JP2010243903A - 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野角が大きく、カラーシフトが小さく、耐久性に優れ、優れた防眩性を有し、低ヘイズ値で高精細液晶表示装置に対応可能であり、斜め方向からの白ボケを防止して黒表示時における黒の濃さを向上させることができる液晶表示装置が得られ得る偏光板を提供する。
【解決手段】保護フィルムは面内位相差Reが0nm〜10nmであり、厚み方向位相差Rthが−10nm〜+10nmであり、防眩層は、ヘイズ値が5%〜20%であり、算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、表面粗さプロファイルの粗さ平均線に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部を有し、表面における任意の箇所の長さ4mmの範囲において、凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部を50個以上有し、かつ、線分の長さが50μm以上である凸状部を含まない。
【選択図】図1
【解決手段】保護フィルムは面内位相差Reが0nm〜10nmであり、厚み方向位相差Rthが−10nm〜+10nmであり、防眩層は、ヘイズ値が5%〜20%であり、算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、表面粗さプロファイルの粗さ平均線に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部を有し、表面における任意の箇所の長さ4mmの範囲において、凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部を50個以上有し、かつ、線分の長さが50μm以上である凸状部を含まない。
【選択図】図1
Description
本発明は、偏光板および当該偏光板を用いた液晶表示装置に関する。より詳細には、本発明は、防眩層を有する偏光板および当該偏光板を用いた液晶表示装置に関する。
従来、いわゆる水平配向モード(例えば、IPSモード)の液晶表示装置においては、視野角の拡大を目的として位相差板が用いられている。一方、ローコストの液晶表示装置の需要も存在し、コスト低減を目的として、位相差板を用いない構成の液晶表示装置が提案されている。このような液晶表示装置においては、偏光板の液晶セル側の保護フィルムの位相差を小さくすることにより、カラーシフトの低減が行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、従来の偏光板では、液晶表示装置の視野角が依然として不十分であり、さらに耐久性の向上も望まれている。
ところで、近年、画質を改善するために画素のサイズが小さい高精細の画像表示装置が増大している。このような高精細の画像表示装置に、従来の防眩性ハードコートフィルムを配置すると、画素中の輝度のバラツキが強調されてしまい、目に見える故障(ギラツキ故障)を引き起こし、著しく画質が悪化する。従来、高精細画像表示装置に対応する防眩性積層体においては、防眩層のヘイズ値を高くすることでギラツキを解消する手段が採用されている。この技術では、表示装置表面で光を強く散乱させるので、コントラストが大幅に低下するという問題がある。また、防眩性を高めるために、表面を大きく荒らして凹凸を付与する防眩処理が行われている。上記防眩処理には、無機または有機粒子などを添加することでフィルム表面に凹凸形状を形成する技術が採用されている。このような防眩処理を行うと、斜め方向から見た場合に反射光の散乱が強くなりすぎて白ぼけて見えるという、いわゆる斜め方向の白ボケの問題がある。防眩性の向上とコントラスト改善または白ボケ改善とは一般的に相反関係にあるとされているが、これらの特性を両立させるための種々の提案がなされている。例えば、防眩層中に上記粒子から形成される三次元立体構造の凝集部を存在させるという検討がなされているが(例えば、特許文献2参照)、凝集部での散乱の発生や、ハードコートフィルムに微細模様が現れることがある。また、一部の特性の改善に有効な手段は提案されているが(例えば、特許文献3および4参照)、上記3つの課題をすべて解決する有効な手段は見出されていない。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、視野角が大きく、カラーシフトが小さく、かつ、耐久性に優れた液晶表示装置が得られ得る偏光板を提供することにある。さらに、高精細化・高コントラスト化が進む液晶表示装置等の画像表示装置の特性を低下させることなく視認性を向上させることができる偏光板を提供することを目的とする。より具体的には、優れた防眩性を有し、かつ低ヘイズ値で高精細液晶表示装置に対応可能であり、斜め方向からの白ボケを防止して黒表示時における黒の濃さを向上させることができる偏光板を提供することを目的とする。
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムと、該一方の側とは反対側に配置された防眩層とを有し;該保護フィルムの面内位相差Reが0nm〜10nmであり、厚み方向位相差Rthが−10nm〜+10nmであり;該防眩層は、ヘイズ値が5%〜20%であり、算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、表面粗さプロファイルの粗さ平均線に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部を有し、該防眩層の表面における任意の箇所の長さ4mmの範囲において、該基準線の凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部を50個以上有し、かつ、該線分の長さが50μm以上である凸状部を含まない。
好ましい実施形態においては、上記防眩層は、(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物と、無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合されている第1の微粒子と、第2の微粒子とを含む。
好ましい実施形態においては、上記第1の微粒子の重量平均粒径は、1nm〜200nmである。
好ましい実施形態においては、上記第1の微粒子における無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記第1の微粒子における無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記硬化型化合物と上記第2の微粒子との屈折率の差は0.01〜0.04であり、該第2の微粒子は重量平均粒径0.5μm〜8μmの球状または不定形の微粒子を含む。
好ましい実施形態においては、上記保護フィルムの厚みは60μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記保護フィルムは、セルロース系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記保護フィルムは、セルロース系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂を含む。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の側に配置された上記の偏光板とを備える。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を含む液晶層を有する。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を含む液晶層を有する。
本発明によれば、面内位相差および厚み方向位相差が非常に小さい保護フィルムと特定の防眩層とを組み合わせて用いることにより、視野角が大きく、カラーシフトが小さく、かつ、耐久性に優れた液晶表示装置を実現し得る偏光板が得られる。さらに、高精細化・高コントラスト化が進む液晶表示装置の特性を低下させることなく視認性を向上させることができる偏光板が得られる。より具体的には、優れた防眩性を有し、かつ低ヘイズ値で高精細液晶表示装置に対応可能であり、斜め方向からの白ボケを防止して黒表示時における黒の濃さを向上させることができる偏光板が得られる。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである:
(1)「面内位相差Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Re(λ)は、式:Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められる。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率であり、d(nm)はフィルム(層)の厚みである。なお、単にReと記載する場合には、波長590nmの光で測定した面内位相差値をいう。
(2)厚み方向の位相差Rth(λ)は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rth(λ)は、式:Rth(λ)=(nx−nz)×dによって求められる。なお、単にRthと記載する場合には、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差値をいう。
(3)「算術平均表面粗さRa」とは、JIS B 0601(1994年版)に規定される表面粗さをいう。
(4)「ヘイズ値」とは、JIS K 7136(2000年版)に準じたヘイズ値(曇度)をいう。
(5)「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。したがって、例えば「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいい、例えば「(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物」とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する硬化型化合物をいう。
