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JP2010266787A5 - - Google Patents

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JP2010266787A5
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Description

画像表示装置
本発明は、複数の表示素子からの光を合成して1つの合成拡大像を提示する画像表示装置に関し、特にヘッドマウントディスプレイ(HMD)として好適な画像表示装置に関する。
HMD等の画像表示装置に用いられる観察光学系としては、自然な観察を可能とし、かつ臨場感を増すために、広画角での画像提示が望まれている。また、観察者の頭部に装着される画像表示装置は、小型で薄型であることが望ましい。
小型かつ薄型であり、広画角の画像提示が可能な画像表示装置には、表示素子を複数用い、それらに互いに異なる視野に対応する原画を表示させ、それらの原画から1つの合成像を形成してこれを観察させるものがある。複数の表示素子を用いることで、それぞれの表示素子に対応する光学系の大きさを小型かつ薄型にすることができるので、広画角でありながらも全体として小型で薄型の画像表示装置を実現できる。このような画像表示装置の例としては、特許文献1〜5にて開示されたものがある。
特許文献1〜4にて開示された画像表示装置では、合成された観察画像の境界部分を導く光束に重なりを持たせることができない光学系を用いている。このため、観察者の眼球が回転して光学系の射出瞳と観察者の瞳(つまりは画像表示装置の視軸と観察者の視軸)とにずれが生じた場合に、一部の画像からの光束が観察者の瞳に導かれず、画像が欠けた状態で観察される。
図22(a)には、V字型のミラー203と接眼レンズ204により光学系が構成される従来の画像表示装置において、観察者の眼球7が回転したときの状態を示す。眼球7が図中の上側に回転したとき、表示素子202からは図中の下側の浅い画角を形成する光束は眼球7(瞳)に導かれるが、表示素子201からの光束は導かれない。このため、下側の浅い画角を形成する光束しか眼球7(瞳)に導かれなくなってしまう。
特許文献2には、このような問題を解決するために、図22(b)に示すように、表示素子の表示領域を合成画像の分割方向に大きくして、表示素子205と表示素子206上に同じ原画を表示するオーバーラップ領域を設ける方法が開示されている。このようにオーバーラップ領域を設けることで、図22(a)の画像表示装置においては眼球(瞳)に導かれなかった光束が、表示素子205から導かれる。
ただし、すべての原画からの光束が眼球(瞳)に導かれるようにするためには、オーバーラップ領域を大きくする必要がある。例えば、水平画角を50度とし、垂直画角を40度とし、光学系の射出瞳径を12mmとし、アイレリーフ(射出瞳から光学系までの距離)を20mmとして、特許文献2の方法で画角を水平方向に分割する場合を考える。この場合にすべての原画からの光束が眼球(瞳)に導かれるようにするためには、1つの表示素子において、水平画角50度の半分の25度とオーバーラップ領域の画角13.5度との合計である38.5度の画角の原画を表示する必要がある。
つまり、水平画角50度に対してオーバーラップ領域の画角が27度となり、半分以上の画角がオーバーラップ領域となる。このように、オーバーラップ領域が大きくなると、各表示素子における画像情報の提示効率が悪く、広画角の画像表示装置を実現することが困難となる。
また、特許文献5の装置では、第1の接眼光学系の凹面鏡を全面ハーフミラーとし、特許文献1,2等にて開示されたような2枚のミラーの接合面(稜線部)によって画面中央付近の像が暗くなったり切れたりする現象を解消している。
特開平07−274097号公報 特許第3524569号公報 特開平11−326820号公報 特開平10−246865号公報 特開平09−166759号公報
しかしながら、特許文献5には、観察者の視軸と画像表示装置の視軸とが一致しない場合に生じる拡大像の繋ぎ目での画像欠けを、2つの原画に、互いに同じ画像部分を表示するオーバーラップ領域を設けることで回避している。すなわち、2つの原画においてオーバーラップ領域がない場合については言及されていない。
また、特許文献5にて開示された装置では、観察者から遠い側プリズムからのすべての光が観察者に近い側のプリズムを透過している。このため、観察者に近い側のプリズムが大きくなり、この結果、光学系全体が大型化し、小型かつ薄型であることが望ましいHMDには適していない。
より詳細に述べると、以下の2つの方向に大型化する構成である。水平方向においては、一方の表示素子から射出して観察者から遠い側のプリズムを通った光のすべてが観察者に近い側のプリズムを通っている。このため、他方の表示素子からの光束有効部に対して観察者に近い側のプリズムが水平方向に大きくなっている。また、垂直方向においても同様に光を導いているため、観察者から遠い側のプリズムと観察者に近い側のプリズムとが垂直方向にてほぼ重なるように配置されており、この結果、厚み方向に大型化している。
本発明は、複数の表示素子からの光束により形成される1つの合成拡大像を提示する画像表示装置であって、広画角でありながらも、小型かつ薄型であり、観察者の眼球が回転した場合でも画像欠けの発生を抑えることができる画像表示装置を提供する。
本発明の一側面としての画像表示装置は、第1の原画を表示する第1の表示素子と、第2の原画を表示する第2の表示素子と、第1の表示素子からの第1の光束と第2の表示素子からの第2の光束とにより第1及び第2の原画の合成拡大像を提示する光学系とを有する。光学系は、反射面を有する。光学系において第1及び第2の光束の光路が反射面での反射により折れ曲がる断面を偏心断面とするとき、第1の原画と第2の原画は、偏心断面において互いに異なる画角に対応する原画である。そして、第1の光束と第2の光束とにおいて合成拡大像における同じ像点に導かれる光束が、光学系の射出瞳面において重なり合い、該同じ像点に導かれる光束が、光学系の射出瞳の55%以上95%以下の重なり率で重なり合っていることを特徴とする。
本発明によれば、広画角でありながらも、小型かつ薄型であり、観察者の眼球が回転した場合でも画像欠けが生じにくい画像表示装置を実現することができる。
本発明の実施例1を説明する概略図。 本発明の実施例2を説明する概略図。 実施例2における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 実施例2に絞りを設けた構成に関する説明図。 実施例2における絞りの形状に関する説明図。 実施例2において従来の問題点を解消したことに関する説明図。 本発明の実施例3を説明する概略図。 実施例3における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 実施例3に絞り、ストッパー及び遮光素子を設けた構成に関する説明図。 実施例3における絞り及びストッパーの形状に関する説明図。 本発明の実施例4を説明する概略図。 実施例4における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 実施例4にストッパーを設けた構成に関する説明図。 実施例4におけるストッパーの形状に関する説明図。 本発明の実施例5を説明する概略図。 実施例5における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 本発明の実施例6を説明する概略図。 実施例6における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 本発明の実施例7を説明する概略図。 実施例7における射出瞳面での光束の重なり合いに関する説明図。 実施例7において従来の問題点を解消したことに関する説明図。 従来の光学系における問題点に関する説明図。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施例1であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、光学系の偏心断面方向(これについては後述する)である水平方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。
図1において、101は第1の表示素子、102は第2の表示素子である。表示素子としては、有機EL等の自発光表示素子や、透過型液晶パネルとバックライトとにより構成されるLCD等を用いることができる。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
