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JP2010170831A - 非水電解液電池 - Google Patents

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JP2010170831A JP2009012194A JP2009012194A JP2010170831A JP 2010170831 A JP2010170831 A JP 2010170831A JP 2009012194 A JP2009012194 A JP 2009012194A JP 2009012194 A JP2009012194 A JP 2009012194A JP 2010170831 A JP2010170831 A JP 2010170831A
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Abstract

【課題】高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる電池を提供する。
【解決手段】正極、負極および非水電解液を備えた非水電解液電池であって、前記非水電解液は、常温溶融塩を含み、前記常温溶融塩の含有量は全負極活物質に対して1.0質量%以下である非水電解液電池とする。常温溶融塩は、3級または4級アンモニウムカチオンと、フッ素原子を有するアニオンとからなる3級または4級アンモニウム塩を含むものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温溶融塩を含む電池および電解液に関する。
近年、携帯電話,PDA(personal digital assistant;個人用携帯型情報端末機器)あるいはノート型コンピュータに代表される携帯型電子機器の小型化および軽量化が精力的に進められ、その一環として、それらの駆動電源である電池、特に二次電池のエネルギー密度の向上が強く望まれている。
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えば、リチウム(Li)を電極反応物質として用いた二次電池が知られている。中でも、負極にリチウムを吸蔵および離脱することが可能な炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、広く実用化されている。ところが、負極に炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、既に理論容量近くまで技術が進歩しているので、更にエネルギー密度を向上させる手段として、活物質層の厚みを厚くして電池内における活物質層の割合を高くし、集電体およびセパレータの割合を低くすることが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−204936号公報
しかしながら、電池の容積を変えることなく活物質層の厚みを厚くすると、集電体の面積が相対的に減少するので、電極にかかる電流密度が増加し、サイクル特性が著しく低下してしまうので、活物質層の厚みを厚くすることは難しかった。
また、活物質層の厚みを厚くしたり、体積密度を高くすると、負極活物質界面におけるリチウムイオン受け入れ性の低下により、サイクル劣化しやすく、活物質層の厚みを厚くしたり、体積密度を高くすることは難しかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる電池を提供することにある。
安全性向上目的のために、電解液に常温溶融塩を添加する手法は、例えば特開2007-141489号公報で示されている。しかし、安全性向上目的のために常温溶融塩を多量に用いると、その高い粘度から電池特性が大きく低下する。
本発明の電解液は、常温溶融塩を全負極活物質に対して1.0質量%以下含むようにした。
[1]正極、負極および非水電解液を備えた非水電解液電池であって、前記非水電解液は、常温溶融塩を含み、前記常温溶融塩の含有量は全負極活物質に対して1.0質量%以下である非水電解液電池。
[2]常温溶融塩を全負極活物質に対して1.0質量%以下含有する非水電解液組成物。
本発明の電池では、電解液に常温溶融塩を全負極活物質に対して1.0質量%以下含むようにしたので、負極活物質界面に適度に分解皮膜を形成し、リチウムイオン充電受け入れ性が向上する。その結果、エネルギー密度を向上させることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。
(正極)
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んで構成されている。 リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物およびリン酸化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの複数種を混合して用いてもよい。中でも、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が好ましく、特に遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)、鉄、アルミニウム、バナジウム(V)、およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、LiMIOまたはLiMIIPOで表される。式中、MIおよびMIIは1種または複数種の遷移金属元素を含む。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物、およびスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。リチウムニッケル複合酸化物としては、例えば、LiNiCo1−x(O≦x≦1)、LiNiO、LiNixCoyOおよびLiNi1−zCo(z<1)などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)およびリチウム鉄マンガンリン酸化合物[LiFe1−uMnPO(u<1)]などが挙げられる。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、他の金属化合物および高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリンおよびポリチオフェンなどが挙げられる。
(負極)
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔およびステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または複数種を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極活物質層21Bと同様の導電剤および結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛、難黒鉛化性炭素および易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これらの炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。特に、黒鉛は電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
黒鉛としては、真密度が2.10g/cm以上のものが好ましく、2.18g/cm以上のものであればより好ましい。なお、このような真密度を得るには、(002)面のC軸結晶子厚みが14.0nm以上であることが必要である。また、(002)面の面間隔は、0.340nm未満であることが好ましく、0.335nm以上0.337nm以下の範囲内であればより好ましい。黒鉛は、天然黒鉛であってもよいし、人造黒鉛であってもよい。