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである:
(1)「面内位相差Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Re(λ)は、式:Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められる。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率であり、d(nm)はフィルム(層)の厚みである。なお、単にReと記載する場合には、波長590nmの光で測定した面内位相差値をいう。
(2)厚み方向の位相差Rth(λ)は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rth(λ)は、式:Rth(λ)=(nx−nz)×dによって求められる。なお、単にRthと記載する場合には、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差値をいう。
(3)「算術平均表面粗さRa」とは、JIS B 0601(1994年版)に規定される表面粗さをいう。
(4)「ヘイズ値」とは、JIS K 7136(2000年版)に準じたヘイズ値(曇度)をいう。
(5)「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。したがって、例えば「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいい、例えば「(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物」とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する硬化型化合物をいう。
A.偏光板の全体構成
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の少なくとも一方の側に配置された保護フィルム12と、防眩層13とを有する。図示された実施形態においては、偏光子11の一方の側に保護フィルム12が配置され、他方の側に防眩層13が配置されている。偏光板10は、代表的には、保護フィルム12が液晶セル側となるようにして液晶表示装置に配置される。実用的には、偏光子11の保護フィルム12が配置されていない側に(代表的には、図1(b)に示すように偏光子11と防眩層13との間に)、第2の保護フィルム14が配置され得る。第2の保護フィルム14は、保護フィルム12と同一であってもよく、異なっていてもよい。
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の少なくとも一方の側に配置された保護フィルム12と、防眩層13とを有する。図示された実施形態においては、偏光子11の一方の側に保護フィルム12が配置され、他方の側に防眩層13が配置されている。偏光板10は、代表的には、保護フィルム12が液晶セル側となるようにして液晶表示装置に配置される。実用的には、偏光子11の保護フィルム12が配置されていない側に(代表的には、図1(b)に示すように偏光子11と防眩層13との間に)、第2の保護フィルム14が配置され得る。第2の保護フィルム14は、保護フィルム12と同一であってもよく、異なっていてもよい。
B.偏光子
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
C.保護フィルム
上記保護フィルム12は、面内位相差Reが0nm〜10nmであり、好ましくは0nm〜8nmであり、さらに好ましくは0nm〜6nmであり、特に好ましくは0nm〜3nmである。保護フィルム12の厚み方向位相差Rthは−10nm〜+10nmであり、好ましくは−8nm〜+8nmであり、さらに好ましくは−6nm〜+6nmであり、特に好ましくは−3nm〜+3nmである。上記のように、保護フィルム12は、代表的には液晶セル側に配置されるので、保護フィルム12の面内位相差および厚み方向位相差をできる限り小さくすることにより、液晶表示装置の視野角を拡大し、カラーシフトを低減することができる。
上記保護フィルム12は、面内位相差Reが0nm〜10nmであり、好ましくは0nm〜8nmであり、さらに好ましくは0nm〜6nmであり、特に好ましくは0nm〜3nmである。保護フィルム12の厚み方向位相差Rthは−10nm〜+10nmであり、好ましくは−8nm〜+8nmであり、さらに好ましくは−6nm〜+6nmであり、特に好ましくは−3nm〜+3nmである。上記のように、保護フィルム12は、代表的には液晶セル側に配置されるので、保護フィルム12の面内位相差および厚み方向位相差をできる限り小さくすることにより、液晶表示装置の視野角を拡大し、カラーシフトを低減することができる。
上記保護フィルム12は、上記のような面内位相差および厚み方向位相差を満足する限りにおいて、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。保護フィルム12は、好ましくは、セルロース系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂から形成される。特に好ましくは、保護フィルム12は、(メタ)アクリル系樹脂から形成される。特に優れた耐久性が得られるからである。
ここで、一般的に保護フィルムとして用いられているセルロース系フィルムは、例えば、トリアセチルセルロースフィルムの場合、厚さ80μmにおいて厚み方向の位相差(Rth)は60nm程度である。そこで、厚み方向の位相差(Rth)の大きいセルロース系フィルムについて、厚み方向の位相差(Rth)を小さくするための適切な処理を施すことにより、好適に保護フィルム12を得ることができる。
厚み方向の位相差(Rth)を小さくするための上記処理としては、任意の適切な処理方法を採用できる。例えば、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗布したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレス等の基材を、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば、80〜150℃程度で3〜10分程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂等をシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を、一般的なセルロース系フィルムに塗布し、加熱乾燥(例えば、80〜150℃程度で3〜10分程度)した後、塗布フィルムを剥離する方法などが挙げられる。
上記セルロース系フィルムを構成する材料としては、好ましくは、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等の脂肪酸置換セルロース系ポリマーが挙げられる。一般的に用いられているトリアセチルセルロースでは、酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7、より好ましくはプロピオン酸置換度を0.1〜1に制御することによって、厚み方向の位相差(Rth)を小さく制御することができる。
上記脂肪酸置換セルロース系ポリマーに、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、厚み方向の位相差(Rth)を小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸置換セルロース系ポリマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
上記厚み方向の位相差(Rth)を小さくするための処理は、適宜組み合わせて用いてもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。耐久性に優れ得るからである。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、三菱レイヨン社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報等に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂として、高い耐熱性、高い透明性、高い機械的強度を有する点で、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂およびグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。
上記ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−127892号公報などに記載のものが挙げられる。上記グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2004−70290号公報、特開2004−70296号公報、特開2004−163924号公報、特開2004−292812号公報、特開2005−314534号公報、特開2006−131898号公報、特開2006−206881号公報、特開2006−265532号公報、特開2006−283013号公報、特開2006−299005号公報、特開2006−335902号公報、国際公開2007/026659号パンフレットなどに記載のものが挙げられる。上記グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328329号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報などに記載のものが挙げられる。
上記ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造またはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、質量平均分子量(重量平均分子量と称することもある)が、好ましくは1000〜2000000、より好ましくは5000〜1000000、さらに好ましくは10000〜500000、特に好ましくは50000〜500000である。
