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JP2010249152A - 防振装置の製造方法、及び防振装置 - Google Patents

防振装置の製造方法、及び防振装置 Download PDF

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JP2010249152A JP2009095935A JP2009095935A JP2010249152A JP 2010249152 A JP2010249152 A JP 2010249152A JP 2009095935 A JP2009095935 A JP 2009095935A JP 2009095935 A JP2009095935 A JP 2009095935A JP 2010249152 A JP2010249152 A JP 2010249152A
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Abstract

【課題】互いに非相溶性を有する第一、第二液体を含有する封入液を所定比率で液室内に封入させることを目的とする。
【解決手段】第一,第二取付部材11,12と、第一取付部材11と第二取付部材12とを弾性的に連結する弾性体13と、筒状の第一取付部材11内の液室17を主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えると共に、主液室14と副液室15とを連通する制限通路24が形成され、第一、第二液体L1,L2を含有する封入液Lが液室17に封入された防振装置10の製造方法であって、液室17の外側の隔壁19に設けられた液溜め部25に第二液体L2を収容した後、液溜め部25の口部25aを閉塞する液溜め工程と、液室17に第一液体L1を封入する液体封入工程と、口部25aを開放して液溜め部25内の第二液体L2を液室17内の第一液体L1に混入する液体混合工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置の製造方法、及び防振装置に関する。
上記した防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第二取付部材と、第一、第二取付部材を弾性的に連結するとともに第一取付部材の軸方向一方側の開口部を閉塞する弾性体と、第一取付部材の軸方向他方側の開口部を閉塞するダイヤフラムと、第一取付部材の内部に形成された液室を、弾性体を隔壁の一部とする主液室とダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに区画する仕切り部材と、を備える構成が知られている。上記した液室には、比重が異なる非相溶性の二種以上の液体で構成された封入液が封入されている。また、上記した仕切り部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路が形成されており、この制限通路を通って上記した封入液が主液室と副液室との間で往来可能となっている。
ところで、従来の防振装置の製造方法として、防振装置を液中で組み立てる方法がある。この方法は、まず、第一取付部材、第二取付部材及び弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する工程を行う。次に、防振装置本体を、封入液を貯留したプールの中に入れ、このプール内(封入液中)で防振装置本体に仕切り部材及びダイヤフラムをそれぞれ組み付ける工程を行う。これにより、液室内に空気が混入することなく封入液を封入させることができる。
また、防振装置の製造方法として、従来から、組み立てられた防振装置の液室に封入液を真空注入する方法がある。この方法は、まず、第一取付部材、第二取付部材及び弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する工程を行う。次に、防振装置本体に仕切り部材及びダイヤフラムをそれぞれ組み付ける工程を行う。次に、組み立てられた防振装置の液室を真空引き(減圧)し、その後、封入液が貯留された密封タンクと液室とを連通させることで、真空状態(負圧状態)の液室に封入液を注入する工程を行う。これにより、液室内に空気が混入することなく封入液を封入させることができる。
特許第2860701号公報
しかしながら、封入液が非相溶性の二種以上の液体で構成されている場合、上記した前者の防振装置の製造方法では、封入液に含有された複数の液体がプール内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。
一方、上記した後者の防振装置の製造方法では、非相溶性の二種以上の液体を混合させた状態で密封タンクに貯留させて真空注入しようとすると、封入液に含有された複数の液体が密封タンク内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。
このように、上記した従来の製造方法で製造された防振装置は、液室に封入された封入液の比率にばらつきが生じ易く、その結果、防振装置の性能が安定しないという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる防振装置の製造方法、及び防振装置を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結する弾性体と、前記第一取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えると共に、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、前記液室の隔壁のうち、該液室と外部とを仕切る外側の隔壁に、液体を収容可能であって前記液室に連通された液溜め部を設けておき、該液溜め部に前記第二液体を収容した後、前記液室側に開放された前記液溜め部の口部を閉塞する液溜め工程と、前記液室に前記第一液体を封入する液体封入工程と、前記口部を開放して前記液溜め部内の前記第二液体を前記液室内の前記第一液体に混入する液体混合工程と、を備えることを特徴としている。
