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JP2010217846A - セルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースエステルフィルムの溶融流延製膜方法 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースエステルフィルムの溶融流延製膜方法 Download PDF

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JP2010217846A
JP2010217846A JP2009067726A JP2009067726A JP2010217846A JP 2010217846 A JP2010217846 A JP 2010217846A JP 2009067726 A JP2009067726 A JP 2009067726A JP 2009067726 A JP2009067726 A JP 2009067726A JP 2010217846 A JP2010217846 A JP 2010217846A
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cellulose ester
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haze
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Yoshinori Tamagawa
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Abstract

【課題】本発明の目的は、Roが大きく、Nz係数が小さく、また内部ヘイズおよび配向角のばらつきが小さいセルロースエステルフィルムおよびその製膜方法、また生産性が高く、コントラストの高い偏光板、液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】100≦Ro≦180、かつ0.8≦Nz≦1.3を満たし、フィルム1枚での全ヘイズHtが0.1≦Ht≦0.3であり、全ヘイズに対する内部ヘイズHiの割合Hi/Htが0.1≦Hi/Ht≦0.5であり、幅手方向に遅相軸をもち、遅相軸の配向角のばらつきが±0.2度であり、かつセルロースエステルフィルムの全体の質量に対して含有溶媒量が0.01質量%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
式1 Ro=(nx−ny)×d
式2 Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
【選択図】なし

Description

本発明はセルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースエステルの製造方法に関する。
液晶表示装置は、液晶テレビやパソコンの液晶ディスプレイ等の用途で、需要が拡大している。通常、液晶表示装置は、透明電極、液晶層、カラーフィルター等をガラス板で挟み込んだ液晶セルと、その両側に設けられた2枚の偏光板で構成されており、それぞれの偏光板は、偏光子(偏光膜、偏光フィルムともいう)を2枚の光学フィルム(偏光板保護フィルム)で挟まれた構成となっている。
この偏光板保護フィルムとしては、通常、セルロースエステルフィルムが用いられている。
高コントラストのVA方式の液晶表示装置に用いられる位相差フィルムとして、100≦Ro≦200nmであり、Nz係数が小さいフィルムが適していることが知られている(特許文献1〜3)。
この条件を達成する位相差フィルムの製造方法として、特許文献1では、高い延伸倍率で延伸することで、理想的なRt/Roの範囲のフィルムを作製する方法が記載されているが、延伸倍率が高すぎると、ヘイズ(特に内部ヘイズ)が高くなる傾向があり、そのため思ったようにコントラストが高くならないという問題があった。
また特許文献2には、溶液流延製膜において自由端での搬送方向への延伸を行う方法が記載されているが、この方法では、遅相軸が搬送方向を向いてしまうため、ロール トウ ロール(Roll to Roll)で偏光子との貼り合わせができず、枚葉での貼合となり、生産性が悪く、またヘイズ(特に内部ヘイズ)の問題はいまだ解決できていなかった。
特許文献3にはテンターにより幅方向での延伸を行った後、搬送方向に熱収縮させる方法が提案されている。
この方法であれば、Roll to Rollでの偏光子との貼り合わせができ、生産性は向上するが、RoとRtが同時に変化してしまうため、目的の位相差値への調整が困難で、かつ配向角の制御も難しく、またヘイズ(特に内部ヘイズ)の改善も不十分であり所望の高いコントラストはいまだ得られていなかった。
特許文献4には、特定の可塑剤を使用しリターデーション分布を安定させたセルロースエステルについての技術が提案されている。
特開2002−62430号公報 特開2008−279724号公報 特開2008−287218号公報 特開2008−257220号公報
本発明の目的は、Roが大きく、Nz係数が小さく、また内部ヘイズおよび配向角のばらつきが小さいセルロースエステルフィルムおよびその製膜方法、また生産性が高く、コントラストの高い偏光板、液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.100≦Ro≦180、かつ0.8≦Nz≦1.3を満たし、フィルム1枚での全ヘイズHtが0.1≦Ht≦0.3であり、全ヘイズに対する内部ヘイズHiの割合Hi/Htが0.1≦Hi/Ht≦0.5、幅手方向に遅相軸をもち、遅相軸の配向角のばらつきが±0.2度であり、かつセルロースエステルフィルムの全体の質量に対して含有溶媒量が0.01質量%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
式1 Ro=(nx−ny)×d
式2 Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
(Roは前記セルロースエステルフィルムの面内のリターデーション値を表す。フィルム面内遅相軸方向の屈折率をnx、遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの膜厚(nm)をそれぞれ表す。)
全ヘイズ(Ht) :JISK7136に準じて測定されたヘイズ値(%)をいう。
内部ヘイズ(Hi):フィルムの表面にグリセリン数滴を滴下し、厚さ1.3mmのガラス板(MICRO SLIDE GLASS品番S9213、MATSUNAMI製)2枚で両側から挟んだ状態で測定したヘイズ値(%)から、ガラス2枚の間にグリセリンを数滴滴下した状態で測定したヘイズ値を引いた値(%)をいう。
2.前記1に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
3.前記2に記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
4.セルロースエステルを含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融して溶融物を作製する工程、該溶融物を流延、冷却しフィルム状物とする工程、該フィルム状物をテンターにより幅手方向に延伸する工程、該延伸したフィルム状物をTg−20℃〜Tg+20℃で熱処理する工程、該熱処理したフィルム状物を搬送方向に収縮させながら、幅手方向に延伸する工程、とを有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの溶融流延製膜方法。
なお、Tgとは、セルロースエステルを含む組成物のガラス転移温度を表す。
本発明により、Roが大きく、Nz係数が小さく、また内部ヘイズおよび配向角のばらつきが小さいセルロースエステルフィルムおよびその製膜方法、また生産性が高く、コントラストの高いセルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースエステルの製造方法を提供することができる。
スライドガラス上にグリセリンを滴下した状態を示す模式図である。 グリセリン上に試料フィルムを置いた状態を示す模式図である。 試料フィルム上にグリセリンを滴下した状態を示す模式図である。 グリセリン上にカバーガラスを置いた状態を示す模式図である。 本発明のセルロースエステルを製造する装置の概要である。
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、100≦Ro≦180 かつ0.8≦Nz≦1.3を満たし、フィルム1枚での全ヘイズHtが0.1≦Ht≦0.3であり、全ヘイズに対する内部ヘイズHiの割合が0.1≦Hi/Ht≦0.5、幅手方向に遅相軸をもち、遅相軸の配向角のばらつきが±0.2度以内であり、かつセルロースエステルフィルムの全体の質量に対して含有溶媒量が0.01質量%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルムによって、生産性が高く、コントラストの高い偏光板、液晶表示装置が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明のセルロースエステルフィルムの面内方向のリターデーションRoは100〜180nmの範囲が好ましく、Nzは0.8〜1.3の範囲である。