上記ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造またはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは135℃、最も好ましくは140℃以上である。耐久性に優れ得るからである。上記ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造またはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。
上記保護フィルム12の厚みは、上記の好ましい面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthが得られ得る限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。保護フィルム12の厚みは、好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは20μm〜60μmであり、特に好ましくは30μm〜50μmである。
上記のように、第2の保護フィルム14は、保護フィルム12と同一であってもよく、異なっていてもよい。第2の保護フィルム14の面内位相差および厚み方向位相差、構成材料、ならびに厚み等は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、第2の保護フィルム14として、保護フィルム12のように面内位相差および厚み方向位相差の小さい保護フィルムを用いてもよく、従来から用いられている一般的な保護フィルムを用いてもよい。
D.防眩層
上記防眩層13は、その算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、好ましくは0.07μm〜0.12μmであり、さらに好ましくは0.08μm〜0.10μmである。算術平均表面粗さRaをこのような範囲とすることにより(すなわち、表面を所定の範囲で荒れさせることにより)、映り込みを改善し、かつ、白ボケを防止することができる。さらに、Raを0.15μm以下とすることにより、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)に使用したときに、斜め方向から見た場合の反射光の散乱が抑えられ、白ボケが改善されるとともに、明所でのコントラストも向上させることができる。
上記防眩層13は、その算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、好ましくは0.07μm〜0.12μmであり、さらに好ましくは0.08μm〜0.10μmである。算術平均表面粗さRaをこのような範囲とすることにより(すなわち、表面を所定の範囲で荒れさせることにより)、映り込みを改善し、かつ、白ボケを防止することができる。さらに、Raを0.15μm以下とすることにより、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)に使用したときに、斜め方向から見た場合の反射光の散乱が抑えられ、白ボケが改善されるとともに、明所でのコントラストも向上させることができる。
上記防眩層のヘイズ値は、好ましくは5%〜20%であり、さらに好ましくは5%〜15%であり、特に好ましくは5%〜10%である。ヘイズ値をこのような範囲とすることにより、ギラツキをさらに防止することができる。その結果、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)に使用したときに、鮮明な画像が得られ、かつ、暗所でのコントラストを向上させることができる。防眩層のヘイズ値は、後述の防眩層形成材料と第2の微粒子との屈折率差を調整することにより制御することができる。
上記防眩層は、表面粗さプロファイルの粗さ平均線(中心線)に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部を有する。防眩層は、当該防眩層の表面における任意の箇所の長さ4mmの範囲において、該基準線の凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部を50個以上有し、かつ、該線分の長さが50μm以上である凸状部を含まない。凸状部をこのような特定の形状とし、かつ当該凸状部の数をこのような範囲とすることにより、防眩層表面全体を荒れさせるのではなく、うねり状または微細な凹凸がまばらにあるような表面の凹凸形状を形成することができる。その結果、ギラツキおよび白ボケの両方をさらに良好に防止することができる。上記基準線の凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部の数は、好ましくは50個〜90個であり、さらに好ましくは60個〜80個である。凸状部の数は、算術平均粗さRaを実際に測定した際の粗さプロファイルをもとに計測される。図2は、凸状部の数の計測方法を説明するための模式図である。計測すべき凸状部、すなわち、横切る基準線(図2では「0.1μm」と示されている線)の長さが20μm以下である凸状部には斜線を入れてある。凸状部の数の計測は、ピークの数ではなく、上記基準線を横切る部分の数を計測する。例えば、プロファイル中の3、9のように、基準線を越える部分で複数のピークを有する場合は、凸状部の数は1個と数える。図2においては、凸状部は合計5個(ピーク1、4、5、6、8)となる。
上記防眩層は、Ra、ヘイズ値および/または凸状部の数を上記のように制御して特定の微細な凹凸を形成することにより、適切な内部散乱を発生させることができ、その結果、防眩性向上とギラツキ解消とを両立させることができる。
上記防眩層は、膜形成成分と第1の微粒子と第2の微粒子とを用いて形成され得る。本明細書においては、便宜上、膜形成成分と第1の微粒子とをまとめて防眩層形成材料と称することがある。膜形成成分としては、熱硬化性樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。防眩層形成材料は、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能であるが、好ましくは、膜形成成分として(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物を含み、第1の微粒子として無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合されている微粒子を含む。
上記硬化型化合物としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化し得る(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物が使用できる。このような硬化型化合物としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記硬化型化合物として、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。上記反応性希釈剤としては、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレートが挙げられる。上記単官能アクリレートとしては、例えば、エチレンオキサイド変性フェノールのアクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノールのアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールのアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレートが挙げられる。上記単官能メタクリレートとしては、例えば、エチレンオキサイド変性フェノールのメタクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノールのメタクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールのメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールのメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、トリプロピレングリコールモノメタクリレートが挙げられる。上記多官能アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールのジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAのジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンアリルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。上記多官能メタクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールのジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジメタクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAのジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンアリルエーテルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが挙げられる。上記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。3官能以上の(メタ)アクリレートを用いることにより、より優れた硬度を有する防眩層を得ることができるからである。上記膜形成成分としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等も挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記第1の微粒子における無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の微粒子が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化ケイ素(シリカ)の微粒子が好ましい。膜形成成分として硬化型化合物を用いた場合の硬化収縮を小さくし、かつ高硬度とすることができるからである。
