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JP2010170867A - 非水系二次電池用正極活物質および非水系二次電池の充放電方法 - Google Patents

非水系二次電池用正極活物質および非水系二次電池の充放電方法 Download PDF

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Junichi Niwa
淳一 丹羽
Kimitoshi Murase
仁俊 村瀬
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Abstract

【課題】FeFからなり、FeFが分解されても安定した充放電特性を示す非水系二次電池用の正極活物質を提供する。また、この正極活物質を用いた非水系二次電池に望ましい充放電方法を提供する。
【解決手段】本発明の正極活物質は、アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末からなる正極活物質であって、FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上である微粉末である。この正極活物質を含む正極を備える非水系二次電池では、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行う電圧範囲で充放電が行われる。
【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池に関するものであり、特に、非水系二次電池用正極活物質に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコンといった幅広い分野で用いられている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極と負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をLiイオンが移動することによって動作する。
二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。特に、活物質を形成する活物質材料の研究開発が活発に行われている。正極活物質には、遷移金属の酸化物あるいは複合酸化物が用いられることが多い。たとえば、特許文献1には、遷移金属(M)を含むLi4−bで表される正極活物質が開示されている。Mの具体例として、Co、Ni、Mn等の一般的な遷移金属の他、毒性が低く資源的に豊富で低廉なFeが用いられている。また、最近では、特許文献2および特許文献3に開示されているように、正極活物質として遷移金属ハロゲン化物を用いた二次電池も注目されている。特に、フッ化鉄(FeF)は、同じ遷移金属ハロゲン化物であるFeClよりも放電容量が大きい。これは、特許文献2の[0007]段落に記載のように、FeFでは、鉄とフッ素との間の結合が強いため、正極活物質が電解液中に溶解しにくく、Liイオン等が挿入されても正極活物質の分解が起こりにくいためである。
特開2006−190556号公報 特開平9−22698号公報 特開平9−55201号公報
正極活物質であるFeFにLiイオンが挿入されると、LiFeFを経て、さらなるLiの挿入によりFeとLiFとに分解するコンバージョン領域まで反応が進むと考えられる。しかし、前述のように、FeFはFeとFとの間の結合が強いため、コンバージョン領域までの反応は起こりにくい。また、コンバージョン領域から元のFeFを再生するのは困難であり、電池性能を低下させる原因となると考えられてきた。そのため、特許文献2および特許文献3では、充放電の電圧範囲として、コンバージョン領域まで反応を進ませないインターカレーション領域のみでの電圧範囲(リチウムイオン二次電池であれば4.5Vから2Vまで)でしか充放電をさせていなかった。この電圧範囲での充放電においては、FeFがLiを挿入・脱離して、FeF+xLi→LiFeFの反応のみが可逆的に行われ、FeとFとの結合が保たれる。つまり、放電時にはFe3+からFe2+までの還元、充電時にはFe2+からFe3+への酸化、が行われることとなる。
一方、コンバージョン領域まで反応させると、FeFは分解されてFe3+からFeまで電解還元されるため、後に詳説するような二次電池の大幅な高容量化が期待される。しかし、これまで、FeFが容易に分解されるとともに、分解後のFeFが可逆的に再生されるという考えはなく、電池性能の観点からコンバージョン領域までの反応はむしろ回避されていた。
本発明は、上記問題点に鑑み、FeFからなり、FeFが分解されても安定した充放電特性を示す非水系二次電池用の正極活物質を提供することを目的とする。さらに、この正極活物質を用いた非水系二次電池に望ましい充放電方法を提供することを目的とする。
なお、一般に、「インターカレーション」は、層状物質の層間に電子供与体または電子受容体が電荷移動力によって挿入される現象をいう。また、「コンバージョン」には、物質変換などの意味がある。上記のFeFにおいては、構造中の空孔にLiが挿入される領域および挿入されたLiが脱離する領域をインターカレーション領域とする。また、Liが挿入されたLiFeFがさらにLiFとFeとに分解する領域およびLiFとFeとからLiFeFが再生される領域をコンバージョン領域とする。
本発明の非水系二次電池用正極活物質は、アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末からなる非水系二次電池用正極活物質であって、