式1 Ro=(nx−ny)×d
式2 Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
(ただし、nxはフィルム面内の最大屈折率、nyはnxと直交方向の屈折率、nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
なお、Roは、アッベの屈折率計より試料の平均屈折率を求め、さらに、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、得られた位相差の測定値と平均屈折率から計算により求めることができる。
本発明の位相差フィルムのヘイズに関しては、濁度計(NDH2000、日本電色工業(株)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下で測定した。
全ヘイズ(Ht) :JISK7136に準じて測定されたヘイズ値
内部ヘイズ(Hi):フィルムの表面にグリセリン数滴を滴下し、厚さ1.3mmのガラス板(MICRO SLIDE GLASS品番S9213、MATSUNAMI製)2枚で両側から挟んだ状態で測定したヘイズ値(%)から、ガラス2枚の間にグリセリンを数滴滴下した状態で測定したヘイズ値を引いた値(%)をいう。
内部ヘイズ測定は以下のように行う。図1〜4を持って説明する。
まず、フィルム以外の測定器具のブランクヘイズ1を測定する。
1.きれいにしたスライドガラスの上にグリセリンを一滴(0.05ml)たらす。このとき液滴に気泡が入らないように注意する。ガラスは見た目がきれいでも汚れていることがあるので必ず洗剤で洗浄したものを使用する。図1参照
2.その上にカバーガラスを載せる。カバーガラスは押さえなくてもグリセリンは広がる。
3.ヘイズメーターにセットしブランクヘイズ1を測定する。
ついで、試料を含めたヘイズ2を測定する。
4.スライドガラス上にグリセリンを滴下する。(0.05ml)図1参照
5.その上に測定する試料フィルムを載せる。 図2参照
6.試料フィルム上にグリセリンを滴下する。(0.05ml) 図3参照
7.その上にカバーガラスを載せる。 図4参照
8.ヘイズメーターにセットしヘイズ2を測定する。
9.(ヘイズ2)−(ヘイズ1)=(本発明の内部ヘイズ)を算出する。
上記測定にて使用したガラス、グリセリンを以下の通りである。
ガラス:MICRO SLIDE GLASS S9213 MATSUNAMI
グリセリン:関東化学製 鹿特級
本発明の位相差フィルムの全ヘイズは0.1≦Ht≦0.3が好ましく、より好ましくは0.1≦Ht≦0.2である。
また配向角のばらつきは、OPTIPRO(XY走査ステージ、ハロゲンランプ光+550nm干渉フィルター)を用いた。この時測定面積は60mm×60mmとし、口径3mmのビームを用いて4mm間隔で測定を行った。このようにして測定された60mm×60mmの範囲内における配向角度の最大値と最小値の差をばらつきとした。
また本発明において正面コントラストとは、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて測定した黒表示における正面のコントラスト値と定義する。
以下、本発明の各要素を詳細に説明する。
<セルロースエステル>
本発明に用いるセルロースエステルは、炭素数2〜22程度のカルボン酸エステルであり、芳香族カルボン酸のエステルでもよく、特にセルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味している。水酸基に結合するアシル基は、直鎖であっても分岐してもよく、また環を形成してもよい。さらに別の置換基が置換してもよい。
同じ置換度である場合、炭素数としては炭素数2〜6のアシル基の中で選択することが好ましい。本発明のセルロースエステルとしては、下記式(i)および(ii)を同時に満足するものが好ましい。
式(i) 2.2≦X+Y≦2.7
式(ii) 0.5≦Y≦1.5
式中、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度、X+Yは総アシル基の置換度を表す。
この中で特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で60000〜300000のものが好ましく、60000〜200000のものがさらに好ましい。
本発明で用いられるセルロースエステルは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が4.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.2〜3.5である。
セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒 :メチレンクロライド
カラム :Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度 :0.1質量%
検出器 :RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ :L6000(日立製作所(株)製)
流量 :1.0ml/min 校正曲線:
標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明のセルロースエステルは公知の方法で合成することができるが、合成されたセルロースエステルは、精製して低分子量成分を除去したり、未酢化または低酢化度の成分をろ過で取り除くことも好ましく行われる。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分によっても影響を受ける。これらは製造工程で使われる水に関係していると考えられるが、不溶性の核となり得るような成分は少ない方が好ましく、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンは、有機の酸性基を含んでいる可能性のあるポリマー分解物等と塩形成することにより不溶物を形成する場合があり、少ないことが好ましい。
本発明のセルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で0.1〜45ppmの範囲であることが好ましい。これらは塩の形で含有していると考えられる。
残留硫酸含有量が45ppmを超えると熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加する傾向がある。また、熱延伸時や熱延伸後でのスリッティングの際に破断しやすくなる傾向がある。従って1〜30ppmの範囲がより好ましい。残留硫酸含有量は、ASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。
本発明のセルロースエステル中の遊離酸含有量は、1〜500ppmであることが好ましい。上記の範囲であると、ダイリップ部の付着物の増加がなく、また破断しにくい。
さらに、本発明については、1〜100ppmの範囲であることが好ましく、特に1〜70ppmの範囲が好ましい。遊離酸含有量はASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。 合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、さらに十分に行うことによって、残留アルカリ土類金属含有量、残留硫酸含有量、および残留酸含有量を上記の範囲とすることができ、好ましい。
また、セルロースエステルの洗浄は、水に加えて、メタノール、エタノールのような貧溶媒、あるいは結果として貧溶媒であれば貧溶媒と良溶媒の混合溶媒を用いることができ、残留酸以外の無機物、低分子の有機不純物を除去することができる。
また、本発明のセルロースエステルはフィルムにした時の輝点異物が少ないものであることが好ましい。輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上が200個/cm以下であることが好ましく、さらに100個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以下であることが好ましく、30個/cm以下であることが好ましく、10個/cm以下であることが好ましいが、皆無であることが最も好ましい。
また、0.005〜0.01mm以下の輝点についても200個/cm以下であることが好ましく、さらに100個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以下であることが好ましく、30個/cm以下であることが好ましく、10個/cm以下であることが好ましいが、皆無であることが最も好ましい。
<添加剤>