上記第1の微粒子の重量平均粒径は、好ましくは1nm〜200nmであり、さらに好ましくは1nm〜100nmである。第1の微粒子の重量平均粒径をこのような範囲とすることにより、防眩層の光散乱を防止し、透過率の低下を防止し、着色を防止し、かつ、優れた透明性を確保することができる。第1の微粒子の重量平均粒径は、例えば、コールターカウント法により測定できる。例えば、細孔電気抵抗法を利用した粒度分布測定装置(例えば、商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン・コールター社製)を用い、第1の微粒子が細孔を通過する際における第1の微粒子の体積に相当する電解液の電気抵抗を測定することにより、第1の微粒子の数と体積を測定し、第1の微粒子の重量平均粒径を算出することができる。
上記第1の微粒子においては、上記無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合されている。言い換えれば、上記無機酸化物微粒子は、重合性不飽和基を含む有機化合物で表面修飾されている。重合性不飽和基が上記膜形成成分と反応硬化することで、防眩層の硬度を向上させることができる。重合性不飽和基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基が好ましい。また、上記重合性不飽和基を含む有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物あるいは加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。上記重合性不飽和基を含む有機化合物は、光感応性基を有するものであることも好ましい。
上記第1の微粒子の配合量は、上記膜形成成分100重量部に対して、好ましくは100重量部〜200重量部であり、さらに好ましくは100重量部〜150重量部である。第1の微粒子の配合量をこのような範囲とすることにより、防眩層におけるカールおよび折れの発生を、より効果的に防止することができる。さらに、上記第1の微粒子の配合量を調整することで、例えば、防眩層の屈折率を調整することが可能である。
上記第2の微粒子は、形成される防眩層表面を凹凸形状にして防眩性を付与し、また、当該防眩層のヘイズ値を制御することを主な機能とする。防眩層のヘイズ値は、上記第2の微粒子と上記防眩層形成材料との屈折率差を調整することで、制御することができる。上記第2の微粒子としては、例えば、無機微粒子、有機微粒子が挙げられる。上記無機微粒子としては、特に制限されず、例えば、酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化錫微粒子、炭酸カルシウム微粒子、硫酸バリウム微粒子、タルク微粒子、カオリン微粒子、硫酸カルシウム微粒子等が挙げられる。また、有機微粒子としては、特に制限されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末(PMMA微粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末等が挙げられる。これらの無機微粒子および有機微粒子は、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。上記第2の微粒子と上記防眩層形成材料との屈折率差は、好ましくは0.01〜0.04である。屈折率差をこのような範囲とすることにより、上記所望のヘイズ値への制御が容易となる。
上記第2の微粒子の重量平均粒径は、好ましくは0.5μm〜8μmであり、さらに好ましくは2μm〜6μmであり、特に好ましくは3μm〜6μmである。第2の微粒子の重量平均粒径が大きすぎると、偏光板を画像表示装置(例えば、液晶表示装置)に用いた場合に、画像の鮮明性が低下する場合がある。第2の微粒子の重量平均粒径が小さすぎると、十分な防眩性が得られない場合があり、ギラツキが大きくなる場合がある。また、上記第2の微粒子の重量平均粒径は、好ましくは、防眩層の厚みの30%〜80%の範囲である。第2の微粒子の重量平均粒径は、上記第1の微粒子の重量平均粒径と同様にして測定することができる。
上記第2の微粒子の形状は特に制限されず、例えば、ビーズ状のような略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよい。第2の微粒子の形状は、好ましくは略球形であり、さらに好ましくはアスペクト比が1.5以下の略球形であり、特に好ましくは実質的に真球形である。
上記第2の微粒子の配合量は、上記防眩層形成材料100重量部に対し、好ましくは3重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは5重量部〜8重量部である。
上記防眩層の厚みは、好ましくは5μm〜30μmである。また、防眩層の厚みは、上記第2の微粒子の重量平均粒径に対して、好ましくは1.2倍〜3倍であり、さらに好ましくは1.2倍〜2倍である。防眩層の厚みがこのような範囲であれば、上記所望の表面形状(凹凸形状)を実現しやすく、かつ、十分な硬度を有する防眩層が得られ得る。厚みが上記所定の範囲より大きいときは、カールが大きく塗工時のライン走行性が低下する場合があり、さらに防眩性が低下する場合がある。一方、厚みが上記所定の範囲より小さいときは、ギラツキが防止できず、鮮明性が低下する場合がある。
上記防眩層の硬度は、鉛筆硬度で好ましくは2H以上であり、さらに好ましくは4H以上であり、特に好ましくは6H以上である。
上記防眩層は、上記膜形成成分、上記第1の微粒子、上記第2の微粒子および溶媒を含む塗工液を塗工して塗膜を形成し、当該塗膜を硬化させることにより形成される。1つの実施形態においては、塗工液は、偏光子11(または第2の保護フィルム14)に直接塗工され、偏光子11(または第2の保護フィルム14)上に防眩層13が形成される。別の実施形態においては、塗工液は、任意の適切な基材に塗工され、基材上に防眩層が形成される。このようにして得られた基材/防眩層の積層体が、偏光子11と貼り合わされる。この場合、基材が第2の保護フィルム14として機能し得る。
上記溶媒としては、防眩層形成材料の組成、第1および/または第2の微粒子の種類、第1および/または第2の含有量等に応じて、任意の適切な溶媒が使用され得る。上記溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。1つの実施形態においては、上記溶媒として、MIBK(または酢酸ブチル)/MEKの混合溶媒が用いられ得る。この場合、MIBK(または酢酸ブチル)/MEKの比率は、好ましくは1.5/1〜3.0/1であり、さらに好ましくは1.5/1〜2.0/1である。
上記塗工液は、任意の適切な光重合開始剤を含み得る。光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられ、その他、チオキサント系化合物等が使用できる。
上記塗工液には、各種レベリング剤を添加することができる。レベリング剤としては、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤が挙げられ、好ましくは、シリコーン系レベリング剤である。シリコーン系レベリング剤としては、例えば、反応性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等が挙げられる。これらのシリコーン系レベリング剤のなかで、反応性シリコーンが特に好ましい。反応性シリコーンを添加することにより、防眩層の表面に滑り性が付与され耐擦傷性が長期間にわたり持続するようになる。また、反応性シリコーンとしてヒドロキシル基を有するものを用いれば、シロキサン成分を含有する反射防止層(低屈折率層)を防眩層上に形成する場合、当該反射防止層と防眩層との密着性が向上する。上記レベリング剤の配合量は、上記膜形成成分100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、さらに好ましくは0.01重量部〜5重量部である。
上記塗工液は、添加剤をさらに含んでもよい。添加剤としては、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防汚剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤等が挙げられる。添加剤の種類、数および添加量等は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記塗工液の塗工方法としては、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等が挙げられる。
上記塗工液の塗膜は、硬化前に乾燥させることが好ましい。乾燥は、例えば、自然乾燥でもよく、風を吹きつけての風乾であってもよく、加熱乾燥であってもよく、これらを組み合わせた方法であってもよい。
上記塗膜の硬化手段は、特に制限されないが、熱硬化または電離放射線硬化が好ましく、より好ましくは電離放射線硬化である。電離放射線硬化の手段には各種活性エネルギーを用いることができるが、紫外線が好ましい。エネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2が好ましい。照射量が50mJ/cm2以上であれば、硬化がより十分となり、形成される防眩層の硬度もより十分なものとなる。照射量が5000mJ/cm2以下であれば、形成される防眩層の着色を防止することができる。
