JP2010170699A - 低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置 - Google Patents
低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】自由な電極設計を可能にし、かつガラスバルブの封着部の信頼性を向上させることを目的とする。
【解決手段】ガラス管100の一方の開口部100aからガラスビード105を挿入する工程と、ガラス管100におけるガラスビード105に対応する位置を加熱する工程と、ガラス管100におけるガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込む工程とを有し、挟み込む工程により、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中間部と接合される。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス管100の一方の開口部100aからガラスビード105を挿入する工程と、ガラス管100におけるガラスビード105に対応する位置を加熱する工程と、ガラス管100におけるガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込む工程とを有し、挟み込む工程により、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中間部と接合される。
【選択図】図1
Description
本発明は、低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置に関する。
従来の低圧放電ランプの製造方法の概念図を図17(a)に、そのB−B´線で切った断面図を図17(b)にそれぞれ示す。従来の低圧放電ランプの製造方法は、ガラス管1の同一円周面上に離隔して内方側に局部的に突出してほぼ等間隔で3か所以上の凸部2を形成する工程と、電極3を有するリード線4をガラスビード5に固定して形成したビードマウント6(電極組立体)をガラス管1内に挿入するとともに、このガラスビード5部を局部的に突出した複数個の凸部2上に載置する工程と、ガラス管1の開口部側端部を排気ヘッド(図示せず)に接続して、上記の複数個の凸部2およびガラスビード5間に形成される隙間7を介してガラス管1内を排気する工程と、ついで内部にガラスビード5が位置するガラス管1部分を外方から加熱して、ガラス管1とビードマウント6のガラスビード5とを溶着して封止する工程とを備えることが開示されている(例えば特許文献1等参照)。
特許第3320959号公報
ところが、従来の低圧放電ランプの製造方法の場合、ガラス管1の内方側に凸部2を形成した後に電極組立体6を挿入し、凸部2の上にガラスビード5を載置するため、電極3の外径は、少なくともガラスビード5の外径よりも小さくしなければならず、自由な電極寸法の設計が不可能であった。
さらに、電極3よりも小さい径のガラスビード5を係止めするだけの凸部2をガラス管1の内面に形成するためには、ガラス管1を大幅に変形させる必要が有り、その結果として、最終的に、そのガラスビード5の部分で加熱して封止する際においても、時間がかかるため、封着部に負荷がかかってしまい、破損の原因となるおそれがある。
また、ガラスビード5を凸部2の上に載置するため、ガラスビード5が凸部2の上に安定して固定されず、電極3やリード線4の長手方向の中心軸がガラス管1の管軸に対して傾いて固定されてしまうおそれがある。
そこで、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、自由な電極設計を可能にし、かつガラスバルブの封着部の信頼性を向上させることを目的とする。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、封着部の信頼性を向上させることを目的とする。
さらに、本発明に係る照明装置および画像表示装置は、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、ガラス管の一方の開口部からガラスビードを挿入する工程と、前記ガラス管における前記ガラスビードに対応する位置を加熱する工程と、前記ガラス管における前記ガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程とを有し、前記挟み込む工程により、前記ガラス管の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部が周回方向に並ぶように形成され、かつ前記凹部における前記ガラス管内側の表面が前記ガラスビードの外表面における前記ガラス管の管軸方向の略中間部と接合されることを特徴とする。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記挟み込む工程により、前記ガラス管の外表面に4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、前記ガラス管の管軸方向から見た場合、前記凹部の最深部を結んでできる形状がほぼ長方形であることが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記加熱する工程は、前記ガラス管を挟み込むように2方向から加熱し、前記挟み込む工程は、前記加熱する工程において加熱する方向と略同じ方向から前記治具により挟み込むことが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記治具は、前記ガラス管を挟み込むような対をなしており、前記治具の前記ガラス管側には、前記ガラスビードの径よりも小さい間隔を開けて2つの突出部が形成されており、前記挟み込む工程において、前記突出部により前記ガラス管の外表面に4つの凹部を形成することが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記ガラスビードには、前記ガラス管の管軸方向にリード線が貫挿され、前記ガラスビードにおける前記リード線に対して略垂直に切った断面の形状が略楕円形状であり、前記挟み込む工程において、前記治具は、前記断面における前記ガラスビードの長径方向から挟み込むことが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記ガラスビードの長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることが好ましい 。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記凹部の最深部の深さは前記ガラス管の外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい 。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記ガラス管および前記ガラスビードの熱膨張係数は、いずれも8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に封着されたガラスビードとを有する低圧放電ランプであって、前記ガラスバルブの一方の端部の外表面であって、前記ガラスビードにおける前記ガラスバルブの管軸方向の略中間部に対応する位置において、3つ以上6つ以下の範囲内の凹部が周回方向に並ぶように形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの一方の端部の外表面であって、前記ガラスビードにおける前記ガラスバルブの管軸方向の略中間部に対応する位置において、4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、前記ガラスバルブの管軸方向から見た場合、前記凹部の最深部を結んでできる形状がほぼ長方形であることが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記凹部の最深部の深さは、前記ガラスバルブの外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスビードには、前記ガラスバルブの管軸方向にリード線が貫挿され、前記ガラスビードにおける前記リード線に対して垂直に切った断面の形状が略楕円形状であることが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスビードの長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブおよび前記ガラスビードの熱膨張係数は、いずれも8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る照明装置は、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、照明装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、自由な電極設計を可能にし、かつガラスバルブの封着部の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る低圧放電ランプは、封着部の信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明に係る照明装置および液晶表示装置は、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、冷陰極蛍光ランプの製造方法であって、ガラス管の一方の開口部から電極組立体を挿入する工程(挿入工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を加熱する工程(加熱工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程(挟み込む工程)とを含む。
