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JP2010169066A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2010169066A
JP2010169066A JP2009014442A JP2009014442A JP2010169066A JP 2010169066 A JP2010169066 A JP 2010169066A JP 2009014442 A JP2009014442 A JP 2009014442A JP 2009014442 A JP2009014442 A JP 2009014442A JP 2010169066 A JP2010169066 A JP 2010169066A
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JP2009014442A
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Takayoshi Kitada
孝佳 北田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ターボチャージャの低回転領域で生じる、軸受装置に対する潤滑油の供給油圧に影響され難い共振を回避する。
【解決手段】車両に搭載されるエンジンシステム10は、ECU100と、ターボチャージャ300と、タービン軸330を軸支するボールベアリング410を固定するベアリングホルダ430とベアリングハウジング450との間に形成されたオイルダンパクリアランス460に供給された潤滑油が油膜ダンパとして機能する軸受装置400とを備える。共振回避制御においては、車両が減速状態にあり且つ機関回転速度NEが基準値NEL以下である所定の前提条件が満たされた場合において、タービン回転速度NTが、回転一次振動に対応する共振帯域よりも低回転側で設定される共振回避領域内にある場合に、オイル制御弁508が全閉開度とされ、軸受装置400に対する潤滑油の供給が停止される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関、過給器及び該過給器の軸受装置を備える車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置に係る従来の技術として、共振振動の抑制を図るものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に開示された高速回転体のころがり軸受装置によれば、ターボ回転数に応じて潤滑部への供給油圧を変化させることにより、共振振動を抑制することが可能であるとされている。
尚、エンジン冷間時且つターボチャージャの低回転時にターボチャージャの潤滑油圧を低下させることにより騒音及び振動を低減するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、過給域では潤滑油圧を高くし、非過給域では潤滑油圧を低下させることで、油圧ポンプの駆動損失を低減する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
実開昭62−54323号公報 特開2002−332864号公報 特開平6−159029号公報
出願人の研究によれば、過給器を搭載する車両においては、上記非特許文献1に記載の技術が想定する、エンジン常用域を含む比較的高回転領域よりも低回転領域において、軸受装置の油膜ダンパに起因する新たな共振振動が発生し得ることが確認された。特に、この新たな共振振動は、摺動部の潤滑作用を担保し得る範囲で潤滑油の供給油圧を如何に変化させたところでその共振帯域は殆ど変化することがなく、上記非特許文献1に記載の技術が想定する共振振動とは明らかに別種のものである。従って、上記非特許文献1に記載の従来技術を適用したところで、この種の新たな共振振動を回避することは実践上不可能に近い。何故なら、非特許文献1に記載の技術において、共振の原因となり得る油膜ダンパが形成されない程度まで潤滑油の供給油圧を低下させれば、必然的に摺動部の円滑な動作が阻害され、摺動部の焼き付き等による動作上の不具合や、過給器の劣化を回避することが難しいからである。
これは、特許文献1に記載の技術にしても同様であり、特に、特許文献1に記載の技術は、軸受装置として、転がり軸受と比較して耐焼き付き性能に劣るすべり軸受けを想定しており、この種の新たな共振振動に対しては、尚更無益であると言わざるを得ない。また、転がり軸受に対して適用したところで、結局は摺動部の焼き付き等上記不具合を回避することができない。尚、特許文献2には、単に潤滑油の供給油圧を可変とする旨の技術思想が開示されているに過ぎない。