本発明の偏光板に第2の保護フィルム14が設けられる場合には、防眩層と第2の保護フィルムとの屈折率差を小さくすることが好ましい。防眩層と第2の保護フィルムとの界面に生じる干渉光を防止できるからである。干渉光は、入光した外光の反射光が虹色の色相を呈する現象である。最近、オフィス等では、明瞭性に優れた三波長蛍光灯が多用されている。三波長蛍光灯の下では、干渉光が顕著に現れる。このような点を考慮すると、防眩層と第2の保護フィルムとの屈折率差を小さくすることが好ましい。防眩層の屈折率は、上記第1の微粒子の配合量を変えることにより調整することができる。より具体的には、防眩層と第2の保護フィルムとの屈折率差は、好ましくは0.04以下であり、さらに好ましくは0.02以下である。例えば、第2の保護フィルムとしてTACフィルム(屈折率約1.48)を用いる場合、上記第1の微粒子の無機酸化物微粒子として酸化ケイ素(シリカ)を用い、これを上記防眩層形成材料の成分全体に対し、35〜45重量%程度配合させることで、上記屈折率差を0.02以下に制御することができ、干渉縞の発生を抑制することができる。
ここまで、簡単のため防眩層が単一層である場合を説明してきたが、防眩層は二層以上が積層された積層構造を有してもよい。
E.その他の層
本発明の偏光板は、その他の層をさらに有してもよい。その他の層としては、例えば、反射防止層、帯電防止層、位相差層、輝度向上フィルム層が挙げられる。例えば、上記防眩層の上に反射防止層(低屈折率層)を配置してもよい。光は物体に当たると、その界面での反射、内部での吸収、散乱といった現象を繰り返して物体の背面に透過していく。例えば、画像表示装置に本発明の偏光板を装着した場合、画像の視認性を低下させる要因のひとつに空気と防眩層界面での光の反射が挙げられる。反射防止層は、その表面反射を低減させるものである。
本発明の偏光板は、その他の層をさらに有してもよい。その他の層としては、例えば、反射防止層、帯電防止層、位相差層、輝度向上フィルム層が挙げられる。例えば、上記防眩層の上に反射防止層(低屈折率層)を配置してもよい。光は物体に当たると、その界面での反射、内部での吸収、散乱といった現象を繰り返して物体の背面に透過していく。例えば、画像表示装置に本発明の偏光板を装着した場合、画像の視認性を低下させる要因のひとつに空気と防眩層界面での光の反射が挙げられる。反射防止層は、その表面反射を低減させるものである。
F.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの少なくとも一方の側に配置された上記本発明の偏光板とを備える。代表的には、本発明の偏光板は、視認側に配置される。視認側と反対側に配置される偏光板は、任意の適切な偏光板であり得る。好ましくは、視認側と反対側に配置される偏光板における液晶セル側の保護フィルムは、上記保護フィルム12のような面内位相差および厚み方向位相差の小さい保護フィルムである。好ましくは、上記液晶セルは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を含む液晶層を有する。このような液晶層を用いる駆動モードの代表例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モードおよび強誘電性液晶(FLC)モード等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの少なくとも一方の側に配置された上記本発明の偏光板とを備える。代表的には、本発明の偏光板は、視認側に配置される。視認側と反対側に配置される偏光板は、任意の適切な偏光板であり得る。好ましくは、視認側と反対側に配置される偏光板における液晶セル側の保護フィルムは、上記保護フィルム12のような面内位相差および厚み方向位相差の小さい保護フィルムである。好ましくは、上記液晶セルは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を含む液晶層を有する。このような液晶層を用いる駆動モードの代表例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モードおよび強誘電性液晶(FLC)モード等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)ヘイズ値
JIS K7136(2000年版)に準じて、ヘイズメーターHR300((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
(2)算術平均表面粗さRa
基材/防眩層の積層体の防眩層が形成されていない面に、MATSUNAMI社製のガラス板(厚み1.3mm)を粘着剤で貼り合わせ、高精度微細形状測定器(商品名「サーフコーダET4000」、(株)小阪研究所製)を用いて防眩層の表面形状を測定し、当該測定器の自動算出により算術平均表面粗さRaを求めた。
(3)算術平均表面粗さの中心線を越える凸状部の数
上記(2)の表面形状の測定により得られた粗さプロファイルにおける任意の箇所の長さ4mmの範囲において、当該プロファイルの粗さ平均線(中心線)に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部であって、当該凸状部を横切る部分の基準線の長さが20μm以下である凸状部の数を計測したものを測定値とした。
(4)コントラスト
以下の方法、測定装置を用いて23℃で測定した。暗所の測定は、暗室で行い、液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面のXYZ表示系のY値を測定した。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、コントラスト「YW/YB」を算出した。コントラストは正面方向および斜め方向の両方を測定した。斜め方向のコントラストについては、極角60°方向において方位角が45°方向、135°方向、225°方向および315°方向のコントラストを測定し、その平均値を斜め方向のコントラストとした。明所の測定は、AUTRONICMELCHERS社製 製品名「ErgoScope80」(視野角測定装置)および製品名「ConoStage903」(サンプルステージ)を用い、液晶表示装置正面から光を当てながら表示画面のXYZ表示系のY値を測定した。白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、コントラスト「YW/YB」を算出した。斜め方向のコントラストについては、暗所の場合と同様に、極角60°方向において方位角が45°方向、135°方向、225°方向および315°方向のコントラストを測定し、その平均値を斜め方向のコントラストとした。なお、方位角45°とは、パネルの長辺を0°としたときに反時計周りに45°回転させた方位を表し、極角60°とは表示画面の正面方向(法線方向)を0°としたときに、角度60°に傾斜した方向を表す。
(5)カラーシフト
以下の方法、測定装置を用いて23℃の暗室で測定した。液晶表示装置に、黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」を用いて、極角60°方向における全方位の色相、a値およびb値を測定した。極角60°方向における全方位のa値、b値の平均値をそれぞれ、aave.値、bave.値とし、また、極角60°方位角45°におけるa値、b値をそれぞれa45°値、b45°値とした。斜め方向のカラーシフト量(Δab値)は、次式:{(a45°−aave.)2+(b45°−bave.)2}1/2から算出した。カラーシフト量が0.07以下を○、0.07を超えるものを×とした。
(6)耐久性
液晶表示装置を点灯したまま60℃のオーブンに24時間投入し、オーブン投入前後のカラーシフト量変化率(Δab24−Δab0)/Δab0を求め評価した。変化率の絶対値が0.15以下を○、0.15を超えるものを△とした。なお、Δab0はオーブン投入前のカラーシフト量であり、Δab24はオーブン投入24時間後のカラーシフト量である。
(7)防眩性
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、黒色アクリル板(三菱レイヨン社製、厚み2.0mm)に粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射を排除した試験片を作製した。表示装置を用いる一般的なオフィス環境下(約1000Lx)において、当該試験片の防眩性を目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:像の写り込みはあるが、視認性への影響は小さい
A :像の写り込みはあるが、実用上問題はない
B :像の写り込みがあり、実用上問題がある
(8)ギラツキ
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、ガラス板(MATSUNAMI社製、厚み1.3mm)に粘着剤で貼り合わせて試験片を作製した。この試験片を、バックライト(ハクバ写真産業社製、商品名「ライトビュワー5700」)の上に置かれたマスクパターン(上記バックライトからの距離:1.5mm)上に配置した。上記マスクパターンとして、開口部60μm×200μm、縦線幅60μm、横線幅200μmの格子状パターン(212ppi)を用いた。ギラツキを目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:像の写り込みはあるが、視認性への影響は小さい
A :像の写り込みはあるが、実用上問題はない
B :像の写り込みがあり、実用上問題がある
(9)白ボケ
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、黒色アクリル板(日東工業社製、厚み1.0mm)に粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射を排除した試験片を作製した。表示装置を用いる一般的なオフィス環境下(約1000Lx)において、当該試験片の平面に対して垂直方向を基準(0°)として60°の方向から、白ボケ現象を目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:白ボケがほとんどない
A :白ボケはあるが、視認性への影響は小さい
B :白ボケが強く、視認性が著しく低下している
JIS K7136(2000年版)に準じて、ヘイズメーターHR300((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
