JP2010219184A - 金属化ポリプロピレンフィルムとその製造方法およびそれを用いたフィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリプロピレンフィルムの幅方向に複数の単位コンデンサが直列に繋がるように、ポリプロピレンフィルムの両面に電極となる金属薄膜を蒸着により形成した両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに用いた場合に、金属薄膜と外部電極との接続が不安定となり、誘電正接とそれに関わる耐電流性等の特性を損ねていた。
【解決手段】両面金属化ポリプロピレンフィルムの表面への金属薄膜の形成時に、一方の面に設けられた、外部電極と接続される第一の金属薄膜を先に形成し、その後に他方の面に第二の金属薄膜を形成することにより、引き出し電極と外部電極との接続を安定させる。
【選択図】図1
【解決手段】両面金属化ポリプロピレンフィルムの表面への金属薄膜の形成時に、一方の面に設けられた、外部電極と接続される第一の金属薄膜を先に形成し、その後に他方の面に第二の金属薄膜を形成することにより、引き出し電極と外部電極との接続を安定させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気機器、電子機器等に搭載されるフィルムコンデンサ、及びそのコンデンサに用いられる金属化ポリプロピレンフィルムとその製造方法に関するものである。
フィルムコンデンサは、誘電体にポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の高分子フィルムを用い、この高分子フィルムの表面にアルミニウム等の金属薄膜の電極を形成した金属化フィルムを積層或いは巻回し更に外部電極を形成してコンデンサ素子とし、このコンデンサ素子を樹脂で外装したもの、或いは樹脂製の容器に入れコンデンサ素子と容器の隙間に樹脂を充填したものである。
その中でも、高電圧、大電流が必要な電気機器、電子機器等には、図11に示すような金属薄膜51aと金属薄膜50aとからなる電極で誘電体であるポリプロピレンフィルム53を挟み、金属薄膜51aが設けられた面の中央にマージン51bを作ることによって一つのコンデンサ素子の中で単位コンデンサを直列に接続し、耐電圧性能を向上させたフィルムコンデンサが多く使われている。
そのような中で、近年TVの薄型化等に対応するために市場要望として小型化が求められている。そのためには、誘電体フィルムの厚みを薄くすれば同じ静電容量を維持しつつ体積を減少させ小型化することができる。ところがコンデンサ素子が小さくなることにより、熱容量も小さくなり電流が流れる際の発熱が大きくなるという問題がある。したがって耐大電流と小型化を両立させることは困難であった。
これを解決するためには、金属薄膜よりなる電極の抵抗を低くして素子内部の発熱量を極力抑制する構造が望ましく、図12に示すようなポリプロピレンフィルムの表面に設けられた金属薄膜70aと金属薄膜72aとを背中合わせにする形態が提案されている。これによって金属薄膜の厚みが約2倍となり電極の抵抗を低くすることが出来、コンデンサ素子の発熱量を抑えることが可能となり、その結果所望の耐電流性を維持しつつ小型化を実現することができるというものである。
尚、本出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−87653号公報
しかしながら、図12に示すような金属化ポリプロピレンフィルムの金属薄膜70aと金属薄膜72aとを合わせる形態をとるにはポリプロピレンフィルムの両面に金属薄膜を形成することが必要となる。ところが、真空蒸着法でポリプロピレンフィルムの両面に金属薄膜を形成した場合、ポリプロピレンフィルムはフィルムコンデンサの誘電体として用いられる高分子フィルムの中でも特に耐熱性能が低く、両面への金属薄膜形成時に蒸発源からの輻射熱や金属の蒸発潜熱によりポリプロピレンフィルムが収縮を起こし、形成した金属薄膜とポリプロピレンフィルムとの間に応力が発生し、金属薄膜とフィルムとの接着力の低下や、金属薄膜にクラックが入る等、引き出し電極となる金属薄膜71aと外部電極84との接続が不安定となり、特性(主に誘電正接と、それに関する電流等の性能)に悪影響を与えるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、金属薄膜とポリプロピレンフィルムとの接着力の低下