難黒鉛化性炭素としては、(002)面の面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm未満であると共に、空気中での示差熱分析(differential thermal analysis;DTA)において、700℃以上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料も挙げられる。このような負極材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、また、これらの1種または複数種の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には複数種の金属元素からなるものに加えて、1種または複数種の金属元素と1種または複数種の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物またはそれらのうちの複数種が共存するものがある。
負極材料を構成する金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成可能なマグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)などが挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素または半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅(Cu)、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bの少なくとも一方は、さらに常温溶融塩を含んでいてもよい。常温溶融塩は、後述する化合物を用いることが出来る。
正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bは、必要に応じて導電剤および結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックおよびケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または複数種を混合して用いる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料および導電性高分子材料などを用いてもよい。
結着剤としては、例えば、フッ化ビニリデンを含む重合体が好ましい。電池内での安定性が高いからである。これらの結着剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
フッ化ビニリデンを主成分として含む重合体としては、例えば、フッ化ビニリデン系重合体、または共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデン系重合体としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)が挙げられる。また、フッ化ビニリデン系共重合体としては、例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−カルボン酸共重合体、およびフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−カルボン酸共重合体などが挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも、化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレンまたはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化したりすることで用いることができる。
(非水電解液)
セパレータ23には、電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と該溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。 溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ビニレン、炭酸フルオロエチルなどのカーボネート系非水溶媒が挙げられる。その他の溶媒としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびエチレンスルフィトが挙げられる。なかでも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよびエチレンスルフィトは、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム[Li(CSON]、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSOCF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[Li(CFSON]、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム[LiC(SOCF]、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)などのリチウム電解質塩が挙げられる。これらの電解質塩は、いずれか1種または複数種を混合して用いる。
本発明の非水電解液組成物は、常温溶融塩を、全負極活物質重量に対して1.0質量%以下、好ましくは0.3質量%〜0.8質量%で含有する。負極活物質界面にて適度に分解皮膜を形成し、充電受け入れ性が向上するためである。なお、常温溶融塩を全負極活物質に対して1質量%以下含有する場合の、電解液中における含有量は0.5質量%以下に相当する。
常温溶融塩としては、例えば、3級または4級アンモニウムカチオンと、フッ素原子を有するアニオンとからなる3級または4級アンモニウム塩を含んでいることが好ましい。3級または4級アンモニウム塩を用いることで、後述する電解液の還元分解を抑制することができるからである。常温溶融塩は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、3級または4級アンモニウムカチオンには、3級または4級アンモニウムカチオンの特性を有するものも含む。
4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、下式(1)に示す構造を有するカチオンが挙げられる。
Figure 2010170831
式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはそれらの一部の元素を置換基で置換した基を表す。R1、R2、R3およびR4は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。脂肪族基の一部の元素を置換基で置換した基としては、例えば、メトキシエチル基が挙げられる。置換基としては、例えば、炭素数1から10の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、アリル基などが挙げられる。
複素環基としては、例えば、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、ピペリジン、ピロリジン、カルバゾール、キノリン、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウムなどが挙げられる。
式(1)に示す構造を有するカチオンとしては、例えば、アルキル4級アンモニウムカチオン、あるいはこれらの一部の官能基を炭素数1から10の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基で置換したカチオンなどが挙げられる。アルキル4級アンモニウムカチオンとしては、(CHR5N(R5は炭素数3から8のアルキル基またはアルケニル基を表す)が好ましい。このようなカチオンとしては、例えば、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルオクチルアンモニウムカチオン、トリメチルアリルアンモニウムカチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
また、式(1)に示す構造を有するカチオン以外の3級または4級アンモニウムカチオンとしては、下式(2)〜(5)のいずれか1に示した構造を有する含窒素複素環カチオンが挙げられる。該含窒素複素環カチオンとは、式(2)〜(5)に示すように複素環を構成する窒素原子上に正電荷を有するものを示す。
Figure 2010170831
