JP2010231909A - 過電圧保護部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、より過電圧に対する耐性の低い電子部品の保護を可能とする放電開始電圧の低い過電圧保護部品の実現を目的としている。
【解決手段】本発明の過電圧保護部品は、素体1と、素体1の内部に設けられた放電空洞部2と、少なくとも一部が放電空洞部2に形成された第1放電電極3と、少なくとも一部が放電空洞部2に形成され、第1放電電極3と隔てて形成された第2放電電極4と、素体1の外部に第1放電電極3と電気的に接続するように形成された第1端子電極5と、素体1の外部に第2放電電極4と電気的に接続するように形成された第2端子電極6とを備え、前記放電空洞部2の内側の面における前記第1放電電極3が形成された面から前記第2放電電極4が形成された面に渡って離散的に付着された導体粉7とを有するものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の過電圧保護部品は、素体1と、素体1の内部に設けられた放電空洞部2と、少なくとも一部が放電空洞部2に形成された第1放電電極3と、少なくとも一部が放電空洞部2に形成され、第1放電電極3と隔てて形成された第2放電電極4と、素体1の外部に第1放電電極3と電気的に接続するように形成された第1端子電極5と、素体1の外部に第2放電電極4と電気的に接続するように形成された第2端子電極6とを備え、前記放電空洞部2の内側の面における前記第1放電電極3が形成された面から前記第2放電電極4が形成された面に渡って離散的に付着された導体粉7とを有するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は電子機器を静電気やサージ等から保護する過電圧保護部品およびその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の静電気やサージ等の過電圧に対する耐性は低下しており、その対策として過電圧保護部品が使用されている。過電圧保護部品は、過電圧から保護したい電子部品と電気的に並列に接続させ、通常時は電気を通さないが、過電圧印加時には電気を通すことで過電圧による電流が電子部品に流れることを防止するものである。
このような過電圧保護部品の一例としては、同一平面上に2個の電極をギャップにより隔てて配置し、通常の動作時には2個の電極間は絶縁されているが、過電圧印加時には過電圧が2個の電極間を放電する機能を備えたものがある(特許文献1参照。)。
また、一対の放電電極間の距離を短くせずに、蓋を導体と絶縁体の混合物で形成し、放電開始は蓋を構成する導電体を伝わって行われ、主放電は放電電極間で行われるという過電圧保護部品も知られている(特許文献2参照。)。
特開2004−14437号公報
特開2001−345161号公報
近年、電子機器や電子部品の小型化により、過電圧に対する耐性は更に低下し、その電子部品にとって許容される電圧値が低下してきている。電子部品が許容する電圧値の低下に対応すべく、過電圧保護部品が電気を流し始める電圧、即ち、放電開始電圧(トリガー電圧)の低下が求められる。放電開始電圧を低下させるための一つの手段としては、2つの電極間のギャップの距離を短くすればよい。
しかし、ギャップ間距離を短くすることは、製造上の精度との兼ね合いもあり、ギャップ間距離を短くすることにより放電開始電圧を低下させる方法にも限界があった。
また、放電開始電圧を低下させるための他の手段として、上記特許文献2のような構造を採用し、一対の放電電極間で放電を開始させるのではなく、一対の放電電極を含む空間の蓋を絶縁体と導電体の混合物で形成し、この蓋の導体間に放電を生じさせることによる方法も考えられる。しかし、この場合には、放電を開始する際の放電が生じる経路が、一対の放電電極のギャップ間ではなく、蓋を通る経路であるので、放電経路が長くなり、その分、放電開始電圧が高くなってしまい、放電開始電圧を低下させるとの要望に必ずしも応えるものではなかった。
さらに、上記特許文献2のように、放電開始時においては放電電極の蓋と接触する部分で放電が行われ、主放電においては、放電電極の先端部で放電が行われ、両者の生じる場所が異なるため、放電開始から主放電へと円滑に放電が移行するとは限らなかった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、より過電圧に対する耐性の低い電子部品の保護を可能とする放電開始電圧の低い過電圧保護部品の実現を目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
