JP2010156428A - 流量制御弁の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動油の供給元から供給先への流量および作動油の供給先から排出路への流量が実質的にゼロとなるヌル点を温度変化および経時変化に対応して精度高く推定する。
【解決手段】ECUは、ポンプ停止中であって(S100にてYES)、アクチュエータが駆動中ではなく(S102にてNO)、低下時間の計測が許可中であって(S104)、かつ、アキューム圧が予め定められた値A以下である場合に(S106にてYES)、計測を開始するステップ(S108)と、アキューム圧が予め定められた値B以下である場合に(S110にてYES)、計測された時間よりヌル点の補正を実施するステップ(S112)と、低下時間の計測を禁止するステップ(S114)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図9
【解決手段】ECUは、ポンプ停止中であって(S100にてYES)、アクチュエータが駆動中ではなく(S102にてNO)、低下時間の計測が許可中であって(S104)、かつ、アキューム圧が予め定められた値A以下である場合に(S106にてYES)、計測を開始するステップ(S108)と、アキューム圧が予め定められた値B以下である場合に(S110にてYES)、計測された時間よりヌル点の補正を実施するステップ(S112)と、低下時間の計測を禁止するステップ(S114)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図9
Description
本発明は、流量制御弁の制御に関し、特に、作動油の供給元から供給先への流量および作動油の供給先から排出路への流量が実質的にゼロとなるヌル点の推定に関する。
従来、流量制御弁は、車両に搭載される変速機の油圧回路等に用いられ、作動油の供給元から供給先に作動油を供給して油圧を上昇させたり、作動油の供給先から作動油を排出して油圧を低下させたりして、油圧回路が作動させられる。このように動作する流量制御弁を制御する場合において、作動油の供給先に対する作動油の供給量と供給先からの排出量とが実質的にゼロとなる位置(以下、ヌル点と記載する)が設計値と実際値との間にズレがあると流量制御弁の制御精度が悪化する場合がある。
このような問題に鑑みて、たとえば、特開平10−311416号公報(特許文献1)は、運転者に違和感を感じさせることなく良好な変速制御および運転性を確保することができるベルト式無段変速機の変速制御装置を開示する。このベルト式無段変速機の変速制御装置は、ベルトの接触プーリ幅が油圧で可変制御される入出力プーリと、入出力プーリに夫々形成されプーリ幅を縮小する方向に駆動するピストン室と、出力プーリのピストン室へ所定のライン圧を供給するライン圧供給手段と、入力プーリのピストン室への作動油をライン圧ポートまたはドレンポートの一方との連通量に応じて給排する変速制御弁と、この変速制御弁を駆動するアクチュエータと、車両の運転状態に応じて演算した操作量に基づきアクチュエータを駆動する変速制御手段と、を備えてなるベルト式無段変速機の変速制御装置に、入力プーリのピストン室における作動油の圧力を検出する入力プーリ圧検出手段と、入力プーリ圧検出手段の検出結果により変速制御弁の流量特性を診断する流量特性診断手段と、流量制御弁の流量特性を補正する流量特性補正手段と、を配設し、油圧発生時で、かつ、ベルトと入出力プーリの停止状態時に変速制御弁を強制的に駆動させることで、流量特性診断と流量特性補正とを行なうように構成したことを特徴とする。
上述した公報に開示されたベルト式無段変速機の変速制御装置によると、ハウジングのポートやスプールのランドの寸法公差及びバネ定数やソレノイド推力のバラツキ等により、中立値の「設計値」と「実際値」にズレが生じてしまっても、そのズレ量を診断し補正するように構成したので、イグニッションスイッチをONした後から暫く走行するまでの間の意図しない変速や変速応答遅れを確実に防止することができ、運転者に違和感を与えることなく、良好な変速制御と運転性を確保することができる。
特開平10−311416号公報
ところで、流量制御弁におけるヌル点は、作動油の経時変化や温度変化等に起因して変動が生じる場合がある。そのため、ヌル点の学習頻度を高くすることが望ましい。
しかしながら、ヌル点の学習は、供給先への作動油の供給および排出を伴なう。そのため、車両の走行中においては意図しない変速動作を防止するために学習を行なうことができず、学習頻度が低くなり、流量制御弁の制御精度の改善が図れないという問題がある。
上述した公報に開示されたベルト式無段変速機の変速制御装置においては、油圧発生中であって、かつ、ベルトおよびプーリの停止時に限り補正を行なうものであるが、流量制御弁の制御精度を向上させるためには、さらに学習頻度を高くする必要がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、作動油の供給元から供給先への流量および作動油の供給先から排出路への流量が実質的にゼロとなるヌル点を温度変化および経時変化に対応して精度高く推定する流量制御弁の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る流量制御弁の制御装置においては、流量制御弁は、バルブと、バルブを内部に収納し、作動油の供給元に接続される第1ポートと、作動油排出路に接続される第2ポートと、作動油の供給先に接続される第3ポートとが設けられるバルブボディと、指令値の入力に応じて、第1ポートおよび第2ポートのうちのいずれか一方と第3ポートとを連通し、他方と第3ポートとを遮断するようにバルブの位置を変更する駆動ユニットとを含む。この制御装置は、駆動ユニットの非作動時において、各ポート間の作動油の圧力差により生じるバルブとバルブボディの内側との隙間における作動油の漏れ量を検出するための検出手段と、検出手段によって検出された漏れ量に基づいて、供給元から供給先への作動油の供給量と、供給先から作動油排出路への作動油の排出量とが実質的にゼロとなるヌル点に対応する指令値を推定するための推定手段とを含む。