を抑えた両面金属化ポリプロピレンフィルムを提供することと、この両面金属化ポリプロピレンフィルムを用いることにより、特性の安定したフィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、ポリプロピレンフィルムの一方の面に第一の金属薄膜を備え、他方の面に第二の金属薄膜を備え、第一の金属薄膜は、金属薄膜の無い第一のマージンによりポリプロピレンフィルムの幅方向に分割され、第二の金属薄膜は、ポリプロピレンフィルムの幅方向の両端部の第二のマージン部を除いて設けられた金属化フィルムにおいて、第一の金属薄膜と第二の金属薄膜とが真空蒸着法により形成され、第一の金属薄膜を形成した後に、第二の金属薄膜を形成するという構成を有する。
本発明によれば、ポリプロピレンフィルムの両面に金属薄膜を形成する場合に、先にポリプロピレンフィルムの一方の面に外部への引き出し電極となる金属薄膜を形成し、その後に他方の面に対向電極となる金属薄膜を形成することにより、外部電極と接続する部分の金属薄膜のポリプロピレンフィルムへの機械的接着力が高い金属化ポリプロピレンフィルムが得られる。
そして、この両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに使用すれば、電極引き出し部の金属薄膜と外部電極との接続が安定し、誘電正接の値を低い水準で安定させることができるものである。
また、誘電正接の値を低い水準で安定させることにより、大きな電流を通電した場合においても、フィルムコンデンサの自己温度上昇が抑えられ、より許容電流の高いフィルムコンデンサを提供することができるものである。
更にパルス的な電流が瞬時に流れた場合でも、電極引き出し部の金属薄膜と外部電極との接続が不安定になりにくく、高いパルス電流値を通電できるフィルムコンデンサを提供することができるものである。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明におけるポリプロピレンフィルムに金属薄膜を形成する真空蒸着装置を示す図、図2は真空蒸着装置で金属薄膜を形成した幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルムの幅方向の断面図、図3は、図2に示す幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに使用する幅にスリットした断面図である。
図1は本発明におけるポリプロピレンフィルムに金属薄膜を形成する真空蒸着装置を示す図、図2は真空蒸着装置で金属薄膜を形成した幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルムの幅方向の断面図、図3は、図2に示す幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに使用する幅にスリットした断面図である。
本実施の形態の両面金属化ポリプロピレンフィルムは以下のように作製する。
図1において、真空蒸着装置21は、巻き出し部27、巻き取り部28、一次蒸着ロール25、二次蒸着ロール26、二つのマージンオイル塗布部29a、29b、二つの蒸発源24a、24b、ポリプロピレンフィルム33の走行を支持する複数のロールで構成され、真空状態に保たれている。そしてポリプロピレンフィルム33は、巻き出し部27から巻き取り部28へ走行する過程で、第一の金属薄膜31a、第一のマージン31b、第二の金属薄膜32aおよびマージン32cが形成される。
詳しく説明すると、幅が500mm〜700mmの幅広で長さが数千〜数万mの、ロール状に巻き取られたポリプロピレンフィルム原反22を巻き出し部27に取り付け、この巻き出し部27からポリプロピレンフィルム33を巻き出す。
次にマージンオイル塗布部29aでポリプロピレンフィルム33の一方の面35に、幅方向に所定の間隔で長手方向に帯状のマージンオイルの薄膜を塗布する。
一次蒸着ロール25は、表面の周速がポリプロピレンフィルム33の走行速度と略同じ速度で回転し、その中に冷媒を通して表面の温度を0〜20℃に保っており、ポリプロピレンフィルム33はこの一次蒸着ロール25に密着しながら走行する。
蒸発源24aからは、誘導加熱、抵抗加熱、或いは電子線照射加熱によって、金属薄膜となる金属材料(本実施の形態ではアルミニウム)が蒸発し、一次蒸着ロール25上のポリプロピレンフィルム33の一方の面35に第一の金属薄膜31aを形成する。この時マージンオイルを塗布した部分には第一の金属薄膜31aが形成されないので、幅方向に所定の間隔で長手方向に帯状の第一の金属薄膜31aの存在しない第一のマージン31bが形成される。