式(2)は共役結合を有し、式(3)は共役結合を有さない構造を示す。式(2)および(3)中、m=4から5、R1、R2、R3は炭素数1から5のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、またはニトロ基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。また、R1、R2、R3は不存在でもよい。Rは水素原子または炭素原子1から5のアルキル基であり、窒素原子は3級または4級アンモニウムカチオンである。
Figure 2010170831
式(4)は共役結合を有し、式(5)は共役結合を有さない構造を示す。式(4)および(5)中、m=0から2、m+n=3から4、R1、R2、R3は炭素数1から5のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、またはニトロ基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。また、R1、R2、R3は不存在でもよい。R4は炭素原子数1から5のアルキル基、Rは水素原子または炭素原子数1から5のアルキル基であり、窒素原子は3級または4級アンモニウムカチオンである。
式(2)〜(5)のいずれかで示した構造を有する含窒素複素環カチオンとしては、例えば、ピロリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ベンズイミダゾリウムカチオン、インドリウムカチオン、カルバゾリウムカチオン、キノリニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピペラジニウムカチオン、またはこれらの一部の官能基を炭素数1から10の炭化水素基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基で置換したカチオンが挙げられる。
このような含窒素複素環カチオンとしては、例えば、エチルメチルイミダゾリウムカチオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムカチオンが挙げられる。
フッ素原子を有するアニオンとしては、例えば、BF 、PF 、C2n+1CO (nは1から4の整数である)、C2m+1SO (mは1から4の整数である)、(FSO、(CFSO、(CSO、(CFSO)(CSO)N、(CFSO、CFSO−N−COCF、またはR5−SO−N−SOCF(R5は脂肪族基または芳香族基を表す。)が挙げられ、特に(CFSO、(CSOまたは(CFSO)(CSO)Nが好ましい。
式(1)に示す構造を有するカチオンとフッ素原子を有するアニオンからなる常温溶融塩としては、アルキル4級アンモニウムカチオンとフッ素原子を有するアニオンとからなるものが特に好ましい。中でも、アルキル4級アンモニウムカチオンとして(CHR5N(R5は炭素数3から8のアルキル基またはアルケニル基を表す)を用い、フッ素原子を有するアニオンとして(CFSO、(CSOまたは(CFSO)(CSO)Nを用いる常温溶融塩がより好ましい。このような常温溶融塩としては、例えば、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリメチルフルオロスルホニル)イミドなどが挙げられる。
上記のほか、例えば、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(以下、DEME・TFSIと言う。)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2メトキシエチル)アンモニウム・テトラフルオロボレート(以下、DEME・BFと言う。)、N−メチル−N−メトキシメチルピロリジニウム・テトラフルオロボレート、N−メチル−N−メトキシメチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、N−メチル−N−メトキシメチルピペリジニウム・テトラフルオロボレート、N−メチル−N−メトキシメチルピペリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(以下、PP13・TFSIと言う。)などが挙げられる。
(製造方法)
上記の二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。 まず、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、該正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、該正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布したのち溶剤を揮発させ、さらにロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
また、負極活物質および結着剤とを混合して負極合剤を調製し、該負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、該負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、常温溶融塩を含む電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
前記二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムおよびカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な正極活物質などは、その電極反応物質に応じて選択される。
また、上記実施の形態では、巻回構造を有する円筒型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型または多角形型の二次電池、または、正極および負極を折り畳んだり複数積層したりするなど他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、コイン型、ボタン型、角形またはラミネートフィルム型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態では、電解液として液状の電解液を用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させたゲル状の電解液を用いるようにしてもよい。このような高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンおよびポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンおよびポリエチレンオキサイドが好ましい。電解液に対する高分子化合物の割合は、これらの相溶性によっても異なるが、通常、電解液の5質量%以上50質量%以下に相当する高分子化合物を添加することが好ましい。
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−4)
図1、2に示した円筒型の二次電池を作製した。まず、炭酸リチウム(LiCO)と炭酸コバルト(CoCO)とを、LiCO:CoCO=0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成してリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を得た。得られたLiCoOについてX線回折を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoOのピークとよく一致していた。次いで、このリチウムコバルト複合酸化物を粉砕して、レーザー回折法で得られる累積50%粒径が15μmの粉末状とし、正極活物質とした。