このような特徴により、液溜め工程の際、液室に封入される封入液において所望される所定量の第二液体を液溜め部に収容する。そして、液中組立工程の後、液溜め部に収容された第二液体を液室に流入させることにより、液室内の第一液体に所定量の第二液体が混合される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記液体封入工程が、前記第一液体中において、前記第一取付部材、前記第二取付部材及び前記弾性体を一体化させて形成された防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付けることで、前記液室に前記第一液体を封入する工程であることを特徴としている。
これにより、第一液体中で防振装置本体に仕切り部材を組み付けて液室を形成するので、液室内に第一液体を封入する際に空気が混入することがなく、液室内が第一液体で満たされる。また、第一液体を封入する際に気圧を下げたり温度を上げたりしないので、仮に第一液体が揮発性の高い(沸点の低い、蒸気圧が高い)液体であっても、第一液体が気化した気体が液室内に混入されない。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記液体封入工程が、気中において、前記第一取付部材、前記第二取付部材及び前記弾性体を一体化させて形成された防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付けた後、前記液室の内圧を負圧状態にし、その後、該液室に前記第一液体を注入する工程であることを特徴としている。
これにより、第一液体を注入する液室を負圧状態にすることで、液室内に第一液体が流入しやすくなり、液室内が第一液体で満たされる。なお、この場合、第一液体が第二液体よりも蒸気圧が低く、第一液体の蒸気圧が負圧状態の液室の内圧よりも低いことが好ましい。これにより、負圧状態にした液室に第一液体を注入する際に第一液体が気化することが防止される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記液体混合工程の際、前記液溜め部を縮径変形させることで、該液溜め部内に収容された前記第二液体を前記液室内に注入することが好ましい。
これにより、液室内の第一液体に対して非相溶性を有する第二液体が液溜め部に残留して第一液体と第二液体とが分離されることがなく、液溜め部内の第二液体が液室に確実に送り込まれて液室内の第一液体と混合される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記液溜め部が、前記副液室の隔壁の一部として形成されたダイヤフラムに設けられていることが好ましい。
これにより、防振装置を振動発生部や振動受部に取り付ける際に、振動発生部や振動受部に装着されるブラケット等に液溜め部が干渉しにくくなる。また、ダイヤフラムを第一取付部材に組み付ける際、液溜め部を把持してダイヤフラムを第一取付部材に組み付けることが可能となる。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記液溜め工程の際、前記口部を押し潰す着脱可能な留め具を前記口部に取り付けて該口部を閉塞し、前記液体混合工程の際、前記留め具を前記口部から取り外して該口部を開放することが好ましい。
これにより、液溜め部に第二液体を収容させた後、口部に留め具を取り付けるだけで口部が閉塞され、液中組立工程の時などに、液溜め部に収容された第二液体が液溜め部の外に漏出することが防止される。また、口部に取り付けられた留め具を取り外すだけで口部が開放され、液溜め部内の第二液体が液室に流入可能となる。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記口部が、前記液溜め部の液体収容部よりも小径で括れた形状になっていることが好ましい。
これにより、上記した留め具を口部に取り付け易くなり、しかも、留め具によって閉塞された口部の密封性能が向上する。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記封入液が、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることが好ましい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することが好ましい。
これにより、防振装置の減衰効果が低減されることがない。
また、本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結する弾性体と、前記第一取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えると共に、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置であって、前記液室の隔壁のうち、該液室と外部とを仕切る外側の隔壁には、液体を収容可能であって前記液室に連通された液溜め部が設けられていることを特徴としている。
このような特徴により、上記した防振装置の製造方法が実現可能となる。