次に、一方の面35に第一の金属薄膜31aと第一のマージン31bを形成したポリプロピレンフィルム33の他方の面36に、マージンオイル塗布部29bで幅方向に所定の間隔で長手方向に帯状のマージンオイルの薄膜を塗布する。
二次蒸着ロール26も一次蒸着ロール25と同様に、表面の周速がポリプロピレンフィルム33の走行速度と略同じ速度で回転し、表面の温度を0〜20℃に保っており、ポリプロピレンフィルム33は他方の面36を外面にして二次蒸着ロール26に密着しながら走行する。
そして、蒸発源24bから蒸発した金属が付着して二次蒸着ロール26上のポリプロピレンフィルム33の他方の面36に付着して第二の金属薄膜32aを形成する。この時マージンオイルを塗布した部分には第二の金属薄膜32aが形成されないので、幅方向に所定の間隔で長手方向に帯状の第二の金属薄膜32aの存在しないマージン32cが形成される。
最後に、両面に金属薄膜が形成されたポリプロピレンフィルム33を巻き取り部28で巻き取り、図2に示すような断面構造の幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルム34を得る。
尚、第一のマージン31b、マージン32cの形成には本実施の形態のマージンオイルを塗布する方法の他に、テープ状の遮蔽物を用いる方法も採用できる。
上記のように本実施の形態では、一つの真空蒸着装置21内で、ポリプロピレンフィルムが巻き出し部27から巻き取り部28へ走行する過程で、連続して第一の金属薄膜31aと第二の金属薄膜32aを形成することにした。こうすれば、巻き出したポリプロピレンフィルム33の一方の面35に第一の金属薄膜31aを形成して一旦巻き取り、再度巻き出して他方の面36に第二の金属薄膜32aを形成し巻き取る場合に比べて、ポリプロピレンフィルム33の巻き出しと巻き取りを繰り返すことによる塵埃のかみ込みの危険性を低減し、ポリプロピレンフィルム33の耐電圧性能の低下を軽減することができる。
次に図2に示す、ポリプロピレンフィルム33の一方の面35に第一の金属薄膜31aと第一のマージン31bとを、他方の面36に第二の金属薄膜32aとマージン32cとを形成した幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルム34を、フィルムコンデンサ一つ分の幅とするために、マージン32cの略中心(図2の符号Dで示す部分)をポリプロピレンフィルム33の長手方向にスリットする。これによって図3に示すように、マージン32cは幅方向に2分割されて、夫々ポリプロピレンフィルム33の幅方向の両端部の第二のマージン32bとなり、第一の金属薄膜31aは第一のマージン31bを挟んでポリプロピレンフィルム33の両側に存在する構成の両面金属化ポリプロピレンフィルム31となる。
また、マージン32cを一つ置きにその略中心を長手方向にスリットすれば、図4に示すように、第一の金属薄膜31aが形成されたポリプロピレンフィルム33の一方の面35には第一のマージン31bが2つとなり、第二の金属薄膜32aが形成された他方の面36には、両端部の第二のマージン32bの間に第一のマージン31bより1本少ない1つの第三のマージン32dが存在する構成となる。
このように、第一のマージン31bの数が複数となるようにし、第二のマージン32bの間に設ける第三のマージン32dの数を第一のマージン31bの数より一つ少ない数にすることによって、コンデンサ素子内で直列に接続される、ポリプロピレンフィルム33を第一の金属薄膜31aと第二の金属薄膜32aとで挟んで構成する単位コンデンサの数を増やすことができる。このようにすればより高い使用電圧に対応するためのフィルムコンデンサに使用することもできる。
尚、上記の順番で第一の金属薄膜31aと第二の金属薄膜32aとを形成するのは以下の理由によるものである。
ポリプロピレンフィルム等の高分子フィルムの表面に、真空蒸着法によって金属薄膜を形成してフィルムコンデンサ用の金属化フィルムを作製する場合、通常、蒸着ロールに高分子フィルムを密着させて冷却することにより、熱による高分子フィルムの収縮等のダメージを抑えているが、本発明者は、高分子フィルムの両面にマージンと共に金属薄膜を形成する場合に、先に金属薄膜を形成した面の金属薄膜が形成されていないマージン部分は、後の裏面への金属薄膜の形成時に蒸着ロールへの高分子フィルムの密着性が悪く、このマージン部分の高分子フィルムの冷却が不十分になり、特に耐熱性の低いポリプロピレンフィルムの場合、金属薄膜のポリプロピレンフィルムへの接着力が弱くなることを見出した。