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、冷陰極蛍光ランプの製造方法であって、ガラス管の一方の開口部から電極組立体を挿入する工程(挿入工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を加熱する工程(加熱工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程(挟み込む工程)とを含む。
以下、図1〜3を用いて詳細に説明する。
<挿入工程>
まず、図1(a)に示すように直管状のガラス管100の一方の開口部100aから電極組立体101を挿入する。
まず、図1(a)に示すように直管状のガラス管100の一方の開口部100aから電極組立体101を挿入する。
ガラス管100は、例えば、鉛フリーガラス製であって、内径3[mm]、外径4[mm]、長さ1026[mm]であり、公知の方法により、その内面(両端部を除く)に蛍光体層102が形成されたものである。蛍光体層102は、例えばBaMg2Al16O27;Eu2+青色蛍光体粒子とY2O3;Eu3+よりなる赤色蛍光体粒子とLaPo4;Ce3+,Tb3+よりなる緑色蛍光体粒子とCBBPよりなる結着剤からなる。なお、また、ガラス管100の内面と蛍光体層102との間には例えば酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
電極組立体101は、電極103と、電極103に接続されたリード線104と、ガラスビード105とからなる。
電極103は、例えば有底筒状であって、内径が2.4[mm]、外径が2.7[mm]、底部の肉厚が0.2[mm]、全長が8.2[mm]であって、ニッケル(Ni)製である。電極の材料は、ニッケルに限らず、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)等を用いることができる。電極103は、その外側底面の略中央部においてリード線104の一端面と接続されている。
リード線104は、例えば、電極103の外側底面と一端面が接続され、かつその一部においてガラスビード105に封着される内部リード線104aと、内部リード線104aの他端面と一端面が接続される外部リード線104bとの継線からなる。
内部リード線104aは、線径が0.8[mm]であって、鉄とニッケルとの合金製である。なお、内部リード線104aは、ガラス管100やガラスビード105の材料として用いるガラスの熱膨張係数に併せた材料を用いることが好ましい。例えば、ガラス管100がコバール線封止用の硼珪酸ガラスの場合、鉄とニッケルとコバルトとの合金(コバール)を用いることが好ましい。また、ガラス管100がタングステン線封着用の硼珪酸ガラスの場合、タングステンを用いることが好ましい。
外部リード線104bは、線径が0.6[mm]であって、ニッケル製である。なお、外部リード線104bは、ニッケルとマンガンの合金、ジュメット線でもよい。
ガラスビード105は、略球形状であって、その略中心軸に沿って内部リード線104aを封着しており、鉛フリーガラス製である。なお、ガラスビード105は、封着性の観点から、ガラス管100と同一の材料、またはガラス管100と熱膨張係数が同一または近似する材料からなることが好ましい。
<加熱工程>
次に、 図1(b)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を加熱する。加熱は、例えばガスバーナー106により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管100の外表面において約800[℃]である。
次に、 図1(b)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を加熱する。加熱は、例えばガスバーナー106により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管100の外表面において約800[℃]である。
<挟み込む工程>
続いて、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合される。これにより、ガラス管100に電極組立体101を挿入した後に凹部108を形成するため、凹部108の大きさに関係なく電極の寸法を設計することができる。さらに、凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されているため、図17(a)および(b)に示す従来の低圧放電ランプの製造方法に比べて、ガラス管100の変形量を少なくすることができ、封着部の信頼性を向上させることができる。具体的には、図1(c)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されることが好ましい。この場合、ガラスビード105を安定して固定させやすく、通気空間を確保しやすくすることができる。
続いて、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合される。これにより、ガラス管100に電極組立体101を挿入した後に凹部108を形成するため、凹部108の大きさに関係なく電極の寸法を設計することができる。さらに、凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されているため、図17(a)および(b)に示す従来の低圧放電ランプの製造方法に比べて、ガラス管100の変形量を少なくすることができ、封着部の信頼性を向上させることができる。具体的には、図1(c)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード105の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されることが好ましい。この場合、ガラスビード105を安定して固定させやすく、通気空間を確保しやすくすることができる。
治具107は、例えば、超硬(WC)製であって、図1(c)に示すように、ガラス管100を側面から挟み込むような対をなしている。治具107についてより詳細に説明するために、ガラスビード105におけるガラス管100の管軸方向の略中央部において、ガラス管100の管軸に対して略垂直に切った断面図を図1(d)に示す。図1(d)に示すように、治具107のガラス管100側には、間隔を開けて2つの突出部109が形成されている。すなわち、治具107でガラス管100を挟み込むことにより、突出部109がガラス管100の外表面に接触することで、ガラス管100の外表面に凹部108を形成することができる。なお、治具の材料は、超硬に限られず、例えば、黄銅〔鉄(Fe)と亜鉛(Zn)との合金〕製であってもよい。
凹部108について詳細に説明するため、ガラスビード105におけるガラス管100の管軸方向の略中央部において、ガラス管100の管軸に対して垂直に切った要部拡大断面図を図4に示す。
図4に示すように、ガラス管100の外表面に4つの凹部が周回方向に並んで形成されており、ガラス管100の管軸方向から見た場合、前記凹部の最深部108aを結んでできる形状がほぼ長方形(鎖線)であることが好ましい。この場合、4つの凹部が周回方向にほぼ等間隔に並んで形成されている場合に比べて、必要以上に広範囲にガラス管100を変形させずに、ガラスビード105をガラス管100に固定することができ、通気空間を確保しやすくすることができる。
また、凹部108の最深部108aの深さはガラス管100の外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい 。この場合、製造過程の移載等でガラスビードが抜けにくく、またガラス管を必要以上に変形させることがないため、後述する第2封止時の再加熱クラックが発生しにくく歩留まりを改善することができる。さらには、一層歩留まりを改善するために、0.2[mm]以上0.6[mm]以下の範囲内であることがより好ましい。
凹部の最深部の深さの測定方法の概念図を図5に示す。凹部の最深部108aの深さは、電子顕微鏡により倍率50[倍]で撮影した状態において、ガラス管100の外周から凹部の最深部108aまでの最短距離L100を測定することにより求めることができる。具体的には、ガラス管100の外周として、ガラス管100の外周における凹部の前後の延長線M100をガラス管100の外周を示す線として用いる。なお、凹部108の最深部108aの深さを正確に測定する方法として、断面写真で測定する方法もあるが、凹部108の最深部108aにおける断面を正確に削り出すことは難しいため、電子顕微鏡の写真において測定することが好ましい。この場合、ガラス管100の管軸周りの回転角度によっては、ガラス管100の屈折率が多少影響することもあるが、その影響度は小さく、最深部108aの範囲に影響するものではないと思われる。