即ち、上記各種の従来の技術には、今回新たに確認された、油膜ダンパに起因して過給器の低回転領域で生じる過給器と軸受装置との共振を回避することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、この種の新たな共振を回避し得る内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、内燃機関と、回転軸体の回転に伴い該内燃機関の吸入空気を過給可能な過給器と、該回転軸体を回転可能に軸支する軸受部と、該軸受部と所定の間隙を隔てて対向し且つ該軸受部を収容する収容部とを有し、該間隙に潤滑油が供給されることにより該間隙に油膜ダンパを形成可能な軸受装置と、前記内燃機関及び前記軸受装置に潤滑油を循環供給可能な供給手段とを備える車両の制御装置であって、前記過給器の回転速度を特定する第1特定手段と、前記車両が減速状態にあり且つ前記内燃機関の回転速度が基準値以下である旨を含む所定の前提条件が満たされる場合において、前記特定された回転速度が前記過給器と前記軸受装置とが前記油膜ダンパに起因した共振状態となる共振領域を含む所定の共振回避領域内にある場合に、前記軸受装置に対する前記潤滑油の供給が停止するように前記供給手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「過給器」とは、好適な一形態としては、排気通路に設置されたタービンの回転駆動力をタービンシャフト等の回転軸体を介して吸気通路に設置されたコンプレッサの駆動力として利用する、所謂排気駆動型のターボチャージャを意味するが、厳密にこれに限定されるものではなく、例えば内燃機関の機関回転に伴う駆動力の一部を利用してコンプレッサを駆動する所謂機械駆動型のスーパーチャージャ等であってもよい。或いは、回転軸体を、電力等、然るべきエネルギ資源を利用して駆動することによりコンプレッサを駆動することが可能な、例えばMAT(Motor Assist Turbo)又は電気駆動型コンプレッサ等の過給装置であってもよい。
本発明に係る軸受装置は、軸受部と収容部とを備え、この収容部と軸受部との対向空間に形成された間隙に潤滑油が供給されることにより形成される油膜ダンパ(即ち、バネ定数により代替的にその性能を規定し得るダンパ効果を有する潤滑油の油膜である)によって、過給器が稼動する際の振動及び騒音(これらは、振動が騒音を伴い、また騒音が振動を伴う点において相互いに相関がある。従って、これ以降、これらを包括して表現する場合、適宜「NV」なる言葉を使用することとする)を低減することが可能である。尚、本発明において「軸受装置」とは、好適には、内輪部と外輪部との間に複数の転動体を保持してなる所謂ボールベアリング等の転がり軸受を含む転がり軸受装置である。
ここで、軸受装置の軸受部に軸支される過給器の回転軸体は、過給器の回転に伴って、回転次数成分等に対応する振動周波数で振動する。この振動周波数が、軸受部と収容部との間の間隙に形成される油膜ダンパのバネ定数により規定される油膜ダンパの固有振動周波数と一致する等、所定の共振条件が満たされると、過給器と軸受装置とが共振状態となり、車両のNV性能を著しく低下させることがある。但し、この種の共振は、軸受装置に対する供給油圧を変化させる等、公知の態様に従って油膜ダンパのバネ定数を変化させ、共振周波数を低周波側或いは高周波側にシフトさせてしまえば好適に回避され得る。
一方、この種の旧来の共振とは別に、過給器と軸受装置との間には、無論、油膜ダンパの振動特性(例えば、バネ定数等)に相関し得るものの、潤滑油の供給油圧に対する感度が著しく低い別種の共振が存在することが出願人の研究により明らかである。ここで、「供給油圧に対する感度が著しく低い」とは、実践上有益な油膜ダンパが形成され得る範囲で供給油圧を変化させても共振帯域が殆ど変化しないことを意味するが、この種の共振に対しては、バネ定数の調整といった意味合いが強い旧来の供給油圧の可変制御は無意味であり、実質的には、油膜ダンパを殆ど無力化するか、或いは油膜ダンパを一時的にせよ消失させる等の措置を講じるよりない。
ところが、この種の共振が正確に如何なる共振周波数で生じるかは別として、油膜ダンパの機能を実質的に停止させてしまえば、軸受装置における摺動体同士の摺動は、少なくとも相対的にみて著しく阻害され、摺動体の焼き付き等が生じ得る。このため、少なくともこの種の供給油圧に対する感度が著しく低い共振の存在を念頭に置かない技術思想の範疇では、供給油圧の実践的制御態様として、潤滑油の供給を停止する必然性が生じることはなく、如何に供給油圧を可変としたところで、油膜ダンパとしての機能は厳然と存在し得る。即ち、この種の技術思想の範疇でなされる如何なる制御も、この種の新たな共振に対するは実践上有益な施策とはなり難い。
これに対し、本発明に係る車両の制御装置によれば、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1特定手段により、過給器の回転速度が特定される。更に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る制御手段が、所定の前提条件が満たされる場合において、特定された過給器の回転速度が所定の共振回避領域内にある場合に、軸受装置に対する潤滑油の供給が停止されるように機械式ポンプ装置や電動式ポンプ装置等の各種形態を採り得る供給手段を制御する。