104は第1の光学素子、105は第2の光学素子である。本実施例では、第1の光学素子104としてハーフミラーが用いられ、第2の光学素子105としてミラーが用いられている。6は接眼レンズである。第1及び第2の光学素子104,105及び接眼レンズ6によって、光学系が構成される。また、7は観察者の眼球であり、光学系の射出瞳の位置又はその近傍に配置されている。
「偏心断面」とは、第1及び第2の表示素子101,102からの光束(各表示素子(原画)の中心から射出して光学系の射出瞳の中心に至る中心画角主光線)の光路が、第1及び第2の光学素子104,105での反射により折れ曲がる断面である。図1に示す断面が、「偏心断面」に相当する。「偏心断面方向」とは、「偏心断面」を含む又はこれと平行な方向である。
なお、本実施例及び後述する他の実施例では、HMDについて説明するが、本発明はHMD以外の画像表示装置であって、光学系の射出瞳の位置又はその近傍に配置された観察者の眼球に画像を提示する画像表示装置に適用することができる。なお、光学系の射出瞳を含む面を、以下、射出瞳面という。
第1の表示素子101に表示された画像(第1の原画)111からの光束(第1の光束)108は、第1の光学素子104で反射され、接眼レンズ6により左側(図中の上側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。第2の表示素子102に表示された画像(第2の原画)112からの光束(第2の光束)109は、第2の光学素子105で反射され、第1の光学素子104を透過して、接眼レンズ6により右側(図中の下側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。左側の画角と右側の画角は互いに異なる画角である。
そして、光学系は、第1の光束108と第2の光束109とにより第1及び第2の原画の合成拡大像113を眼球7に提示する
このとき、第1及び第2の表示素子101,102から射出された第1の光束108と第2の光束109とにおいて、合成拡大像113における同じ像点に導かれる光束(同じ点の像を形成する光束)が射出瞳面ですべて重なり合っている。
本実施例では、射出瞳面で第1の光束108と第2の光束109とが重なり合う領域は射出瞳の100%の領域である(つまりは各光束が射出瞳内で100%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球7の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子101と第2の表示素子102にそれぞれ表示される第1の原画111と第2の原画112には、互いに同一の原画部分を表示するオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像113を図1に示すように第1の原画111と第2の原画112とをそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1の原画111と第2の原画112にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
そして、第1の原画111と第2の原画112とにオーバーラップ領域を設けなければ、各表示素子の表示領域を無駄なく(同一の原画部分を表示することなく)使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。
一般に、表示素子は複数の画素がマトリクス状に配列された構造を有するが、2つの表示素子に表示される2つの原画にオーバーラップ領域がない場合でも、表示素子の画素と画素の間から合成拡大像の同じ像点に導かれる光束が存在している。このことから、「第1の光束と第2の光束とにおいて、合成拡大像における同じ像点に導かれる光束が射出瞳面上で重なり合う」という表現における「同じ像点」とは、2つの原画にオーバーラップ領域がない場合には、合成拡大像の画素と画素との間の点も含む。このことは、後述する他の実施例においても同じである。
なお、本実施例では、2つの表示素子101,102からの光束を同程度の明るさで眼球7に導くために、第1の光学素子104は、これを透過した光束とここで反射した光束の強度が互いに等しくなるハーフミラーとしている。ただし、射出瞳面において第1及び第2光束108,109が重なり合う領域は他の領域に比べて明るさが2倍になるため、第1及び第2の光束108,109の双方が通過する光路上にNDフィルタ等の減光素子を配置するとよい。また、射出瞳面上で第1及び第2光束108,109が重なり合う領域に対応する原画の輝度を低下させてもよい。このことは、後述する実施例2,3でも同じである。
また、本実施例では、水平方向において画角を2分割する場合について説明したが、垂直方向に画角を2分割する場合でも本実施例と同様に構成することができる。
図2には、本発明の実施例2であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、光学系の偏心断面方向である水平方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。
図2において、1は第1の表示素子、は第2の表示素子である。4は第1の光学素子、5は第2の光学素子である。本実施例では、第1の光学素子4としてハーフミラーが用いられ、第2の光学素子5としてミラーが用いられている。6は接眼レンズである。第1及び第2の光学素子4,5及び接眼レンズ6によって、光学系が構成される。また、7は観察者の眼球であり、光学系の射出瞳の位置又はその近傍に配置されている。図2に示す断面は、「偏心断面」に相当する。
第1の表示素子1に表示された画像(第1の原画)11からの光束(第1の光束)8は、第1の光学素子4で反射され、接眼レンズ6により左側(図中の上側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。第2の表示素子2に表示された画像(第2の原画)12からの光束(第2の光束)9は、第2の光学素子5で反射され、第1の光学素子4を透過して、接眼レンズ6により右側(図中の下側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。左側の画角と右側の画角は互いに異なる画角である。
そして、光学系は、第1の光束8と第2の光束9とにより第1及び第2の原画の合成拡大像13を眼球7に提示する
このとき、第1の表示素子1と第2の表示素子2のそれぞれから射出された第1の光束8と第2の光束9とにおいて、合成拡大像13における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図3に示すようになっている。
図3中のaは光学系の偏心断面における射出瞳の水平方向の幅であり、bは光学系の偏心断面において第1の光束8と第2の光束9が射出瞳面で重なり合っている領域の水平方向の幅である。射出瞳面では、図3に示すように、第1の光束8が射出瞳の左側の領域を形成し、第2の光束9が射出瞳の右側の領域を形成する。さらに、射出瞳の中心部では、第1の光束8と第2の光束9とが重なり合っている。
以下、光学系が、水平画角35度を2分割する光学系であり、射出瞳径が10mmである場合について説明する。この光学系において、眼球7の回転半径を12mmとすると、左側の最大画角17.5度の方向を観察するときの眼球7の瞳の中心は、画角0度の方向を観察するときの眼球7の瞳の中心から左側に3.6mmだけ移動する。このとき、眼球7の瞳の中心に第2の光束9が導かれれば、第2の表示素子2に対応するすべての画角を形成する光線が眼球7の瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子1に対応する画角と合わせて、すべての画角を形成する光束(光線)が眼球7の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2の光束9の水平方向の幅は、射出瞳径10mmに対して、左側に3.6mm、右側に5mmあればよい。同様に、第1の光束8の水平方向の幅は、射出瞳径10mmに対して、左側に5mm、右側に3.6mmあればよい。
本実施例では、射出瞳面で第1の光束8と第2の光束9とが重なり合う領域は、射出瞳の72%(b/a=72%)の領域である(つまりは第1の光束8と第2の光束9が射出瞳に対して72%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球7の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子1と第2の表示素子2にそれぞれ表示される第1の原画11と第2の原画12にオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像13を図2に示すように第1の原画11と第2の原画12とをそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1の原画11と第2の原画12にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
