JP2010284013A - インバータ制御装置と電動圧縮機および家庭用電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】PWM信号がオフ期間中における位置検知のタイミングを補正し転流時間の遅れを低減することにより、ブラシレスDCモータが脱調停止するのを防止し信頼性の高いインバータ制御装置を提供するものである。
【解決手段】PWM信号のオン期間中における位置検知回路部206が出力する位置検知信号に基づいて、PWM信号のオフ期間中におけるロータ203bの位置検知を推定することにより、PWM信号のオフ期間中におけるロータ203bの位置検知の誤差を低減することができるという作用を有する。
【選択図】図1
【解決手段】PWM信号のオン期間中における位置検知回路部206が出力する位置検知信号に基づいて、PWM信号のオフ期間中におけるロータ203bの位置検知を推定することにより、PWM信号のオフ期間中におけるロータ203bの位置検知の誤差を低減することができるという作用を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブラシレスDCモータのセンサレス制御によるインバータ制御装置に関するものであり、またインバータ制御装置を用いた電動圧縮機および冷蔵庫等の家庭用電気機器に関するものである。
従来この種のインバータ制御装置は、制御の容易さの観点から120度通電方式が採用されており、電動圧縮機などでは使用環境、信頼性、メンテナンスの観点から、ホール素子等のセンサを用いずにステータ巻線に生じる誘起電圧によりロータ磁極位置を検知するセンサレス方式による制御が用いられている。
この場合、無制御期間中の電気角60度を用い、上下アームのスイッチのオフ期間中にモータ端子に現れる誘起電圧を観測することにより、ロータ磁極位置を得ているものが多い。
以下、図面を参照しながら、上記従来のインバータ制御装置について説明する。
図4は、特許文献1に記載された従来のインバータ制御装置の構成を示す図、図5は、従来のインバータ制御装置の各部の信号波形および処理内容を示す図である。
図4において、直流電源001の端子間に3対のスイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzをそれぞれ直列接続してインバータ回路部140を構成している。ブラシレスDCモータ105はステータ(図示せず)と、ロータ105aで構成されている。ロータ105aは内部に永久磁石105α,105βを埋め込んだ磁石埋込型構造である。
各対のスイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzどうしの接続点は、ブラシレスDCモータ105のY接続された各相のステータ巻線105u,105v,105wの端子にそれぞれ接続されている。
なお、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzのコレクターエミッタ端子間にそれぞれ保護用の還流ダイオードDu,Dx,Dv,Dy,Dw,Dzが接続されている。
抵抗101,102は、母線103,104間に直列に接続されており、その共通接続点たる検出端子ONは、ブラシレスDCモータ105のステータ巻線105u,105v,105wの中性点の電圧に相当する直流電源001の電圧の1/2たる仮想中性点の電圧VNを出力するようになっている。
コンパレータ106a,106b,106cは、これらの各非反転入力端子(+)は抵抗107,108,109を介して出力端子OU,OV,OWにそれぞれ接続され、各反転入力端子(−)は、検出端子ONに接続されている。
そしてこれらのコンパレータ106a,106b,106cの出力端子は論理手段たるマイクロプロセッサ110の入力端子I1,I2,I3にそれぞれ接続されている。
マイクロプロセッサ110は電気角1周期当りのタイマ値を算出し、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzの転流信号を決定する。
マイクロプロセッサ110は電気角1周期当りのタイマ値を算出し、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzの転流信号を決定する。
また、マイクロプロセッサ110は回転速度指令に基づいて、電圧指令をPWM(パルス幅変調)変調するとともに、回転速度指令と実回転速度の偏差に基づきPWM変調信号のON/OFF比であるデューティ量を制御し、3相分のPWM変調信号を出力する。
そして、回転速度指令に対し、実回転速度が低いとデューティを大きくし、逆に実回転速度が高いとデューティを小さくする。
このPWM変調信号は出力端子O1,O2,O3,O4,O5,O6からドライブ回路120に供給され、ドライブ回路120が、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzのそれぞれのベース端子に供給すべきドライブ信号を出力する。
図5において、(A),(B),(C)は定常動作時におけるステータ巻線105u,105v,105wの端子電圧Vu,Vv,Vwを示すものである。