続いて、このリチウム・コバルト複合酸化物粉末95質量%と、炭酸リチウム粉末(LiCO)粉末5質量%とを混合し、この混合物94質量%と、導電剤としてケッチェンブラック3質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。次いで、この正極合剤スラリーを厚み15μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して130℃で十分に乾燥させたのち、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。正極活物質層21Bの片面における厚みは100μm、体積密度は3.52g/cmとした。正極21を作製したのち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質として平均粒径25μmの粒状黒鉛粉末90質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)10質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。そののち、この負極合剤スラリーを厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。その際、負極活物質層22Bの片面における厚みは90μm、体積密度は1.75g/cmとした。負極22を作製したのち、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、正極21と負極22とを厚み22μmの微多孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ23を介して積層し、直径3.2mmの巻心の周囲に巻回することにより巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12、13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより円筒型の二次電池を作製した。
その際、電解液として、炭酸エチレン(EC)と、炭酸ジエチル(DEC)と、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とを、2:1:1の割合で混合した溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを1.0mol/kgの割合で溶解させたものを用いた。 さらに、常温溶融塩である化合物1(トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)を混合した。それぞれ負極活物質重量に対する添加量を変化させた。
作製した実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−4の二次電池について、充放電を行い、放電容量維持率を調べた。その際、充電は、0.7Cの定電流で、電池電圧が4.2Vに達するまで行なったのち、4.2Vの定電圧で、充電の総時間が4時間になるまで行い、放電は、0.5Cの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。1Cというのは、理論容量を1時間で放電しきる電流値である。放電容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合、すなわち(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%)とした。結果を表1に示す。
Figure 2010170831
表1に示したように、実施例1−1〜1−5では、電解液に常温溶融塩を含むようにしたので、極めて良好なサイクル特性が得られることがわかった。さらに常温溶融塩量が負極活物質重量比で1質量%以下であれば、添加量に応じて効果があることがわかった。常温溶融塩量が1質量%を超えるほど多くなると、負極活物質界面に生成する分解皮膜量が多くなるため、サイクル特性が低下した。
(実施例2−1〜2−14)
実施例2−1〜2−14として、常温溶融塩の種類が異なる点を除き、他は実施例1−3と同様の構成を有する二次電池を作製した。これらの実施例2−1〜2−14の二次電池について、実施例1−3と同様にして充放電を行い、放電容量維持率を調べた。その結果を表2に示す。
Figure 2010170831
表2に示したように、実施例2−14では、極めて良好なサイクル特性が得られることがわかった。効果は、四級アンモニウム塩カチオン構造である実施例2−1〜2−11で効果が大きいことが分かった。これは、負極活物質界面に良質な分解皮膜を形成するためであると考えられる。
(実施例3−1〜3−6、比較例3−1〜3−6)
実施例3−1〜3−6、比較例3−1〜3−6として、電解液の溶媒組成が異なる点を除き、他は実施例1−3と同様の構成を有する二次電池を作製した。その結果を表3に示す。
Figure 2010170831
表3に示したように、実施例3−1〜3−6では、いずれにおいても電解液に常温溶融塩を電池内の負極活物質重量に対して0.5質量%含むことで、極めて優れたサイクル特性が得られた。
(実施例4−1〜4−11)
常温溶融塩の混合方法を変えた他は実施例1−3と同様の構成を有する二次電池を作製した。
実施例4−1〜4−6として、電解液に常温溶融塩を混合させる代わりに、負極スラリー段階で常温溶融塩を混合し、そのまま乾燥して常温溶融塩を含んだ負極を用いて電池を作製した。この時、電解液を注液することで、負極中に含まれていた常温溶融塩は電解液中に拡散する。
実施例4−7〜4−10として、負極の代わりに正極スラリー段階で常温溶融塩を混合し、そのまま乾燥して常温溶融塩を含んだ正極を用いて電池を作製した。この時、電解液を注液することで、正極中に含まれていた常温溶融塩は電解液中に拡散する。
実施例4−11として、正極と負極の双方に、同量の常温溶融塩を含ませて電池を作成した。正極および負極の製造方法は実施例4−3および実施例4−8と同様である。
これらの実施例4−1〜4−11の二次電池について、実施例1−3と同様にして充放電を行い、放電容量維持率を調べた。その結果を表4に示す。
Figure 2010170831
表4に示したように、実施例4−1〜4−11では、極めて良好なサイクル特性が得られることがわかった。
実施例で用いた常温溶融塩種を表5に示す。
Figure 2010170831
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
11…電池缶、12、13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (5)

  1. 正極、負極および非水電解液を備えた非水電解液電池であって、前記非水電解液は、常温溶融塩を含み、前記常温溶融塩の含有量は全負極活物質に対して1.0質量%以下である非水電解液電池。
  2. 前記常温溶融塩は、3級または4級アンモニウムカチオンと、フッ素原子を有するアニオンとからなる3級または4級アンモニウム塩を含む請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 前記3級または4級アンモニウムカチオンは、下式(1)〜(5)のいずれか1に示した構造を有するカチオンである請求項2記載の非水電解液電極。
    Figure 2010170831
    [式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはそれらの一部の元素を置換基で置換した基を表す。]
    Figure 2010170831
    [式(2)および(3)中、m=4から5、R1、R2、R3は炭素数1から5のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、またはニトロ基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、R1、R2、R3は不存在でもよい。Rは水素原子または炭素原子1から5のアルキル基であり、窒素原子は3級または4級アンモニウムカチオンである。]
    Figure 2010170831
    [式(4)および(5)中、m=0から2、m+n=3から4、R1、R2、R3は炭素数1から5のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、またはニトロ基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、R1、R2、R3は不存在でもよい。R4は炭素原子数1から5のアルキル基、Rは水素原子または炭素原子数1から5のアルキル基であり、窒素原子は3級または4級アンモニウムカチオンである。]
  4. 前記式(1)〜(5)のいずれか1に示した構造を有するカチオンは、アルキル4級アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオンである請求項3記載の非水電解液電池。
  5. 常温溶融塩を全負極活物質に対して1.0質量%以下含有する非水電解液組成物。
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