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JP2010195737A - 光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2010195737A JP2009044685A JP2009044685A JP2010195737A JP 2010195737 A JP2010195737 A JP 2010195737A JP 2009044685 A JP2009044685 A JP 2009044685A JP 2009044685 A JP2009044685 A JP 2009044685A JP 2010195737 A JP2010195737 A JP 2010195737A
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Koichi Mikami
幸一 三上
Kosuke Aikawa
光介 相川
Shunsuke Mimura
俊介 三村
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Tokyo Institute of Technology NUC
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Abstract

【課題】種々の生理活性を有することが期待される光学活性コンボルタミジン誘導体の実用的な製造方法を提供する。
【解決手段】イサチン類とケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて加水分解することにより光学活性コンボルタミジン誘導体を製造する。
本発明において、イサチン類とケテンシリルアセタールの不斉触媒による炭素−炭素形成反応が良好に進行することを見出した。さらに、目的とする光学活性コンボルタミジン誘導体が収率良く高い光学純度で得られる、好適な不斉触媒および反応条件を明らかにした。本発明によれば、分離の難しい不純物が含まれず、化学純度の高い生成物を得ることができる。本発明で得られる光学活性コンボルタミジン誘導体は、導入された炭素求核部位の多様な官能基変換反応が可能であり、構造活性相関に必要な多種の誘導化に好適に利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、種々の生理活性を有することが期待される光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法に関する。
本発明で対象とする光学活性コンボルタミジン誘導体は、種々の生理活性を有することが期待される。本発明に関連する従来技術として、イサチン類と炭素求核剤を不斉触媒の存在下に反応させる方法が報告されている。炭素求核剤として、アリールホウ素またはアルケニルホウ素を反応させる方法(非特許文献1)、アルキル亜鉛を反応させる方法(非特許文献2)およびアセトンを反応させる方法(非特許文献3)等がある。しかしながら、本発明で対象とするケテンシリルアセタールを炭素求核剤とする反応(特に、実用的な製造方法が提供できる好適な不斉触媒および反応条件)は未だ報告されていない。
Angew.Chem.Int.Ed.(ドイツ),2003年,第42号,p.5489−5492 Angew.Chem.Int.Ed.(ドイツ),2006年,第45号,p.3353−3356 J.Org.Chem.(米国),2005年,第70巻,p.7418−7421
本発明の目的は、種々の生理活性を有することが期待される光学活性コンボルタミジン誘導体の実用的な製造方法を提供することにある。非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3で導入された炭素求核部位は、その後の官能基変換反応が限られており、構造活性相関における構造の最適化に好適な(多種の誘導体が製造可能な)製造方法とは言えなかった。
一方、ケテンシリルアセタールを炭素求核剤とする反応で得られるアミド、エステルおよびアルキルチオカルボニル部位は、多様な官能基変換反応が知られており、該変換反応との組み合わせにより多種の光学活性コンボルタミジン誘導体を製造することができる。しかしながら、背景技術に記載した通り、所望の反応は未だ報告されておらず、特に、目的とする光学活性コンボルタミジン誘導体が収率および光学純度において実用的なレベルで製造できる不斉触媒および反応条件を明らかにする必要があった。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式[1]で示されるイサチン類と、一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて加水分解することにより、一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体が製造できることを見出した。
一般式[1]で示されるイサチン類としては、芳香環上のRとRが共に水素原子であり、RとRがそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体であり、窒素原子上のRがアルキル基またはアミノ基の保護基であるものが好ましく、大量規模での入手が容易である。一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールとしては、sp炭素原子上のRとRが共に水素原子であり、X原子上のRが、炭素数が1から4のアルキル基であり、ケイ素原子上のR、R10とR11がそれぞれ独立に炭素数が1から4のアルキル基であり、アセタール部位を構成するXが硫黄原子であるものが好ましく、大量規模での入手が安価である。「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」としては、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」が好ましく、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」が特に好ましく、所望の反応が良好に進行する。
本発明の製造方法では、一般式[1]で示されるイサチン類と一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させた後に引き続いて加水分解を行うが、該加水分解としては、酸加水分解が好ましく、所望の反応を効果的に行うことができる。
本発明の製造方法で得られる一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体のXが硫黄原子であるもの(一般式[7]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体)は新規化合物であり、種々の生理活性を有することが強く期待される。該誘導体の中でもRとRが共に水素原子であり、RとRがそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体であり、Rがアルキル基またはアミノ基の保護基であり、RとRが共に水素原子であり、Rが、炭素数が1から4のアルキル基であるものが好ましく、大量規模での製造が可能で、種々の生理活性を有することが極めて強く期待される。
