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JP2010163397A - 抗菌性組成物 - Google Patents

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長昭 片岡
Masatomo Mizuno
雅友 水野
Yasuhiro Nishijima
康祐 西嶋
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JAPAN ECOLOGIA CO Ltd
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JAPAN ECOLOGIA CO Ltd
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Abstract

【課題】ウィルスに対しても効力を発揮できる優れた抗菌性を有するのみならず、ヒト等の生物に対する優れた安全性を有する抗菌性組成物組成物を提供する。
【解決手段】炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを少なくとも含む組成物。抗菌試験において、2000ppm以下の濃度で、緑膿菌を死滅させる抗菌力を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の抗菌性を有する抗菌性組成物に関する。より詳しくは、本発明は、鳥インフルエンザウィルス等のウィルスに対しても効力を発揮できる優れた抗菌性を有するのみならず、ヒト等の生物に対する優れた安全性を有する抗菌性組成物に関する。本発明において、「抗菌性」とは広義の意味を有する。すなわち、本発明の抗菌性組成物は、後述するように、細菌、ウィルス等の種々の微生物に対して効果を発揮することができる。
種々の病原性微生物によって、引き起こされる感染症(本発明においては、いわゆる「日和見感染症」をも包含する意味で用いる)は、人類にとっての永遠の脅威である。したがって、このような感染症への対策は、将来にわたっても、極めて重要な意義を有することは論を待たない。近年、鳥インフルエンザウィルス等の種々のウィルスによって惹起される感染症も、人類にとって新たな脅威となりつつある。
このような感染症に対しては、抗生物質を始めとする抗菌性薬ないしは抗ウィルス薬が開発され、且つ広く使用されている。しかしながら、このような抗菌性薬・抗ウィルス薬は、それ自体で極めて強力な薬効を有する反面、該薬物自体の性質(すなわち、急性・亜急性・慢性の毒性等)、更には薬物耐性の深刻な問題をも引き起こしている。
他方、近年においては、いわゆるパンデミック(pandemic)と称される大規模な感染症の流行が世界的な問題となっている。このようなパンデミックに対しては、従来の抗菌性薬・抗ウィルス薬は、(例えば、薬物散布による消毒のような)は不可能である。
大規模散布に関しては、下記の特許文献1〜7に開示されているような、種々の薬剤が使用されて来た。しかしながら、これらの大規模散布用薬剤は、有効な抗ウィルス性を有しない。
特開2006−158361号公報 特開2008−63304号公報 特開平9−328404号公報 特開2007−191480号公報 特開2002−514186号公報 特開2007−302587号公報 特開2006−328039号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、ウィルスに対しても効力を発揮できる優れた抗菌性を有するのみならず、ヒト等の生物に対する優れた安全性を有する抗菌性組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、特定の2成分を少なくとも含み、且つ、緑膿菌に対して特定の抗菌力を発揮する組成物が、上記目的の達成に、極めて効果的なことを見出した。
本発明の抗菌性組成は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを少なくとも含む組成物であって;且つ、抗菌試験において、2000ppm以下の濃度で、緑膿菌を死滅させる抗菌力を有することを特徴とするものである。
上述したように本発明によれば、鳥インフルエンザウィルス等のウィルスに対しても効力を発揮できる優れた抗菌性を有するのみならず、ヒト等の生物に対する優れた安全性を有する抗菌性組成物が提供される。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(抗菌性組成物)
本発明の抗菌性組成物は、炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを少なくとも含む組成物であって;且つ、抗菌試験において、2000ppm以下の濃度で、緑膿菌を死滅させる抗菌力を有することを特徴とするものである。