請求項1に記載の発明は、素体と、前記素体の内部に設けられた放電空洞部と、少なくとも一部が前記放電空洞部に形成された第1放電電極と、少なくとも一部が前記放電空洞部に形成され、前記第1放電電極と隔てて形成された第2放電電極と、前記素体の外部に前記第1放電電極と電気的に接続するように形成された第1端子電極と、前記素体の外部に前記第2放電電極と電気的に接続するように付着された第2端子電極とを備え、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極が形成された面から前記第2放電電極が形成された面に渡って離散的に付着された導体粉とを有するものである。
この構成によれば、請求項1に記載の発明は、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極が形成された面から前記第2放電電極が形成された面に渡って離散的に付着された導体粉により、放電開始電圧を低くさせることができるという作用効果を有する。
請求項2に記載の発明は、特に、前記第1放電電極と前記第2放電電極とは、ともに前記放電空洞部の内側の面における同じ面に形成され、かつ互いにその先端部で間隔を空けて形成されたもので、この構成によれば、第1放電電極と第2放電電極間のギャップ間距離、即ち、両者の先端部間の間隔をより狭めた場合と同等まで放電開始電圧を低下させることができるという作用効果を有する。
請求項3に記載の発明は、特に、前記導体粉は、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極と前記第2放電電極が形成された面から所定距離までの部分に形成され、前記所定距離を越える部分には形成されないもので、導体粉の使用量を削減することができ、安価に製造することができ、さらに、導体粉を付着させる領域を狭くすることができるので、放電空洞部内部に付着された導体粉間の距離のバラツキを少なくすることができ、これにより安定的に放電を行うことができるという作用効果を有する。
請求項4に記載の発明は、特に、前記第1放電電極と前記第2放電電極は、前記放電空洞部の内側の面における互いに対向する面にそれぞれ形成され、かつ互いにその面方向で間隔を空けて形成されたもので、この構成によれば、第1放電電極と第2放電電極間の面対向距離、即ち、面方向の間隔をより狭めた場合と同等まで放電開始電圧を低下させることができるという作用効果を有する。
請求項5に記載の発明は、未焼成の第1絶縁シート上に第1放電電極となる第1金属層および第2放電電極となる第2金属層とを互いにギャップを隔てて形成する工程と、前記第1絶縁シート、前記第1金属層および前記第2金属層上に、前記ギャップを臨むような開口部を有する未焼成の第2絶縁シートを積層する工程と、少なくとも前記第1絶縁シート上の前記ギャップ間に導体粉と樹脂とを混合した導体粉ペーストを塗布する工程と、前記第2絶縁シートの前記開口部内に樹脂ペーストを充填する工程と、前記開口部を塞ぐように前記第2絶縁シート上に第3絶縁シートを積層する工程と、前記第1絶縁シート、前記第2絶縁シート、前記第3絶縁シート、前記導体粉ペースト、前記樹脂ペースト、第1金属層および第2金属層を焼成することにより前記導体粉ペースト中の樹脂および前記樹脂ペーストを焼失させることにより放電空洞部の形成と、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極と前記第2放電電極間のギャップに前記導体粉を付着させる工程とを備えたものである。
この製造方法によれば、請求項5に記載の発明は、放電開始電圧を低下させることができるという作用効果に加えて、簡単な製造方法で導体粉を、放電空洞部の内側の面における第1放電電極および第2放電電極が形成された平面から所定距離までの部分に形成し、前記所定距離を越える部分には形成しない構成のものを製造することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、前記導体粉を塗布する工程の前に、前記導体粉を前記放電空間内の内側の面に付着させるための接着性を有するペーストを塗布する工程を追加したものである。
この方法によれば、確実に導体粉を、第1放電電極と第2放電電極間のギャップに付着させることができるという作用効果を有する。