この様に、新規化合物を含む光学活性コンボルタミジン誘導体の有用な製造方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は[発明1]から[発明5]を含み、種々の生理活性を有することが期待される光学活性コンボルタミジン誘導体の実用的な製造方法を提供する。
[発明1]
一般式[1]
[式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表す]で示されるイサチン類と、一般式[2]
[式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Rは低級アルキル基を表し、R、R10およびR11はそれぞれ独立に低級アルキル基を表し、Xは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す{但し、Xが窒素原子の場合、該原子上にさらに低級アルキル基(R)が独立に、または同一のトリ低級アルキルシリル基(SiR1011)が置換する}]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて加水分解することにより、一般式[3]
[式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびXは上記と同じ置換基または原子を表し、*は不斉炭素を表し(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)、波線は、R基の立体化学がヒドロキシル基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体を製造する方法。
[発明2]
一般式[4]
[式中、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体を表し、R14はアルキル基またはアミノ基の保護基を表す]で示されるイサチン類と、一般式[5]
[式中、R15は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R16、R17およびR18はそれぞれ独立に炭素数が1から4のアルキル基を表す]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて酸加水分解することにより、一般式[6]
[式中、R12、R13、R14およびR15は上記と同じ置換基を表し、*は不斉炭素を表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体を製造する方法。
[発明3]
発明2において、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」が「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」であることを特徴とする、発明2に記載の光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法。
[発明4]
一般式[7]
[式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Rは低級アルキル基を表し、*は不斉炭素を表し(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)、波線は、R基の立体化学がヒドロキシル基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体。
[発明5]
一般式[6]
[式中、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体を表し、R14はアルキル基またはアミノ基の保護基を表し、R15は炭素数が1から4のアルキル基を表し、*は不斉炭素を表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体。
本発明において、イサチン類とケテンシリルアセタールの不斉触媒による炭素−炭素形成反応が良好に進行することを見出した。さらに、目的とする光学活性コンボルタミジン誘導体が収率良く高い光学純度で得られる、好適な不斉触媒および反応条件を明らかにした。また、分離の難しい不純物が含まれず、化学純度の高い生成物を得ることができる。本発明で得られる光学活性コンボルタミジン誘導体は、導入された炭素求核部位の多様な官能基変換反応が可能であり、構造活性相関に必要な多種の誘導化に好適に利用できる。
この様に、本発明は、種々の生理活性を有することが期待される光学活性コンボルタミジン誘導体の実用的な製造方法を提供するものである。
本発明の光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法について詳細に説明する。
一般式[1]で示されるイサチン類のR、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、低級ハロアルキル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、低級ハロアルコキシ基(フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基等)、低級アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等)、低級アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等)、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基(ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基等)、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表す。“低級”とは、炭素数が1から6の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数が3以上の場合)を意味する。“ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびカルボキシル基の保護基”としては、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.に記載された保護基等を用いることができる(2つ以上の官能基を1つの保護基で同時に保護することもできる)。