本発明に係る防振装置の製造方法、及び防振装置によれば、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、これにより、液室に封入された封入液における第二液体の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる。
本発明の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。 本発明の実施の形態を説明するためのダイヤフラムの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための防振装置の液体封入工程を表した断面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための防振装置の液体封入工程を表した断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。
以下、本発明に係る防振装置の製造方法、及び防振装置の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、本実施の形態における防振装置1の構成について、図1に基いて説明する。
本実施の形態における防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第二取付部材12と、これらの第一取付部材11と第二取付部材12とを弾性的に連結する弾性体13と、第一取付部材11の内部に形成された液室17を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、中心軸線Oを共通軸にして同軸上に配置されている。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、第二取付部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第一取付部材11が図示されないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動を車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
第二取付部材12は柱状に形成されるとともに、第一取付部材11における前記中心軸線O方向の一端開口部に配置されており、弾性体13は、第一取付部材11の一端開口部と第二取付部材12の外周面とに接着されて、第一取付部材11を前記中心軸線O方向の一端側から閉塞している。なお、第二取付部材12の一端面には雌ねじ部が形成されている。また、第二取付部材12の軸方向一端部は、第一取付部材11における前記中心軸線O方向の一端開口面よりも前記中心軸線O方向の外方に突出している。
さらに、第一取付部材11における前記中心軸線O方向の他端開口部にはダイヤフラム19が配設されている。このダイヤフラム19は上面視円形状に形成されるとともに、前記中心軸線O方向の他端側に向けて開口した逆椀状体となっている。詳しく説明すると、ダイヤフラム19は、円環状のダイヤフラムリング20と、このダイヤフラムリング20の内側に張設された膜状のダイヤフラムゴム21と、を備えている。ダイヤフラムゴム21の外周縁部は、全周にわたってダイヤフラムリング20の内周面に加硫接着されている。このダイヤフラム19は、ダイヤフラムリング20の軸方向他端部が上記した第一取付部材11の軸方向他端部と共に全周にわたって径方向内側に屈曲されることでカシメ固定されており、ダイヤフラム19は第一取付部材11を前記中心軸線O方向の他端側から閉塞している。
また、上記したダイヤフラム19は、副液室15と外部とを仕切る外側の隔壁であり、このダイヤフラム19には、液体を収容可能であって副液室15に連通された液溜め部25が設けられている。詳しく説明すると、液溜め部25は、ダイヤフラムゴム21の中央部分に形成されており、中心軸線O方向の他端側に向けて突出されている。この液溜め部25は、ダイヤフラムゴム21と一体に形成されたゴム製部材であり、弾性変形可能な袋体である。この液溜め部25は、ダイヤフラムゴム21の中央部分の開口の縁部から垂下されて副液室15側に開放された円筒形状の口部25aと、口部25aの中心軸線O方向の他端(先端)に設けられた液体収容部25bと、を備えている。口部25aは、中心軸線Oに沿って延設された円筒形状の筒部である。液体収容部25bは、略球形状の中空部材である。また、上記した口部25aは、液体収容部25bよりも小径で括れた形状になっている。
以上の構成において、第一取付部材11の内部のうち、ダイヤフラム19と弾性体13との間に位置する部分が、これらのダイヤフラム19および弾性体13によって液密に閉塞され、後述する封入液Lが充填された液室17となっている。そして、この液室17は、仕切り部材16によって、弾性体13を隔壁の一部に有しこの弾性体13の変形により内容積が変化する主液室14と、ダイヤフラム19を隔壁の一部に有しこのダイヤフラム19の変形により内容積が変化する副液室15と、に区画されている。
ここで、仕切り部材16の外周面側と第一取付部材11の内周面側との間には、第一取付部材11の周方向に沿って延びる制限通路24が形成されている。
図示の例では、仕切り部材16は、円環状の仕切り部材本体22と、円環状の仕切り部材本体22の内側に張設されたメンブラン23と、を備えている。仕切り部材本体22は、樹脂製の部材であり、その外周面には、前記制限通路24となる周溝が形成されている。この周溝は、第一取付部材11の内周面に被覆されたゴム膜18によって、仕切り部材16の径方向の外側から閉塞されており、これにより、主液室14と副液室15とを連通すると共に液室17内の液体が流通することで液柱共振が生じる制限通路24が形成されている。なお、ゴム膜18は弾性体13と一体に形成され、第一取付部材11の内周面は弾性体13およびゴム膜18により全域にわたって覆われている。また、メンブラン23は、円板状のゴム製の部材であり、その外縁部が全周にわたって仕切り部材本体22の内周面に加硫接着されており、このメンブラン23によって円環状の仕切り部材本体22の内側が閉塞している。