第1の発明によると、ヌル点においては、第1ポートから第3ポートへの作動油の漏れ量と第3ポートから第2ポートへの作動油の漏れ量とが実質的に同じになることから供給元から供給先への作動油の供給と供給先から作動油排出路への作動油の排出とが実質的にゼロとなる状態となる。このような作動油の漏れの態様は、駆動ユニットの非作動時においても同様であり、相関関係を有する。そのため、駆動ユニットの非作動時において、各ポート間の作動油の圧力差によりバルブとバルブボディの内側との隙間における作動油の漏れ量を検出することにより、作動油の経時劣化および温度変化等に対応したヌル点における漏れ量を推定することができる。その結果、ヌル点の位置を精度高く推定することができる。また、駆動ユニットの非作動時になる毎に所定の条件の下でヌル点に対応する指令値を推定するようにすると、学習頻度を高くすることができる。したがって、作動油の供給元から供給先への流量および作動油の供給先から排出への流量が実質的にゼロとなるヌル点を温度変化および経時変化に対応して精度高く推定する流量制御弁の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る流量制御弁の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、供給元は、油圧を発生させるポンプと、ポンプにより発生した油圧を蓄圧するアキュムレータとを含む。検出手段は、アキュムレータにおける油圧の変化量に基づいて作動油の漏れ量を検出する。
第2の発明によると、バルブとバルブボディの内側との隙間において漏れ量が大きくなると、アキュムレータの油圧の低下の度合も大きくなり、漏れ量が小さくなると、アキュムレータの油圧の低下の度合も小さくなる。すなわち、アキュムレータの油圧の低下の度合は、漏れ量に対応するといえる。したがって、アキュムレータにおける油圧の変化量に基づいて漏れ量を検出することにより、精度高く漏れ量を検出することができる。
第3の発明に係る流量制御弁の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、検出手段は、アキュムレータにおける油圧が第1の油圧から第2の油圧に低下するまでの低下時間に基づいて作動油の漏れ量を検出する。
第3の発明によると、第1の油圧から第2の油圧に低下するまでの低下時間により油圧の低下量と低下時間との関係を特定することができる。そのため、油圧の低下の度合に対応する作動油の漏れ量を精度高く検出することができる。
第4の発明に係る流量制御弁の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、バルブは、バルブボディの内部に摺動可能に収納される。第3ポートは、バルブの摺動方向について第1ポートと第2ポートとの間に設けられる。駆動ユニットの非作動時におけるバルブの初期位置は、第2ポートと第3ポートとを連通し、かつ、第1ポートと第3ポートとを遮断する位置である。推定手段は、漏れ量が大きくなるほどヌル点に対応する指令値を駆動ユニットの作動時におけるバルブの駆動位置よりも初期位置側の値になるように推定し、漏れ量が小さくなるほどヌル点に対応する指令値を初期位置よりも駆動位置側の値になるように推定する。
第4の発明によると、漏れ量が大きくなるほどヌル点に対応する指令値を駆動位置よりも初期位置側の値になるように推定し、漏れ量が小さくなるほどヌル点に対応する指令値を初期位置よりも駆動位置側の値になるように推定することにより、ヌル点に対応する指令値を精度高く推定することができる。
第5の発明に係る流量制御弁の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、作動油の供給先は、車両の変速機に設けられ、変速機の変速動作を行なうアクチュエータである。
第5の発明によると、変速機の変速動作を行なうアクチュエータへの作動油の供給と排出を行なう流量制御弁に対して本発明を適用することにより、ヌル点に対応する指令値を精度高く推定できるため、変速制御の精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る流量制御弁が適用される変速機を搭載した車両について説明する。この車両は、エンジン100で発生した駆動力が、クラッチ200、変速機300、デファレンシャルギヤ400およびドライブシャフト402を介して車輪404に伝達されることにより走行する。エンジン100、クラッチ200および変速機300は、ECU(Electronic Control Unit)500により制御される。本実施の形態に係る流量制御弁の制御装置は、たとえば、ECU500において実行されるプログラムにより実現される。
クラッチ200は、エンジン100のクランクシャフト518に連結されている。クラッチ出力軸202は、スプライン310を介して変速機300の入力軸302に連結されている。