以上のように本発明の過電圧保護部品およびその製造方法は、放電開始電圧を下げることができ、これにより、放電開始電圧を低下させることができ、より過電圧に対する耐性のない電子部品の保護を行うことができるという効果を有するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態を用いて、本発明の請求項1〜3、5および6に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態を用いて、本発明の請求項1〜3、5および6に記載の発明について説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1における過電圧保護部品の正面断面図、図1(b)は図1(a)のA−Aにおける断面図である。
素体1は絶縁体からなり、略直方体の形状を有する。素体1は内部で放電が生じても損傷がないことが求められ、耐熱、対熱衝撃に優れたセラミックなどを材料とすることが好ましい。放電空洞部2は素体1の内部に形成されたもので、この空洞内に放電が生じることとなる。放電空洞部2は、略直方体形状を有しており、その底面側の内壁(内側の面)を第1平面2a、これと対向する天井側の内壁を第2平面2b、側面側の内壁を側面2cとする。なお、放電空洞部2の形状は立方体形状であっても良く、あるいは、第1の平面が多角形や、楕円形、円形であってもよい。また、底面側の内壁を平面にして、全体として半球面形状や、ドーム形状であってもよい。
第1放電電極3は、素体1の内部に設けられ、その一部が放電空洞部2に露出している。第2放電電極4は、素体1の内部に設けられ、その一部が放電空洞部2に露出しており、第1放電電極3とはギャップにより間隔を空けて同一平面に配置されている。第1放電電極3および第2放電電極4には、放電が生じるため耐熱性に優れたタングステンやモリブデン、または導電性に優れた銅、金、パラジウムあるいはこれらの合金などを用いることができる。
第1端子電極5は素体1の外部に形成され、第1放電電極3と電気的に接続しており、第2端子電極6は素体1の外部に形成され、第2放電電極4と電気的に接続している。
導体粉7は、放電空洞部2の内壁に離散的に付着されたものである。導体粉7は、放電空洞部2の内壁の全面に形成されているのではなく、第1放電電極3および第2放電電極4が形成されている平面である第1平面2aと、側面2cにおける第1平面2aからの高さがd1の範囲に形成されている。従って、放電空洞部2の第1平面2aと第2平面2b間の距離をdとすると、d1はdより小さくなるものである。導体粉7としては、導電性に優れ、耐熱性に優れる点から金属粉を用いるのが好ましく、一般に電極として用いられるものを用いることができる。第1放電電極3および第2放電電極4に好適なタングステンやモリブデン、または銅、金、パラジウムあるいはこれらの合金などを用いることができる。また、第1放電電極3および第2放電電極4と同じ成分のものを用いても良いが、異なる成分のものを用いてもよい。
なお、図1において、導体粉7を付着させた厚みは、第1放電電極3や第2放電電極4と同等のように図示しているが、これは分かり易くするために示したものであり、実際には、これより薄い厚みになる。これは、図2、3においても同様である。
過電圧保護部品8は、以上の構成を有するものである。
次に、製造方法について図2および図3を用いて説明をする。図2は本発明の実施の形態1における過電圧保護部品の製造方法を示す正面断面図、図3は同過電圧保護部品の製造方法を示す平面図である。
図2(a)、図3(a)に示すように、未焼成のセラミックグリーンシートからなる第1絶縁シート11の上面に電極材料のペーストを塗布し、第1金属層12と第2金属層13を形成する。このとき、第1金属層12と第2金属層13とは所定距離のギャップを隔てて互いの先端部が対向するように形成する。
次に、図2(b)、図3(b)に示すように、第1絶縁シート11、第1金属層12および第2金属層13上に第2絶縁シート14を形成する。この第2絶縁シート14は第1絶縁シート11と同じ組成のものを用いることができる。第2絶縁シート14は平面視した際に中央部に四角形の開口部14aが設けられ、この開口部14aから第1金属層12および第2金属層13の先端部が露出するような形状を有する。
次に、図2(c)、図3(c)に示すように、第2絶縁シート14の中央部の四角形の開口部14aに導体粉ペースト15を充填する。この導体粉ペースト15は最終的に放電空洞部2の内壁に付着させる導体粉7を含んだものである。導体粉ペースト15としては、導体粉7と樹脂ペーストの混合物であるが、樹脂ペーストのフィラとしてはアクリルビーズを用いることもできる。また、導体粉ペースト15は第2絶縁シート14の上面まで充填するのではなく、途中の高さまで充填する。
