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JP2010151692A - 道路形状推測装置、道路形状推測方法及び道路形状推測プログラム - Google Patents

道路形状推測装置、道路形状推測方法及び道路形状推測プログラム Download PDF

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JP2010151692A
JP2010151692A JP2008331568A JP2008331568A JP2010151692A JP 2010151692 A JP2010151692 A JP 2010151692A JP 2008331568 A JP2008331568 A JP 2008331568A JP 2008331568 A JP2008331568 A JP 2008331568A JP 2010151692 A JP2010151692 A JP 2010151692A
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relaxation
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Takayuki Miyajima
孝幸 宮島
Shiho Ishibashi
志保 石橋
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

【課題】カーブの緩和区間長の精度を向上することができる道路形状推測装置、道路形状推測方法及び道路形状推測プログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置2は、道路建設時期と緩和長法令テーブル16とを対応付けて記憶する道路法令情報記憶部14を備える。また、道路ネットワークデータ11等に基づいて、処理対象区間における基本緩和区間長を算出する。さらに、処理対象区間の道路建設時期を判定するとともに、処理対象区間の道路建設時期に対応する緩和長法令テーブル16を取得し、基本緩和区間長を、取得した緩和長法令テーブル16を満たすように補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路形状推測装置、道路形状推測方法及び道路形状推測プログラムに関する。
最近、道路網を表す道路ネットワーク情報や、地図をディスプレイに描画するための地図情報等を含む道路情報は、走行支援、ドライバーに対する情報提供、自車両周辺の他車両又は歩行者に対する情報提供等を行う高度支援システムに利用されている。例えば、このシステムでは、道路形状を道路情報を用いて検出し、その検出結果に基づいて支援内容に応じた各種情報を生成する。そして、生成した情報を、車両に搭載された各種ECU(Electronic Control Unit)に送信して支援を行う。
高度支援システムとして、例えば、車両前方のカーブに対して、走行支援や情報提供等の支援を行うシステムが提案されている。カーブは、一般的に、曲率半径が一定の円曲区間と、その円曲区間と、カーブに連続する直線区間との間に設けられる緩和区間とから構成される。緩和区間は、直線区間から円曲区間に向かうにつれて、曲率半径を緩やかに大きくする区間であって、直線区間と円曲区間との間の急激な曲率半径の変化を緩和し、無理な運転操作や、過大な遠心力等を抑制する。従って、カーブを対象とする支援を行うシステムの中には、緩和区間の長さを取得して、この緩和区間長に基づき支援を行うシステムがある。
緩和区間長は、上記道路情報には含まれていないため、道路情報に基づき算出する必要がある。例えば、特許文献1には、曲率半径とクロソイド係数とを関連付けたテーブルに基づき、緩和区間の各種パラメータを算出するシステムが記載されている。このシステムは、道路情報に基づき、円曲区間の曲率半径の最小値を求め、上記テーブルから、曲率半径の最小値に対応するクロソイド係数を取得している。
特開2005−214839号公報
ところが、道路情報に格納された複数の座標点は、道路の概略的な形状を示しているに過ぎず、座標点が設定される間隔も厳格に規定されていない。このため、座標点が実際の形状から外れた位置に設定されたり、カーブにおいて設定される座標点の数が少ないことがある。従って、単に道路情報に基づいて緩和区間長を算出すると、実際の緩和区間長と異なる場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーブの緩和区間長の精度を向上することができる道路形状推測装置、道路形状推測方法及び道路形状推測プログラムを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段と、道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出する基本情報生成手段と、前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定する建設時期判定手段と、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得する規定情報取得手段と、前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正する区間長補正手
段とを備えた。
請求項1に記載の構成によれば、道路情報に基づき生成した処理対象区間の基本緩和区間長が、処理対象区間の道路建設時期に対応する道路構造規定を満たすように補正される。このため、道路情報に含まれる誤差により、道路構造規定外となった基本緩和区間長を、道路構造規定に則した適正な範囲に補正することができる。このため、処理対象区間における緩和区間長の精度を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の道路形状推測装置において、前記道路構造規定は、カーブ区間の円曲区間における曲率半径と、緩和区間長との関係を規定し、前記処理対象のカーブ区間の円曲区間における曲率半径を取得する曲率半径取得手段をさらに備え、前記区間長補正手段は、取得した前記曲率半径と、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期とに対応する前記道路構造規定を満たすように、前記基本緩和区間長を補正する。
請求項2に記載の構成によれば、処理対象のカーブ区間の円曲区間における曲率半径が取得される。また、円曲区間における曲率半径と緩和区間長との関係を規定した道路構造規定のうち、取得した曲率半径と、処理対象のカーブ区間の道路建設時期とに対応する道路構造規定を用いて、処理対象区間の緩和区間長が補正される。このため、処理対象区間における緩和区間長を、より精度良く推測することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の道路形状推測装置において、前記曲率半径取得手段は、前記道路情報に基づいて、前記道路情報に基づき前記円曲区間の曲率半径を算出し、当該曲率半径を、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に応じた前記道路構造規定を満たすように補正する。
請求項3に記載の構成によれば、緩和区間長の補正には、予め道路構造規定を満たすように補正された曲率半径が用いられる。従って、実際のカーブ区間の曲率半径に対する誤差を小さくできるため、緩和区間長の精度をより向上することができる。
請求項4に記載の発明は、1〜3のいずれか1項に記載の道路形状推測装置において、前記道路構造規定は、カーブ区間の設計速度と、緩和区間長との関係を規定し、前記処理対象のカーブ区間の設計速度を取得する設計速度取得手段をさらに備え、前記区間長補正手段は、前記処理対象のカーブ区間の設計速度に対応する前記道路構造規定を満たすように、前記基本緩和区間長を補正する。
請求項4に記載の構成によれば、設計速度と緩和区間長との関係を規定した道路構造規定のうち、そのカーブ区間の設計速度とに対応する道路構造規定を用いて、処理対象区間の緩和区間長が補正される。このため、処理対象区間における緩和区間長を、より精度良く推測することができる。
請求項5に記載の発明は、道路形状の推測を行う制御手段による道路形状推測方法において、前記制御手段が、道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出し、前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定し、道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段から、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得し、前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正する。