(準安定ミセル)
本発明においては、例えば、脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルの各成分(他の好適な成分をも含有する態様においては、それらの「他の成分」をも含む)のHLB値が重要である(詳細は後述する)。
(本発明組成物の作用メカニズム)
本発明者の知見によれば、本発明組成物の作用メカニズムは以下の通りと推定される。
すなわち、本発明の組成物が微生物に作用する場合には、該組成物により「準安定ミセル」が形成される。そして、該ミセルの表面膜が、生体(例えば、ウイルス)膜表面(すなわち、脂質二重層)で一部壊れて、該組成物の内容物が生体膜内に入り、効果を発揮するものと推定される。
(準安定ミセルの確認法)
本発明において、「準安定ミセル」が形成されているか否かは、下記の試験により確認することができる。
すなわち、容量200ml程度のビーカーに、100mlの蒸留水を入れる(pHを、6.5〜7.5の範囲とする)。本発明の組成物(1グラム)を精秤して、上記ビーカーに投入し、溶解させてエマルジョン状態とする。その後、常温で静置する。そして、このようにエマルジョン状態とした後、油層と水層に分離するまでの時間を計測する。このような試験において、エマルジョン形成から油層と水層に分離するまでの時間(Ts)が、2日間(48時間)〜6日(144時間)である場合に、本発明の組成物によるミセルが「準安定ミセル」であると判断する。本発明の組成物によるミセルが「準安定ミセル」は、このTsが2.5日間(60時間)〜5日(120時間)であることが好ましく、特に、3日間(72時間)〜4日(96時間)であることが好ましい。
これに対して、一般的に、不安定ミセルは、例えば「1日」で油層と水層に分離する。更に、安定ミセル(例えば、洗濯洗剤ミセル)は、「7日」経過しても安定してエマルジョンのままである。
(エマルジョンの安定性)
長期間に亘って安定したエマルジョン状態を維持するために、油相に対してHLBを目安として、異なる数種の界面活性剤を相当量導入し、油滴粒子周囲の界面活性剤吸着膜を厚くすることが多い。つまり安定したエマルジョンとは、本来、油滴が有する機能性を抑え込むという一面を持つことになる。
表3から、緑膿菌を殺菌する力は油性である脂肪酸自体が最も大きいことが判るが、脂肪酸と水とでは、瞬間的に機械的にエマルジョンを形成するものの、即、相分離してしまい、通常は実用できない。これに対して、脂肪酸の殺菌力を最大限に発揮させるため、できるだけ脂肪酸粒子がムキ出した状態で数時間程度は、見掛上、安定したエマルジョン状態を維持する、いわば準安定状態のエマルジョンを形成する実用的な組成物として、本発明組成物を考案した。
「準安定エマルジョン」の系では、水で数百倍に希釈した場合、即エマルジョン状態になるが、例えば、3時間くらい経過すると徐々に油滴が表面に浮いてきて、10時間くらいで、ほぼ2〜3相に分離する場合がある。当該系の油滴は、例えば、HLBが約6の脂肪酸とHLBが約7のグリセリンモノカプリレート、HLBが約11のソルビタンモノカプリレートで構成することができる。このHLB7前後の粒子は、水にも油にも親和性を持ち、殺菌には好都合であるが、脂肪酸とこれらの界面活性剤とだけでは、安定したエマルジョンにはならず、即、相分離する。
本発明においては、このような系に、HLBが約15の親水性が高い非イオン界面活性剤である、ショ糖モノラウレート、ポリグリセリンラウレート、ツイン80や、陰イオン系界面活性剤であるジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム等を、準安定なエマルジョンを形成する程度に導入している。このため、本発明によれば、緑膿菌を効率的に死滅させることができる水溶性の抗菌組成物が得られる。
(準安定エマルジョンの形成条件の一例
i)脂肪酸とグリセリンモノカプリレート、ソルビタンモノカプリレートの総量が50wt.%以上で、高HLB界面活性剤30wt.%以下であることが好ましい。
例えば、後述する実施例12、13においては、高HLBの界面活性剤が40wt.%のため、脂肪酸+グリセリンモノカプリレートの疎水性粒子が高HLB界面活性剤吸着層に保護され、殺菌作用がやや低下する傾向がある。実施例5−8においては、高HLBの界面活性剤がショ糖モノラクレート、ポリグリセリンラクレートと合わせて40wt.%になるが、これらの高HLB界面活性剤は、糖タンパク質にも吸着されやすく、それら自体、殺菌作用を示すために殺菌力は低下しないという特徴がある。
ii)脂肪酸、グリセリンモノカプリレート、ソルビタンモノカプリレート等の系にタンニン酸や没食子酸プロピルを導入すると、準安定のエマルジョンを形成しやすくなる。加えて、両者とも、少量でもタンパク質の凝固力が強いために、緑膿菌を死滅させる点でも有用である(実施例2、3、4)。
(緑膿菌を用いる抗菌試験)