次に、図2(d)、図3(d)に示すように、第2絶縁シート14の中央部の四角形の孔の部分にある導体粉ペースト15上にアクリルビーズペースト16(樹脂ペースト)を充填する。このアクリルビーズペースト16は第2絶縁シート14の上面まで充填する。
次に、図2(e)、図3(e)に示すように、第2絶縁シート14およびアクリルビーズペースト16上に第3絶縁シート17を積層する。この第3絶縁シート17は第1絶縁シート11と同じ組成のものを用いることができる。
このあとに、焼成工程を実施する。焼成工程により、図2(f)に示すように、第1絶縁シート11、第2絶縁シート14および第3絶縁シート17は一体化して素体1になる。また、第1金属層12および第2金属層13は、それぞれ第1放電電極3および第2放電電極4になる。そして、導体粉ペースト15中の樹脂成分は焼失し、またアクリルビーズペースト16も焼失し、これにより第2絶縁シート14の中央部の四角形の孔が放電空洞部2を形成することになる。さらに、導体粉ペースト15中の導体粉成分が放電空洞部2の内壁に導体粉7として付着する。このとき、導体粉ペースト15を第2絶縁シート14の上面まで充填せずに、途中の高さまで充填し、その上に導体粉が入っていないアクリルビーズペースト16を充填することにより、放電空洞部2の内壁の全面に導体粉7を付着させるのではなく、第1放電電極3および第2放電電極4が形成された平面から所定の高さまでの内壁に付着させることができる。
最後に、図2(g)、図3(f)に示すように、素体1の外側に第1放電電極3と電気的に接続する第1端子電極5を、同様に第2放電電極4と電気的に接続する第2端子電極6をそれぞれ形成する。この第1端子電極5、第2端子電極6の形成方法は、導電性に優れる銀や銅をペースト状にして印刷塗布し焼成する方法や、薄膜工法で形成する方法などがある。さらに、印刷工法等で形成した金属上に半田めっき層やスズめっき層を形成してもよい。
以上のように構成され、製造された過電圧保護部品の動作について、以下、説明をする。
過電圧から保護したい電子部品に電圧を印加する側に第1端子電極5を、そして、グランド側に第2端子電極6を接続しておく。この状態において、通常の電圧が印加されているときには、ギャップにより隔てられている第1放電電極3と第2放電電極4間に放電は生じず、電気は電子部品に流れる。
しかし、過電圧が印加された場合には、第1放電電極3と第2放電電極4間に放電が生じ、このときには過電圧保護部品8を過電圧による電気が流れ、電子部品には過電圧による電流が流れないので、電子部品を過電圧から保護することができる。
ここで、一般に、放電は、電圧が高いと生じ易く、電圧が低いと生じ難いものであるが、この放電が生じる最小の電圧値である放電開始電圧は、放電が生じる2つの電極間の距離に関係しており、電極間距離が短いと放電し易く、長いと放電し難いものである。
本発明の実施の形態1における過電圧保護部品8は、放電空洞部2の内壁における第1放電電極3と第2放電電極4とのギャップ間に導体粉7を付着させており、この導体粉7の存在により放電が生じ易くなるため、第1放電電極3と第2放電電極4間のギャップ距離による放電開始電圧よりも低い放電開始電圧を実現することができる。また、第1放電電極3と第2放電電極4間のギャップ間で生じる放電は、放電距離としては最短であるので、放電空洞部2の側面2cに付着された導体粉7を伝わって放電する場合に比べ、より低い電圧で放電が生じる。また、放電開始時には、ギャップ間の導体粉7を経由して第1放電電極3の先端部と第2放電電極4の先端部とで放電が行われ、主放電は、ギャップ間の空間を経由して第1放電電極3の先端部と第2放電電極4の先端部とで放電が行われるもので、いずれの放電も第1放電電極3、第2放電電極4においてはその先端で行われるので、放電開始から主放電へ円滑に放電が移行されるという作用効果を有する。
また、本発明のような製造方法で製造することにより、第1放電電極3と第2放電電極4のギャップ間に確実に導体粉7を付着させることができる。また、放電空洞部2の内壁の全面に導体粉7を形成するのではなく、第1平面2aから所定の距離の内壁に導体粉7を付着させ、導体粉7を付着させる領域を小さくすることができるので、導体粉ペースト15の使用量を削減することができる。勿論、導体粉7を放電空洞部2の内側の面の全面に形成しても、動作電圧を低下させることはできる。