共振回避領域とは、共振領域を含む(好適には、これより広帯域の)領域であって、例えば、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、共振が実践上問題となる程度で生じる以前に潤滑油の供給を実現象として停止させ得るように、供給手段の物理的、機械的又は電気的な動作遅延を考慮して設定される領域であってもよいし、或いは、より確実に共振を回避し得るように、ある程度安全側にマージンを付与した領域であってもよい。尚、本発明に係る「特定」とは、検出、推定、算出、導出、同定及び取得等を包括する概念であり、特定対象そのものを、或いは特定対象と相関し得る情報を、後述する制御手段に把握させ得る限りにおいて、そのプロセスは、各種態様を有してよい趣旨である。
ここで、「前提条件」とは、(1)車両が減速状態にあり、且つ(2)内燃機関の回転速度(以下、適宜「機関回転速度」と称する)が所定値以下であることを含んで規定される条件である。車両が減速期間にある場合、過給器の回転速度は低下傾向となり、またその低下が自然に生じ得る性質のものである点に鑑みれば、その低下速度は緩慢である。従って、車両の減速期間においては、過給器の回転速度が共振回避領域内を通過するのに要する時間は、例えば加速時と較べて長くなり易い。また、機関回転速度は、特殊な場合を除けば、一般的に低い程NVが良好であり(所謂、暗騒音が低い状態である)、必然的に、共振によるNVの悪化が顕在化し易い。一方、上記(1)の条件が満たされる場合、軸受装置における摺動体は、それ程大きな回転負荷に晒されてはおらず、潤滑油による潤滑の必要性は相対的に低くなる。従って、この場合、潤滑油の供給を一時的に停止したところで、軸受装置或いは回転軸体に焼き付き等の不具合が生じないと判断され得る。即ち、前提条件が満たされた場合の車両の状態とは、共振によりNV性能の悪化が実践上問題となり得る程度に顕在化し易い状態であると同時に、潤滑油の供給を停止することに、実践上さしたる制約が存在しない状態を意味する。
このような前提条件を制御手段に係る制御の実行条件として有する点に鑑みれば、本発明に係る「共振領域」とは、旧来の技術思想における、潤滑油の供給量に応じて変化する、例えば過給器の回転一次振動に対応する共振等が発生する領域とは明らかに別種のものである。何故なら、潤滑油の供給を停止する必然性に留意しない限り(即ち、旧来の技術思想に支配される限り)、上記前提条件を制御手段に係る制御の実行要件に加えてまで該制御手段に係る制御の実行機会を減じる必要は全く生じないからである。別言すれば、車両が加速期間にあるような、共振領域を比較的短時間に通過する或いはNVが比較的悪い等といった状況において、また機関回転速度が所定値以上である等、暗騒音が大きい状況等において、潤滑油の供給を停止してまで本発明に係る共振領域内で生じ得る共振を回避する必要はないのである。
このように、本発明に係る車両の制御装置によれば、潤滑油の供給油圧に対する感度が低い、旧来と別種の共振を、その回避が必要とされる場合であると同時に実践上問題無く回避し得る場合である、前提条件が満たされる場合に、特定される過給器の回転速度に基づいて(即ち、当該回転速度が共振回避領域内である場合に)効率的且つ効果的に回避することが可能となるのである。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記共振領域は、前記過給器の回転一次振動に対応する共振が生じる領域よりも低回転側の領域である。
この態様によれば、共振領域は、過給器の回転一次振動に対応する共振(即ち、過給器の回転速度に応じて変化する回転一次振動の周波数と、油膜ダンパの振動周波数とが一致した場合に生じる共振)が生じる領域よりも低回転側の領域として設定されるため、上述した、供給油圧に対する感度が低い共振を優先的に且つ確実に回避し得て好適である。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関の回転速度に係る基準値は、前記内燃機関のアイドル回転領域を含む所定の低振動領域内で設定される。
この態様によれば、共振領域内で生じる共振が車両のNV性能を低下させ易い状況において確実に共振を回避することが可能となり実践上有益である。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記過給器の振動加速度を特定する第2特定手段を更に具備し、前記制御手段は、前記前提条件が満たされる場合において、前記特定された回転速度が前記共振回避領域にあり且つ前記特定された振動加速度が所定値以上である場合に前記潤滑油の供給を停止させる。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2特定手段により過給器の振動加速度(振動Gとも称される)が特定され、制御手段は、上述の各種動作条件が満たされた上で、更にこの特定される振動Gが所定値以上である場合に潤滑油の供給を停止させる。このため、共振領域内で実際に車両のNV性能を低下させ得る共振が生じている場合に限って共振を回避することが可能となり、可及的に軸受装置の潤滑を継続させることが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100、エンジン200、ターボチャージャ(以下、適宜「ターボ」と略称する)300、軸受装置400及び潤滑油供給装置500を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジンシステム10の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する共振回避制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「第1特定手段」「制御手段」及び「第2特定手段」の夫々一例として機能する一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、車両の動力源として機能する、本発明に係る「内燃機関」の一例である。