そして、第1の原画11と第2の原画12とにオーバーラップ領域を設けなければ、各表示素子の表示領域を無駄なく使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。さらに、眼球7が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点での光束の重なり率を小さくすることで、光学系を薄型化することができる。
第1及び第2の光束8,9の射出瞳面での重なり率を所定値に設定する方法としては、以下のようなものがある。図4に示すように、第1の表示素子1と第1の光学素子4との間に絞り(遮光手段)62を配置し、第2の表示素子2と第2の光学素子5との間に絞り63を配置する。
絞り62を第1の表示素子1側から見たときの該絞り62の形状を図5(a)に示す。また、絞り63を第2の表示素子2側から見たときの該絞り63の形状を図5(b)に示す。絞り62では、第1の光束8が通過する領域を制限するために、射出瞳の形状に対して右側の光通過領域(図中の白抜き領域)が小さくなっている。また、絞り63では、第2の光束9が通過する領域を制限するために、射出瞳の形状に対して左側の光通過領域が小さくなっている。
この方法では、絞り62の位置を第1の光束8の進行方向及びこれとは反対方向に可変とし、絞り63の位置を第2の光束9の進行方向及びこれとは反対方向に可変とすれば、第1及び第2の光束8,9の射出瞳面での重なり率も可変とすることができる。
また、第1及び第2の光束8,9の射出瞳面での重なり率を所定値に設定する別の方法として、第1の光学素子4の有効領域と第2の光学素子5の有効領域を制限する方法もある。この方法では、第1の光学素子4と接眼レンズ6との間の光軸方向間隔、及び第2の光学素子5と接眼レンズ6との間の光軸方向間隔をそれぞれ変えることで、第1及び第2の光束8,9の射出瞳面での重なり率も可変とすることができる。
さらに、上記2つの方法を組み合わせて第1の光束8と第2の光束9の射出瞳面での重なり率を所定値に設定することも可能である。第1の光束8と第2の光束9の射出瞳面での重なり率が可変であるとき、光学系の製造誤差や表示素子と光学系との間の位置ずれによる射出瞳面での光束の重なり率のずれを補償することができる。このため、光学系を高い精度で製作したり組み立てたりしなくても、所定値の重なり率を得ることができる。
本実施例において、図22で説明した場合と同様に、眼球7が図中の上側に回転したときの下側の浅い画角を形成する光束を図6に示す。本実施例の光学系では、眼球7が上側に回転したときに下側の浅い画角を形成する光束のうち、図22(a)に示す光学系では眼球7に導かれなかった光束74が第2の表示素子2から導かれる。このため、図22(a)に示した光学系のように、光束の一部が眼球7(瞳)に導かれないという問題が生じにくい。また、図22(b)に示したように、表示素子における表示領域を大きくして原画のオーバーラップ領域を設ける必要もない。
このように本実施例では、従来の光学系における一部の画角を形成する光束が眼球(瞳)に導かれないという問題を解消することができる。
本実施例では、眼球7の瞳(直径を4mmと想定する)のうち少なくとも半分の領域に光束が入射すべきことを条件として、光学系の射出瞳面での第1及び第2の光束8,9の重なり率を算出した。しかし、眼球の瞳のうち光束が入射すべき領域を少なくとも75%とする条件を採用してもよい。瞳における光束が入射すべき領域を大きく設定することで、より明るい合成拡大像の観察が可能となり、眼球の位置が光学系に対してずれた場合でもそのずれを補償することができる。
この場合には、眼球の瞳の半径を2mmとすると、左側の最大画角17.5度の方向を観察するときの瞳の75%の位置は、画角0度の方向を観察するときの瞳の中心から左側に4.6mmの位置となる。このため、第1及び第2の光束の重なり率を射出瞳の92%とすればよい。
なお、本実施例では、水平方向において画角を2分割する場合について説明したが、垂直方向に画角を2分割する場合でも本実施例と同様に構成することができる。
図7には、本発明の実施例3であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、光学系の偏心断面方向である水平方向に分割された3つの画角に対して設けられた3つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。
図7において、14は第1の表示素子、15は第2の表示素子、16は第3の表示素子である。なお、第2の表示素子15と第3の表示素子16は、「第1の表示素子」と「第2の表示素子」と言い換えることができる。17はハーフミラーにより構成される光学素子であり、18は接眼レンズである。光学素子17及び接眼レンズ18によって、光学系が構成される。また、7は観察者の眼球であり、光学系の射出瞳の位置又はその近傍に配置されている。図7に示す断面は、「偏心断面」に相当する。
第1の表示素子14に表示された画像(第1の原画)23からの光束(第1の光束)19は、光学素子17で反射され、接眼レンズ18により左側(図中の上側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。第2の表示素子15に表示された画像(第2の原画)24からの光束(第2の光束)20,21は、光学素子17を透過して、接眼レンズ18により中央の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。なお、本実施例では、第2の光束20,21のうち光束20は、後述するように、射出瞳面において第1の光束19と重なり合う光束を示し、光束21は射出瞳面において第3の光束22と重なり合う光束を示す。
第3の表示素子16に表示された画像(第3の原画)25からの光束(第3の光束)22は、光学素子17で反射され、接眼レンズ18により右側(図中の下側)の画角を形成する光束として眼球7に導かれる。左側の画角と中央の画角と右側の画角は互いに異なる画角である。
そして、光学系は、第1の光束19と第2の光束20,21と第3の光束22により第1、第2及び第3の原画の合成拡大像26を眼球7に提示する。なお、第2の光束20,21と第3の光束22は、「第1の光束」と「第2の光束」と言い換えることができる。また、第2の原画24と第3の原画25は、「第1の原画」と「第2の原画」と言い換えることができる。
第2の表示素子15からの第2の光束20,21を透過させる光学素子17には、平面部27が設けられている。この平面部27は、第2の表示素子15からのすべての光束が光学素子17を透過して、かつ光線ごとの光路差をなくするために設けられている。
第1及び第2の表示素子14,15から射出された第1の光束19と第2の光束20とにおいて、合成拡大像26における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図8(a)に示すようになっている。射出瞳面では、図に示すように、第1の光束19が射出瞳の左側の領域を形成し、第2の光束20が射出瞳の右側の領域を形成している。また、射出瞳の中心部では、第1の光束19と第2の光束20が重なり合っている。
また、第2及び第3の表示素子15,16から射出された第2の光束21と第3の光束22とにおいて、合成拡大像26における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図8(b)に示すようになっている。射出瞳面では、図に示すように、第2の光束21が射出瞳の左側の領域を形成し、第3の光束22が射出瞳の右側の領域を形成している。また、射出瞳の中心部では、第2の光束21と第3の光束22が重なり合っている。
以下、光学系が、水平画角60度を3分割する光学系である場合について説明する。この場合、第1の表示素子14は、左側30度から左側10度までの20度の画角に対応する第1の原画23を表示し、第2の表示素子15は、左側10度から右側10度までの20度の画角に対応する第2の原画24を表示する。また、第3の表示素子16は、右側10度から右側30度までの20度の画角に対応する第3の原画25を表示する。本実施例では、各原画に対応する拡大像の境界部分の繋ぎ目が合成拡大像26の中心にないため、観察者が通常観察する画面中心部を見るときに、該境界部分が目立ちにくい。