前記FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上である微粉末であり、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行うことを特徴とする。
また、本発明の非水系二次電池の充放電方法は、アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末を正極活物質として含む正極を備える非水系二次電池において、
前記FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上である微粉末であり、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行う電圧範囲で充放電を行うことを特徴とする。
アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeFの結晶構造を図1に示す。FeFは、ペロブスカイト型フッ化物であり、構造中にカチオン空孔をもつ。カチオン空孔には、1モルのFeFに対してアルカリ金属イオン(たとえばLi)を最大で1モル挿入することができ、LiFeFとなる。このとき、理論容量は230mAh/gを越える。さらに、LiFeFは、Liイオンと反応し、最終的にはLiFとFeとに分解される。つまり、コンバージョン領域まで反応が進み、このとき理論的には700mAh/g以上の容量を示す。
本発明者等は、FeF粉末を正極活物質として使用する場合に従来回避されていたコンバージョン領域まで放電を行うことで、二次電池容量を高められることに着目した。そして、コンバージョン領域まで反応しても、充放電が安定に行われるためには、微細なFeFを使用する必要があることを見出した。X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上であるFeF粉末は、FeF結晶粒の大きさが細かい。そのため、放電終止電圧を従来よりも低くまで掃引することで、放電によりFeFが容易に分解されてFeが生成される。さらに、分解により生成されたFeからFeFが再生される。つまり、放電によりFeFからFeが生成され、充電によりFeからFeFが再生されて可逆的な酸化還元が安定して行われる。
ペロブスカイト型フッ化物FeFの結晶構造を示す。 FeF粉末のX線回折図形である。 FeF粉末をアセチレンブラックとともにミリングして得られた混合粉末のX線回折図形である。 FeF粉末をケッチェンブラックとともにミリングして得られた混合粉末のX線回折図形である。 FeF粉末をケッチェンブラックとともに手攪拌して得られた混合粉末のX線回折図形である。 本発明の非水系二次電池を4.5V〜1.5V、0.03mAで充放電を行ったときの充放電曲線を示す。 従来の非水系二次電池を4.5V〜1.5V、0.03mAで充放電を行ったときの放電極線を示す。 本発明の非水系二次電池を4.5V〜2.0V、0.03mAで充放電を行ったときの放電曲線を示す。 従来の非水系二次電池を4.5V〜2.0V、0.03mAで充放電を行ったときの放電極線を示す。 本発明の非水系二次電池を4.5V〜2.0V、0.1mAで充放電を行ったときの放電曲線を示す。
以下に、本発明の非水系二次電池用正極活物質および非水系二次電池の充電方法を実施するための最良の形態を説明する。
[非水系二次電池用正極活物質]
本発明の非水系二次電池用正極活物質(以下「正極活物質」と略記)は、アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末からなる。FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上、好ましくは0.3rad以上、さらに好ましくは0.4rad以上である。なお、半値幅は、23.7°付近の回折角度(2θ、CuKα線)に見られる(012)の最大強度をImaxとしたときに、Imax/2で算出される強度のところで測定される値とする。回折ピークの半値幅が0.2rad未満では、FeF結晶粒が大きすぎて、コンバージョン領域での反応が良好に行われない。半値幅は、その値が大きいほど粒径が小さいため、上限に特に限定はないが、あえて規定するのであれば1rad以下であるのが好ましい。
また、FeF粉末の平均粒径を規定するのであれば、200nm以下、100nm以下さらには10nm以下が好ましい。平均粒径が200nm以下であれば、コンバージョン領域への分解反応およびコンバージョン領域からFeFの生成が可逆的に起こりやすくなるため好ましい。この可逆反応は平均粒径が小さいほど発生しやすいが、平均粒径が3μm未満のFeF粉末は、作製が困難であり容易に入手できない。なお、FeF粉末の平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真から10個程度のFeF粒子の最大径(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)を測定し、それらの算術平均値とする。
微細な結晶粒をもつFeF粉末は、ある程度の大きさのFeFをミリングしたり、FeFの前駆体を含む溶液を加熱するなどして前駆体を変換させたりして、得ることが可能である。ミリングしてFeF粉末を得る場合には、ミリング速度を200rpm〜600rpmさらには550rpm〜650rpmとするとよい。200rpm未満では、ミリングを長時間行ってもFeFが微細化され難いためである。また、ミリング時間を1時間〜24時間さらには5時間〜24時間とするとよい。1時間未満では微細化効果が乏しく、24時間を超えてミリングしても、微細化効果に大きな向上はないためである。