本発明におけるセルロースエステルフィルムには、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、イエローインデックスの調整やヘイズの低減を付与する着色剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリターデーションを調整するリターデーション調整剤等を含有させても良い。
〈可塑剤〉
用いられる可塑剤としては特に限定はないが、フィルムにヘイズを発生させたり、フィルムからブリードアウトあるいは揮発しないように、セルロース誘導体や加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の重縮合物と水素結合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。
このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、ホスホニル基である。
このような可塑剤の例として、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、多価アルコール系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、糖系可塑剤、アクリル系ポリマーなどを好ましく用いることができるが、特に多価アルコール系可塑剤やポリエステル系可塑剤を使用することが好ましい。
(多価アルコールエステル系可塑剤)
本発明の有機酸は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2010217846
式中、R〜Rは水素原子またはシクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し、これらはさらに置換基を有していてよい。Lは連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表す。
〜Rで表されるシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の基である。これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、フェノキシ基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜8のアシル基、またアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のカルボニルオキシ基等が挙げられる。
〜Rで表されるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、γ−フェニルプロピル基等の基を表し、また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rで表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、もしくはt−ブトキシ等の各アルコキシ基である。
また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)、アルケニル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい))、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基が、またアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のアシルオキシ基、またベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられる。
〜Rで表されるシクロアルコキシ基としては、無置換のシクロアルコキシ基としては炭素数1〜8のシクロアルコキシ基が挙げられ、具体的には、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等の基が挙げられる。
また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rで表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられるが、このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等前記シクロアルキル基に置換してもよい基として挙げられた置換基で置換されていてもよい。
〜Rで表されるアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられ、これらの置換基はさらに置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rで表されるアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜8の無置換のアシル基が挙げられ(アシル基の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル基を含む。)、これらの置換基はさらに置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rで表されるカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のアシルオキシ基(アシル基の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル基を含む。)、またベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられるが、これらの基はさらに前記シクロアルキル基に置換してもよい基と同様の基により置換されていてもよい。
〜Rで表されるオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、またフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基を表す。
これらの置換基はさらに置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rで表されるオキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基を表し、これらの置換基はさらに置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
〜Rのうちのいずれか同士で互いに連結し、環構造を形成していてもよい。
また、Lで表される連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表すが、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の基であり、これらの基は、さらに前記のR〜Rで表される基に置換してもよい基としてあげられた基で置換されていてもよい。
中でも、Lで表される連結基として特に好ましいのは直接結合であり芳香族カルボン酸である。
また、これら本発明において可塑剤となるエステル化合物を構成する、前記一般式(1)で表される有機酸としては、少なくともRまたはRに前記アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有するものが好ましい。また複数の置換基を有する化合物も好ましい。
なお本発明においては3価以上のアルコールの水酸基を置換する有機酸は単一種であっても複数種であってもよい。
本発明における、前記一般式(1)で表される有機酸と反応して多価アルコールエステル化合物を形成する3価以上のアルコール化合物としては、好ましくは3〜20価の脂肪族多価アルコールであり、本発明おいて3価以上のアルコールは下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
一般式(2) R′−(OH)m
式中、R′はm価の有機基、mは3以上の正の整数、OH基はアルコール性水酸基を表す。特に好ましいのは、mとしては3または4の多価アルコールである。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アドニトール、アラビトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。
特に、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
一般式(1)で表される有機酸と一般式(2)で表される3価以上の多価アルコールのエステルは、公知の方法により合成できる。実施例に代表的合成例を示したが、前記一般式(1)で表される有機酸と、一般式(2)で表される多価アルコールを例えば、酸の存在下縮合させエステル化する方法、また、有機酸を予め酸クロライドあるいは酸無水物としておき、多価アルコールと反応させる方法、有機酸のフェニルエステルと多価アルコールを反応させる方法等があり、目的とするエステル化合物により、適宜、収率のよい方法を選択することが好ましい。