請求項5に記載の方法によれば、道路情報に基づき生成した処理対象区間の基本緩和区間長が、処理対象区間の道路建設時期に対応する道路構造規定を満たすように補正される
。このため、道路情報に含まれる誤差により、道路構造規定を超えて過小又は過大となった基本緩和区間長を、道路構造規定に則した適正な範囲に補正することができる。このため、処理対象区間における緩和区間長の精度を向上することができる。
請求項6に記載の発明は、道路形状の推測を行う制御手段を用いる道路形状推測プログラムにおいて、前記制御手段を、道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段と、道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出する基本情報生成手段と、前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定する建設時期判定手段と、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得する規定情報取得手段と、前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正する区間長補正手段として機能させる。
請求項6に記載のプログラムによれば、道路情報に基づき生成した処理対象区間の基本緩和区間長が、処理対象区間の道路建設時期に対応する道路構造規定を満たすように補正される。このため、道路情報に含まれる誤差により、道路構造規定を超えて過小又は過大となった基本緩和区間長を、道路構造規定に則した適正な範囲に補正することができる。このため、処理対象区間における緩和区間長の精度を向上することができる。
以下、本発明の道路形状推測装置を、車両に搭載されたナビゲーション装置に具体化した一実施形態を図1〜図19に従って説明する。本実施形態では、ナビゲーション装置は、オートマチックトランスミッション(AT)を制御するECUと協働して、車両前方のカーブに対して最適な変速制御を行う走行支援システムを構成する。
図1は、本実施形態の走行支援システム1のブロック図である。走行支援システム1は、ナビゲーション装置2、位置検出センサ20、カメラ24及びECU25から構成される。ナビゲーション装置2は、CPU5、RAM6、ROM7、画像認識プロセッサ8及び車両側I/F(インターフェース)9を有するナビゲーションユニット3を備えている。ナビゲーションユニット3は、道路形状推測プログラムを格納し、基本情報生成手段、建設時期判定手段、規定情報取得手段、区間長補正手段、曲率半径取得手段、設計速度取得手段及び制御手段に対応している。
ナビゲーションユニット3は、自車両に搭載された位置検出センサ20に基づいて自車位置を算出する。本実施形態では、位置検出センサ20は、GPS受信部21、車速センサ22、及びジャイロセンサ23からなる。ナビゲーションユニット3は、GPS受信部21に基づき、電波航法により、緯度・経度等の絶対位置を検出する。また、ナビゲーションユニット3は、車速センサ22及びジャイロセンサ23に基づき、自律航法により、基準位置からの相対位置を算出する。そして、緯度・経度で表される絶対位置及び相対位置を組み合わせて、自車位置を特定する。
画像認識プロセッサ8は、走行中に、自車両に設けられたカメラ24から、例えば数十ミリ秒単位で画像データを取得する。カメラ24は、自車両の後端に、光軸を路面に向けた状態で、車両後方及び後側方が撮影領域50に含まれるように固定されている(図2参照)。尚、カメラ24は、自車両の周辺の路面を撮影できればよく、自車両前端や側端に取り付けられてもよいし、複数取り付けられていてもよい。
カメラ24から画像データを取得すると、画像認識プロセッサ8は、公知の画像認識による方法で、カーブ区間に設けられた補助領域を検出する。補助領域は、カーブ区間におけるドライバーの視距を確保したり、内輪差のために道路を拡幅した領域である。また、道路の拡幅を行うと、ドライバーが、その拡幅したエリアを走行可能エリアとして認識し
てしまうため、走行車線と区別するために、拡幅したエリアにゼブラゾーンを設けることもある。本実施形態では、補助領域として、拡幅したエリアと、拡幅したエリアに設けられたゼブラゾーンとを検出する。
ゼブラゾーンの検出処理では、カメラ24が撮影した画像データを用いて、公知の白線検出方法によって、道路上に標示された車道中央線、車道外側線、ゼブラゾーンZ1(図2参照)等の白線を検出する。そして、検出した白線のパターンが、縞状の、所謂ゼブラパターンであるか否かを判断し、ゼブラパターンである場合には、その縞状パターンの領域をゼブラゾーンZ1として認識する。
拡幅エリアの検出処理では、図3に示すように、カーブ区間Cの手前で撮影された画像データを用いて、カーブ区間Cの手前に位置する直線区間Sのうち、自車両V1が走行する車線の幅員を、公知の白線検出方法等によって検出する。また、カーブ区間Cに進入した後も、カメラ24から取得した画像データに基づいて、自車両V1が走行する車線の幅員を算出する。そして、新たに算出した幅員を、既に算出した各幅員と比較しながら、カーブ区間Cにおける幅員の最大値を判定し、その最大値をRAM6に記憶する。さらに、カーブを退出した時等の所定のタイミングで、カーブ区間の幅員の最大値から直線区間Sの幅員を減算して、拡幅量ΔWを算出する。そして、拡幅量ΔWが、上記補助領域であることを示す所定値以上であるか否かを判断し、拡幅量ΔWが所定値以上であると判断すると、その拡幅量ΔWが設けられた補助領域を、拡幅エリアZ2として判断する。尚、自車両がカーブ区間Cから退出した後に、カーブ区間Cの退出口に連続する直線区間の幅員を、カーブ区間における幅員の最大値から減算して、拡幅量を算出するようにしてもよい。
次に、ナビゲーション装置2が備える各記憶部とそれらの記憶部に格納されたデータについて説明する。地理情報記憶部10には、道路情報としての道路ネットワークデータ11、道路属性データ12、地図描画データ13が格納されている。
道路ネットワークデータ11は、ノードの識別子や座標、各ノードを接続するリンクの識別子や座標等を示すデータである。ノードは、交差点や道路の端点に設定されているため、各ノードからは道路の曲線形状を判別することはできない。また、道路ネットワークデータ11は、各リンクに対応付けられ、リンク長や車線数等に応じて設定されたリンクコストを有している。ナビゲーションユニット3は、現在地から目的地までのリンクに対応するリンクコストに所定の係数を乗算し、これらのリンクコストを総計して、その総計値が最小となるような各種推奨経路を探索する。
道路属性データ12は、各リンクに対応する道路の道路区分、建設時期、地形、車道の幅員、車線数、設計速度等を有している。道路区分には、「第3種第2級」等の区分が格納されている。この区分は、道路を大きく第1種〜第4種に分類し、さらに各種において各級に分類するものである。高速自動車国道及び自動車専用道路であって地方部にある道路は、第1種とされ、高速自動車国道及び自動車専用道路であって都市部にある道路は第2種とされる。その他の道路であって地方部にある道路は第3種とされ、その他の道路であって都市部にある道路は第4種とされる。
また、第1種等の各種別は、種別毎に設定された条件に基づき、第1級、第2級・・・といった各級にさらに分類される。例えば、第1種は、計画交通量と道路の種類、道路が存する地形に応じて、第1級から第4級までに分類される。第1種では、計画交通量が多い場合には、第1級等のレベルの高い級数が設定され、計画交通量が減少するにつれて、第2級、第3級・・といったように低いレベルとなる。また、第1種では、道路の種類が、例えば高速自動車国道等、重要度が高い道路である場合には、1級等、レベルの高い級数が設定される。さらに第1種では、平地部は、山地部よりも、レベルの高い級数が設定
される。
また、道路属性データ12に含まれる建設時期は、少なくとも、その道路が道路構造令の法令の改正前に建設された道路であるか、又は改正後に建設された道路であるかを示すデータである。建設時期には、例えば改正前か改正後かを示すフラグが格納されていてもよいし、具体的な建設年が格納されていてもよい。道路構造令は、昭和45年に改正されており、道路計画・設計の仕方は、その改正前と改正後で異なる。従って、カーブ区間における形状の規定等は、道路構造令の改正前と改正後とで異なる。