一般式[1]で示されるイサチン類のRは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表す。アルキル基は、炭素数が1から12のものが挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖、分枝または環式を採ることができる。置換アルキル基は、アルキル基の任意の炭素原子上に、任意の数でさらに任意の組み合わせで、置換基を有することができる。係る置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基等の低級ハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基等の低級ハロアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の低級アルキルアミノ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等の低級アルキルチオ基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基等の低級アルキルアミノカルボニル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基等の不飽和基、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の芳香環基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基等の芳香環オキシ基、ピペリジル基、ピペリジノ基、モルホリニル基等の脂肪族複素環基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基(アミノ酸またはペプチド残基も含む)、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体等が挙げられる。“低級”と“ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびカルボキシル基の保護基”は、一般式[1]で示されるイサチン類のR、R、RおよびRに記載したものと同じである。“不飽和基”が二重結合の場合(アルケニル基)は、E体またはZ体の両方の幾何異性を採ることができる。また、“不飽和基”、“芳香環基”、“芳香環オキシ基”および“脂肪族複素環基”には、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体等が置換することもできる。これらの置換基の中には、副反応に関与するものもあるが、好適な反応条件を採用することにより所望の反応を良好に行うことができる。アミノ基の保護基は、一般式[1]で示されるイサチン類のR、R、RおよびRに記載したものと同じである。
一般式[1]で示されるイサチン類の中でも容易に製造でき工業的な利用も可能な、RとRが共に水素原子で、RとRがそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体で、且つRがアルキル基またはアミノ基の保護基のものが好ましく、光学活性コンボルタミジン誘導体の製造に好適である。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールのRおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表す。アルキル基および置換アルキル基は、一般式[1]で示されるイサチン類のRに記載したものと同じである。芳香環基は、炭素数が1から18の、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香族炭化水素基、またはピロリル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基を採ることができる。置換芳香環基は、芳香環基の任意の炭素原子上に、任意の数でさらに任意の組み合わせで、置換基を有することができる。係る置換基は、一般式[1]で示されるイサチン類のRに記載したものと同じである。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールのRは、低級アルキル基を表す。低級アルキル基は、一般式[1]で示されるイサチン類のR、R、RおよびRに記載したものと同じである。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールのR、R10およびR11は、それぞれ独立に低級アルキル基を表す。低級アルキル基は、一般式[1]で示されるイサチン類のR、R、RおよびRに記載したものと同じである。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールのXは、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す{但し、Xが窒素原子の場合、該原子上にさらに低級アルキル基(R)が独立に、または同一のトリ低級アルキルシリル基(SiR1011)が置換する}。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールの中でも安価に製造でき工業的な利用も可能な、RとRが共に水素原子で、Rが、炭素数が1から4のアルキル基で、R、R10とR11がそれぞれ独立に炭素数が1から4のアルキル基で、且つXが硫黄原子のものが好ましく、光学活性コンボルタミジン誘導体の製造に好適である。
一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールの使用量は、一般式[1]で示されるイサチン類1モルに対して0.7モル以上を用いれば良く、0.8から7モルが好ましく、0.9から5モルが特に好ましい。
「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」としては、一般式[8]
[式中、X−*−Xは光学活性SEGPHOS誘導体(図A)、光学活性BINAP誘導体(図B)、光学活性BIPHEP誘導体(図C)、光学活性P−Phos誘導体(図D)、光学活性PhanePhos誘導体(図E)、光学活性1,4−Et−cyclo−C−NUPHOS(図F)または光学活性BOX誘導体(図G)等を表し、YはNi、Pd、PtまたはCuを表し、ZはSbF、ClO、BF、OTf(Tf;CFSO)、AsF、PFまたはB(3,5−(CFを表す]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」
または、一般式[9]
[式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、Meはメチル基を表す]で示されるBINOL−Ti錯体等が挙げられる。