一般式(1)で表される有機酸と一般式(2)で表される3価以上の多価アルコールのエステルからなる可塑剤としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2010217846
式中、R〜R20は水素原子またはシクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し、これらはさらに置換基を有していてよい。R21は水素原子またはアルキル基を表す。
〜R20のシクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基については、前記一般式(1)のR〜Rと同様の基が挙げられる。
以下に、本発明に係わる多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
Figure 2010217846
Figure 2010217846
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Figure 2010217846
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本発明に係る多価アルコールエステルの含有量は、セルロースエステルフィルム中に1〜30質量%含有することが好ましく、特に5〜20質量%含有することが好ましい。
(ポリエステル系可塑剤)
ポリエステル系可塑剤の中でも、特に、ポリエステルポリオールを使用するのが好ましい。ポリエステルポリオールは、炭素数の平均が2〜3.5であるグリコール(a)と炭素数の平均が4〜5.5である二塩基酸(b)との脱水縮合反応、又は該グリコール(a)と炭素数の平均が4〜5.5である無水二塩基酸(b)の付加および脱水縮合反応による常法により製造されるものである。
かかるポリエステルポリオールに用いられるグリコール(a)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられ、例えばエチレングリコール、またはエチレングリコールとジエチレングリコールの混合物などが特に好ましく用いられる。
また、上記したグリコール(a)に関しては、グリコール(a)の炭素数の平均が、2〜3.5の範囲内にあることが重要である。かかるグリコール(a)の炭素数の平均が2より小さいとポリエステルポリオールの製造が困難であるし、3.5より大きいとセルロースとの相溶性が悪くなり、透明性等の物性の劣ったセルロースエステルフィルムとなる。かかるグリコール(a)としては、好ましくは炭素数の平均が2.1〜2.8、又は3.2〜3.5であり、かかる範囲のグリコール(a)を用いることで、該ポリエステルポリオールの結晶性および融点が従来汎用のものに近く、それ自体の生産性も良好となる。
上記グリコール(a)としてエチレングリコールとジエチレングリコールの混合物が用いられる場合、そのエチレングリコール/ジエチレングリコールのモル比率としては、好ましくは25〜100/75〜0で用いられ、セルロースエステルとの相溶性が優れる。更に、より好ましくは25〜40/75〜60、および60〜95/40〜5であり、かかる範囲に調製することで、該ポリエステルポリオールの結晶性および融点が従来汎用のものに近く、それ自体の生産性も良好となる。
次に本発明に用いられるポリエステルポリオールを構成する二塩基酸(b)としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられ、例えばコハク酸、またはコハク酸とテレフタル酸の混合物等が特に好ましく用いられる。
また、上記した二塩基酸(b)に関しては、二塩基酸(b)の炭素数の平均が4〜5.5の範囲内であることが重要である。かかる二塩基酸(b)の炭素数の平均が4よりも小さいとポリエステルポリオールの製造が困難であるし、5.5よりも大きいとセルロースとの相溶性が悪くなり、透明性等の物性の劣ったセルロースフィルムとなる。
かかる二塩基酸(b)としては、好ましくは炭素数の平均が4.1〜4.8,又は5.2〜5.5であり、かかる範囲の二塩基酸(b)を用いることで、該ポリエステルポリオールの結晶性および融点が従来汎用のものに近く、それ自体の生産性、保存安定性等も良好となる。
上記二塩基酸(b)としてコハク酸とテレフタル酸の混合物が用いられる場合、そのコハク酸/テレフタル酸のモル比率としては、好ましくは25〜100/75〜0である。
本発明に用いられるポリエステルポリオールを構成するグリコール(a)と二塩基酸(b)としては、上記以外の組み合わせも含むものであるが、グリコール(a)の炭素数の平均と二塩基酸(b)の炭素数の平均との合計が、6〜7.5である組み合わせが好ましい。
上記グリコール(a)および二塩基酸(b)から得られるポリエステルポリオールは、数平均分子量が1000以上200000以下の範囲であればよく、より好ましくは1000〜5000の基本的に水酸基末端のポリエステルが用いられ、数平均分子量1200〜4000のものが特に好ましく用いられる。かかる範囲の数平均分子量を有するポリエステルポリオールを用いることで、セルロースエステルとの相溶性に優れる。
本発明の効果を得る上で、上記数平均分子量1000以上のポリエステルポリオールをフィルム中に10〜30質量%含有することが好ましい。より好ましくは10〜20質量%である。数平均分子量を上記範囲より大きくすると相溶性が劣化し、透湿性を小さくする効果に薄く、むしろ保留性が劣化し易い傾向にあるため、上記のような数平均分子量の範囲が好ましい。
実際には、ポリマーのフィルム中の含有量はポリマーの種類や重量平均分子量によって、ドープ中、ウェブ中、フィルム形成後相分離しない範囲内で、寸法安定性、保留性および透過率等の性能に応じて決められる。
一方、本発明で用いられるポリエステルポリオール中に於けるカルボキシル基末端は、本発明のセルロースエステル用改質剤の物性改善効果を低下させるため、その含有量は、水酸基末端の1/20以下のモル数であることが好ましく、更に1/40以下に止めることがより好ましい。
上記したポリエステルポリオールを製造するにあたり、チタン、亜鉛、鉛、ジルコニウムなどの金属有機酸塩若しくは金属キレート化合物、あるいは、酸化アンチモンなど、従来公知のエステル化触媒が使用できる。かかるエステル化触媒としては、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどが好ましく用いられ、用いられるグリコール(a)と二塩基酸(b)の合計100質量部に対して0.0005〜0.02質量部用いられることが好ましい。
ポリエステルポリオールの重縮合は常法によって行われる。例えば、上記二塩基酸とグリコールの直接反応、上記の二塩基酸またはこれらのアルキルエステル類、例えば二塩基酸のメチルエステルとグリコール類とのポリエステル化反応またはエステル交換反応により熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコールとの脱ハロゲン化水素反応の何れかの方法により容易に合成し得るが、数平均分子量がさほど大きくないポリエステルポリオールは直接反応によるのが好ましい。
低分子量側に分布が高くあるポリエステルポリオールはセルロースエステルとの相溶性が非常によく、フィルム形成後、透湿度も小さく、しかも透明性に富んだセルロースエステルフィルムを得ることができる。
分子量の調節方法は、特に制限なく従来の方法を使用できる。例えば、重合条件にもよるが、1価の酸または1価のアルコールで分子末端を封鎖する方法により、これらの1価のものの添加する量によりコントロールできる。この場合、1価の酸がポリマーの安定性から好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸等を挙げることができるが、重縮合反応中には系外に溜去せず、停止して反応系外にこのような1価の酸を系外に除去するときに溜去し易いものが選ばれるが、これらを混合使用してもよい。
また、直接反応の場合には、反応中に溜去してくる水の量により反応を停止するタイミングを計ることによっても数平均分子量を調節できる。その他、仕込むグリコールまたは二塩基酸のモル数を偏らせることによってもできるし、反応温度をコントロールしても調節できる。
〈酸化防止剤〉
本発明では、酸化防止剤としては、通常知られているものを使用することができる。
特に、ラクトン系、イオウ系、フェノール系、二重結合系、ヒンダードアミン系、リン系化合物のものを好ましく用いることができる。
例えば、チバ・ジャパン株式会社から、“IrgafosXP40”、“IrgafosXP60”という商品名で市販されているものを含むものが好ましい。