変速機300は、常時噛合い式のギヤトレーンから構成されている。変速機300におけるギヤ段の選択は、アクチュエータ304によりシフトフォークシャフトを摺動させることにより行なわれる。本実施の形態において、アクチュエータ304は、油圧により作動するものである。
ECU500には、アクセル開度センサ502、ブレーキストロークセンサ504、ポジションセンサ506、タイミングロータ508の外周に対向して設けられたクランクポジションセンサ510、入力軸回転数センサ512、出力軸回転数センサ514、車輪速センサ516から信号が送信される。
アクセル開度センサ502は、アクセルペダルのアクセル開度を検出する。ブレーキストロークセンサ504、ブレーキペダルの操作量(踏込み量)を検出する。ポジションセンサ506は、シフトレバーのシフトポジションを検出する。
クランクポジションセンサ510により、エンジン回転数NEが検出される。具体的には、クランクポジションセンサ510から送信されるパルス信号の1パルスあたりの時間に基づいて、ECU500がエンジン回転数NEを検出する。
入力軸回転数センサ512により、変速機300の入力軸302の回転数NIが検出される。具体的には、入力軸回転数センサ512から送信されるパルス信号の1パルスあたりの時間に基づいて、ECU500が入力軸回転数NIを検出する。
出力軸回転数センサ514により、変速機300の出力軸306の回転数が検出される。具体的には、出力軸回転数センサ514から送信されるパルス信号の1パルスあたりの時間に基づいて、ECU500が出力軸回転数を検出する。
車輪速センサ516により、車輪404の回転数NOが検出される。具体的には、車輪速センサ516から送信されるパルス信号の1パルスあたりの時間に基づいて、ECU500が車輪404の回転数NOを検出する。また、ECU500は、車輪404の回転数NOから車速を算出する。さらに、ECU500は、車速から加速度(減速度を含む)を算出する。
ECU500は、これらのセンサから送信された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたプログラム、マップおよび変速線などに基づいて演算処理を行なう。これにより、ECU500は、エンジン100、クラッチ200および変速機300を制御する。本実施の形態において、ECU500は、変速線にしたがった変速制御を実行する。
アクチュエータ304は、シフトフォークの選択(セレクト)を行なうアクチュエータ(1)と、シフトフォークの移動(シフト)を行なうアクチュエータ(2)とを含む。本実施の形態において、シフトフォークは、1速(1st)と2速(2nd)とに対応するシフトフォーク(1)と、3速(3rd)と4速(4th)とに対応するシフトフォーク(2)と、5速(5th)と後進(Rev)とに対応するシフトフォーク(3)とを含む。
アクチュエータ(1)は、シフトフォーク(1)〜(3)のうちの変速先に対応するシフトフォークを選択するようにシフトフォークの選択および移動を行なうための部材(以下、シフトスリーブと記載する)を移動させる。アクチュエータ(2)は、選択されたシフトフォークが変速先に対応する位置になるようにシフトスリーブを移動させる。
たとえば、変速線あるいは運転者の指示により1速が選択された場合には、アクチュエータ(1)がシフトフォーク(1)を選択するようにシフトスリーブを移動させた後、アクチュエータ(2)がシフトフォーク(1)が変速先に対応する位置になるようにシフトスリーブを移動させる。以下の説明において、シフトフォークを選択するようにシフトスリーブを移動させる方向をセレクト方向と記載し、選択されたシフトフォークを変速先に対応する位置に移動させる方向をシフト方向と記載する。
ECU500は、たとえば、アクチュエータ(1)の作動量によりセレクト方向のシフトスリーブの移動位置を認識し、アクチュエータ(2)の作動量によりシフト方向のシフトスリーブの移動位置を認識する。なお、ECU500は、アクチュエータ(1)および(2)の作動量をセンサ等を用いて検出するようにしてもよい。
したがって、ECU500は、図2に示すようにシフトスリーブの移動可能な範囲(シフトゲート)に対するシフトスリーブの位置(図2の丸)を認識する。図2に示すセレクト方向がシフトフォークを選択する方向であり、図2に示すシフト方向が選択されたシフトフォークを移動させる方向である。
ECU500は、たとえば、変速線にしたがって、シフトゲート内に予め設定された移動経路に沿って1速に対応する位置から2速、3速の順序でシフトスリーブをアクチュエータ304を用いて移動させることにより変速動作を行なう。これらの変速動作は、クラッチ200を動力遮断状態にするとともにアクチュエータ304を駆動させることにより行なわれ、変速動作後に、クラッチ200が再び動力伝達状態とされて完了する。また、車両の停止時においては、ニュートラルの位置(図2の破線丸)に戻されることとなる。
アクチュエータ304は油圧回路から作動油が供給されたり、アクチュエータ304に供給された作動油が排出されたりすることにより作動する。図3に示すように、本実施の形態において油圧回路は、流量制御弁550と、アキュムレータ552と、ポンプ554と、アクチュエータ304と、アキューム圧センサ572とを含む。
ポンプ554は、油圧を発生させる油圧源である。具体的には、ポンプ554は、オイルパン560に貯留された作動油を汲み上げて、油路556に汲み上げた作動油を圧送することにより油圧を発生させる電動ポンプである。ポンプ554は、ECU500からの制御信号に基づいて作動する。ポンプ554は、油路556を介在して流量制御弁550に接続される。