なお、加熱する工程は、ガラス管100を挟み込むように2方向から加熱し、挟み込む工程は、加熱する工程において加熱する方向と略同じ方向から治具107により挟み込むことが好ましい。この場合、ガラス管100の加熱される面積を必要最小限に抑えることができ、挟み込んだ後に、より通気空間を確保しやすいからである。具体的には、加熱工程において、ガラス管100におけるガスバーナー106の炎が当たる位置と、治具107が当たる位置とが略一致することが好ましい。
なお、治具107には、ガラス管100側にガラスビード105の径よりも小さい間隔を開けて2つの突出部109が形成されていることが好ましい。加熱する工程は、ガラス管100を挟み込むように2方向から加熱し、挟み込む工程は、加熱する工程において加熱する方向と略同じ方向から治具107により挟み込む場合に、ガラス管100の加熱された部分を突出部109にて適確に接触させることができ、凹部108を形成しやすくすることができる。
<挟み込む工程以降の工程>
挟み込む工程以降の工程は、公知の方法を用いることにより、低圧放電ランプを完成することができる。以下に、図2および図3を用いてその一例を説明する。
挟み込む工程以降の工程は、公知の方法を用いることにより、低圧放電ランプを完成することができる。以下に、図2および図3を用いてその一例を説明する。
まず、図2(a)に示すように、ガラス管100の他方の開口部から、別の電極組立体110を挿入した後、ガラス管100の外表面における電極組立体110のガラスビード111に対応する位置を加熱し、ガラス管100を封着(第1封止)する(第1封止工程)。加熱は、例えばガスバーナー112により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管100の外表面において約1100[℃]である。別の電極組立体110は、電極組立体101と実質的に同一の構成を有し、電極113と、内部リード線114aおよび外部リード線114bの継線からなるリード線114と、ガラスビード111とからなる。
次に、図2(b)に示すように、ガラス管100の、電極組立体101よりも端部寄りの一部を加熱して、くびれ部分100cを形成した後、水銀放出体115をガラス管100の一方の開口部100aからガラス管100内に挿入する(水銀放出体挿入工程)。くびれ部分100cを形成するための加熱は、例えばガスバーナー116により行う。水銀放出体115は、例えば鉄とチタンとの焼結体に水銀を反応させたものである。水銀放出体115は、これに限らず、チタンと水銀との粉体状のアマルガムを鉄やニッケル製の筒体に詰め込んだものでもよい。
続いて、図2(c)に示すように、ガラス管100内の排気とガラス管100内への希ガスの充填を行う(排気および封入工程)。具体的には、給排気装置のヘッド117をガラス管100の水銀放出体115側端部に装着し、先ず、ガラス管100内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管100全体を外部から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管100の外表面において約400[℃]である。これによって、蛍光体層102に潜入している不純ガスを含めガラス管100内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。希ガスは、例えばネオン95[mol%]とアルゴン5[mol%]との混合ガスである。このガラス管100内の排気と希ガスの封入は、ガラスビード105とガラス管100の凹部108の内面との間に形成される通気空間を通じて行われる。
そして、希ガスが充填されると、図3(a)に示すように、ガラス管100の水銀放出体115側端部を加熱して封止する(仮封止工程)。加熱は、例えばガスバーナー118により行われる。
次に、図3(b)に示すように、水銀放出体115をガラス管100の周囲に配された高周波発振コイル119によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。なお、誘導加熱の後に、加熱炉(図示せず)等で水銀放出体の存在する部分のガラス管100を加熱することで、水銀をガラス管100内の電極組立体101の方へ移動させることができる。
次に、図3(c)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード105に対応する位置を加熱して、ガラス管100を封着して気密封止(第2封止)する(第2封止工程)。加熱は、例えばガスバーナー120により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管100外表面において約900[℃]である。そして、ガラス管100の、第2封止部分よりも水銀放出体115側の端部部分を切離して、冷陰極蛍光ランプが完成される。
なお、冷陰極蛍光ランプが完成した後に、必要に応じてエージング工程や点灯検査等を行う。
上記のように、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法によれば、自由な電極設計を可能にし、かつガラスバルブの封着部の信頼性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X200を含む正面断面図を図6(a)に、正面図を図6(b)に、平面図を図6(c)に、左側面図を図6(d)に、右側面図を図6(e)にそれぞれ示す。本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(以下、「ランプ200」という)は、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される冷陰極蛍光ランプである。
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X200を含む正面断面図を図6(a)に、正面図を図6(b)に、平面図を図6(c)に、左側面図を図6(d)に、右側面図を図6(e)にそれぞれ示す。本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(以下、「ランプ200」という)は、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される冷陰極蛍光ランプである。
ランプ200は、ガラスバルブ201と、ガラスバルブ201の両端部に電極組立体101、110とを有する。
ガラスバルブ201は、直管状であり、その管軸に対して垂直に切った断面が略円形状である。このガラスバルブ201は、例えば外径が4[mm]、内径が3[mm]、全長が1026[mm]であって、鉛フリーガラス製である。以下に示すランプ200の寸法は、外径が4[mm]、内径が3[mm]のガラスバルブ201の寸法に対応する値である。なお、冷陰極蛍光ランプである場合には、内径が1.4[mm]以上7.0[mm]以下の範囲内、肉厚が0.2[mm]以上0.6[mm]以下の範囲内であって、全長が1800[mm]以下であることが好ましい。これらの値は一例でありこれらに限定されるものではない。
ガラスバルブ201の内部には、例えば、3[mg]の水銀が封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば40[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、モル比が(Ar=10[%]、Ne=90[%])のアルゴンとネオンとの混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ201の内面には蛍光体層102が形成されている。また、ガラスバルブ201の内面と蛍光体層102との間には例えば酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
ガラスバルブ201の一方の端部の外表面であって、電極組立体101のガラスビード105におけるガラスバルブ201の管軸方向の中央部に対応する位置において、3つ以上6つ以下の範囲内の凹部202が周回方向に並ぶように形成されている。これにより、図17(a)および(b)に示す従来の低圧放電ランプの製造方法により製造された低圧放電ランプに比べて、ガラスバルブ201の変形量を少なくすることができ、封着部の信頼性を向上させることができる。具体的には、図6(c)に示すように、ガラスバルブ201の一方の端部の外表面であって、電極組立体101のガラスビード105におけるガラスバルブ201の管軸方向の中央部に対応する位置において、4つの凹部202が周回方向に並ぶように形成されていることが好ましい。この場合、ガラスビード105を安定して固定させやすく、通気空間を確保しやすくすることができる。
