形成され、ハンドル部2aの取り付け部付近にはトリガスイッチ14が配設される。ハンドル部2aの内部にはスイッチ回路基板28が設けられ、トリガスイッチ14を引いた量に比例する電力がモータ5に供給される。
遊星歯車機構部3の前方側に配置されるオイルパルス機構部4は、入力軸に連結された筒状体であるライナ10が遊星歯車機構部3の出力軸に連結され、モータ3の回転が減速された状態で伝達される。遊星歯車機構部3は、その前後を2つのベアリング29a、29bによって回転可能に保持される。前方側のベアリング29aは、オイルパルス機構部4の後ろ側を保持する機能を兼用するため、大きいベアリングを用いると良い。オイルパルス機構部4は、作動油を充填した筒状のライナ10でスピンドル9を軸支させ、このスピンドル9にケース内を周方向で複数のオイル室に分割するブレード11を設ける。ライナ10とスピンド9との相対回転により、ブレード11とケース内面とで作動油をシールし、オイル室内を所定の圧力まで上昇させ、スピンドル9へ瞬間的に衝撃トルクを伝達する。
作業者によってトリガスイッチ14が引かれてモータ5が起動すると、モータ5の動力は先端に連結されるピニオン17を介して遊星歯車機構3に伝達され、オイルパルス機構部4のライナ10を駆動する。オイルパルス機構部4は、ライナ10に形成した空洞内にオイルを充填、密閉し、ライナ10内に同軸上に嵌挿したスピンドル9に2個のブレード挿入溝を設ける。そしてブレード挿入溝内にブレード11を嵌挿し、ブレード11をスピンドル9の外周方向に付勢してライナ10に当着するように構成した。ライナ10を回転駆動することにより、ライナ10の内周面に形成したシール部とスピンドル9の外周面に形成したシール部が合致した時オイルパルス機構部4内に圧力が発生し、スピンドル9から衝撃トルクとして発生され、先端工具(図示省略)を介して締付作業を行う。
オイルパルス機構部4による打撃が行われると、オイルパルス機構部4の内部ではオイルが高圧室から低圧室へ押し出される際の摩擦や、ブレード11とライナ10の摺動摩擦により発熱する。この熱をオイルパルス機構部4から放熱させるため、図1に示すようにオイルパルス機構部4の外側のハンマケース6及びプロテクタ7に、吸気口(空気取入口)8と排気口15を形成した。吸気口8から排気口15に至る領域においては、ハンマケース4の内壁の大きさがオイルパスル機構部4に対して比較的大きめに構成される。そして、排気口15が形成された部分において、オイルパルス機構部4の外周(ライナ10の外周)にラジアルファン13を設けた。この構成により、ライナ10が回転した際にラジアルファン13が回転し、吸気口8から空気を吸い込んで、この空気がオイルパルス機構部4の外周に沿って流れることによって、発熱するオイルパルス機構部4を冷却することができる。オイルパルス機構部4の外周に沿って流れた空気は、ラジアルファン13によって排気口15から外部に排出される。
次に図2を用いて、オイルパルス機構部4の周囲を流れる空気の流れを説明する。オイルパルス機構部4の外周に設けられたラジアルファン13は、オイルパルス機構部4が回転することによって空気を円周方向外側に排出する遠心ファンである。吸気口8はハンマケース6に形成され、その位置はオイルパルス機構部4の前方部の外周側対向位置である。また、排気口15はハンマケース6に形成され、その位置はオイルパルス機構部4の後方部の外周側対向位置である。オイルパルス機構部4の外側のハンマケース6の形状は、吸気口8側から排気口15側にかけて空気を流すことが可能になるように形成される。尚、前方部、後方部、及び中央部は、オイルパルス機構部4のライナ10の太径部の前後方向(軸方向)に等間隔で分けた部分である。吸気口8の位置は前方部に対応する位置であれば良く、必ずしも前端部である必要はない。また、排気口15の位置は、前方部に対応する位置であれば良く。必ずしも後端部である必要はない。但し、吸気口8から排気口15までの距離が十分長い方が好ましい。
吸気口8の数としては、本実施例においてはハンマケース6の上下の2箇所に設けているが、2箇所だけに限られずに、1箇所でも良いし、2箇所以上の複数箇所に設けても良い。同様に、排気口15は、本実施例においてはハンマケース6の上側1箇所に設けているが、1箇所だけに限られずに、2箇所以上でも良い。
ハンマケース6の外周側には、プロテクタ7が被される。プロテクタ7は、弾力性のある合成樹脂により構成され、ハンマケース6の吸気口8及び排気口15に対応する位置に同様の開口部が形成される。
