JP2010151194A - チューブの接合構造、チューブ端部の加工方法および加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周面側にバリア層が形成されたチューブを継手に対して、確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブと継手の接合強度を向上させることができるチューブの接合構造を提供する。
【解決手段】チューブ10の端部12は、軸方向における所定長さで外周面側のバリア層11が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面13を有し、チューブ10の端部12を継手20の管端部21に嵌入させた状態で、チューブ10の端部12における切削周面13と、同じく熱可塑性の材質からなる継手20の管端部21における内周面22とを、互いに加熱溶着して接合した。
【選択図】図1
【解決手段】チューブ10の端部12は、軸方向における所定長さで外周面側のバリア層11が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面13を有し、チューブ10の端部12を継手20の管端部21に嵌入させた状態で、チューブ10の端部12における切削周面13と、同じく熱可塑性の材質からなる継手20の管端部21における内周面22とを、互いに加熱溶着して接合した。
【選択図】図1
Description
本発明は、外周面側にバリア層が形成されたチューブと、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備えた継手とを、それぞれ接合するためのチューブの接合構造に関する。
また、本発明は、外周面側にバリア層が形成されたチューブを、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備え、チューブ主要部と同じく熱可塑性の材質からなる継手に接合するための、前記チューブ端部の加工方法および加工装置に関する。
また、本発明は、外周面側にバリア層が形成されたチューブを、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備え、チューブ主要部と同じく熱可塑性の材質からなる継手に接合するための、前記チューブ端部の加工方法および加工装置に関する。
従来から樹脂製のチューブや継手を接合する方法としては、それぞれの材質の熱可塑性を利用して、互いに加熱溶着して接合する方法が広く用いられている。すなわち、チューブの端部を継手の管端部に嵌入させた状態で、最も外側となる継手の管端部の外周面側に加熱部材を押し当てて加熱し、軸心方向に重なり合う継手の管端部の内周面とチューブの端部の外周面とを互いに加熱溶着して接合していた。
このように継手に加熱溶着されたチューブの接合構造として、溶着部分に空隙を発生させることなく、溶着部分の内側にビードの膨出や凹みを発生させることなく、加熱溶着して接合することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、チューブの端部における先端面の内周縁を面取りすることにより、継手に対する溶着強度を十分に上げることができるようにしたチューブ端部の加工装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、チューブの端部における先端面の内周縁を面取りすることにより、継手に対する溶着強度を十分に上げることができるようにしたチューブ端部の加工装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
ところで、チューブや継手の素材は、一般にフッ素樹脂が用いられており、特にテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が広く採用されている。PFAとは、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体からなる熱可塑性フッ素樹脂であり、耐薬品性に優れており、熱可塑性で溶融加工が可能であるばかりでもなく、表面平滑性にも優れている素材である。
ただし、従来のPFA製チューブでは、その内部に浸透性の高い薬液(塩酸等)が通過する場合には、クラックが生じて透過性が高まったり、白化により光透過性が阻害されたりするという問題があった。かかる問題を解決するために、PFA製チューブの外周面側にバリア性フッ素ポリマー(CPT)からなるバリア層を形成することにより、透過性の高い酸に対するバリア性を向上させた低透過PFAチューブが最近は普及している。
前述したような従来における継手に対するチューブの接合構造や、チューブ端部の加工装置では、チューブの端部における先端面を面取りすることはあっても、チューブの端部における外周面側のバリア層はそのまま残した状態で、継手に対して加熱溶着させて接合していた。
しかしながら、チューブにおけるバリア層は、チューブや継手を成形する熱可塑性の材質(PFA)とは、あくまで異なる組成物であるため、加熱溶着に際しては溶融温度が異なること等を原因として、同じ素材(PFA)同士を加熱溶着する場合に比べると、溶着安定性が良くなく、機械的な接合強度も劣るという問題点があった。
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、特に外周面側にバリア層が形成されたチューブを継手に対して、確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブと継手の接合強度を向上させることができるチューブの接合構造、チューブ端部の加工方法および加工装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]外周面側にバリア層(11)が形成されたチューブ(10)と、該チューブ(10)の端部(12)を嵌入させる管端部(21)を備えた継手(20)とを、それぞれ接合するためのチューブ(10)の接合構造において、
前記チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面(13)を有し、
前記チューブ(10)の端部(12)を前記継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、前記チューブ(10)の端部(12)における前記切削周面(13)と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)とを、互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブ(10)の接合構造。