なお、図6(e)に示すように、ガラスバルブ201の管軸方向から見た場合、凹部202の最深部202aを結んでできる形状がほぼ長方形(鎖線)であることが好ましい。この場合、製造過程の移載等でガラスビード105が抜けにくく、また第2封止時の再加熱クラックが発生しにくく歩留まりが改善できる。さらには、製造過程の移載等でガラスビード105が抜けにくく、また第2封止時の再加熱クラックが発生しにくく歩留まりが改善するために、長方形の短辺と長辺との比が1:1.3以上1:5以下の範囲内であることが好ましい。さらにより好ましくは、3:4以上1:3以下の範囲内である。
また、凹部202の最深部202aの深さはガラスバルブ201の外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい 。この場合、製造過程の移載等でガラスビードが抜けにくく、また第2封止時の再加熱クラックが発生しにくく歩留まりが改善できる。さらには、一層歩留まりを改善するために、0.2[mm]以上0.6[mm]以下の範囲内であることがより好ましい。
凹部202の最深部202aの深さの測定方法の概念図を図7に示す。凹部202の最深部の深さは、電子顕微鏡により倍率50[倍]で撮影した状態において、ガラスバルブ201の外周から凹部202の最深部202aまでの最短距離L200を測定することにより求めることができる。具体的には、ガラスバルブ201の外周として、ガラスバルブ201の外周における凹部よりもガラスバルブの管軸方向中央部側からの延長線M200をガラスバルブ201の外周を示す線として用いる。なお、この測定方法を採用する理由については、本発明の第1の実施形態において述べたとおりである。
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200の構成によれば、封着部の信頼性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、ガラス管の一方の開口部から電極組立体を挿入する工程(挿入工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を加熱する工程(加熱工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程(挟み込む工程)とを含む。
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、ガラス管の一方の開口部から電極組立体を挿入する工程(挿入工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を加熱する工程(加熱工程)と、前記ガラス管における前記電極組立体のガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程(挟み込む工程)とを含む。
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、電極組立体の構造が異なる他は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法と実質的に同一の製造方法であるため、電極構造とそれに伴う製造方法の相違点について詳細に説明し、その他の点については省略する。
以下、図8を用いて詳細に説明する。
<挿入工程>
まず、図8(a)に示すようにガラス管100の一方の開口部100aから電極組立体300を挿入する。
まず、図8(a)に示すようにガラス管100の一方の開口部100aから電極組立体300を挿入する。
ガラス管100は、本発明の第1の実施形態で用いたものと実質的に同一のものである。
電極組立体300は、電極(フィラメント)301と、電極301の両端部をそれぞれ担持する2本のリード線302と、2[本]のリード線302を固定するガラスビーズ303と、ガラスビード304とからなる。
電極301は、タングステン製のフィラメントコイルである。電極には、その巻線部にエミッタ(図示せず)が付着されている。エミッタには、例えば(Ba,Sr,Ca)O等を用いることができる。
リード線302は、例えば、鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金製である。具体的には、50[wt%]以上52[wt%]以下の範囲内のニッケルと、残部の鉄との合金製であることが好ましい。
ガラスビード304は、その内部であって、ガラス管100の管軸方向に2[本]のリード線302が貫挿され、ガラスビード304におけるリード線302に対して略垂直に切った断面の形状が略楕円形状である。具体的には、ガラスビード304は、鉛フリーガラス製で略玉子形状を有し、リード線302の線軸に対して垂直に切った断面が略楕円形状となり、2[本]のリード線の間の中点がガラスビード304の略中点を通るようにリード線302を封着している。なお、ガラスビード304は、封着性の観点から、ガラス管100と同一の材料、またはガラス管100と熱膨張係数が同一または近似する材料からなることが好ましい。
<加熱工程>
次に、図8(b)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード304に対応する位置を加熱する。加熱は、例えばガスバーナー305により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管の外表面において約700[℃]である。
次に、図8(b)に示すように、ガラス管100における電極組立体101のガラスビード304に対応する位置を加熱する。加熱は、例えばガスバーナー305により行う。この場合の加熱温度は、ガラス管の外表面において約700[℃]である。
<挟み込む工程>
続いて、ガラス管100における電極組立体300のガラスビード304に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並んで形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード304の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合される。具体的には、図8(c)に示すように、ガラス管100における電極組立体300のガラスビード304に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に4つの凹部108が周回方向に並んで形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード304の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されることがより好ましい。この場合、さらにガラスビード304を安定して固定させやすく、通気空間を確保しやすくすることができる。
続いて、ガラス管100における電極組立体300のガラスビード304に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部108が周回方向に並んで形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード304の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合される。具体的には、図8(c)に示すように、ガラス管100における電極組立体300のガラスビード304に対応する位置を治具107により挟み込み、ガラス管100の外表面に4つの凹部108が周回方向に並んで形成され、かつ凹部108におけるガラス管100内側の表面がガラスビード304の外表面におけるガラス管100の管軸方向の略中央部と接合されることがより好ましい。この場合、さらにガラスビード304を安定して固定させやすく、通気空間を確保しやすくすることができる。
治具107は、本発明の第1の実施形態で用いたものと実質的に同一のものである。なお、リード線302の線軸に対して垂直に切った断面が略楕円形状であるガラスビード304の場合、治具107は、前記断面におけるガラスビード304の長径方向から挟み込むことが好ましい。前記断面におけるガラスビード303の短径方向から挟み込むよりも、治具107の突出部109aの間にガラスビード304を挟み込みやすく、ガラス管100の長手方向の中心軸とガラスビードにおけるリード線に対して平行な方向の中心軸とを略一致しやすくなり、電極組立体300の取り付け位置の精度を向上させることができる。なお、ガラスビード304の長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることが好ましい。この場合、電極組立体300の取り付け位置の精度をさらに向上させることができる。
凹部108について詳細に説明するため、ガラスビード304におけるガラス管100の管軸方向の略中央部において、ガラス管100の管軸に対して略垂直に切った要部拡大断面図を図9に示す。図9に示すように、ガラス管100の管軸方向から見た場合、凹部108の最深部108aを結んでできる形状がほぼ長方形であることが好ましい。この場合、4つの凹部が周回方向にほぼ等間隔に並んで形成されている場合に比べて、必要以上に広範囲にガラス管100を変形させずに、ガラスビード304をガラス管100に固定することができ、通気空間を確保しやすくすることができる。
よって、ガラス管100の管軸方向から見た場合、凹部108の最深部108aを結んでできる形状がほぼ長方形(鎖線)であることで、必要以上に広範囲にガラス管100を変形させることなく、ガラスビード304をガラス管100に固定することができる。