上記フェノール系化合物としては、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有するものが好ましく、例えば、チバ・ジャパン株式会社、“Irganox1076”、“Irganox1010”、(株)ADEKA“アデカスタブAO−50”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記リン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、“SumilizerGP”、株式会社ADEKAから“ADK STAB PEP−24G”、“ADK STAB PEP−36”および“ADK STAB 3010”、チバ・ジャパン株式会社から“IRGAFOS P−EPQ”、堺化学工業株式会社から“GSY−P101”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記ヒンダードアミン系化合物は、例えば、チバ・ジャパン株式会社から、“Tinuvin144”および“Tinuvin770”、株式会社ADEKAから“ADK STAB LA−52”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記イオウ系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、“Sumilizer TPL−R”および“Sumilizer TP−D”という商品名で市販されているものが好ましい。
上記二重結合系化合物は、住友化学株式会社から、“Sumilizer GM”および“Sumilizer GS”という商品名で市販されているものが好ましい。
さらに、酸捕捉剤として米国特許第4,137,201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物を含有させることも可能である。
これらの酸化防止剤等は、再生使用される際の工程に合わせて適宜添加する量が決められるが、一般には、フィルムの主原料である樹脂に対して、0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜1質量%の範囲で添加される。
これらの酸化防止剤は、一種のみを用いるよりも数種の異なった系の化合物を併用することで相乗効果を得ることができる。例えば、ラクトン系、リン系、フェノール系および二重結合系化合物の併用は好ましい。
〈着色剤〉
本発明においては、着色剤を使用することもできる。着色剤と言うのは染料や顔料を意味するが、本発明では、液晶画面の色調を青色調にする効果またはイエローインデックスの調整、ヘイズの低減を有するものを指す。着色剤としては各種の染料、顔料が使用可能だが、アントラキノン染料、アゾ染料、フタロシアニン顔料などが有効である。
〈紫外線吸収剤〉
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。高分子型の紫外線吸収剤としてもよい。
〈マット剤〉
本発明では、フィルムの滑り性を付与するためにマット剤を添加することが好ましい。
本発明で用いられるマット剤としては、得られるフィルムの透明性を損なうことがなく、溶融時の耐熱性があれば無機化合物または有機化合物どちらでもよく、例えば、タルク、マイカ、ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレー、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ガラスフレーク、ミルドファイバー、ワラストナイト、窒化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ化チタン、炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、炭化チタン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、ホワイトカーボンなどが挙げられる。これらのマット剤は、単独でも二種以上併用しても使用できる。
粒径や形状(例えば針状と球状など)の異なる粒子を併用することで高度に透明性と滑り性を両立させることもできる。これらの中でも、セルロースエステルと屈折率が近いので透明性(ヘイズ)に優れる二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600、NAX50(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKEP−10、シーホスターKEP−30、シーホスターKEP−50(以上、株式会社日本触媒製)、サイロホービック100(富士シリシア製)、ニップシールE220A(日本シリカ工業製)、アドマファインSO(アドマテックス製)等の商品名を有する市販品などが好ましく使用できる。
粒子の形状としては、不定形、針状、扁平、球状等特に制限なく使用できるが、特に球状の粒子を用いると得られるフィルムの透明性が良好にできるので好ましい。
粒子の大きさは、可視光の波長に近いと光が散乱し、透明性が悪くなるので、可視光の波長より小さいことが好ましく、さらに可視光の波長の1/2以下であることが好ましい。粒子の大きさが小さすぎると滑り性が改善されない場合があるので、80nmから180nmの範囲であることが特に好ましい。
なお、粒子の大きさとは、粒子が1次粒子の凝集体の場合は凝集体の大きさを意味する。また、粒子が球状でない場合は、その投影面積に相当する円の直径を意味する。
〈粘度低下剤〉
本発明において、溶融粘度を低減する目的として、水素結合性溶媒を添加することができる。水素結合性溶媒とは、J.N.イスラエルアチビリ著、「分子間力と表面力」(近藤保、大島広行訳、マグロウヒル出版、1991年)に記載されるように、電気的に陰性な原子(酸素、窒素、フッ素、塩素)と電気的に陰性な原子と共有結合した水素原子間に生ずる、水素原子媒介「結合」を生ずることができるような有機溶媒、すなわち、結合モーメントが大きく、かつ水素を含む結合、例えば、O−H(酸素水素結合)、N−H(窒素水素結合)、F−H(フッ素水素結合)を含むことで近接した分子同士が配列できるような有機溶媒をいう。
これらは、セルロース樹脂の分子間水素結合よりもセルロースとの間で強い水素結合を形成する能力を有するもので、本発明で行う溶融流延法においては、用いるセルロース樹脂単独のガラス転移温度よりも、水素結合性溶媒の添加によりセルロース樹脂組成物の溶融温度を低下することができる、または同じ溶融温度においてセルロース樹脂よりも水素結合性溶媒を含むセルロース樹脂組成物の溶融粘度を低下することができる。
水素結合性溶媒としては、例えば、アルコール類:例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、グリセリン等、ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン等、カルボン酸類:例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等、エーテル類:例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等、ピロリドン類:例えば、N−メチルピロリドン等、アミン類:例えば、トリメチルアミン、ピリジン等、等を例示することができる。これら水素結合性溶媒は、単独で、又は2種以上混合して用いることができる。これらのうちでも、アルコール、ケトン、エーテル類が好ましく、特にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン、テトラヒドロフランが好ましい。さらに、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン、テトラヒドロフランのような水溶性溶媒が特に好ましい。ここで水溶性とは、水100gに対する溶解度が10g以上のものをいう。
〈リターデーション調整剤〉
本発明のセルロースエステルフィルムにおいてリターデーションを調整するための化合物を含有させてもよい。
リターデーションを調整するために添加する化合物は、欧州特許第911,656A2号明細書に記載されているような、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物を使用することもできる。
また2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一般に不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物が特に好ましい。
<セルロースエステルフィルムの溶融流延製膜方法>
本発明の溶融流延製膜方法は、セルロースエステルを含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融して溶融物とし、その後、該溶融物を流延し冷却した後、テンターにより、幅手方向に延伸した後、Tg−20℃〜Tg+20℃で熱処理した後、搬送方向に収縮させながら、幅手方向に延伸する(同時2軸延伸)ことを特徴とする。
溶融流延製膜方法を利用することで、所望の光学特性をもち、透明性の高いフィルムを得ることができる。加熱溶融する成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れるセルロースエステルフィルムを得るためには、溶融押し出し法が優れている。
(製造方法)
以下、フィルムの製造方法について説明する。
(セルロースエステルを含む組成物をペレット化する工程)