[1]外周面側にバリア層(11)が形成されたチューブ(10)と、該チューブ(10)の端部(12)を嵌入させる管端部(21)を備えた継手(20)とを、それぞれ接合するためのチューブ(10)の接合構造において、
前記チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面(13)を有し、
前記チューブ(10)の端部(12)を前記継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、前記チューブ(10)の端部(12)における前記切削周面(13)と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)とを、互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブ(10)の接合構造。
[2]外周面側にバリア層(11)が形成されたチューブ(10)と、該チューブ(10)の端部(12)を嵌入させる管端部(21)を備えた継手(20)とを、それぞれ接合するためのチューブ(10)の接合構造において、
前記チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面(13)と、該切削周面(13)に外嵌させる別体の補助リング(40)とを有し、
前記補助リング(40)は、前記チューブ(10)と同じく熱可塑性の材質により、前記切削周面(13)に外嵌させた状態で、当該外周面が前記バリア層(11)の外周面に連なる厚さに形成され、
前記チューブ(10)の端部(12)を、前記補助リング(40)を外嵌させて前記継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、前記チューブ(10)の端部(12)における前記切削周面(13)と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)とを、前記補助リング(40)を介して互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブ(10)の接合構造。
前記チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面(13)と、該切削周面(13)に外嵌させる別体の補助リング(40)とを有し、
前記補助リング(40)は、前記チューブ(10)と同じく熱可塑性の材質により、前記切削周面(13)に外嵌させた状態で、当該外周面が前記バリア層(11)の外周面に連なる厚さに形成され、
前記チューブ(10)の端部(12)を、前記補助リング(40)を外嵌させて前記継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、前記チューブ(10)の端部(12)における前記切削周面(13)と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)とを、前記補助リング(40)を介して互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブ(10)の接合構造。
[3]前記チューブ(10)の端部(12)は、その先端面の内周縁が切削された鋭角断面形状の面取部(14)を有し、
前記継手(20)の管端部(21)は、その内周面(22)の途中に前記面取部(14)が食い込むことで、前記継手(20)の管端部(21)に対して前記チューブ(10)の端部(12)が嵌入する位置を規制する被食込み部(23)を有することを特徴とする[1]または[2]に記載のチューブ(10)の接合構造。
前記継手(20)の管端部(21)は、その内周面(22)の途中に前記面取部(14)が食い込むことで、前記継手(20)の管端部(21)に対して前記チューブ(10)の端部(12)が嵌入する位置を規制する被食込み部(23)を有することを特徴とする[1]または[2]に記載のチューブ(10)の接合構造。
[4]外周面側にバリア層(11)が形成されたチューブ(10)を、該チューブ(10)の端部(12)を嵌入させる管端部(21)を備え、該チューブ(10)と同じく熱可塑性の材質からなる継手(20)に接合するために、前記チューブ(10)の端部(12)を加工する方法であって、
前記チューブ(10)の端部(12)の軸方向における所定長さで、外周面側の前記バリア層(11)を切削し、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出して、前記継手(20)の管端部(21)における内周面に加熱溶着する切削周面(13)を形成する外周切削工程と、
前記チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を切削し、鋭角断面形状の面取部(14)を形成する面取切削工程と、
を有することを特徴とするチューブ(10)端部(12)の加工方法。
前記チューブ(10)の端部(12)の軸方向における所定長さで、外周面側の前記バリア層(11)を切削し、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出して、前記継手(20)の管端部(21)における内周面に加熱溶着する切削周面(13)を形成する外周切削工程と、
前記チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を切削し、鋭角断面形状の面取部(14)を形成する面取切削工程と、
を有することを特徴とするチューブ(10)端部(12)の加工方法。
[5]外周面側にバリア層(11)が形成されたチューブ(10)を、該チューブ(10)の端部(12)を嵌入させる管端部(21)を備え、該チューブ(10)と同じく熱可塑性の材質からなる継手(20)に接合するために、前記チューブ(10)の端部(12)を加工するための加工装置(50)であって、
前記チューブ(10)の端部(12)を挿入する内部空間を備え、該内部空間にチューブ(10)の端部(12)を挿入した状態でチューブ(10)の軸心回りに相対的に回転可能な治具本体(51)を有し、
前記治具本体(51)の内部空間に、
前記チューブ(10)の端部(12)に嵌入することで、該チューブ(10)を保持しつつ軸方向に沿って内部空間の奧に案内するチューブガイド(52)と、