エンジン200は、金属製のシリンダブロック201に4本のシリンダ202が相互に直列に配されてなる、直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン200は、各シリンダ内部において空気と燃料たるガソリンとの混合気が燃焼するに際して生じる不図示のピストンの往復運動を、コネクティングロッド(不図示)を介してクランクシャフト(不図示)の回転運動に変換可能に構成されている。このクランクシャフトの回転位置は、ECU100と電気的に接続された不図示のクランクポジションセンサによって検出されており、所定の制御バスを介してECU100により一定又は不定の周期で参照され、例えば、エンジン200の各部の動作制御及び機関回転速度NEの算出等に供される構成となっている。
尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、燃料種類を含め、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
エンジン200が動作するに際し、外部から吸入された空気は、吸気通路203に導かれる。吸気通路203にはエアクリーナ204が設置されており、吸入空気は、このエアクリーナ204により浄化される構成となっている。また、吸気通路203におけるエアクリーナ204よりも下流側には、インタークーラ205が設置されている。インタークーラ205は、エンジン200の冷却水との間の熱交換により吸入空気を冷却可能に構成された冷却装置であり、吸入空気の冷却により吸入空気の充填効率を向上させる効果を有している。
吸気通路203は、各シリンダ202に連通する吸気マニホールド206へ供給される。シリンダ202内の燃焼室には、吸気マニホールド206を介して供給される吸入空気と、吸気マニホールド206に連通する不図示の吸気ポートにおいて電子制御式インジェクタから噴射供給される燃料との混合気が、不図示の吸気バルブの開弁時に吸入される。燃焼室内部では、燃焼行程において点火プラグによる点火動作により混合気が燃焼する。燃焼室において燃焼済みとなった混合気或いは一部未燃の混合気は、不図示の排気ポートに連通する二個の排気バルブ(不図示)の開弁時に、係る排気ポートに排出される。排気ポートに排出された排気は、排気ポートに連通する排気マニホールド207に導かれる構成となっている。
排気マニホールド207は、排気通路208と接続されている。この排気通路208には、三元触媒たる触媒装置209が設置されており、排気は、この触媒装置209により浄化される構成となっている。
続いて、ターボチャージャ300について説明する。
ターボチャージャ300は、タービンハウジング310、タービン320、タービン軸330、コンプレッサハウジング340、コンプレッサ350、振動加速度センサ360及び回転速度センサ370を含んで構成される。
タービン320は、排気通路208上に設置されたタービンハウジング310内に収容されるセラミック製の回転翼車である。タービン320は、排気通路208内を流れる排気により回転可能に構成されている。
タービン軸330は、一方の端部がタービン320に間接的に固定され、他方の端部がコンプレッサ350に間接的に固定されてなる、本発明に係る「回転軸体」の一例たる軸体である。タービン軸330は、タービン320及びコンプレッサ350と一体に回転可能に構成されている。
コンプレッサ350は、吸気通路203上に設置されたコンプレッサハウジング340内に収容される流体圧縮装置である。コンプレッサ350は、先述したようにタービン軸330を介してタービン320に間接的に連結されており、タービン320と一体に回転可能に構成される。即ち、ターボチャージャ300において、タービン320、タービン330及びコンプレッサ350の回転速度は、夫々相互に一致している。尚、タービン320が排気により回転すると、その回転に同期してコンプレッサ350も回転するため、コンプレッサ350に係る流体圧縮機能により、吸入空気が大気圧以上の過給圧でインタークーラ205を介して吸気マニホールド206に導かれる構成となっている。
振動加速度センサ360は、ターボチャージャ300の図示せぬコンプレッサ側のケースに固定され、ターボチャージャ300の振動加速度Gを検出可能に構成されたセンサである。振動加速度センサ360は、ECU100と電気的に接続されており、検出された振動加速度Gは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