これらの端子電圧Vu,Vv,Vwは、インバータ回路部140による供給電圧Vua,Vva,Vwaと、ステータ巻線105u,105v,105wに発生する誘起電圧Vub,Vvb,Vwbと、転流切り換え時にインバータ回路部140の還流ダイオードDu,Dx,Dv,Dy,Dw,Dzの内のいずれかが導通することにより生じるパルス状のスパイク電圧Vuc,Vvc,Vwcとの合成波形となる。
そして、これらの端子電圧Vu,Vv,Vwと直流電源001の1/2の電圧たる仮想中性点の電圧VNとコンパレータ106a,106b,106cにより比較した出力信号PSu,PSv,PSwが(D),(E),(F)に示されている。
この場合、コンパレータ106a,106b,106cの出力信号PSu,PSv,PSwは、前述の誘起電圧Vub,Vvb,Vwbの正および負ならびに位相を表わす信号PSua,PSva,PSwaと、前述のパルス状電圧のVuc,Vvc,Vwcに対応する信号PSub,PSvb,PSwbとからなる。
また、パルス状のスパイク電圧のVuc,Vvc,Vwcは、ウェイトタイマにより無視しているので、コンパレータ106a,106b,106cの出力信号PSu,PSv,PSwは、結果として誘起電圧Vub,Vvb,Vwbの正および負ならびに位相を示すものとなる。
マイクロプロセッサ110は、各コンパレータ106a,106b,106cの出力信号PSu,PSv,PSwの状態に基づいて(G)に示す如き6つのモードAからFを認識し、出力信号PSu,PSv,PSwのレベルが変化した時点から電気角で30度だけ遅らせて、(J)から(O)に示すように、ドライブ信号DSu,DSv,DSw,DSx,DSy,DSzを出力する。
モードAからFの各時間T(H)は電気角60度を示すものであり、AからFの1/2の時間(I)即ちT/2は電気角で30度に相当する遅延時間を示すものである。
このように、ブラシレスDCモータ105のロータ105aの回転に応じて、ステータ巻線105u,105v,105wに生ずる誘起電圧Vub,Vvb,Vwbからロータ105aの位置状態を検出するとともに、その誘起電圧Vub,Vvb,Vwbの変化時間Tを検出してステータ巻線105u,105v,105wへの通電モードおよびタイミングにより各相ステータ巻線105u,105v,105wの通電のための駆動信号を決
定して実行させるようにしている。
定して実行させるようにしている。
しかしながら、上記従来の構成では、ブラシレスDCモータ105の回転数を可変するためにPWM制御を行なった場合、出力端子OU、OV、OWに接続されているコンパレータ106a、106b,106cの各入力端子はPWM信号が重畳した電圧を検出するため、ロータ105aの誘起電圧Vub,Vvb,Vwbの検出電圧波形に対してもPWM信号が重畳することとなり、マイクロプロセッサ110はPWM信号がオン中の各コンパレータ出力を位置検知信号として判定する必要が生じる。
従って、PWM信号のキャリア周波数が低くPWM信号がオンとなる周期が長い場合や、PWM信号のデューティ値が小さくPWM信号がオンとなる時間が短い場合は、誘起電圧Vub,Vvb,Vwbと仮想中性点の電圧VNの比較結果が一致する時点がPWM信号のオフ期間中に発生する可能性が高くなり、その後PWM信号がオンとなることで発生する位置検知信号出力の判定結果が得られるまでの遅れ時間が大きくなる。
このためロータ105aの位置に対して転流が遅れることとなり、負荷トルク増加時にブラシレスDCモータが脱調停止するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、PWM信号がオフ期間中における位置検知のタイミングを補正し転流時間の遅れを低減することにより、ブラシレスDCモータが脱調停止するのを防止し信頼性の高いインバータ制御装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のインバータ制御装置は、ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する位置検知回路部と、ブラシレスDCモータの回転数を可変するPWM制御を行うためのPWM信号を発生するPWM制御手段と、位置検知回路部で検出した誘起電圧に基づいてロータの位置検知の判定を行う位置検知判定手段と、位置検知回路部で検出した誘起電圧に基づいてブラシレスDCモータのステータ巻線に対してロータの永久磁石による磁極中心の相対位置の判定を行い位置信号を出力する位置検知判定手段とを備え、PWM信号のオン期間中における位置検知回路部が出力する位置検知信号に基づいて、PWM信号のオフ期間中におけるロータの磁極位置を推定することにより、PWM信号のオフ期間中におけるロータの位置検知の誤差と転流の遅れを低減することができるという作用を有する。
本発明のインバータ制御装置は、インバータ出力電圧のPWM信号のキャリア周波数が低い、またはデューティ値が小さい場合においても、PWM信号のオフ期間中におけるロータの位置検知の誤差と転流の遅れを低減することができ、低速運転時の負荷トルク増加時にブラシレスDCモータが脱調停止することを防止することができる。