前記チューブガイド(52)によって案内される前記チューブ(10)の先端面より前記バリア層(11)の深さまで食い込む位置に配置固定され、前記治具本体(51)に対する前記チューブ(10)の軸方向の移動および軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブ(10)のバリア層(11)を先端面から全周方向に亘り軸方向に切削していく外周用カッター刃(53)と、
前記外周用カッター刃(53)によって前記バリア層(11)が軸方向における所定長さまで切削し終えた前記チューブ(10)の先端面の内周縁に食い込む位置に配置固定され、前記治具本体(51)に対する前記チューブ(10)の軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を全周方向に亘り切削する先端用カッター刃(54)と、
を設けたことを特徴とするチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)。
前記チューブ(10)の端部(12)を挿入する内部空間を備え、該内部空間にチューブ(10)の端部(12)を挿入した状態でチューブ(10)の軸心回りに相対的に回転可能な治具本体(51)を有し、
前記治具本体(51)の内部空間に、
前記チューブ(10)の端部(12)に嵌入することで、該チューブ(10)を保持しつつ軸方向に沿って内部空間の奧に案内するチューブガイド(52)と、
前記チューブガイド(52)によって案内される前記チューブ(10)の先端面より前記バリア層(11)の深さまで食い込む位置に配置固定され、前記治具本体(51)に対する前記チューブ(10)の軸方向の移動および軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブ(10)のバリア層(11)を先端面から全周方向に亘り軸方向に切削していく外周用カッター刃(53)と、
前記外周用カッター刃(53)によって前記バリア層(11)が軸方向における所定長さまで切削し終えた前記チューブ(10)の先端面の内周縁に食い込む位置に配置固定され、前記治具本体(51)に対する前記チューブ(10)の軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を全周方向に亘り切削する先端用カッター刃(54)と、
を設けたことを特徴とするチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)。
[6]前記チューブ(10)を貫通させた状態で、該チューブ(10)の途中を囲むように固定されるチューブホルダー(60)を備え、
前記チューブホルダー(60)は、その端面(60a)が、前記治具本体(51)の内部空間の開口部周縁に当接することで、前記内部空間で前記チューブ(10)が前記チューブガイド(52)に案内される軸方向の移動量を規制することを特徴とする[5]に記載のチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)。
前記チューブホルダー(60)は、その端面(60a)が、前記治具本体(51)の内部空間の開口部周縁に当接することで、前記内部空間で前記チューブ(10)が前記チューブガイド(52)に案内される軸方向の移動量を規制することを特徴とする[5]に記載のチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)。
前記本発明は、次のように作用する。
前記[1]に記載のチューブ(10)の接合構造によれば、チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側のバリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が外部に露出する切削周面(13)を有している。ここでチューブ(10)は、バリア層(11)を除く主要部が同じ熱可塑性の材質によって成形されている。
前記[1]に記載のチューブ(10)の接合構造によれば、チューブ(10)の端部(12)は、その軸方向における所定長さで外周面側のバリア層(11)が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が外部に露出する切削周面(13)を有している。ここでチューブ(10)は、バリア層(11)を除く主要部が同じ熱可塑性の材質によって成形されている。
チューブ(10)を継手(20)に接合するには、チューブ(10)の端部(12)を継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、チューブ(10)の端部(12)における前記切削周面(13)と、該切削周面(13)と同じく熱可塑性の材質からなる継手(20)の管端部(21)における内周面とを、外部から加熱して互いに加熱溶着して接合させる。
このように、チューブ(10)の端部(12)において、継手(20)の管端部(21)における内周面と直接溶着する部位は、予めバリア層(11)が取り除かれた切削周面(13)であり、互いに同じ熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を直接的に接合することになる。従って、チューブ(10)と継手(20)とを、互いに確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブ(10)と継手(20)の接合強度を向上させることができる。
前記[2]に記載のチューブ(10)の接合構造によれば、チューブ(10)の端部(12)は、前記バリア層(11)が切削されて熱可塑性の材質が露出する前記切削周面(13)のみならず、この切削周面(13)に外嵌させる別体の補助リング(40)を有している。
かかる補助リング(40)は、チューブ(10)と同じく熱可塑性の材質により、前記切削周面(13)に外嵌させた状態で、当該外周面がバリア層(11)の外周面に連なる厚さに形成される。すなわち、補助リング(40)は、切削周面(13)における凹状の段差を、チューブ(10)の外周面の基準となるバリア層(11)の外周に連なるように穴埋めする。
チューブ(10)を継手(20)に接合するには、チューブ(10)の端部(12)を、その切削周面(13)に補助リング(40)を外嵌させてから継手(20)の管端部(21)に嵌入させた状態で、チューブ(10)の端部(12)における切削周面(13)と、該切削周面(13)と同じく熱可塑性の材質からなる継手(20)の管端部(21)における内周面とを、外部から加熱して前記補助リング(40)を介して互いに加熱溶着して接合させる。