油路556の途中には、アキュムレータ552が設けられる。アキュムレータ552は、ポンプ554により発生した油圧を蓄圧する。そのため、流量制御弁550には、アキュムレータ552により蓄圧された油圧が供給されることとなる。
アキューム圧センサ572は、油路556の圧力すなわちアキューム圧を検出する。アキューム圧センサ572は、検出されたアキューム圧を示す信号をECU500に送信する。油温センサ574は、油路556内を流通する作動油の温度を検出する。油温センサ574は、検出された作動油の温度を示す信号をECU500に送信する。
流量制御弁550は、ECU500からの制御信号に基づいて駆動する駆動ユニット610を有するソレノイドバルブ等の電磁駆動弁である。流量制御弁550は、油路562を介在してアクチュエータ304に接続される。なお、本実施の形態においては、上述したとおり、セレクト方向に対応したアクチュエータ(1)およびアクチュエータ(1)に接続される流量制御弁と、シフト方向に対応したアクチュエータ(2)およびアクチュエータ(2)に接続される流量制御弁とがそれぞれ設けられるものであるが、以下の説明においては、セレクト方向およびシフト方向のいずれか一方に対応する流量制御弁およびアクチュエータの構造および動作について説明する。他方の流量制御弁およびアクチュエータの構成については、移動方向が異なるのみでその構造および動作については同様であるため、詳細な説明は繰返さない。また、アクチュエータ(1)または(2)は、説明の便宜上、アクチュエータ304と記載するものとする。
流量制御弁550は、ECU500から制御信号に応じて、供給元からアクチュエータ304に作動油を供給するアプライ状態と、アクチュエータ304から作動油排出路へ作動油を排出するドレン状態と、供給元からアクチュエータ304に供給される作動油の流量およびアクチュエータ304から作動油排出路に排出される作動油の流量が実質的にゼロとなる状態(以下、ヌル点に対応する状態と記載する)とのうちのいずれかの状態となる。
アクチュエータ304は、移動対象物に接続されるピストン566と、ピストン566に対して図3の左側の設けられる油室568と、ピストン566に対して図3の右側に設けられる油室570とを含む。流量制御弁550から油室570に対して作動油が供給されたり、油室570から作動油が排出されたりすることにより、ピストン566が移動する。ピストン566の移動により、移動対象物が移動することとなる。本実施の形態において移動対象物は、上述のシフトスリーブである。
たとえば、流量制御弁550から油室570に対して作動油が供給されるアプライ状態になる場合には、油室570内の油圧が上昇する。油室570内の油圧の上昇により、油室570内の油圧に基づくピストン566を図3の左側の方向に作用する力がピストン566からの反力を上回ると、ピストン566は、図3の左側の方向に移動することとなる。
そして、油室570に供給された作動油が排出されるドレン状態になる場合には、油室570内の油圧が低下する。油室570内の油圧の低下により、油室570内の油圧に基づくピストン566を図3の左側の方向に作用する力がピストン566からの反力を下回ると、ピストン566は、図3の右側の方向に移動することとなる。
そして、油室570への作動油の供給も油室570からの作動油の排出も行なわれないヌル点に対応する状態になる場合には、油室570内の油圧に変化が生じないため、ピストン566を図3の左側に移動させる力とピストン566側からの反力とが釣り合うと、ピストン566の位置が停止することとなる。
なお、ピストン566側からの反力は、本実施の形態においては、図3に示すようにピストン566の図3の左側の油室と油路556とを油路558を経由して接続し、図3の左側の油室の圧力とピストン566における図3の左側の受圧面積とに基づくものとして説明するが、これに加えてまたは代えてスプリング等の弾性部材に基づくものであってもよい。
ECU500は、上述したようにアクチュエータ304を作動させるために流量制御弁550に対して制御信号を送信する。流量制御弁550は、ECU500からの制御信号に応じて供給される電流により作動状態が変化し、流量制御弁550の状態の変化により、アクチュエータ304への作動油の流量およびアクチュエータ304からの作動油の流量が変化する。
図4に、流量制御弁550に対して供給される電流と作動油の流量との関係を示す。図4の実線に示すように、流量制御弁550に対して供給される電流がヌル点に対応する電流値になる場合、流量制御弁550がヌル点に対応する状態になるため、アクチュエータ304への作動油の供給およびアクチュエータ304から作動油の排出が行なわれない状態となり、流量Qが実質的にゼロとなる。
流量制御弁550に対して供給される電流がヌル点に対応する電流値よりも増加した場合、流量制御弁550は、ヌル点に対応する状態からアプライ状態へと変化していく。流量制御弁550がヌル点に対応する状態からアプライ状態側に変化するにつれて供給元であるアキュムレータ552およびポンプ554から油路556,562を経由してアクチュエータ304に供給される作動油の流量が増加していく。
一方、流量制御弁550に対して供給される電流がヌル点に対応する電流値よりも減少した場合、流量制御弁550は、ヌル点に対応する状態からドレン状態側に変化していく。流量制御弁550がヌル点に対応する状態からドレン状態側に変化するにつれて供給先であるアクチュエータ304から油路562および作動油排出路564を経由してオイルパン560に排出される作動油の流量が増加していく。