さらに、本実施形態では、この防振装置10は、主液室14が鉛直方向上側に位置しかつ副液室15が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式となっている。
そして、本実施形態では、前記封入液Lは、非相溶性を有する、つまり互いに不溶な第一液体L1および第二液体L2を含有している。第二液体L2は、第一液体L2よりも凍結点が低く、且つ封入液L中に含まれる重量比率が小さくなっている。また、第二液体L2は、少なくとも−30℃以上100℃以下の温度範囲で、第一液体L1よりも蒸気圧が高くなっている。例えば、第二液体L2の蒸気圧は第一液体L1の蒸気圧の2倍以上とされている。なお、第二液体L2は、第一液体L1よりも粘度が低くなっている。
以上のような第一液体L1としては、例えばエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有するもの若しくはエチレングリコール単体等が挙げられ、また第二液体L2としては、例えばシリコーンオイル若しくはフッ素オイル等が挙げられる。また、前記封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有している。好ましくは、前記封入液Lは、第一液体L1を80重量%以上99重量%以下含有し、第二液体L2を1重量%以上20重量%以下含有している。例えば、封入液L中に、第一液体L1が80cc〜200cc含まれ、第二液体L2は0.5cc〜5cc含まれている。
なお、前記封入液Lは、少なくともこの防振装置10に路面の凹凸等により大きな振動(荷重)が入力されたときに、第一液体L1中において第二液体L2が多数箇所に分散された態様になる。
[第1の実施の形態]
次に、上記した構成からなる防振装置10の製造方法の第1の実施の形態について説明する。
まず、第一取付部材11、第二取付部材12及び弾性体13を一体化させて防振装置本体30を作成する防振装置本体作成工程を行う。
具体的に説明すると、まず、弾性体13及びゴム膜18を形成するための図示せぬ金型(防振装置本体金型)の中に第一取付部材11及び第二取付部材12をそれぞれ所定位置に配置するとともに、第一取付部材11の内周面及び第二取付部材12の外周面にそれぞれ接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記した防振装置本体金型の中に硫黄を含有した未加硫ゴムを射出して弾性体13を成形するとともに、この弾性体13と一体にゴム膜18を成形する。続いて、これらの弾性体13等に圧力及び熱をそれぞれ加えて弾性体13等を加硫する。この際、弾性体13が、第一取付部材11の内周面及び第二取付部材12の外周面にそれぞれ接着され、ゴム膜18が第一取付部材11の内周面に接着される。そして、上記した防振装置本体金型の脱型を行うことにより、防振装置本体30が形成される。
また、円環状の仕切り部材本体22の内側にメンブラン23を形成して仕切り部材16を作成する仕切り部材作成工程を行う。
具体的に説明すると、メンブラン23を形成するための図示せぬ金型(メンブラン金型)の中に仕切り部材本体22を所定位置に配置するとともに、仕切り部材本体22の内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したメンブラン金型の中に硫黄を含有した未加硫ゴムを射出してメンブラン23を成形した後、そのメンブラン23に圧力及び熱をそれぞれ加えてメンブラン23を加硫する。この際、メンブラン23の外周縁部が仕切り部材本体22の内周面に接着される。そして、上記したメンブラン金型の脱型を行うことにより、仕切り部材本体22の内側にメンブラン23が張設された仕切り部材16が形成される。
また、ダイヤフラムリング20の内側にダイヤフラムゴム21を形成してダイヤフラム19を作成するダイヤフラム作成工程を行う。
具体的に説明すると、ダイヤフラムゴム21を形成するための図示せぬ金型(ダイヤフラム金型)の中にダイヤフラムリング20を所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング20の内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したダイヤフラム金型の中に硫黄を含有した未加硫ゴムを射出してダイヤフラムゴム21を成形した後、そのダイヤフラムゴム21に圧力及び熱をそれぞれ加えてダイヤフラムゴム21を加硫する。この際、ダイヤフラムゴム21の外周縁部がダイヤフラムリング20の内周面に接着される。そして、上記したダイヤフラム金型の脱型を行うことにより、ダイヤフラムリング20の内側にダイヤフラムゴム21が張設されたダイヤフラム19が形成される。
次に、ダイヤフラムゴム21に形成された液溜め部25に第二液体L2を収容し、その後、液溜め部25の口部25aを閉塞する液溜め工程を行う。
具体的に説明すると、液溜め部25の口部25aから液体収容部25bの中に第二液体L2を注入する。このとき、液室17の封入液Lにおいて所望される所定量(液室17に封入する封入液Lの総重量に対して0.1重量%以上40重量%以下、好ましくは1重量%以上20重量%以下)の第二液体L2を液溜め部25内に充填する。また、液溜め部25の内側に空気が入らないように、少なくとも口部25aの内側まで第二液体L2を充填する。続いて、図2に示すように、口部25aを押し潰す着脱可能な留め具40を口部25aに取り付ける。留め具40としては、口部25aを両側から挟み込むクリップを用いることができる。この留め具40が口部25aに取り付けられると、口部25aは両側から圧迫されて潰れるように弾性変形して閉塞される。これにより、液体収容部25bが液密に密閉され、液体収容部25b内に充填された第二液体L2が口部25aから漏出することが防止される。