したがって本発明の、外部電極と接続される引き出し電極となる第一の金属薄膜31aを第一のマージン31bと共に先に形成し、その後に第二の金属薄膜32aを形成すれば、引き出し電極となる第一の金属薄膜31aの外部電極と接続される部分は、その形成時に熱ダメージが抑えられるので、ポリプロピレンフィルム33との接着力が弱くならず、その結果、このような両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに用いた場合、第一の金属薄膜31aと外部電極との接続を安定した状態とすることが出来るものである。
次に上述の両面金属化ポリプロピレンフィルム31を用いて作製したフィルムコンデンサについて説明する。
図5は両面金属化ポリプロピレンフィルム31の巻回状態を示す斜視図、図6は図5に示す面Eで切断した本発明における両面金属化ポリプロピレンフィルム31の巻回状態を示す断面図、図7はコンデンサ素子の構成を示す幅方向の一部拡大断面図、図8はコンデンサ素子の斜視図、図9はフィルムコンデンサの斜視図である。
図6に示すように前述の手順で作製した両面金属化ポリプロピレンフィルム31と、片側の表面のみに電極となるアルミニウムの金属薄膜30aを蒸着により形成した片面金属化ポリプロピレンフィルム30とを、両面金属化ポリプロピレンフィルム31の第二の金属薄膜32aと片面金属化ポリプロピレンフィルム30の金属薄膜30aとが接するように重ね合わせた状態で巻回する。
この時片面金属化ポリプロピレンフィルム30は両面金属化ポリプロピレンフィルム31よりも、長手方向に直交する幅方向(図5のA方向で、図7では左右方向)を若干(本実施の形態では約1mm)狭くスリットし、両面金属化ポリプロピレンフィルム31と片面金属化ポリプロピレンフィルム30とを夫々の長手方向に直交する幅方向の略中心を合わせるように巻回する。
このようにすると図7に示すように、巻回後の巻回体12の一方の端面では、両面金属化ポリプロピレンフィルム31の一方の端面が片面金属化ポリプロピレンフィルム30の一方の端面より外側に突出し、同様に巻回体12の他方の端面(図示せず)でも、両面金属化ポリプロピレンフィルム31の他方の端面が片面金属化ポリプロピレンフィルム30の他方の端面より外側に突出し、この両面金属化ポリプロピレンフィルム31の突出した部分において、第一の金属薄膜31aが金属化フィルム30の存在による隙間32から露出した状態となる。
そして、図7、図8に示すように巻回体12の両端面に亜鉛、錫、銅を含む複数成分製の金属を溶射し、第一の金属薄膜31aに接続する外部電極14を形成する。更にこの一対の外部電極14にリード線15を溶接してコンデンサ素子13とし、図9に示すようにコンデンサ素子13全体を外装樹脂16で外装し、フィルムコンデンサ11とする。
以上のような構成の、両面金属化ポリプロピレンフィルム31(金属薄膜の単位面積当たりの抵抗値が2Ω/□)を使用した、定格電圧DC800V、定格容量0.01μFのフィルムコンデンサ100個の、100kHzでの誘電正接を測定した。その結果を図10に示す。
図10において、本実施の形態のフィルムコンデンサの誘電正接(図中符号A)は平均で0.030%、標準偏差が0.001%という結果になっている。そして比較として作製した、本実施の形態と金属薄膜の形成順が逆の、すなわちポリプロピレンフィルムの幅方向の両端部にマージンを有する金属薄膜を先に形成し、その後にマージンにより幅方向に分割して形成された金属薄膜を形成した両面金属化ポリプロピレンフィルムを使用したフィルムコンデンサの誘電正接(図中符号B)は、平均で0.034%、標準偏差が0.005%という結果となっている。
このように、本発明により外部電極と接続する部分の金属薄膜のポリプロピレンフィルムとの接着力が高い両面金属化ポリプロピレンフィルムが得られる。そしてこの両面金属化ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサに使用すれば、誘電正接を低い水準で安定させることができる。