スピンドル9の先端部分には取付穴9aが形成される。取付穴9aには、図示しない先端工具が装着される。スピンドル9の一部にはボール21を入れるための穴が形成され、スピンドル9の先端部分の外周側にはスリーブ12が設けられる。スリーブ12はスプリング22によって後方に付勢され、ボール21の外周側への移動を制限又は解除することにより図示しない先端工具の取付穴9aへの着脱を可能にする。
本実施例によれば、オイルパルス機構部4の外側のハンマケース6及びプロテクタ7形状を吸気口8側から排気口15側にかけて大きくし、排気口15側のオイルパルス機構部4の外周部分にラジアルファン13を設けることにより、オイルパルス機構部4の冷却構造を実現できる。また、この冷却機構を実現するに当たり、オイルパルス機構部4の長さだけでなく、インパクト工具1の長さL(図1参照)を延ばす必要がない。尚、オイルパルス機構部4を覆うハンマケース6の直径が若干大きめになるが、それでもハウジング本体2のモータ5を収容する部分の直径に比べて小さいので、ハンマケース6の直径のわずかな増大はインパクト工具の作業性を悪化させる等の問題を引き起こさないものである。
次に、図3を用いて本発明の第2の実施例を説明する。図3に示すオイルパルス機構部24においては、ラジアルファン23に加えて、オイルパルス機構部24の前方部であって吸込口8の近傍位置に、アキシャルファン(軸流ファン)25を追加して設けた。アキシャルファン25を設けることにより、吸込口8からの空気流量が増加する。また、吸引された空気は矢印26のようにオイルパルス機構部24の外周部をらせん状に斜めに流れるので、オイルパルス機構部24に対する冷却効果をより高めることができる。尚、ラジアルファン13及びアキシャルファン23はオイルパルス機構部24のライナ10に直接加工して一体構成として製造しても良いし、金属製の別部品としてオイルパルス機構部4の外周(ライナ10の外周)に圧入することにより製造しても良い。
第2の実施例においては、吸気口8側のオイルパルス機構部24外周にアキシャルファン25を設けることにより、空気の吸込み量を増加させることができ、オイルパルス機構部24外周の空気の流れをらせん状にでき、オイルパルス機構部の冷却性能をアップでき、より長く連続作業ができる。
次に、図4を用いて第2の実施例の変形例を示すオイルパルス機構部24付近の構造を説明する。上述した実施例では、ハンマケース6とプロテクタ7に吸気口8を設け、外気を取込むように構成したので、吸気口8を開口させたままにすると作業時に発生した切屑等を吸い込んでしまい、オイルパルス機構部24の回転動作不良を生じさせる恐れがある。そこで、本変形例では、吸気口8において、ハンマケース6とプロテクタ7の間にメッシュ状のフィルタ32を設けた。フィルタ32は吸気口8の開口面積に比べて十分大きいものを用いて、開口部を完全に覆うように配置する。フィルタ32はハンマケース6に貼り付けられ、プロテクタ7によって吸気口8以外の領域を覆うように構成される。フィルタ32として厚さが十分薄いメッシュ状のフィルタ部材を用いることにより、フィルタ32部分の直径の増大を極小に押さえつつ、切屑等の吸込みを防止することができる。尚、フィルタ32の代わりに、吸気口8を細長いスリット状の形状としても良い。
次に図5及び図6を用いて本発明の第3の実施例を説明する。図5は本発明の第3の実施例を示すオイルパルス機構部34及び遠心ファンユニット33の取り付け構造を示す側面図である。図5においては、オイルパルス機構部34は従来から用いられているものと基本的に同様であり、外周側に何も加工されていない。ファンユニット33の後方に突出する嵌合軸部34aは、その後方側の断面形状が六角形状をしており、その前方側の断面が円形となっている。嵌合軸部34aは一体の部材により構成され、六角形状の部分は機械加工することにより形成される。このオイルパルス機構部34に、後方側から遠心ファンユニット33を装着する。