回転速度センサ370は、軸受け装置400に設置され、タービン320の回転速度たるタービン回転速度NT(尚、上述したように、タービン軸330及びコンプレッサ350の回転速度と一致する)を検出可能に構成されたセンサである。回転速度センサ370は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたタービン回転速度NTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
軸受装置400は、タービン軸330を回転可能に軸支する、本発明に係る「軸受装置」の一例たる定位置予圧方式の転がり軸受装置である。ここで、図2を参照し、軸受装置400の構成について説明する。ここに、図2は、軸受装置400の、タービン軸330の軸方向に沿った一断面構成を例示する模式的断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、軸受装置400は、ボールベアリング410、スペーサ420、ベアリングホルダ430、給油孔440、ベアリングハウジング450、オイルダンパクリアランス460、オイルドレイン孔470を含んで構成される。
ボールベアリング410は、左右一対の転がり軸受であり、タービン軸330を固定する内輪部411とベアリングホルダ430に固定される外輪部412との間に転動体413を挟持した構成を有する。内輪部411は、スペーサ420により軸方向に所定距離隔てて固定される構成となっており、ボールベアリング410単体で見た場合、左右の内輪部411は、夫々外輪部412に対して軸方向外側へ向けて若干予圧される構成となっている。このため、転動体413と内輪部411及び外輪部412との間に形成されるラジアル方向隙間は、ほぼゼロに維持される。尚、ボールベアリング410とベアリングホルダ430とにより、本発明に係る「軸受部」の一例が構成される。
給油孔440は、ベアリングホルダ430内部に形成される、後述する潤滑油の通路である。
ベアリングハウジング450は、図1には図示せぬターボチャージャ300の筐体にターボチャージャ300と略一体に固定された、軸受装置400の筐体であり、本発明に係る「収容部」の一例である。ベアリングホルダ430とベアリングハウジング450とは、オイルダンパクリアランス460を隔てて対向する構成となっている。オイルダンパクリアランス460には、後述する潤滑油が所定の供給油圧で満たされ、このオイルダンパクリアランス460に満たされた潤滑油が、オイルダンパとして機能する構成となっている。
ここで、オイルダンパクリアランス460に供給された潤滑油は、先に述べた給油孔440に導かれ、左右のボールベアリング410に噴射される。これらボールベアリング410は、この噴射される潤滑油により好適にその潤滑が図られる構成となっている。また、このボールベアリング410の潤滑に供された潤滑油は、最終的には、図示下方のベアリングホルダ430に形成されたオイルドレイン孔470を介して、軸受装置400外部に排出される。
図1に戻り、潤滑油供給装置500は、エンジン200及び軸受装置400に潤滑油を循環供給可能に構成された、本発明に係る「供給手段」の一例である。
潤滑油供給装置500は、オイルパン501、主通路502、機械式ポンプ装置503、フィルタ504、第1分配通路505、第2分配通路506、油圧センサ507及びオイル制御弁508を含んで構成される。
オイルパン501は、シリンダブロック201下方(図1では奥行き方向である)に設置された、潤滑油の貯留手段である。エンジン200及び軸受装置400の各潤滑部位を循環供給された潤滑油は、最終的にはこのオイルパン501に貯留され、再び各部へ循環供給される構成となっている。
主通路502は、オイルパン501に連結された潤滑油の供給通路たる金属製の管状部材である。
機械式ポンプ503は、エンジン200のクランク軸の回転を利用して回転駆動されるポンプ装置であり、オイルパン501から潤滑油を汲み上げて、主通路502及び各分配通路へ潤滑油を圧送供給可能に構成されている。
フィルタ504は、主通路502を循環供給される潤滑油から不純物を取り除く濾過装置である。
第1分配通路505は、余剰のオイルを、シリンダブロック201を介してオイルパン501に戻す管状部材である。
第2分配通路506は、軸受装置400に潤滑油を供給可能に構成された金属製の管状部材である。即ち、第2分配通路506上には、軸受装置400が設置されており、先に述べたオイルダンパクリアランス460には、第2分配通路506の上流側通路部分を介して潤滑油が供給される。一方で、先に述べたオイルドレイン孔470は、第2分配通路506の下流側通路部分に連通しており、軸受装置400の潤滑に供された潤滑油は、この下流側通路部分を介してオイルパン501に還流する構成となっている。
油圧センサ507は、第2分配通路506内部の潤滑油の圧力たる供給油圧Poilを検出可能に構成された圧力センサである。油圧センサ507は、ECU100と電気的に接続されており、検出された供給油圧Poilは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