なお、最深部108aの深さおよびその測定方法については、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法において述べたとおりである。
<挟み込む工程以降の工程>
挟み込む工程以降の工程は、ガラス管内を排気し、希ガスを封入する工程の際、電極に付着したエミッタを活性化させることを除いて本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法と実質的に同一である。
挟み込む工程以降の工程は、ガラス管内を排気し、希ガスを封入する工程の際、電極に付着したエミッタを活性化させることを除いて本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法と実質的に同一である。
上記のように、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法によれば、自由な電極設計を可能にし、かつガラスバルブの封着部の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、低圧放電ランプとして、具体的に熱陰極蛍光ランプを用いて説明したが、冷陰極蛍光ランプに適用することも可能である。冷陰極蛍光ランプに適用する場合においては、リード線は、2[本]である必要はなく、1[本]または3[本]以上であってもよい。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X400を含む正面断面図を図10(a)に、正面図を図10(b)に、平面図を図10(c)に、左側面図を図10(d)に、右側面図を図10(e)にそれぞれ示す。本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400(以下、「ランプ400」という)は、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される熱陰極蛍光ランプである。
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X400を含む正面断面図を図10(a)に、正面図を図10(b)に、平面図を図10(c)に、左側面図を図10(d)に、右側面図を図10(e)にそれぞれ示す。本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400(以下、「ランプ400」という)は、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される熱陰極蛍光ランプである。
ランプ400は、電極組立体300、401を除いて、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200と実質的に同一の構成を有する。
電極組立体300、401は、本発明の第3の実施形態で用いた電極組立体と実質的に同一のものであって、電極(フィラメント)301、402と、電極301、402の両端部をそれぞれ担持する2本のリード線302、403と、2本のリード線302、403を固定するガラスビーズ303、404と、ガラスビード304、405とからなる。
ガラスビード304は、その内部であって、ガラスバルブ201の管軸方向に2[本]のリード線302が貫挿され、ガラスビード304におけるリード線302に対して略垂直に切った断面の形状が略楕円形状である。この場合、ランプ400の製造工程において、電極組立体300の取り付け位置の精度を向上させることができる。具体的には、ガラスビード304は、鉛フリーガラス製で略玉子形状を有し、リード線302の線軸に対して垂直に切った断面が略楕円形状となり、2[本]のリード線の間の中点がガラスビード304の略中点を通るようにリード線302を封着している。なお、ガラスビード304の長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ランプ400の製造工程において、電極組立体300の取り付け位置の精度をさらに向上させることができる。
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400の構成によれば、封着部の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、低圧放電ランプとして、具体的に熱陰極蛍光ランプを用いて説明したが、冷陰極蛍光ランプに適用することも可能である。冷陰極蛍光ランプに適用する場合においては、リード線は、2[本]である必要はなく、1[本]または3[本]以上であってもよい。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の分解斜視図を図11に示す。本発明の第5の実施形態に係る照明装置500は直下方式のバックライトユニットであり、一つの面が開口した直方体状の筐体501と、この筐体501の内部に収納された複数のランプ200と、ランプ200を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット502と、筐体501の開口部を覆う光学シート類503とを備えている。なお、ランプ200は、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200である。
本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の分解斜視図を図11に示す。本発明の第5の実施形態に係る照明装置500は直下方式のバックライトユニットであり、一つの面が開口した直方体状の筐体501と、この筐体501の内部に収納された複数のランプ200と、ランプ200を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット502と、筐体501の開口部を覆う光学シート類503とを備えている。なお、ランプ200は、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200である。
筐体501は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面504が形成されている。なお、筐体501の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面504として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体501に貼付したものを用いてもよい。
筐体501の内部には、ソケット502、絶縁体505およびカバー506が配置されている。具体的に、ソケット502は、ランプ200の配置に対応して筐体501の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット502は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、外部リード線104bが嵌め込まれる嵌込部502aを有している。そして、外部リード線104bを嵌込部502aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部502aに嵌め込まれた外部リード線104bは、嵌込部502aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、外部リード線104bを嵌込部502aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
ソケット502は、互いに隣り合うソケット502同士で短絡しないように絶縁体505で覆われている。絶縁体505は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体505は、上記の構成に限定されない。ソケット502はランプ200の動作中に比較的高温となる電極103の近傍にあることから絶縁体505は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体505の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
筐体501の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ507を設けてもよい。筐体501内側でのランプ200の位置を固定するランプホルダ507は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ200の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ200の長手方向の中央部付近のように、ランプ200が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ200のたわみを解消するために必要な場所である。
カバー506は、ソケット502と筐体501の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット502の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体501側の表面を高反射性とすることにより、ランプ200の端部の輝度低下を軽減することができる。