次に、第一液体L1中において、上記した仕切り部材16及びダイヤフラム19を防振装置本体30にそれぞれ組み付け、液室17に第一液体L1を封入する液体封入工程(液中組立工程)を行う。
具体的に説明すると、図3に示すように、第一液体L1が貯留されたプールPの中に防振装置本体30を沈める。このとき、防振装置本体30は、第二取付部材12側(第一取付部材11の一端開口部側)を下向きにして配置する。また、第一取付部材11内に空気が残留しないように防振装置本体30をプールP内で適宜揺動させる。続いて、プールP内に仕切り部材16を投入し、第一液体L1中において、第一取付部材11の内側に仕切り部材16を嵌合させて防振装置本体30に仕切り部材16を組み付ける。このとき、仕切り部材16は、制限通路24内やメンブラン23の下側などに空気が残留しないようにプールP内で適宜揺動させた後、第一取付部材11の内側に挿入して防振装置本体30に組み付ける。続いて、プールP内にダイヤフラム19を投入し、第一液体L1中において、第一取付部材11の他端開口部の内側にダイヤフラム19を嵌合させて防振装置本体30にダイヤフラム19を組み付ける。このとき、ダイヤフラム19は、ダイヤフラムゴム21の下側などに空気が残留しないようにプールP内で適宜揺動させた後、第一取付部材11の内側に挿入して防振装置本体30に組み付ける。また、このとき、液溜め部25を把持してダイヤフラム19を第一取付部材11に組み付けることが好ましい。これにより、ダイヤフラム19を第一取付部材11に嵌合させる作業が容易となる。その後、第一液体L1中において、第一取付部材11の軸方向他端側の端部を全周に亘って径方向内側に屈曲させて第一取付部材11とダイヤフラムリング20とをカシメ固定する。
次に、組み立てられた防振装置10をプール50内から取り出し、防振装置10の表面を洗浄して防振装置10の表面に付着した第一液体L1を洗い流す。
次に、液溜め部25の口部25aを開放して液溜め部25内の第二液体L2を副液室15内の第一液体L1に混入する液体混合工程を行う。
具体的に説明すると、まず、口部25aに取り付けられた留め具40を口部25aから取り外す。これにより、潰れるように弾性変形した口部25aは、その弾性によって元の筒形状に戻って副液室15側に向けて開放される。続いて、液溜め部25の液体収容部25bを指等で摘んで縮径変形させる。これにより、液体収容部25bの内容積が減容され、液体収容部25b内の第二液体L2が、口部25aを通って副液室15内に押し出され、副液室15内の第一液体L1と混合される。このとき、液溜め部25内には、液室17内の封入液Lにおいて所望される所定量の第二液体L2が収容されているため、所望量の第二液体L2が液室17内の第一液体L1に混合される。
以上により、第一液体L1と第二液体L2とを含有する封入液Lが液室17内に封入された防振装置10が完成する。
上記した防振装置10の製造方法によれば、液溜め工程の際、液室17内の封入液Lにおいて所望される所定量の第二液体L2を液溜め部25に収容することで、液体混合工程によって所定量の第二液体L2を液室17内の第一液体L1に混合させることができるので、互いに非相溶性を有する第一液体L1及び第二液体L2を含有する封入液Lを所定の比率で液室17内に封入させることができる。これにより、液室17内の封入液Lにおける第二液体L2の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、上記した防振装置10の製造方法では、液体混合工程の際、液溜め部25を縮径変形させることで液溜め部25内に収容された第二液体L2を副液室15内に注入するので、液溜め部25内の第二液体L2が副液室15に確実に送り込まれて液室17内の第一液体L1と混合される。これにより、口部25aを開放させた後、副液室15内の第一液体L1に対して非相溶性を有する第二液体L2が液溜め部25に残留して第一液体L1と第二液体L2とが分離されることを防止することができ、液室17内の封入液Lにおける第一液体L1と第二液体L2の含有比率を所定比率にすることができる。
また、上記した液溜め部25がダイヤフラム19に設けられており、防振装置10をブラケット等を介して振動発生部や振動受部に取り付ける際に、ブラケット等に液溜め部25が干渉しにくくなる。これにより、防振装置10にブラケット等を取り付ける作業の作業効率の低下を抑えることができるとともに、ブラケット等の形状を変更せずに従来のブラケット等を用いることが可能である。
また、液溜め部25がダイヤフラム19に設けられていることにより、液溜め部25を把持してダイヤフラム19を第一取付部材11に組み付けることができるので、ダイヤフラム19の組み付け作業が容易となり、作業効率を向上させることができる。
また、上記した防振装置10の製造方法では、液溜め工程の際、留め具40を液溜め部25の口部25aに取り付けて口部25aを閉塞しているので、液溜め部25内に収容された第二液体L2の漏出が防止される。これにより、第二液体L2の漏出による第二液体L2の含有比率の低下を防止することができ、液室17内の封入液Lにおける第一液体L1と第二液体L2の含有比率を確実に所定比率にすることができる。また、上記した留め具40を着脱させるだけで口部25aが開閉されるので、液溜め工程の際に口部25aを閉塞したり液体混合工程の際に口部25aを開放したりする作業を容易に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、上記した口部25aが、液溜め部25の液体収容部25bよりも小径で括れた形状になっているので、上記した留め具40を口部25aに取り付け易く、しかも、留め具40によって閉塞された口部25aの密封性能が向上する。これにより、口部25aが開閉作業の作業効率を更に向上させることができるとともに、液溜め部25内の第二液体L2の漏出をより確実に防止することができる。