以上のような構成を有する流量制御弁550においては、作動油の温度変化あるいは経時変化により流量と電流との関係が図4の破線のような状態になる場合がある。このような現象は、作動油の温度変化あるいは経時変化により作動油の粘度に変化が生じる等の要因により生じる。流量制御弁550におけるヌル点に対応する位置に変動が生じるため、ヌル点に対応する電流値にも変動が生じることとなる。
したがって、ECU500において認識されたヌル点(図4の実線に基づくヌル点)に対応する電流を供給しても、実際の流量と電流との関係が図4の破線のようになるため、流量制御弁550をヌル点に対応する状態に精度高く制御することができない場合がある。その結果、アクチュエータ304を精度高く作動させることができない場合がある。そのため、ピストン566の位置制御を精度高く行なうことができない。
そこで、本実施の形態においては、ECU500が流量制御弁550の非作動時に、作動油の漏れ量に基づいて、ヌル点に対応する指令値(電流値)を推定する点に特徴を有する。
図5に示すように、流量制御弁550は、バルブ600と、バルブ600を内部に収納し、作動油の供給元であるポンプ554およびアキュムレータ552に接続されるアプライポート604と、作動油排出路564に接続されるドレンポート606と、作動油の供給先であるアクチュエータ304に接続されるコントロールポート608とが設けられるバルブボディ602と、指令値の入力に応じて、アプライポート604およびドレンポート606のうちのいずれか一方とコントロールポート608とを連通し、他方とコントロールポート608とを遮断するようにバルブ600の位置を変更する駆動ユニット610とを含む。バルブボディ602は、バルブ600を摺動可能にその内部に収納する。本実施の形態において、コントロールポート608は、バルブ600の摺動方向についてアプライポート604とドレンポート606との間に設けられる。また、バルブ600は、スプール612に固定される。駆動ユニット610は、バルブ600を固定するスプール612をソレノイドを用いて駆動することによりバルブ600の位置を変更する。
流量制御弁550に対してヌル点に対応する電流が供給された場合に、流量制御弁550は、図5に示す状態(作動時)となる。このとき、バルブ600は、アプライポート604とコントロールポート608との間を遮断し、ドレンポート606とコントロールポート608との間を遮断する位置に移動する。この状態においては、アクチュエータ304に供給される油圧が一定の状態となるため、アクチュエータ304のピストン566の位置が保持されることとなる。
このとき、アプライポート604側のアプライ圧(以下、アキューム圧ともいう)Paは、コントロールポート608側のコントロール圧Pcよりも大きい。そのため、アプライ圧Paとコントロール圧Pcとの差圧Pa−Pcに基づいてアプライポート604側からコントロールポート608側に作動油の漏れが発生する。
また、コントロール圧Pcは、ドレンポート606側のドレン圧(大気圧)Pdよりも大きい。そのため、コントロール圧Pcとドレン圧Pdとの差圧Pc−Pdに基づいてコントロールポート608側からドレンポート606側に作動油の漏れが発生する。
バルブ600がヌル点に対応する位置にある場合には、このアプライポート604側からコントロールポート608側への作動油の漏れ量とコントロールポート608側からドレンポート606側への作動油の漏れ量とが等しくなる状態となる。
流量制御弁550に対して電流の供給が停止(通電カット)された場合に、流量制御弁550は、図6に示す状態(非作動時)となる。このとき、バルブ600は、ドレンポート606とコントロールポート608との間を連通し、アプライポート604とコントロールポート608との間を遮断する初期位置に移動する。この状態においては、アクチュエータ304に供給される作動油は、ドレンポート606から排出されることとなる。そのため、コントロール圧Pcとドレン圧とは等しくなる。
このとき、アプライ圧Paは、ドレン圧Pdよりも大きい。そのため、アプライ圧Paとドレン圧Pdとの差圧Pa−Pdに基づいてアプライポート604側からコントロールポート608側に作動油の漏れが発生する。
すなわち、通電カット時の場合も流量制御弁550がヌル点に対応する状態である場合もいずれも、各ポート間の差圧(特に、アプライ圧Paとドレン圧Pdとの差圧)に基づいてバルブとバルブボディ602の内側との隙間を作動油が流れることにより作動油の漏れが生じるものであり、作動油の漏れの態様は同様である。そのため、通電カット時の作動油の漏れ量とヌル点に対応する状態における漏れ量とは相関関係を有する。
本実施の形態においては、この相関関係に着目し、通電カット時の漏れ量を検出し、検出された漏れ量に基づいてヌル点に対応する状態における電流値を推定するものである。
図7に、本実施の形態に係る流量制御弁の制御装置であるECU500の機能ブロック図を示す。ECU500は、ポンプ停止判定部530と、アクチュエータ駆動判定部532と、計測許可判定部534と、アキューム圧判定部(1)536と、計測時間リセット部538と、低下時間計測部540と、アキューム圧判定部(2)542と、ヌル点補正部544と、低下時間計測禁止部546とを含む。
ポンプ停止判定部530は、ポンプ554が停止しているか否かを判定する。ポンプ停止判定部530は、ECU500からポンプ554に対する指示状態に基づいてポンプ554が停止しているか否かを判定する。たとえば、ポンプ停止判定部530は、ECU500からポンプ554に対して制御信号が出力されている場合に、ポンプ554が作動していると判定し、ECU500からポンプ554に対して制御信号が出力されてない場合に、ポンプ554が停止していると判定する。