この光学系において、射出瞳径を15mmとし、眼球7の回転半径を12mmとすると、左側の最大画角30度の方向を観察したときの眼球7の瞳の中心は、画角0度の方向を観察したときの瞳の中心から左に6mmだけ移動する。このとき、眼球7の瞳の中心に第2及び第3の光束20,22が導かれれば、第2及び第3の表示素子15,16に対応するすべての画角を形成する光線が、眼球7の瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子14に対応する画角と合わせて、すべての画角を形成する光束(光線)が眼球7の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2及び第3の光束20,22の水平方向の幅は、射出瞳径15mmに対して、左側に6mm、右側に7.5mmあればよい。同様に、第1及び第2の光束19,21の水平方向の幅は、射出瞳径15mmに対して、左側に7.5mm、右側に6mmあればよい。
本実施例では、射出瞳面で第1の光束19と第2の光束20とが重なり合う領域は、射出瞳の80%の領域である(つまりは各光束が射出瞳内で80%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球7の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子14と第2の表示素子15にそれぞれ表示される第1の原画23と第2の原画24にオーバーラップ領域を設ける必要がない。また、射出瞳面で第2の光束21と第3の光束22とが重なり合う領域も射出瞳の80%の領域であり、第2の表示素子15と第3の表示素子16にそれぞれ表示される第2の原画24と第3の原画25にオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像26を図7に示すように第1、第2及び第3の原画23,24,25をそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1、第2及び第3の原画23,24,25にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
本実施例でも、実施例1,2と同様に、各原画にオーバーラップ領域を設けないため、各表示素子の表示領域を無駄なく使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。
さらに、眼球7が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点に導かれる光束の重なり率を小さくすることで、光学系を薄型化することができる。
本実施例では、眼球7の瞳のうち少なくとも半分の領域に光束が入射すべきことを条件として、光学系の射出瞳面での第1及び第2の光束19,20の重なり率、及び第2及び第3の光束21,22の重なり率を算出した。しかし、眼球の瞳のうち光束が入射すべき領域を少なくとも75%とする条件を採用してもよい。瞳における光束が入射すべき領域を大きく設定することで、より明るい合成拡大像の観察が可能となり、眼球の位置が光学系に対してずれた場合でもそのずれを補償することができる。
この場合には、眼球7の瞳の半径を2mmとすると、左側の最大画角30度の方向を観察するときの瞳の75%の位置は、画角0度の方向を観察するときの瞳の中心から左側に6.9mmの位置となる。このため、第1及び第2の光束の重なり率を射出瞳の約92%とすればよい。第2及び第3の光束の重なり率についても同様である。
第1の光束19と第2の光束20の射出瞳面での重なり率及び第2の光束21と第3の光束22の射出瞳面での重なり率を所定値に設定する方法としては、以下のようなものがある。図9に示すように、第1の表示素子14と光学素子17との間に絞り(遮光手段)64を配置し、第2の表示素子15と光学素子17との間にストッパー(遮光手段)65とストッパー66を配置する。さらに、第3の表示素子16と光学素子17との間に絞り67を配置する。
絞り64を第1の表示素子14側から見たときの該絞り64の形状を図10(a)に示す。また、ストッパー65,66を第2の表示素子15側から見たときの該ストッパー65,66の形状をそれぞれ、図10(b)及び図10(c)に示す。さらに、絞り67を第3の表示素子16側から見たときの該絞り67の形状を図10(d)に示す。絞り64では、第1の光束19が通過する領域を制限するために、射出瞳の形状に対して右側の光通過領域(図中の白抜き領域)が小さくなっている。また、絞り67では、第3の光束22が通過する領域を制限するために、射出瞳の形状に対して左側の光通過領域が小さくなっている。
さらに、ストッパー65では、第2の光束20が通過する領域の右側を制限し、ストッパー66では、第2の光束21が通過する領域の左側を制限する。
この方法では、絞り64の位置及びストッパー65の位置をそれぞれ、第1の光束19と第2の光束20の進行方向及びこれとは反対方向に可変とすることで、第1の光束19と第2の光束20の射出瞳面での重なり率を可変とすることができる。また、ストッパー66の位置及び絞り67の位置をそれぞれ、第2の光束21と第3の光束22の進行方向及びこれとは反対方向に可変とすることで、第2の光束21と第3の光束22の射出瞳面での重なり率を可変とすることができる。
その他に、第1の光束19と第2の光束20の重なり率及び第2の光束21と第3の光束22の重なり率を所定値とするために、光学素子17のハーフミラー面の有効領域を制限してもよい。この場合には、光学素子17と接眼レンズ18の光軸方向間隔を変えることで、上記重なり率も可変とすることができる。さらに、上記2つの方法を組み合わせて上記重なり率を所定値にすることも可能である。重なり率を可変とすることで、実施例2で説明したのと同様の効果を得ることができる。
ところで、光学素子17の全面をハーフミラーとした場合、第1の表示素子14からの光束19及び第3の表示素子16からの光束22のうち光学素子17を透過する光束成分の影響について考える必要がある。光学素子17を透過する第1の表示素子14からの光束成分は、さらに光学素子17を透過して第3の表示素子16で反射し、ゴーストとなって観察者に観察される。光学素子17を透過する第3の表示素子16からの光束成分についても同様である。このため、光学素子17において第1及び第3の表示素子14,16からの光束が透過しないようにすることが必要である。そこで、光学素子17における眼球とは反対側の面のうち第2の表示素子15からの光束が透過する領域以外の領域に、図9に示すような黒塗りされた遮光素子72,73を設けることが望ましい。
本実施例では、水平画角を3分割する光学系について説明したが、垂直画角を3分割する光学系であっても本実施例と同様に構成することができる。また、第2の表示素子15と光学素子17との間に反射面を設け、光路を折り畳むことで光学系をより薄型化することも可能である。この場合には、第2の表示素子15は、図の紙面よりも手前側又は奥側に配置される。
これ以降の実施例において用いられる、母線断面、子線断面、ローカル母線断面、及びローカル子線断面の定義について説明する。偏心系に対応していない従来系の定義では、各面頂点座標系でz軸を光軸とすると、yz断面が従来の母線断面(メリジオナル断面)、xz断面が子線断面(サジタル断面)となる。本実施例の光学系は偏心系であるので、偏心系に対応したローカル母線断面とローカル子線断面を新たに定義する。
中心画角主光線(原画の中心から光学系の射出瞳の中心に至る光線)の各面でのヒットポイントを含み、中心画角主光線の入射光と射出光を含む面をローカル母線断面とする。また、ヒットポイントを含み、ローカル母線断面に直交し、各面頂点座標系の子線断面(通常の子線断面)と平行な面をローカル子線断面とする。
図11には、本発明の実施例4であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、光学系の偏心断面方向である垂直方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。
本実施例における「偏心断面」は、光路(中心画角主光線)がハーフミラー面S3とミラー面S5’で反射して折れ曲がる断面であり、図11の断面がこれに相当する。このことは、後述する実施例でも同じである。
また、本実施例のように、光学系の偏心断面と一致するローカル母線断面において画角を分割することで、光学系をさらに小型化及び薄型化することができる。
図11に示すように、本実施例では、第1の光学素子30と第2の光学素子31のそれぞれに複数の偏心反射曲面を設け、該複数の偏心反射曲面を用いて光路を折り畳むことによって、光学系を実施例1〜3よりもさらに薄型化している。また、偏心反射曲面を用いることで、光学系のパワーを上げつつ面数を減少させることができ、光学系の小型化及び薄型化にさらに有効である。
本実施例及び後述する他の実施例では、本来、表示素子から射出して射出瞳に至る光束を射出瞳側から表示素子側に逆に辿ったときの順(すなわち、逆光線追跡での順)に符号を付している。