その中でも「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」が好ましく、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」が特に好ましい(光学活性な配位子としては代表的なものを挙げており、CATALYTIC ASYMMETRIC SYNTHESIS,Second Edition,2000,Wiley−VCH,Inc.に記載されたものを適宜使用することができる。また、Zとしては、SbF、BF、OTfおよびB(3,5−(CFが好ましく、SbF、OTfおよびB(3,5−(CFが特に好ましい)。
これらの錯体は公知の方法により調製することができ(例えば、Tetrahedron Letters(英国),2004年,第45巻,p.183−185、Tetrahedron:Asymmetry(英国),2004年,第15巻,p.3885−3889、Angew.Chem.Int.Ed.(ドイツ国),2005年,第44巻,p.7257−7260、J.Org.Chem.(米国),2006年,第71巻,p.9751−9764、J.Am.Chem.Soc.(米国),1999年,第121巻,p.686−699、nature(英国),1997年,第385巻,p.613−615等)、単離した錯体は当然、それ以外に、反応系中で予め調製し単離せずに用いることもできる。これらの錯体には水やアセトニトリル等の有機溶媒が配位(溶媒和)したものを用いることもできる。
また、一般式[10]
[式中、X−*−X、YおよびZは一般式[8]と同じものを表す]で示される「光学活性な配位子を有するカチオン性2核の遷移金属錯体」も、一般式[8]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」と同様に用いることができる場合がある。
光学活性な配位子の立体化学[(R)、(S)、(R,R)、(S,S)等]としては、目的とする光学活性コンボルタミジン誘導体の立体化学に応じて適宜使い分けることができる。光学活性な配位子の光学純度としては、目標とする光学活性コンボルタミジン誘導体の光学純度に応じて適宜設定すれば良く、通常は95%ee(エナンチオマー過剰率)以上を用いれば良く、97%ee以上が好ましく、99%ee以上が特に好ましい。これらの光学活性な配位子の中でも、SEGPHOS誘導体およびBINAP誘導体が両エナンチオマーを比較的安価に入手することができ、かつ不斉触媒に誘導した時の活性も極めて高いため好適であり、SEGPHOS、BINAPおよびTol−BINAPが好ましく、SEGPHOSおよびTol−BINAPが特に好ましい。
「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の使用量は、一般式[1]で示されるイサチン類1モルに対して0.4モル以下を用いれば良く、0.3から0.00001モルが好ましく、0.2から0.0001モルが特に好ましい。
反応溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系等が挙げられる。その中でも芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系およびエーテル系が好ましく、芳香族炭化水素系およびハロゲン化炭化水素系が特に好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて用いることができる。また、本発明の製造方法は反応溶媒の非存在下に行うこともできる。
反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の使用量は、一般式[1]で示されるイサチン類1モルに対して0.3L以上を用いれば良く、0.4から50Lが好ましく、0.5から30Lが特に好ましい。
反応温度は、−150から+150℃の範囲で行えば良く、−125から+125℃が好ましく、−100から+100℃が特に好ましい。
反応時間は、48時間以内の範囲で行えば良く、原料基質、不斉触媒および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、核磁気共鳴(NMR)等の分析手段により反応の進行状況をモニターし、原料基質が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
本発明の製造方法では、一般式[1]で示されるイサチン類と一般式[2]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させた後に引き続いて加水分解を行うが、該加水分解前の反応混合液には、一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体と、一般式[11]
[式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Rは低級アルキル基を表し、R19はSiR1011を表し、R、R10およびR11はそれぞれ独立に低級アルキル基を表し、Xは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し{但し、Xが窒素原子の場合、該原子上にさらに低級アルキル基(R)が独立に、または同一のトリ低級アルキルシリル基(SiR1011)が置換する}、*は不斉炭素を表し(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)、波線は、R基の立体化学がシリルオキシ基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体のシリルエーテル体の混合物として存在する。よって、該シリルエーテル体の酸素−ケイ素結合の加水分解により、目的とする一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体に全てを完全に変換することができる。係る加水分解としては、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.に記載された、ヒドロキシル基のシリル保護体の脱保護条件等を採用することができる。その中でも酸性条件下での加水分解(酸加水分解)が好ましく、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の水溶液による加水分解が特に好ましい。加アルコール分解も加水分解と同等の効果を得ることができるため、本発明の請求項の加水分解には加アルコール分解も含まれる。また、これらの分解は必要に応じて反応溶媒の存在下に行うこともできる。
後処理は、反応終了液に対して有機合成における一般的な操作を行うことにより、目的とする一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体を得ることができる。粗生成物は必要に応じて活性炭処理、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の操作により、高い純度に精製することができる。加水分解前の反応混合液に含まれる不斉触媒をショートカラムで取り除き、濾洗液を濃縮し、引き続いて酸加水分解または酸加アルコール分解し、反応終了液を有機溶媒で希釈し、水洗し、回収有機層を乾燥し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、比較的簡便な操作で高純度品を得ることができる。