請求項1に記載の発明は、ロータに永久磁石を設けたブラシレスDCモータを駆動するインバータ回路部と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する位置検知回路部と、前記ブラシレスDCモータの回転数を可変するPWM制御を行うためのPWM信号を発生するPWM制御手段と、前記位置検知回路部で検出した誘起電圧に基づいて前記ブラシレスDCモータのステータ巻線に対してロータの永久磁石による磁極中心の相対位置の判定を行い位置信号を出力する位置検知判定手段と、前記位置検知判定手段からの位置信号に基づいて転流信号を発生する転流制御手段とを備え、PWM信号のオン期間中における前記位置検知回路部が出力する位置検知信号に基づいてPWM信号のオフ期間中における前記ロータの磁極位置を推定することを特徴とするもので、インバータ出力電圧のPWM信号のキャリア周波数が低い、またはデューティ値が小さい場合においても、PWM信号のオフ期間中におけるロータの位置検知の誤差と転流の遅れを低減することができ、低速運転時の負荷トルク増加時にブラシレスDCモータが脱調停止することを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、PWM信号がオンしてから前記位置検知判定手段が位置検知信号の判定を開始するまでのディレイ時間をTとし、PWM信号がオンする直前のオフ時間をSとした時、ロータの位置検知は、位置検知信号の検出タイミングから下記(数1)で算出される補正時間ΔTを減じたタイミングであると推定するもので、PWM信号のキャリア周波数が低い、またはデューティ値が小さい場合においても、PWM信号がオンした直後に発生するリンギング電圧を無視するためのディレイ時間を含めたPWM信号のオフ期間中におけるロータの位置検知の誤差と転流の遅れを低減することができ、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、低速運転時の負荷トルク増加時にブラシレスDCモータが脱調停止することを防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ制御装置を用いたものであり、低速運転時の負荷トルク増加時に脱調耐量を向上することができ、信頼性の高い冷蔵庫等の家庭用電気機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置のブロック図、図2は、同実施の形態における各部の信号波形と処理内容を示す図、図3は、同実施の形態における動作を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置のブロック図、図2は、同実施の形態における各部の信号波形と処理内容を示す図、図3は、同実施の形態における動作を示すフローチャートである。
図1において、インバータ制御装置200は商用交流電源201と電動圧縮機220に接続されており、商用交流電源201を直流電源に変換する整流部202と、電動圧縮機220のブラシレスDCモータ203を駆動するインバータ回路部204を備えている。
さらにインバータ回路部204を駆動するドライブ回路205と、ブラシレスDCモータ203の端子電圧を検出する位置検知回路部206とインバータ回路部204を制御するマイクロプロセッサ207を備えている。
マイクロプロセッサ207は、位置検知回路部206からの出力信号に対してブラシレスDCモータ203の磁極位置を検出する位置検知判定手段208、転流信号を生成する転流制御手段209、位置検知判定手段208からの出力に対し回転速度を算出する回転速度検出手段210、回転速度に応じて転流信号に対しPWM変調を行うためのデューティ設定手段211、キャリア設定手段212、PWM制御手段213、そして転流制御手段209とPWM制御手段213の出力によりドライブ回路205を駆動するためのドライブ制御手段214を備えている。
ブラシレスDCモータ203は、3相巻線のステータ203aとロータ203bとで構成されている。
ステータ203aはステータ巻線203u,203v,203wを備え、ロータ203bは内部に永久磁石203α,203β,203γ,203δ,203ε,203ζを配置している。
インバータ回路部204は、6つの三相ブリッジ接続されたスイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzと、それぞれに並列に接続された環流ダイオードDu,Dx,Dv,Dy,Dw,Dzより構成されている。
位置検知回路部206は、コンパレータ(図示せず)などから構成されており、ブラシレスDCモータ203の誘起電圧に基づく端子電圧信号と基準電圧とをコンパレータにより比較して位置検出信号を得ている。
位置検知判定手段208は、位置検知回路部206の出力信号からロータ203bの位置検知信号を得て位置信号を生成する。
転流制御手段209は、位置検知判定手段208の位置信号により転流のタイミングを計算し、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzの転流信号を生成する。
回転速度検出手段210は、位置検知判定手段208からの位置信号を一定期間カウントしたり、パルス間隔を測定したりすることによりブラシレスDCモータ203の回転速度を算出する。