溶融押出に用いる複数の原材料は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥セルロースエステルや可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出機に供給し1軸や2軸の押出機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押し出し、水冷または空冷し、カッティングすることでできる。
原材料は、押出する前に乾燥しておくことが原材料の分解を防止する上で重要である。特にセルロースエステルは吸湿しやすいので、除湿熱風乾燥機や真空乾燥機で70〜140℃で3時間以上乾燥し、水分率を200ppm以下、さらに100ppm以下にしておくことが好ましい。
添加剤は、押出機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。酸化防止剤の混合は、固体同士で混合してもよいし、必要により、酸化防止剤を溶剤に溶解しておき、セルロースエステルに含浸させて混合してもよく、あるいは噴霧して混合してもよい。
真空ナウターミキサーなどが乾燥と混合を同時にできるので好ましい。また、フィーダー部やダイからの出口など空気と触れる場合は、除湿空気や除湿したNガスなどの雰囲気下にすることが好ましい。
また、押出機への供給ホッパー等は保温しておくことが吸湿防止できるので好ましい。
マット剤や紫外線吸収剤などは、得られたペレットにまぶしたり、フィルム製膜時に押出機中で添加してもよい。
押出機は、せん断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようになるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
ニーダーディスクは、混錬性を向上できるが、せん断発熱に注意が必要であり、ニーダーディスクを用いなくても混合性は十分である。ベント孔からの吸引は必要に応じて行えばよく、低温であれば揮発成分はほとんど発生しないのでベント孔なしでもよい。
ペレットの色は、黄味の指標であるb*値が−5〜10の範囲にあることが好ましく、−1〜8の範囲にあることがさらに好ましく、−1〜5の範囲にあることがより好ましい。b*値は分光測色計CM−3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)で、光源をD65(色温度6504K)を用い、視野角10°で測定することができる。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
(ペレット化したセルロースエステル組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融して溶融物を作製する工程)
除湿熱風や真空または減圧下で乾燥したポリマーを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押し出す際の溶融温度を200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどでろ過し異物を除去し溶融物を作製する。
(溶融物を流延、冷却しフィルム状物とする工程)
作製した溶融物をTダイから流延し、冷却ロール上で固化させフィルム状物をする。
供給ホッパーから押出し機へ導入する際は真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押し出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。
ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、ろ過精度を調整できる。
ろ過精度を粗、密と連続的に複数回繰り返した多層体としたものが好ましい。また、ろ過精度を順次上げていく構成としたり、ろ過精度の粗、密を繰り返す方法をとることで、フィルターのろ過寿命が延び、異物やゲルなどの補足精度も向上できるので好ましい。
ダイに傷や異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインとも呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
押出機やダイなどの溶融樹脂と接触する内面は、表面粗さを小さくしたり、表面エネルギーの低い材質を用いるなどして、溶融樹脂が付着し難い表面加工が施されていることが好ましい。具体的には、ハードクロムメッキやセラミック溶射したものを表面粗さ0.2S以下となるように研磨したものが挙げられる。
可塑剤などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出機の途中で練り込んでもよいが、均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ロールと弾性タッチロールでフィルム状物をニップする際のタッチロール側のフィルム温度はフィルムのTg以上Tg+110℃以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールが使用できる。
冷却ロールからフィルム状物を剥離する際は、張力を制御してフィルム状物の変形を防止することが好ましい。
(フィルム状物をテンターにより幅手方向への延伸工程)
本発明での延伸方法としては、公知のロール延伸機やテンターなどを好ましく用いることができるが、幅手方向への延伸に関してはテンターを使用し、することが望ましい。
延伸温度は、フィルム温度が該組成物のTg−20〜Tg+20℃の温度範囲で行われることが好ましい。ここでTgとは、フィルムを構成する組成物のガラス転移温度であって、本発明においては前述の可塑剤の添加量、種類を選択することにより、調整することができる。Tgは110℃以上、好ましくは125℃以上250℃以下とすることが好ましい。
Tgは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121(1987)に従い求めた中間点ガラス転移温度(Tmg)とする。
延伸倍率は、1.3倍(30%)から2.5(150%)倍が好ましく、さらに1.5倍(50%)から2.0(100%)倍が好ましい。
液晶表示装置においては、画像の表示状態において、装置自身の温度上昇、例えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このときフィルムの使用環境温度よりもフィルムのTgが低いと、延伸によってフィルム内部に固定された分子の配向状態に由来するリターデーション値およびフィルムとしての寸法形状に大きな変化を与えることとなる。
フィルムのTgが高過ぎると、フィルム構成材料をフィルム化するとき温度が高くなるために加熱するエネルギー消費が高くなり、またフィルム化するときの材料自身の分解、それによる着色が生じることがあり、従って、Tgは250℃以下が好ましい。
延伸温度が低すぎると破断してしまう場合があり、高すぎると所望のリターデーションが得られない場合がある。
延伸は、幅手方向で制御された均一な温度分布下で行うことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
(延伸したフィルム状物をTg−20℃〜Tg+20℃で熱処理する工程)
本発明では、幅手方向への延伸後、Tg−20〜Tg+20℃の温度範囲で熱処理を行うことが好ましい。特に、Tg−20〜Tg℃の温度範囲で熱処理を行うことで、厚み方向のリターデーション(Rt)のみを変化させることができ、所望の面内のリターデーション(Ro)およびNz係数を得やすくなる。また熱処理を行うことで、フィルム中の樹脂と可塑剤の分布が均一になりやすく、透明性の高いフィルムを得ることができる。
(熱処理したフィルム状物を搬送方向に収縮させながら、幅手方向に延伸する工程(同時2軸延伸)工程)
本発明では幅手方向への延伸工程、熱処理工程のあと、同時2軸延伸工程を経ることで、所望のRoおよびNz係数をもち、遅相軸の配向角のばらつきの小さく、生産性の高いフィルムを得ることができる。特に、この工程では最終的な光学特性と配向角の調整を担っている。
従来の自由端での搬送方向への延伸でも所望の光学特性を得ることはできたが、遅相軸が搬送方向に向いてしまうため、ロールトウロールの偏光子との貼合ができず、生産性が悪かった。また従来の固定端での幅手方向への延伸では、遅相軸は幅手方向に向くため、ロールトウロールでの貼合はできたが、所望の光学特性を得ることはできなかった。
本発明では、搬送方向に1〜50%、好ましくは10%〜30%収縮させ、幅手方向に1〜50%、好ましくは10%〜30%延伸させる。この時の温度は、Tg−20〜Tg+20℃が好ましい。
このような同時2軸延伸はテンター内の搬送におけるクリップの搬送速度を、延伸中のクリップの搬送速度より遅くさせながら、幅手方向に延伸することで達成される。
ここで収縮率(MD収縮率)は、テンター入口の速度(V2)とテンター出口の速度(V1)の速度から次式を用いてMD収縮率とした。
MD収縮率(%)=100×(V1−V2)/V1