図11において、第1及び第2の光学素子30,31はそれぞれ、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体であるプリズムにより構成されている。第1の光学素子30は、S2(S4),S3,S5の3つの面を有する。第2の光学素子31は、S4′(S6′),S5′,S7′の3つの面を有する。面S2と面S4は同一面であり、面S4′と面S6′は同一面である。面SI,面SI′は第1及び第2の表示素子1,2の表示面、S1は射出瞳である。
第1の表示素子1に表示された第1の原画34からの第1の光束32は、面S5から第1の光学素子30に入射し、面S4及び面S3で反射した後、面S2から第1の光学素子30を射出して眼球(射出瞳S1)に導かれる。第2の表示素子2に表示された第2の原画35からの第2の光束33は、面S7’から第2の光学素子31に入射し、面S6′及び面S5′で反射した後、面S4′から第2の光学素子31を射出する。そして、面S4′と面S3との間の空気層を通って面S3から第1の光学素子30に入射し、面S2から第1の光学素子30を射出して眼球(射出瞳S1)に導かれる。
第1の光学素子30内における面S4での反射と第2の光学素子31内における面S6′での反射は、プリズム内での内部全反射とすることが望ましい。このようにすることで、光量のロスを少なくし、明るい合成拡大像36を提示することができる。
第1の表示素子1からの第1の光束32と第2の表示素子2からの第2の光束33とにおいて、合成拡大像における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図12に示すようになっている。射出瞳面では、第1の光束32が射出瞳の上側の領域を形成し、第2の光束33が射出瞳の下側の領域を形成している。さらに、射出瞳の中心部では、第1の光束32と第2の光束33が重なり合っている。
以下、光学系が、垂直画角38度を2分割する光学系であり、垂直方向での射出瞳の幅が9.6mmである場合について説明する。この光学系において、眼球の回転半径を12mmとすると、上側の最大画角19度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心は、画角0度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心から上側に3.9mmだけ移動する。このとき、眼球の瞳の中心に第2の光束33が導かれれば、第2の表示素子2に対応するすべての画角からの光束が瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子1に対応する画角と合わせて、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2の光束33の垂直方向の幅は、射出瞳径9.6mmに対して、上側に3.9mm、下側に4.8mmあればよい。第1の光束32の垂直方向の幅は、射出瞳9.6mmに対して、上側に4.8mm、下側に3.9mmあればよい。
本実施例では、偏心断面における射出瞳面での第1及び第2の光束32,33の重なり合う領域は、射出瞳の約81%である(つまりは各光束が射出瞳内で約81%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子1と第2の表示素子2にそれぞれ表示される第1の原画34と第2の原画35にオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像36を図11に示すように第1の原画34と第2の原画35とをそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1の原画34と第2の原画35にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
そして、第1の原画34と第2の原画35とにオーバーラップ領域を設けなければ、各表示素子の表示領域を無駄なく使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。
さらに、眼球が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点に導かれる光束の重なり率を小さくすることで、光学系を薄型化することができる。
第1及び第2の光束32,33の射出瞳面での重なり率を所定値に設定する方法としては、以下のようなものがある。図13に示すように、第1の表示素子1と第1の光学素子30との間にストッパー(遮光手段)68を配置し、第2の表示素子2と第2の光学素子5との間にストッパー69を配置する。
ストッパー68を第1の表示素子1側から見たときの該ストッパー68の形状を図14(a)に示す。また、ストッパー69を第2の表示素子2側から見たときの該ストッパー69の形状を図14(b)に示す。ストッパー68は、第1の光束32のうち下側の部分の通過を制限し、ストッパー69は、第2の光束33のうち上側の部分の通過を制限する。ストッパー68の位置を第1の光束32の進行方向及びこれとは反対方向に可変とし、ストッパー69の位置を第2の光束33の進行方向及びこれとは反対方向に可変とすれば、第1及び第2の光束32,33の射出瞳面での重なり率も可変とすることができる。
なお、ストッパー69を、第1の光学素子30と第2の光学素子31との間に配置しても、同様の効果が得られる。
また、第1の光学素子30の面S5と第2の光学素子31の面S7′の有効領域を、黒塗り等の遮光手段で制限してもよい。
さらに、第2の光束33については、射出瞳面での重なり率を所定値とするために、第2の光学素子31の面S5′の有効領域を制限してもよい。そして、上記の方法を組み合わせて、第1及び第2の光束32,33の射出瞳面での重なり率を所定値に設定してもよい。重なり率を可変とすることで、実施例2,3で説明したのと同様の効果を得ることができる。
本実施例では、2つの表示素子1,2からの第1及び第2の光束32,33を等しい明るさで合成して射出瞳に導くために、第1の光学素子30内の面S3をハーフミラー面としている。このとき、射出瞳面で第1及び第2の光束32,33が重なり合う領域は、他の領域に比べて明るさが2倍になるため、第1及び第2の光束32,33の双方が通過する光路上にNDフィルタ等の減光素子を配置するとよい。また、射出瞳面で第1及び第2光束32,33が重なり合う領域に対応する原画の輝度を低下させてもよい。
また、第1及び第2の光学素子30,31のすべての面を曲面で構成した場合には、該すべての面が集光、発散又は収差補正に寄与するので、光学系の不要な面を減らすことができる。
さらに好ましくは、第1及び第2の光学素子30,31を構成するすべての面を回転非対称形状とするとよい。これにより、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での合成拡大像を提示することができる。
このとき、各回転非対称面を、ローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して、加工や製作を容易にすることができ、好ましい。
ストッパーを設けたり、光学素子の有効領域を制限したり、減光素子を設けたり、面を曲面や回転非対称面としたりすることについては、後述する他の実施例でも同じである。
本実施例における面S2〜S5と面S3′〜S7′を、図11の紙面(yz断面)を唯一の対称面とする回転非対称面とした場合の光学データを表1に示す。
表1において、最も左の項目「SURF」は面番号を示している。「X,Y,Z」と「A」は、面S1の中心を原点(0,0,0)とし、図11に示したようにx軸、y軸及びz軸を設定した座標系における各面の頂点の位置(X,Y,Z)と、図中で反時計回り方向を正方向とするx軸回りでの回転角度(A:単位は度)を示す。
Rxは、x軸方向での曲率半径であり、Ryはy軸方向での曲率半径である。「TYP」の項は面形状の種類を表し、「FFS1」は以下の式(1)に、「FFS2」は以下の式(2)にそれぞれ従う回転非対称面であることを示す。
式(1)
FFS1:
z=(1/R)*(x2+y2)/(1+(1-(1+c1)*(1/R)2*(x2+y2))(1/2))+c2+c4*y+c5*(x2-y2)
+c6*(-1+2*x2+2*y2)+c10*(-2*y+3*x2*y+3*y3)+c11*(3*x2*y-y3)
+c12*(x4-6*x2*y2+y4)+c13*(-3*x2+4*x4+3*y2-4*y4)
+c14*(1-6*x2+6*x4-6*y2+12*x2*y2+6*y4)
+c20*(3*y-12*x2*y+10*x4*y-12*y3+20*x2*y3+10*y5)
+c21*(-12*x2*y+15*x4*y+4*y3+10*x2*y3-5*y5)
+c22*(5*x4*y-10*x2*y3+y5)+c23*(x6-15*x4*y2+15*x2*y4-y6)
+c24*(-5*x4+6*x6+30*x2*y2-30*x4*y2-5*y4-30*x2*y4+6*y6)