なお、[充放電方法]の欄で詳説するが、本発明の正極活物質は、リチウムに対して4.5V〜1.5Vの間で放電電圧特性を示す。つまり、放電終止電圧を2.0V未満とすることで、コンバージョン領域への分解反応が起こる。その結果、放電容量は大きく増加する。
[電極(正極)の構成および製造方法]
本発明の正極活物質は、非水系二次電池の正極活物質として使用可能である。正極は、上記本発明の正極活物質と、導電助材と、正極活物質および導電助材を結着する結着剤と、を含んで構成される。
正極活物質は、上記のFeF粉末である。なお、FeF粉末を主たる活物質材料とした上で、既に公知の正極活物質を添加して用いてもよい。具体的には、コバルト酸リチウム等である。これらのうち1種または2種以上を混合して用いることができる。
導電助材としては、非水系二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いればよい。たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維などの導電性炭素材料を用いるのが好ましく、これらの炭素材料の他にも、導電性有機化合物などの既知の導電助剤を用いてもよい。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いるとよい。導電助材は、上記のFeF粉末とともにミリングして用いることで、さらに導電性が向上するため望ましい。導電助材の配合割合は、質量比で、正極活物質:導電助材=1:0.05〜1:2であるのが好ましい。導電助材が少なすぎると効率のよい導電ネットワークを形成できず、また、導電助材が多すぎると電極の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、特に限定されるものではなく、既に公知のものを用いればよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂など高電位においても分解しない樹脂を用いることができる。結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.05〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
本発明の正極活物質は、正極において活物質層として集電体に圧着された状態で用いられるのが一般的である。集電体は、金属製のメッシュや金属箔を用いることができる。たとえば、アルミニウムやアルミニウム合金等の高電位でも溶解しない金属からなる集電体を用いるとよい。
電極の製造方法に特に限定はなく、一般的に実施されている非水系二次電池用電極の製造方法に従えばよい。たとえば、上記正極活物質に上記導電助材および上記結着剤を混合し、必要に応じ適量の有機溶剤を加えて、ペースト状の電極合材が得られる。この電極合材を、集電体の表面に塗布し、乾燥後、必要に応じプレス等を行い圧着させる。この製造方法によれば、作製された電極は、シート状の電極となる。このシート状の電極は、作製する非水系二次電池の仕様に応じた寸法に裁断して用いればよい。
[非水系二次電池]
本発明の非水系二次電池は、上記本発明の正極活物質を含む正極を備える。正極の構成および製造方法は、既に述べた通りである。負極は、アルカリ金属を挿入・脱離可能な材料からなる負極活物質を含む。負極は、たとえば、Li、Na等のアルカリ金属、アルカリ金属の合金の他、カーボンなどの層間にイオンが入るもの、金属など導電単体のイオンと合金を作るもの、などを活物質とするのが好ましい。負極は、上記の正極の製造方法に準ずる一般的な製造方法によって作製すればよい。
本発明の非水系二次電池では、一般の二次電池と同様、正極および負極の他に、正極と負極の間に挟装されるセパレータ、非水電解液を備える。セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。また非水電解液は、有機溶媒に電解質であるアルカリ金属塩を溶解させたもので、有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、たとえば高い電位差に耐えうる、若しくは被膜等を作成することで高電位差に耐えることのできるエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の1種またはこれらの2種以上の混合液を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiI、LiClO、NaPF、NaBF、NaAsF等の既存の支持塩を用いることができる。また、非水系電解液の替わりにLiSを含むリチウムイオン導電能を有する無機化合物、ガラスなどの固体電解質も使用可能である。
非水系二次電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以上説明した本発明の非水系二次電池は、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する、可逆的な酸化還元を行う。たとえば、電解質イオンがLiであれば、放電によりLiが挿入されてFeFからLiFeF(0<y≦1)を経てLiFとFeとを生成し、充電によりLiFとFeとからLiFeF(0<y≦1)を経てFeFを再生する、可逆的な酸化還元を行う。このような可逆的な酸化還元を行う本発明の非水系二次電池は、1サイクル目の充放電で好ましくは400mAh/g以上さらに好ましくは500mAh/g以上、さらには700mAh/g以上の放電容量を示す。本発明の非水系二次電池の充放電方法について以下に説明する。