道路属性データ12に含まれる地形は、「平地部」、「山地部」等を示す。また、道路属性データ12に含まれる地形は、その道路が建設された所が、地形の状況又はその他の特別な理由により、特別な曲率半径等が適用される場所であるか否かをフラグ等によって示している。道路属性データ12に含まれる幅員は、そのリンクにおける平均的な幅員を示しており、カーブ区間内での拡幅量等は含まれていない。道路属性データ12に含まれる車線数は、その道路の車線数を示す。道路属性データ12に含まれる設計速度は、道路の設計上、基準とされている速度を示す。
地図描画データ13は、ナビゲーション装置2と接続されたディスプレイ(図示略)に、地図画面を表示するためのデータであって、道路の平面曲線形状を描画するための道路形状データや、道路以外の領域を描画するための背景データを有している。道路形状データは、道路の平面曲線形状を示すための形状補間点の座標を有している。この形状補間点は、ノード間に、ノード間の曲線形状に沿って設定されるが、これらは道路の概略的な形状を示しているに過ぎず、実際の道路形状から外れた位置に設定されたり、設定される間隔が大きすぎることもある。
ナビゲーションユニット3は、上記した電波航法及び自律航法に加えて、この道路形状データと自車両の走行軌跡とを比較するマップマッチングを行い、自車位置を道路上にマッチングさせる。走行軌跡と道路形状データが大きく乖離する場合には、自車位置を修正する。これにより、自車位置の精度を向上することができる。
また、構造規定記憶手段としての道路法令情報記憶部14には、道路構造規定としての複数の曲率法令テーブル15と、複数の緩和長法令テーブル16とが、道路建設時期に対応付けて格納されている。これらの曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16は、主に道路構造令に基づき、予め作成されたデータである。また、曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16は、道路構造令により定められた道路の曲率半径及び緩和区間長を、法令の改正前と改正後とに分けてそれぞれ示すものである。
ナビゲーションユニット3は、道路ネットワークデータ11等を用いてカーブ区間の円曲区間の曲率半径と、円曲区間に連続する緩和区間の長さを算出し、さらに各テーブル15,16を用いて、曲率半径及び緩和区間長を補正して、走行支援処理に用いるパラメータとする。
図2に示すように、円曲区間Ciは、曲率半径が一定のカーブ(コーナー)であるが、直線区間Sと、円曲区間Ciとを直接接続すると、その境界において曲率半径が急激に変化し、運転操作に無理が生じる他、乗員に対し急激に大きな遠心力が加わる。このため、直線区間Sと円曲区間Ciとの間には、通常、曲率半径を緩やかに変化させた緩和区間Clが設けられる。緩和区間Clは、クロソイド曲線に沿った形状をなし、クロソイド曲線の長さは以下の式1で表される。尚、Lは、緩和区間Clの始点からの距離であり、Rは、その始点からLだけ離れた位置での曲率半径、Aはクロソイド係数である。
R・L=A ・・・(式1)
従って、緩和区間が、曲率半径Rの円曲区間に接続するとき、緩和区間の始点から終点までの全長は、A/Rとなる。
図4〜図9に示す道路法令情報記憶部14に格納された曲率法令テーブル15は、道路構造令の改正前における円曲区間の曲率半径を定めたテーブルと、改正後の曲率半径を定めたテーブルとを有している。また、改正前及び改正後の各テーブルは、ゼブラゾーンの標示が可能である曲率半径の最大値を定めたテーブルと、道路区分及び曲率半径の範囲に対して拡幅量を定めたテーブルと、道路区分及び地形に応じて曲率半径の最小値を定めたテーブルとから構成される。
詳述すると、図4に示す第1曲率法令テーブル15Aは、道路構造令の改正前に対応したテーブルであって、ゼブラゾーンの標示が可能である曲率半径の許容最大値Rmaxを示している。このテーブル15Aでは、車道の幅員の範囲、道路区分及び地形に応じて、円曲区間の曲率半径の許容最大値Rmaxが設定されている。車道の幅員の範囲は、「12m未満」、「12m以上16.5m未満」の2段階に分けられている。また、曲率半径の許容最大値Rmaxが設定されてない場合は、その条件下では、カーブ区間にゼブラゾーンを表示する必要が無いことを示す。
図5に示す第2曲率法令テーブル15Bは、道路構造令の改正後に対応したテーブルであって、ゼブラゾーンの標示が可能である曲率半径の許容最大値Rmaxを示している。このテーブル15Bでは、改正前の第1曲率法令テーブル15Aと異なり、単に道路区分毎に、曲率半径の許容最大値Rmaxが設定されている。
図6に示す第3曲率法令テーブル15Cは、道路構造令の改正前に対応したテーブルであって、カーブ区間において規定される拡幅量を示している。このテーブル15Cでは、道路区分及び地形に応じて設定された曲率半径の許容範囲Rrと、車道の幅員に応じて変化する拡幅量とが関連付けられている。拡幅量は、曲率半径の許容範囲Rrに含まれる値が大きくなるにつれて、小さくなっている。また、車道の幅員は、「12m未満」と「12m以上16.5m未満」の2段階に分かれ、「12m未満」の幅員に対応する拡幅量は、同じ条件における「12m以上16.5m未満」の拡幅量よりも小さくなっている。
図7に示す第4曲率法令テーブル15Dは、道路構造令の改正後に対応したテーブルであって、道路区分に応じて拡幅量が設定されている。拡幅量は、曲率半径の許容範囲Rrに含まれる値が小さくなるにつれて、大きくなる。
図8に示す第5曲率法令テーブル15Eは、道路構造令の改正前に対応したテーブルであって、道路区分及び地形と、曲率半径の許容最小値Rminとが関連付けられている。このテーブル15Eでは、道路区分及び地形毎に、一般曲線半径及び特別曲線半径が設定されている。特別曲線半径は、地形の状況又はその他の特別の理由によりやむを得ない箇所で適用される曲率半径であり、一般曲率半径は、その他の箇所に適用される曲率半径である。
図9に示す第6曲率法令テーブル15Fは、道路構造令の改正後に対応したテーブルであって、設計速度と、曲率半径の許容最小値Rminとが関連付けられている。
また、図10〜図12に示す緩和長法令テーブル16は、道路構造令の改正前の緩和区間長を定めたテーブルと、改正後の緩和区間長を定めたテーブルとを有している。緩和区間長は、短すぎると旋回時において横方向(遠心方向)に加わる加速度の変化率が大きくなり、運転操作上も無理が生じ、長すぎても好ましくない。このため、緩和区間長は、道路構造令でその最小値や最大値が規定されており、緩和長法令テーブル16は、緩和区間
長の許容最小値Lminを示すテーブルと、許容最大値Lmaxを示すテーブルとを有している。
図10に示す第1緩和長法令テーブル16Aは、道路構造令の改正前に対応したテーブルであって、道路区分、地形及び曲率半径の範囲と、緩和区間長Lの許容最小値Lminとを関連付けている。このテーブル16Aでは、曲率半径の範囲に含まれる値が小さくなる程、長い緩和区間長Lが設定されている。
図11に示す第2緩和長法令テーブル16Bは、道路構造令の改正後に対応したテーブルであって、曲率半径の範囲と、緩和区間長Lの許容最小値Lminとを関連付けている。このテーブル16Bでは、一般曲線半径の範囲及び特別曲線半径の範囲に、緩和区間長Lの許容最小値Lminが設定されている。
図12に示す第3緩和長法令テーブル16Cは、道路構造令の改正前及び改正後に依らず、設計速度と緩和区間長の許容最大値Lmaxとを関連付けている。この許容最大値Lmaxは、緩和区間を、上記設計速度で走行した際に、所定時間(例えば5秒)で緩和区間を通過可能な長さに設定されている。従って、設計速度が大きくなる程、大きな許容最大値Lmaxが設定されている。
補正情報記憶部17には、曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16に基づき補正された曲率半径データ18と緩和区間長データ19とが格納されている。曲率半径データ18は、カーブ区間を示すリンク識別子と、そのカーブ区間の円曲区間の曲率半径とを関連付けて格納している。緩和区間長データ19は、カーブ区間を示すリンク識別子と、そのカーブ区間における緩和区間長とを関連付けて格納している。
これらの曲率半径データ18及び緩和区間長データ19は、上記したように、車両前方のカーブに対する走行支援に用いられる。自車両前方のカーブ区間に対応する曲率半径データ18及び緩和区間長データ19が補正情報記憶部17に記憶されている場合、ナビゲーションユニット3は、曲率半径データ18及び緩和区間長データ19を用いて、シフトポジション、シフトチェンジを行うタイミング等を算出する。そして、そのシフトポジション及びシフトチェンジのタイミングに基づき、ATを駆動するECU25(図1参照)を制御する。ECU25は、ナビゲーションユニット3からの指令に基づいて、カーブ進入時及び旋回時には、シフトホールド又はシフトダウンして安定性を向上し、カーブ退出時には、円滑な加速ができるようにシフトアップする。