デューティ設定手段211は、回転速度検出手段210から得られた回転速度と、指令回転速度との偏差からデューティの加減演算を行ない、デューティ値をPWM制御手段213へ出力する。回転速度指令に対し実回転速度が低いとデューティを大きくし、逆に実回転速度が高いとデューティを小さくする。
キャリア出力手段212ではスイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzをスイッチングするキャリア周波数を設定する。
PWM制御手段213では、デューティ設定手段211で設定されたデューティ値と、キャリア出力手段212で設定されたキャリア周波数から、PWM変調信号を出力する。
ドライブ制御手段214では、転流信号とPWM変調信号を合成し、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,TrzをON/OFFするドライブ信号を生成し、ドライブ回路205へ出力する。ドライブ回路205では、ドライブ信号に基づき、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,TrzのON/OFFスイッチングを行ない、ブラシレスDCモータ203を駆動する。
次に図2に示すインバータ制御装置の各種波形について説明する。
図2において、(A),(B),(C)は、ブラシレスDCモータ203のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwであり、それぞれの位相が120度ずつずれた状態で変化する。
これらの端子電圧Vu,Vv,Vwは、インバータ回路部204による供給電圧Vua,Vva,Vwaと、ステータ巻線203u,203v,203wに発生する誘起電圧Vub,Vvb,Vwbと、転流切り換え時にインバータ回路部204の還流ダイオードDu,Dx,Dv,Dy,Dw,Dzの内のいずれかが導通することにより生じるパルス状のスパイク電圧Vuc,Vvc,Vwcとの合成波形となる。
そして、これらの端子電圧Vu,Vv,Vwと直流電源電圧1の1/2の電圧たる仮想中性点の電圧VNとを比較し、コンパレータより出力する出力信号PSu,PSv,PSwを(D),(E),(F)に示している。
この出力信号PSu,PSv,PSwは、供給電圧Vua,Vva,Vwaに対応するPSua,PSva,PSwaと、スパイク電圧Vuc,Vvc,Vwcに対応するPSuc,PSvc,PSwcと、誘起電圧Vub,Vvb,Vwbと仮想中性点の電圧VN比較中の期間に相当するPSub,PSvb,PSwbとの合成信号となる。
ここで、パルス状のスパイク電圧Vuc,Vvc,Vwcは、特許文献1に記載された従来のインバータ制御装置におけるウェイトタイマである第1タイマ122、第2タイマ123と同様に、待機時間(G)によって無視するため、コンパレータの出力信号PSu,PSv,PSwは、結果として誘起電圧Vub,Vvb,Vwbの正および負ならびに位相を示すものとなる。
マイクロプロセッサ207は、各コンパレータの出力信号PSu,PSv,PSwの状態に基づいて(H)に示す如き6つのモードAからFを認識し、出力信号PSu,PSv,PSwの状態に応じて、(I)から(N)に示すように、ドライブ信号DSu,DSv,DSw,DSx,DSy,DSzを出力する。
つまり、(H)に示すAからFの各モードにおける経過時間は、マイクロプロセッサ207が認識する位置検出信号の状態変化の発生間隔、即ち位置検出間隔(O)を示している。
続いて、図3の位置検知判定手段208の動作を示すフローチャートにより詳細な動作を説明する。
まずステップ101において、PWM信号のオフ時間とPWM信号がオンしてから位置検知信号の検出判定を開始するまでのディレイ時間の合計時間の1/2として、補正時間の算出を行う。
ここで上記ディレイ時間について説明する。一般にPWM信号が重畳した誘起電圧波形
は、PWM信号がオンした直後にリンギングが生じるため、位置検知回路部206の検出電圧波形は、振動を生じながら誘起電圧Vub,Vvb,Vwbに等しい電圧値に収束する。
は、PWM信号がオンした直後にリンギングが生じるため、位置検知回路部206の検出電圧波形は、振動を生じながら誘起電圧Vub,Vvb,Vwbに等しい電圧値に収束する。
このため、リンギングによる振動電圧の振幅が仮想中性点の電圧VNを超えた場合、コンパレータの出力信号PSu,PSv,PSwがチャタリングを起こすため、位置検知判定手段208は正常な判定が不可能となる。
従って、PWM信号がオンしてから位置検知信号の判定を開始するまでディレイ時間を設けることで、リンギング電圧を無視することとしている。
即ち、PWM信号がオンしてから位置検知信号の判定を開始するまでのディレイ時間をTとし、PWM信号がオンする直前のオフ時間をSとした時、補正時間ΔTを上記(数1)によって算出する。
次にステップ102において、PWM信号の状態の判定を行う。PWM信号がオフ中の場合は、そのまま位置検知判定手段208は動作を終了する。一方、PWM信号がオンの場合は、ステップ103に進む。
ステップ103は、PWM信号がオンとなった後のディレイ時間の経過について判定を行う。ディレイ時間未満の場合は、そのまま位置検知判定手段208は動作を終了する。一方、ディレイ時間を経過している場合は、ステップ104に進む。