[充放電方法]
本発明の非水系二次電池では、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行う電圧範囲で充放電を行う。本発明の正極活物質は、既に説明した通り、放電によりFeFが分解されてFeが生成されるため、放電終止電圧を従来よりも低くまで掃引するのが望ましい。たとえば、通常、リチウムを含む負極活物質を含む負極を備えるリチウムイオン二次電池では、電圧範囲を4.5V〜2.0Vとして充放電を行うが、本発明の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池では、放電終止電圧を2.0V未満さらには1.0V〜1.5Vとするのが望ましい。たとえば、電圧範囲を4.5V〜1.5Vの間で定電流放電するのがよい。
以上、本発明の非水系二次電池用正極活物質および非水系二次電池の充電方法の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、本発明の非水系二次電池用正極活物質および非水系二次電池の充電方法の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[活物質の調製]
市販のFeF粉末(粉末#00とする)を準備した。粉末#00のX線回折(XRD)分析結果(CuKα使用)を図2に示す。このFeF粉末を導電助材とともに下記のように混合して粉末#01、02、C1およびC2を得た。導電助材には、アセチレンブラック(AB)およびケッチェンブラック(KB)を用いた。
4.03gの粉末#00と4.07gのアセチレンブラックとをボールミルにより混合し、粉末#01を得た。混合は、ミリング速度を600rpm、ミリング時間を5時間とした。粉末#01のXRD分析結果を図3に示す。また、比較として、同じ配合割合で混合した粉末を1時間、手攪拌して#C1の粉末を得た。
0.74gの粉末#00と0.73gのケッチェンブラックとをボールミルにより混合し、粉末#02を得た。混合は、ミリング速度を600rpm、ミリング時間を5時間とした。粉末#02のXRD分析結果を図4に示す。また、比較として、同じ配合割合で混合した粉末を1時間、手攪拌して#C2の粉末を得た。粉末#C2のXRD分析結果を図5に示す。
粉末#01および#02の回折ピークが、粉末#00よりもブロードであることから、ミリングを行うことにより、結晶粒が微細となることがわかった。手で攪拌しただけの#C2の粉末では、粉末#00の回折ピークと大きな差は見られなかった。粉末#C1についてはXRD分析結果を割愛したが、粉末#C2と同様の結果が得られることが推測できる。図2〜図5のXRD分析結果から、(012)面の半値幅を求め、それぞれの粉末の粒径を見積もった。半値幅は、測定データからバックグラウンドを差し引き、ピークトップから垂線を下ろし、垂線の長さの半分の位置におけるピーク幅(半値全幅)として算出した。粒径は、シェラーの式を用いて算出した。シェラーの式は、t=(0.9λ)/(βcosθ)で表され、λ:CuKαの波長(1.542Å)、β:半値幅、θ:(012)のピーク位置(rad)、である。求めた半値幅および粒径を表1に示す。
また、それぞれの粉末を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、SEM像から平均粒径を求めた。平均粒径は、SEM像から10個程度のFeF粒子の最大径(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)を測定し、それらの算術平均値を求めた。求めた平均粒径を表1に示す。
Figure 2010170867
[リチウムイオン二次電池用電極の作製]
上記#01の粉末を用いて電極(正極)を作製した。粉末#01に、所定の量の導電性バインダー(ABおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物、“TAB”と略記)を混合し、適量の溶媒(エタノール)を添加して充分に混練してペースト状の電極合材を調製した。正極活物質(FeF粉末)、ABおよびPTFEの配合比は、質量比で42.9:52.4:4.9であった。次に、この電極合材を集電体(ニラコ株式会社製100mesh,アルミニウム製,厚さ:100μm)の両面に圧着し、乾燥後シート状の電極を得た。
また、比較例として、粉末#01のかわりに粉末#C1を用い、上記と同様にしてシート状の電極を作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
粉末#01を含む電極を正極としたリチウムイオン二次電池を作製した。正極に対向させる負極は、金属リチウム(厚さ500μm)とした。正極をφ13mm、負極をφ15mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター,celgard2400)を両者の間に挟装して電極体とした。この電極体にリードを付設した後、アルミニウム製の電池ケースに収納して保持した。また、電池ケースには、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解質を注入した。電池ケースを密閉して、リチウムイオン二次電池#11(「電池#11」と略記)を得た。