次に、ナビゲーションユニット3に格納された道路形状推測プログラムに基づく機能について説明する。図13は、ナビゲーションユニット3の機能ブロック図である。
自車位置判定部30は、図1に示す位置検出センサ20に基づき、上記電波航法、自律航法及びマップマッチングにより、自車位置を判定する。基本曲率半径演算部31は、道路ネットワークデータ11、道路属性データ12及び地図描画データ13に基づき、曲率半径(以下、基本曲率半径Riという)を算出する。基本緩和区間長演算部32は、道路ネットワークデータ11、道路属性データ12及び地図描画データ13に基づき、緩和区間長(以下、基本緩和区間長Liという)を算出する。
また、画像認識部33は、カメラ24から画像データを取得して、その画像データに基づき上記した画像認識処理を行う。そして、カーブ区間におけるゼブラゾーンの有無、カーブ区間の拡幅量を検出する。
道路建設年判定部34は、道路属性データ12に基づき、処理対象の道路が、道路構造令改正前であるか否かを判定する。
規定値取得部35は、画像認識部33から、ゼブラゾーンの有無、カーブ区間の拡幅量を取得し、道路建設年判定部34から、道路の建設時期が、改正前か改正後かを示すフラグ等を取得する。そして、ゼブラゾーンや拡幅の検出結果と、道路建設時期とに対応する曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16を読み出し、曲率半径の最大値、最小値又は範囲や、緩和区間長の最大値又は最小値を取得する。
曲率半径補正部36は、基本曲率半径演算部31により算出された基本曲率半径Riと、規定値取得部35により取得された曲率半径の最大値、最小値又は範囲とを比較して、基本曲率半径Riが、取得された曲率半径の最大値、最小値又は範囲を満たすか否かを判断する。基本曲率半径Riが、取得された曲率半径の最大値、最小値又は範囲を満たす場合には、補正を行わずに、その曲率半径を、曲率半径データ18として格納する。
一方、基本曲率半径Riが、取得された曲率半径の最大値、最小値又は範囲を満たさない場合には、ノード座標又は形状補間点(座標点)の座標が、実際の道路形状に沿っていない可能性が高い。例えば、図14に示すように、カーブ区間に含まれる座標点P1〜P5のうち、座標点P2が、実際の道路形状を示す曲線L10から離れた位置に設定されると、隣接する座標点P1と座標点P2とを接続する曲線L1と、座標点P2と隣接する座標点P3とを接続する曲線L2とが、実際の道路形状を示す曲線L10に対してずれる。そして、座標点P1〜P3を処理対象として基本曲率半径Riを求めた際に、実際の曲率半径よりも小さい曲率半径又は大きい曲率半径が算出される。道路構造令の規定を超えて、基本曲率半径Riが過小又は過大となった場合には、基本曲率半径Riの誤差が大きいと判定し、道路構造令で規定される曲率半径の最大値、最小値又は範囲を満たすように基本曲率半径Riを補正し、その補正した値を、曲率半径データ18として格納する。
緩和区間長補正部37は、基本緩和区間長演算部32により算出された基本緩和区間長Liと、規定値取得部35により取得された緩和区間長の最大値又は最小値を比較して、基本緩和区間長Liが、取得された緩和区間長の最大値又は最小値を満たすか否かを判断する。基本緩和区間長Liが、取得された緩和区間長の最大値又は最小値を満たす場合には、補正を行わずに、その緩和区間長を、緩和区間長データ19として格納する。
一方、基本緩和区間長Liが、取得された緩和区間長の最大値又は最小値を満たさない場合には、ノード座標又は形状補間点(座標点)の座標が、実際の道路形状に沿っていないことが推定される。例えば、基本緩和区間長Liを算出する場合、クロソイド曲線と、座標点とをフィッティングさせ、良好にフィッティングした区間を基本緩和区間長Liとするが、座標点の座標が、実際の道路形状を示す曲線から離れた位置に設定されると、誤ったフィッティング結果が算出され、基本緩和区間長Liが実際よりも短く、又は長くなる。従って、道路構造令の規定を超えて、基本緩和区間長Liが過小又は過大となった場合には、基本緩和区間長Liの誤差が大きいと判定し、道路構造令の最大値又は最小値を満たすように基本緩和区間長Liを補正し、その補正した値を、緩和区間長データ19として格納する。
(処理手順)
次に、本実施形態の処理手順について、図15〜図19に従って説明する。
図15に示すように、まず、ナビゲーションユニット3は、カーブ区間の形状予測処理を開始するか否かを判断する(ステップS1)。形状予測処理を開始するためのトリガは特に限定されないが、例えば、イグニッションスイッチがオン状態とされたとき、又はインストルメントパネル等に設けられたスイッチがオン操作されたとき、形状予測処理を開始すると判断する。
形状予測処理を開始すると判断すると(ステップS1においてYES)、道路ネットワ
ークデータ11及び地図描画データ13に基づき、車両前方であって、形状予測処理の対象とされたことがないカーブ区間を検出したか否かを判断する(ステップS2)。尚、形状予測処理の履歴は、例えば補正情報記憶部17の曲率半径データ18に基づき判定することができる。
自車位置前方のカーブ区間の検出方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、自車位置から、進行方向前方の所定範囲(例えば1km)に設定されたノード又は形状補間点(座標点)のうち、所定の座標点Pを特定し、その座標点Pとその前後の2つの座標点とを含む3つの座標点Pn−1〜Pn+1の座標を取得する。そして、円周上の任意の3点が満たす一般式に、3つの座標点Pn−1〜Pn+1の座標を当てはめ、座標点Pに対する曲率半径Rを算出する。さらに、算出した曲率半径Rが、カーブ区間であることを示す所定値以下であるか否かを判断し、所定値を超える場合には、その座標点はカーブ区間に含まれないと判断して、自車両の進行方向先にずらした次の座標点Pn+1を中心とした3つの座標点P〜Pn+2について曲率半径を算出する。
3点の座標に基づき算出した座標点Pの曲率半径Rが、上記した所定値以下である場合には、座標点Pがカーブ区間に含まれると判断して、処理対象の座標点を、1点分進行方向にずらした座標点Pn+1とし、次の曲率半径Rn+1を算出する。次に算出した曲率半径Rn+1が、所定値以下である場合、その前の曲率半径Rを算出する際に対象とされた座標点Pn−1〜Pn+1がなす曲線方向と、今回の座標点P〜Pn+2がなす曲線方向とが同一であるか否かを判断する。方向が同一である場合には、座標点P〜Pn+1を同じカーブ区間に含める。方向が異なる場合には、S字カーブであると予測されるため、異なるカーブ区間として認識する。そして、曲率半径が所定値以下となり、且つ曲線方向が同じである座標点を含む区間を、カーブ区間と認識する。また、カーブ区間の曲率半径が所定値以下となった始点の座標と、及び曲率半径が所定値以下となる最後の点である終点の座標とを記憶する。尚、ここで検出されるカーブ区間は、曲率半径及び緩和区間長の補正処理のために道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13に基づきナビゲーションユニット3が算出したものであって、曲率半径が所定値以下となった始点及び曲率半径が所定値以下となる最後の点である終点は、実際のカーブの始点(緩和区間の始点)及びカーブの終点(緩和区間の終点)と必ずしも一致するとは限らない。
自車位置前方のカーブ区間を検出した場合(ステップS2においてYES)、その時点において自車両が、そのカーブ区間に進入する前であるか否かを判断する(ステップS3)。カーブ区間進入前であると判断すると(ステップS3においてYES)、曲率半径補正処理(ステップS4)と、緩和区間長補正処理とを行って(ステップS5)、曲率半径データ18及び緩和区間長データ19を補正情報記憶部17に記憶した後、形状予測処理を終了するか否かを判断する(ステップS8)。例えば、イグニッションスイッチがオフ状態とされたとき、又はインストルメントパネルに設けられたスイッチがオフ操作されたとき、形状予測処理を終了すると判断する。形状予測処理を終了しないと判断すると(ステップS8においてNO)、ステップS2に戻り、上記したステップを繰り返す。
また、ステップS3において、カーブ区間に進入した後であると判断すると(ステップS3においてNO)、そのカーブ区間を退出したか否かを判断する(ステップS6)。カーブ区間を走行中であって、退出していない場合には(ステップS6においてNO)、上記したステップS8に進み、形状予測処理を終了するか否かを判断する。