なお、本発明の過電圧保護部品においては、放電空洞部2の内壁における第1放電電極3と第2放電電極4のギャップに接着層を設けて、この接着層により、導体粉7を確実に上記ギャップに付着させることもできる。この場合には、導体粉ペースト15をギャップ間に塗布する前に、接着層となるペーストを塗布すればよい。接着層となる物質としては、ガラス、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化ケイ素、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ酸化物の内の一種類を少なくとも含むものがよい。
また、導体粉7の平均粒径としては、0.1〜10μm程度が好ましい。
さらに、導体粉ペースト15における導体粉7の成分比は、放電空洞部2の内壁に付着した導体粉7間の距離に影響するものであり、放電開始電圧に関わってくるものである。つまり、導体粉7間の距離が短ければ放電開始電圧は低くなり、距離が長ければ電圧は高くなる。そして、導体粉ペースト15における導体粉7の成分比が高いと放電空洞部2の内側の面に形成された導体粉7間の距離が短くなり、成分比が低いと導体粉7間の距離が長くなるものである。従って、導体粉ペースト15における導体粉7の成分比を調整することで、通常の印加電圧の時には、導体粉7間で放電が生じず、動作させようとする過電圧が印加された時に、導体粉7間で放電が生じるように設定することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、特に、本発明の請求項4に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態2を用いて、特に、本発明の請求項4に記載の発明について説明する。
図4(a)は、本発明の実施の形態2における過電圧保護部品の正面断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−Bにおける断面図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ符号を付している。
実施の形態2の過電圧保護部品23は、第1放電電極21および第2放電電極22の配置が実施の形態1の過電圧保護部品と異なっており、第1放電電極21は放電空洞部2の天井面である第2平面2bに形成され、第2放電電極22は第2平面2bと対向する底面である第1平面2aに形成されている。
この製造方法は、実施の形態1の製造方法において、第1金属層12を形成する場所を変えればよく、また、アクリルビーズペースト16を充填せずに導体粉ペースト15を開口部14aに充填させて製造すればよい。
以下、実施の形態2の過電圧保護部品23の動作について説明する。
過電圧から保護する電子部品との電気的な接続は、実施の形態1のときと同様であり、動作原理も実施の形態1と同様である。従って、通常時は、過電圧保護部品23は絶縁体の機能を有し、過電圧が印加された際には、第1放電電極21と第2放電電極22間に放電が生じ、このときには過電圧保護部品23を過電圧による電気が流れ、電子部品には過電圧による電流が流れないので、電子部品を過電圧から保護することができ、導体粉7が放電空洞部2の内側の面の第1放電電極21が形成された面から第2放電電極22が形成された面に渡って形成されているので、放電開始電圧を低くすることが可能となる点も実施の形態1と同様である。
また、放電開始時には、放電空洞部2の内側の面に形成された導体粉7を経由して第1放電電極21の外周部から第2放電電極22の外周部へ放電が行われる。そして、主放電は、尖っている部分から放電が起き易いことから、第1放電電極21と第2放電電極22間の空間を経由して、第1放電電極21の外周部から第2放電電極22の外周部へ放電が生じるものである。このように、放電開始時と主放電時とで、第1放電電極21および第2放電電極22における同じ場所から放電が生じるので、放電開始から主放電へ円滑に放電が移行されるという作用効果を有する点も実施の形態1と同様である。
本発明にかかる過電圧保護部品およびその製造方法は、放電開始電圧を低下させることができるので、より過電圧に弱い電子部品等の保護を行うことができるという優れた効果を奏するものである。
1 素体
2 放電空洞部
2a 第1平面
2b 第2平面
2c 側面
3 第1放電電極
4 第2放電電極
5 第1端子電極
6 第2端子電極
7 導体粉
8 過電圧保護部品
11 第1絶縁シート
12 第1金属層
13 第2金属層
14 第2絶縁シート
14a 開口部