また、比較例として、粉末#C1を含む正極を用い、上記と同様にしてリチウムイオン二次電池#11c(「電池#11c」と略記)を作製した。
[評価]
電池#11に対して充放電試験を行い、充放電特性を評価した。試験は、30℃の温度環境のもと、充電終止電圧4.5Vまで0.03mAの定電流で充電を行った後、放電終止電圧1.5Vまで0.03mAの定電流で放電を行った。充放電を繰り返し行い、電圧に対する正極活物質単位重量当たりの容量を測定した。1サイクル目の充放電特性を図6に示す。また、電池#11cについても、同様の充放電試験を行った。1〜5サイクル、10サイクルおよび20サイクル目の放電特性を図7に示す。
図6より、電池#11は、電圧範囲を4.5V〜1.5Vで充放電することで、高容量を示すことがわかった。すなわち、電池#11は、充放電によりコンバージョン領域での反応、つまりFeFの分解と再生とが可逆的に起こり高い容量を得られた。なお、図6の放電曲線によれば、電圧が2.0V付近を境にグラフの傾きが大きく変化した。これは、2.0V付近でLiFeFがLiFとFeとに分解されはじめたことを示している。
一方、図7に示す電池#11cの放電曲線においても、電圧が2.0V付近を境にグラフの傾きが大きく変化した。しかし、放電容量が小さく、サイクル特性も低かった。これは、ミリングを行わなかったためFeF粉末の微細化が不十分であり、コンバージョン領域での反応が可逆に起こりにくかったためであると考えられる。
次に、電池#11に対して、30℃の温度環境のもと、充電終止電圧4.5Vまで0.03mAの定電流で充電を行った後、放電終止電圧2.0Vまで0.03mAの定電流で放電を行った。充放電を繰り返し行い、電圧に対する正極活物質単位重量当たりの容量を測定した。1〜5サイクル、10サイクルおよび20サイクル目の放電特性を図8に示す。また、電池#11cについても、同様の充放電試験を行った。1〜5サイクル、10サイクルおよび20サイクル目の放電特性を図9に示す。
電池#11および#11cを4.5V〜2.0Vの電圧範囲で充放電しても、4.5V〜1.5Vの範囲で充放電した場合に比べて、放電容量は低かった。電池#11は、ミリングした粉末を用いたことで、電池#11cよりもサイクル特性は向上した。しかし、いずれも、コンバージョン領域での反応は起こらなかったため、低い容量に留まった。
また、電池#11に対して、30℃の温度環境のもと、充電終止電圧4.5Vまで0.1mAの定電流で充電を行った後、放電終止電圧2.0Vまで0.1mAの定電流で放電を行った。充放電を繰り返し行い、電圧に対する正極活物質単位重量当たりの容量を測定した。1〜5サイクル、10サイクルおよび20サイクル目の放電特性を図10に示す。
電流値を0.1mAとし、電池#11の充放電の速度を速くしても、コンバージョン領域での可逆的な反応は良好に行われ、高い容量を安定して得ることができた。

Claims (11)

  1. アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末からなる非水系二次電池用正極活物質であって、
    前記FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上である微粉末であり、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行うことを特徴とする非水系二次電池用正極活物質。
  2. リチウムに対して4.5V〜1.5Vの間で放電電圧特性を示す請求項1記載の非水系二次電池用正極活物質。
  3. 前記FeF粉末は、平均粒径が100nm以下である請求項1または2記載の非水系二次電池用正極活物質。
  4. 前記FeF粉末は、平均粒径が10nm以下である請求項3記載の非水系二次電池用正極活物質。
  5. 前記FeF粉末はミリングにより形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池用正極活物質。
  6. ミリング速度は200〜600rpm、ミリング時間は1〜24時間である請求項5記載の非水系二次電池用正極活物質。
  7. 請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質を含む正極を備える非水系二次電池。
  8. リチウムを含む負極活物質を含む負極を備え、放電終止電圧が2.0V未満である請求項7記載の非水系二次電池。
  9. アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能なFeF粉末を正極活物質として含む正極を備える非水系二次電池において、
    前記FeF粉末は、X線回折による(012)面の回折ピークの半値幅が0.2rad以上である微粉末であり、放電によりFeFからFeを生成し、充電によりFeからFeFを再生する可逆的な酸化還元を行う電圧範囲で充放電を行うことを特徴とする非水系二次電池の充放電方法。
  10. リチウムを含む負極活物質を含む負極を備え、放電終止電圧が2.0V未満である請求項9記載の非水系二次電池の充放電方法。
  11. 前記電圧範囲を4.5V〜1.5Vとする請求項10記載の非水系二次電池の充放電方法。
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