筐体501の開口部は、透光性の光学シート類503で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類503は、拡散板508、拡散シート509およびレンズシート510を積層してなる。
拡散板508は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体501の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート509は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート510は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類503は、それぞれ拡散板508に順次重ね合わせるようにして配置されている。
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の構成によれば、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図を図12に示す。本発明の第6の実施形態に係る照明装置600(以下、「照明装置600」という)は、エッジライト方式のバックライトユニットで、反射板601、ランプ200、ソケット(図示せず)、導光板602、拡散シート603およびプリズムシート604から構成されている。
本発明の第6の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図を図12に示す。本発明の第6の実施形態に係る照明装置600(以下、「照明装置600」という)は、エッジライト方式のバックライトユニットで、反射板601、ランプ200、ソケット(図示せず)、導光板602、拡散シート603およびプリズムシート604から構成されている。
反射板601は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板602の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部601bと、ランプ200の配置されている側を除く側面を覆う側面部601aと、ランプ200の周囲を覆う曲面状のランプ側面部601cとで構成されており、ランプから照射される光を導光板602から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板601は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
ソケットは、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に用いられるソケット502と実質的に同じ構成を有している。なお、図12において、図示の便宜上により、ランプ200の端部については省略している。
導光板602は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、照明装置600の底面に設けられた反射板601bの上に積層されている。なお、導光板602の材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)も適用することができる。
拡散シート603は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板602の上に積層されている。
プリズムシート604は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート603の上に積層されている。なお、プリズムシート604の上にさらに拡散板が積層されていてもよい。
なお、本実施形態の場合には、ランプ200の周方向における一部分(照明装置600に挿入した場合における導光板602側)を除き、ガラスバルブ201の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
上記のとおり、本発明の第6の実施形態に係る照明装置600の構成によれば、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る照明装置の正面図を図13(a)に、図13(a)のA−A´線で切った断面図を図13(b)にそれぞれ示す。本発明の第7の実施形態に係る照明装置700(以下、「照明装置700」という)は、一般照明用の環状蛍光ランプを使用した照明器具である。
本発明の第7の実施形態に係る照明装置の正面図を図13(a)に、図13(a)のA−A´線で切った断面図を図13(b)にそれぞれ示す。本発明の第7の実施形態に係る照明装置700(以下、「照明装置700」という)は、一般照明用の環状蛍光ランプを使用した照明器具である。
照明装置700は、本体部701、盤状部702、ランプホルダ703、ソケット704、ランプ705から構成されている。
本体部701は、その内部に点灯回路(図示せず)等を収納し、例えばその上部から電気接続部(図示せず)が導出しており、例えばその側面部からランプ705の口金706と電気的に接続するためのソケット704が導出している。
盤状部702は、本体部701、ランプホルダ703を支持する部材であり、例えば円盤状の形状を有している。
ランプホルダ703は、盤状部702の下面に取付けられており、その下端に設けられた例えばC字状の挟持片によりランプ705を保持し、ランプ705の落下を防止することができる。
ランプ705は、環状の熱陰極蛍光ランプであり、形状が環状であることと口金706がランプ705の中間部に位置していることを除いては第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400と実質的に同じ構成を有している。
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る照明装置700の構成によれば、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る画像表示装置の概要を図14に示す。図14に示すように画像表示装置800は、例えば32[inch]の液晶表示装置であり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係る照明装置500と点灯回路802とを備える。
本発明の第8の実施形態に係る画像表示装置の概要を図14に示す。図14に示すように画像表示装置800は、例えば32[inch]の液晶表示装置であり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係る照明装置500と点灯回路802とを備える。
液晶画面ユニット801は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
点灯回路802は、照明装置500内部のランプ200を点灯させる。そして、ランプ200は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
なお、図14では、画像表示装置800の光源装置として本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400を適用することもできる。また、照明装置についても、本発明の第6の実施形態に係る照明装置600も用いることができる。
上記のとおり、本発明の第8の実施形態に係る画像表示装置の構成によれば、内部の低圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
(変形例)
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.治具について
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の変形例1に用いる治具をガラス管の側面側に配置した状態において、ガラス管の管軸に対して略垂直に切った断面図を図15(a)に、ガラス管の管軸を含む断面図を図15(b)にそれぞれ示す。
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.治具について
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の変形例1に用いる治具をガラス管の側面側に配置した状態において、ガラス管の管軸に対して略垂直に切った断面図を図15(a)に、ガラス管の管軸を含む断面図を図15(b)にそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法に変形例1に用いる治具121(以下、「治具121」という)は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法に用いる治具107とは、その形状が異なる。具体的には、治具121は、挟み込む側の面が内方に滑らかに湾曲するように凹んだ形状を有しており、結果として両側にガラス管100に実際に当接する2つの突出部122が形成されている。