また、上記した封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有しており、前記第一液体L1はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体L2はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有しているため、防振装置10の減衰効果が低減されることがない。このため、防振装置10の減衰機能を維持したまま、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、水溶性のエチレングリコール等の第一液体L1中で液中組立工程を行うので、防振装置10の表面に油系の第二液体L2(シリコーンオイルやフッ素オイル)が付着せず、防振装置10の表面を洗浄する際、水で容易に洗い流すことが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、上記した構成からなる防振装置10の製造方法の第2の実施の形態について説明する。
まず、上述した第1の実施の形態と同様に、第一取付部材11、第二取付部材12及び弾性体13を一体化させて防振装置本体30を作成する防振装置本体作成工程、円環状の仕切り部材本体22の内側にメンブラン23を形成して仕切り部材16を作成する仕切り部材作成工程、及び、ダイヤフラムリング20の内側にダイヤフラムゴム21を形成してダイヤフラム19を作成するダイヤフラム作成工程をそれぞれ行う。
また、ダイヤフラム作成工程の後、ダイヤフラムゴム21に形成された液溜め部25に第二液体L2を収容し、その後、液溜め部25の口部25aを閉塞する液溜め工程を行う。
次に、図4に示すように、気中において、上記した仕切り部材16及びダイヤフラム19を防振装置本体30にそれぞれ組み付ける組立工程を行う。具体的に説明すると、まず、第一取付部材11の内側に仕切り部材16を嵌合させて防振装置本体30に仕切り部材16を組み付ける。続いて、第一取付部材11の他端開口部の内側にダイヤフラム19を嵌合させて防振装置本体30にダイヤフラム19を組み付ける。その後、第一取付部材11の他端側の端部を全周に亘って径方向内側に屈曲させて第一取付部材11とダイヤフラムリング20とをカシメ固定する。
次に、上記した第一取付部材11の内側に形成された液室17の内圧を負圧状態にした後、液室17に第一液体L1をによって封入する液体封入工程(真空注入工程)を行う。
具体的に説明すると、第一取付部材11には、液室17(主液室14、副液室15、制限通路24)内に連通し、液室17内の真空引き及び第一液体L1の注入の両方を行う共通口部11aが設けられている。
また、真空注入工程を行う封入装置100は、第一液体L1が充填されたタンク101と、一端がタンク101に接続されて他端が共通口部11aに接続された給液菅102と、給液菅102に設けられた給液バルブ103と、液室17内の真空引きを行うための真空ポンプ104と、一端が真空ポンプ104に接続されて他端が共通口部11aに接続された吸気菅105と、吸気菅105に設けられた吸気バルブ106と、を備えている。
上記した封入装置100を用いて液室17に第一液体L1を封入するには、まず、給液バルブ103を閉じた状態で、吸気バルブ106を開けると共に真空ポンプ104を稼動させる。これにより、液室17内の気体は、共通口部11aから吸気菅105内に吸い込まれ、吸気菅105内を通って真空ポンプ104から外部に吸い出される。その結果、液室17の内圧が低下して負圧状態(真空状態)となる。
続いて、上記した吸気バルブ106を閉じると共に真空ポンプ104の運転を停止させた後、給液バルブ103を開ける。これにより、タンク101の内部と液室17との内圧差によってタンク101内の第一液体L1が、給液菅102内を通って共通口部11aに至り、共通口部11aから液室17内に吸い込まれる。
その後、第一液体L1の液室17への注入が完了したところで、給液バルブ103が閉じ、その後、共通口部11aから吸気菅105及び給液菅102をそれぞれ取り外すと共に共通口部11aを閉塞して液室17を密閉する。
以上により、液室17に第一液体L1が封入される。
次に、液溜め部25の口部25aを開放して液溜め部25内の第二液体L2を副液室15内の第一液体L1に混入する液体混合工程を行う。
以上により、液室17内に第一液体L1と第二液体L2とを含有する封入液Lが封入され、防振装置10が完成する。
上記した防振装置10の製造方法によれば、液室17の内圧を負圧状態にすることで、液室17内に第一液体L1が流入しやすくなり、液室17内が第一液体L1で満たされる。これにより、所定量の第一液体L1を液室17内に封入させることができ、液室17内の封入液Lにおける第一液体L1の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、第二液体L2よりも蒸気圧が低い第一液体L1を上記した真空注入によって注入するので、負圧状態にした液室17に第一液体L1を注入する際に第一液体L1が気化することが防止される。これにより、液室17内の封入液Lにおける第一液体L1の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