このように、チューブ(10)の端部(12)において、継手(20)の管端部(21)における内周面と直接溶着する部位は、予めバリア層(11)が取り除かれており、しかも、凹状の段差は補助リング(40)によって穴埋めされた状態で、該補助リング(40)を介して、互いに同じ熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を接合することになる。従って、チューブ(10)と継手(20)とを、互いに隙間無く確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブ(10)と継手(20)の接合強度をいっそう向上させることができる
前記[3]に記載のチューブ(10)の接合構造によれば、チューブ(10)の端部(12)は、その先端面の内周縁が切削された鋭角断面形状の面取部(14)を有する。一方、継手(20)の管端部(21)は、その内周面の途中に前記面取部(14)が食い込み、継手(20)の管端部(21)に対してチューブ(10)の端部(12)が嵌入する位置を規制する被食込み部(23)を有する。
これにより、チューブ(10)の端部(12)を継手(20)の管端部(21)に嵌入させる際に、面取部(14)と被食込み部(23)との係合により、チューブ(10)を適正な嵌入位置にて位置決めすることができるばかりでなく、面取部(14)と被食込み部(23)とは、それぞれ軸方向と直角に交わる軸心方向に重なり合うことになり、よりいっそうとチューブ(10)と継手(20)の接合強度を向上させることができる。
前記[4]に記載のチューブ(10)端部(12)の加工方法によれば、少なくとも2つの工程によってチューブ(10)端部(12)を加工する。
すなわち、外周切削工程によって、チューブ(10)の端部(12)の軸方向における所定長さで、外周面側のバリア層(11)を切削し、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出して、前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)に加熱溶着する切削周面(13)を形成する。
すなわち、外周切削工程によって、チューブ(10)の端部(12)の軸方向における所定長さで、外周面側のバリア層(11)を切削し、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出して、前記継手(20)の管端部(21)における内周面(22)に加熱溶着する切削周面(13)を形成する。
また、面取切削工程によって、チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を切削し、鋭角断面形状の面取部(14)を形成する。
これら外周切削工程および面取切削工程の2つの工程によって、前述したチューブ(10)の接合構造における最適なチューブ(10)の形状を得ることが可能となる。
これら外周切削工程および面取切削工程の2つの工程によって、前述したチューブ(10)の接合構造における最適なチューブ(10)の形状を得ることが可能となる。
前記[5]に記載のチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)によれば、チューブ(10)の端部(12)を加工するには、治具本体(51)の内部空間にチューブ(10)の端部(12)を挿入し、該チューブ(10)の端部(12)を内部空間にあるチューブガイド(52)に嵌入させる。これにより、チューブ(10)の端部(12)は多少変形していても矯正され、チューブガイド(52)によって保持されつつ、軸方向に沿って内部空間の奧に案内される。
チューブ(10)の端部(12)を内部空間の奧へ案内すると、チューブ(10)の端部(12)における先端面が外周用カッター刃(53)に当接する。ここで、治具本体(51)に対してチューブ(10)を軸方向にさらに移動させつつ軸心回りに相対的に回転させると、チューブ(10)の先端面よりバリア層(11)の深さまで食い込む外周用カッター刃(53)が、バリア層(11)を先端面から全周方向に亘り軸方向に徐々に切削する。
外周用カッター刃(53)によってバリア層(11)が軸方向における所定長さ分だけ切削し終えると、当該位置にてチューブ(10)の先端面が今度は先端用カッター刃(54)に当接して食い込む。かかる状態で治具本体(51)に対してチューブ(10)を軸心回りに相対的に回転させると、先端用カッター刃(54)が、チューブ(10)の端部(12)における先端面の内周縁を全周方向に亘り切削する。
このような治具本体(51)からなる加工装置(50)によれば、チューブ(10)の端部(12)におけるバリア層(11)を切除した切削周面(13)と、先端における鋭角断面形状の面取部(14)とを、それぞれ連続して容易に加工することが可能となる。その結果として、チューブ(10)の接合構造におけるコスト低減が可能となる。
前記[6]に記載のチューブ(10)端部(12)の加工装置(50)によれば、チューブ(10)を貫通させた状態で、該チューブ(10)の途中を囲むように固定されるチューブホルダー(60)を備えており、このチューブホルダー(60)は、その端面(60a)が、前記治具本体(51)の内部空間の開口部周縁に当接することで、該内部空間でチューブ(10)がチューブガイド(52)に案内される軸方向の移動量を規制する。
これにより、チューブ(10)の途中を囲むチューブホルダー(60)の固定位置により、チューブ(10)の端部(12)における切削周面(13)の所定長さ、すなわち切削周面(13)の先端に位置する面取部(14)から切削周面(13)の基端までの距離を、正確な長さとなるように加工することができ、しかも、その長さを適宜調整することができる。
本発明に係るチューブの接合構造によれば、外周面側にバリア層が形成されたチューブの端部において、継手の管端部における内周面と直接溶着する部位は、予めバリア層が取り除かれており、互いに同じ熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を直接的に接合することにより、チューブを継手に対して確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブと継手の機械的な接合強度を向上させることができる。
また、チューブの端部におけるバリア層が切削された切削周面のみならず、この切削周面に外嵌させる別体の補助リングを有する場合には、バリア層が取り除かれた凹状の段差は補助リングによって穴埋めされた状態で、該補助リングを介して互いに同じ熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を接合することになり、チューブと継手とを、互いに隙間無く確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブと継手の接合強度をいっそう向上させることができる。