ステップS6において、カーブ区間を退出したと判断すると(ステップS6においてYES)、再び曲率半径補正処理を行う(ステップS7)。ここで行われる曲率半径補正処理は、ステップS4で行われる曲率半径補正処理と同一である。即ち、本実施形態では、カーブ区間退出後も、曲率半径補正処理を行って、円曲区間の曲率半径を補正する。曲率
半径補正処理を行うと、ステップS8に進み、形状予測処理を終了するか否かを判断する。形状予測処理を終了すると判断すると(ステップS8においてYES)、処理を終了する。
(曲率半径補正処理)
次に、曲率半径補正処理について、図16〜図18に従って説明する。まず、図16に示すように、ナビゲーションユニット3は、ステップS2で検出したカーブ区間における円曲区間を対象として、基本曲率半径Riを取得する(ステップS4−1)。例えば、ステップS2で特定されたカーブ区間の各曲率半径のうち、最小の曲率半径を、基本曲率半径Riとする。つまり、カーブ区間の構成上、上記円曲区間が最も曲率半径が小さいため、カーブ区間における曲率半径の最小値が、円曲区間の曲率半径に相当する。基本曲率半径Riを算出すると、その基本曲率半径RiをRAM6に一時記憶する。
基本曲率半径Riを取得すると、道路属性データ12に基づき、その処理対象のカーブ区間に対応する道路建設時期を取得する(ステップS4−2)。
さらに、処理対象のカーブ区間において、ゼブラゾーンを検出したか否かを判断する(ステップS4−3)。カーブ進入前には、ゼブラゾーンを検出していないため(ステップS4−3においてNO)、図17に示すステップS4−8に進む。
ステップS4−8では、処理対象のカーブ区間において、拡幅量を検出したか否かを判断する。カーブ進入前には、拡幅量を検出していないため(ステップS4−8においてNO)、ステップS4−13に進む。
ステップS4−13では、道路区分及び地形を、道路属性データ12から取得する。道路区分及び地形を取得すると、ステップS4−2で取得した道路建設時期が、改正前であるか否かを判断する(ステップS4−14)。道路建設時期が改正前であると判断すると(ステップS4−14においてYES)、改正前に対応する第5曲率法令テーブル15Eを読み出す(ステップS4−15)。そして、第5曲率法令テーブル15E(図8参照)の中から、ステップS4−13で取得された道路区分及び地形に対応する曲率半径の許容最小値Rminを検索し、その許容最小値Rminを取得する(ステップS4−17)。例えば、カーブ区間の道路区分が「第2種」に該当し、地形が「山地部」であって一般曲率半径が適用される場所であるとすると、そのカーブ区間で設計可能な曲率半径の許容最小値Rminは、「100m」である。許容最小値Rminを取得すると、RAM6に一時記憶し、図18に示すステップS4−20に進む。
一方、ステップS4−14において、道路建設時期が改正後であると判断すると(ステップS4−14においてNO)、第6曲率法令テーブル15Fを読み出し(ステップS4−16)、設計速度に基づき、曲率半径の許容最小値Rminを取得する(ステップS4−17)。許容最小値Rminを取得すると、RAM6に一時記憶し、図18に示すステップS4−20に進む。
図18に示すステップS4−20以降では、ステップS4−1〜ステップS4−18で取得された曲率半径の最大値、最小値又は範囲と、基本曲率半径Riとを比較して、必要があれば基本曲率半径Riを補正する。
まず、ステップS4−20では、曲率半径の許容最大値Rmaxが取得されたか否かを判断する。カーブ区間に進入する前である場合、曲率半径の許容最小値Rminのみが取得されているため、許容最大値Rmaxが取得されていないと判断して(ステップS4−20においてNO)、ステップS4−23に進む。
ステップS4−23では、曲率半径の許容範囲Rrが取得されているか否かを判断する
。カーブ区間に進入する前である場合、許容範囲Rrが取得されていないと判断して(ステップS4−23においてNO)、ステップS4−26に進む。
ステップS4−26では、RAM6に一時記憶された基本曲率半径Riが、ステップS4−17で取得された許容最小値Rmin未満であるか否かを判断する。基本曲率半径Riが、許容最小値Rmin以上である場合(ステップS4−26においてNO)、その基本曲率半径Riを、曲率半径データ18として補正情報記憶部17に記憶する(ステップS4−28)。基本曲率半径Riが、許容最小値Rmin未満である場合(ステップS4−26においてYES)、基本曲率半径Riが、許容最小値Rminを満たすように補正する(ステップS4−27)。本実施形態では、基本曲率半径Riを、許容最小値Rminと同値とし、補正した曲率半径を、曲率半径データ18として補正情報記憶部17に記憶する(ステップS4−28)。曲率半径データ18を記憶すると、図19に示す緩和区間長補正処理を行う。
こうして生成された曲率半径データ18は、カーブ区間に進入する前に生成されるため、そのカーブ区間に対するシフトポジションの設定及びシフトチェンジのタイミングを設定するために用いることが可能である。このため、基本曲率半径Riをそのまま走行支援処理に用いる場合に比べ、走行支援の信頼性を向上することができる。
また、カーブ区間に進入すると、画像認識プロセッサ8は、上記したようにカメラ24から取得した画像データに基づき、ゼブラゾーンの検出処理を行うとともに、拡幅量の検出を行う。
そして、上記したように、自車両がカーブ区間を退出すると、曲率半径補正処理を再度行う。まず、カーブ進入前に生成された曲率半径データ18が示す曲率半径を、基本曲率半径Riとし(ステップS4−1)、道路建設時期を取得する(ステップS4−2)。
また、退出したカーブ区間において、ゼブラゾーンを検出したか否かを判断する(ステップS4−3)。ゼブラゾーンが標示されていないカーブ区間を走行した場合、ゼブラゾーンを検出していないと判断して(ステップS4−3においてNO)、ステップS4−8に進む。
一方、画像認識によりゼブラゾーンを検出したと判断すると(ステップS4−3においてYES)、ステップS4−2で取得した道路建設時期が、道路構造令の改正前であるか否かを判断する(ステップS4−4)。道路建設時期が、改正前であると判断すると(ステップS4−4においてYES)、道路法令情報記憶部14から、道路構造令の改正前に対応し、ゼブラゾーンを標示するための規定を示した第1曲率法令テーブル15Aを読み出す(ステップS4−5)。そして、カーブ区間の道路区分、地形及び幅員を、道路属性データ12から取得し、第1曲率法令テーブル15Aから、道路区分、地形及び幅員に対応する曲率半径の許容最大値Rmaxを取得する(ステップS4−7)。例えば、道路区分が「第2種」、地形が「山地部」、幅員が「12m以上16.5m未満」のとき、許容最大値Rmaxは「50m」である。尚、抽出した道路区分、地形及び幅員に該当する許容最大値Rmaxが設定されていない場合には、許容最大値Rmaxを取得しない。
一方、道路建設時期が、改正後であると判断すると(ステップS4−4においてNO)、道路法令情報記憶部14から、改正後に対応する第2曲率法令テーブル15Bを読み出す(ステップS4−6)。そして、カーブ区間の道路区分を道路属性データ12から取得し、第2曲率法令テーブル15Bから、道路区分に対応する曲率半径の許容最大値Rmaxを取得する(ステップS4−7)。例えば、道路区分が「第3種1級」のとき、許容最大値Rmaxは「50m」である。
次に、ステップS4−8において、カーブ区間における拡幅量を検出したか否かを判断する。そのカーブ区間において拡幅量が検出されない場合(ステップS4−8においてNO)、ステップS4−13に進む。尚、本実施形態では、カーブ区間にゼブラゾーンが標示されている場合も、ゼブラゾーンを拡幅したエリアとしてみなし、拡幅量を検出する。
拡幅量が検出された場合(ステップS4−8においてYES)、ステップS4−2で取得した道路建設時期が、道路構造令の改正前であるか否かを判断し(ステップS4−9)、改正前である場合には(ステップS4−9においてYES)、改正前に対応する第3曲率法令テーブル15Cを読み出す(ステップS4−10)。第3曲率法令テーブル15Cを読み出すと、道路区分、地形及び幅員を道路属性データ12から取得して、拡幅量、道路区分、地形及び車道の幅員に対応する曲率半径の許容範囲Rrを取得する(ステップS4−12)。例えば、拡幅量が「2.0以上」、道路区分が「第2種」、地形が「山地部」、幅員が「12m以上16.5m未満」である場合には、「50m以上80未満」といった許容範囲Rrを取得する。尚、道路区分、地形及び幅員と拡幅量とに該当する許容範囲Rrが設定されていない場合には、許容範囲Rrを取得しない。
一方、道路建設時期が、道路構造令の改正後である場合には(ステップS4−9においてNO)、改正後に対応する第4曲率法令テーブル15Dを読み出す(ステップS4−11)。そして、道路区分を道路属性データ12から取得し、検出したカーブ区間の拡幅量と、取得した道路区分とに対応する許容範囲Rrを取得する(ステップS4−12)。例えば、道路区分が「第2種」、拡幅量が「0.5m以上0.75未満」である場合、「100以上150m未満」といった許容範囲Rrを取得する。尚、抽出した道路区分及び拡幅量に該当する許容範囲Rrが設定されていない場合には、許容範囲Rrを取得しない。