+c25*(6*x2-20*x4+15*x6-6*y2+15*x4*y2+20*y4-15*x2*y4-15*y6)
+c26*(-1+12*x2-30*x4+20*x6+12*y2-60*x2*y2+60*x4*y2-30*y4+60*x2*y4+20*y6)
+・・・・・・
式(2)
FFS2:
z=((1/Rx)*x2+(1/Ry)*y2)/(1+(1-(1+cx1)*(1/Rx)2*x2-(1+cy1)*(1/Ry)2*y2)(1/2))
+c2+c4*y+c5*(x2-y2)+c6*(-1+2*x2+2*y2)+c10*(-2*y+3*x2*y+3*y3)+c11*(3*x2*y-y3)
+c12*(x4-6*x2*y2+y4)+c13*(-3*x2+4*x4+3*y2-4*y4)
+c14*(1-6*x2+6*x4-6*y2+12*x2*y2+6*y4)
+c20*(3*y-12*x2*y+10*x4*y-12*y3+20*x2*y3+10*y5)
+c21*(-12*x2*y+15*x4*y+4*y3+10*x2*y3-5*y5)
+c22*(5*x4*y-10*x2*y3+y5)+c23*(x6-15*x4*y2+15*x2*y4-y6)
+c24*(-5*x4+6*x6+30*x2*y2-30*x4*y2-5*y4-30*x2*y4+6*y6)
+c25*(6*x2-20*x4+15*x6-6*y2+15*x4*y2+20*y4-15*x2*y4-15*y6)
+c26*(-1+12*x2-30*x4+20*x6+12*y2-60*x2*y2+60*x4*y2-30*y4+60*x2*y4+20*y6)
+・・・・・・
「TYP」の欄で「FFS1」と「FFS2」の横に記された数値は、その面の形状が同表の下側に記載された非球面係数ciに対応する回転非対称形状であることを示している。Nd,νd(ただし、表ではvdと記す)はそれぞれ、その面以降の媒質のd線波長での屈折率とアッベ数を示している。屈折率Nの符号の変化は、その面で光が反射されることを示している。また、媒質が空気層の場合は、屈折率Ndのみを1として表示している。「E−M」は、「×10−M」を意味する。
本実施例において、射出瞳の形状は楕円形であり、垂直方向の短軸が9.6mm、水平方向の長軸が12mmである。原画の表示領域のサイズは、第1及び第2の表示素子1,2とも0.57インチ(12.8mm×6.6mm)程度である。本実施例の光学系は、水平画角50度、垂直画角38度で、合成拡大像をz軸上の正方向無限遠方に表示する表示光学系である。
本実施例では、垂直方向の画角を2つの表示素子1,2で19度ずつ表示している。水平画角については、分割していないため、50度のままである。
図15には、本発明の実施例5であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、実施例4と同様に、光学系の偏心断面方向である垂直方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。ただし、本実施例では、2つの表示素子に、上側と下側とで異なる角度の画角を割り当てている。具体的には、第1の表示素子44に上側の29度の画角を割り当て、第2の表示素子45に下側の9度の画角を割り当てている。
37,38はそれぞれ第1の光学素子と第2の光学素子であり、いずれもプリズムとして形成されている。第1の光学素子37は、S2(S4),S3,S5の3つの面を有する。第2の光学素子38は、S4′(S6′),S5′,S7′の3つの面を有する。面S2と面S4は同一面であり、面S4′と面S6′は同一面である。面SI,面SI′は第1及び第2の表示素子44,45の表示面、S1は射出瞳である。図15は、偏心断面を示す。また、本実施例での光路及び光学作用については、実施例4と同様である。
第1の光学素子37内における面S4での反射と、第2の光学素子38内における面S6′での反射をプリズム内での内部全反射とすることで、光量のロスを少なくすることができる。
第1の表示素子44からの第1の光束39と第2の表示素子45からの第2の光束40とにおいて、合成拡大像における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図16に示すようになっている。射出瞳面では、第1の光束39が射出瞳の上側の領域を形成し、第2の光束40が射出瞳の下側の領域を形成している。さらに、射出瞳の中心部では、第1の光束39と第2の光束40が重なり合っている。
前述したように、本実施例では、垂直画角38度のうち上側の画角29度を第1の表示素子44に、下側の画角9度を第2の表示素子45にそれぞれ割り当てている。垂直方向の射出瞳の大きさは9.6mmである。
この光学系において、眼球の回転半径を12mmとすると、上側の最大画角19度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心は、画角0度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心から上側に3.9mmだけ移動する。このとき、眼球の瞳の中心に第2の光束40が導かれれば、第2の表示素子45に対応するすべての画角からの光束が眼球の瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子44に対応する画角と合わせて、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2の光束40の垂直方向の幅は、射出瞳径9.6mmに対して、上側に3.9mm、下側に4.8mmあればよい。同様に、第1の光束39の垂直方向の幅は、射出瞳9.6mmに対して、上側に4.8mm、下側に3.9mmあればよい。
本実施例では、偏心断面における射出瞳面での第1及び第2の光束39,40の重なり合う領域は、射出瞳の約81%である(つまりは各光束が射出瞳内で約81%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子44と第2の表示素子45にそれぞれ表示される第1の原画41と第2の原画42にオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像43を図15のように第1の原画41と第2の原画42とをそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1の原画41と第2の原画42にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
そして、第1の原画41と第2の原画42とにオーバーラップ領域を設けなければ、各表示素子の表示領域を無駄なく使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。
さらに、眼球が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点に導かれる光束の重なり率を小さくすることで、光学系を薄型化することができる。
本実施例のように、第1の表示素子44と第2の表示素子45とに割り当てる画角の大きさを異ならせることで、第1の光学素子37は若干大型化するものの、第2の光学素子38を小型化することができ、光学系の全体として薄型化することができる。また、このように分割された画角の大きさを任意に設定することで、各表示素子の大きさも異ならせることができ、使用する表示素子の選択の自由度が増す。さらに、実施例3と同様に、合成拡大像における各原画に対応する拡大像の境界部分が画面中心部にないため、観察者が画面中心部を見たときに該境界部分が目立ちにくい。
本実施例における面S2〜S5と面S4′〜S7′を、球面(「TYP」の欄で「SPH」により示す)とした場合の光学データを表2に示す。
なお、本実施例では、各面の形状を球面としているが、実施例4と同様に各面を回転非対称面としてもよい。
本実施例において、射出瞳の形状は楕円形であり、垂直方向の短軸が9.6mm、水平方向の長軸が12mmである。原画の表示領域のサイズは、第1の表示素子44において0.84インチ(19mm×19.8mm)程度であり、第2の表示素子45において0.59インチ(14.7mm×2.7mm)程度である。本実施例の光学系は、水平画角50度、垂直画角40度で、合成拡大像をz軸上の正方向無限遠方に表示する表示光学系である。
本実施例では、垂直方向の画角を2つの表示素子4445で29度と9度とに分割して表示している。水平画角については、分割していないため、50度のままである。
図17には、本発明の実施例6であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、光学系の偏心断面方向である水平方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。