なお、ポンプ停止判定部530は、たとえば、ポンプ554が停止しているとポンプ停止判定フラグをオンするようにしてもよい。
アクチュエータ駆動判定部532は、アクチュエータ304が駆動中であるか否かを判定する。アクチュエータ駆動判定部532は、流量制御弁550の作動状態に基づいてアクチュエータ304が駆動中であるか否かを判定する。アクチュエータ駆動判定部532は、流量制御弁550に電流が供給されている場合には、アクチュエータ304が駆動中であると判定する。
なお、アクチュエータ駆動判定部532は、たとえば、アクチュエータ304が駆動中であると判定すると駆動判定フラグをオンするようにしてもよい。
計測許可判定部534は、アキューム圧の低下時間の計測が許可されているか否かを判定する。計測許可判定部534は、ポンプ554が駆動している場合にアキューム圧の低下時間の計測が許可されていると判定する。
なお、計測許可判定部534は、たとえば、ポンプ停止判定フラグがオフであるとアキューム圧の低下時間の計測が許可されていると判定し、許可判定フラグをオンするようにしてもよい。
アキューム圧判定部(1)536は、アキューム圧の低下時間の計測が許可されている場合に、アキューム圧が予め定められた値A以下であるか否かを判定する。予め定められた値Aは、ポンプ554を駆動してアキューム圧の上昇を開始した後にポンプ554を停止するアキューム圧(ポンプ駆動停止圧)に基づいて設定される値であって、実験等により適合される。予め定められた値Aは、少なくともポンプ駆動停止圧以下の値である。
なお、アキューム圧判定部(1)536は、たとえば、許可判定フラグがオンである場合に、アキューム圧の判定を実行し、アキューム圧が予め定められた値A以下である場合に、アキューム圧判定フラグ(1)をオンするようにしてもよい。
計測時間リセット部538は、アキューム圧が予め定められた値A以下でないと判定された場合に、計測時間を初期値(たとえば、ゼロ)にリセットする。なお、計測時間リセット部538は、たとえば、許可判定フラグがオンであって、かつ、アキューム圧判定フラグ(1)がオフである場合に、計測時間を初期値にリセットする。
低下時間計測部540は、アキューム圧が予め定められた値A以下である場合にアキューム圧の低下時間の計測を開始する。なお、低下時間計測部540は、たとえば、アキューム圧判定フラグ(1)がオフからオンされるとアキューム圧の低下時間の計測を開始するようにしてもよい。
アキューム圧判定部(2)542は、アキューム圧が予め定められた値B以下であるか否かを判定する。予め定められた値Bは、少なくとも予め定められた値Aよりも小さい値であって、ポンプ554の駆動を開始するアキューム圧(ポンプ駆動開始圧)に基づいて設定される値である。予め定められた値Bは、少なくともポンプ駆動開始圧以上の値であって、実験等により適合される。
なお、アキューム圧判定部(2)542は、アキューム圧の低下時間の計測が開始された場合に、アキューム圧の判定を実行し、アキューム圧が予め定められた値B以下である場合に、アキューム圧判定フラグ(2)をオンするようにしてもよい。また、アキューム圧判定フラグ(1)およびアキューム判定フラグ(2)は、アキューム圧の低下時間の計測が禁止されたときにいずれもオフするようにすればよい。
ヌル点補正部544は、計測されたアキューム圧の低下時間に基づいて漏れ量を算出する。アキューム圧の低下時間と漏れ量との関係は、マップ、数式あるいは表等により予め規定しておけばよい。ヌル点補正部544は、算出された漏れ量に基づいてヌル点に対応する電流値をマップ等を用いて算出する。
漏れ量に基づいてヌル点に対応する電流値を算出する際に用いられるマップは、たとえば、図8に示すように、横軸を漏れ量とし、縦軸をヌル点に対応する電流値とするマップである。また、図8のマップには、作動油の温度に応じた漏れ量とヌル点に対応する電流値との関係が設定される。たとえば、図8に示すように、作動油の温度ACC(1)、温度ACC(2)および温度ACC(3)にそれぞれ対応する漏れ量とヌル点に対応する電流値との関係が設定される。なお、温度ACC(1)は、温度ACC(2)および温度ACC(3)よりも大きく、温度ACC(2)は、温度ACC(3)よりも大きいものとする。
すなわち、図8に示すマップは、漏れ量が多いほどヌル点に対応する電流値が小さくなるように設定され(ドレン状態側にヌル点を補正し)、漏れ量が少ないほどヌル点に対応する電流値が大きくなるように設定される(アプライ側にヌル点を補正する)ものである。また、作動油の温度が高くなるほど同一の漏れ量に対するヌル点に対応する電流値が大きくなるように設定される(アプライ側にヌル点を補正する)。
たとえば、アキューム圧の低下時間に基づいて算出された漏れ量が漏れ量q(1)であって、かつ、作動油の温度が温度ACC(1)である場合には、ヌル点補正部544は、図8の作動ACC(1)に対応するマップを用いてヌル点に対応する電流値として電流値A(1)を算出する。ヌル点補正部544は、算出されたヌル点に対応する電流値A(1)に基づいて図4で示した電流と流量との関係を補正する。具体的には、ヌル点補正部544は、前回のヌル点に対応する電流値と今回のヌル点に対応する電流値との差分を補正値として図4で示した電流と流量との関係を補正する。
なお、作動油の温度が温度ACC(1)、温度ACC(2)および温度ACC(3)のいずれでもない場合は、温度ACC(1)、温度ACC(2)および温度ACC(3)に対応するマップを用いて線形補間等により作動油の温度に応じたヌル点に対応する電流値を算出すればよい。