以上、本発明に係る防振装置の製造方法、及び防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一液体L1および第二液体L2は、前述したものに限らず、非相溶性を有する液体であれば適宜変更可能である。例えば、第二液体L2が、第一液体L2と比較して凍結点や蒸気圧が同等若しくは低くなっていてもよく、また、第一液体L2と比較して粘度が同等若しくは高くなっていてもよい。また、上記した実施の形態では、封入液L中に含まれる第二液体L2の重量比率が第一液体L1の重量比率よりも小さくなっているが、第二液体L2の重量比率を第一液体L1の重量比率と同等若しくは大きくすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、液溜め部25の口部25aをクリップ状の留め具40で挟んで閉塞しているが、本発明は、他の留め具40を用いることも可能である。例えば、紐や帯状のバンド等で口部25aを締め付けて口部25aを閉塞させることも可能である。さらに、本発明は、留め具40を用いずに口部25aを閉塞させることも可能であり、例えば、液体収容部25bに第二液体L2を充填した後、口部25aを薄膜で閉塞し、液体混合工程の際、液体収容部25bを圧縮して液溜め部25の内圧を上昇させて上記した薄膜を破断させる方法であってもよい。
また、上記した実施の形態では、液溜め部25が、円筒形状の口部25aの先端に略球形状の液体収容部25bが設けられた構成となっているが、本発明は、上記した形状の液溜め部25に限定されない。例えば、図5に示すように、径方向に異方性を持った液溜め部125であってもよい。すなわち、径方向の一方に長い平面視略楕円形状の口部125a及び液体収容部125bであってもよい。これにより、口部125aをクリップ状の留め具40で挟んで閉塞する際、留め具40を口部125aに取り付け易くなり、また、口部125aの密閉性を向上させることができる。
さらに、上記した実施の形態では、ダイヤフラムゴム21と口部25aと液体収容部25bとがそれぞれ略同一の厚さに形成されており、液溜め部25の内周面も口部25aの部分が括れた形状になっているが、本発明における液溜め部は、その外形が口部の括れた形状に形成され、液溜め部の内周面が直穴状に形成された形状であってもよい。これにより、液溜め部を成形する際に、液溜め部の内側の金型が外し易くなり、液溜め部を簡単に成形することができる。
さらに、本発明は、液溜め部の口部が括れていない形状にすることも可能であり、例えば有底直筒状の液溜め部であってもよい。
また、上記した実施の形態では、組み立てられた防振装置10をプールPから出した後に、液体混合工程を行っているが、本発明は、防振装置10がプールP内に収容された状態のまま、液体混合工程を行うことも可能である。
また、上記した実施の形態では、液体混合工程の際、液溜め部25を縮径変形させて液溜め部25内の第二液体L2を副液室15内に注入しているが、本発明は、液溜め部25を縮径変形させることなく、液溜め部25内の第二液体L2を液室17内に流入させることも可能である。例えば、第二液体L2の比重が第一液体L1よりも重い場合には、液溜め部25の口部25aを下向きにした姿勢(図3に示す向き)に防振装置10を配置することで、液溜め部25内の第二液体L2は自重により副液室15内に流入する。一方、第二液体L2の比重が第一液体L1よりも軽い場合には、液溜め部25の口部25aを上向きにした姿勢(図1に示す向き)に防振装置10を配置することにより、液溜め部25内の第二液体L2は浮力により副液室15内に流入する。
また、上記した実施の形態では、液溜め部25がダイヤフラム19に設けられているが、本発明は、ダイヤフラム19以外の部材に液溜め部を設けることも可能である。例えば、第一取付部材11に、制限通路24の側面の一部を閉塞する側方メンブランが設けられている場合、この側方メンブランに液溜め部を設けることも可能である。
また、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室14が鉛直方向下側に位置しかつ副液室15が鉛直方向上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
さらに、封入液Lに含有される液体は、二種類の液体(第一液体L1、第二液体L2)に限らず、三種類以上の液体を含有する封入液Lであってもよい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、車両のエンジンマウントを製造する場合に限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントを製造する場合にも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントを製造する場合にも適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、第一取付部材11の他端開口部にダイヤフラム19(ダイヤフラムリング20)がカシメ固定されているが、本発明は、ダイヤフラム19が第一取付部材11にカシメ固定された構成に限定されず、例えば、ダイヤフラム19が第一取付部材11に止め具等によって固定されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材16に制限通路24が形成されているが、本発明は、仕切り部材16以外に制限通路24が形成されていてもよい。例えば、第一取付部材11の一部に溝加工して制限通路を形成してもよく、或いは、ダイヤフラムリング20等のカシメ部分の一部に溝加工して制限通路を形成してもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 防振装置