続いて、ステップS4−13に進み、上記したように、道路区分及び地形を道路属性データ12から取得し、道路建設時期が、道路構造令の改正前であるか否かを判断する(ステップS4−14)。改正前である場合には(ステップS4−14においてYES)、第5曲率法令テーブル15Eを読み出し(ステップS4−15)、道路区分、地形に基づき、曲率半径の許容最小値Rminを取得する(ステップS4−17)。改正後である場合には(ステップS4−14においてNO)、第6曲率法令テーブル15Fを読み出し(ステップS4−16)、設計速度に基づき、曲率半径の許容最小値Rminを取得する(ステップS4−17)。
そして、ステップS4−20において、許容最大値Rmaxが取得されたか否かを判断し、許容最大値Rmaxが取得されていない場合には(ステップS4−20においてNO)、ステップS4−23に進む。一方、許容最大値Rmaxが取得された場合には(ステップS4−20においてYES)、RAM6に記憶された曲率半径Rが、許容最大値Rmaxを超えるか否かを判断する(ステップS4−21)。ここでは、上記したように、曲率半径データ18に基づく基本曲率半径Riが格納されているので、この基本曲率半径Riを用いる。
曲率半径Rが、許容最大値Rmax以下である場合には(ステップS4−21においてNO)、基本曲率半径Riを最新の曲率半径RとしてRAM6に記憶し、ステップS4−23に進む。一方、基本曲率半径Riが、許容最大値Rmaxを超える場合には(ステップS4−21においてYES)、許容最大値Rmax以下となるように基本曲率半径Riを補正する(ステップS4−22)。本実施形態では、曲率半径R(基本曲率半径Ri)を許容最大値Rmaxと同値とし、RAM6に記憶して、ステップS4−23に進む。
ステップS4−23では、上記したステップS4−8〜S4−12において、許容範囲
Rrが取得されたか否かを判断する。即ち、許容最大値Rmaxによって補正が行われた場合でも、補正された値が、許容範囲Rrを満たすか否かをさらに判断することによって、曲率半径Rが適正であるか否かを、最も厳しい規定にも合致するように、漏れなく判断することができる。
許容範囲Rrが取得されていない場合には(ステップS4−23においてNO)、ステップS4−26に進む。許容範囲Rrが取得された場合には(ステップS4−23においてYES)、RAM6に記憶された曲率半径Rを抽出し、その曲率半径Rが許容範囲外であるか否かを判断する(ステップS4−24)。ここでRAM6に記憶された曲率半径Rは、基本曲率半径Ri、又はステップS4−22で許容最大値Rmaxによって補正された曲率半径Rである。曲率半径Rが、許容範囲内である場合(ステップS4−24においてNO)、曲率半径Rを補正せず、最新の曲率半径RとしてRAM6に記憶して、ステップS4−26に進む。
一方、曲率半径Rが、許容範囲外である場合(ステップS4−24においてYES)、曲率半径Rが、許容範囲Rrを満たすように補正する(ステップS4−25)。ここでは、曲率半径Rを、許容範囲Rrの上限値及び下限値のうち、曲率半径Rに近い方の値と同値とする。
ステップS4−26では、上記したように、RAM6に記憶された曲率半径Rが、許容最小値Rmin未満であるか否かを判断する。この段階では、RAM6に記憶された曲率半径Rは、基本曲率半径Ri、或いは許容最大値Rmax及び許容範囲Rrの少なくとも一つによって補正された曲率半径Rである。
曲率半径Rが、許容最小値Rmin以上であると判断すると(ステップS4−26においてNO)、その時点でRAM6に記憶されている曲率半径Rを、曲率半径データ18として記憶する(ステップS4−28)。一方、ステップS4−26において、RAM6に記憶された曲率半径Rが、許容最小値Rmin未満であると判断すると(ステップS4−26においてYES)、その曲率半径Rが、許容最小値Rmin以上となるように補正する(ステップS4−27)。ここでは、曲率半径Rを、許容最小値Rminと同値とする。曲率半径Rを補正すると、補正した曲率半径を曲率半径データ18として記憶する(ステップS4−28)。曲率半径データ18を記憶すると、図19に示す緩和区間長補正処理に進む。カーブを退出した後に記憶した曲率半径データ18は、次にそのカーブ区間を走行する際に用いられる。
こうして、カーブ区間を退出した後は、カーブ区間に標示されたゼブラゾーン、拡幅量を利用して、対応する曲率半径の最大値、最小値又は範囲を取得することができる。このため、ゼブラゾーンと拡幅量とが検出された場合には、曲率半径の最大値、最小値及び範囲を取得することができる。また、カーブ区間において拡幅量のみを検出した場合には、曲率半径の範囲及び最小値を取得することができる。さらに、ゼブラゾーン及び拡幅量のどちらも検出できなかった場合でも、曲率半径の最小値を取得することができる。このように、曲率半径の条件を漏れなく抽出することで、多種多様なカーブ区間に対しても、円曲区間の曲率半径を適正な値に補正することができる。
また、基本曲率半径Riを補正する他の方法としては、車両の走行軌跡に基づき算出された曲率半径と基本曲率半径Riを比較して補正する方法も考えられるが、走行軌跡等に基づき補正を行う場合、ドライバーの運転操作の差異、車種の違い、天候等によっても左右される。これに対し、本実施形態では、道路構造令に基づき基本曲率半径Riを補正するので、上記した要因によらず、どの車両においても同様な補正を行うことができる。従って、円曲区間における曲率半径を、法令に則した適正な値にすることができる。
(緩和区間長補正処理)
次に、緩和区間長補正処理について図19に従って説明する。この緩和区間長補正処理は、上記したように、自車両がカーブ区間に進入する前に行われる。ナビゲーションユニット3は、道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13に基づき、緩和区間長の長さを示す基本緩和区間長Liを算出する(ステップS5−1)。道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13に基づき緩和区間長を算出する方法は、公知の方法を用いることができる。
例えば、図示しない記憶部に予め格納した、曲率半径とクロソイド係数Aを2乗した値とを関連付けたクロソイド係数テーブルを参照して、曲率半径補正処理(ステップS4又はステップS7)で補正された曲率半径Rに対応するクロソイド係数Aの2乗値を取得し、クロソイド係数Aを特定する。さらに、上記した式1と、円曲部の曲率半径Rに従って、緩和区間長L=A/Rを算出し、基本緩和区間長Liとする。基本緩和区間長Liを算出すると、RAM6に一時記憶する。
次に、道路建設時期を道路属性データ12から取得する(ステップS5−2)。さらに、道路建設時期が、道路構造令の改正前であるか否かを判断する(ステップS5−3)。道路建設時期が、道路構造令の改正前であると判断すると(ステップS5−3においてYES)、改正前に対応する第1緩和長法令テーブル16Aを読み出す(ステップS5−4)。第1緩和長法令テーブル16Aを読み出すと、曲率半径補正処理で生成された曲率半径データ18と、道路属性データ12から取得した道路区分、地形とに対応する曲率半径の許容最小値Lminを取得する(ステップS5−6)。
道路建設時期が、改正後であると判断すると(ステップS5−3においてNO)、改正後に対応する第2緩和長法令テーブル16Bを読み出す(ステップS5−5)。第2緩和長法令テーブル16Bを読み出すと、曲率半径データ18と、道路属性データ12から取得した地形とに対応する曲率半径の許容最小値Lminを取得する(ステップS5−6)。
次に、道路属性データ12に基づき、カーブ区間の設計速度を取得する(ステップS5−7)。また、補正情報記憶部17から、第3緩和長法令テーブル16Cを読み出す(ステップS5−8)。そして、ステップS5−7で取得した設計速度に対応する緩和区間長の許容最大値Lmaxを取得する(ステップS5−9)。
許容最小値Lminと許容最大値Lmaxとを取得すると、まずステップS5−1で算出した基本緩和区間長Liが許容最小値Lmin未満であるか否かを判断する(ステップS5−10)。基本緩和区間長Liが許容最小値Lmin未満であると判断すると(ステップS5−10においてYES)、基本緩和区間長Liが、許容最小値Lminを満たすように補正する(ステップS5−11)。ここでは、基本緩和区間長Liを、許容最小値Lminと同値とし、最新の緩和区間長LとしてRAM6に一時記憶する。