遠心ファンユニット33は、例えばプラスチック等の高分子樹脂による一体成型で製造されたもので、後方の大部分が閉じられた円筒部33aを有し、円筒部33aの外周側に複数のフィン33bが形成される。ファンユニット33の後方側には、嵌合軸部34aの外周部分とは接触しない程度の開口部33eが形成される。ファンユニット33の内部には4つの突起33dが形成される。この突起33dは、オイルパルス機構部34の後面34bに設けられた穴34cに挿入される。これらの突起33dと穴34cは、遠心ファンユニット33とオイルパルス機構部34が相対的に回転しないようにするための回り止め機構となる。ファンユニット33の後端(開口部33e)は、ベアリング29aの内輪と接触するように位置する。このため、ファンユニット33が後方へと移動できないため、遠心ファンユニット33はオイルパルス機構部34の後端部に嵌め込むだけで良く遠心ファンユニット33をオイルパルス機構部34に接着材等で強固に固定する必要はない(尚、接着して固定してもかまわない)。オイルパルス機構部34の後面34bの大部分は遠心ファンユニット33により覆われ、遠心ファンユニット33を装着した状態で遊星歯車機構部3に装着される。
図6は遠心ファンユニット33を後方から見た背面図である。遠心ファンユニット33の回転中心付近には、オイルパルス機構部34の嵌合軸部34a(図5参照)の突出を許容させるための中央部に大きな開口部33eが形成される。遠心ファンユニット33は、空気流を発生させる目的であるので、その肉厚は薄くて良いので、遠心ファンユニット33を設ける事によるオイルパルス機構部34の重要増加は僅かであり、操作性に影響するほどではない。
第3の実施例によれば、従来から用いられるオイルパルス機構部34に何ら変更を加えることなく、遠心ファンユニット33をオイルパルス機構部34に装着するだけでオイルパルス機構部4のファン構成が実現できるので、安価なコストで本発明を実現することができる。また、遠心ファンユニット33はプラスチック等の合成樹脂により製造できるので、複雑な形状のファンも実現できる。
次に、図7を用いて本発明の第4の実施例を説明する。上述した冷却構造では、オイルパルス機構部の外周側とハンマケースの内周側の間に冷却ファンを設けているため、ハンマケースの直径が若干太くなっていた。オイルパルス工具の使用環境によっては、工具の前後長の増加よりもハンマケースの細さを重視する場合もあり得る。そこで実施例4においては、ハンマケース46及びプロテクタ47の前端に吸気口48を形成し、モータ5とオイルパルス機構部44の間に冷却ファン40を設けた。
冷却ファン40の回転によりハンマケース46及びプロテクタ47の前方の吸気口48から空気を吸込み、この空気をオイルパルス機構部44の外郭に沿って流すように構成した。オイルパルス機構部4の後端まで流れた空気は冷却ファン40に流入し、冷却ファン40によって半径方向外側に流れて排出口45から外部に排出される。冷却ファン40は、モータ5用の冷却ファン39とは別に設けられるもので、例えばプラスチック等の一体成型により製造され、オイルパルス機構部44の嵌合軸部と同軸上に取り付けられる。第4の実施例においては、第1及び第2の実施例によるオイルパルス工具に比べ、冷却ファン40の全長L2の分だけオイルパルス工具の全長(L1+L2)が長くなるが、その代わりハンマケース46の直径を細くすることができる(尚、図7では空気流路の存在がわかりやすいように、ハンマケース46の直径を大きめに描いている)。
第4の実施例によれば、従来のオイルパルス工具に比べて冷却ファン40を追加して、ハンマケース46及びプロテクタ47を改良するだけで本発明の構成が実現できるので、コストの上昇を少なく押さえつつ、オイルパルス機構部4を冷却することができ、連続作業が可能になる。
以上、本発明を示す実施例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば 上述の実施例においては、オイルパルス機構部の両端のハウジングに吸気口と排気口を設け、排気口側のオイルパルス機構部外周に排気用ファンを設けたが、吸気口近傍のオイルパルス機構部外周に吸気用ファンを設けるように構成しても良い。
また、上述の実施例においては、オイルパルス機構部は減速部(遊星歯車機構部)を介してモータの回転軸に接続したが、モータの回転軸に直接オイルパルス機構部を接続する構成のオイルパルス工具においても同様に適用できる。さらに、モータの種類はブラシ付きの直流モータだけに限られず、ブラシレス直流モータ、交流モータ、エアモータ、或いは、任意の駆動源であっても同様に適用できる。
1 オイルパルス工具 2 ハウジング本体部 2a ハンドル部
3 遊星歯車機構部 4 オイルパルス機構部
5 モータ 5a (モータの)回転軸 6 ハンマケース
7 プロテクタ 8 吸気口 9 スピンドル 10 ライナ
11 ブレード 12 スリーブ 13 ラジアルファン
14 トリガスイッチ 15 排気口 16 電池
17 ピニオン 18 ネジボス 19a、19b ベアリング