(2)算術平均表面粗さRa
基材/防眩層の積層体の防眩層が形成されていない面に、MATSUNAMI社製のガラス板(厚み1.3mm)を粘着剤で貼り合わせ、高精度微細形状測定器(商品名「サーフコーダET4000」、(株)小阪研究所製)を用いて防眩層の表面形状を測定し、当該測定器の自動算出により算術平均表面粗さRaを求めた。
(3)算術平均表面粗さの中心線を越える凸状部の数
上記(2)の表面形状の測定により得られた粗さプロファイルにおける任意の箇所の長さ4mmの範囲において、当該プロファイルの粗さ平均線(中心線)に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部であって、当該凸状部を横切る部分の基準線の長さが20μm以下である凸状部の数を計測したものを測定値とした。
(4)コントラスト
以下の方法、測定装置を用いて23℃で測定した。暗所の測定は、暗室で行い、液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面のXYZ表示系のY値を測定した。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、コントラスト「YW/YB」を算出した。コントラストは正面方向および斜め方向の両方を測定した。斜め方向のコントラストについては、極角60°方向において方位角が45°方向、135°方向、225°方向および315°方向のコントラストを測定し、その平均値を斜め方向のコントラストとした。明所の測定は、AUTRONICMELCHERS社製 製品名「ErgoScope80」(視野角測定装置)および製品名「ConoStage903」(サンプルステージ)を用い、液晶表示装置正面から光を当てながら表示画面のXYZ表示系のY値を測定した。白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、コントラスト「YW/YB」を算出した。斜め方向のコントラストについては、暗所の場合と同様に、極角60°方向において方位角が45°方向、135°方向、225°方向および315°方向のコントラストを測定し、その平均値を斜め方向のコントラストとした。なお、方位角45°とは、パネルの長辺を0°としたときに反時計周りに45°回転させた方位を表し、極角60°とは表示画面の正面方向(法線方向)を0°としたときに、角度60°に傾斜した方向を表す。
(5)カラーシフト
以下の方法、測定装置を用いて23℃の暗室で測定した。液晶表示装置に、黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」を用いて、極角60°方向における全方位の色相、a値およびb値を測定した。極角60°方向における全方位のa値、b値の平均値をそれぞれ、aave.値、bave.値とし、また、極角60°方位角45°におけるa値、b値をそれぞれa45°値、b45°値とした。斜め方向のカラーシフト量(Δab値)は、次式:{(a45°−aave.)2+(b45°−bave.)2}1/2から算出した。カラーシフト量が0.07以下を○、0.07を超えるものを×とした。
(6)耐久性
液晶表示装置を点灯したまま60℃のオーブンに24時間投入し、オーブン投入前後のカラーシフト量変化率(Δab24−Δab0)/Δab0を求め評価した。変化率の絶対値が0.15以下を○、0.15を超えるものを△とした。なお、Δab0はオーブン投入前のカラーシフト量であり、Δab24はオーブン投入24時間後のカラーシフト量である。
(7)防眩性
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、黒色アクリル板(三菱レイヨン社製、厚み2.0mm)に粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射を排除した試験片を作製した。表示装置を用いる一般的なオフィス環境下(約1000Lx)において、当該試験片の防眩性を目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:像の写り込みはあるが、視認性への影響は小さい
A :像の写り込みはあるが、実用上問題はない
B :像の写り込みがあり、実用上問題がある
(8)ギラツキ
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、ガラス板(MATSUNAMI社製、厚み1.3mm)に粘着剤で貼り合わせて試験片を作製した。この試験片を、バックライト(ハクバ写真産業社製、商品名「ライトビュワー5700」)の上に置かれたマスクパターン(上記バックライトからの距離:1.5mm)上に配置した。上記マスクパターンとして、開口部60μm×200μm、縦線幅60μm、横線幅200μmの格子状パターン(212ppi)を用いた。ギラツキを目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:像の写り込みはあるが、視認性への影響は小さい
A :像の写り込みはあるが、実用上問題はない
B :像の写り込みがあり、実用上問題がある
(9)白ボケ
基材/防眩層(またはアンチグレア層)の積層体の防眩層(またはアンチグレア層)が形成されていない面を、黒色アクリル板(日東工業社製、厚み1.0mm)に粘着剤で貼り合わせ、裏面の反射を排除した試験片を作製した。表示装置を用いる一般的なオフィス環境下(約1000Lx)において、当該試験片の平面に対して垂直方向を基準(0°)として60°の方向から、白ボケ現象を目視にて評価した。判定基準は以下のとおりである。
AA:白ボケがほとんどない
A :白ボケはあるが、視認性への影響は小さい
B :白ボケが強く、視認性が著しく低下している
〔実施例1〕
(偏光子の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、28℃温水中に60秒間浸漬して膨潤させた。次に、ヨウ素およびヨウ化カリウム(重量比1:10)を含む水溶液に浸漬して、3.3倍まで延伸しながら、所定の単体透過率となるように染色した。その後、3重量%のホウ酸および2重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬し、60℃の4重量%のホウ酸および3重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中で延伸倍率が計6.0倍となるように延伸した。その後、得られた延伸フィルムを、5重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液に10秒間浸漬し、40℃のオーブンで3分間乾燥して、厚さ30μmの偏光子を得た。
(偏光子の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、28℃温水中に60秒間浸漬して膨潤させた。次に、ヨウ素およびヨウ化カリウム(重量比1:10)を含む水溶液に浸漬して、3.3倍まで延伸しながら、所定の単体透過率となるように染色した。その後、3重量%のホウ酸および2重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬し、60℃の4重量%のホウ酸および3重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中で延伸倍率が計6.0倍となるように延伸した。その後、得られた延伸フィルムを、5重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液に10秒間浸漬し、40℃のオーブンで3分間乾燥して、厚さ30μmの偏光子を得た。
(保護フィルムの作製)
国際公開2007/026659号パンフレットの製造例2の方法に従い、グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂80重量部とコアシェル型のアクリル弾性体微粒子20重量部とをシート状に押し出して、保護フィルム(厚さ40μm、面内位相差Re=0nm、厚み方向位相差Rth=0nm)を得た。上記グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、グルタル酸無水物構造単位が28重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位が68重量%、不飽和カルボン酸単位(メタクリル酸由来の構造単位)が4重量%であり、重量平均分子量が13万であった。グルタル酸無水物構造単位は下記化学式(1)で表され、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位は下記化学式(2)で表される。また、上記グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂と上記アクリル弾性体微粒子との屈折率差は0.002であった。
国際公開2007/026659号パンフレットの製造例2の方法に従い、グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂80重量部とコアシェル型のアクリル弾性体微粒子20重量部とをシート状に押し出して、保護フィルム(厚さ40μm、面内位相差Re=0nm、厚み方向位相差Rth=0nm)を得た。上記グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、グルタル酸無水物構造単位が28重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位が68重量%、不飽和カルボン酸単位(メタクリル酸由来の構造単位)が4重量%であり、重量平均分子量が13万であった。グルタル酸無水物構造単位は下記化学式(1)で表され、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位は下記化学式(2)で表される。また、上記グルタル酸無水物構造を有する(メタ)アクリル系樹脂と上記アクリル弾性体微粒子との屈折率差は0.002であった。
(防眩層の形成)