オイル制御弁508は、第2分配通路506における潤滑油の供給量を変化させることが可能な弁装置である。オイル制御弁508は、その開度が、第2分配通路506を開放する全開開度と、第2分配通路506を閉塞させる全閉開度との間で連続的に可変である。尚、オイル制御弁508は、ECU100と電気的に接続されており、その弁体の開閉動作は、ECU100によりなされる構成となっている。尚、機械式ポンプ503は、機関回転速度NEに応じてその潤滑油の吐出圧が変化するとは言え、その制御性は高くないため、第2分配通路506における最終的な潤滑油の供給油圧は、オイル制御弁508の開度が、供給油圧Poilが目標値となるように油圧センサ507のセンサ出力をフィードバックしつつ算出される目標開度に制御されることによって目標値に制御される。
尚、エンジンシステム10には、車両に備わるアクセルペダルの開度たるアクセル開度Accを検出可能な、アクセル開度センサ11が備わる。アクセル開度センサ11は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Accは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。尚、エンジンシステム10にはこの他にも各種センサが搭載され、イグニッション信号の有無を検出するIGセンサや車速センサ等もまたその一つであるが、図示は省略されている。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作として、ECU100により実行される共振回避制御の詳細について説明する。始めに、図3を参照し、共振回避制御の流れについて説明する。ここに、図3は、共振回避制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、車両が減速状態にあるか否かを判別する(ステップS101)。車両が減速状態にない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、オイル制御弁508を開弁させる(ステップS105)。車両が減速状態にあるか否かは、アクセル開度センサ11の出力信号に基づいて判別可能である。即ち、より具体的には、ECU100は、アクセル開度が所定値以下であり、且つ車速(図1に不図示の車速センサから取得される)の低下が認められる場合に、車両が減速状態にある旨の判別を行う構成となっている。但し、減速状態にあるか否かの判別は、各種態様を有してよい。例えば、ブレーキペダルの操作量や要求駆動力等に基づいて係る判別がなされてもよい。尚、この際のオイル制御弁508の開度については、後述する。
車両が減速状態にある場合(ステップS101:YES)、ECU100は、エンジン200の機関回転速度NEが、基準値NEL以下であるか否かを判別する(ステップS102)。機関回転速度NEが基準値NELよりも高い場合(ステップS102:NO)、ECU100は、処理をステップS105に移行させ、オイル制御弁508を開弁させる。尚、基準値NELは、本発明に係る「基準値」の一例である。
エンジン200の機関回転速度NEが基準値以下である場合(ステップS102:YES)、ECU100は更に、タービン回転速度NTが下限値A以上且つ上限値B以下であるか否かを判別する(ステップS103)。尚、機関回転速度NEが基準値以下である場合とは、即ち、本発明に係る「前提条件が満たされる場合」の一例である。
ここで、図4及び図5を参照し、下限値A及び上限値Bについて説明する。ここに、図4は、車両の減速期間におけるタービン回転速度NT及び機関回転速度NEの一時間推移を例示する模式図である。また、図5は、タービン回転速度NTに対するターボチャージャ300の振動加速度Gの一特性を例示する模式図である。尚、両図において互いに重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、車両の減速期間においては、タービン回転速度NT(実線参照)及び機関回転速度NE(鎖線参照)が共に減少する。上記上限値Bとは、図4における時刻T1のタービン回転速度NTの値であり、下限値Aとは、時刻T2におけるタービン回転速度NTの値である。
一方、図5を見ると、下限値Aと上限値Bとによって規定されるタービン回転速度NTの領域においては、ターボチャージャ300の振動加速度Gに、G>α(αは、定常状態における振動加速度Gよりも高い領域で設定される)
となるピークPK1が発現する。このピークPK1は、ターボチャージャ300と軸受装置400とが共振状態にあることを意味している。即ち、下限値A以上且つ上限値B以下の領域は、本発明に係る「共振回避領域」の一例である(尚、これ以降、下限値A以上且つ上限値B以下のこの領域を、適宜「共振回避領域」と表現する)。尚、下限値B及び上限値Aの値は、予め実験的な適合を経て、共振回避領域が、ピークPK1を含む振動加速度Gが定常値よりも明らかに高い領域(即ち、本発明に係る「共振領域」の一例)よりも若干広くなるように設定されている。
図3に戻り、ECU100は、タービン回転速度NTが共振回避領域にない場合(ステップS103:NO)、処理をステップS105に移行させると共に、タービン回転速度NTが共振回避領域にある場合(ステップS103:YES)、オイル制御弁508を閉弁させる(ステップS104)。ステップS104又はステップS105が実行されると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。共振回避制御はこのようにして実行される。