20 インナカバー 21 ボール 22 スプリング
23 ラジアルファン 24 オイルパルス機構部
25 アキシャルファン 32 メッシュフィルタ
33 遠心ファンユニット 33a 円筒部 33b フィン
33c 後面 33d 突起 33e 開口部
34 オイルパルス機構部 34a (オイルパルス機構部の)嵌合軸部
34b (オイルパルス機構部の)後面
34c (オイルパルス機構部の)穴
39 (モータ用の)冷却ファン
40 (オイルパルス機構部用の)冷却ファン
44 オイルパルス機構部 45 排気口 46 ハンマケース
47 プロテクタ 48 吸気口 50 ライナ
51 オイルパルス工具
3 遊星歯車機構部 4 オイルパルス機構部
5 モータ 5a (モータの)回転軸 6 ハンマケース
7 プロテクタ 8 吸気口 9 スピンドル 10 ライナ
11 ブレード 12 スリーブ 13 ラジアルファン
14 トリガスイッチ 15 排気口 16 電池
17 ピニオン 18 ネジボス 19a、19b ベアリング
20 インナカバー 21 ボール 22 スプリング
23 ラジアルファン 24 オイルパルス機構部
25 アキシャルファン 32 メッシュフィルタ
33 遠心ファンユニット 33a 円筒部 33b フィン
33c 後面 33d 突起 33e 開口部
34 オイルパルス機構部 34a (オイルパルス機構部の)嵌合軸部
34b (オイルパルス機構部の)後面
34c (オイルパルス機構部の)穴
39 (モータ用の)冷却ファン
40 (オイルパルス機構部用の)冷却ファン
44 オイルパルス機構部 45 排気口 46 ハンマケース
47 プロテクタ 48 吸気口 50 ライナ
51 オイルパルス工具
Claims (8)
- モータと、モータにより駆動され油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルス機構部と、
前記オイルパルス機構部を収容するハウジング部を有するオイルパルス工具であって、
前記ハウジング部の前記オイルパルス機構部の近傍に吸気口及び排気口を設け、
前記吸気口から前記排気口に至る風路中において、前記オイルパルス機構部にファンを設けたことを特徴とするオイルパルス工具。 - 前記ハウジング部は、前記モータを収容すると共にハンドル部を有するハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられ前記オイルパルス機構部を収容する金属製のハンマケースを含み、
前記吸気口及び前記排気口は、前記ハンマケースに形成されることを特徴とする請求項1に記載のオイルパルス工具。 - 前記吸気口は、前記オイルパルス機構部の前方部外周付近に対向する位置において前記ハンマケースに形成され、
前記排気口は、前記オイルパルス機構部の後方部外周付近に対向する位置において前記ハンマケースに形成され、
前記ファンとして、前記排気口の内周側対向位置に遠心ファンを設けたことを特徴とする請求項2に記載のオイルパルス工具。 - 前記ハンマケースの前記遠心ファンと径方向に対向する箇所に、半径方向に内径を大きくした凹部を形成したことを特徴とする請求項3に記載のオイルパルス工具。
- オイルパルス機構部において、前記吸気口と径方向に対向する領域にだけ、又は、前記排気口と径方向に対向する領域にだけ、前記ファンを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルパルス工具。
- 前記オイルパルス機構部の軸方向であって、前記吸気口と前記排気口の間の領域において、オイルパルス機構部の外周側に軸流ファンを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルパルス工具。
- 前記吸気口にフィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のオイルパルス工具。
- 前記ハンマケースの外周にプロテクタを設け、
前記ハンマケースと前記プロテクタの間に介在させるようにして前記吸気口にフィルタを設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のオイルパルス工具。
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2009
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