一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の*は、不斉炭素を表す(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)。
一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の波線は、R基の立体化学がヒドロキシル基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す。
一般式[3]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体のXが硫黄原子であるもの(一般式[7]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体)は新規化合物であり、該誘導体の中でも一般式[6]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体が好ましい。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。略記号は以下の通りとする。Bn;ベンジル基、TMS;トリメチルシリル基、tert−Bu;第3級ブチル基。
[実施例1]
塩化メチレン3mLに、下記式
で示される(R)−BINAP−PdCl16.0mg(0.02mmol)とAgSbF15.1mg(0.044mmol)を窒素雰囲気下で加え、室温で30分間攪拌した(一般式[8]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体(X−*−X;(R)−BINAP、Y;Pd、Z;SbF)」が反応系中で生成)。下記式
で示されるイサチン類47.5mg(0.2mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量1mL)と、下記式
で示されるケテンシリルアセタール102mg(0.5mmol)を−78℃で加え、同温度で終夜攪拌した。反応混合液を直接、ショートカラム(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」を取り除き、濾洗液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン5mLと1N塩酸1mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了液をジエチルエーテル20mLで希釈し、水10mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLおよび飽和食塩水10mLの順に洗浄し、回収有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製することにより、下記式
で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の+体を45.8mg得た。収率は62%であった。光学純度はキラル液体クロマトグラフィー(DAICEL CHIRALCEL AD−H)により95%eeであった。H−NMRおよびHRMSを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.38(s,9H),3.09(d,J=15.0Hz,1H),3.17(d,J=15.0Hz,1H),4.54(bs,1H),4.82(d,J=15.6Hz,1H),4.95(d,J=15.6Hz,1H),6.66(d,J=7.8Hz,1H),7.03(ddd,J=0.9Hz,7.8Hz,7.8Hz,1H),7.18(ddd,J=1.5Hz,7.8Hz,7.8Hz,1H),7.24−7.40(m,6H).
HRMS(ESI−TOF)Calcd for C2123NaS[M+Na]:392.1296,Found392.1302.
[実施例2]
塩化メチレン3mLに、下記式
で示される(R)−Tol−BINAP−PdCl17.1mg(0.02mmol)とAgSbF15.1mg(0.044mmol)を窒素雰囲気下で加え、室温で30分間攪拌した(一般式[8]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体(X−*−X;(R)−Tol−BINAP、Y;Pd、Z;SbF)」が反応系中で生成)。下記式
で示されるイサチン類47.5mg(0.2mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量1mL)と、下記式
で示されるケテンシリルアセタール102mg(0.5mmol)を−78℃で加え、同温度で終夜攪拌した。反応混合液を直接、ショートカラム(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」を取り除き、濾洗液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン5mLと1N塩酸1mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了液をジエチルエーテル20mLで希釈し、水10mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLおよび飽和食塩水10mLの順に洗浄し、回収有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製することにより、下記式
で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の+体を39.2mg得た。収率は53%であった。光学純度はキラル液体クロマトグラフィー(DAICEL CHIRALCEL AD−H)により>99%eeであった。H−NMRは実施例1と同様であった。
[実施例3]
塩化メチレン3mLに、下記式
で示される(R)−SEGPHOS−PdCl15.8mg(0.02mmol)とAgSbF15.1mg(0.044mmol)を窒素雰囲気下で加え、室温で30分間攪拌した(一般式[8]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体(X−*−X;(R)−SEGPHOS、Y;Pd、Z;SbF)」が反応系中で生成)。下記式
で示されるイサチン類47.5mg(0.2mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量1mL)と、下記式