なお、治具をガラス管の側面側に配置した状態において、ガラス管100の管軸に対して略垂直に切った断面において、治具121におけるガラス管100側の2つの突出部の間の部分は、2つ突出部122の間の中点Pから2つの突出部122に対して結んだ接線Lよりもガラス管100とは反対側に凹んでいることが好ましい。この場合、挟み込む工程において、治具121におけるガラス管100側の2つの突出部の間の部分がガラス管100に接触しにくくすることができ、ガラス管100への負荷を低減することができる。さらに、挟み込む方向における2つの突出部122の頂点と中点Pとの間の長さMがガラス管の径に対して0.5[倍]以上であることが好ましい。この場合、挟み込む工程において、治具121がガラス管100に接触する部分をさらに少なくすることができ、ガラス管100への負荷をより低減することができる。さらには、挟み込む方向における2つの突出部122の頂点と中点Pとの間の長さMがガラス管100の径に対して0.5[倍]以上2[倍]以下の範囲内であることがより好ましい。
(2)変形例2
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の変形例2に用いる治具をガラス管の側面側に配置した状態において、ガラス管100の管軸に対して略垂直に切った断面図を図16(a)に、ガラス管100の管軸を含む断面図を図16(b)にそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の変形例2に用いる治具をガラス管の側面側に配置した状態において、ガラス管100の管軸に対して略垂直に切った断面図を図16(a)に、ガラス管100の管軸を含む断面図を図16(b)にそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法に変形例2に用いる治具(以下、「治具123」という)は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法に用いる治具107とは、その構造が異なる。具体的には、治具123は、ガラス管を側面から挟み込む4つの棒状体である。
この場合、治具123のガラス管100側の先端部がガラス管100に接触するだけで、ガラス管100に凹部を形成することができるため、ガラス管100の変形量を少なくし、ガラスビード105とガラス管100との間の隙間を確保しやすくすることができる。
また、変形例2の他の変形例として、治具123は、ガラス管100を直接挟み込むものに限らず、治具123のガラス管100側の先端部からガスを放出して、ガスによってガラス管100を間接的に挟み込んでもよい。
具体的には、治具123が、パイプであって、そのガラス管100側とは反対側の端部がガスの供給ポンプ(図示せず)に接続されており、パイプの内部より温められたガスを放出するものであってもよい。この場合、治具123自体は、動かずに、ガラス管100のガラスビード105に対応する位置に対してガス(例えば高温の空気)を放出することで、ガスの熱によってガラス管100が溶融し、ガラス管100とガラスビード105とを接続することができる。
この場合、ガラス管100に直接接触する治具に比べて、ガラス管100に対してより負荷をかけずに挟み込む工程を行うことができる。
2.ガラス管100およびガラスバルブ201について
(1)ガラス管100およびガラスバルブ201の熱膨張係数は、3.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、ガラス管100およびガラスバルブ201の熱膨張係数は、8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
2.ガラス管100およびガラスバルブ201について
(1)ガラス管100およびガラスバルブ201の熱膨張係数は、3.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、ガラス管100およびガラスバルブ201の熱膨張係数は、8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
(2)紫外線吸収について
ガラス管100およびガラスバルブ201の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
ガラス管100およびガラスバルブ201の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
(3)赤外線透過係数について
ガラス管100およびガラスバルブ201の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極放電ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
ガラス管100およびガラスバルブ201の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極放電ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラスについて
ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラスについて
ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
また、ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、CaOが1[wt%]〜7[wt%]、MgOが1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜5[wt%]、BaOが7[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
さらに、ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、 CaOが2[wt%]〜7[wt%]、MgOが2.1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラス管100およびガラスバルブ201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜3[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが1[wt%]〜3[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜6[wt%]、Na2Oが7[wt%]〜10[wt%]、 CaOが3[wt%]〜6[wt%]、MgOが3[wt%]〜6[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜10[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
(5)ガラス管100およびガラスバルブ201の形状について
ガラス管100およびガラスバルブ201の形状は、直管形状のものに限られず、例えばL字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。また、その管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
3.蛍光体層の蛍光体について
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
ガラス管100およびガラスバルブ201の形状は、直管形状のものに限られず、例えばL字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。また、その管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
3.蛍光体層の蛍光体について
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラスバルブ外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラスバルブ外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極放電ランプや外部電極放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極放電ランプや外部電極放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである為、カラーフィルターとの組み合わせにより色再現範囲が上記値より前後する可能性がある。
4.封入ガスについて
希ガスにクリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、例えばアルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
5.ランプの種類について
上記の各実施形態においては、放電ランプとして、冷陰極蛍光ランプおよび熱陰極蛍光ランプを中心に説明したが、これに限られず、電極がガラスバルブの両端外部に配置された外部電極型蛍光ランプや、ガラスバルブの一方の端部の内部に内部電極が配置され、他方の端部の外部に外部電極が配置された外部内部電極型蛍光ランプ等であってもよい。また、ガラスバルブの内面に蛍光体層の形成されていない紫外線ランプであってもよい。