無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合したナノシリカ粒子(第1の微粒子:重量平均粒径20nm)を分散させた、膜形成成分を含む防眩層形成材料(JSR(株)製、商品名「オプスターZ7540」、膜形成成分:(メタ)アクリレート系樹脂、固形分56重量%、溶媒:酢酸ブチル/メチルエチルケトン(MEK)=76/24)を準備した。この防眩層形成材料の硬化膜の屈折率は1.485であった。防眩層形成材料の固形分100重量部あたり、第2の微粒子としてアクリルとスチレンの架橋粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクノポリマーXX80AA」、重量平均粒径5.5μm、屈折率1.515)を5重量部、レベリング剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「GRANDIC PC−4100」)を0.1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア127」)を0.5重量部混合した。この混合物を、固形分濃度が45重量%、酢酸ブチル/MEK比率が2/1となるように希釈して、塗工液を調製した。
無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合したナノシリカ粒子(第1の微粒子:重量平均粒径20nm)を分散させた、膜形成成分を含む防眩層形成材料(JSR(株)製、商品名「オプスターZ7540」、膜形成成分:(メタ)アクリレート系樹脂、固形分56重量%、溶媒:酢酸ブチル/メチルエチルケトン(MEK)=76/24)を準備した。この防眩層形成材料の硬化膜の屈折率は1.485であった。防眩層形成材料の固形分100重量部あたり、第2の微粒子としてアクリルとスチレンの架橋粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクノポリマーXX80AA」、重量平均粒径5.5μm、屈折率1.515)を5重量部、レベリング剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「GRANDIC PC−4100」)を0.1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア127」)を0.5重量部混合した。この混合物を、固形分濃度が45重量%、酢酸ブチル/MEK比率が2/1となるように希釈して、塗工液を調製した。
基材として、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタオプト(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ40μm、屈折率1.48、Re=2.1nm、Rth=30.0nm:以下、便宜上「通常TAC」と称する)を準備した。この基材の片面に上記塗工液をコンマコーターで塗工し、塗膜を形成した。次いで、塗膜を100℃で1分間加熱して乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、当該塗膜を硬化処理して厚み9μmの防眩層を基材上に形成した。防眩層のヘイズ値は12%、算術平均表面粗さRaは0.10μm、基準線を越えかつ当該基準線の横切る長さが20μm以下である凸状部の数は77個、基準線の横切る長さが50μm以上である凸状部の数は0個であった。
(偏光板の作製)
上記で得られた偏光子、保護フィルム、および基材/防眩層の積層体を、接着剤を介して貼り合わせ、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Aを得た。得られた偏光板に関して、防眩性、ギラツキおよび白ボケを評価した。結果を表1に示す。
上記で得られた偏光子、保護フィルム、および基材/防眩層の積層体を、接着剤を介して貼り合わせ、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Aを得た。得られた偏光板に関して、防眩性、ギラツキおよび白ボケを評価した。結果を表1に示す。
〔参考例1〕
防眩層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Bを得た。
防眩層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Bを得た。
〔参考例2〕
硬化被膜の屈折率が1.53であるウレタン(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂100重量部、レベリング剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「メガファックF−470」)0.5重量部、不定形シリカ粒子(富士シリシア化学(株)製、商品名「サイロホービック702」、重量平均粒径2.5μm、屈折率1.46)8重量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)5重量部を、固形分濃度が38重量%となるように混合溶媒(トルエン/酢酸ブチル=85/15(重量比))に溶解または分散させてアンチグレア塗工液を得た。実施例1の塗工液に代えてこのアンチグレア塗工液を用いて通常TAC上にアンチグレア処理層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、アンチグレア処理層/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Cを得た。当該アンチグレア処理層のヘイズ値は20%、算術平均粗さRaは0.22であった。さらに、得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
硬化被膜の屈折率が1.53であるウレタン(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂100重量部、レベリング剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「メガファックF−470」)0.5重量部、不定形シリカ粒子(富士シリシア化学(株)製、商品名「サイロホービック702」、重量平均粒径2.5μm、屈折率1.46)8重量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)5重量部を、固形分濃度が38重量%となるように混合溶媒(トルエン/酢酸ブチル=85/15(重量比))に溶解または分散させてアンチグレア塗工液を得た。実施例1の塗工液に代えてこのアンチグレア塗工液を用いて通常TAC上にアンチグレア処理層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、アンチグレア処理層/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Cを得た。当該アンチグレア処理層のヘイズ値は20%、算術平均粗さRaは0.22であった。さらに、得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔参考例3〕
シクロペンタノンを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布した後、これを厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製、商品名「UZ−TAC」、Re=3nm、Rth=40nm)に貼り合わせた。これを100℃で5分間乾燥した。乾燥後にPETフィルムを剥離した。得られたTACフィルムは、Re=0.2nm、Rth=5.4nmであった(以下、このTACフィルムを便宜上ゼロTACとも称する)。このTACフィルムを(メタ)アクリル系樹脂フィルムに代えて用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Dを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
シクロペンタノンを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布した後、これを厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製、商品名「UZ−TAC」、Re=3nm、Rth=40nm)に貼り合わせた。これを100℃で5分間乾燥した。乾燥後にPETフィルムを剥離した。得られたTACフィルムは、Re=0.2nm、Rth=5.4nmであった(以下、このTACフィルムを便宜上ゼロTACとも称する)。このTACフィルムを(メタ)アクリル系樹脂フィルムに代えて用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Dを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔参考例4〕
防眩層を形成しなかったこと以外は参考例3と同様にして、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板を得た。この偏光板の通常TAC保護フィルム上に、参考例2と同様にしてアンチグレア処理層を形成し、アンチグレア処理層/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Eを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
防眩層を形成しなかったこと以外は参考例3と同様にして、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板を得た。この偏光板の通常TAC保護フィルム上に、参考例2と同様にしてアンチグレア処理層を形成し、アンチグレア処理層/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(ゼロTAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Eを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔参考例5〕
実施例1と同様に作製した偏光子の両側に通常TACフィルムを貼り合わせ、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Fを得た。