このような補助リングを使用することにより、現在販売している溶着継手は継手側溶着部の変更なく、既存状態のまま溶着が可能になるため、継手を改めて設計および製作することが不要となり、金型製作費等の初期費用を低減することができる。
さらに、本発明に係るチューブ端部の加工方法および加工装置によれば、チューブの端部におけるバリア層を切除した切削周面と、先端における鋭角断面形状の面取部とを、それぞれ2つの工程だけで連続して容易に加工することが可能となる。その結果として、チューブの接合構造におけるコスト低減が可能となる。
以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係るチューブ10の接合構造に関し、チューブ10を継手20に加熱溶着して接合する際の状態を示す縦断面図である。図2は、同じく第1実施の形態に係るチューブ10の接合構造に関し、チューブ10を継手20に嵌入する際の状態を一部破断して示す斜視図である。
図1は、本発明の第1実施の形態に係るチューブ10の接合構造に関し、チューブ10を継手20に加熱溶着して接合する際の状態を示す縦断面図である。図2は、同じく第1実施の形態に係るチューブ10の接合構造に関し、チューブ10を継手20に嵌入する際の状態を一部破断して示す斜視図である。
図1、図2に示すように、チューブ10は、内部が空洞の円筒管であり、その具体的な材質は、例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等に代表されるフッ素樹脂等が用いられる。すなわち、チューブ10の材質は、耐薬品性に優れるだけではなく、熱可塑性で溶融加工が可能な材質が用いられる。なお、チューブ10の材質とは、バリア層11以外の主要部の材質を指すものとする。
チューブ10の外周面側には、前述した材質よりも低透過性の材質からなるバリア層11が形成されている。このバリア層11は、例えば、PFAに添加物を加えたバリア性フッ素ポリマー(CPT)からなり、透過の高い酸に対するチューブ10のバリア性を向上させる機能を有している。バリア層11の厚さは、例えば、継手20の肉厚全体の3分の1程度に形成すると良い。
このようなチューブ10は、その端部12において先端面より軸方向に所定長さで外周面側のバリア層11が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面13を有している。この切削周面13は、次述する継手20の管端部21における内周面22に加熱溶着する部位となる。
また、チューブ10は、その端部12における先端面の内周縁が切削され、端部12の軸心より外周側かつ開口端に向かってテーパー状に傾斜する鋭角断面形状の面取部14を有している。この面取部14は、次述する継手20における管端部21の内周面22にある被食込み部23に食い込む部位となる。
図1、図2に示すように、継手20も、基本的には前記チューブ10と同様に、内部が空洞の円筒管であり、その具体的な材質は、例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等に代表されるフッ素樹脂等が用いられる。本実施の形態では、チューブ10および継手20は、それぞれ同一の材質から成形されたものとする。
継手20は、その一端側に前記チューブ10の端部12を嵌入させる管端部21を備えている。かかる継手20の内周面22は、管端部21の先端口から順に、チューブ10の端部12を案内するガイド面22a、後述する被食込み部23を形成するための外向面22b、および内周基準面22cに分かれている。
ガイド面22aは、内周面22の基準面をなす内周基準面22cより大きな内径を有している。詳しくはガイド面22aの内径は、管端部21の開口端の間近の部分を除いてチューブ10の切削周面13における外径よりも僅かに大きい寸法に設定されており、管端部21内にチューブ10の端部12(正確には切削周面13)が挿入されると、切削周面13と互いに接触した状態になる。
外向面22bは、ガイド面22aの終端から管端部21の軸心かつ開口端に向かってテーパー状に傾斜している。従って、外向面22bとガイド面22aとは鋭角を交わっており、当該部位に被食込み部23が形成されている。この被食込み部23は、前記チューブ10の端部12にある面取部14が食い込むことで、継手20の管端部21に対してチューブ10の端部12が嵌入する位置を規制するための部位である。
内周基準面22cは、前記被食込み部23より継手20の他端側に至るまで一律の内径で形成されている。この内周基準面22cは、継手20に接合する前記チューブ10の内周面と同じ内径に設定されており、それぞれ同じ内径の内周面として連続するように設定されている。
また、継手20の管端部21には、その外周面を囲むように管状のアウターリング30が装着されている。アウターリング30は、その内周面が継手20の管端部21における外周面に接触し、継手20の管端部21とチューブ10の切削周面13とが軸心方向に重なり合う位置にさらに重なるように装着される。
アウターリング30は、溶融した継手20およびチューブ10が溶着しにくい材質によって成形されている。このような材質としては、例えば、PTFE、変性PTFE等がある。アウターリング30の外周面側には、図示省略した加熱装置から熱を伝達するための熱伝達部材が配置されることになる。
次に、図3から図5に示すチューブ10の端部12の加工装置50について説明する。本加工装置50は、治具本体51と、その付属品であるチューブホルダー60とからなる。なお、チューブホルダー60は、加工装置50の必須の構成要素ではなく省略することもできる。
治具本体51は、握りやすいように略円柱形に形成されており、前記チューブ10の端部12を挿入する内部空間を備えている。この内部空間にチューブ10の端部12を挿入した状態で、治具本体51はチューブ10の軸心回りに相対的に回転させて操作するものである。
治具本体51の内部空間には、その開口部の反対側となる底面部に、チューブガイド52が固定されている。チューブガイド52は、チューブ10の端部12を嵌入させることで、該チューブ10を保持しつつ軸方向に沿って内部空間の奧に案内するための部材である。
チューブガイド52は、チューブ10の端部12が嵌入しやすいように、内部空間の底部に接する基端から先端に向かって、先細に傾斜する円錐台形に形成されている。かかるチューブガイド52の基端の外径は、チューブ10の端部12の内径より僅かに小さい寸法に設定され、チューブガイド52の外周壁と内部空間の内周壁との間に、チューブ10の端部12を案内する隙間が形成されている。