ここで、本発明の効果について、再び図4及び図5を参照して説明する。
図5において、ピークPK1により規定される共振は、ピークPK1よりも高回転領域で発現するピークPK2により規定される共振とは異なる共振である。ピークPK2により規定される共振は、ターボチャージャ300の回転一次振動に対応する共振であり、タービン回転速度NT及びオイルダンパクリアランス460に形成された油膜ダンパの固有振動数に応じて、その発現位置が変化する。図5に示されるピークPK2は、第2分配通路506における潤滑油の供給油圧Poilがある値に維持された場合のものであり、タービン回転速度NTが図示Cである場合に、油膜ダンパの固有振動数とターボチャージャ300の回転一次振動の周波数とが一致することにより発現するものである。従って、この回転一次振動に対応する共振は、タービン回転速度NTが図示C付近にある場合に、油膜ダンパのバネ定数を変化させ油膜ダンパの固有振動数を変化させることによって、好適に回避することが可能となる。油膜ダンパのバネ定数は、潤滑油の粘性状態を無視すれば、オイルダンパクリアランス460における潤滑油の圧力、即ち供給油圧Poilに依存する。このため、オイル制御弁508の開度制御により第2分配通路506における潤滑油の供給油圧Poilを可変とすることにより、ピークPK2として例示される共振は好適に回避される。
上述したステップS105に係るオイル制御弁508の開度は、基本的に、上記「ある値」等を含む固定値又は可変値(いずれにせよ適合値であってよい)に維持され、適宜このような回転一次振動に係る共振を回避すべく補正される値である。尚、この種の共振を回避する技術に関しては、公知の各種態様を適用可能である。
一方、本実施形態においてその回避が図られるピークPK1により規定される共振は、無論油膜ダンパに起因してターボチャージャ300と軸受装置400との間で生じる共振であるものの、上記回転一次振動に対応する共振が生じるタービン回転速度Cよりも遥かに低回転側で生じる共振である。ここで特に、この共振は、オイルダンパクリアランス460に充填された潤滑油が油膜ダンパとして機能し得る限りにおいて、第2分配通路506における潤滑油の供給油圧Poilとは無関係に、概ね上記共振回避領域内において生じる。言い換えれば、この共振は、第2分配通路506における潤滑油の供給油圧Poilの変化に対して、その発生帯域が殆ど変化しない。このため、この共振を回避するためには、油膜ダンパ自体を消失させる必要がある(尚、必ずしもオイルダンパクリアランス460から完全に潤滑油が排除される必要はない)。この様な理由から、上記ステップS105において、オイル制御弁508が閉弁状態とされ、オイルダンパクリアランス460からの潤滑油の迅速な排出が図られるのである。その結果、本実施形態において、ピークPK1により規定される共振は、実際に生じることなく回避される。
尚、この際、オイル制御弁508の応答遅延及びオイルダンパクリアランス460からの潤滑油の排出時間を考慮して、タービン回転速度NTについて設定される共振回避領域は、上述した共振領域(振動加速度Gがα以上となる領域)よりも広い領域に設定される。
ここで、一時的にせよ軸受装置400に対する潤滑油の供給が停止される点に鑑みれば、軸受装置400本来の動作を阻害しないためには、潤滑油の供給を停止するに際して的確な指針が必要となる。その点、本実施形態では、本発明に係る「前提条件」に相当する条件が与えられている。即ち、第2分配通路506における潤滑油の供給は、車両が減速状態にあり且つ機関回転速度NEが基準値NEL以下の低回転領域にある旨が満たされた場合に、タービン回転速度NTに応じて停止される。
車両が加速状態にある場合であっても、タービン回転速度NTは無論共振回避領域を通過する。然るに、加速時においてタービン回転速度NTが共振回避領域を通過するのに要する時間は、図4に例示する時刻T1から時刻T2に至る時間間隔よりも短い。このため、実践的に見れば、潤滑油の供給を停止してまで共振の回避を図る必要性は生じない。また、機関回転速度NEについて設定される基準値NELは、例えば1000rpm等、アイドル回転速度又はその近傍の極低回転に設定されている。これ以上の比較的高回転領域においては、エンジン200の暗騒音が大きくなり、共振によるNV性能の悪化は、短時間であれば顕在化しない(NV性能の悪化が顕在化しないように、基準値NELが事前の適合により設定されている)。即ち、潤滑油の供給を停止してまで共振を回避すべき状況は、車両の減速時に機関回転速度NEが基準値NELを割り込む、極限定された状況である。
一方で、このような潤滑油の供給を停止すべきか否かの判断と、実際に潤滑油の供給を停止し得るか否かとは問題が異なるが、上記前提条件が満たされる場合、タービン320は積極的な回転状態になく、自然にその回転速度が低下している状態にある。このため、そもそも低回転領域であることもあり、軸受装置400に対する潤滑油の供給を停止したとしても、タービン回転速度NTが共振回避領域を通過するのに要する程度の期間であれば、実践上、ボールベアリング410の焼き付き等といった問題は何ら生じない。即ち、前提条件に類する条件が設けられることによって、この種の共振は初めて実践上有益に回避されるのである。