実施例1と同様に作製した偏光子の両側に通常TACフィルムを貼り合わせ、保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、厚み40μm)の構成を有する偏光板Fを得た。
〔参考例6〕
(メタ)アクリル系樹脂からなる保護フィルムに代えて通常TACを用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、Re=2.1nm、Rth=30.0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Gを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(メタ)アクリル系樹脂からなる保護フィルムに代えて通常TACを用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、Re=2.1nm、Rth=30.0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Gを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔参考例7〕
防眩層形成材料の厚みを15μmにしたこと以外は実施例1と同様して、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Hを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
防眩層形成材料の厚みを15μmにしたこと以外は実施例1と同様して、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム((メタ)アクリル系樹脂、Re=0nm、Rth=0nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Hを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔参考例8〕
第2の微粒子としてアクリル−スチレンの架橋粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクノポリマーXX94A」、重量平均粒径6.0μm、屈折率1.495)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、Re=2.1nm、Rth=30nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Iを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
第2の微粒子としてアクリル−スチレンの架橋粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクノポリマーXX94A」、重量平均粒径6.0μm、屈折率1.495)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、防眩層/基材(第2の保護フィルム:通常TAC、厚み40μm)/偏光子/保護フィルム(通常TAC、Re=2.1nm、Rth=30nm、厚み40μm)の構成を有する偏光板Iを得た。得られた偏光板に関して、実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
(液晶表示装置の作製)
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置[HITACHI製 UT32−HV700B(パネルサイズ:375mm×230mm)]から液晶パネルを取り出し、該液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルの上下のガラス面を洗浄した。この液晶セルの視認側に、偏光板Aを防眩層が外側に配置されるようにして粘着剤を介して貼り付けた。液晶セルの視認側と反対側には、偏光板Bを通常TAC保護フィルムが外側に配置されるようにして粘着剤を介して貼り付けて、液晶パネルを作製した。ここで、偏光板Aの偏光子の吸収軸と偏光板Bの偏光子の吸収軸が互いに直交するようにして、偏光板Aおよび偏光板Bを配置した。得られた液晶パネルを元の液晶表示装置のバックライトユニットと結合し、液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の構成の概略を表2に示す。得られた液晶表示装置の正面方向コントラスト(CR)、斜め方向コントラスト(CR)、カラーシフトおよび耐久性を測定した。結果を表3に示す。
(液晶表示装置の作製)
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置[HITACHI製 UT32−HV700B(パネルサイズ:375mm×230mm)]から液晶パネルを取り出し、該液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルの上下のガラス面を洗浄した。この液晶セルの視認側に、偏光板Aを防眩層が外側に配置されるようにして粘着剤を介して貼り付けた。液晶セルの視認側と反対側には、偏光板Bを通常TAC保護フィルムが外側に配置されるようにして粘着剤を介して貼り付けて、液晶パネルを作製した。ここで、偏光板Aの偏光子の吸収軸と偏光板Bの偏光子の吸収軸が互いに直交するようにして、偏光板Aおよび偏光板Bを配置した。得られた液晶パネルを元の液晶表示装置のバックライトユニットと結合し、液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の構成の概略を表2に示す。得られた液晶表示装置の正面方向コントラスト(CR)、斜め方向コントラスト(CR)、カラーシフトおよび耐久性を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例3〜4および比較例1〜4〕
表2に示す偏光板を表2に示すように配置したこと以外は実施例2と同様にして、それぞれ液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例2と同様の評価に供した。結果を表3に示す。
表2に示す偏光板を表2に示すように配置したこと以外は実施例2と同様にして、それぞれ液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例2と同様の評価に供した。結果を表3に示す。
実施例2と比較例1、実施例3と比較例2、および、実施例4と比較例3をそれぞれ比較すると明らかなように、特定の防眩層を用いる実施例の液晶表示装置は、特に明所における斜め方向のコントラストの改善が顕著である。さらに、実施例2から明らかなように、視認側と反対側の偏光板における液晶セル側の保護フィルムに位相差の小さい保護フィルムを用いることにより、明所における斜め方向のコントラストの改善がさらに顕著となる。また、液晶セル側の保護フィルムに(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いることにより、耐久性がさらに改善され得る。加えて、実施例3と比較例4とを比較すると明らかなように、防眩層を含む偏光板の当該防眩層とは反対側の保護フィルムに位相差の小さい保護フィルムを用いることにより、カラーシフトが顕著に改善される。
本発明の偏光板は、画像表示装置等に好適に利用され得、液晶表示装置に特に好適に利用され得る。
10、10’ 偏光板
11 偏光子
12 保護フィルム
13 防眩層
14 第2の保護フィルム
11 偏光子
12 保護フィルム
13 防眩層
14 第2の保護フィルム
Claims (9)
- 偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムと、該一方の側とは反対側に配置された防眩層とを有し、
該保護フィルムの面内位相差Reが0nm〜10nmであり、厚み方向位相差Rthが−10nm〜+10nmであり、
該防眩層は、ヘイズ値が5%〜20%であり、算術平均表面粗さRaが0.05μm〜0.15μmであり、表面粗さプロファイルの粗さ平均線に平行で0.1μmの高さに位置する基準線を越える凸状部を有し、該防眩層の表面における任意の箇所の長さ4mmの範囲において、該基準線の凸状部を横切る部分の線分の長さが20μm以下である凸状部を50個以上有し、かつ、該線分の長さが50μm以上である凸状部を含まない、
偏光板。 - 前記防眩層が、(メタ)アクリロイル基を有する硬化型化合物と、無機酸化物微粒子に重合性不飽和基を含む有機化合物が結合されている第1の微粒子と、第2の微粒子とを含む、請求項1に記載の偏光板。
- 前記第1の微粒子の重量平均粒径が、1nm〜200nmである、請求項2に記載の偏光板。
- 前記第1の微粒子における無機酸化物微粒子が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種である、請求項2または3に記載の偏光板。
- 前記硬化型化合物と前記第2の微粒子との屈折率の差が0.01〜0.04であり、該第2の微粒子が重量平均粒径0.5μm〜8μmの球状または不定形の微粒子を含む、請求項2から4のいずれかに記載の偏光板。
- 前記保護フィルムの厚みが60μm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の偏光板。
- 前記保護フィルムが、セルロース系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂を含む、請求項1から6のいずれかに記載の偏光板。
- 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の側に配置された請求項1から7のいずれかに記載の偏光板とを備える、液晶表示装置。
- 前記液晶セルが、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を含む液晶層を有する、請求項8に記載の液晶表示装置。
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