また、治具本体51の内部空間には、チューブ10のバリア層11を切削して切削周面13を形成するための外周用カッター刃53が配設されている。外周用カッター刃53は、治具本体51の外周面から内部空間の側方に向かって開設された取付用凹溝51aに、刃先が内部空間を臨む状態でネジ53bにより固定される。
この外周用カッター刃53は、前記チューブガイド52によって案内されるチューブ10の先端面よりバリア層11の深さまで食い込む位置に配置固定され、治具本体51に対するチューブ10の軸方向の移動および軸心回りの相対的な回転に伴って、チューブ10のバリア層11を先端面から全周方向に亘り軸方向に切削していくものである。
外周用カッター刃53は、チューブ10の円周接線に対して、ちょうどバリア層11を切削できる接触角度となるように配置固定されるが、発明者らの実験結果によれば、図10に示したように、具体的には接触角度を146度に設定した場合に、最適な切削性能を得ることができることが確認されている。従って、接触角度は146度を中心とする所定の範囲に設定すると良い。
また、外周用カッター刃53の固定位置は、該外周用カッター刃53にある長溝状のネジ孔53aに対するネジ53bの相対的な移動によって、バリア層11の深さに食い込む位置を適宜調整することができる。なお、前記取付用凹溝51aは、チューブ10のバリア層11の切削屑を逃がすための空間ともなっている。
さらに、治具本体51の内部空間には、チューブ10の先端面の内周縁を切削して面取部14を形成するための先端用カッター刃54が配設されている。先端用カッター刃54は、治具本体51の底面部から内部空間に向かって開設された取付用凹溝51bに、刃先が内部空間を臨む状態でネジ54bにより固定される。
この先端用カッター刃54は、前記外周用カッター刃53によってバリア層11が軸方向における所定長さまで切削し終えたチューブ10の先端面の内周縁に食い込む位置に配置固定され、治具本体51に対するチューブ10の軸心回りの相対的な回転に伴って、チューブ10の先端面の内周縁を全周方向に亘り切削するものである。
先端用カッター刃54の固定位置も、長溝状のネジ孔54aに対するネジ54bの相対的な移動によって、チューブ10の先端面に食い込む位置を適宜調整することができる。なお、前記取付用凹溝51bは、チューブ10の先端の面取り切削屑を逃がすための空間ともなっている。
図5に示すように、治具本体51と共に加工装置50を構成するチューブホルダー60は、チューブ10を貫通させた状態で、該チューブ10の途中を囲むように固定されるものである。チューブホルダー60は、一対のクランプ61,62からなり、各クランプ61,62は、それぞれ一端同士がヒンジにより開閉可能に連結されている。
各クランプ61,62の互いに対向する部位には、それぞれ半円形断面溝が凹設され、一方のクランプ61が他方のクランプ62に対して閉じた位置に締結ネジ63により固定されると、各半円形断面溝が一つの円形孔をなし、チューブ10の途中を上下から挟み付けるように構成されている。このようなチューブホルダー60は、その端面60aが、前記治具本体51の内部空間の開口部周縁に当接することで、前記内部空間でチューブ10がチューブガイド52に案内される軸方向の移動量を規制するようになっている。
次に、図5から図8において、本実施の形態に係る加工装置50によって、チューブ10の端部12を加工する方法について説明する。
予め、チューブ10はチューブホルダー60によって位置決めした状態に保持しておく。すなわち、図6に示すように、チューブホルダー60の各クランプ61,62によって、チューブ10の途中を上下から挟み付けるように把持し、チューブ10の端部12が、予め設定された長さ分だけ端面60aより突出する状態に保持する。
予め、チューブ10はチューブホルダー60によって位置決めした状態に保持しておく。すなわち、図6に示すように、チューブホルダー60の各クランプ61,62によって、チューブ10の途中を上下から挟み付けるように把持し、チューブ10の端部12が、予め設定された長さ分だけ端面60aより突出する状態に保持する。
図7において、チューブ10の端部12が治具本体51の内部空間に挿入されるように、治具本体51を、その内部空間の開口部側よりチューブ10の端部12に押し付ける。このとき、チューブ10の端部12は、内部空間にあるチューブガイド52に嵌入しつつ、このチューブガイド52の外周壁と内部空間の内周壁との間の隙間に案内される。これにより、チューブ10の端部12は多少変形していても矯正され、チューブガイド52によって保持されつつ、軸方向に沿って内部空間の奧に案内される。
続いて、チューブ10の端部12にチューブガイド52を嵌入していくと、やがて、外周用カッター刃53の角がチューブ10の先端面よりバリア層11の深さ位置に当接する。ここで、治具本体51をチューブ10に対して、その軸方向にさらに移動させつつ、軸心回りに相対的に回転させると、図5に示したように、チューブ10の先端面よりバリア層11の深さまで食い込む外周用カッター刃53が、バリア層11を先端面から全周方向に亘り軸方向に徐々に切削していくことができる。
このような外周切削工程によって、チューブ10の端部12の軸方向における所定長さで、外周面側のバリア層11が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する。これにより、チューブ10の端部12において、継手20の管端部21における内周面に加熱溶着する切削周面13が形成される(図4参照。)。
図8において、外周用カッター刃53によってバリア層11が軸方向における所定長さ分だけ切削し終えると、当該位置にてチューブ10の先端面が、今度は先端用カッター刃54に当接して食い込む。かかる状態で、治具本体51に対してチューブ10を軸心回りに相対的に回転させると、先端用カッター刃54が、チューブ10の端部12における先端面の内周縁を全周方向に亘り切削する。
このような面取切削工程によって、チューブ10の端部12における先端面の内周縁を切削し、鋭角断面形状の面取部14を形成することができる。このとき、チューブホルダー60は、その端面60aが、治具本体51の内部空間の開口部周縁に当接することで、該内部空間でチューブ10がチューブガイド52に案内される軸方向の移動量が規制される。
それにより、チューブ10の途中を囲むチューブホルダー60の固定位置により、チューブ10の端部12における切削周面13の所定長さ、すなわち切削周面13の先端に位置する面取部14から切削周面13の基端までの距離を、正確な長さとなるように加工することができ、しかもその長さを適宜調整することができる。なお、加工が終わったら、図9に示すように、チューブ10の端部12から治具本体51を引き離せば良い。