そしてステップ104において、位置検知回路部206からの出力信号PSu,PSv,PSwの状態の検出を行ない、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzの出力状態、即ち図2における動作モード(H)の状態に応じた出力信号PSu,PSv,PSwの状態によって位置検知信号の検出判定を行う。
一例として、図2における動作のモード(H)がAの場合、PSuがHレベル、PSvがLレベル、PSwがHレベルを検出することによってU相端子電圧Vuの立上り検出となる。同様に、他の動作モード状態においても、PSu,PSv,PSwの状態を調べることにより、仮想中性点の電圧VNに対する各端子電圧Vu,Vv,Vwの立上り検出または立下り検出を行う。
ここで、各端子電圧Vu,Vv,Vwの立上り検出または立下り検出は、端子電圧Vu,Vv,Vwの1周期中に6回発生するため、位置検知信号の検出間隔を測定することにより電気角で60度に相当する経過時間を得ることができる。
位置検知信号が未検出の場合は、そのまま位置検知判定手段208は動作を終了する。一方、位置検知信号が検出された場合は、ステップ105に進む。
続いてステップ105において、位置検知信号の検出時点がディレイ時間と一致しているか判定を行う。
位置検知信号の検出時点がディレイ時間と一致した場合、即ち位置検知信号がディレイ時間の終了と同時に検出された場合、PWM信号のオフ時間またはPWM信号がオンとなった後のディレイ時間のいずれかの期間中において位置検知信号は既に発生していたものと判定し、ステップ106に進む。
ステップ106は、位置検知信号の検出間隔をカウントしているタイマ値から前述の補
正値を減ずるとともに後述する履歴値を加えた値を位置検知間隔として算出する。その後ステップ107において、前ステップにおいて減じた補正値を履歴値として更新する。
正値を減ずるとともに後述する履歴値を加えた値を位置検知間隔として算出する。その後ステップ107において、前ステップにおいて減じた補正値を履歴値として更新する。
一方、ステップ105において、位置検知信号の検出時点がディレイ時間と一致しない場合、即ち位置検知信号がディレイ時間の終了後に検出された場合、PWM信号のオン時間において位置検知信号が発生したものと判定しステップ108に進む。
ステップ108は、位置検知信号の検出間隔をカウントしているタイマ値に後述する履歴値を加えた値を位置検知間隔として算出する。その後ステップ109において、履歴値をクリアする。
ステップ107またはステップ109の後、ステップ110において位置検知信号の検出間隔をカウントするためのタイマをクリアした後にカウント動作を開始し、そして位置検知判定手段は動作を終了する。
以上述べた動作を位置検知判定手段208は繰返し実行する。
従って、位置検知信号が検出された時点において測定されたタイマ値、即ち前回の位置検知信号が検出された時点からの実際の経過時間に対して、位置検知判定手段208によって補正された位置検知間隔は、前述の補正値を減じた分だけ短縮されることとなる。つまり、実際の位置検知信号が検出された時点より、見かけ上過去に遡って位置検知信号が検出されたものとして認識することになる。
ところでタイマ値から補正値を減じた場合、次回の位置検知信号の発生時点において測定されたタイマ値は、減じた補正値の分だけカウント値が不足することになる。このため、今回の補正値を履歴値として記憶しておき、次回の位置検知信号の検出時点における位置検知間隔の算出の際は、測定されたタイマ値に対して履歴値を加えることによって補正を行う。即ち常に位置検知信号の検出判定においてタイマ値から減じた補正値を履歴値として記憶し、新たに測定されたタイマ値には1回前の履歴値を加えることによって、位置検知判定手段208は位置検知間隔を算出する。
以上のようにして得られた位置検知判定手段208からの位置検知信号の検出情報に基づいて、転流制御手段209は転流のタイミングを計算し、スイッチングトランジスタTru,Trx,Trv,Try,Trw,Trzの転流信号を生成する。即ち、転流制御手段209は、補正された位置検知間隔に基づいて位置検知から転流までの転流時間を設定する。
一例として、通電角120度、進角0度の場合は、補正された位置検知間隔によって得られた電気角60度に対して電気角30度に相当する転流時間を算出し、転流のタイミング設定の基点となる位置検知信号の検出時点については実際の位置検知信号の検出時点から補正値を減じた分だけ過去に遡って設定する。そしてタイマ値が転流時間を経過した時点で転流信号を出力する。
よって、インバータ出力電圧のPWM信号のキャリア周波数が低い、またはデューティ値が小さい場合においても、PWM信号のオフ期間中におけるロータ203bの位置検知の誤差と転流の遅れを低減することができ、低速運転時の負荷トルク増加時にブラシレスDCモータが脱調停止することを防止することができる。
また、電動圧縮機220に上記インバータ制御装置200を用いても、良好な運転が可能となり、冷蔵庫等の家庭用電気機器に上記インバータ制御装置200を用いても、良好
なシステム運転が可能となる。
なシステム運転が可能となる。