従って、潤滑油の供給油圧に対して共振帯域が殆ど変化しないこの種の共振を想定しない如何なる技術思想を適用したところで(その適用自体が容易であるかは更に別問題である)、例え供給油圧を可変とする制御範囲に潤滑油の供給停止が含まれていたとしても、実践上有益にこの種の共振を回避することはできない。例えば、振動加速度Gのみを判断基準とすれば、加速時においても同様に潤滑油の供給が停止され、軸受装置400における各種摺動体が焼き付きを生じる可能性を排除することはできないのである。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係る共振回避制御について説明する。ここに、図6は、共振回避制御のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、ECU100は、タービン回転速度NTが共振回避領域内にある場合(ステップS103:YES)、ECU100は更に、ターボチャージャの振動加速度Gが基準値αよりも高いか否かを判別する(ステップS201)。ここで、基準値αは、第1実施形態で述べたように、共振が生じていない定常時の振動加速度Gよりも高い適合値である。ECU100は、振動加速度Gが基準値α以下である場合には(ステップS201:NO)、オイル制御弁508を開弁状態とし(ステップS105)、振動加速度Gが基準値αより大きい場合に(ステップS201:YES)、オイル制御弁508を閉弁させる(ステップS104)。
本実施形態によれば、予め設定された共振回避領域において実際に回避すべき共振が生じている場合に限って第2分配通路506における潤滑油の供給が停止されるため、軸受装置400の保護を好適に図ることが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。 図1のエンジンシステムにおける軸受装置のタービン軸の軸方向に沿った一断面構成を例示する模式的断面図である。 図1のエンジンシステムにおいてECUにより実行される共振回避制御のフローチャートである。 車両の減速期間におけるタービン回転速度NT及び機関回転速度NEの一時間推移を例示する模式図である。 タービン回転速度NTに対するターボチャージャの振動加速度Gの一特性を例示する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る共振回避制御のフローチャートである。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、300…ターボチャージャ、320…タービン、330…タービン軸、400…軸受装置、410…ボールベアリング、430…ベアリングホルダ、450…ベアリングハウジング、460…オイルダンパクリアランス、470…オイルドレイン孔、500…潤滑油供給装置、501…オイルパン、502…主通路、503…機械式ポンプ装置503、504…フィルタ、505…第1分配通路、506…第2分配通路、507…油圧センサ、508…オイル制御弁。

Claims (4)

  1. 内燃機関と、
    回転軸体の回転に伴い該内燃機関の吸入空気を過給可能な過給器と、
    該回転軸体を回転可能に軸支する軸受部と、該軸受部と所定の間隙を隔てて対向し該軸受部を収容する収容部とを有し、該間隙に潤滑油が供給されることにより該間隙に油膜ダンパを形成可能な軸受装置と、
    前記内燃機関及び前記軸受装置に潤滑油を循環供給可能な供給手段と
    を備える車両の制御装置であって、
    前記過給器の回転速度を特定する第1特定手段と、
    前記車両が減速状態にあり且つ前記内燃機関の回転速度が基準値以下である旨を含む所定の前提条件が満たされる場合において、前記特定された回転速度が前記過給器と前記軸受装置とが前記油膜ダンパに起因した共振状態となる共振領域を含む所定の共振回避領域内にある場合に、前記軸受装置に対する前記潤滑油の供給が停止するように前記供給手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記共振領域は、前記過給器の回転一次振動に対応する共振が生じる領域よりも低回転側の領域である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関の回転速度に係る基準値は、前記内燃機関のアイドル回転領域を含む所定の低振動領域内で設定される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記過給器の振動加速度を特定する第2特定手段を更に具備し、
    前記制御手段は、前記前提条件が満たされる場合において、前記特定された回転速度が前記共振回避領域にあり且つ前記特定された振動加速度が所定値以上である場合に前記潤滑油の供給を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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