以上のように加工装置50を用いることにより、チューブ10の端部12におけるバリア層11を切除した切削周面13と、先端における鋭角断面形状の面取部14とを、それぞれ連続してほぼ同時に容易に加工することが可能となる。その結果、チューブ10の接合構造における最適な端部12の形状を簡単に得ることができ、チューブ10の接合構造におけるコスト低減が可能となる。
次に、チューブ10と継手20の接合方法、ないしチューブ10の接合構造の作用について説明する。
前述したように加工した端部12を有するチューブ10を継手20に接合するには、先ず、継手20の管端部21にチューブ10の端部12を嵌入させる。このとき、端部12の面取部14が継手20の管端部21内に形成されたガイド面22aの終端にある被食込み部23に突き当たるまで嵌入する。
前述したように加工した端部12を有するチューブ10を継手20に接合するには、先ず、継手20の管端部21にチューブ10の端部12を嵌入させる。このとき、端部12の面取部14が継手20の管端部21内に形成されたガイド面22aの終端にある被食込み部23に突き当たるまで嵌入する。
すると、図1に示すように、チューブ10の端部12における切削周面13と、同じく熱可塑性の材質からなる継手20の管端部21におけるガイド面22aとが、互いに対向する状態となる。ここで、面取部14と被食込み部23との係合により、チューブ10を継手20に対する適正な嵌入位置にて位置決めすることができる。
かかる状態で、図示省略した加熱装置からの熱を、アウターリング30を介して継手20の管端部21およびチューブ10の端部12に伝導する。これにより、加熱された継手20の管端部21とチューブ10の端部12とが、それぞれ溶融温度まで達すると溶融する。これにより、切削周面13とガイド面22aとが、互いに加熱溶着して一体的に接合する。
このように、チューブ10の端部12において、継手20の管端部21における内周面22と直接溶着する部位は、予めバリア層11が取り除かれており、互いに同じ熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を直接的に接合することになる。従って、チューブ10と継手20とを、互いに確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブ10と継手20の接合強度を向上させることができる。
特に、面取部14と被食込み部23とは、それぞれ軸方向と直角に交わる軸心方向に重なり合うことになり、よりいっそうとチューブ10と継手20の接合強度を向上させることができる。なお、面取部14と被食込み部23とは、それぞれ省略して構成してもかまわない。
図11および図12は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係るチューブ10の接合構造は、チューブ10の端部12におけるバリア層11を切削して形成した切削周面13に外嵌させる別体の補助リング40を有している。この補助リング40は、チューブ10と同じ熱可塑性の材質により、切削周面13に外嵌させた状態で、当該外周面がバリア層11の外周面に連なる厚さに形成されている。
本実施の形態に係るチューブ10の接合構造は、チューブ10の端部12におけるバリア層11を切削して形成した切削周面13に外嵌させる別体の補助リング40を有している。この補助リング40は、チューブ10と同じ熱可塑性の材質により、切削周面13に外嵌させた状態で、当該外周面がバリア層11の外周面に連なる厚さに形成されている。
すなわち、補助リング40は、切削周面13における凹状の段差を、チューブ10の外周面の基準となるバリア層11の外周に連なるように穴埋めする役割を果している。なお、補助リング40は、その開口端の内周縁に、チューブ10の切削周面13に対して外嵌しやすいように面取りしたテーパー部を設けても良い。
本実施の形態において、チューブ10を継手20に接合するには、図12に示すように、チューブ10の端部12を、その切削周面13に補助リング40を外嵌させてから継手20の管端部21に嵌入させた状態で、チューブ10の端部12における切削周面13と、該切削周面13と同じく熱可塑性の材質からなる継手20の管端部21における内周面22とを、外部から加熱して前記補助リング40を介して互いに加熱溶着して接合させる。
このように、チューブ10の端部12において、継手20の管端部21における内周面22と直接溶着する部位は、予めバリア層11が取り除かれており、しかも、凹状の段差は補助リング40によって穴埋めされた状態で、該補助リング40を介して互いに同等の熱可塑性を備えた材質からなる部位同士を接合することになる。従って、チューブ10と継手20とを、互いに隙間無く確実かつ強固に加熱溶着することができ、チューブ10と継手20の接合強度をいっそう向上させることができる。
また、補助リング40を使用することにより、現在販売している溶着継手は継手側溶着部の変更なく、既存状態のまま溶着が可能になるため、継手を改めて設計および製作することが不要となり、金型製作費等の初期費用を低減することができる。
なお、第1実施の形態と同種の部位には、同一符号を付して重複した説明を省略する。また、第1実施の形態と共通するチューブ10の端部12の加工装置50、加工装置50によって、チューブ10の端部12を加工する方法、およびチューブ10と継手20の具体的な接合方法についての詳細な説明も省略する。
以上に、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記第1,2実施の形態では、チューブ10の端部12に面取部14を形成した例を説明したが、この面取部14を省略して構成することもできる。
また、チューブ10の端部12にある面取部14のテーパー面と、継手20の内周面22にある被食込み部23のテーパー面との間には、予め隙間を設けておき、加熱溶着時における膨張によって互いに接触面を拡げながら前記間隙をなくして、空気を押し出し逃がすように構成しても良い。これにより、溶着部分に空隙を発生させることなく、溶着部分の内側にビードの膨出や凹みを発生させずに加熱溶着して接合することができる。
さらにまた、チューブ10および継手20は、例えば、半導体チップ製造現場等におけるクリーンルーム内で用いる純水等の洗浄液、その他一般薬液等の流管路として用いられるものであるが、材質は必ずしも合成樹脂に限定されるものではなく、熱溶着が可能な金属製素材等を用いることも可能である。もちろん、チューブ10および継手20は、互いに溶着可能な熱可塑性を備えた材質であれば、必ずしも同一材質に限られることはない。