11 第一取付部材
12 第二取付部材
13 弾性体
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 液室
19 ダイヤフラム(外側の隔壁)
24 制限通路
25 液溜め部
25a 口部
25b 液体収容部
30 防振装置本体
40 留め具
L 封入液
L1 第一液体
L2 第二液体

Claims (10)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、
    前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記第一取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えると共に、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、
    前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、
    前記液室の隔壁のうち、該液室と外部とを仕切る外側の隔壁に、液体を収容可能であって前記液室に連通された液溜め部を設けておき、
    該液溜め部に前記第二液体を収容した後、前記液室側に開放された前記液溜め部の口部を閉塞する液溜め工程と、
    前記液室に前記第一液体を封入する液体封入工程と、
    前記口部を開放して前記液溜め部内の前記第二液体を前記液室内の前記第一液体に混入する液体混合工程と、
    を備えることを特徴とする防振装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の防振装置の製造方法において、
    前記液体封入工程は、前記第一液体中において、前記第一取付部材、前記第二取付部材及び前記弾性体を一体化させて形成された防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付けることで、前記液室に前記第一液体を封入する工程であることを特徴とする防振装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の防振装置の製造方法において、
    前記液体封入工程は、気中において、前記第一取付部材、前記第二取付部材及び前記弾性体を一体化させて形成された防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付けた後、前記液室の内圧を負圧状態にし、その後、該液室に前記第一液体を注入する工程であることを特徴とする防振装置の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の防振装置の製造方法において、
    前記液体混合工程の際、前記液溜め部を縮径変形させることで、該液溜め部内に収容された前記第二液体を前記液室内に注入することを特徴とする防振装置の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の防振装置の製造方法において、
    前記液溜め部が、前記副液室の隔壁の一部として形成されたダイヤフラムに設けられていることを特徴とする防振装置の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の防振装置の製造方法において、
    前記液溜め工程の際、前記口部を押し潰す着脱可能な留め具を前記口部に取り付けて該口部を閉塞し、
    前記液体混合工程の際、前記留め具を前記口部から取り外して該口部を開放することを特徴とする防振装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の防振装置の製造方法において、
    前記口部が、前記液溜め部の液体収容部よりも小径で括れた形状になっていることを特徴とする防振装置の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の防振装置の製造方法において、
    前記封入液は、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることを特徴とする防振装置の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の防振装置の製造方法において、
    前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することを特徴とする防振装置の製造方法。
  10. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、
    前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記第一取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えると共に、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、
    前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置であって、
    前記液室の隔壁のうち、該液室と外部とを仕切る外側の隔壁には、液体を収容可能であって前記液室に連通された液溜め部が設けられていることを特徴とする防振装置。
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