低下時間計測禁止部546は、ヌル点の補正が実行された場合に、計測許可判定部534においてアキューム圧の低下時間の計測が再度許可されるまでは低下時間の計測を禁止する。なお、低下時間計測禁止部546は、たとえば、ヌル点補正部544においてヌル点の補正が行われると、計測許可判定部534によりオンされた許可判定フラグをオフするようにしてもよい。
本実施の形態において、ポンプ停止判定部530と、アクチュエータ駆動判定部532と、計測許可判定部534と、アキューム圧判定部(1)536と、計測時間リセット部538と、低下時間計測部540と、アキューム圧判定部(2)542と、ヌル点補正部544と、低下時間計測禁止部546とは、いずれもECUのCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図9を参照して、本実施の形態に係る流量制御弁の制御装置であるECU500で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU500は、ポンプ554が停止しているか否かを判定する。ポンプ554が停止していると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS118に移される。
S102にて、ECU500は、アクチュエータ304が駆動中であるか否かを判定する。アクチュエータ304が駆動中であると(S102にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、処理はS104に移される。
S104にて、ECU500は、アキューム圧の低下時間の計測許可中であるか否かを判定する。ECU500は、許可判定フラグがオンであればアキューム圧の低下時間の計測許可中であると判定する。アキューム圧の低下時間の計測許可中であると(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、この処理は終了する。
S106にて、ECU500は、アキューム圧が予め定められた値A以下であるか否かを判定する。アキューム圧が予め定められた値A以下であると(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでないと(S106にてNO)、処理はS116に移される。
S108にて、ECU500は、アキューム圧の低下時間の計測を開始する。S110にて、ECU500は、アキューム圧が予め定められた値B以下であるか否かを判定する。アキューム圧が予め定められた値B以下であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、この処理は終了する。
S112にて、ECU500は、計測された低下時間、すなわち、アキューム圧が予め定められた値Aから予め定められた値Bまで低下するのに要した時間に基づいてヌル点の補正を実施する。S114にて、ECU500は、アキューム圧の低下時間の計測を禁止し、許可判定フラグをオフする。S116にて、ECU500は、計測時間をクリアし、初期値(たとえば、ゼロ)にリセットする。S118にて、ECU500は、アキューム圧の低下時間の計測を許可し、許可判定フラグをオンする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る流量制御弁であるECU500の動作について図10を用いて説明する。
時間T(0)にて、アキューム圧が予め定められた値Bを下回る場合にポンプ554が駆動されてアキューム圧が上昇する。ポンプ554の駆動中においては(S100にてNO)、アキューム圧の低下時間の計測が許可されることとなる(S118)。
時間T(1)にて、アキューム圧が駆動停止圧に到達すると、ポンプ554の駆動が停止される(S100にてYES)。ここで、アクチュエータ304が駆動していなければ(S102にてYES)、アキューム圧の低下時間の計測が許可されているため(S104にてYES)、アキューム圧が予め定められた値A以下であるか否かが判定される(S106)。アキューム圧が予め定められた値A以下でない場合は(S106にてNO)、前回までの計測時間がクリアされる(S116)。一方、時間T(2)にて、アキューム圧が予め定められた値A以下である場合は(S106にてYES)、計測が開始される(S108)。
計測は、アキューム圧が予め定められた値B以下になる時点まで継続され、時間T(3)にて、アキューム圧が予め定められた値B以下になると(S110にてYES)、それまで計測された時間T(3)−T(2)に基づいてヌル点の補正が実施される(S112)。すなわち、計測された時間T(3)−T(2)に基づいて漏れ量が算出され、算出された漏れ量に基づいてヌル点に対応する電流値が推定され、推定された電流値に基づいて図4に示した流量と電流との関係が補正される。なお、詳細な説明は上述したとおりであるため繰返さない。ヌル点の補正の実施後、アキューム圧の低下時間が禁止される(S114)。
図10の一点鎖線に示すように、漏れ量が大きくなるほどアキューム圧の低下時間は短くなり、図10の二点鎖線に示すように、漏れ量が小さくなるほどアキューム圧の低下時間は長くなる。
以上のようにして、本実施の形態に係る流量制御弁の制御装置によると、駆動ユニットの非作動時において、各ポート間の作動油の圧力差によりバルブとバルブボディの内側との隙間における作動油の漏れ量を検出することにより、作動油の経時劣化および温度変化等に対応したヌル点における漏れ量を推定することができる。その結果、ヌル点の位置を精度高く推定することができる。また、駆動ユニットの非作動時になる毎に所定の条件(ポンプ停止、アクチュエータ非作動および計測許可)の下でヌル点に対応する指令値を推定するようにすると、学習頻度を高くすることができる。したがって、作動油の供給元から供給先への流量および作動油の供給先から排出への流量が実質的にゼロとなるヌル点を温度変化および経時変化に対応して精度高く推定する流量制御弁の制御装置を提供することができる。