15 導体粉ペースト
16 アクリルビーズペースト(樹脂ペースト)
17 第3絶縁シート
21 第1放電電極
22 第2放電電極
23 過電圧保護部品
2 放電空洞部
2a 第1平面
2b 第2平面
2c 側面
3 第1放電電極
4 第2放電電極
5 第1端子電極
6 第2端子電極
7 導体粉
8 過電圧保護部品
11 第1絶縁シート
12 第1金属層
13 第2金属層
14 第2絶縁シート
14a 開口部
15 導体粉ペースト
16 アクリルビーズペースト(樹脂ペースト)
17 第3絶縁シート
21 第1放電電極
22 第2放電電極
23 過電圧保護部品
Claims (6)
- 素体と、
前記素体の内部に設けられた放電空洞部と、
少なくとも一部が前記放電空洞部に形成された第1放電電極と、
少なくとも一部が前記放電空洞部に形成され、前記第1放電電極と隔てて形成された第2放電電極と、
前記素体の外部に前記第1放電電極と電気的に接続するように形成された第1端子電極と、
前記素体の外部に前記第2放電電極と電気的に接続するように形成された第2端子電極とを備え、
前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極が形成された面から前記第2放電電極が形成された面に渡って離散的に付着された導体粉と、
を有する過電圧保護部品。 - 前記第1放電電極と前記第2放電電極とは、ともに前記放電空洞部の内側の面における同じ面に形成され、かつ互いにその先端部で間隔を空けて形成されたものである請求項1記載の過電圧保護部品。
- 前記導体粉は、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極と前記第2放電電極が形成された面から所定距離までの部分に形成され、前記所定距離を越える部分には形成されない請求項2記載の過電圧保護部品。
- 前記第1放電電極と前記第2放電電極は、前記放電空洞部の内側の面における互いに対向する面にそれぞれ形成され、かつ互いにその面方向で間隔を空けて形成された請求項1記載の過電圧保護部品。
- 未焼成の第1絶縁シート上に第1放電電極となる第1金属層および第2放電電極となる第2金属層とを互いにギャップを隔てて形成する工程と、
前記第1絶縁シート、前記第1金属層および前記第2金属層上に、前記ギャップを臨むような開口部を有する未焼成の第2絶縁シートを積層する工程と、
少なくとも前記第1絶縁シート上の前記ギャップ間に導体粉と樹脂とを混合した導体粉ペーストを塗布する工程と、
前記第2絶縁シートの前記開口部内に樹脂ペーストを充填する工程と、
前記開口部を塞ぐように前記第2絶縁シート上に第3絶縁シートを積層する工程と、
前記第1絶縁シート、前記第2絶縁シート、前記第3絶縁シート、前記導体粉ペースト、前記樹脂ペースト、第1金属層および第2金属層を焼成することにより前記導体粉ペースト中の樹脂および前記樹脂ペーストを焼失させることにより放電空洞部の形成と、前記放電空洞部の内側の面における前記第1放電電極と前記第2放電電極間のギャップに前記導体粉を付着させる工程とを備えた過電圧保護部品の製造方法。 - 前記導体粉ペーストを塗布する工程の前に、前記導体粉を前記放電空間内の内側の面に付着させるための接着性を有するペーストを塗布する工程を追加した請求項5記載の過電圧保護部品の製造方法。
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JP2009075543A JP2010231909A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 過電圧保護部品およびその製造方法 |
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2009
- 2009-03-26 JP JP2009075543A patent/JP2010231909A/ja active Pending
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WO2016203976A1 (ja) * | 2015-06-15 | 2016-12-22 | 株式会社村田製作所 | Esd保護装置 |
JPWO2016203976A1 (ja) * | 2015-06-15 | 2017-12-21 | 株式会社村田製作所 | Esd保護装置 |
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