従来より、近年の重大な脅威となっている鳥インフルエンザウィルスに対する不活性化力の試験評価は、その性質上、指定された特定の機関でしかできない試験であるのみならず、その試験評価費用は、かなり高価にならざるを得ない。
他方、一般に、いわゆる抗菌試験は、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌等の一般細菌や、酵母、黒コウジ菌等の真菌に対して評価される。本発明者の知見によれば、従来公知の多くの抗菌剤は、黄色ブドウ球菌のようなグラム陽性菌に対しては強い活性を示すが、大腸菌や緑膿菌のようなグラム陰性菌に対しては相対的に弱い活性しか示さない。特に、従来公知の多くの抗菌剤は、緑膿菌に対しては非常に弱い活性しか示さない。
(緑膿菌)
緑膿菌は、自然環境のいたる所に生息する常在微生物である。この緑膿菌は、他の微生物とは異なり糖タンパク質の一種であるコムイドを分泌し、いわゆるバイオフィルムを形成して、その内部で増殖し生存する。このバイオフィルムの存在により、抗菌剤の浸透が阻害されることが、他の一般細菌よりも殺菌しにくい要因の一つと考えられている。
鳥インフルエンザウィルスと緑膿菌とは、その構成や性状は全く異なるものであるが、本発明者は鋭意研究の結果、特定の条件下における緑膿菌に対する抗菌性が、鳥インフルエンザウィルス等のウィルスに対する不活性化作用の優れた指標(index)となることを見出した。本発明者の知見によれば、ウィルス不活性化力も抗菌力も、そこに関与するタンパク質の変性作用やタンパク質の凝固作用に因るものであるから、緑膿菌を低濃度で短時間に死滅させる物質は、鳥インフルエンザウィルス等のウィルスに対しても有効性を示すものと推定される。
(各成分)
以下、本発明の抗菌性組成物を構成する各成分について述べる。
(炭素数が6〜12の脂肪酸)
炭素数が6〜12の脂肪酸である限り特に制限されない。常温で凝固し難い等の使用の利便性の点からは、例えば、カプリル酸C11COOH、カプロン酸C19COOH、カプリン酸C1123COOHが好適に使用可能である。中でも、特にカプリル酸が好適に使用可能である。
(モノグリセリン脂肪酸エステル)
モノグリセリン脂肪酸エステルである限り特に制限されない。両親媒性、入手の容易性の点からは、例えば、ヘキサン酸グリセリル、オクタン酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、カプロン酸グリセリル、コハク酸グリセリルが好適に使用可能である。中でも、特にオクタン酸グリセリルが好適に使用可能である。
(各成分の好適な量比・濃度)
本発明の組成物が、炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを含む組成物である態様においては、これらの成分の組合せの量比は、上記した特定の緑膿菌を死滅させる抗菌力を有する限り特に制限されない。これらの成分の組合せ効果の点からは、例えば、該組成物中の炭素数が6〜12の脂肪酸の含有量を「100部」(基準)とした場合に、モノグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、好ましくは20〜200部、更に好ましくは50〜150部(特に好ましくは80〜120部)である。
(各成分の好適な組合せ)
本発明の組成物が、炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを含む組成物である態様において、これらの成分の組合せの如何または量比は、上記した特定の緑膿菌を死滅させる抗菌力を有する限り特に制限されない。これらの成分の組合せ効果の点からは、例えば、下記の組合せが好適に使用可能である。
<炭素数が6〜12の脂肪酸> <モノグリセリン脂肪酸エステル>
カプリル酸 カプリン酸モノグリセリル
カプロン酸 カプリン酸モノグリセリル
カプリン酸 カプリン酸モノグリセリル
ラウリン酸 カプリン酸モノグリセリル
なお、上記のカプリル酸、カプロン酸およびカプリン酸は、本発明における効果に関しては「等価」である。また、これらと、ラウリン酸も、本発明における効果に関しては「ほぼ等価」である。したがって、これらの脂肪酸は、その他の要素(例えば、溶媒に対する溶解性、等)を考慮して、適宜混合して使用することができる。
(他の好ましい成分)
本発明の抗菌性組成物は、必要に応じて、他の成分をも含むことができる。このような「他の成分」としては、例えば、多価フェノール誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
(多価フェノール誘導体)
多価フェノール誘導体としては、低濃度で抗菌力を発揮可能な点からは、例えば、タンニン酸、没食子酸等が好適に使用可能である。中でも、タンニン酸が特に好適に使用可能である。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、取扱容易性、易溶解性、HLBの点からは、例えば、モノオクタン酸ジグリセリル、モノデカン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノオクタン酸デカグリセリル等が好適に使用可能である。中でも、モノラウリン酸デカグリセリルが特に好適に使用可能である。