46,47,48は第1,第2及び第3の光学素子であり、いずれもプリズムにより形成されている。第1の光学素子46は、S2(S4),S3,S5の3つの面を有する。第2の光学素子47は、S4′(S6′),S5′,S7′の3つの面を有する。第3の光学素子48は、第1の光学素子46と接合された面S3と、第1の光学素子46の面S2に連続した面(S2)と、面S3′の3つの面を有する。面S2と面S4は同一面であり、面S4′と面S6′は同一面である。1,2は第1及び第2の表示素子であり、面SI,面SI′は該第1及び第2の表示素子1,2の表示面である。S1は射出瞳である。
第1の表示素子1に表示された第1の原画51からの第1の光束49は、面S5から第1の光学素子46に入射し、面S4と面S3とで反射した後、面S2から第1の光学素子46を射出して眼球(射出瞳S1)に導かれる。第2の表示素子2に表示された第2の原画52からの第2の光束50は、面S7′から第2の光学素子47に入射し、面S6′と面S5′とで反射した後、面S4′から第2の光学素子47を射出する。そして、面S4′と面S3′との間の空気層を通って面S3′から第3の光学素子48に入射する。第3の光学素子48に入射した第2の光束50のうち一部の光束は、面S3から第1の光学素子46に入射し、面S2から第1の光学素子46を射出して眼球(射出瞳S1)に導かれる。また、第3の光学素子48に入射した第2の光束50のうち他の光束は、第1の光学素子46に入射せずに、面S2から第3の光学素子48を射出して眼球(射出瞳S1)に導かれる。
第1の光学素子46内における面S4での反射と第2の光学素子47内における面S6′での反射は、プリズム内での内部全反射とすることが望ましい。このようにすることで、光量のロスを少なくし、明るい合成拡大像53を提示することができる。
第1の表示素子1からの第1の光束49と第2の表示素子2からの第2の光束50とにおいて、合成拡大像における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図18に示すようになっている。射出瞳面では、第1の光束49が射出瞳の左側の領域を形成し、第2の光束50が射出瞳の右側の領域を形成している。さらに、射出瞳の中心部では、第1の光束49と第2の光束50が重なり合っている。
以下、光学系が、水平画角50度を2分割する光学系であり、水平方向での射出瞳の幅が12mmである場合について説明する。この光学系において、眼球の回転半径を12mmとすると、左側の最大画角25度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心は、画角0度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心から左側に5.1mmだけ移動する。このとき、眼球の瞳の中心に第2の光束50が導かれれば、第2の表示素子2に対応するすべての画角からの光束が瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子1に対応する画角と合わせて、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2の光束50の水平方向の幅は、射出瞳径12mmに対して、左側に5.1mm、右側に6mmあればよい。第1の光束49の水平方向の幅は、射出瞳12mmに対して、左側に6mm、右側に5.1mmあればよい。
本実施例では、偏心断面における射出瞳面での第1及び第2の光束49,50の重なり合う領域は、射出瞳の約85%である(つまりは各光束が射出瞳内で約85%の重なり率を有する)。そして、この状態ですべての画角を形成する光束が眼球の瞳に導かれる。このため、第1の表示素子1と第2の表示素子2にそれぞれ表示される第1の原画51と第2の原画52にオーバーラップ領域を設ける必要がない。すなわち、観察される合成拡大像53を図17のように第1の原画51と第2の原画52とをそれぞれの端で繋ぎ合わせたように形成する場合に、第1の原画51と第2の原画52にはそれぞれ図示のようにオーバーラップ領域を設けなくてよい。
そして、第1の原画51と第2の原画52とにオーバーラップ領域を設けなければ、各表示素子の表示領域を無駄なく使用することができ、各表示素子における画像情報の提示効率が良くなる。
さらに、眼球が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点に導かれる光束の重なり率を小さくすることで、光学系を薄型化することができる。
本実施例では、2つの表示素子1,2からの第1及び第2の光束49,50を等しい明るさで合成して射出瞳に導くために、第1の光学素子46内の面S3をハーフミラー面としているとともに、第3の光学素子48内の面S2に50%の透過率を持たせている。また、射出瞳面で第1及び第2の光束49,50が重なり合うことで他の領域よりも明るくなる領域に対しては、実施例4で説明したように、減光素子を配置したり原画の輝度を低下させたりすればよい。
本実施例における面S2〜S5と面S3′〜S7′を、図17の紙面(yz断面)を唯一の対称面とする回転非対称面とした場合の光学データを表3に示す。
本実施例において、射出瞳の形状は楕円形であり、垂直方向の短軸が9.6mm、水平方向の長軸が12mmである。原画の表示領域のサイズは、第1及び第2の表示素子1,2とも0.59インチ(12mm×9mm)程度である。本実施例の光学系は、水平画角50度、垂直画角38度で、合成拡大像をz軸上の正方向無限遠方に表示する表示光学系である。
本実施例では、水平方向の画角を2つの表示素子1,2で25度ずつ表示している。垂直画角については、分割していないため、38度のままである。
図19には、本発明の実施例7であるHMD(画像表示装置)を示している。本実施例のHMDは、実施例6と同様に、光学系の偏心断面方向である水平方向に分割された2つの画角に対して設けられた2つの表示素子から光束を、光学系の射出瞳に導く。ただし、本実施例では、2つの表示素子に表示される原画に同一の原画部分を表示するオーバーラップ領域を持たせている。
54,55,56は第1,第2及び第3の光学素子であり、いずれもプリズムにより形成されている。第1の光学素子54は、S2(S4),S3,S5の3つの面を有する。第2の光学素子55は、S4′(S6′),S5′,S7′の3つの面を有する。第3の光学素子56は、第1の光学素子54と接合された面S3と、第1の光学素子54の面S2に連続した面(S2)と、面S3′の3つの面を有する。面S2と面S4は同一面であり、面S4′と面S6′は同一面である。70,71は第1及び第2の表示素子であり、面SI,面SI′は該第1及び第2の表示素子70,71の表示面である。S1は射出瞳である。本実施例における光路及び光学作用については、実施例6と同様である。
本実施例でも、第1の光学素子54内における面S4での反射と第2の光学素子55内における面S6′での反射は、プリズム内での内部全反射とすることが望ましい。このようにすることで、光量のロスを少なくし、明るい合成拡大像61を提示することができる。
第1の表示素子70からの第1の光束57と第2の表示素子71からの第2の光束58とにおいて、合成拡大像における同じ像点に導かれる光束の射出瞳面での重なり合いは、図20に示すようになっている。射出瞳面では、第1の光束57が射出瞳の左側の領域を形成し、第2の光束58が射出瞳の右側の領域を形成している。さらに、射出瞳の中心部では、第1の光束57と第2の光束58が重なり合っている。
以下、第1及び第2の表示素子70,71に表示される第1及び第2の原画59,60に画角6度に相当するオーバーラップ領域を持たせた上で、水平画角50度を2分割している場合について説明する。水平方向の射出瞳の大きさは、12mmとする。
この光学系において、眼球の回転半径を12mmとすると、左側の最大画角25度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心は、画角0度の方向を観察するときの眼球の瞳の中心から左側に5.1mmだけ移動する。このとき、眼球の瞳の中心に第2の光束58が導かれれば、第2の表示素子71に対応するすべての画角からの光束が瞳のうち少なくとも半分の領域に入射する。このため、第1の表示素子70に対応する画角と合わせて、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
したがって、第2の光束58の水平方向の幅は、射出瞳径12mmに対して、左側に5.1mm、右側に6mmあればよい。第1の光束57の水平方向の幅は、射出瞳12mmに対して、左側に6mm、右側に5.1mmあればよい。
ただし、本実施例では原画にオーバーラップ領域を持たせているため、左側の最大画角の方向を観察したときの眼球の瞳の中心には、第1の表示素子70に表示された第1の原画59のオーバーラップ領域から、画角0度から右側6度までの光束が導かれる。このため、第2の表示素子71に表示された第2の原画60からの、右側6度から右側25度までの画角の光束が眼球の瞳の中心に導かれれば、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。