また、バルブとバルブボディの内側との隙間において漏れ量が大きくなると、アキュムレータの油圧の低下の度合も大きくなり、漏れ量が小さくなると、アキュムレータの油圧の低下の度合も小さくなる。すなわち、アキュムレータの油圧の低下の度合は、漏れ量に対応するといえる。したがって、アキュムレータにおける油圧の変化量に基づいて漏れ量を検出することにより、精度高く漏れ量を検出することができる。
さらに、アキューム圧が予め定められた値Aから予め定められた値Bに低下するまでの低下時間により油圧の低下量と低下時間との関係を特定することができる。そのため、油圧の低下の度合に対応する作動油の漏れ量を精度高く検出することができる。
そして、漏れ量が大きくなるほどヌル点に対応する指令値を駆動ユニットの作動時におけるバルブの駆動位置よりも初期位置側の値になるように推定し、漏れ量が小さくなるほどヌル点に対応する指令値を初期位置よりも駆動位置側の値になるように推定することにより、ヌル点に対応する指令値を精度高く推定することができる。
また変速機の変速動作を行なうアクチュエータへの作動油の供給と排出を行なう流量制御弁に対して本発明を適用することにより、ヌル点に対応する指令値を精度高く推定できるため、変速制御の精度を向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、200 クラッチ、202 クラッチ出力軸、300 変速機、302 入力軸、304 アクチュエータ、306 出力軸、310 スプライン、400 デファレンシャルギヤ、402 ドライブシャフト、404 車輪、502 アクセル開度センサ、504 ブレーキストロークセンサ、506 ポジションセンサ、508 タイミングロータ、510 クランクポジションセンサ、512 入力軸回転数センサ、514 出力軸回転数センサ、516 車輪速センサ、518 クランクシャフト、530 ポンプ停止判定部、532 アクチュエータ駆動判定部、534 計測許可判定部、536,542 アキューム圧判定部、538 計測時間リセット部、540 低下時間計測部、544 ヌル点補正部、546 低下時間計測禁止部、550 流量制御弁、552 アキュムレータ、554 ポンプ、556,558,562 油路、560 オイルパン、564 作動油排出路、566 ピストン、568,570 油室、572 アキューム圧センサ、574 油温センサ、600 バルブ、602 バルブボディ、604 アプライポート、606 ドレンポート、608 コントロールポート、610 駆動ユニット、612 スプール。
Claims (5)
- 流量制御弁の制御装置であって、前記流量制御弁は、バルブと、前記バルブを内部に収納し、作動油の供給元に接続される第1ポートと、作動油排出路に接続される第2ポートと、作動油の供給先に接続される第3ポートとが設けられるバルブボディと、指令値の入力に応じて、前記第1ポートおよび前記第2ポートのうちのいずれか一方と前記第3ポートとを連通し、他方と前記第3ポートとを遮断するように前記バルブの位置を変更する駆動ユニットとを含み、
前記制御装置は、
前記駆動ユニットの非作動時において、各ポート間の作動油の圧力差により生じる前記バルブと前記バルブボディの内側との隙間における作動油の漏れ量を検出するための検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記漏れ量に基づいて、前記供給元から前記供給先への作動油の供給量と、前記供給先から前記作動油排出路への作動油の排出量とが実質的にゼロとなるヌル点に対応する指令値を推定するための推定手段とを含む、流量制御弁の制御装置。 - 前記供給元は、油圧を発生させるポンプと、前記ポンプにより発生した油圧を蓄圧するアキュムレータとを含み、
前記検出手段は、前記アキュムレータにおける油圧の変化量に基づいて前記作動油の漏れ量を検出する、請求項1に記載の流量制御弁の制御装置。 - 前記検出手段は、前記アキュムレータにおける油圧が第1の油圧から第2の油圧に低下するまでの低下時間に基づいて前記作動油の漏れ量を検出する、請求項2に記載の流量制御弁の制御装置。
- 前記バルブは、前記バルブボディの内部に摺動可能に収納され、
前記第3ポートは、前記バルブの摺動方向について前記第1ポートと前記第2ポートとの間に設けられ、
前記駆動ユニットの非作動時における前記バルブの初期位置は、前記第2ポートと前記第3ポートとを連通し、かつ、前記第1ポートと前記第3ポートとを遮断する位置であって、
前記推定手段は、前記漏れ量が大きくなるほど前記ヌル点に対応する指令値を前記駆動ユニットの作動時における前記バルブの駆動位置よりも前記初期位置側の値になるように推定し、前記漏れ量が小さくなるほど前記ヌル点に対応する指令値を前記初期位置よりも前記駆動位置側の値になるように推定する、請求項1〜3のいずれかに記載の流量制御弁の制御装置。 - 前記作動油の供給先は、車両の変速機に設けられ、前記変速機の変速動作を行なうアクチュエータである、請求項1〜4のいずれかに記載の流量制御弁の制御装置。
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2008
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