(ショ糖脂肪酸エステル)
ショ糖脂肪酸エステルとしては、易溶解性、HLBの点からは、例えば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、およびショ糖パルミチン酸エステル等が好適に使用可能である。中でも、ショ糖ラウリン酸エステルが特に好適に使用可能である。
(ソルビタン脂肪酸エステル)
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、殺菌力の点からは、例えば、ソルビタンモノカプリレートが好適に使用可能である。
(各成分の好適な組合せ)
炭素数が6〜12の脂肪酸およびモノグリセリン脂肪酸エステルに加えて、他の添加剤をも含む本発明の組成物の態様において、これらの成分の組合せの如何または量比は、上記した特定の緑膿菌を死滅させる抗菌力を有する限り特に制限されない。取扱容易性と抗菌性との良好なバランスの点からは、例えば、下記の「表」に示す組合せが、好適に使用可能である。
Figure 2010163397
(数字の単位は、wt%である。)
(各成分の好適な量比・濃度)
炭素数が6〜12の脂肪酸およびモノグリセリン脂肪酸エステルに加えて、他の添加剤をも含む本発明の組成物の態様において、これらの成分の組合せの量比は、上記した特定の緑膿菌を死滅させる抗菌力を有する限り特に制限されない。取扱容易性と抗菌性との良好なバランスの点からは、例えば、上記「表1」に示した量比が、好適に使用可能である。
Figure 2010163397
炭素数が6〜12の脂肪酸:100部(基準)
モノグリセリン脂肪酸エステル:好ましくは20〜200部、更に好ましくは50〜150部(特に好ましくは80〜120部)
多価フェノール誘導体:は20〜200部、更に好ましくは50〜150部(特に好ましくは80〜120部)
ポリグリセリン脂肪酸エステル:好ましくは10〜150部、更に好ましくは20〜120部(特に好ましくは25〜100部)
ショ糖脂肪酸エステル:好ましくは10〜150部、更に好ましくは20〜120部(特に好ましくは25〜100部)
ソルビタン脂肪酸エステル:好ましくは10〜150部、更に好ましくは20〜120部(特に好ましくは25〜100部)
(各成分の選択の基準)
本発明の組成物を構成する各成分は、本発明の用途(例えば、ウィルス不活性化剤)の点からは、限りなく、安全、無害で、環境にも負荷をかけにくいものが好ましい。よって、食品にも使われている物質・材料(例えば、タンニン酸、没食子酸プロピル、各種カルボン酸、グリセリン脂肪酸エステル類等)から選択することが好ましい。
(緑膿菌を用いる抗菌試験)
本発明において、緑膿菌の抗菌試験は、一般的な方法で行うことができる。その一例を、後述する「参考例1」に示す。
(本発明組成物の用途)
本発明組成物は、水溶性であるため、親水性の高いノロウィルスに対しても有効であると考えられる。
(本発明組成物の使用濃度)
後述する実施例に示すように、本発明組成物は、2000ppm以下の濃度で、充分な抗菌力を発揮することができる。条件にもよるが、本発明組成物は、更には、1000ppm以下の濃度でも、充分な抗菌力を発揮できる可能性を有する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
参考例1
(緑膿菌を用いる抗菌試験の一例)
緑膿菌群をハートインヒュージョンブイヨン(日水製薬(株)製)培養液で、36℃、12時間で3日培養し、菌数を108/mlになるように調整した。この培養液1mlを各種材料溶液中に滴下、5分間感作させた後、検体1mlを標準寒天培地(日水製薬(株)製)20〜25mlと攪拌混合し凝固させ、37℃、24時間培養し、菌の生存を観察した(このような抗菌試験の方法・条件の詳細に関しては、例えば、日本薬学会編「衛生試験法・要説」、第39〜43頁、2000年3月31日、金原出版(株)発行を参照することができる)。
この方法により、緑膿菌が5分間で死滅できる各種物質の濃度は、下記の通りであった。
Figure 2010163397
(ppm)
実施例1
次の処方にて鳥インフルエンザウィルスの不活性化力を評価した。この評価は、中国国家外来効物疫病診療センターに委託して行った。
Figure 2010163397
(wt.%)
実施例2
実施例1と同様にして、次の処方にて鳥インフルエンザウィルスの不活性化力を評価した。この評価は、中国国家外来効物疫病診療センターに委託して行った。
Figure 2010163397
<抗菌試験の詳細>
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