で示されるケテンシリルアセタール102mg(0.5mmol)を−78℃で加え、同温度で15分間攪拌した。反応混合液を直接、ショートカラム(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」を取り除き、濾洗液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン5mLと1N塩酸1mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了液をジエチルエーテル20mLで希釈し、水10mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLおよび飽和食塩水10mLの順に洗浄し、回収有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製することにより、下記式
で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の+体を62.1mg得た。収率は84%であった。光学純度はキラル液体クロマトグラフィー(DAICEL CHIRALCEL AD−H)により>99%eeであった。H−NMRは実施例1と同様であった。
[実施例4]
塩化メチレン3mLに、下記式
で示される(R)−SEGPHOS−PdCl7.9mg(0.01mmol)とAgSbF7.6mg(0.022mmol)を窒素雰囲気下で加え、室温で30分間攪拌した(一般式[8]で示される「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体(X−*−X;(R)−SEGPHOS、Y;Pd、Z;SbF)」が反応系中で生成)。下記式
で示されるイサチン類47.5mg(0.2mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量1mL)と、下記式
で示されるケテンシリルアセタール102mg(0.5mmol)を−78℃で加え、同温度で30分間攪拌した。反応混合液を直接、ショートカラム(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」を取り除き、濾洗液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン5mLと1N塩酸1mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了液をジエチルエーテル20mLで希釈し、水10mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLおよび飽和食塩水10mLの順に洗浄し、回収有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:6)で精製することにより、下記式
で示される光学活性コンボルタミジン誘導体の+体を64.3mg得た。収率は87%であった。光学純度はキラル液体クロマトグラフィー(DAICEL CHIRALCEL AD−H)により99%eeであった。比旋光度は[α] 24 +11.2(c=4.80 in CHCl)であった。H−NMRは実施例1と同様であった。

Claims (5)

  1. 一般式[1]
    [式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表す]で示されるイサチン類と、一般式[2]
    [式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Rは低級アルキル基を表し、R、R10およびR11はそれぞれ独立に低級アルキル基を表し、Xは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す{但し、Xが窒素原子の場合、該原子上にさらに低級アルキル基(R)が独立に、または同一のトリ低級アルキルシリル基(SiR1011)が置換する}]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて加水分解することにより、一般式[3]
    [式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびXは上記と同じ置換基または原子を表し、*は不斉炭素を表し(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)、波線は、R基の立体化学がヒドロキシル基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体を製造する方法。
  2. 一般式[4]
    [式中、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体を表し、R14はアルキル基またはアミノ基の保護基を表す]で示されるイサチン類と、一般式[5]
    [式中、R15は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R16、R17およびR18はそれぞれ独立に炭素数が1から4のアルキル基を表す]で示されるケテンシリルアセタールを「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」の存在下に反応させ、引き続いて酸加水分解することにより、一般式[6]
    [式中、R12、R13、R14およびR15は上記と同じ置換基を表し、*は不斉炭素を表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体を製造する方法。
  3. 請求項2において、「光学活性な配位子を有する2価カチオン性の遷移金属錯体」が「光学活性な配位子を有する2価カチオン性のパラジウム錯体」であることを特徴とする、請求項2に記載の光学活性コンボルタミジン誘導体の製造方法。
  4. 一般式[7]
    [式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基またはカルボキシル基の保護体を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基またはアミノ基の保護基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Rは低級アルキル基を表し、*は不斉炭素を表し(但し、RとRが同一の置換基の場合、これらが結合する炭素原子は不斉炭素でない)、波線は、R基の立体化学がヒドロキシル基に対してシン、アンチ、またはシンとアンチの混合物であることを表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体。
  5. 一般式[6]
    [式中、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の保護体を表し、R14はアルキル基またはアミノ基の保護基を表し、R15は炭素数が1から4のアルキル基を表し、*は不斉炭素を表す]で示される光学活性コンボルタミジン誘導体。
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