10…チューブ
11…バリア層
12…端部
13…切削周面
14…面取部
20…継手
21…管端部
22…内周面
22a…ガイド面
22b…外向面
22c…内周基準面
23…被食込み部
30…アウターリング
40…補助リング
50…加工装置
51…治具本体
51a…取付用凹溝
51b…取付用凹溝
52…チューブガイド
53…外周用カッター刃
53a…ネジ孔
53b…ネジ
54…先端用カッター刃
54a…ネジ孔
54b…ネジ
60…チューブホルダー
60a…端面
61,62…クランプ
63…締結ネジ
11…バリア層
12…端部
13…切削周面
14…面取部
20…継手
21…管端部
22…内周面
22a…ガイド面
22b…外向面
22c…内周基準面
23…被食込み部
30…アウターリング
40…補助リング
50…加工装置
51…治具本体
51a…取付用凹溝
51b…取付用凹溝
52…チューブガイド
53…外周用カッター刃
53a…ネジ孔
53b…ネジ
54…先端用カッター刃
54a…ネジ孔
54b…ネジ
60…チューブホルダー
60a…端面
61,62…クランプ
63…締結ネジ
Claims (6)
- 外周面側にバリア層が形成されたチューブと、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備えた継手とを、それぞれ接合するためのチューブの接合構造において、
前記チューブの端部は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面を有し、
前記チューブの端部を前記継手の管端部に嵌入させた状態で、前記チューブの端部における前記切削周面と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手の管端部における内周面とを、互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブの接合構造。 - 外周面側にバリア層が形成されたチューブと、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備えた継手とを、それぞれ接合するためのチューブの接合構造において、
前記チューブの端部は、その軸方向における所定長さで外周面側の前記バリア層が切削され、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出する切削周面と、該切削周面に外嵌させる別体の補助リングとを有し、
前記補助リングは、前記チューブと同じく熱可塑性の材質により、前記切削周面に外嵌させた状態で、当該外周面が前記バリア層の外周面に連なる厚さに形成され、
前記チューブの端部を、前記補助リングを外嵌させて前記継手の管端部に嵌入させた状態で、前記チューブの端部における前記切削周面と、同じく熱可塑性の材質からなる前記継手の管端部における内周面とを、前記補助リングを介して互いに加熱溶着して接合したことを特徴とするチューブの接合構造。 - 前記チューブの端部は、その先端面の内周縁が切削された鋭角断面形状の面取部を有し、
前記継手の管端部は、その内周面の途中に前記面取部が食い込むことで、前記継手の管端部に対して前記チューブの端部が嵌入する位置を規制する被食込み部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のチューブの接合構造。 - 外周面側にバリア層が形成されたチューブを、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備え、該チューブと同じく熱可塑性の材質からなる継手に接合するために、前記チューブの端部を加工する方法であって、
前記チューブの端部の軸方向における所定長さで、外周面側の前記バリア層を切削し、該切削された部位に熱可塑性の材質が露出して、前記継手の管端部における内周面に加熱溶着する切削周面を形成する外周切削工程と、
前記チューブの端部における先端面の内周縁を切削し、鋭角断面形状の面取部を形成する面取切削工程と、
を有することを特徴とするチューブ端部の加工方法。 - 外周面側にバリア層が形成されたチューブを、該チューブの端部を嵌入させる管端部を備え、該チューブと同じく熱可塑性の材質からなる継手に接合するために、前記チューブの端部を加工するための加工装置であって、
前記チューブの端部を挿入する内部空間を備え、該内部空間にチューブの端部を挿入した状態でチューブの軸心回りに相対的に回転可能な治具本体を有し、
前記治具本体の内部空間に、
前記チューブの端部に嵌入することで、該チューブを保持しつつ軸方向に沿って内部空間の奧に案内するチューブガイドと、
前記チューブガイドによって案内される前記チューブの先端面より前記バリア層の深さまで食い込む位置に配置固定され、前記治具本体に対する前記チューブの軸方向の移動および軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブのバリア層を先端面から全周方向に亘り軸方向に切削していく外周用カッター刃と、
前記外周用カッター刃によって前記バリア層が軸方向における所定長さまで切削し終えた前記チューブの先端面の内周縁に食い込む位置に配置固定され、前記治具本体に対する前記チューブの軸心回りの相対的な回転に伴って、前記チューブの端部における先端面の内周縁を全周方向に亘り切削する先端用カッター刃と、
を設けたことを特徴とするチューブ端部の加工装置。 - 前記チューブを貫通させた状態で、該チューブの途中を囲むように固定されるチューブホルダーを備え、
前記チューブホルダーは、その端面が、前記治具本体の内部空間の開口部周縁に当接することで、前記内部空間で前記チューブが前記チューブガイドに案内される軸方向の移動量を規制することを特徴とする請求項5に記載のチューブ端部の加工装置。
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JP2018147337A (ja) * | 2017-03-08 | 2018-09-20 | 日本電気株式会社 | 自律移動ロボット、自律移動ロボットの制御方法および制御プログラム |
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- 2008-12-24 JP JP2008328627A patent/JP2010151194A/ja active Pending
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