実施例3
(京都産業大学)
実施例1と同様にして、次の処方にて鳥インフルエンザウィルスの不活性化力を評価した。この評価は、京都産業大学(鳥インフルエンザ研究センター)に委託して行った。
Figure 2010163397
実施例4
(京都産業大学)
実施例1と同様にして、次の処方にて鳥インフルエンザウィルスの不活性化力を評価した。この評価は、京都産業大学に委託して行った。
Figure 2010163397
(実施例1〜4の結果)
実施例1および2において、本発明の組成物を用いて、高病原性H5N1型鳥インフルエンザウィルスに対して、1,000倍水溶液を1時間接触させることにより消滅できることが判明した。なお、実施例2は、特に経口投与によるウィルスの不活性化剤を想定した処方である。
実施例3および4において、本発明の組成物を用いて、H5N3株に対して、各々、200、1,000倍水溶液を10分間接触することによりウィルスを不活性化できることが判明した。
実施例1、2、3、4のいずれにおいても、本発明の組成物の500倍希釈水液にて、緑膿菌を10分間で死滅できることが判明した。
実施例3においては、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌についても殺菌試験した結果、いずれも1,000倍希釈水にて10分間で死滅できることが判明した。
これらの緑膿菌の詳細な方法・条件を、下記の表7a〜表7cに示す。
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397
以上のことから、緑膿菌を短時間で死滅できる物質が、鳥インフルエンザウィルスにも有効であることが判明した。
(実施例3および4で用いた方法の詳細)
上記方法の詳細を、下記の表に示す。
Figure 2010163397
Figure 2010163397
上記により、以下の表に示す結果が得られた。
Figure 2010163397
Figure 2010163397
(実施例1および2の結果の詳細)
上記により、以下の表に示す結果が得られた。
Figure 2010163397
Figure 2010163397
Figure 2010163397

Claims (8)

  1. 炭素数が6〜12の脂肪酸と、モノグリセリン脂肪酸エステルとを少なくとも含む組成物であって;且つ、
    抗菌試験において、2000ppm以下の濃度で、緑膿菌を死滅させる抗菌力を有することを特徴とする抗菌性組成物。
  2. 前記炭素数が6〜12の脂肪酸が、カプリル酸C11COOH、カプロン酸C19COOH、およびカプリン酸C1123COOHからなる群から選択される1以上の脂肪酸である請求項1に記載の抗菌性組成物。
  3. 前記モノグリセリン脂肪酸エステルが、ヘキサン酸グリセリル、オクタン酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、カプロン酸グリセリル、およびコハク酸グリセリルからなる群から選択される1以上の脂肪酸である請求項1または2に記載の抗菌性組成物。
  4. 更に、多価フェノール誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択される1以上の添加物をも含む請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  5. 前記多価フェノール誘導体が、タンニン酸および没食子酸からなる群から選択される1以上である請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  6. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル誘導体が、モノオクタン酸ジグリセリル、モノデカン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、およびモノオクタン酸デカグリセリルからなる群から選択される1以上の脂肪酸である請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  7. 前記ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、およびショ糖パルミチン酸エステルからなる群から選択される1以上である請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  8. 前記ソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタンモノカプリレートである請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性組成物。
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