以上のように、本発明にかかるインバータ制御装置は、PWM信号がオフ期間中におけるロータの位置検知の誤差を低減することができ良好な運転が可能となるので、エアコン、冷蔵庫、洗濯機等の家庭用電気機器や、電気自動車などに有用である。
200 インバータ制御装置
203 ブラシレスDCモータ
203b ロータ
203α,203β,203γ,203δ,203ε,203ζ 永久磁石
204 インバータ回路部
206 位置検知回路部
208 位置検知判定手段
209 転流制御手段
213 PWM制御手段
203 ブラシレスDCモータ
203b ロータ
203α,203β,203γ,203δ,203ε,203ζ 永久磁石
204 インバータ回路部
206 位置検知回路部
208 位置検知判定手段
209 転流制御手段
213 PWM制御手段
Claims (4)
- ロータに永久磁石を設けたブラシレスDCモータを駆動するインバータ回路部と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する位置検知回路部と、前記ブラシレスDCモータの回転数を可変するPWM制御を行うためのPWM信号を発生するPWM制御手段と、前記位置検知回路部で検出した誘起電圧に基づいて前記ブラシレスDCモータのステータ巻線に対してロータの永久磁石による磁極中心の相対位置の判定を行い位置信号を出力する位置検知判定手段と、前記位置検知判定手段からの位置信号に基づいて転流信号を発生する転流制御手段とを備え、PWM信号のオン期間中における前記位置検知回路部が出力する位置検知信号に基づいてPWM信号のオフ期間中における前記ロータの磁極位置を推定することを特徴とするインバータ制御装置。
- PWM信号がオンしてから前記位置検知判定手段が位置検知信号の判定を開始するまでのディレイ時間をTとし、PWM信号がオンする直前のオフ時間をSとした時、ロータの位置検知は、位置検知信号の検出タイミングから下記(数1)で算出される補正時間ΔTを減じたタイミングであると推定する請求項1に記載のインバータ制御装置。
- 請求項1または2に記載のインバータ制御装置を用いた電動圧縮機。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ制御装置を用いた冷蔵庫等の家庭用電気機器。
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JP2009135849A JP2010284013A (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | インバータ制御装置と電動圧縮機および家庭用電気機器 |
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JP2009135849A JP2010284013A (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | インバータ制御装置と電動圧縮機および家庭用電気機器 |
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JP2009135849A Pending JP2010284013A (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | インバータ制御装置と電動圧縮機および家庭用電気機器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014087078A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Panasonic Corp | モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫 |
JP2015173564A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-01 | 株式会社デンソー | モータ駆動システム |
CN108988704A (zh) * | 2018-08-13 | 2018-12-11 | 张懿 | 一种无刷直流电机低速延迟开通时间设置方法 |
-
2009
- 2009-06-05 JP JP2009135849A patent/JP2010284013A/ja active Pending
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JP2014087078A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Panasonic Corp | モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫 |
JP2015173564A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-01 | 株式会社デンソー | モータ駆動システム |
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