同時2軸延伸を行うことで、幅手方向の配向角のばらつきを小さくすることができる。この同時2軸延伸は、幅手方向への延伸の後に引き続き実施してもよく、あるいは横延伸後一度巻き取ったものを送り出して実施してもよい。
また本発明の位相差フィルムの膜厚は20〜55μmであることが好ましい。20μm未満であると、薄膜であることと、延伸の際の温度が低いことで、機械的強度が不足し生産時の破断等の故障が起こり易く、フィルム面状が悪く場合がある。55μm以上であると搬送方向への収縮が起こりにくくなり、目的のRoおよびNz係数を得ることが難しくなる。
本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚変動は、±3%、さらに±1%の範囲とすることが好ましい。
延伸後、フィルムの端部をスリッターにより製品となる幅にスリットして裁ち落とした後、エンボスリングおよびバックロールよりなるナール加工装置によりナール加工(エンボッシング加工)をフィルム両端部に施し、巻取り機によって巻き取ることにより、セルロースエステルフィルム(元巻き)の貼り付きや、すり傷の発生を防止する。
ナール加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用される。
<偏光板および液晶表示装置>
本発明の偏光板について説明する。
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、セルロースエステルフィルムをアルカリ鹸化処理した後に、偏光子の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ鹸化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理のことをいう。
本発明の偏光板に用いる偏光子としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールあるいはエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%であるエチレン変性ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーからなるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルムを処理して配向させたものを用いる。
偏光子の膜厚としては、5〜30μmのものが好ましく用いられる。こうして得られた偏光子を、セルロースエステルフィルムと貼合する。
このとき、セルロールエステルフィルムのうちの少なくとも一枚は、本発明のセルロースフィルムが用いられる。もう一方の面には、別のセルロースエステルフィルムを用いることができる。
たとえば市販のセルロースエステルフィルム(KC8UX、KC4UX、KC4UY、KC8UY(コニカミノルタオプト(株)製))を偏光板保護フィルムとして用いることができる。
表示装置の表面側に用いられる偏光板保護フィルムには防眩層あるいはクリアハードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層を有することが好ましい。
また、偏光板の作製時には、本発明の位相差フィルムの面内遅相軸と偏光子の透過軸が平行あるいは直交するように貼合することが好ましい。
上記のようにして得られる、本発明の偏光板を、液晶セルの両面に配置して貼合し、本発明の液晶表示装置を作製することができる。また本発明のセルロースエステルフィルムはTN、VA、OCB、HAN等の各種駆動方式の液晶表示装置で用いられるが、特にVA方式での液晶表示装置での使用が好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈セルロースエステルフィルム1の作製〉
80℃で6時間乾燥した(水分率200ppm)のアセチル基の置換度1.30、プロピオニル基の置換度1.20、総アシル基置換度2.5、数平均分子量65000(重量平均分子量200000)のセルロースアセテートプロピオネート100質量部、化合物48(株式会社ADEKA)を12質量部、リン系化合物としてPEP−36(株式会社ADEKA)0.01質量部、Irganox1010(チバ・ジャパン株式会社製)0.5質量部、SumilizerGS(住友化学株式会社製)0.24質量部、アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製)0.1質量部を真空ナウターミキサーで80℃、1Torrで3時間混合しながら、さらに乾燥した。
得られた混合物を、2軸式押出機を用いて235℃で溶融混合しペレット化した。セルロースエステルフィルムの製膜は図1に示す製造装置で行った。
ペレット(水分率50ppm)を、1軸押出機を用いてTダイから表面温度が90℃の第1冷却ロール上に溶融温度240℃でフィルム状に溶融押し出し、120μmのキャストフィルムを得た。この際第1冷却ロール上でフィルムを2mm厚の金属表面を有する弾性タッチロールで押圧した。
得られたフィルムを予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーン(各ゾーン間には各ゾーン間の断熱を確実にするためのニュートラルゾーンも有する)を有するテンターに導入し、幅手方向に140℃で60%延伸した後、120℃まで冷却し、120℃を維持し熱処理を行った。
その後、テンター内のクリップの搬送速度を延伸中のクリップの搬送速度よりも遅くしながら、搬送方向に30%収縮、幅方向に30%延伸した。その後、クリップ把持部を裁ち落として、膜厚40μm、フィルム幅2300mmのセルロースエステルフィルム1を得た。
セルロースエステル、可塑剤、製造条件を表1のように変更した以外は本発明のセルロースエステルフィルム1と同様にして、本発明および比較のセルロースエステルフィルム2〜8、12、13を得た。
(試料7:特開2008−287218号実施例1、a−15に準じて作製した。試料12:特開2008−257220号実施例1、F−1に準じて作製した。)
化合物A:ポリエステルポリオール(エチレングリコールとコハク酸/テレフタル酸=50/50モル比の反応物 Mw=2000)
〈セルロースエステルフィルム9の作製〉
〈微粒子分散液の作製〉
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行い、微粒子分散液を作製した。
〈微粒子添加液の作製〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに下記セルロースエステルを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。
濾過後のセルロースエステル溶液を十分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。さらに、アトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.54、数平均分子量60000)
4質量部
微粒子分散液 11質量部
〈主ドープ液の作製〉
下記組成の主ドープ液を調製した。
先ず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。メチレンクロライドの一部(約40質量部)はあらかじめ分けておき、溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルを(加圧溶解タンクを攪拌しながら)投入する際に使用した。
これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、さらに表1に記載のポリマーを添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
PETB:ペンタエリスリトールテトラベンゾエート
TPP:トリフェニルホスフェート
BDPP:ビフェニル・ジフェニルホスフェート
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
セルローストリアセテート(総置換度2.54) 100質量部
リン酸トリクレジル 10質量部
主ドープ液100質量部と微粒子添加液2質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流延装置により、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が30質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離したあと、テンター部でウェブ両端部を把持し、幅手方向に150℃で3.0倍延伸した。
セルロースエステル、可塑剤、製造条件を表1のように変更した以外は本発明のセルロースエステルフィルム9と同様にして、比較のセルロースエステルフィルム10〜11を得た。
(試料11:特開2008−279724号実施例1記載に準じて作製した。)
Figure 2010217846
上記作製したセルロースエステルフィルム1〜13を用いて、下記要領で偏光板および液晶表示装置を作製した。