このとき、第2の光束58の水平方向の幅は、射出瞳径12mmに対して、左側に3.3mm、右側に6mmあればよい。第1の光束57の水平方向の幅は、射出瞳12mmに対して、左側に6mm、右側に3.3mmあればよい。
このように、本実施例では第1及び第2の表示素子70,71に表示される第1及び第2の原画59,60にオーバーラップ領域を設けた。このため、光学系の偏心断面における射出瞳面での第1及び第2の光束57,58の重なり率を射出瞳の約55%とすることで、すべての画角の光束が眼球の瞳に導かれる光学系を実現することができる。射出瞳面での第1及び第2の光束57,58の重なり率が射出瞳の約55%である場合、眼球が左側に回転したときには、第2の表示素子71からの右側の浅い画角を形成する光束は、図21(a)に示すように、射出瞳の左端には導かれない。しかし、第1の表示素子70に表示される第1の原画におけるオーバーラップ領域からの光束が、図21(b)に示すように、射出瞳の左端に導かれる。このため、結果として、図21(c)に示すように、射出瞳のすべての領域に光束が導かれる。
本実施例でも面S3と面S5′の有効領域を制限することで、第1及び第2の光束57,58の射出瞳面での重なり率を所定値に設定することができる。ただし、本実施例では、2つの原画にオーバーラップ領域が設けられている。このため、実施例4のようにストッパーを配置する方法や、面S5と面S7′の有効領域を黒塗り等の遮光手段で制限する方法では、オーバーラップ領域からの光束が第1及び第2の光学素子54,55に入射しなくなるので、好ましくない。
また、本実施例でも、2つの表示素子7071からの第1及び第2の光束57,58を等しい明るさで合成して射出瞳に導くために、第1の光学素子54内の面S3をハーフミラー面とするとともに、第3の光学素子56内の面S2に50%の透過率を持たせている。射出瞳面で第1及び第2の光束57,58が重なり合うことで他の領域よりも明るくなる領域に対しては、実施例4で説明したように、減光素子を配置したり原画の輝度を低下させたりすればよい。
本実施例では、観察される合成拡大像61は、図19に示すように、第1の原画59と第2の原画60とがそれぞれのオーバーラップ領域(図中の「B」が表示されている領域)で重なったように形成される。本実施例では、2つの原画59,60にオーバーラップ領域を設けているため、各表示素子の画像情報の提示効率は、実施例6に比べて若干低い。しかし、オーバーラップ領域がない場合に比べて、眼球が回転したときに連続した合成拡大像を観察するために必要な同じ像点に導かれる光束の重なり率が実施例6よりも小さくなることで、光学系をより薄型化することができる。
また、本実施例のようにオーバーラップ領域を設けることで、プリズムの製造誤差や表示素子とプリズムとの間の位置ずれによる合成拡大像の境界部分のずれを、オーバーラップ領域の大きさによって調整することができる。このため、オーバーラップ領域がない場合に比べて光学系に求められる精度が低いにもかかわらず、各原画に対応する拡大像の境界部分の繋ぎ目が目立たない連続した1つの合成拡大像を提示することができる。
なお、本実施例では、オーバーラップ領域を画角6度に相当する大きさとしたが、オーバーラップ領域を大きくすることで表示素子の画像情報の提示効率が低下して広画角を実現しにくくなる。このため、オーバーラップ領域は小さいことが望ましく、例えば、画角10度に相当する大きさ以下が好ましい。
また、合成拡大像におけるオーバーラップ領域に相当する部分は、射出瞳面で第1及び第2の光束57,58が重なり合う領域と同様に、明るさが他の領域に比べて2倍になる。このため、第1及び第2の光束57,58のうち合成拡大像におけるオーバーラップ領域に相当する領域に到達する光束の光路に、NDフィルタ等の減光素子を配置したり、各表示素子におけるオーバーラップ領域の輝度を低下させたりするとよい。
本実施例における面S2〜S5と面S3′〜S7′を、図19の紙面(yz断面)を唯一の対称面とする回転非対称面とした場合の光学データを表4に示す。
本実施例において、射出瞳の形状は楕円形であり、垂直方向の短軸が9.6mm、水平方向の長軸が12mmである。原画の表示領域のサイズは、第1及び第2の表示素子70,71とも0.59インチ(12mm×9mm)程度である。本実施例の光学系は、水平画角50度、垂直画角38度で、合成拡大像をz軸上の正方向無限遠方に表示する表示光学系である。
本実施例では、水平方向の画角を2つの表示素子70,71で、25度にオーバーラップ領域に相当する6度を加えた31度ずつ表示している。垂直画角については、分割していないため、38度のままである。
以上説明したように、上記各実施例によれば、広画角でありながらも、小型かつ薄型であり、観察者の眼球が回転した場合でも画像欠けが生じにくいHMDを実現することができる。言い換えれば、第1及び第2の光束のうち合成拡大像における同じ像点に導かれる光束が射出瞳面において重なり合うことで、両表示素子に表示される原画のオーバーラップ領域をなくしたり又少なくしたりしつつ、画角全体の光束を観察者の瞳に導くことができる。このため、表示素子における画像情報の提示効率が向上し、広画角を実現しやすい。
また、実施例2〜7では、第1及び第2の光束における合成拡大像の同じ像点に導かれる光束の射出瞳面における重なり率が、射出瞳の95%以下となっている(より好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下とするとよい)。これによれば、射出瞳面での重なり率を100%とする場合に比べて、光学系をより薄型化することができる。なお、実施例2でも説明したが、射出瞳面での重なり率が射出瞳の95%以下であるとは、画角を分割する方向における射出瞳の幅をaとし、光束が重なり合う領域の幅をbとすると、b/aが95%以下であることを意味する。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
1,2,14,15,16,44,45,70,71,101,102,201,202,205,206 表示素子
4,5,17,30,31,37,38,46,47,48,54,55,56,104,105,203 光学素子
6,18,204 接眼レンズ
7 眼球
11,12,23,24,25,34,35,41,42,51,52,59,60,111,112 原画
13,26,36,43,53,61,113 合成拡大画像

Claims (5)

  1. 第1の原画を表示する第1の表示素子と、
    第2の原画を表示する第2の表示素子と、
    前記第1の表示素子からの第1の光束と前記第2の表示素子からの第2の光束とにより前記第1及び第2の原画の合成拡大像を提示する光学系とを有し、
    前記光学系は、反射面を有し、
    前記光学系において前記第1及び第2の光束の光路が前記反射面での反射によって折れ曲がる断面を偏心断面とするとき、
    前記第1の原画と前記第2の原画は、前記偏心断面において互いに異なる画角に対応する原画であり、
    前記第1の光束と前記第2の光束とにおいて前記合成拡大像における同じ像点に導かれる光束が、前記光学系の射出瞳面において重なり合い、
    前記同じ像点に導かれる光束が、前記光学系の射出瞳の55%以上95%以下の重なり率で重なり合っていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記反射面は、偏心反射曲面であり、
    前記偏心反射曲面のローカル母線断面が、前記偏心断面に一致していることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記第1の表示素子と前記第2の表示素子は、互いに離れたマトリクス状に配列された複数の画素によってそれぞれ原画を表示し、
    前記第1の表示素子と前記第2の表示素子は、それぞれ他の表示素子と同一の原画部分を表示する画素を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記合成拡大像には、前記第1の原画と前記第2の原画とのオーバーラップ領域が含まれ、前記オーバーラップ領域は画角10度に対応する大きさを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  5. 前記同じ像点に導かれる光束が、前記光学系の射出瞳の72%以上95%以下の重なり率で重なり合っていることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
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