一方、基本緩和区間長Liが許容最小値Lmin以上であると判断すると(ステップS5−10においてNO)、基本緩和区間長Liが許容最大値Lmaxを超えるか否かを判断する(ステップS5−12)。基本緩和区間長Liが、許容最大値Lmaxを超えていると判断すると(ステップS5−12においてYES)、基本緩和区間長Liが、許容最大値Lmaxを満たすように補正する(ステップS5−13)。ここでは、基本緩和区間長Liを、許容最大値Lmaxと同値に補正する。そして、補正した緩和区間長Lを、RAM6に格納された緩和区間長Lに上書きする。一方、基本緩和区間長Liが、許容最大値Lmax以下であると判断すると(ステップS5−12においてNO)、基本緩和区間長LiをRAM6に記憶して、ステップS5−14に進む。
ステップS5−14では、RAM6に格納された緩和区間長Lを、緩和区間長データ19として記憶する。
このように、緩和長法令テーブル16を予め記憶しておくことにより、道路ネットワークデータ11等に基づき算出した基本緩和区間長Liを、道路構造令等に沿って補正することができる。このため、カーブ区間を走行する際の自車両の挙動等の要因に左右されずに、緩和区間長を適正な値にすることができる。また、緩和区間長の補正には、道路構造令に基づき補正した曲率半径を用いるので、緩和区間長の精度をより向上することができる。また、走行支援に用いられる緩和区間長Lを、カーブ区間進入前に補正することができるので、過去に走行したことがないカーブ区間に対しても、走行支援の信頼性を向上することができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ナビゲーション装置2は、道路建設時期と曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16とを対応付けて記憶する道路法令情報記憶部14を備える。また、道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13の道路形状データに基づいて、処理対象のカーブ区間に対する基本緩和区間長Liを生成する。さらに、処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定し、道路法令情報記憶部14から、そのカーブ区間の道路建設時期に対応する緩和長法令テーブル16を取得する。そして、基本曲率半径Riを、緩和長法令テーブル16を満たすように補正する。このため、ノード又は形状補間点の座標の誤差により、基本緩和区間長Liが、道路構造令を超えて過小又は過大となった場合、道路構造令を満たすように、基本緩和区間長Liを適正な範囲に補正することができる。また、道路構造令に沿うように補正を行うため、各車両の走行状態に依らず、各車両において同様に曲率半径を補正することができる。このため、カーブ区間における形状情報の精度を向上することができる。
(2)上記実施形態では、第1〜第2緩和長法令テーブル16A〜16Bは、カーブ区間の円曲区間の曲率半径と、緩和区間長との関係を規定する。また、ナビゲーションユニット3は、カーブ区間の円曲区間の曲率半径を取得する。さらに、カーブ区間の道路建設時期と、円曲区間の曲率半径に対応する第1〜第2緩和長法令テーブル16A〜16Bを満たすように、基本緩和区間長Liを補正する。このため、第1〜第2緩和長法令テーブル16A〜16Bによって示される緩和区間長の最小値に基づき、基本緩和区間長Liを補正することができる。従って、基本緩和区間長Liを、道路構造令に則した適正な範囲に補正し、その精度を向上することができる。
(3)上記実施形態では、ナビゲーションユニット3は、道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13の道路形状データに基づいて、処理対象のカーブ区間における円曲区間の基本曲率半径Riを算出する。また、基本曲率半径Riを、処理対象のカーブ区間の道路建設時期に応じた道路構造規定を満たすように補正する。そして、補正した曲率半径を、緩和区間長補正処理に用いる。従って、緩和区間長補正処理に用いられる曲率半径の誤差を小さくできるため、緩和区間長の精度をより向上することができる。
(4)上記実施形態では、第3緩和長法令テーブル16Cは、カーブ区間の設計速度と、緩和区間長との関係を規定する。また、ナビゲーションユニット3は、第3緩和長法令テーブル16Cから、カーブ区間の設計速度とに対応する緩和区間長の最大値に基づき、基本緩和区間長Liを補正する。従って、基本緩和区間長Liを、道路構造令に則した適正な範囲に補正し、その精度を向上することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、曲率法令テーブル15及び緩和長法令テーブル16は、道路構造
令に基づくテーブルとしたが、道路構造令以外の法令に基づくテーブルでもよい。この場合、基本曲率半径Riを、各テーブルが規定する内容を満たすようにそれぞれ補正することで、最も厳しい規定に沿った適正な値に補正することができる。
・上記実施形態では、図16〜図17に示すように、ゼブラゾーンを検出して許容最大値Rmaxを取得する処理(ステップS4−3〜S4−7)と、拡幅量を検出して許容範囲Rrを取得する処理(ステップS4−8〜ステップS4−12)と、道路区分及び地形から許容最小値Rminを取得する処理(ステップS4−14〜S4−17)を直列的に行うようにした。また、図18に示すように、許容最大値Rmaxに基づく補正(ステップS4−20〜S4−22)と、許容範囲Rrに基づく補正(ステップS4−23〜ステップS4−25)と、許容最小値Rminに基づく補正(ステップS4−26〜ステップS4−27)を直列的に行うようにした。これ以外に、カーブ区間に進入する前とカーブ区間を退出した後等、各状況に応じて、実行する処理を変更してもよい。例えば、カーブ区間に進入する前には、道路区分及び地形から許容最小値Rminを取得する処理(ステップS4−14〜S4−17)及び、その許容最小値Rminに基づく補正(ステップS4−26〜ステップS4−27)のみを行うようにしてもよい。さらに、カーブを退出した後に、ゼブラゾーンを検出して許容最大値Rmaxを取得する処理(ステップS4−3〜S4−7)と、拡幅量を検出して許容範囲Rrを取得する処理(ステップS4−8〜ステップS4−12)と、許容最大値Rmaxに基づく補正(ステップS4−20〜S4−22)と、許容範囲Rrに基づく補正(ステップS4−23〜ステップS4−25)とを行うようにしてもよい。このようにすると、各状況において必要のない処理を省略でき、より効率のよい処理を行うことができる。
・上記実施形態では、曲率半径補正処理において、カーブ進入前に、曲率半径補正処理及び緩和区間長補正処理を行うようにしたが、緩和区間長補正処理のみを行うようにしてもよい。或いは、曲率半径補正処理及び緩和区間長補正処理は、カーブ進入前に行わず、カーブ退出後に行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、曲率半径の許容最大値Rmax、許容範囲Rr及び許容最小値Rminといった規定値が取得可能である場合、それら全ての規定値を取得し、取得した全ての規定値と、基本曲率半径Ri又は補正した曲率半径Rとをそれぞれ比較するようにしたが、それらの規定値のうち1つと基本曲率半径Riとを比較するようにしてもよい。例えば、許容範囲Rrが取得された場合、その許容範囲Rrを満たすように基本曲率半径Riを補正すると、曲率半径補正処理を終了する。また、許容最大値Rmaxが取得された場合、その許容最大値Rmaxを満たすように基本曲率半径Riを補正すると、曲率半径補正処理を終了する。さらに、許容最小値Rminが取得された場合、その許容最小値Rminを満たすように基本曲率半径Riを補正すると、曲率半径補正処理を終了する。このようにしても、少ない処理量で、曲率半径Rの精度を向上することができる。
・上記実施形態では、カーブ区間の形状を示す基本形状情報を、曲率半径としたが、例えば、曲率半径と円弧の長さとしてもよく、その他のカーブ形状を示すパラメータとしてもよい。
・曲率半径を規定する曲率法令テーブルは、第1曲率法令テーブル15A〜第6曲率法令テーブル15F以外の構成にしてもよいし、各テーブル15A〜15Fのうち一つ又は複数を用いてもよい。また、各テーブル15A〜15Fにさらにテーブルを追加してもよい。追加可能なテーブルとしては、例えば、図20に示す曲率法令テーブル15Gのようなテーブルがある。この曲率法令テーブル15Gでは、拡幅量が所定値のn乗で示されており、この乗数「n」は、各リンクと対応付けて道路属性データ12に格納される。検出した拡幅量が「4メートル」である場合、その拡幅量は「2のn乗」に対応するため、テーブル15Gの拡幅量「2のn乗」の行であって、カーブ区間の道路区分及び地形に対応