《偏光板の作製》
上記作製したセルロースエステルフィルムの試料を使って、下記に記載するアルカリケン化処理、偏光板の作製を行った。
〈アルカリケン化処理〉
ケン化工程 2N−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥を行った。
〈偏光子の作製〉
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で6倍に搬送方向に延伸して偏光膜を作った。
上記偏光膜の片面に同様にケン化処理したコニカミノルタオプト(株)製KC4UY、その反対面側に前記アルカリケン化処理したセルロースエステルフィルムを完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として、偏光子の透過軸とフィルムの面内遅相軸が平行になるように各々ロール トゥ ロールで貼り合わせ、乾燥して偏光板1〜11を作製した。
《液晶表示装置の作製》
得られた偏光板についてシャープ製液晶パネルLL−T1620との組み合わせで、該液晶パネルに予め貼合されていた偏光板を剥がし、液晶セルの両面に図5で示した配置構成となるように偏光板の透過軸が、予め貼合されていた偏光板の透過軸と同じ方向になるよう粘着剤を介して偏光板を貼合した。バックライト側の偏光板としては、偏光子にコニカミノルタタックフィルムKC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)と、偏光子の反対側の面に下記作製したRo=0nm、Rt=200nmの位相差をもつ位相差フィルムとを貼合した偏光板を貼って液晶表示装置1〜11を作製した。
《セルロースエステルフィルムおよび液晶表示装置の評価》
得られたセルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置の評価を下記に示す方法で行った。
〈フィルムの評価〉
〔Ro、Rtの測定〕
アッベ屈折率計(4T)を用いてフィルム構成材料の平均屈折率を測定した。また、市販のマイクロメーターを用いてフィルムの厚さを測定した。
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、波長が590nmにおけるフィルムのリターデーション測定を行った。上述の平均屈折率と膜厚を入力し、面内リターデーション(Ro)および厚み方向のリターデーション(Rt)の値を得た。
〔ヘイズの測定〕
濁度計(NDH2000,日本電色工業(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、フィルムのヘイズ測定を行った。
全ヘイズ(Ht) :JISK7136に準じて測定されたヘイズ値(%)。
内部ヘイズ(Hi):得られた位相差フィルムの表面にグリセリン数滴を滴下し、厚さ1.3mmのガラス板(MICRO SLIDE GLASS品番S9213、MATSUNAMI製)2枚で両側から挟んだ状態で測定したヘイズ値から、ガラス2枚の間にグリセリンを数滴滴下した状態で測定したヘイズを引いた値(%)。
(配向角のばらつき)
OPTIPRO(XY走査ステージ、ハロゲンランプ光+550nm干渉フィルター)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて配向角を測定した。この時測定面積は60mm×60mmとし、口径3mmのビームを用いて4mm間隔で測定を行なった。
このようにして測定された60mm×60mmの範囲内における配向角度の最大値と最小値の差をばらつきとした。
〈液晶表示装置の評価〉
〔正面コントラスト〕
先ず、液晶表示装置のコントラスト特性の評価をELDIM社製EZ−contrastを用い、黒表示における正面コントラストを測定した。
正面コントラストの評価は正面コントラスト値を指標に評価を行った。
正面コントラストが高いものから、◎、○、×とした。
Figure 2010217846
上表から、本発明の位相差フィルムを用いることで、正面コントラストの高い液晶表示装置を提供することができることが分かった。
〈バックライト側偏光板用位相差フィルムの作製〉
80℃で6時間乾燥した(水分率200ppm)のアセチル基の置換度1.20、プロピオニル基の置換度1.10、総アシル基置換度2.3、数平均分子量65000(重量平均分子量200000)のセルロースアセテートプロピオネート100質量部、化合物48(株式会社ADEKA)を12質量部、リン系化合物としてPEP−36(株式会社ADEKA)0.01質量部、Irganox1010(チバ・ジャパン株式会社製)0.5質量部、SumilizerGS(住友化学株式会社製)0.24質量部、アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製)0.1質量部を真空ナウターミキサーで80℃、1Torrで3時間混合しながら、さらに乾燥した。
得られた混合物を、2軸式押し出し機を用いて235℃で溶融混合しペレット化した。
ペレット(水分率50ppm)を、1軸押出機を用いてTダイから表面温度が90℃の第1冷却ロール上に溶融温度240℃でフィルム状に溶融押し出し、70μmのフィルム状物を得た。この際第1冷却ロール上でフィルムを2mm厚の金属表面を有する弾性タッチロールで押圧した。
次いでこのフィルム状物を、ロール周速差を利用した延伸機によって130℃で搬送方向に30%延伸し、さらに予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーン(各ゾーン間には各ゾーン間の断熱を確実にするためのニュートラルゾーンも有する)を有する幅手方向の延伸機であるテンターに導入し、幅手方向に130℃で30%延伸した後、30℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落として、膜厚40μmのバックライト側偏光板用位相差フィルムを得た。
このフィルムを王子計測機器株式会社製KOBRA21−ADHを用い、波長590nm、23℃相対湿度55%下にてRo、Rthを測定したところ、Ro=0nm、Rt=200nmであった。
1 押出し機
2 フィルター
3 スタチックミキサー
4 流延ダイ
5 回転支持体(第1冷却ロール)
6 挟圧回転体(タッチロール)
7 回転支持体(第2冷却ロール)
8 回転支持体(第3冷却ロール)
9、11、13、14、15 搬送ロール
10 セルロースエステルフィルム
16 巻き取り機
F フィルム

Claims (4)

  1. 100≦Ro≦180、かつ0.8≦Nz≦1.3を満たし、フィルム1枚での全ヘイズHtが0.1≦Ht≦0.3であり、全ヘイズに対する内部ヘイズHiの割合Hi/Htが0.1≦Hi/Ht≦0.5、幅手方向に遅相軸をもち、遅相軸の配向角のばらつきが±0.2度であり、かつセルロースエステルフィルムの全体の質量に対して含有溶媒量が0.01質量%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
    式1 Ro=(nx−ny)×d
    式2 Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
    (Roは前記セルロースエステルフィルムの面内のリターデーション値を表す。フィルム面内遅相軸方向の屈折率をnx、遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルム厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの膜厚(nm)をそれぞれ表す。)
    全ヘイズ(Ht) :JISK7136に準じて測定されたヘイズ値(%)をいう。
    内部ヘイズ(Hi):フィルムの表面にグリセリン数滴を滴下し、厚さ1.3mmのガラス板(MICRO SLIDE GLASS品番S9213、MATSUNAMI製)2枚で両側から挟んだ状態で測定したヘイズ値(%)から、ガラス2枚の間にグリセリンを数滴滴下した状態で測定したヘイズ値を引いた値(%)をいう。
  2. 請求項1に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
  3. 請求項2に記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. セルロースエステルを含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融して溶融物を作製する工程、該溶融物を流延、冷却しフィルム状物とする工程、該フィルム状物をテンターにより幅手方向に延伸する工程、該延伸したフィルム状物をTg−20℃〜Tg+20℃で熱処理する工程、該熱処理したフィルム状物を搬送方向に収縮させながら、幅手方向に延伸する工程、とを有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの溶融流延製膜方法。
    なお、Tgとは、セルロースエステルを含む組成物のガラス転移温度を表す。
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