4.封入ガスについて
希ガスにクリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、例えばアルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
5.ランプの種類について
上記の各実施形態においては、放電ランプとして、冷陰極蛍光ランプおよび熱陰極蛍光ランプを中心に説明したが、これに限られず、電極がガラスバルブの両端外部に配置された外部電極型蛍光ランプや、ガラスバルブの一方の端部の内部に内部電極が配置され、他方の端部の外部に外部電極が配置された外部内部電極型蛍光ランプ等であってもよい。また、ガラスバルブの内面に蛍光体層の形成されていない紫外線ランプであってもよい。
また、直管形状のランプに限らず、L字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。
本発明は、低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および液晶表示装置に広く適用することができる。
100 ガラス管
101、110、300、401 電極組立体
105、111、304、405 ガラスビード
107、121、123 治具
108 凹部
108a 凹部の最深部
201 ガラスバルブ
200、400 低圧放電ランプ
500、600、700 照明装置
800 画像表示装置
101、110、300、401 電極組立体
105、111、304、405 ガラスビード
107、121、123 治具
108 凹部
108a 凹部の最深部
201 ガラスバルブ
200、400 低圧放電ランプ
500、600、700 照明装置
800 画像表示装置
Claims (16)
- ガラス管の一方の開口部からガラスビードを挿入する工程と、前記ガラス管における前記ガラスビードに対応する位置を加熱する工程と、前記ガラス管における前記ガラスビードに対応する位置を治具により挟み込む工程とを有し、
前記挟み込む工程により、前記ガラス管の外表面に3つ以上6つ以下の範囲内の凹部が周回方向に並ぶように形成され、かつ前記凹部における前記ガラス管内側の表面が前記ガラスビードの外表面における前記ガラス管の管軸方向の略中間部と接合されることを特徴とする低圧放電ランプの製造方法。 - 前記挟み込む工程により、前記ガラス管の外表面に4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、前記ガラス管の管軸方向から見た場合、前記凹部の最深部を結んでできる形状がほぼ長方形であることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプの製造方法。
- 前記加熱する工程は、前記ガラス管を挟み込むように2方向から加熱し、
前記挟み込む工程は、前記加熱する工程において加熱する方向と略同じ方向から前記治具により挟み込むことを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプの製造方法。 - 前記治具は、前記ガラス管を挟み込むような対をなしており、
前記治具の前記ガラス管側には、前記ガラスビードの径よりも小さい間隔を開けて2つの突出部が形成されており、
前記挟み込む工程において、前記突出部により前記ガラス管の外表面に4つの凹部を形成することを特徴とする請求項2または3に記載の低圧放電ランプの製造方法。 - 前記ガラスビードには、前記ガラス管の管軸方向にリード線が貫挿され、
前記ガラスビードにおける前記リード線に対して略垂直に切った断面の形状が略楕円形状であり、前記挟み込む工程において、前記治具は、前記断面における前記ガラスビードの長径方向から挟み込むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の低圧放電ランプの製造方法。 - 前記ガラスビードの長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の低圧放電ランプの製造方法。
- 前記凹部の最深部の深さは前記ガラス管の外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低圧放電ランプの製造方法。
- 前記ガラス管および前記ガラスビードの熱膨張係数は、いずれも8.0×10−6[K−1]以上10.0×10−6[K−1]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低圧放電ランプの製造方法。
- ガラスバルブと、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に封着されたガラスビードとを有する低圧放電ランプであって、
前記ガラスバルブの一方の端部の外表面であって、前記ガラスビードにおける前記ガラスバルブの管軸方向の略中間部に対応する位置において、3つ以上6つ以下の範囲内の凹部が周回方向に並ぶように形成されていることを特徴とする低圧放電ランプ。 - 前記ガラスバルブの一方の端部の外表面であって、前記ガラスビードにおける前記ガラスバルブの管軸方向の略中間部に対応する位置において、4つの凹部が周回方向に並ぶように形成され、前記ガラスバルブの管軸方向から見た場合、前記凹部の最深部を結んでできる形状がほぼ長方形であることを特徴とする請求項9に記載の低圧放電ランプ。
- 前記凹部の最深部の深さは、前記ガラスバルブの外周から0.1[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内であることを特徴とする請求項9または10に記載の低圧放電ランプ。
- 前記ガラスビードには、前記ガラスバルブの管軸方向にリード線が貫挿され、
前記ガラスビードにおける前記リード線に対して略垂直に切った断面の形状が略楕円形状であることを特徴とする請求項10または11に記載の低圧放電ランプ。 - 前記ガラスビードの長径と短径との比が1:1を越えて1.3:1以下の範囲内であることを特徴とする請求項12に記載の低圧放電ランプ。
- 前記ガラスバルブおよび前記ガラスビードの熱膨張係数は、いずれも8.0×10−6[K−1]以上10.0×10−6[K−1]以下の範囲内であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
- 請求項9〜14のいずれか1項に記載の低圧放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項15に記載の照明装置を備えることを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009009513A JP2010170699A (ja) | 2009-01-20 | 2009-01-20 | 低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009009513A JP2010170699A (ja) | 2009-01-20 | 2009-01-20 | 低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010170699A true JP2010170699A (ja) | 2010-08-05 |
Family
ID=42702662
Family Applications (1)
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JP2009009513A Pending JP2010170699A (ja) | 2009-01-20 | 2009-01-20 | 低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置 |
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JP (1) | JP2010170699A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109300752A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-02-01 | 广东百圳君耀电子有限公司 | 一种陶瓷放电管自动老化激活机 |
-
2009
- 2009-01-20 JP JP2009009513A patent/JP2010170699A/ja active Pending
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CN109300752A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-02-01 | 广东百圳君耀电子有限公司 | 一种陶瓷放电管自动老化激活机 |
CN109300752B (zh) * | 2018-09-30 | 2023-10-20 | 广东百圳君耀电子有限公司 | 一种陶瓷放电管自动老化激活机 |
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