する曲率半径の許容最大値Rmaxを取得する。また、緩和区間長を規定する緩和長法令テーブルは、第1〜第3緩和長法令テーブル16A〜16C以外の構成にしてもよいし、各テーブル16A〜16Cのうち1つ又は複数を用いてもよい。また、各テーブル16A〜16Cにさらにテーブルを追加してもよい。
・処理対象区間は、カーブ以外に、直線区間等の他の形状の区間としてもよい。処理対象区間が直線区間である場合、ナビゲーションユニット3は、ノード及び形状補間点に基づき、直線区間の形状(長さ、幅)等を算出する。道路構造規定は、直線区間の道路形状(長さ、幅等)を規定しており、ノード及び形状補間点に基づき算出した直線形状と道路構造規定とを比較して、直線形状が道路構造令を満たすように補正する。又は、平面交差区間、立体交差区間、合流区間等、複数の道路からなる区間としてもよい。この場合、ナビゲーションユニット3は、ノード及び形状補間点に基づき、複数の道路がなす相対角度や、相対高さ等、道路の相対関係を算出する。また、道路構造規定は、例えば、それらの道路が為す角度や、相対位置関係等、それらの道路が相対的になす道路形状を規定しており、ノード及び形状補間点に基づき算出した相対関係と、道路構造規定とを比較し、相対関係が道路構造規定を満たすように補正する。
・道路形状を概略を示すノード及び形状補間点は、道路ネットワークデータ11及び地図描画データ13にそれぞれ含まれるとしたが、ノード及び形状補間点は、道路ネットワークデータ11に含めてもよく、そのデータ構成は特に限定されない。
・上記実施形態では、道路形状推測装置を、車両に搭載されたナビゲーションユニット3に具体化したが、各車両に搭載された通信装置との間でデータの送受信を行うサーバ等の外部装置に具体化してもよい。サーバに具体化する場合、当該サーバは、各車両から、カーブ区間におけるゼブラゾーンの有無、拡幅量といった情報を収集し、収集した情報と、曲率法令テーブル15に基づき、カーブ区間の曲率半径を補正する。補正した曲率半径データ18は、各車両に配信される。また、当該サーバは、道路ネットワークデータ11等を用いて算出した所定エリア内の基本緩和区間長Liを、緩和長法令テーブル16に基づき補正して、緩和区間長データ19を生成し、各車両に配信する。このようにすると、曲率半径データ18又は緩和区間長データ19を受信した各車両は、過去に走行したことがないカーブ区間に対しての曲率半径データ18を得ることができるので、曲率半径データ18又は緩和区間長データ19を、初めて走行するカーブ区間に対する走行支援に反映することができる。
・上記実施形態では、道路形状推測装置を、走行支援システム1を構成するナビゲーション装置2に具体化したが、これ以外のシステムを構成する装置に具体化してもよい。例えば、車両前方のカーブ区間に対する情報をドライバーに提供するシステム、カーブ区間を走行する際の運転操作を支援するシステム、カーブ区間におけるドライバーの死角を補助するシステム、又は懸架装置、制動装置、灯光装置等、トランスミッション以外の車載装置等を制御して、カーブに対する支援を行うシステムに具体化してもよい。
本実施形態のナビゲーションシステムを示すブロック図。 ゼブラゾーンが標示されたカーブ区間の平面図。 拡幅が設けられたカーブ区間の平面図。 第1曲率法令テーブルの模式図。 第2曲率法令テーブルの模式図。 第3曲率法令テーブルの模式図。 第4曲率法令テーブルの模式図。 第5曲率法令テーブルの模式図。 第6曲率法令テーブルの模式図。 第1緩和長法令テーブルの模式図。 第2緩和長法令テーブルの模式図。 第3緩和長法令テーブルの模式図。 本実施形態のナビゲーション装置の機能ブロック図。 ノード又は形状補間点の座標と実際の道路形状とを説明する模式図。 本実施形態の全体処理を示すフローチャート。 曲率半径補正処理のフローチャート。 同処理のフローチャート。 同処理のフローチャート。 緩和区間長補正処理のフローチャート。 別例の曲率法令テーブルの模式図。
符号の説明
1…走行支援システム、2…道路形状推測装置としてのナビゲーション装置、3…基本情報生成手段、建設時期判定手段、規定情報取得手段、区間長補正手段、曲率半径取得手段、設計速度取得手段及び制御手段としてのナビゲーションユニット、11…道路情報としての道路ネットワークデータ、12…道路建設時期及び道路情報としての道路属性データ、13…道路情報としての地図描画データ、14…構造規定記憶手段としての道路法令情報記憶部、15…道路構造規定としての曲率法令テーブル、16…道路構造規定としての緩和長法令テーブル、C…カーブ区間、Ci…円曲区間、Cl…緩和区間、L…緩和区間長、Li…基本緩和区間長、Ri…基本曲率半径、ΔW…拡幅量、Z…ゼブラゾーン。

Claims (6)

  1. 道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段と、
    道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出する基本情報生成手段と、
    前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定する建設時期判定手段と、
    前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得する規定情報取得手段と、
    前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正する区間長補正手段とを備えたことを特徴とする道路形状推測装置。
  2. 請求項1に記載の道路形状推測装置において、
    前記道路構造規定は、カーブ区間の円曲区間における曲率半径と、緩和区間長との関係を規定し、
    前記処理対象のカーブ区間の円曲区間における曲率半径を取得する曲率半径取得手段をさらに備え、
    前記区間長補正手段は、取得した前記曲率半径と、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期とに対応する前記道路構造規定を満たすように、前記基本緩和区間長を補正することを特徴とする道路形状推測装置。
  3. 請求項2に記載の道路形状推測装置において、
    前記曲率半径取得手段は、
    前記道路情報に基づいて、前記円曲区間の曲率半径を算出し、当該曲率半径を、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に応じた前記道路構造規定を満たすように補正することを特徴とする道路形状推測装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の道路形状推測装置において、
    前記道路構造規定は、カーブ区間の設計速度と、緩和区間長との関係を規定し、
    前記処理対象のカーブ区間の設計速度を取得する設計速度取得手段をさらに備え、
    前記区間長補正手段は、前記処理対象のカーブ区間の設計速度に対応する前記道路構造規定を満たすように、前記基本緩和区間長を補正することを特徴とする道路形状推測装置。
  5. 道路形状の推測を行う制御手段による道路形状推測方法において、
    前記制御手段が、
    道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出し、
    前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定し、
    道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段から、前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得し、
    前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正することを特徴とする道路形状推測方法。
  6. 道路形状の推測を行う制御手段を用いる道路形状推測プログラムにおいて、
    前記制御手段を、
    道路建設時期と道路構造規定とを対応付けて記憶する構造規定記憶手段と、
    道路情報に基づいて、処理対象のカーブ区間に対する緩和区間の長さを示す基本緩和区間長を算出する基本情報生成手段と、
    前記処理対象のカーブ区間の道路建設時期を判定する建設時期判定手段と、
    前記処理対象のカーブ区間の前記道路建設時期に対応する前記道路構造規定を取得する
    規定情報取得手段と、
    前記基本緩和区間長を、取得した前記道路構造規定を満たすように補正する区間長補正手段として機能させることを特徴とする道路形状推測プログラム。
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