またこの結果はフィルムコンデンサに電流を流した場合、素子の自己温度上昇値は誘電正接の値に比例することから、本発明のフィルムコンデンサの自己温度上昇値が比較のフィルムコンデンサの88%(0.030÷0.034)に減少することを意味し、これによっても小型化したフィルムコンデンサの温度上昇を抑えることができる。
本発明の金属化ポリプロピレンフィルムとその製造方法、およびそれを用いたフィルムコンデンサは、様々な電子機器、電気機器の小型化、性能向上に有用である。
11 フィルムコンデンサ
12 巻回体
13 コンデンサ素子
14 外部電極
15 リード線
16 外装樹脂
21 真空蒸着装置
22 ポリプロピレンフィルム原反
24a、24b 蒸発源
25 一次蒸着ロール
26 二次蒸着ロール
27 巻き出し部
28 巻き取り部
29a、29b マージンオイル塗布部
30 片面金属化ポリプロピレンフィルム
31 両面金属化ポリプロピレンフィルム
31a 第一の金属薄膜
31b 第一のマージン
32a 第二の金属薄膜
32b 第二のマージン
32c マージン
32d 第三のマージン
33 ポリプロピレンフィルム
34 幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルム
35 一方の面
36 他方の面
12 巻回体
13 コンデンサ素子
14 外部電極
15 リード線
16 外装樹脂
21 真空蒸着装置
22 ポリプロピレンフィルム原反
24a、24b 蒸発源
25 一次蒸着ロール
26 二次蒸着ロール
27 巻き出し部
28 巻き取り部
29a、29b マージンオイル塗布部
30 片面金属化ポリプロピレンフィルム
31 両面金属化ポリプロピレンフィルム
31a 第一の金属薄膜
31b 第一のマージン
32a 第二の金属薄膜
32b 第二のマージン
32c マージン
32d 第三のマージン
33 ポリプロピレンフィルム
34 幅広の両面金属化ポリプロピレンフィルム
35 一方の面
36 他方の面
Claims (5)
- ポリプロピレンフィルムの一方の面に第一の金属薄膜を備え、他方の面に第二の金属薄膜を備え、前記第一の金属薄膜は、金属薄膜の無い第一のマージンにより前記ポリプロピレンフィルムの幅方向に分割され、前記第二の金属薄膜は、前記ポリプロピレンフィルムの幅方向の両端部の第二のマージン部を除いて設けられた金属化フィルムにおいて、前記第一の金属薄膜と前記第二の金属薄膜とが真空蒸着法により形成され、前記第一の金属薄膜を形成した後に、前記第二の金属薄膜を形成したことを特徴とする金属化ポリプロピレンフィルム。
- 前記第一のマージンが複数設けられ、前記第二のマージンの間に前記第一のマージンより1本少ない数の第三のマージンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属化ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1または2に記載のいずれか一つに記載の金属化ポリプロピレンフィルムを用いたことを特徴とするフィルムコンデンサ。
- ポリプロピレンフィルムの一方の面に第一の金属薄膜を備え、他方の面に第二の金属薄膜を備え、前記第一の金属薄膜は、前記金属薄膜の無い第一のマージンにより前記ポリプロピレンフィルムの幅方向に分割され、前記第二の金属薄膜は、前記ポリプロピレンフィルムの幅方向の両端部の第二のマージン部を除いて設けられた金属化フィルムの、前記第一の金属薄膜と前記第二の金属薄膜とを真空蒸着法により形成し、前記第一の金属薄膜を形成した後に、前記第二の金属薄膜を形成することを特徴とする金属化ポリプロピレンフィルムの製造方法。
- 前記第一のマージンが複数設けられ、前記第二の金属薄膜が設けられた前記ポリプロピレンフィルムの他方の面には、前記第二のマージンの間に前記第一のマージンより1本少ない数の第三のマージンが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の金属化ポリプロピレンフィルムの製造方法。
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WO2022270391A1 (ja) * | 2021-06-24 | 2022-12-29 | 京セラ株式会社 | フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータおよび電動車輌 |
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